平成11年12月議会一般質問
1999年12月01日
質問要旨(H11-12)
1 地方分権一括法施行に伴う取り組みについて
(1) 特例市制度創設に伴う本市の対応について
2 国府津駅周辺整備について
(1) 国府津・前川地区「ふれあい農業公園の整備」構想について
(2) 国府津駅南口及び北側整備の必要性について
3 小田原駅周辺商業地域に対する施策について
(1) 消費者動向を踏まえ、住宅政策への転換について
○6番【加藤仁司君】 通告に従いまして順次質問をいたします。
平成11年7月に成立された地方分権一括法は、来年4月の施行に向けて、各市町村独自の歴史、文化、自然条件等を生かした活力ある地域づくりの推進のため、機関委任事務制度の廃止、国等の関与の見直し、権限委譲の推進、必置規制の見直しを柱に、地方公共団体による直接的な判断や責任が生かされるよう、分権型行政システムの転換が図られようとしております。その中でも、特に国の権限を都道府県または市町村に、都道府県の権限を市町村に委譲するための所要の改正として、権限委譲の推進が図られることは、住民生活に身近な事務を国や県が実施しているという非効率的な現状を打破していくことで、大変歓迎すべきことであります。また、中核市の指定条件の緩和とともに、新たに人口20万人以上を有する市を、当該市からの申し出に基づき、政令で指定し、ある程度の事務をまとめて委譲する特例市制度が創設されました。この特例市制度の創設に伴い、本市は現在、全国59候補市のうちの一つとして手を挙げているようでありますが、特例市への移行は本市にとってどのようなメリットがあるのか、また、デメリットはないのか、まず1点お伺いいたします。
続いて、本議会でも毎回のように論議されておりますように、地方分権の意図する背景には、市町村の合併を加速度的に推進する性質もあるようにうかがえます。さて、本市では2市8町の県西地域広域市町村圏協議会においても合併研修が始まっていると伺いますが、本市は将来の理想的な姿として、合併による中核市への移行を望むのか、それとも特例市への移行で満足されるおつもりか、その御見解を伺いたく存じます。さらに、この特例市への移行は、住民の深い理解のもとでの実施が必要だと思うのでありますが、どのような方法をもって理解を求められるおつもりか、示していただきたいと存じます。
次に、国府津駅周辺整備について何点かお伺いいたします。まず、お断り申し上げますが、質問項目では、国府津・前川地区ふれあい農業公園の整備となっておりますが、次に示す(仮称)東部丘陵ミルキーパーク整備と同意語であることを議員各位におかれましては御了解いただきたく存じます。
さて、JR国府津駅周辺は、現在(仮称)東部丘陵ミルキーパーク整備計画が「ビジョン21おだわら」のレインボープロジェクトにも位置づけられており、本年度予算にはその基本調査委託料が計上されていることから、今後、本地域を取り巻く環境整備が必要となることは明らかであります。そこで、この(仮称)東部丘陵ミルキーパーク整備計画基本調査は既に行われたのかお伺いいたします。
また、県においても、畜産経営環境整備基本調査が実施されたとも伺っておりますが、その結果はいかがだったのかお示しいただきたく存じます。
さらに、さきにも述べましたとおり、(仮称)東部丘陵ミルキーパーク整備計画は「ビジョン21おだわら」では平成11年度に計画の策定、平成12年度には実施設計を行う計画となっておりますが、計画どおりに進捗しているのかお伺いいたします。
続いて、本整備事業計画はまだ示されておりませんが、本事業は酪農を中心に、市内外の方々に利用してもらえる、いわゆる観光農業的要素と、日帰り客を対象とした公園整備をミックスした施設であります。このような施設へのアクセスは、電車、徒歩、乗用車等、あらゆる方法で訪れることが見込まれますが、当事業にかかわる周辺道路整備はどのように考えられているのかお尋ねをいたします。
さて、本市ではさまざまな事業計画が既に策定され、あるいは計画途上のものも幾つか存在しております。その中でもとりわけ、地権者の存在する地域や、鉄道軌道や自動車専用道路のように立体交差での整備が必要な事業など、内容によっては複雑多岐なものや、山地開発計画などに至っては、目標や境界が鮮明でないため、通常用いられる平面の計画図では事業の全体像及び完成以降の地形その他もつかみ切れない状況から、立体モデルの作製により把握したりしてまいりました。しかしながら、立体モデルは平面図・断面図をしのぐものではありますが、費用面、かさばるという保管面等、導入にはちゅうちょする姿勢が見受けられます。私は、議会に以前設置してありました少年院移転問題特別委員会でも、特に山林地帯やみかん畑、今後展開していくであろう上町まちづくり計画等、現状から一つ一つ整備される事業を計画の概要が目の当たりにつかむことのできるモデル化によって、少年院側への理解や上町住民の方々への説明等を図る上で有効であろうと訴えてまいりました。ところが、昨今のコンピュータ技術の進歩の目覚ましさは目を見張るもので、現在のCG(コンピュータ・グラフィックス)技術で立体的な計画図が簡単にできると聞き及んでおります。既にCGは子供の玩具にも格段の進歩が図られ、よりリアルな画面の登場に大変驚いております。その進歩は、信じられないかもしれませんが、地形の海抜、既存建物、道路幅等のデータを一つずつ入力する手間もなく、今や航空写真で撮影したデータの陰影からすべて判断できるシステムも存在していると聞きます。そこで、(仮称)東部丘陵ミルキーパーク整備計画は、その地形や範囲、その施設周辺に計画される事業の存在等もあり、CG導入による新技術を積極的に導入することが計画策定及び地権者への説明等にも大変有効な手段だと考えますが、市長の御見解をお伺いいたします。
