平成10年12月議会一般質問
1998年12月01日
質問要旨(H10-12)
1(1) 橘地域の産住ハーモニータウン計画 (羽根尾工業団地・上町まちづくり)と、都市計画道路小田原中井線を総括する3事業の整備について
2 市営プールの今後について
(1) 御幸の浜プールについて
(2) 国府津海水プールについて
○9番【加藤仁司君】 通告に従い質問をいたします。
まず申し述べたいことは、私は平成7年の当選以来、この一般質問の壇上に立ちますのは計8回目となります。今までさまざまな質問をさせていただき、また答弁をいただいたのですが、市行政は全体的な施策をはじめ、地域のさまざまな施策まで、きめ細かい事業の推進あるいは行政サービスの実行を図るべく鋭意努力をされておりますことは大いに評価するものでありますが、急速に変容する社会、市民ニーズの多様化など、これからの市民生活に密着した対応、そして惜しまぬ努力をさらにお願いするものであります。
このたび、橘地域における諸事業について質問を取り上げさせていただきましたことも、本事業は当地域だけの問題ではなく、本市が21世紀に求める都市像、すなわち住民と産業、そして生活関連施設、都市基盤整備など、その理想的な住居形態をつくり上げることによってもたらす効果を十分に認識しながら推進していかなければならない各種事業だと私は思うものでありまして、あえてそのような観点に立って質問させていただくことをお断り申し上げ、質問をさせていただきます。
さて、橘地域は、周知のとおり、都市計画道路小田原中井線をはじめ羽根尾工業団地整備事業、小船森土地区画整理事業、小竹地区複合施設整備事業、上町まちづくり、いわゆる上町地区特定保留区域、さらには地域センター、消防分署、少年院移転問題、中村原不燃物埋立処分場の跡地利用などさまざまな事業や計画があります。昭和46年の合併以来、あらゆる場で地域的な格差を生じていることから、その都市施設の整備や都市基盤整備の充実は地域住民のテーマでもあり、現在の事業推進には多くの住民が協力を惜しまないものと考えます。しかしながら、各事業において総論賛成、各論反対と言われますように、地権者や周辺住民の協力が得られないところもあり、今後の事業展開が心配されていることは申すまでもありません。長年にわたり先祖から引き継いだ土地を売却したり、生活の場が移されるという心情を察するに余りありませんが、行政をはじめ関係各位の尽力により、地権者の同意を得られるよう、さらなる交渉を重ねられるよう、なお一層の努力を要望するものであります。
さきのみかん園転換跡地利用対策委員会でも報告がありましたが、本年4月より造成工事に着手している羽根尾地区の工業団地は、平成12年度を造成工事の完了予定としており、当初計画から3年のおくれを生じております。本工業団地は、都市計画道路小田原中井線がその中を横切る形で整備されることから、地域の中でも工業団地のためだけの道路との意識を持つ者もおりますが、道路と工業団地は、橘団地建設以来数十年にわたりほとんど変化のなかった橘地域がこの計画を契機に大きく前進する機会でもあります。特に、羽根尾工業団地と平成9年3月に特定保留区域に位置づけられた上町地区は、産業と住宅が近接したゆとりある居住空間や自然環境の調和を確保するという産住ハーモニータウン整備構想の中に中井町・小竹地区とともに指定されており、また「ビジョン21おだわら」のレインボープロジェクトのゆったり宅地・快適ライフ、魅力的で多様な住環境づくりの実施事業にも明確化されていることから、この産住ハーモニータウン整備計画が順調に推移されることを強く望むものであります。
しかし、特にこの羽根尾工業団地は、進出企業の誘致が具現化されるに当たり、現行での道路整備のおくれは大きな支障となります。現在の造成工事が進められる中で、進出企業が最も心配する点は、都市計画道路小田原中井線の動向であります。現在の造成は、県道中井羽根尾線から市道0077を経て大木建材の取り付け道路を利用したルート、同じく県道中井羽根尾線から市道5067及び市道5069を経て仮橋に至るルートによって着手され、そして拡幅計画並びに塔台川に架かる洞橋の架け替えを伴う県道中井羽根尾線から市道5061のルートが完成されることによって、何とか進出企業を誘致していくという苦肉の策を講じようとしております。これから進出する企業にとって、都市計画道路小田原中井線の動向は、企業進出の決め手と申しますか、深く関係することは当然であります。あわせて、今後進められるであろう上町のまちづくり計画にも生活道路として重要な路線となり得るこの都市計画道路小田原中井線は、現在、完全な測量に至っていないと伺いますが、事業の見通しはいかがか、第1点目としてお伺いいたします。
