令和4年12月一般質問

2024年05月31日

R4.12.14一般質問

20番(加藤仁司君) 通告に従い順次質問してまいります。

初めに、大項目の1、本市合併の是非について伺ってまいります。

平成29年12月の本市定例議会において、当時の加藤小田原市長は、「当面は南足柄市との間で、これ以上の合併に関する協議を進めることはない」と表明しました。それに先立つ南足柄市定例議会において加藤南足柄市長が、「小田原市と南足柄市の合併はするべきではないと判断した」と表明したことによって、平成28年10月から両市の市長、議員、各種団体代表、県職員及び大学教授等33人が参画し、数々の協議を重ねてきた「小田原市・南足柄市『中心市のあり方』に関する任意協議会」は解散することになりました。合併については、平成の大合併とも言われ、平成11年度当時全国には3200余りの自治体が平成21年末には1730自治体となり、当時は合併の是非論が各自治体間で激しく論議されておりました。

さて、本市においては、昭和46年の旧足柄下郡橘町の合併以来、51年間にわたり合併は実行されていません。先ほど述べた南足柄市との合併は、協議はされたものの実現には至りませんでした。その時期、本市は消防、斎場、ごみ処理についての施策を基本的には広域連携にかじを取りつつ、南足柄市との合併協議を進めていったと記憶しております。

そこで、合併については、本議会において12番杉山議員が再三にわたり市長に2市8町の合併推進を要請し質疑しておりますので、その中で出されました議論や内容については省かせていただきますが、南足柄市との合併白紙から5年が経過し、デジタル化によって行政事務の効率化が図られつつある現在、行政改革面において本市が合併を考えることがプラスなのか、マイナスなのか、いやそのような議論をすることも現在の状況では考えられないのか、市長の見解を伺いたいと思い、以下の質問をいたします。

初めに、近隣市町の動向について伺います。

御承知のとおり、近年、合併議論が沸き立ったのは湯河原町と真鶴町との合併の話があります。両町は平成15年に法定の合併協議会が設立し、翌年実施した真鶴町の住民投票の結果、反対が28票差で上回る結果となり、合併は中止された経緯があります。足柄下郡ではその後、合併の話は特に聞いておりませんが、来年予定されております神奈川県議会議員選挙において、従来の区割りが変更され、足柄下郡3町と南足柄市が合区となり、それが今後の各自治体運営にどのような影響をもたらすのか、計り知れないものがあります。

次に、足柄上郡の動向ですが、先々月に中井町の町長選挙があり、新人候補者が初当選となりました。大井町もこの日曜日に町長選挙があり、現新一騎打ちの結果、現職の再選となりました。また、同時に告示された議会議員の補欠選挙は、立候補者なしという結果になりました。同じく本年7月に行われた山北町長選挙は現職の当選が決まり、同時に挙行された山北町議会議員補欠選挙は、事前説明会は誰も出席者がいない状況でもありましたが、結局は2名の立候補があり無投票当選が決定されたようであります。

近隣市町の状況を選挙戦の観点から簡単にお伝えしましたが、その中から合併に関する話題を聞くことは正直ありませんが、市長は就任以来、近隣市町長や議会議員と会う機会も多いと思います。現在の近隣市町長や議会議員と接触した中で、合併に対する意向等を伺ったことがあるのかお尋ねいたします。

また、近隣市町の有権者などからも、意見や本市との合併への期待の声を伺ったことがあるのかも、併せてお尋ねいたします。

次に、市長の合併への考え方について伺います。

初めに、さきに述べました本市や近隣市町の状況とは別に、地域性や財政面、インフラ整備、スケールメリットなどの面において合併がもたらす効果や影響等について、市長はどのように考えておられるか、合併に対する市長の一般的な考えについて伺います。

続いて、本市に絡む合併についての考えを伺います。

市長は本年4月から新たな総合計画を打ち立て、その目標に沿って粛々と公務を行っていくことが基本であることは十分理解します。

そこで、今それぞれ述べてきた本市の経過及び近隣市町の動向を踏まえた中にあって、従来より議論されている2市8町の合併や南足柄市との合併の可能性について、改めて伺います。

