平成11年6月議会一般質問
1999年06月01日
質問要旨(H11-06)
1 小田原城跡整備と (仮称) 城下町ホール建設計画について
(1) 史跡小田原城跡本丸・二の丸整備基本構想に基づく整備について
(2) (仮称) 城下町ホール建設への市の取り組みについて
2 各種税・保険料・手数料等の納付方法の新たな取り組みについて
(1) 滞納打開策としての取り組みについて
3 防災備蓄品について
(1) 有効期限・賞味期限切れの備蓄品の扱いについて
○6番【加藤仁司君】 通告に従いまして順次質問してまいります。
はじめに、本市は、来年(平成12年)に小田原市制施行60周年という記念すべき日を迎えます。先人たちが残した貴重な財産、遺産、そして文化を後世に伝えるために、この60周年を契機にさらなる発展を願うものであります。本市は、この60周年記念事業として、(仮称)子供のもり公園をはじめ記念事業を行うと聞き及んでおりますが、小田原城址をはじめ駅周辺の活性化が望まれる中、何か城址並びに小田原駅周辺での記念事業が計画されているのか、まず1点お伺いいたします。
さて、市長は、平成10年度を「観光元年」と位置づけ、従来の観光という概念を超えて、訪れる人々をもてなし感動を与えるという視点を取り入れた施策展開を図ってまいりました。本年度は2年目となりますが、本市のシンボルであり、昭和35年の竣工以来、実に40年にわたり観光の目玉とされ、市内外から多くの観光客に愛されてきた小田原城の魅力をさらに高め、広く親しめる場所とするには、城だけでなく、平成5年に策定された「史跡小田原城跡本丸・二の丸整備基本構想」に基づいた整備の進展、すなわち城跡の純化が急がれます。
この「史跡小田原城跡本丸・二の丸整備基本構想」によると、平成4年度から平成16年度を短期計画と位置づけ、大手筋、本丸整備を重点に、二の丸主部及び御用米曲輪の整備を行うとされております。そこで、この「史跡小田原城跡本丸・二の丸整備基本構想」は、平成10年度現在どのくらいの進捗がなされているのかお尋ねいたします。
また、現在の城内臨時駐車場、すなわち旧城内スポーツレクリエーション広場跡地は、平成8年9月の都市建設常任委員会報告の中でも、平成14年度には閉鎖されると伺っておりますが、東西自由連絡通路の建設がいよいよ開始される時期でもあり、小田原駅東口駐車場が東西自由連絡通路の建設資材置場に一部使用される予定であることから、駐車台数の縮小が図られることは明らかであります。このような状況下で、当初計画のとおり城内臨時駐車場の平成14年度閉鎖はなされるのか、二つ目の質問といたします。
次に、これも一昨年の9月に議論した歴史見聞館について伺います。歴史見聞館は、周知のとおり、旧小田原市立城内小学校の講堂を利用し、史跡の価値の認識を高めるために、新たなる小田原城址の魅力を観光客に伝えようと情報検索装置やさまざまな趣向を凝らした施設としてオープンいたしました。この施設設置については、採算面や城跡の純化等の見地からさまざまな議論がなされました。その議論の中で、恒久的な施設としての整備ではなく、平成16年度には「史跡小田原城跡本丸・二の丸整備基本構想」に基づいて取り壊すこととなっておりますが、この歴史見聞館について二つ質問をいたします。まず、当初は小田原城天守閣入場者の8割と見ていた歴史見聞館の入場者数は、この2年間でどうなっているのか、また、平成16年度、短期計画に基づき取り壊すという認識でよろしいのかお伺いいたします。
次に、現在、新名学園旭丘高校が進めている校舎の改築に絡み、旭丘高校から、旧城内小学校跡地をグラウンドに一時借用として3年間貸与してほしいとの要望が本市に提出されたと伺っております。また、同時期に、小田原城郭研究会、小田原の城と緑を考える会から、国指定史跡小田原城内の新名学園旭丘高等学校の校舎改築に伴う行政指導の後退是正と小田原城整備計画推進再確認についての要望書が本市に提出されております。史跡も大事、学校も大事と旭丘高校の校舎建て替えを容認した本市として、この2件の要望に対して、果たして旭丘高校に旧城内小学校跡地一時借用を認めるのか否か、その御見解をお伺いいたします。
次に、(仮称)城下町ホールの建設計画について伺います。
(仮称)城下町ホールの建設は、市民が小田原駅東西自由連絡通路とともに特に願う施設でもあります。そして「ビジョン21おだわら」の最重要課題として、今後の行政の取り組みが注目されております。
さて、この(仮称)城下町ホールについては、議会においても再三にわたり議論されておりますが、この(仮称)城下町ホールの建設については、平成4年3月に最終報告された小田原市民会館整備検討委員会を機軸として、本年2月には庁内組織で(仮称)城下町ホール建設検討委員会を、そして本年度は(仮称)城下町ホール検討委員会を組織し、いよいよ建設計画が本格化する予定となっておりますが、その完成時期はいつごろを見込んでいるのか。また、建設地は、小田原市民会館整備検討委員会がさまざまな考察とアンケートによって小田原城周辺が最もふさわしい地区と提言し、それを受けて「おだわら21世紀プラン」実施計画では旧三の丸地区への建設が計画され、昨年スタートした「ビジョン21おだわら」の重点的取り組みでもあるレインボープロジェクトの中への位置づけや、また中心市街地活性化計画の中でも本市の芸術文化の拠点としても位置づけられております。本年の3月議会においても、(仮称)城下町ホールに関しての質問がなされました。その中で市長は、平成4年3月時期と現在では経済状況やさまざまな状況が大きく変わっていることから、見直しを含めて建設を検討していくと述べられております。平成2年4月からは、建設予定地域である旧三の丸地区の公有地化事業が進められ、3件の法人の土地の公有地化と県工芸技術センター用地の確保がなされたわけですが、個人の地権者との折衝はしているものの、いまだに理解は得られていないと伺っております。このことから、今後、建設までの道のりはまだまだ険しく、相当な時間がかかるものと見られ、この際、三の丸地区にこだわらず、改めて建設地域の検討をすべきだと思いますが、いかがでしょうか、市長の見解を求めるものであります。