次に、さきにも述べましたように、都市計画道路小田原中井線の動向いかんによって、羽根尾工業団地の企業誘致等の事業、そして上町まちづくりにも多大なる影響を及ぼすものと感じておりますが、市長はこのような状況にある事業についてどのような認識の上に推進するおつもりか、御見解を示していただきたく存じます。
私は、産住ハーモニータウン整備構想として、羽根尾工業団地とともに上町まちづくり、いわゆる住居系の特定保留区域の事業化を関連して整備することを積極的に推進してもらいたいと思う一人でありますが、本橘地域は、産住ハーモニータウン整備に加え、都市計画道路が絡んでおります。本市の所管は、道路問題は建設部国県道対策課が、産住ハーモニータウン整備構想は都市部都市総務課が計画づけ、その事業化に当たりましては都市整備課が担当しており、また工業団地企業誘致には経済部商工課に企業誘致担当の専門部署を設けております。事業には、そのほか上下水道、環境対策、地域センターも羽根尾工業団地のコミュニティゾーンの中に組み込まれる予定から、市長部局のほとんどが関係する一大事業でもあります。このように多様な所管が絡み合い、そして各事業も一つの地域の中で関係し合っているにもかかわらず、それぞれの所管が異なることから、幾つかの欠点が生じているように思えます。例えばその一つは住民対策であります。地域住民は、この3事業の推移を見守っておりますが、現在の県の厳しい財政状況、また市においても同様ですが、当面手をつけた事業は何とかするが、まだ計画段階のものは後回しにされるかもしれないという不安も持っております。また、住民との窓口も、各所管の担当者がそれぞれ異なることから、本地区全般にわたる説明ができなかったり、他事業との連携がうまくいかない状況であります。二つ目として、これは仕方なく当然のことですが、それぞれの所管、例えば都市整備課は、羽根尾・上町だけでなく近隣の小船森や飯泉、栢山、東千代の土地区画整理事業なども抱えて、とても一つの事業に専属で取りかかれないことは十分理解しております。国県道対策課にしても同様であります。しかしながら、私がまさしく最初に述べましたように、都市計画道路小田原中井線、羽根尾工業団地、上町まちづくりの3事業は21世紀の小田原の理想的なまちづくりの基本となるべき事業であると私は思っておりますし、この際、この3事業を包括し、一つの事業として市民及び地域住民に知らしめる必要があるのではないかと思います。例えば橘西産住ハーモニータウン事業と称し、それに合わせてこの事業を統括しコーディネートするチームを編成し、事業が順調に軌道に乗るまでの組織として縦横無尽に活動していただき、土地区画整理組合やそれぞれの地権者の相談やアドバイスを行いつつ事業の推進を図る組織の編成を提案したいと思いますが、いかがでしょうか。市長の御見解をお伺いいたします。
次に、市営プールの今後について何点かお伺いいたします。市営プールであります御幸の浜プール並びに国府津海水プールは、御幸の浜が昭和45年開設、国府津が昭和32年の開設と、実に数十年もの間、本市民をはじめ観光事業として多くの方々が利用されてまいりました。特に御幸の浜プールに至っては、50メートルの公認プールを擁する市内唯一のプールであり、内外の水泳大会の開催など、関係者にとってはなくてはならない施設でもあり、同じく50メートルの小・中用プール、幼児用プールとともに親しまれてきたことは事実であります。
さて、時代の移り変わりとともに人々のニーズも変化し、夏の代名詞であり、夏期だけに限定されていた水泳も、屋内施設の充実や、昨今では健康づくりの一環としての水泳、幼児期からのスイミングスクール、小・中学校におけるプール施設の充実など、公施設とともに私企業による施設も市内には4施設あり、春夏秋冬にこだわることなく運営されるようになりました。プールが競技主体あるいは観光客を含めた夏場の水遊びの場であった時代から、今やリハビリや水中ウォークのように、スポーツとしての水泳を中心に、福祉、医療などの面でも活用されるようになり、本市の行政組織上、観光課が所管することが果たしてふさわしいか疑問を持つものであります。確かに昭和30年代、40年代において、近隣市町村及び近隣都市に存在していたプールは、公私を問わず非常に少なかったと推察されます。当時は観光客も、小田原城だけでなく市営プールを大いに利用していたと思われます。しかしながら、近隣大磯町にあります大磯ロングビーチの流れるプール、波のプールなど、四角いプールからレクリエーションを付加したプール施設に人々は集中し、そのような施設の人気も次第に衰退し始め、現在は、よりレクリエーション色が強いウォータースライダーなどの施設と屋内プールに利用者は集まる傾向にあるように思われます。既に述べてまいりましたように、現在の市営プールが観光事業として支えてきた時代はとっくに終わっているのではないかと思えてなりません。その市営プールが観光目的とするのであれば、現状の市営プールを大幅に改良し、附帯設備の導入等も視野に入れた施策をしなければならない。しかしながら、それには現在の用地で賄えるものか、また改良には莫大な費用がかかるものと推察され、極めて難しいのではないか。よって、現在の所管となっている観光課から、よりふさわしい課へ移管すべきだと思いますが、御見解を伺いたく存じます。