次に、大項目の2、デジタル社会への対応について伺います。

本年3月定例会に披露された市長の施政方針では、デジタル化について、本市に関わる産学金官の力を結集し、「スーパーシティ・スマートシティ」や「デジタル田園都市国家構想」をはじめとする国の施策とも緊密に連携しながら、まちづくりの推進エンジンとして強力に取り組む姿勢を掲げ、「具体的な方針としては、現在策定中のDX推進計画に基づき、私(市長)を本部長としたデジタル化推進本部が中心となって、誰一人取り残さないデジタル社会の実現を目指し、個人情報保護に万全を期した上で、市民の利便性の向上と行政基盤のデジタルトランスフォーメーションを両輪としたデジタルまちづくりを計画的かつ大胆に進めてまいります」と述べられております。さらに、「令和4年度は、手数料等について、多様な支払方法の提供と徴収時の接触機会の低減を図ることを目的としたキャッシュレス決済の導入に着手するとともに、公文書の作成から廃棄までを一貫して電子的に管理し、行政事務の効率化を図る文書管理・電子決裁システムの導入、市民向けデジタル活用支援事業の更なる拡充などを進めてまいります。また、自治会などの地域活動を担う団体のデジタル化を促進してまいります」とも演説しており、市長のデジタル化に対しての積極的な姿勢を示されておりました。

そこで、(1)として、市は令和3年よりデジタルイノベーション課を設けデジタル化を推進しておりますが、上記に掲げた施策をはじめ、各所管におけるアナログからデジタルに移行した事業や施策等についてはどのようなものがあるのか。

(2)として、各所管におけるデジタル化対応後のメリットとデメリットについて伺います。

また、(3)として、福祉分野における作業効率化について伺います。

私ごとで恐縮ではありますが、私には介護が必要な母がおります。介護保険制度が導入されてから20年が経過しておりますが、令和3年5月に出された厚生労働省老健局の「介護保険制度の概要」によると、「導入当初に比べ65歳以上の被保険者数は1.6倍に増加する中で、サービス利用者は約3.3倍に増加。高齢者の介護になくてはならないものとして定着・発展している」とされております。先ほど申し上げましたとおり、現在、母は要介護4であり、ケアマネジャーが毎月訪問され、ケアプランを作成し、デイサービスやショートステイ、福祉用具のレンタル等の各種サービスを享受しており、制度のありがたみを感じているところであります。

本市においても、各家庭におきましてはその介護状況は異なり、子による介護をはじめ、昨今問題化しているヤングケアラーや、より深刻な老老介護や認認介護等も大きな問題として取り上げられております。今回は、福祉分野でも日常において常態化している介護に関する諸手続があまりにも煩雑で、難儀している家庭も少なくないと推察され、デジタルの活用によって解消できないものかと思い、質問する次第であります。

一つ事例を申し上げれば、介護対象者は常に同じ生活を送っているわけではなく、時には転倒して救急車によって搬送され入院を余儀なくされたり、介護施設利用もその都度違う施設に入所したりして、それぞれ契約書を交わす必要も出てきます。押印制度は部門によって徐々に廃止の方向にありますが、まだまだ紙ベースによる書類作成によって署名や住所や連絡先の記載を複数枚作成しなければならず、介護を支える利用者がその都度同じ項目を埋める作業をする必要があります。特に、老老介護や認認介護と言われている方々は、その作業も大変でしょうし、見守る側も相当な時間を要してしまうことが現状ではないでしょうか。ただいま申し上げてきた事例は、あくまでも民民契約であり、本市との直接の関係はないかもしれません。しかしながら、市は極力手続を簡素化し、煩わしさを払拭すべきだと思います。

本市において、介護関連の諸手続など行政事務における効率化を図れる手段としてのデジタル化は導入できるものなのか、市民が必要に応じて行う申請や手続の簡素化をデジタル化によっていかに図れるのか、現状とその可能性について伺います。

最後の質問として、大項目の3、橘地域における認定こども園整備について伺います。

当整備概要については、9月の厚生文教常任委員会においても説明され質疑されておりますが、現在就園している園を運営しつつ、新たに認定こども園を現在の下中幼稚園敷地に建設することで、様々な課題を一つ一つクリアしていかなければなりません。