次に、各種税・保険料・手数料等の納付方法の新たな取り組みについて伺います。
長引く景気低迷等により、本市の税収の落ち込みが懸念されている今日において、市税滞納額は、平成6年度14億9502万7811円が平成9年度は23億203万8740円、収納率も繰り越し、現年合わせて平成6年度が95.49%、平成9年度が93.51%となり、国民健康保険料の滞納額は、平成6年度4億3440万3447円が平成9年度は6億7056万1719円、収納率も繰り越し、現年合わせて平成6年度が88.79%、平成9年度が85.92%となり、本市では平成9年度には市税等確保緊急対策推進本部を設置し、課長補佐以上の職員による滞納整理を行うこととなり、その効果として本部設置期間に1億2000万余円を収納することができたと伺っております。また、平成10年度には総務部職員が特別滞納整理を実施し5700万余円を収納する等、滞納に対しての行政の積極的な行動を高く評価する次第です。また、本年度は全国でも初めてと言われる(仮称)市税滞納審査会の設置によってさらなる対応が望まれます。
納税は国民の義務であることはだれもが承知されていることであります。安全かつ安心した生活形成のために、税負担の公平性の確保は当然図らなければなりません。しかしながら、行政機関は国民・市民の義務の遂行を果たしやすい環境づくりに努めることも大変重要なことだと思います。現在、本市における各種税・保険料・手数料等は、口座振替、納付書納付とともに、市役所、支所、連絡所をはじめ市内金融機関での納付がなされておりますが、神奈川県や近隣市町村でも実施している郵便局での納付はできない状況にあります。都市部では電気・ガス・水道料金等がコンビニエンスストアでも納付ができる昨今の情勢から、公の機関でもあり、市内25ヵ所に存在する郵便局における納付を検討すべきであると提案いたしますが、いかがでしょうか、市長の御見解を求めます。
なお、この提案は納税者全体も関係することから、滞納打開策というよりも滞納予防策として提案をさせていただくことをお断り申し上げます。
最後に、防災備蓄品について質問いたします。
平成7年1月の阪神・淡路大震災以来、本市においては、地域防災計画の見直しをはじめ、特殊災害対策等多岐にわたっての施策が展開されてまいりました。大震災直後には行政機関だけでなく、民間企業、市民も防災意識が高まり、大盛況な防災講演会、棚いっぱいの防災グッズを陳列するスーパー、熱心に防災訓練に励む姿等、つい最近まで見られた光景でありました。しかし、最近では有感地震があまり生じないためか、防災に関する書物、テレビ等もほとんど見られませんし、果たして市民における防災意識は現在どうなっているのか心配をする今日でもあります。私は、機会あるごとに防災意識の高揚を提示してきたつもりでありますが、今回は、災害時に広域避難所、仮設救護所に指定される市内25の小学校並びに集中備蓄庫にストックしてある備蓄品について質問してまいります。
発災時における広域避難所の設置及び仮設救護所の存在は市民にとって絶対必要なものであり、家屋崩壊や火災発生等によって避難を余儀なくされた方々にとっては当分の間、広域避難所における生活をしなければなりません。そのためにも備蓄食糧の確保は避難民にとってはかけがえのないものであります。また、阪神・淡路大震災の例を出すまでもなく、負傷者、精神的・肉体的な疾病も発生する可能性があります。この発災時に絶対必要な備蓄品としての食料品、医療品もそれぞれ賞味期限、有効期限があり、それぞれ期限を過ぎたものは使用できないことから、賞味・有効期限を過ぎた品々は、それこそ廃棄物とならざるを得ない状況ではなかろうかと考えます。そこで質問いたします。災害時において広域避難所となる小学校及び集中備蓄庫にストックしてある医療・食糧備蓄品の備蓄量はどのくらいあるのか、また、賞味・有効期限が切れた備蓄品はどのような対応をされているのか、その現状をお示しいただきたいと存じます。あわせて、食料品については、これから毎年どのくらいの期限切れの備蓄食料品があるのかお尋ねをいたしまして、第1回目の質問といたします。(拍手)
○議長【穂坂英山君】 この際、暫時休憩いたします。
午前11時48分 休憩
午後 1時 0分 開議
○副議長【谷神久雄君】 休憩前に引き続き再開いたします。
市長、登壇願います。
〔市長(小澤良明君)登壇〕
○市長【小澤良明君】 6番加藤議員の御質問に順次お答えをさせていただきます。
まずはじめに、市制施行60周年に伴う記念事業についてのお尋ねがございました。本市は来年(平成12年)12月20日に市制施行60周年を迎えますが、これを記念しての事業等につきましては、現在、市役所の内部で検討を続けているところでございます。基本的には、周年事業としての位置づけをもとに、既存事業及び新規事業、またハード及びソフト面などさまざまな角度から検討を進めまして、市民の方々の印象に残る、あるいは今後につながっていく、そんな事業が実施できればと考えているところでございます。御質問の中にもございました(仮称)子供のもり公園につきましては、既に市制施行60周年記念事業の一つとしての位置づけの中で整備を進めさせていただいております。また、小田原城址周辺及び小田原駅周辺における記念事業につきましては、交流のまちづくり構想に基づき、市民の方々に御参加いただきましての「花のおだわら運動」等を予定いたしますとともに、新旧両世紀の記念すべきにじのかけ橋事業として、本市のさらなる発展の核とも言える小田原駅東西自由連絡通路の整備事業も着々と進めてまいりたいと考えているところであります。その他、民間レベルやまちづくり機関としてのTMO関連の事業も考えられますので、今後、調整を図ってまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、市制施行60周年記念事業といたしましては、御指摘のエリアだけでなく、全市的に考えてまいりたいと思っているところであります。