次に、御幸の浜プールに限定してお尋ねいたします。先述しましたとおり、御幸の浜プールは50メートルの公認プールと、同じく50メートルの小・中用プール、幼児用プールの三つのプールがあり、淡水と海水という全国的にも珍しいプールであります。しかし、近年はその入場者数も減少し、平成8年度入場者数は1万9473人と前年の2万6042人に比べ6569人の減となっております。その原因は、天候に左右される屋外プールでありますので、一概には申せませんが、現在のように駐車施設もない場所であることを考慮しますと、とても利用者数の増加は見込めないのではないかと考えます。そこで、御幸の浜プールの一部を駐車場にして利用者の利便性を図れないものかお尋ねいたします。
続いて、国府津海水プールについてお伺いいたします。国府津海水プールは、周知のとおり昭和32年に竣工し、自来40年にわたる歴史を刻んでまいりました。その間、西湘バイパスの完成に伴い、バイパスのガード下、すなわち日中においても日照は遮られた中で運営され、現在に至っている次第であります。また、台風の時期には、浸食された海岸から砂とともに波が市道4279にかぶることも多々あり、本年9月15日の台風5号では、危うく1人がさらわれそうになったことも記憶に新しいものであります。このように台風による影響をまともに受ける場所にプールが設置されていることで、台風シーズンが過ぎると砂が大量に堆積してしまい、その処理にも労力を要するという大変な立地条件の中で運営されている国府津海水プールは、ここでその使命を終わらせ、年間を通じて市民が親しめるようなスポーツ、例えばゲートボールやペタンク等の利用を考えたらいかがかと思いますが、市長の御見解をお伺いいたしまして、第1回目の質問といたします。
○市長【小澤良明君】 9番加藤議員から、最初に小田原中井線の事業の見通しについてお尋ねがございました。現在、神奈川県は国道1号から市道0077付近までを第1期事業として、当区間の道路構造の検討を行っておりますが、一部に当事業に対しての御理解が得られず、測量調査業務が未着手の箇所がございますので、御理解いただきますように、神奈川県、そして本市で鋭意交渉を行っているところであります。また、当区間は、東海道線との立体交差や起伏のある地形でありますことから、工期自体も相当要するものと思っております。今後につきましては、用地に係る測量、用地取得など段階的に説明会等を開催し、関係者の皆様方の御理解と御協力をいただきまして、一日も早い完成に向けまして事業促進に努力をしてまいりたいと思っております。
次に、都市計画道路小田原中井線に関連して、羽根尾工業団地と上町のまちづくりについての御質問がございました。羽根尾工業団地につきましては、組合施行の土地区画整理事業として平成7年4月からスタートいたしまして、本年4月には造成工事に着手いたしました。現在、平成13年度完成に向けまして、順調に工事が進んでいるところであります。上町地区につきましては、平成9年3月、住居系の特定保留区域に位置づけられまして、組合施行の土地区画整理事業へ向けまして、今後、地権者の御理解のもと、準備組織づくりに取り組んでまいりたいと考えております。このような状況の中、9番加藤議員御指摘のとおり、都市計画道路小田原中井線は、両地区の基幹道路でございまして、その進捗は、今後のまちづくりに大きな要因となる路線でございます。今後とも、事業主体である神奈川県と緊密な連携をとりまして、一日も早い整備実現をお願いしてまいりたいと考えております。