そこで、改めて、基本計画策定に関する進捗状況と周辺地域への説明は十分行えているのか伺います。

次に、整備完了までの下中幼稚園の一時移転について伺います。

少子化の影響で、本年度より前羽幼稚園が休園となり、在園児は下中幼稚園に通うようになりました。その矢先、来年度、下中幼稚園に入園希望者が少ないことが判明したことで、認定こども園整備の前に下中幼稚園の休園問題が浮上し、教育委員会から、入園希望者を含めた来年度在園予定の保護者に対して意見聴取がされたと伺いました。その際、教育委員会は、酒匂幼稚園か前羽幼稚園の2園を候補地として提示されたと伺っております。その情報は、令和6年度以降に入園を検討している保護者にも届き、現在、一部保護者の間では混乱が生じ、先日、地元の関係者から要望書が市長及び教育長宛てに届けられました。

要望書の内容については、認定こども園整備までの間、下中幼稚園在園児は近接の下中小学校敷地内にて幼稚園生活が送れるようにという内容です。小学校敷地内という内容ですので、空き教室利用かプレハブ対応か、詳細については触れられていませんが、下中幼稚園の一時移転先は、下中小学校敷地内での対応となることでよいのか、御見解を伺い登壇しての質問を終わります。

◎市長(守屋輝彦君) 20番加藤議員の御質問に順次お答えをしてまいります。

初めに、大項目1、本市合併の是非についてのうち、近隣市町の長等の合併に対する意向についての質問がございました。私が市長に就任して2年半が経過いたしますが、この間、神奈川県西部広域行政協議会をはじめとする会議等におきまして、県西地域1市8町の市長、町長や近隣市町の議会議員、そして近隣市町の有権者とお会いする機会はございましたが、本市との合併に対する意向を伺ったことはございません。

次に、合併がもたらす効果等について質問がございました。自治体間の合併により、一般的には、事務を統合して行うことによるスケールメリットが働き、電算システムの統合や余剰となる職員数の削減が図られるなど、財政面で大きな効果が見込まれるとされております。また、インフラ整備におきましても、広域的な視点で施設等の整備を推進し、施設の集約化が可能となるなど、効率化が図られる効果も見込まれると考えられます。

次に、2市8町等との合併の可能性について質問がございました。本市といたしましては、「世界が憧れるまち”小田原”」の実現に向けまして各取組を着実に推進し、自立した行政運営を行っていくことが基本であると考えております。つきましては、県西地域2市8町や南足柄市との合併につきまして、現時点においては考えておりません。ただし、今後、近隣市町の状況の変化等により、合併に関するお話があれば、真摯に対応してまいります。

次に、大項目2、デジタル社会への対応についてのうち、各所管でアナログからデジタルに移行した事業等について質問がございました。デジタルに移行した事例の一つといたしまして、昨年度、市公式ホームページに24時間365日受付可能なAIチャットボットを導入いたしました。また、今年度は、市民からの申請・届出等の手続につきまして、電子申請システムでの受付拡大や、いわゆる「書かない窓口」の導入に順次取り組んでおります。さらに、キャッシュレス決済の導入に加え、デジタルミュージアムを構築するなど、様々な分野でデジタル化の取組を進めているところでございます。

次に、デジタル化対応後のメリットとデメリットについて質問がございました。さきに挙げた導入事例におけるメリットといたしまして、24時間の問合せが可能になったこと、来庁せずに幾つかの手続が可能になったこと、現金を持ち歩かなくても支払う方法が増えたことなど、デジタルならではの手法による市民サービスの向上が図られた点が挙げられます。一方、よく言われることでございますが、情報セキュリティーに関する問題や、誰一人取り残さないデジタル化、いわゆるデジタルデバイド対策などの課題があり、これらに対ししっかりと取り組んでまいります。

次に、デジタル化の導入による介護申請等の簡素化について質問がございました。本市では、平成24年から県の電子申請システム「eかながわ」を活用し、要介護・要支援認定の更新申請が可能となっております。また、介護関係の申請では、本市ではまだ導入しておりませんが、国が運営するマイナポータルの電子申請「ぴったりサービス」に、令和3年5月から自治体接続の機能が追加されております。このような機能を活用し電子申請を拡充することにより、いつでも来庁せずに手続できるなど、申請が簡素化され、利用者の利便性は向上するものと考えております。