次に、「史跡小田原城跡本丸・二の丸整備基本構想」の進捗状況についてのお尋ねがございました。本構想は、史跡小田原城跡を中長期的に整備していこうと平成5年3月に策定をいたしたものでありますが、現在、平成16年度までを短期計画の期間として、その整備を進めているところであります。お尋ねの平成10年度までの進捗状況につきましては、史跡純化のため、旧三の丸小学校の移転や住吉堀及び住吉橋の復原を完了させまして、また、昨年、御承知のとおり126年ぶりに銅門、櫓門を復原させたところでありまして、若干おくれておりますが、ほぼ計画に沿って進めてきたところでございます。なお、今年度は、平成9・10年度の試掘調査に基づきまして、二の丸主部環境整備として、本丸東堀の表面表示をさせていただく予定でございます。いずれにいたしましても、この事業は、長い年月と多くの費用を要するものでありまして、長期的な視野に立って、本市の財政状況等を十分勘案しながら計画的に整備し、魅力ある小田原城跡にしてまいりたいと考えているところであります。
次に、城内臨時駐車場についてのお尋ねがございました。この臨時駐車場につきましては、栄町駐車場建て替えや小田原駅東西自由連絡通路の建設に伴います駐車場不足が見込まれますことから、文化庁に史跡小田原城跡の現状変更について、平成14年度末まで御用米曲輪を臨時駐車場として使用許可をいただいているところであります。しかしながら、小田原駅東西自由連絡通路の建設期間も平成15年度までを予定しておりますことや、お城通り地区の再開発事業の推進に努めておりますことなどから、現状では使用期間の延伸が必要かと考えておりますので、今後、再開発事業のスケジュールや「史跡小田原城跡本丸・二の丸整備基本構想」に位置づけられた整備事業に支障が出ない範囲で国・県と協議をしてまいりたいと考えております。
次に、小田原城歴史見聞館についての御質問でございます。まず、入場者推移についてでありますが、この施設につきましては、平成9年度に整備をいたしまして、平成10年4月に「観光元年」を期してオープンさせていただきました。現在まで1年と2ヵ月しか経過いたしておりませんが、昨年度の入場者数は13万1011人でございました。この間、開館当初は、銅門の一般公開や桜の開花と相まって数多くの方々に御来館をいただいたわけでありますが、最近では、月に1万人前後の入場者数という状況であります。
次に、取り壊しの時期についてのお尋ねがございました。「史跡小田原城跡本丸・二の丸整備基本構想」の計画の中では、旧城内小学校校舎の撤去と跡地の暫定整備を平成16年度までに行う予定でありますが、先ほどもお答えいたしましたとおり、市の財政状況や城跡整備全体との関係などもございますので、それらとの整合性を図りながら進めていきたいと考えているところであります。
次に、旭丘高校から要望されております三の丸小学校の跡地の借用についてのお尋ねがございました。この跡地は、史跡整備の基本構想に基づきまして、歴史的あるいは観光価値を高めるために、遺構の保存と活用を図りながら復元的整備をしていくものと考えております。そこで、現在は、城址公園の場所に適した公共的な各種イベントや観光の行事などに使用するほか、だれでも自由に散策できるよう開放しているものであります。したがいまして、基本的には、特定の方や団体に占用的に使用することにつきましては、現在お断りをしている状況であります。
次に、(仮称)城下町ホールの建設計画でございますが、本市の芸術文化活動の拠点であります(仮称)城下町ホールの建設につきましては、私が7年前、市長就任直後より用地取得の専従班を庁内に設けまして、このための用地の取得を鋭意進めてまいったわけでありますが、その間、種々支障もございましたりして、なかなか思うように進捗いたしてきませんでした。しかしながら、この三の丸地区の公有地化事業を進めている中で、法人につきましては、既に3件の土地を公有地化いたしましたほか、神奈川県工芸技術センター跡地につきましても確保の見通しが立ったところでございます。そこで、建設用地確保に向けて交渉している現段階におきましては、完成の時期につきまして、今この場でお示しすることは大変難しい状況にございますので、御理解を賜りたいと思います。また、建設地を三の丸地区以外に考えたらどうかとのお尋ねでございますが、平成元年に提出をされました「小田原市本町周辺地区活力あるまちづくり促進調査報告書」や平成4年の「小田原市民会館整備に関する調査報告書」でも、三の丸地区が最適であるとの御提言をいただいているところであります。一方、庁内におきましても、平成11年2月に(仮称)城下町ホール建設検討委員会を設置いたしまして、用地などについて検討を進めているところでありますが、本年度中には(仮称)城下町ホール検討委員会を発足させまして、市民の皆様方の御意見も広く聞いてまいりたいと考えているところであります。いずれにいたしましても、大変市民要望が高い施設でありますので、地域の文化振興と活性化を図るために三の丸地区での建設に向け鋭意努力してまいりたいと考えているところであります。
