平成9年12月議会議案関連質問

1997年12月02日

平成9年12月定例会(議案関連質問)

◆9番(加藤仁司君) 議案第90号 小田原城歴史見聞館条例並びに議案第92号 小田原城天守閣条例の一部を改正する条例について質問いたします。
既に2番今村議員から多岐にわたり質問をされておりますので、若干の重複があるかもしれませんが、なるべく重複しないよう質問いたしますのでよろしくお願いいたします。
このたびの議案第90号 小田原城歴史見聞館条例並びに議案第92号 小田原城天守閣条例の一部を改正する条例については、昨年の9月議会において、一般会計補正予算の中に、小田原城歴史体験施設展示設計等委託料があり、当時は、史跡の純化を図る上で果たして障害にならないかという視点で質問した経緯もありますが、さきの経済病院常任委員会協議会にて報告がありました概要をもとに、本会議に上程されている2議案について質問いたします。
まず、歴史見聞館という名称について伺います。さきにも述べましたとおり、本施設は今まで歴史体験施設という仮称で呼ばれてまいりました。しかしながら、このたびの議案では歴史見聞館となっております。確かに見聞とは見たり聞いたりすることであって、そのものずばりの言い方です。私は当初、歴史体験施設の体験という言葉にある種のイメージを持っておりました。目で見る、耳で聞くことはもちろん、その施設のにおい、感触などさまざまな要素が体験できる場所とのイメージの中で、体験という言葉はいいなとも思っておりました。そこでお尋ねいたします。歴史見聞館の名称について、市民からネーミング募集等の方法を考えなかったのか。また、この歴史見聞館は、「史跡小田原城跡本丸・二の丸整備基本構想」における短期計画として、平成17年度には移転等関係施設の一つとなっておりますことは周知のとおりであります。過去の委員会や本会議等でも、平成16年度までの暫定としての施設利用で議論してきた経緯から、本施設は平成16年度までという認識でよろしいか、改めて確認しておきたいと思います。
続いて、小田原城歴史見聞館条例議案には合成写真撮影機となっておりますが、俗に言うプリクラのようなものが導入されると伺っております。以前はゲームセンター等しか設置されていなかったこのような機器も、女子中学生や高校生からブームの火がつき、今や小学生から大人まで気軽に楽しめる、また友人獲得の手段として、スーパーやデパートはもちろん、最近はいろいろな店先にまで設置されております。これだけ需要が高い機器を本施設に設置することは大変喜ばしいのですが、この機器の開発費はどれくらいかかるものなのか、また、最近の俗に言うプリクラは、アイドルや人気キャラクターとの合成ができるなど、ニーズの多様化に即した内容のものまで出回っておりますが、歴史見聞館に導入されるものはどのような内容のものか、具体的にお答えをいただきたい。あわせて、プリクラは同じポーズの写真が十数枚のシールとして出てくるのですが、この1枚当たりの単価をお尋ねいたします。さらに、この合成写真撮影機使用料として1回につき 100円となっております。さきにも述べましたプリクラはほとんどが1回 300円ですが、大変人気がある。この金額は安過ぎると思うのですが、使用料を 100円にした経過、理由をお尋ねいたします。
次に、議案第92号 小田原城天守閣条例の一部を改正する条例について、幾つか質問いたします。
まず、本議案の新たに設置する甲冑等の使用料について伺います。毎年5月3日に開催される北條五代祭りでは、我々議員団も武者に扮してパレードに参加させていただいておりますが、観光客の熱いまなざしに少々の快感を覚えるのは私一人ではないと思います。観光客も例外ではなく、小田原城を訪れた思い出として、または一度でいいから甲冑を着たかったなど、このたびの企画はとても評価しております。そこで、甲冑貸出しに対する具体的内容についてお尋ねいたします。また、貸し出される甲冑等はかなりリアルにできているとも伺っておりますが、あまりにも安い使用料設定となりますと、安かろう悪かろうで、それこそおもちゃぐらいの感覚で、逆に興味を持たれなくなることも考えられるのではないか。使用料設定の理由を伺いたいと思います。
次に、待ちに待った銅門復原工事が完了し、来年にはさきの歴史見聞館とあわせて小田原城跡に新たな魅力が加えられたことを大変喜ばしいと思っております。つい先日、福祉文教常任委員会でも視察をいたしました。そこでいろいろと御説明をいただいたのですが、観光客も真新しい銅門を訪れ、そのきらびやかな銅板の厚みや門自体の重さ等に驚かされることと思います。そこで、復原した銅門をはじめ、整備構想や小田原城の歴史等説明できる方を、時代に合わせた衣裳をまとった門番として住吉橋か銅門に立たせることを提案したいと思いますが、いかがでしょうか。市長のお考えを伺います。
最後に、周知のとおり、小田原城天守閣入場者数は年々減少を続けております。また、本年度の天守閣事業特別会計予算では、一般会計から2876万8000円が繰入金となっております。そのような状況の中にあって、小田原城天守閣入場料と小田原城歴史見聞館との同時徴収では、個人1人につき15歳以上の者が 340円、小学生・中学生が 120円となっており、ますます特別会計を脅かす結果とならないか危惧いたしますが、採算面ではどのようなお考えをお持ちかお尋ねいたします。