次に、大項目3、橘地域における認定こども園整備についてのうち、基本計画の進捗状況について質問がございました。現在、施設の規模、機能、配置等を整理し、その内容を踏まえ整備手法や概算事業費、整備スケジュールを検討しており、令和4年12月末を目途に基本計画を取りまとめる予定でございます。施設整備の基本方針といたしましては、子供たちの主体性を伸ばし育むことができ、使いやすく安心・安全な施設とすることを基本とし、さらに脱炭素化等に十分配慮した施設とすることや、積極的に小田原産木材を利用し、子供たちにとって温かみが感じられる施設としたいと考えております。

次に、認定こども園整備に係る周辺地域への説明について質問がございました。令和3年5月から認定こども園整備につきまして、橘地域の子育て世帯へのヒアリングやアンケート調査、住民説明会の開催等を通じ、説明や意見聴取を重ねており、令和4年度からは基本計画の策定を進めております。事業の進捗に合わせまして、引き続き、前羽、橘北地区の連合会長への情報提供や、橘北地区まちづくり委員会への説明をしてまいりましたが、今後の事業説明につきましても、周辺地域の皆様に丁寧な説明を行ってまいりたいと考えております。

20番加藤議員の御質問のうち、整備完了までの下中幼稚園の一時移転につきましては、教育長からの答弁といたします。

以上をもちまして、20番加藤議員の御質問に対しての答弁といたします。

◎教育長(柳下正祐君) 20番加藤議員の御質問のうち、整備完了までの下中幼稚園の一時移転につきましては、私から答弁をさせていただきます。

下中幼稚園は認定こども園の整備地にございます。そこで、園舎を除却する必要があるために、下中小学校内への一時移転等複数の案を検討してまいりましたが、令和5年度の在園園児数が6人になると見込まれますことから、幼児教育に必要とされます集団的教育、これが可能な酒匂幼稚園に転園をする案、橘地域で幼児を保育する環境が整っている前羽幼稚園を活用する案を保護者に提示をいたしました。今後は、保護者等の意向も踏まえまして、下中小学校内に仮園舎を整備する案を含めて、保護者と話合いを進めてまいります。

以上をもちまして、20番加藤議員の御質問に対しての答弁とさせていただきます。

◆20番(加藤仁司君) 一定の答弁をいただきましたけれども、再質問をさせていただきます。順番にまいります。

初めに、合併に対しての各市町の意見でありますが、市長からは、特に聞くことはなかったということでありました。私自身は、また多くの議員も、いろいろな町の方から話というのは聞いたこともあるのかもしれません。私自身、合併要望の話を、正直聞いたこともあります。そういったときに、やはり市の姿勢はどうなのか、こういうことを聞かれるわけなので、今回、市長の意向、これについてのことを伺って、こちらからは無責任なことは言えないということなので伺った次第であります。状況は分かりましたので、これについては再質問はいたしません。

続いて、市長の合併に対する一般的な考えについては、よく分かりました。財政面の効果については、大変大きな効果があるという認識は私と同じであります。と言いますものの、合併にも、あまり大き過ぎるということが果たしていいのか、こういったこともありまして、どれくらいの自治体人口の規模が適正なのか、こういった議論は、今から10年ぐらい前の、平成の大合併のときにもよく出されました。そのときには、たしか記憶では人口30万人、これが適正規模と言われたこともありまして、また、学者によっては人口20万人ぐらいが適正ではないか、そういったことも聞いたことがあります。

そこで、市長は自治体人口の最適規模をどのように捉えているのかお伺いいたします。

◎市長(守屋輝彦君) 自治体人口の適正規模についての御質問でございますが、確かに、かつては一定の仮定を基に様々な議論、数字的に何万人がいいのではないかとか、そういった議論があったということは私も承知をしております。将来にわたって安定的に持続可能な行政運営を行っていく、これが非常に大きなテーマになってくると思いますが、そのためには一定の人口規模が必要であるということは考えております。昨今、特にデジタル化が進展して様々な業務の形態も変わってまいりました。それぞれの地域や置かれた環境によって、この適正規模の考え方というのはいろいろなものがあるのだろうと思いますので、なかなかそれを一律に何万人規模が適当かと答えることは、判断することは難しいと考えます。

以上です。

◆20番(加藤仁司君) 確かに一定の人口規模の必要性は感じながらも、これからの社会環境、また社会構造の変化によっては適正規模も変わるだろうということは理解をさせていただきました。