次に、郵便局でも市税・国民健康保険料等を納付できるようにして、納税者等の利便を図るべきではないかとのお尋ねがございました。現在、本市では、市税・国民健康保険料等につきまして、市内では15の金融機関等(67店舗)で納付することができまして、市外に転出した納税者等につきましても、特例として郵便局でも納付することができるよう利便を図っており、また、水道料金につきましては、郵便局で平成6年度から口座振替ができるようにいたしました。6番加藤議員の御提案のように、郵便局で税や保険料等を納付ができるようにすることにつきましては、納付場所が身近にふえることによりまして、住民サービスの向上のためにも、さらには滞納を防ぐためにも有効な方策であろうと考えておりますが、御承知のとおり、現在、郵便局の口座振替や窓口納付の取扱手数料が本市の収納事務を取り扱っております金融機関に比べて高い、割高であるということもありますので、この手数料問題がまずございます。この点や事務処理の問題等もあるわけでありますが、さらに市民ニーズ等を勘案しながら、今後検討をしてまいりたいと考えているところであります。また、コンビニエンスストアでの納付につきましては、地方自治法で民間が取り扱うことのできる公金は使用料・手数料等に限定されており、税や保険料の納付ができませんので、現段階ではコンビニエンスストアを納付場所にすることは考えておりません。
次に、災害対策用に備蓄している医薬品や食料品の有効期限・賞味期限切れのものの対応などについて御質問がございました。まず、医薬品につきましては、各小学校に1セット約95品目、衛生材料につきましては約30品目を備蓄いたしております。これらは有効期限が定められているものと定められていないものがございます。このうち有効期限が定められております医薬品につきましては、管理を委託いたしております小田原薬剤師会が期限を確認し、期限切れとなります医薬品につきましては、その特殊性によりまして再利用ができませんことから、専門の産業廃棄物取扱業者により廃棄処分をいたしているところであります。また、特に有効期限が定められていない衛生材料につきましては、かなり長い期間の保存が可能でありますので、継続して各小学校に備蓄しているものでございます。
次に、食糧でございますが、現在、11万9000食分を備蓄しておりますが、このうち今後期限切れとなりますのは、今年度が4900食、12年度以降15年度までが、年度順に言いますと860食、3000食、8100食、1500食でございまして、これ以外の在庫品につきましては、保存期限が25年のサバイバルフーズを備蓄いたしておりますので、平成32年度までは期限切れはございません。これらの処理につきましては、防災リーダー研修会や防災訓練、その他市の行事におきまして、賞味期限切れ近くになったものを参加者に配布させていただきまして、各家庭での食糧等の備蓄についての啓発を図っているということでございます。また、乳児用の粉ミルクにつきましては、約900缶備蓄いたしておりますが、賞味期限の過ぎたものにつきましては、業者が下取りをいたしまして、他の製品へ再利用いたしております。
以上をもちまして、6番加藤議員からの御質問に対しましての私からの答弁とさせていただきます。
○6番【加藤仁司君】 一定の御答弁をいただきましたけれども、再質問をさせていただきます。
まず1番目の質問に対する答弁ですけれども、前置きといいますか、私が言った部分と同じ形で答弁されているところがかなり多いなということを感じました。これを承知した上でどうなのかというような質問をさせていただいたつもりなんですけれども、再度質問いたしますので御答弁いただきたいと思います。
まず、城内臨時駐車場に関しては、平成14年度の閉鎖ということについては使用期間の延伸を図りたいということで、先延ばしをされるということのようでございます。確かに事情の中からすれば、私も前置きで述べましたように、当初の状況から変わってきているということは十分に承知をしております。しかしながら、今回の質問の中で旭丘高校の問題もありましたけれども、城跡の純化という立場に立った場合には、やはり純化自体に影響が出てしまう。それこそ一つの約束事といいますか、この城跡整備の中でみずからの土地から転出したという方々からしてみれば大変な問題ではないのかなというように思うわけでもございます。
まず一つ目としては、平成12年度完成予定の早川線や、また城山曽比線の山手橋の改修、そして先ほど言いました小田原駅東西自由連絡通路建設による東口駐車場の駐車台数の減少、これも、先般いただいた資料の中では収容能力としては今まで308台あったところが本年10月からは185台になると。相当減ってしまうわけです。この減る部分については市民には周知をされるのではなかろうかと思いますけれども、観光客の方々は恐らく台数が減ったということを知らないまま、今と同じような格好で東口駐車場に入ってくる。今まで308台で回転していたものが今度は185台ですから、回転が物すごく悪くなることは明らかです。そのような状態の中、渋滞等をいろいろと引き起こしてしまうんじゃないか。そういう面からすれば、確かに城内臨時駐車場はちょっと延期しなければいけないのかなと思います。いろいろな面もありまして、しかしながら話を総合してみますと、この観光客の車両がこれからどこに駐車するか、それこそ全体的なシミュレーションを考えていかないと、たしか私は平成9年のときにそういう話もしたことがありますけれども、観光客への駐車場全体についてどのような考えを持たれているのか、これを再度聞きたいと思います。
2番目の歴史見聞館については、平成16年度には講堂については取り壊すということは、先ほど言いました史跡純化の根本的な姿勢、そして議会や旧城内小学校の校舎のときにいろいろと存続運動とかありましたが、そういった経過からすれば壊さなければならないところになってきてしまうんですけれども、ここが今の観光客のために新たな付加価値、施設として必要であれば、どうしてもそういう歴史見聞館的なものが恒久的な施設として必要だというように考えられるんじゃなかろうかと思います。今の暫定的なものに何とか頼るというよりも、その後、ちゃんとしたものをこれから建てるという姿勢を示してもらいたいと思うんですけれども、行政としてはどのように考えられているか、これを2点目として質問させていただきたいと思います。