次に、橘地区に展開している3事業の担当所管の一体化につきましてのお尋ねがございました。御承知のとおり、本年4月の新総合計画「ビジョン21おだわら」のスタートに伴いまして、組織・機構の改編を行いましたが、その大きな理由は、行政への需要が増加する中で、一方、行政改革が求められている時代にありまして、限られた職員で機動的かつ的確に事務を処理することが必要であり、新たな行政課題等に対しても柔軟かつ迅速に行動できる体制をつくったということでございます。これらのことから、諸施策の推進に当たりましては、基本的に現在の組織・体制で進めてまいりたいと考えております。羽根尾工業団地及び上町まちづくりにつきましては、産住ハーモニータウン整備構想として位置づけたまちづくりでありまして、都市計画道路小田原中井線の進捗とも相互に密接に関連する事業でありますことから、事業推進に当たりましては、御指摘のとおり、庁内におきまして連絡調整を密に図りながら、事業の推進に努めているところであります。9番加藤議員御提案の橘地区のエリアによる3事業の所管の一体化につきましては、今年の4月以来の組織・機構の再編の目的が、まさに9番加藤議員御指摘のとおりのことでございましたので、先ほども申し上げましたが、今後も各所管相互の連携を一層密にするとともに、地域住民の方々との意思の疎通を図りながら、事業の早期実現に向けて一丸となって努力をしてまいりたいと思っております。9番加藤議員におかれましては、今後ともいろいろな意味で御指導、御協力をよろしくお願い申し上げます。
次に、市営プールについてのお尋ねがございました。御質問の中にもございましたが、御幸の浜プールにつきましては、当初、昭和6年に当時の小田原町が25メートルプールを開設したのが始まりでございます。その後、台風の被害による改修や競技用プールへの改造、幼児用プールの増設などを経まして、昭和45年に西湘バイパスの建設工事に伴い移転建設されたものであります。当時は、小田原や箱根に保養に来た方々に、海が荒れているときでも海水浴を楽しんでいただく、そんな願いから開設されたものでございまして、まちの活性化に大いに寄与した施設と、こんなふうに受けとめております。一方、国府津プールにつきましても、昭和32年に地元住民や保養客の方々に利用していただけるようにと開設したものでございまして、やはり地域振興や市民のレクリエーション施設としての目的が大きかったようであります。このような中、最近建設される民営プールは、御指摘のように、流れるプールや波のプール、ウォータースライダー等々の設備も備える、大変多様化したプールとなってきております。これらのプールと比較いたしますと、御幸の浜・国府津の両プールとも、観光的な要素は次第に薄れてきているように思っております。しかしながら、御提言にもありましたように、現在の御幸の浜プールを改良するということはなかなか難しいことでございますし、また、プールと併設しております御幸の浜と国府津の両方の海水浴場との関連もありますことから、プールの運営につきましては、観光面と社会体育面の両面の要素について検討をしているところでありますので、しばらくお時間をおかりしたいと考えております。
次に、御幸の浜プールの駐車場に関するお尋ねがございました。御承知のように、プールの開設当時とは車の普及状況は全く異なっておりますが、プールの近隣には駐車場を設置できるような用地がないことから、利用者の方々に大変御迷惑をおかけいたしております。御提案では、この御幸の浜プールの一部を廃止して、駐車場としてお客様に利用していただくことができないのかとのことでございます。現在は、幼児から大人の方まで、どなたが来ても御利用いただけるようになっているとともに、このプール用地につきましては、プールとして使用することが条件で神奈川県から使用許可をもらっておりまして、民地を借用している部分もございますので、御提案の趣旨につきましても、今後の研究課題としてまいりたいというふうに思っておりますので、御理解をいただきたいと思います。
次に、国府津プールについてのお尋ねがございました。国府津プールについては、地域の方を中心に年間5000人を超える方々に御利用いただいておりますことから、御提案のゲートボール場などのスポーツ施設等への転用につきましては、地元関係者の御意見も伺いながら検討してまいりたいと思います。この点につきましても、御理解をいただきますようお願いを申し上げます。
以上をもちまして、9番加藤議員の御質問に対しましての答弁とさせていただきます。
○9番【加藤仁司君】 御答弁をいただきましてありがとうございました。若干再質問をさせていただきます。
まず、橘地域の各事業においては、この都市計画道路ができないとなかなか事業が進まないという部分については、市長も私と同じ認識で御答弁をいただきましたことで、さらなる前進をともにしたいなと、そのように思うわけでございます。