◎市長(小澤良明君) 9番加藤議員の御質問にお答えをさせていただきます。
まず初めに、小田原城歴史見聞館という名称についてのお尋ねがございました。2番今村議員にもお答えをいたしましたが、施設のイメージにマッチするとともに、名称から展示内容が想定でき、かつシンプルでわかりやすいものにしたいという考えから、小田原城歴史見聞館という名称にしたものでございます。また、市民への公募につきましては、本施設が特殊な展示手法を用いているために、どのような施設ができるのか伝えづらかったことや、本施設が恒久的なものではないことなどから、行政内部で検討し、提案させていただいたものでございます。
次に、小田原城歴史見聞館の存続年数についてのお尋ねがございました。これにつきましては、「史跡小田原城跡本丸・二の丸整備基本構想」におきまして、平成16年までの短期計画に撤去または移転する施設として位置づけておりますので、現時点ではそのように考えているところであります。
以下の問題につきましては、経済部長の方から答弁させていただきます。

◎経済部長(北村強君) 以下、具体的な御質問に対しまして、私から御答弁を申し上げます。
合成写真撮影機についてのお尋ねがございました。まず、開発費につきましては、ハードとソフトを合わせましておよそ 500万円ほどになります。内容につきましては、お客様が機械に 100円を入れますと、小田原の観光マップが表示されまして、その中から目的地を選択することによって観光地の写真に画面が変わります。そしてその画面と、カメラで撮影されました自画像が合成されまして、記念絵はがきかプリントシールとしてプリントアウトされることによって、あたかもその観光地に行ったかのような体験をすることができます。
次に、1枚当たりの単価につきましては、モニターなどハード類の整備費用は外させていただきますが、用紙などの消耗品代と電気料などの経常的コストでは80円程度になるのではないかと考えております。そこで、 100円では安過ぎるのではないかとのお尋ねでございますが、この撮影機を使用するために本施設に入場することが前提となっております。入場料を払っていただくわけでございますので、そういったことが前提になっておりますので、各種展示の一環であるとの認識から、なるべくお客様に安価でサービスを提供し、喜んでいただきたいと考えたものでございます。
次に、甲冑等の貸出しについてのお尋ねがございました。甲冑等につきましては、鎧兜を大・小の2領、女性用の着物を大・中・小の3着、それに采配、太刀、火縄銃などの小道具を用意いたしまして、常盤木門で貸出しをする予定でございます。使用料につきましては、鎧兜などを着て天守閣などをバックに記念写真を撮ることができるという話題性と、お客様に安い使用料で楽しんでいただいて、お帰りになってから周りの方に、口コミと申しますかお話をしていただくことによって、城址公園を訪れる方が少しでも増加することを考えまして金額の設定をしたものでございます。
次に、銅門に門番をというお尋ねがございましたが、これにつきましては、本年度の職員提案でも、若干の仕掛けをした人形を門番として立たせたらどうかという提案がありました。現在、人形がよいのか、それとも御提案のような人による門番がよいのか、多方面から検討を加えているところでございます。いずれにいたしましても、観光客へのサービスや話題性という観点からは大変効果があると思われますので、御提言の趣旨も含めまして前向きに検討してまいりたいと考えております。
次に、小田原城歴史見聞館の共通券を導入することによる天守閣の採算性についてのお尋ねがございました。9番加藤議員御指摘のとおり、共通券を導入するしないによって、入場者が仮に同じと想定いたしますと、共通券の購入が増加することによって収入が減ってまいるというようなことになります。しかしながら、現在の厳しい社会情勢の中で、減少ぎみの観光客を少しでも増加させたいという考え方から、観光客へのサービスという観点から共通券の導入に踏み切ったわけでございます。なお、採算につきましては、天守閣の入場者が減少している状況から見ますと、大変厳しくなっておりますけれども、経常的経費を極力切り詰めるなど、銅門や小田原城歴史見聞館のオープンを機に、一層のPRを行うことによって入場者の増加に努め、天守閣会計としての収支のバランスをとっていきたいと考えておりますので、よろしく御理解いただきたいと思います。
以上でございます。