次に、3番目の(仮称)城下町ホールにつきましては、昭和37年に建設された市民会館、それこそ自分の成長とともに市民会館があるみたいな、私も同じ年ぐらいになるんですけれども、この市民会館が建てられたときに、とにかく利用者が駅から市民会館に向かうまでの間、お城の風情を楽しみながら集える場所に行くということのコンセプトがあったようなことを私も聞いたことがあります。平成4年の整備検討委員会からの報告書を見ますと、コンセプトとしてはちょうど同じような感じで書かれております。そこで、先ほどの第1の質問でもしました、今回組織される(仮称)城下町ホール検討委員会に求める市の基本的な姿勢、ここはどのようなものなのか、これを3番目として示していただきたいと思います。
次に、2項目目の問題については、今回、この議会の質問の中でも4人ほど介護保険について触れられております。平成12年4月から介護保険が導入されるということで、特に第1号被保険者と言われる65歳以上、この方々は老齢退職年金給付ということから、天引きされるという特別徴収が多いと聞きますけれども、多少、普通徴収をされる方もいられると思います。そういうことは納付者が多くなる。そして、本当に近いところにそういう納入機関があれば大変うれしいことではなかろうかと思います。ぜひ郵便局における納付ができるような形にすべきではなかろうかと思います。参考までに、今までいろいろ私も質問してまいったときに、市長は近隣の市町村の様子を見てということをよく言われます。今回、ではどうなのかというよりも、私が先に近隣の状況を調べた中でお伝えしますと、県下の37市町村中13市町(7市6町)が未実施であるということで、厚木市、座間市、伊勢原市、南足柄市、横須賀市、三浦市、そして小田原市の7市、中井町、大井町、松田町、山北町、真鶴町、葉山町の6町が未実施だということで、24市町村が実施しているということでありますので、小田原市においては検討をするということではありますけれども、近隣の情勢も含めますとぜひ導入をすべきではなかろうか。再度お願いをしたいと思うんですが、御答弁をいただければと思います。
そして3項目目の部分については、確かに医療廃棄物を有効利用するというのはちょっと難しいのかなと一定の理解をするわけでございます。しかしながら、食糧については、先ほども答弁の中にありましたが、平成11年度から15年度まで有効期限を迎える備蓄食料品が相当な数あります。この数がそれこそ防災訓練で全部はければいいんですけれども、果たして全部はけているのか。もしもはけ切れていないものはどのようなことになっているのか。完全に廃棄処分という形になっているのか。廃棄処分となっているとすれば、それにならないようなものをそれ以上に考えているのか。そこのところを再質問とさせていただきたいと思います。
そして、この期限を迎える以外のものは25年のサバイバルフーズということでお答えがあったんですけれども、25年という長期保存というのは本当にすごいなと思います。ここの今の食品については市民の方に周知がされているのか、私自身も知らなかったんですけれども、ここについてはどうなっているのかお聞きをしたいと思います。
○市長【小澤良明君】 6番加藤議員の再質問に私の方からまず最初の三つにつきましてお答えさせていただきます。
城内臨時駐車場に関連いたしまして、観光客用の駐車場についてのお尋ねがございました。駐車場整備に関する施策を推進するために、平成8年度に策定いたしました駐車場整備計画というものがございます。この中では、小田原駅を中心とした整備地区約63.5ヘクタールを指定いたしております。現在、その周辺地区を含めて公共が6ヵ所、民間の26ヵ所の駐車場が整備されておりまして、特に城址公園周辺の駐車場につきましては、観光客用として多くの皆様方に御利用をいただいております。そこで、駐車場整備計画では、将来を考慮いたしました大規模な駐車場につきましても4ヵ所位置づけておりますが、そのうち、既に栄町駐車場につきましては建て替えが完了いたしまして、平成9年12月に供用を開始しているわけであります。また、その他の箇所につきましては、お城通り地区、東通り・大乗寺地区の再開発事業や三の丸地区整備事業に駐車場を位置づけておりますので、これらとともに、今後、さらに観光という視点も考慮した駐車場対策につきまして研究をしてまいりたいと考えているところであります。
次に、小田原城歴史見聞館のような施設の恒久的整備についてお尋ねがございました。この施設は、史跡の魅力や価値を高め、観光客の方にも小田原城の歴史などを正しく楽しく理解していただくということで整備をさせていただきました。と同時に、旧城内小学校の保存の御要請も一部の市民の方々からもございまして、そうしたこともいろいろと考え合わせながら活用させていただいた。6番加藤議員も当時の議論にいろいろと御参加をいただいておりますけれども、御承知のとおりの過程でできたわけでございます。このような小田原城の歴史などを理解していただくための施設は、観光客の方々が回遊する動線の中で必要であるというふうに考えておりますので、今後の城跡整備での登城ルートの動線並びに城址公園周辺で可能かどうか研究をしてまいりたいと考えているところであります。
次に、(仮称)城下町ホールの建設の理念がどういうことなのかというお話がございました。三の丸地区整備につきましては、本市の芸術文化の拠点として(仮称)城下町ホールを建設いたしまして、城址公園とともに魅力ある歴史・文化ゾーンを形成しようとするものでございまして、(仮称)城下町ホールの建設、文化芸術の殿堂の建設によりまして、結果として、観光客も含めてでございますけれども、集客や回遊性の向上を図るとともに、そうしたことがまちの活性化につながっていくと、そんなことになったらよろしいというふうに思っているところであります。いずれにいたしましても、(仮称)城下町ホールの建設理念等につきましては、現在、庁内組織の(仮称)城下町ホール建設検討委員会で検討いたしておりますが、今後、今年度発足させます、市民の皆さんや学識経験者等によります(仮称)城下町ホール検討委員会におきましても、広く各方面からの意見を聞いて進めてまいりたいと考えているところであります。