市長から答弁をいただいた中に、今までも都市部、建設部の二つの部署については、県も含めていろいろ連携をとるような形をされてきているということで、連絡調整を密にしているという御答弁があったんですけれども、具体的に、今までどのような形でそのような連携をとっていたか、現場といいますか、都市部長、建設部長を指名という形をさせてもらうんですけれども、お二人の部長の方に、今までとってきた連携、そしてこれからどのようにされるおつもりか、具体的にありましたら伺いたい。これを再質問の第1点目といたします。それとあわせて、今回この3事業ということで取り上げさせていただいたんですけれども、「ビジョン21おだわら」のレインボープロジェクトに位置づけられております東部丘陵ミルキーパーク整備事業もあるわけでございます。いろいろと伺ってみますと、本当に近くに、近接というくらい近くにその事業が展開されるということでもありますので、この東部丘陵ミルキーパーク整備事業、6月の議会で聞いたときには、まだまだそういう計画だよということで、詳しくは聞かなかったんですけれども、今はどのような状態になっているか、その様子もあわせて伺いたいと思います。1番目の質問としてはこの2点であります。
それからプールの方ですけれども、今の中では、例えば所管の部分については検討していただく、そして改修等については、地域の事情とか、今までの建設のいろいろな流れとか、そういったものをあわせて研究をしていただけるということでありますけれども、市長が今お答えになった中には、今は観光要素が薄れているということで、そういう御認識があるということを伺いました。しかし、私なんかから見ますと、大磯ロングビーチとかが、今まで待ち時間4時間とかそういうようなものから、今は全く待ち時間なしという時代に変わっております。それこそ、そういう待ち時間が多かった時代、ちょうど昭和40年から50年にかけてだと思いますけれども、もうそのころにある程度、例えば市営プールというのは観光からちょっと離れてきたなという実感があったんじゃないかと思うんですけれども、今まで引きずってしまっているような形で、その間にある程度改革をすべきじゃなかったか。過去のことを言ってもしようがないんですけれども、そのような感じがいたします。そこで一つ伺いたいのは、それぞれの市営プールで年間いろいろ維持管理費等がかかるんですけれども、個々の具体的な数字を示していただきたい。そして、特に国府津海水プールにおいては、第1の質問でも言いましたけれども、最近は海岸の浸食が本当に急速に進んでおりますので、ちょっと台風があっても、また台風が北の方を通り過ぎても波をかぶってしまう、このような現実があります。この国府津海水プールで、台風が通過していろいろ被害がありますと、その修復の費用はどのくらいかかるものなのか、お示しをいただきたいと思います。プールについてはこの2点をとりあえずよろしくお願いします。
○助役【内藤武彦君】 9番加藤議員の再質問の中で、橘地域の事業展開における具体的な連携について、都市部長と建設部長についてのお尋ねがございましたけれども、両者の所管は私でございますので、私の方からお答えさせていただきたいと思います。
これまでも土地区画整理事業につきましては、それを推進する上で、当然その道路とか水路とかいったものを整備することになりますので、土地区画整理事業は現在は都市部の方で担当しているわけですけれども、将来の管理者となります関係で、建設部と、全体的な計画の高さとか構造とか構築物等についての協議を重ねて事業を進めてきているという経緯がございます。現在、土地区画整理事業で進めております羽根尾工業団地につきましても、小田原中井線と都市計画決定が同時期でございました。こういったことで、管理者であります県の小田原土木事務所に対しましても、都市部の都市整備課、建設部の国県道対策課ともども、この両者で、両事業の詳細について、数回にわたり協議・調整を図ってきております。具体的には、先ほど申し上げました道路の計画の高さ、土地区画整理事業の造成の高さ、この整合性を図らなければいけない、また雨水排水の計画等もやらなければいけないということで、こういった協議をして工事に入っているわけでございます。また、事業の詳細な協議をするとともに、県の小田原土木事務所、先ほど申し上げました建設部の国県道対策課、都市部の都市整備課が、道路の進捗状況、羽根尾工業団地の進展、上町まちづくりの現状報告などを定期的に情報交換するための勉強会の場を設けております。各事業がスムーズに進むような会議を続けているところでございます。また、まだ事業に入っておりませんけれども、上町の特定保留区域の事業化につきましては、まず地権者の皆さんに土地区画整理事業の御理解を求めて、さきに申し上げましたこの勉強会を通じて、都市計画道路の整備が図られるよう管理者協議を行い、できる限り協力体制を図るとともに、より一層の連携をとりまして、事業の円滑化に取り組んでいきたいというふうに考えております。
以上です。
○助役【鶴井利親君】 9番加藤議員のふれあい農業公園整備事業の進捗状況の御質問につきまして、私からお答えをいたします。