それでは、次の2市8町あるいは南足柄市との合併についての再質問をさせていただきます。

今年、この4月から総合計画を始めたばかりの市長の答弁とすれば、当然の答弁だったと思います。現時点の考えとしては、これは受け止めさせてもらいますが、市長も御承知のとおり、今までの協議会や市の立ち位置からすれば、2市8町を枠とした合併を軸として考えてきた、こういったいきさつがあります。しかしながら、登壇しての質問の中でも触れましたけれども、来春予定されている神奈川県議会議員選挙、これの区割りは十分に地域性を考慮して設定されたのか、こういった疑問は誰でも感じるのではないのかなと思っております。市長もかつて在籍をされておりました県議会が、県が設定している行政センターをまたいだ形で区割りを行った、こういったことについて、今後の行政区の在り方がもっと複雑になってしまわないのか正直不安であります。また、今度の衆議院の選挙から始まりますけれども、この選挙区についても、次期衆議院選挙では本市を含むこの神奈川17区に新たに二宮町が加わるということであります。そうして見てみますと、今、市長から御答弁がありましたように、適正人口を人口のみで判断する人口ではもうなくなり、従来の自治体間とはまた違った枠組みが構成される可能性もあるのかと、そのように思うものであります。

そのような中にありまして、小田原市は、神奈川県西部の人口規模とすれば最大の市ということになりますので、本市の将来像についてどのような見解をお持ちかお尋ねいたします。

◎市長(守屋輝彦君) 本市の将来像についての御質問がございました。御案内のように、今年、新しい総合計画「2030ロードマップ1.0」をスタートさせまして、「世界が憧れるまち”小田原”」ということを将来像として掲げたわけでございます。そして、これらの施策を様々推進していくためには、本市は、いろいろなこの推進施策の中で公民連携やデジタルまちづくりといったものを推進エンジンの一つにも入れているところでもございますが、いろいろな政策を推進していくためには、やはりこの広域的な連携というものも、政策によっては大変重要なものだと思っておりますので、圏域、どういうふうにこれから県西地域がなっていくのか、多くは人口減少という局面に直面している自治体ばかりだと思いますが、しっかりと連携をすることによって本市にとっての将来像を進めていくことはもとより、この県西地域にとっても共に発展していくような関係を築いていきたいと考えております。

以上です。

◆20番(加藤仁司君) 合併に関しまして、るる質問をしてまいりましたけれども、今、市長からも御答弁があったように、目の前にあります人口減少社会、このことで様々なことが本当に先行き不透明であると、このように感じているところであります。

今ここに、令和4年度の神奈川県県西地域県政総合センターがつくりました「県西地域の概況」というものがあります。これは現時点におきます2市8町の状況、本当にこれはつぶさに掲載をされておりまして、大変よく分かる資料であります。これを見ますと、各市町の人口動向、または財政力、インフラの状況、こういったことも掲載されまして、この町がどうこうということは省きますけれども、やはり合併は様々な見地から考えなければならないことがよく分かります。市長から、現時点では広域的な連携を軸にしたいということの方向が出されましたが、まさにこれからのデジタル化の進展によりまして、場合によっては、市町村の垣根を逆に徐々に取り払ったほうが、市民生活がしやすい社会が訪れるかもしれない。デジタルの進展を見据えまして、これからも当問題については議論をしたいと思いますので、次に移らせていただきます。

次に、デジタル社会への対応についてですが、御答弁いただきましたように、本市でも大変積極的にデジタル化推進が図られていることは了解いたしました。そこで、全国の様子を伺ってみますと、デジタルを利用して様々なサービスを展開している自治体もいろいろあるようです。例えば、新潟県三条市は、今、市長から御答弁もありました「ぴったりサービス」、これはもう5年前からその受付を行っているということであります。この「ぴったりサービス」は、電子申請サービスの窓口を国が運営する「ぴったりサービス」に集約して受付を行っているということでありまして、従来は窓口に出向く必要のあった申請や届出等の手続を、パソコンやスマートフォンを利用して、いつでも、どこでも行うことができるサービスを、この三条市はいち早く導入しているということであります。ほかには、昨年、私ども会派で、マイナンバーカードの普及率が日本一だと言われております石川県加賀市に行きまして、それに関連する質問も同僚のほうからもされておりますが、担当者からは、やはり将来的に各行政サービスをスマートフォン一つで賄えること、これが理想だというお話も聞いてきたわけであります。現在、マイナンバーカード、これについては健康保険証とのひもづけ、そしてまた運転免許証ともつながっていくだろうと言われているところでもありますので、やはりスマートフォンの活用というものがこれからは必然ということになるのではないのかなと思います。