以下につきましては、担当の方からお答えさせていただきます。
○助役【鶴井利親君】 6番加藤議員の再質問の4番目、5番目につきまして、私からお答えをいたします。
平成12年度に導入されます介護保険制度に合わせまして、近隣の納入機関でも65歳以上の第1号被保険者の介護保険料などを納められるようにすべきではないかというような御質問をいただきました。先ほど市長からもお答え申し上げましたように、納付場所が身近にふえるということは、高齢者の利便を図るとともに、介護保険料の滞納を防ぐためにも有効な方策であろうというふうに考えておりますので、できるだけ早い時期に対応する方向で検討してまいりたいと、このように思っております。
次の、期限切れの備蓄医薬品類・食料品につきましてお答えをいたします。まず、医薬品の有効活用についてでございますけれども、期限切れの医薬品につきましては、先ほど市長からも答弁申し上げましたように、その特殊性を考えた場合、再利用が大変難しい面があろうかと思っております。しかしながら、衛生材料につきましては、大半のものが有効期限がありませんので、一定の期間備蓄した後にも、品目によりましては再利用もできようというふうに思いますので、その有効活用につきまして検討をさらにしてまいりたいというふうに思っております。
備蓄食糧につきましては、先ほどこれもお答えしましたように、賞味期限切れ間近になったものの大部分を、防災訓練であるとか市の行事などの参加者に配布しておりますけれども、一部御指摘のとおり賞味期限を過ぎるものもございます。災害用の備蓄品は、災害が発生しなければある程度むだになってしまうというのは、表現が適切かどうかわかりませんけれども、お許しいただけるんじゃないかなというふうに思われますけれども、極力ごみとして処分することのないように、風味は落ちましても食べるのに支障がないというようなものにつきましては、実は、暴風雨とかそういうふうなときに市の職員が登庁してまいりますが、非常登庁した職員の非常食などに現在もしておりますので、御理解いただきたいというふうに思います。
保存期限が25年の備蓄食料品の市民への周知につきましては、地域の防災訓練などにおきまして、防災資機材を説明する中で触れておりましたけれども、市内の防災用品の販売業者から容易に購入することができますので、家庭での食糧備蓄の促進を図る観点からも、今後、地域の防災訓練であるとか防災リーダーの研修会、または市の広報紙などによりましてその機会をとらえまして、一層その周知と啓発に努めてまいりたいと思っております。
以上をもちまして、6番加藤議員の再質問に対します私からの答弁といたします。
○6番【加藤仁司君】 再質問に対してのお答えをいただきました。順序が逆になりますけれども、2番、3番の助役の方から御答弁をいただいた部分について、意見的なものを含めて、先にやらせていただきます。
2番目の部分については、早くに御検討をまたいただけるということと承ります。一つの例を出した方が早いと思います。ちょうど地元の方で行政の方からいろいろな事業に対しての補助金を受けるということがありまして、そのときに市の方もいろいろ不祥事の中で振り込みという体制に全部変わったということで聞いております。この振り込むときに、その団体は郵便貯金しか持っていなかったということで、市の方はそれはできませんよということだったので、また新たに通帳をつくらなければいけない。こういったこと、一つだけの例ですけれども、ほかのところも多少はあるのかな。ただそれだけではありませんが、今質問の中でありましたように、ほかのかなりの市町で導入しているということでありますので、さらに御検討を重ねていただきたい。このようにお願いをしておきます。
また、3番目の備蓄品の件につきましては、確かに備蓄品という考え、ここはどうしても保険をかけるという部分、これは私も十分理解をしております。とにかく一つでもむだのないようにという精神は持ちながらも、使わなければ使わないでこれを捨てることになっても、何事も起きなくてよかったなというような性格のものでありますので、これをどうこうしろという部分、ちょうど環境問題がこれだけいろいろと大変な問題になっており、少しでもごみを減らすという観点の中から質問をさせていただいた部分と、そして最初の質問でありましたように、防災意識といいますか、最近はいろんな中でも触れる機会がちょっと少なくなったということで、私も、必ず防災に関しては意見として言いますけれども、やはり備蓄等については市民一人ひとりがみずからの責任の中で備蓄をしていくべきだと、このように思いながらの質問をさせていただいたわけでございます。
2番目、3番目については終わらせていただきます。
1番目の城跡整備、そして(仮称)城下町ホールの部分になるんですけれども、この駐車の問題、大規模な駐車場4ヵ所、いろいろと市長から御答弁をいただきました。都市建設常任委員会ですか、私も傍聴で聞く中では栄町駐車場は利用者が予定よりも大変少ないと。この少ない原因としては、一つの経済的なもので、廃屋というか空き店舗となったところを駐車場にするとかいうようなことで、民間の中である程度補っている部分があるということで利用台数が減ったというお答えもたしか行政からあったやに聞いております。栄町駐車場というのは私が見るところでは観光客はほとんど使っていないんじゃないか、逆に市民の方々の利用がメインになっているような気がいたします。私が質問をさせていただいた部分というのは、観光客は前提としては小田原市内の状況を全然知らない方々で、平成12年度に開通する早川線や例えば小田原厚木道路の荻窪から来る、または国道1号の上下線から入る、いろんな方々がいられるんですけれども、今の駐車場の整備のままですと、今までの収納できる台数よりも減ってしまうわけです。それで、栄町駐車場はもう使わないんじゃないかという前提の中で、どうしたらいいかということでの質問であります。全体的な部分については今市長からお答えいただきましたので、ちょうど平成9年に質問したときは、様子を見てまた考えると言っていた、早川線ができたときの城内臨時駐車場への右折、もしくは今度は180台前後になってしまう東口駐車場、ここは今の出口のところを出入り口にしたらどうかというような質問も前回しまして、その状況に応じてまた検討するという答えをもらっているんですけれども、この際、ここら辺の右折とかこういうようなものができる状況なのか、まだそこまで考えていないのか、そこの部分を再度伺いたいと思います。