この事業につきましては、本年の6月議会におきまして、9番加藤議員から御質問いただきました。そのときに、現在は構想の段階で、具体的な計画をこれから策定していくというふうに御答弁申し上げました。その後、この問題につきまして、いろいろと調査・検討しているところでございますけれども、事業の内容からいたしまして、実施のためには国・県の補助が不可欠でございます。また、いろいろとクリアをしなければならない法規制等がございますので、現在、この事業にかかわりますところの法の規制であるとか、あるいはまたどういうものが補助対象になるのか、そういう適合する補助事業の検討、他市でこのようなものが行われているということがあるならば、他市の類似施設の情報収集や関係機関との協議など、これらを行っているところでございます。いずれにいたしましても、この事業では、酪農家の方々をはじめといたしまして、多くの方々が関係者になっていただくということが予測されますので、今後の事業の進展に合わせまして、これらの方々との調整等に十分配慮して進めてまいりたいと、このように思っておりますのでよろしく御理解いただきたいと思います。
○観光担当部長【大沢喜一君】 9番加藤議員のプールの維持管理に関する質問がございましたので、私の方からお答えをいたします。
まず維持管理経費でございますけれども、平成10年度実績について御報告いたします。主なものを挙げさせていただきますと、まず御幸の浜プールでございますけれども、賃金、これは臨時看護婦さんの賃金等で52万1000円。それから委託料でございまして、委託料につきましては、入場券の発売、監視業務、清掃等を含めまして1519万2000円でございます。それから薬品・消耗品・光熱水費等を合わせまして138万2000円。それからその他といたしまして、備品購入とか賃借料等を含めまして、合計1930万5000円でございます。それが一般的な維持管理経費でございまして、それ以外に、今年度はBプールの方の塗装をした関係で工事請負費がございまして、それが493万5000円でございます。合わせますと、今年度の御幸の浜プールの維持管理費は2424万円でございます。それから国府津プールでございますけれども、同じように賃金の関係が57万円、委託料の関係が520万6000円、薬品・消耗品・光熱水費の関係が65万2000円、その他いろいろ含めまして、小計で693万2000円が維持管理費でございます。それから今年度、工事請負費が283万5000円。合計しますと、976万7000円が国府津プールの関係の維持管理経費でございます。
2番目の質問でございますが、国府津プールは台風によって被害がどのくらいあったのかという御質問がございました。御存じのように、国府津プールにつきましては、高波によりまして、どうしても足洗い場の部分が流失するケースが非常に多いわけでございます。平成7年度までは、井戸の浚渫程度で終わったわけでございますけれども、平成9年度に高波によりまして足洗い場が流失いたしました。その経費といたしまして、平成10年度に予算化をいたしまして、今年度事業を執行しまして283万5000円かかりました。そして、改修が終わりまして、プールをオープンいたしまして、8月で終わったわけでございますけれども、また9月の台風によりまして、その足洗い場が全部流失いたしました関係上、来年度、また同じような経費を財政課の方に要求する予定でございます。
以上、台風の被害の状況についてお知らせしました。
○9番【加藤仁司君】 話は前後しますけれども、プールの部分から再々質問といいますか、今の中では私の一つの提案でありますので、意見という形になると思います。
今、担当部長の方からお話がありましたように、国府津海水プールの足洗い場が流失して、今回の台風でもまた同じような形だということで、本当に利用する人にとってみれば、そういうものがなくなってしまうと困りますので、それを早急に市が整備をするというのは当然といえば当然なのかもしれませんけれども、何度も同じようなことをこれから繰り返すみたいなことを、何とか了解してくれみたいな表現だったのかなと思います。そういうような形で、反省といいますか、台風は確かに突発的な予想だにしないことなんですけれども、昨今の台風状況を見ていますと、私もあそこら辺を通りますので、国道にまで砂が及ぶようなことが毎年あります。そうすると、毎年そういうふうな整備に費用がかかるということは、この辺で一つの見直しを図るべきではないか。関係の方々と協議をされるということですので、十分な協議をしていただいて、これからのことを考えてもらいたい。