◆9番(加藤仁司君) 一定の御答弁をいただいたんですが、この議案につきましては、また所管の委員会に付託される予定となっておりますので、細かいことについてはそこでさらに議論を展開していただきたいと思います。
二つほど再質問をさせていただきたいと思います。先ほどの御答弁の中で、市民公募については、恒久的でないというお話があったわけでもございます。市長は常日ごろから市民参加を言われておりまして、いろいろな方法ができたんじゃないか。先にそのような城跡純化ということをある面ではアピールをしながら公募するというのもまた一つの方法ではなかったかと思いますが、これは過ぎてしまったことでありますので、一つの意見として受けとめていただきたいと思います。
質問として、小田原城歴史見聞館、この言葉自体は、大人であれば案外ストレートに聞けるんですけれども、例えば子供がこの言葉を聞いたときに、果たしてストレートにどういうものかイメージができるかどうか、これをちょっと心配するわけでもございます。ですから、例えばこの見聞館の前に、あるキャッチフレーズをつけるとか、その後につけるとか、そのような工夫ができるのではないか。特に市民並びに全国にこの見聞館ができましたよという宣伝をするためには、何かキャッチフレーズをつけてもよろしいんじゃないか、このように思いますので御所見を伺いたいと思います。これが1点でございます。
次に、先ほど2番今村議員からの御質問に対する答弁で、PR活動、具体策についてお話がありました。ポスター、チラシ、雑誌広告、「広報 おだわら」、インターネットと、ありとあらゆるものを通じて広報するということでございますけれども、やはり市民にこの施設ができたということを知らしめるには「広報 おだわら」ということになると思いますけれども、よりこの施設を知ってもらう、また体験してもらうためには、この「広報おだわら」やチラシ等で、無料券または割引券、このようなものを一緒に掲載するとか、来られる方は切り取り線に沿って切って、これが割引券や無料券になるというようなこともやられたらどうかなと思うんですけれども、これについてお考えをいただきたいと思います。
この2点、よろしくお願いいたします。

◎助役(鶴井利親君) 小田原城歴史見聞館の愛称等を考えないかというお尋ねがございました。先ほど市長が御答弁いたしましたけれども、小田原城歴史見聞館という漢字だけで構成された名称のために、多少かたいというイメージが生まれてくるんじゃないかというふうに思っておりましたけれども、施設の展示内容などを考慮して、今回の小田原城歴史見聞館という名称で提案をさせていただいたわけでございます。キャッチフレーズなどにつきましては、ただいまお話しいただきましたように、確かにお子さん等についてはわかりづらいのじゃないかというような面もございます。また私どもも、宣伝をするのにこのままでよいのかどうかという問題もございますので、今後におきましては、施設のPRを行うために、さまざまな媒体をして情報発信していくわけでございますから、その中でこれらのキャッチフレーズ等については検討させていただきたいと、このように思っております。
それから市民に無料入場券等を配布する考えはないかということでございますが、私どもも、小田原城歴史見聞館には多くの市民の方々に入場していただいて、楽しんでいただいて、それを、市内はもちろんでございますけれども、市外とかお知り合いの方々に口コミとかそういう面でPRしていただきたいというふうに願っております。したがいまして、ある程度の有効期間は設定をしていきたいというふうには思っておりますけれども、無料入場券の配布等につきましては、前向きに私の方も検討してまいりたいと思っておりますので、よろしく御理解いただきたいと思います。