そして2番、3番に絡んで、2番、3番というのは歴史見聞館、(仮称)城下町ホールですが、これに絡んで観光客の回遊の動線を考えなければならないという市長の御答弁、本当にもっともだと思います。しかしながら(仮称)城下町ホールに関していえば、(仮称)城下町ホールのコンセプトはあくまでも市民と観光客という二者を対象にした部分で、昭和37年の市民会館も、そして平成4年に出た検討委員会の報告書、そして今回の市長の答弁、この三つとも観光客と市民という一緒の中で(仮称)城下町ホールをどうしようかという観点でのお話だと思います。私はそれは別にするもんじゃないかと思います。結局、市民というのは、市民が今の市民会館を使うときには、例えば今やっているさかなまつりとか木工品フェアとか、観光客と市民が一緒にやるイベントであればいいんですけれども、平日のほとんどというのは市民の方々が利用する、一つの自分の目的のためにそこを利用するという方々が多いんじゃないか。そうすると、周りがどうこうというのは次の問題であって、あくまでも自分の家からそこの目的のある場所に行ければいい。そのときに交通の便がいいところや駐車場が広いところ、こういったところで市民会館が利用されるんじゃないかなと思いますので、なぜ三の丸地区にこだわらなければいけないのか。こだわるのであれば、観光客の方が利用するにはそこにはこだわるべきじゃないかなと思います。これは私の勝手な考えなんですけれども、三の丸地区は今なかなか公有地化が進まない。恐らく行政の方はだんだん進んでいますよということだと思いますけれども、長期的に見たときに果たして進むのかなというような考えを持つ中では、歴史見聞館のようなもの、例えば恒久的な建物は、いろいろ登城ルートを考えていくということなんですけれども、城跡内にできるものなのか、ちょっと私もそれは疑問があります。もしもできないのであれば、観光客を対象としたそういった歴史見聞館的なものを例えば三の丸につくって、もちろんその周辺の市民の方は近くに何もなくなってしまったよということではいけませんので、例えば7番目の地域センターのようなものも一緒につくってみるとか、そして市民会館にかわる(仮称)城下町ホールというのは、城下町ホールという名称がいいのかどうかわかりませんけれども、また別のところに持っていく。言うならば箱ものが一つだったのが今度は二つということで、行革に反していると言われるかもしれませんけれども、利用者自体が違うから二つのものを考える。私はこのような考えでおります。押しつけるわけじゃないのですけれども、再度、市長はどのようにお考えか、本当に再度なんですけれどもお聞きしたいと思います。
○市長【小澤良明君】 6番加藤議員の再度の質問ですが、まず、2番目の(仮称)城下町ホールの方につきまして、私の方からお答えさせていただきます。
(仮称)城下町ホールというのは文化芸術の殿堂で、どちからというと市民が対象である、だから別の場所にして、三の丸地区にはむしろ観光客を対象としたそういう施設をつくったらどうかという話がございました。全く過去のいきさつだとかそうしたものがない、あるいは中心市街地の空洞化が起きていない、あるいは本市がつくる施設の優先順位がまだはっきりとしていない、そういうふうな状況の中ではあるいは6番加藤議員のお考えの方が正しいのかもしれません。ただ、現状を見てみますと、私が市長になる以前から有識者や市民の代表の方々の御答申も得て、先ほど来のお話のように(仮称)城下町ホールは三の丸地区に建設すべきであるという答申がございまして、それをもとにすべてが進んで今日まできております。私も、これも先ほどお話をいたしましたが、市長に就任直後、皆様方の過去のいきさつも考慮して、(仮称)城下町ホールはあそこに建てたい。あるいは中心市街地から大きな施設がどんどん移っている中で、中心市街地の特に商業関係の皆様方の悲鳴のような声が年々だんだん大きくなってきております。そういう中で、(仮称)城下町ホールはあそこにあらねばならないということは、確固としたお声として、旧市街地というか中心市街地の特に商業者の皆様方、特に小田原駅と海との間を考えますと、小田原駅とお城までの間はまだいいんですが、その先の方々にしますと、どう回遊性を延ばしていくかという、拠点施設として文化芸術の殿堂とは言いながら、そういうものがしっかりと張りついていただくことによって、例えば三の丸小学校のように、小学校ではございますけれども、あそこに都市景観大賞をいただきましたけれども、城址周辺の景観をより向上させる、雰囲気をより向上させるような施設配置をする、デザインの配置をする、建物をつくる、そういうことによりまして城址としての景観や環境が一層向上する。情報発信もやりやすくなる。そんなことで、特に望んでいらっしゃいます。これがお堀から海側の商業者の皆様にとって一つの希望の光というと大げさですけれども、お望みになっていらっしゃることも間違いございません。ただそういうことだけでなくて、いずれにいたしましても、多くの方々の御意見があのお城の周辺の雰囲気が非常にマッチしていると、(仮称)城下町ホールとしてマッチしているというお考えが提示され、それを踏襲して市も私自身も今日まで参りました。議会の皆様の大方の方々がそうした考え方をお認めいただいて今日まできているところでございまして、先ほど来お話をいたしましたように、工芸技術センター、それから消防署につきましては本署が川東地区に移りまして中央分署になっておりますが、あれは市の施設でございますので、また地域の皆さんと御相談でございますが、中央分署の部分、あるいは国や県の施設、民間の施設、これらをどう考えるのか。いろいろと今検討委員会でこの点につきまして議論を詰めておりますので、しばらくこうした方向で進ませていただきまして、その上で市民の皆さんの御意見をもう一度お聞きする。ですから、しばらくと言いましたけれども、場所は(仮称)城下町ホールにつきましてはできればあそこでやってまいりたいと市といたしましては考えているところでございますので、またそういう経緯も積み重ねておりますので、ぜひ御理解をいただきたいと思います。