そこで、一つ質問をさせてもらいます。今、私、この市営プールに関していろいろ質問させてもらいましたのも、昨年、2番今村議員が質問されました学校プールの一般開放、これが進んでくれば、現存の市営プールの形を多少変えても十分賄い切れるんではないかという推測の上に立って質問させていただいております。この一般開放も、一気にというのは難しいでしょうけれども、例えば、御幸の浜プールの近くの三の丸小学校、そして国府津小学校、そういった二つの部分の一般開放がされていれば、今後の市営プールをどういうふうに変えることができるかという議論も十分できるんじゃないかと思っておりますので、この学校プールの一般開放について、ひとつ答弁をいただければと思います。
それでは1番目の質問に戻るわけですけれども、今、助役の方からお話がありました。先ほど、近くにミルキーパークの整備も計画がある、これから進展についていろいろ調整をされるという御答弁もあったんですけれども、私が質問したこの3事業プラス1事業の4事業は、国府津から橘全体にかけて相当大きな面積といいますか範囲でこれから計画がされる形になります。やはり市としては、ここの一つの事業として見る、そして調整する、こういう機関が必要だという話ですけれども、確かに行革という部分に対して、例えば部署をふやせとか、人をふやせとか、そういったことを私は申し上げるつもりはありません。しかしながら、いろいろな工夫をしてもらいたい。今、都市部、建設部、それぞれの所管で、例えば補助が必要なものは、そういう縦割りで組織された方がいろんな面でやりやすいことは確かだと思います。行政はそういった形で動くのが一番いいと思うんですけれども、地域の方の方に、例えば今お話のあった勉強会をされているとか、いろいろ調整を図っているというのは、その当事者、地権者の人はわかっているかもしれませんけれども、例えば道路の問題について聞いたことはわかるけれども、ほかの産住ハーモニータウンの方はわからないとか、やはり地域の中で一つ混乱が起きているような感じがいたします。ですから、これをコーディネートする機関、これは行政で言えば企画部に当たるのではないかなと思うんですけれども、前は企画調整室ということで、まさしく企画をコーディネートする課という位置づけがあったんですけれども、今の中ではそういったものもないということで、企画部自体が率先して、それこそ現場に入り込んで、事業の進展を最初から最後まで図るということがよろしいのではないか、このように思います。これは、今の職員の方、行政の機構図の中でできることではないのかなと思いますので、そういった提案についてどのように思われるか、再度質問をさせていただきます。
○市長【小澤良明君】 9番加藤議員から2点御質問がございましたが、まず、学校プールの開放につきましては、プールの開放がどのように進んでいるかということにつきましては教育委員会の方でお答えをいたします。
ただ、昨年、2番今村議員から御指摘がございましたのは、プールの開放につきまして、民間が責任を持って開放をしていただく、子供会やPTAあるいは学校の先生方、そこの部分と行政側の責任との見直しをしたらどうかという御提言でございまして、これにつきましては、今予算編成中でございまして、いずれにいたしましても、民間の皆様方のお力をできるだけ従来のようにおかりしながら、そういう中で行政がどこまで応援できるのか、あるいは責任はもちろんしっかり持たなければなりませんから、そこのところを詰めまして、今予算の編成作業をしているところでございます。ですから、従来とは多少変わった形で、学校プールの開放が今後行われていく。これにつきましては、私と地区の役員さんとの懇談会等々におきましても、子供会やPTAの皆さんからいろいろと御質問がございまして、その都度、今のようなお話をいたしているところでございます。
それから、3事業あるいは4事業の一体化のために、企画部がもう少し正面に出ていったらどうかという御提言でございますが、これはその事業が同じスピードで同じ内容でいくという場合と、今回のようにスピードもある面でばらばら、地域の熟度もばらばら、そのほか国や県との調整もばらばらなところで、一つの組織みたいなものがあって、プロジェクトチームがあって、そこをやってどれほどの集中のメリットみたいなものが出てくるのか、そこのところが逆にデメリットもあるのではないか。先ほど来お話をしておりますように、ふえ続ける行政ニーズに対して、職員数はむしろどんどん減ってきている現況でございます。そういう中で、御指摘のとおり、機動的なさまざまな仕事ができる、例えば各部の中のいろいろ機動的なチーム編成等につきましては、部長の権限で行えるようになっておりまして、これは何々課と何々課が、ちょっとこちらの仕事が減っているからこっちをやろうということには相当柔軟に今対応をされております。そんなようなことだとか、いろいろございまして、必要な場合には、もちろん企画部なり、都市部なり、建設部なり、経済部なり、今4事業はとりあえずそういうところだと思いますけれども、そこが頭になって何かをまとめていく、これは当然行いますけれども、全体の様子を見ながら、9番加藤議員の御指摘も踏まえながら、その都度仕事を促進してまいりたい。