そこで、これを質問すれば、絶対に時期尚早であり、また極論だと言われるとは思いますけれども、市長は本市においてスマートフォンの全戸配布を将来的に考えるつもりはあるのかどうか伺います。

◎デジタル化推進担当部長(齋藤武志君) 将来的なスマートフォンの全戸配布についての御質問をいただきました。総務省の統計によりますと、スマートフォンの世帯普及率は約9割ということで、非常に高く、その割合は年々上昇しております。したがいまして、まず市民向けのアプリの充実や公衆Wi-Fiの整備など、デジタル化によって市民の皆さんが利便性の向上を実感できる、そのようなサービスの拡充に努めてまいりたいと考えております。

以上でございます。

◆20番(加藤仁司君) よく分かりました。

極端な話を聞いたものですから、期待どおりの御答弁でありました。これも一つの自治体がやるのは本当に無理があることは十分承知しております。私自身は、将来、国民が身近にデジタル化による快適なサービスの恩恵を受ける社会として、一人一つの端末の所持が当たり前の社会が到来すると、このように思っているところであります。市長のそばには前デジタル大臣、そして現デジタル大臣もいらっしゃいますので、国の施策として考えてもらうよう、機会があれば伺ってほしいと、これは熱望させていただきます。

次に、先ほど申し上げました「ぴったりサービス」でありますけれども、三条市がかなり早くに導入されております。これは多岐にわたってのサービスが電子申請で可能ということになっています。特に福祉分野、それこそ今回煩わしさを指摘させてもらいました介護保険関係の申請の数々が電子申請可能となっていることから、本市も早急に「ぴったりサービス」を導入すべきだと考えますけれども、市長の御所見を伺います。

◎市長(守屋輝彦君) 「ぴったりサービス」の導入に関する御質問でございます。国の「ぴったりサービス」には、電子申請を可能とする機能が既に受皿として整っている状況でございます。この「ぴったりサービス」の性能、それから将来性等を踏まえまして、申請ごとに想定される課題等を勘案し、手続がより簡素化されるよう、先進市の状況もしっかり研究して、取組をぜひ進めていきたいと考えております。

以上です。

◆20番(加藤仁司君) 市長からも力強い御答弁をいただきました。「ぴったりサービス」につきましては、ぜひとも研究を重ねていただきまして、先進市への調査、こういったことも含めて導入に向けて進んでいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

それでは、大項目の3に移ります。

いよいよ基本計画が策定されていくことは分かりました。そこで、一つ伺います。

基本計画が策定されますと、既存幼稚園の解体工事が始まるわけであります。御承知のように、現在の下中幼稚園と下中小学校、ここは道路を挟んで真向かいに位置しているところであります。その道路は当然小学校児童の通学路上でもありますので、当該地の交通の安全確保について、これはどのようになっているのかお伺いいたします。

◎子ども青少年部長(山下龍太郎君) 幼稚園の解体の際の交通安全の確保について御質問がございました。解体工事を実施する際には、児童の登下校時間に配慮した工程や工事内容を検討するとともに、交通誘導員を配置すること等により安全を確保したいと考えております。さらに、認定こども園の整備に関しましても、工事期間中の安全面への配慮、送迎用駐車場の配置、送迎車両の交通動線など周辺交通に係る問題について、しっかりと対応してまいる所存でございます。

以上でございます。

◆20番(加藤仁司君) 承知いたしました。交通面については、十分に配慮して取りかかっていただきたい、このように思うわけであります。

それでは、最後の下中幼稚園の一時移転の件ですが、ただいま教育長から御答弁をいただきました。ちょっとどちらとも取れる、結局、先に出された酒匂幼稚園、また前羽幼稚園、さらには下中小学校の敷地の一部と三つの案を、これからは関係の方々とよく協議をして進めていきたいという御答弁だったと思いますけれど、私が質問を出したときに、今日はかなりはっきりと結論をもらえるのかなと思って出しているわけであります。既に教育長そして市長宛てに、やはりいろいろな地域の事情から考えれば、下中小学校の敷地内に一時移転するということが普通だろうというような要望が、地域の方から出されております。その中には、酒匂幼稚園または前羽幼稚園への移転というのは、もう一切そのような考えはないということで、それをまた教育委員会がその案を一緒に持ってきて協議をしても、協議などできないなという思いがいたします。