そのほか三の丸地区全体につきまして、それでは市民会館を壊した後、どうするのか、いろいろと考え方もありますので、全体としてもう一度これは検討の土俵に乗せなくてはならないというふうに思っております。小田原城址公園と一口に言いますけれども、かねがね三つの整備の考え方があって、三の丸でなくて城址公園と言われている地域でございますけれども、一つは小田原の貴重な歴史的遺産としての史跡整備、一つは観光資源としての整備、一つは市民の憩いの広場としての整備、こうした三つの面を城址公園はあわせ持っているというふうに私は考えております。基盤は史跡整備ということだとは思いますけれども、しかし、どれ一つ欠けてもいけない要素でございまして、これらを、「史跡小田原城跡本丸・二の丸整備基本構想」のもとに逐次いろいろな条件を考えながら、着実に実行してまいりたいというふうに思っているところでございますので、御理解をいただきたいと思います。
○助役【内藤武彦君】 観光客用の駐車場問題についての御質問でございますけれども、先ほど市長が御答弁いたしましたけれども、平成8年に駐車場の整備計画を立てました。これで大規模な駐車場4ヵ所を整備することによって、一般的には、その中に観光客のスペースといいますかそういったものも包含するという考え方であるわけです。いずれにしましても、御指摘のように、昨年「観光元年」というような旗印を掲げて観光事業を推進していくということと同時に、再開発事業または三の丸整備事業がそのままスムーズにいくのかというと、またそれにも時間的なギャップが生じるということでございますので、先ほどシミュレーションという言葉で表現されましたけれども、いずれにしても、段階的な駐車場対策というのをやっていかなければいけないだろうということで、先ほど御指摘のありました貨物ヤード跡地の駐車場の青橋側からの左折の問題、既に御指摘をされているところでございまして、これらの問題も再三にわたって再検討しております。しかしながら、これも先ほど御指摘がありました早川線の開通等を考慮いたしますと、あそこの滞留の問題とかで、これもなかなか先行き見通しがいいというわけにはいっておりません。ただ再検討ということで俎上にはのせております。そういったことで、御指摘の点も含めまして、この駐車場の段階的な対策というものをとらざるを得ないだろう。そういうことで、最終的には、先ほど申し上げました駐車場計画の中で包含できるであろうと思っておりますけれども、そういったことで御指摘の点については再検討していきたいというふうに思っております。
○6番【加藤仁司君】 まず、助役から御答弁いただいた駐車場の件については、再検討ということですので、さらなる御検討をお願いしたいと思います。
市長からるる歴史的な経過のお話がありました。私も十分そこら辺のところは承知をしているつもりでもありますし、また、周辺の商店街の方々は、確かにいろいろな中で少しでも多くの方々がそこに来てもらいたい。このための(仮称)城下町ホールということについては、何ら否定もしないわけでございます。決して、三の丸地区に(仮称)城下町ホールを建てなければ例えばあそこを更地のままにするとかいうような思いもいたしておりません。逆に私の言いたい部分は、あそこに観光客の言うならば拠点ができて、そこからお城方面や市内に移るというか、いろんな中で回遊していったらどうかなという視点でありますので、とにかく優先順位の方が今市長の方でいろいろ難しいということ、これは再三議会の質問の中でよく優先順位をつけろというようなことも指摘をされているんですけれども、確かに情勢が変わった中で三の丸の有効的な利用、私はそこに観光メインのものをつくる、そして市民の方にはそこにこだわらずにと言わせていただいたわけでもございます。
観光地に行きますといろいろ観光の名所というのがあります。例えばバスをおりたところ、駅からおりたところ、ここから観光の目的のところまで、どうしてもその周辺はいろんなお土産屋さんとかで大変にぎわっている。お客さんがいてもいなくても、そこの雰囲気をつかむだけでも、やはり観光地に来たんだなというような気持ちがあります。しかしながら、現在、小田原にはなかなかそういう雰囲気のものがない。どうしてもそういう雰囲気のものをつくらなければいけないんじゃないかということで、今、お城に行く、俗に言う登城ルートが3ヵ所だかに分散しておりますので、どうしてもそういうようなものが統一的にできない。言うならば1ヵ所、入り口と出口ということで1ヵ所の登城ルートみたいなものでやっていけば、そういうお土産屋さんがその道路の周りに広がって、その中を観光客が歩いて行く。そういうことになると、城下町または小田原のイメージづくりが本当にできるんじゃないかという思いがあります。どうしても駅からの部分といいますか、駅に向かう車の流れからすると渋滞が大変ひどいということなので、前もちんちん電車のお話がありました。私も、例えば駅からマイクロバスとかでそういった観光の拠点となるところに送迎客を送って、そしてそこからが登城ルートになる、登城ルートの一本化というものもまた検討していただければありがたいと思います。また質問の機会もありますので、またやらせていただきたいと思います。ありがとうございました。