ただいまレインボープロジェクトにおきましても担当部長を置きまして、その下で関係する各部の次長がリーダーで推進しているところでございまして、そういう形で既に走っております。これは今お話がございましたように、それぞれレインボープロジェクトの中に位置づけられておりまして、まさにそういう意味では、各プロジェクトは9番加藤議員がおっしゃるような形で話を進めている。ただ、今三つ四つ挙げられました事業、ただそこだけを一くくりにということではございませんけれども、プロジェクトの内容ごとにリーダー、サブリーダーが決まって、その全体をレインボープロジェクト担当部長が統括している、そこの上にまた企画部長がいる、そういう形で進めておりますので、この辺はぜひ御理解をいただきたいというふうに思います。
以上でございます。
○教育長【中村 瑛君】 9番加藤議員の再々質問の中で、学校プールの開放状況についてのお尋ねがございました。この点につきまして、私の方から御答弁をさせていただきます。
現在の学校プールの開放につきましては、夏休みの期間中に、開放日や開放時間帯等は異なりますが、25校の全小学校におきまして、各学校ごとに学校関係者やPTA、そして子供会の役員などで構成をしておりますプール運営委員会によりまして、学区の児童を対象に開放をしていただいております。こういった状況の中で、先ほど市長の答弁にもございましたように、事故等が起きた場合の責任の所在、あるいは監視員の確保、その他運営にかかわる経費負担などの課題を抱えているわけでございます。小学校におきましては、プールの構造が御存じのように子供向きであることや、更衣室の附帯設備、施設の状況あるいは管理運営の面などから、現在、一般市民への開放をいたしておりません。この辺の現在抱えている学区の児童を対象にしての開放のいろいろな課題を解決していくことが、まず第一に先決ではなかろうかと、こんなふうに考えております。どうぞ御理解をいただきたいと存じます。
○9番【加藤仁司君】 意見的なものをちょっと言わせていただきたいと思います。
先ほど、1番目の事業につきましては、市長から、また担当の方からいろいろお話をいただきまして、本当に限られた中で柔軟な対応をぜひ図っていただきたいと思うわけでございます。橘地域だけのことを申し上げるのも何なんですけれども、確かに現県道の狭あいな部分について、本当に早期に解決してもらいたいということは、市長もいろいろな中で聞かれていると思います。私自身も、ちょうど一つ上の上級生が幼稚園のときに交通事故で亡くなっておりますし、友達も3人ぐらいが事故に遭っています。私の家の前のカーブなんていうのは、タクシーの運転手が亡くなったりということで、本当に危険なところで何十年来生活をしておりまして、今回の新県道には本当に住民も大いに期待をしておりますし、行政の方もいろいろな御苦労はありますけれども、これからもまた推進に向けての御努力をさらにお願いしたいということで、1番目については終わらせていただきます。
あとプールの方ですけれども、やはりこれからの一つの需要ですよね。民間というか民営のプールは相当多くなってきました。そしてプール教室なども大変なにぎわいがあります。しかしながら、市内に四つということになりますと、なかなか自転車で行けなかったり、車を持っていられない方もいますので、どうしてもそのバックの部分、子供たちには開放しているということですけれども、やはり大人の方とかお年寄りの方にもということですが、テレビなんかを見ましても、最初の質問でも言いましたように、最近は医療とかリハビリとかいうような面でも大きく活用されているようでもありますし、これから活用したいなという面もあります。例えばそういった方々が利用されるに当たっては、現行のPTAとか子供会の方が監視をするとかいうには本当に限界があると思いますので、そういったときには専門の業者とかに委託をして監視もしなければいけないのかとか、そういうふうな部分も例えばこれから提案がされて、いろんな議論が出てくるとは思いますけれども、ただそういうような議論はどうしても必要なことではないのか。一般開放について、とりあえず全部は難しいにしても、今私の方で質問しました二つの地域にかかわる学校プール、このところに限定した形で研究を一回進めていただいて、こういうときにはこれだけの費用がかかるとか、こういう面でメリット・デメリットがあるんだよということをぜひお示しをいただきながら、前向きな検討をお願いしたいということをお願いいたしまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。