そこで、今、取りあえず協議をするとして、その結論はいつ出されるのか、それについてお伺いさせていただきます。

◎教育部長(飯田義一君) 下中幼稚園の一時移転先の決定時期でございますが、来年度、下中幼稚園に在園予定の園児や保護者の皆様にとりまして、園舎が決まらないということは大変御不安なことであろうということ、また、入園準備のいろいろな御都合もあるということは十分承知しておるところでございます。年内には下中幼稚園の一時移転先を決定するよう努めてまいります。

以上でございます。

◆20番(加藤仁司君) 年内ということで、あと半月の間に決めるということであります。私が申すまでもなく、先ほどからお話がありましたように、保護者の方々の意向というのは動じないのではないのか。やはり、ここにはただ単に近くだからということだけではないと思うのです。先ほど来お話しのように、教育委員会の立場とすれば教育的見地、ここで、集団の教育とかそういったことを含めて前羽幼稚園、酒匂幼稚園、ここに移転をというお話もあること、これは分かるわけなのですけれども、そういう形での移動をするというのは、現在の幼稚園が場合によっては廃園になるというようなことが前提であれば、そのとおりにすればいいと思うのです。ただ、もうすぐ、この目の前に、数年後には認定こども園となって、幼稚園機能そして保育園機能があることから、今まで市外に流出をしておりました幼児たちを一堂に会する、こういういい機会だと思うのです。だからこそこの整備を、地元の方々をはじめ近隣住民からもこの認定こども園というのは期待されておりますので、この期待されている施設の前に、幼稚園の移転問題でがちゃがちゃやるということはよろしくないのではないかなと思うわけであります。

先ほど来ありますように、下中小学校の敷地内に、例えば空き教室を利用するのかプレハブを建てるのか、そういった整備についての詳細なこと、これについても何も協議をしているわけではないのですけれども、やはり地元の保護者の方々の気持ちの部分からすれば、下中幼稚園、下中小学校、この昔からの関係の中から下中小学校への一時移転、数年の話でもありますので、そういったことで決めていってもらいたいなと思うところなのですけれども、教育委員会のほうからはそれに対してのお答えを再度いただけますでしょうか。

◎教育長(柳下正祐君) お答えいたします。

結論から言うと先ほど答弁したとおりでございますけれども、保護者、それから子供たちの気持ちはしっかりと受け止めて考えていきたいと思います。

以上でございます。

◆20番(加藤仁司君) 教育長も御答弁をいただいたところであります。先ほど来申し上げましたように、今回の下中小学校敷地への一時移転については、先ほど8番篠原議員の質問のときですか、守屋市長のほうで、まちづくりの懇談会で地域を回ったと。そういった中で出たお話、これは市長は十分御存じだと思います。今回のこの要望書が教育長そして市長宛てにも出されたということですので、これは教育委員会でのお答えのものかもしれないのですけれども、市長もそれをじかに聞かれた当事者として、お話をするものがあれば伺いたいと思います。

◎市長(守屋輝彦君) 今お話しのあった、橘北地域での市民と市長との地域活動懇談会、私もそこに出席した中で、この問題に関する地域の方々の切実な思いを直接受けました。その後、要望書が出されて、教育委員会とも教育部ともしっかりこの問題を共有しているところでございますし、今、教育長からの御答弁も差し上げましたが、地域の皆様の御意向に寄り添う形で進めればいいなと、私自身も思っているところでございます。認定こども園をどうするかとか幼稚園をその間どうするか、これはもちろん現実的には大切なことなのですが、やはり市の政策として、この子育て支援に対してどういう思いでやっているのかというと、これはやはり市民の方々とその思いを共有していかないと、どうも地域の願いと市の行政側の思いがすれ違っているようでは、一緒に子育てにいこう、充実した政策をやっていこう、これはなかなか難しいので、しっかりと地域の声を受けまして、もちろん保護者の直接の切実な思いを私も対面で受け止めさせていただきましたので、しっかり受け止めながら、この一つの問題として終わらせることなく、地域の方と寄り添いながら、しっかりとした子育て支援の充実にも改めて取り組んでいきたいということを申し上げます。

以上です。