次に、国府津駅南口及び北側整備の必要性について伺います。JR国府津駅は、東海道線、御殿場線を擁する、市内で最も歴史があり、小田原駅、鴨宮駅に次いで1日平均の乗車人員も約7500人の方々が利用する川東の中核駅であります。しかしながら、この国府津駅も、駅前ロータリー周辺の店舗に若干の変化や、駅前自転車駐車場の整備等が行われておりますが、数十年来ほとんど変化がなく、バス会社3社の乗り入れ、タクシー会社、送迎用の乗用車が入り乱れる状況が続いております。
さて、先述しました国府津駅周辺の事業整備が行われますと、必然的に駅利用者の増加が見込まれます。しかしながら、現状の国府津駅前ロータリーも、早朝や夕方にはパニックに近い混雑状況から、(仮称)東部丘陵ミルキーパーク整備計画が始まる今こそ、国府津駅の北口改札を含めた開発計画を考えるときだと思いますが、いかがでしょうか。特に、駅北側には、当時の国鉄清算事業団所有の旧機関区車庫跡地があり、現在は空き地となっております。この跡地を有効活用できるような行動をとるべきだと考えますが、市長の御見解を伺いたく存じます。
また、昨今は国府津駅北側に民間開発による住宅がふえつつある現状であります。私も、何度か国府津駅北側を通行いたしましたが、現在の市道0073はとても整備された道路とは言えない現況です。昨年の6月の私の一般質問に対する答弁でも、部分的な拡幅を行う旨の答弁をいただいているところでもあります。そこで、さきにも触れた長引く少年院問題も、予定地への交通アクセス手段、時間等がネックとなっていることからも、移転促進の手段として、この急峻な市道の整備も含んで道路整備計画を立て、橘より中井町へ抜ける道路の促進を図るべきであります。御見解をお伺いいたします。
また、北口改札の必要性と並んで、数十年来変化のない国府津駅南口も、非常に不便な駅だとだれもが承知をしております。国府津駅南口ロータリーの混雑も、国道1号と東海道線が並行して走り、国道から駅までの距離も短いことから生じる問題でもあり、また、ロータリーにおけるバス停留所の配置等、さまざまな要素がありますが、この際、抜本的な改革なくしては解決できない問題と認識をいたす次第でございます。そこで、国府津駅ロータリーへの新たな出入り口の確保等の解決策に、本市も積極的に検討する協議会等の機関を持たれるべきだと考えますが、いかがでしょうか。御見解をお伺いいたします。
次に、小田原駅周辺商業地域に対する施策について伺います。平成10年3月に本市の発行した小田原市商業活性化計画及び平成11年3月の小田原市中心市街地活性化基本計画による市長のあいさつ文には、商業の活性化を「ほっと小田原 ホットあきない」という基本コンセプトとして、計画の施策や事業等の着実な推進を図り、広域交流圏の拠点にふさわしい小田原商業の実現に向けての努力を図りたい、また、味わいのあるまち、にぎわいを取り戻していきたいとその抱負を語っておられます。市長が以上のような発言をしなければならない背景には、まさしく小田原市商業活性化計画が策定される1年前、すなわち平成9年3月に調査・分析された小田原市商業活性化計画資料編にあるように、現在の消費者動向と小田原駅周辺商店街の現状との乖離が顕著に示されていることであります。
平成8年12月に市内1200世帯を対象に調査された消費行動調査としての家庭買い物アンケートの結果によると、生鮮食料品及び一般食料品とも、スーパーマーケットでの購入がそれぞれ61.1%、68%となっており、小売店での購入は一般食料品で7.3%にすぎない結果でありました。これらの商品の購入理由は、家に近いことがそれぞれ53.1%、50.2%でトップの理由となっております。さらに、日用雑貨では、価格が安い38.6%、家に近い36.2%、品ぞろえが充実35.7%、駐車しやすい29.9%を購入理由に挙げたディスカウントストアや、スーパーが購入先の35.7%、33.3%を占めております。その他、外出着、ふだん着、身の回り品、家電、レジャー、園芸、贈答品等、書籍・文具が小売店を4割の人が購入先としている以外は、ほとんどがディスカウントストアやスーパーが購入先となっております。特に、この中で目を見張るのは、小田原駅周辺と鴨宮駅周辺の購入割合の相違であります。まず、小田原駅周辺で購入割合の高いものは、1.外出着、おしゃれ着、2.ふだん着、室内着、3.身の回り品、4.書籍・文具、5.贈答品で、鴨宮駅周辺の購入割合の高いものは、1.生鮮食料品、2.一般食料品、3.日用雑貨、4.インテリア、5.家庭電化製品、6.パソコン・携帯電話、7.スポーツ・レジャー用品、8.日曜大工・園芸用品と、毎日の購入が見込まれる日常生活品が鴨宮駅周辺に集中していることは大変興味深い結果となりました。さらに、小田原駅周辺の商業における大型店については、実に37.9%が中心商業地としては規模が不足しているとの回答が多く、駅周辺に欲しい商店・商業施設は、都市型百貨店が53.8%、次いで生活必需品店の集積33.7%、大型スーパー31.7%となっております。また、駐車場が広いことを利用理由とするロードサイド型商店の利用も利用率の高さが顕著でありました。
さて、以上述べましたような消費者動向を踏まえ、これから本市が中心市街地の活性化を、小田原市らしさの再生と創造、従来の公共=行政のスタイルから、行政+商業者+住民+NPO等の新しい公共の概念の必要性を唱え、さらに国の中心市街地活性化法や県の広域交流拠点などで打開策を講じようとしておりますが、消費者ニーズに対応し、以前の活気を取り戻せるだけの施策の展開が果たして期待できるかは、小田原市中心市街地活性化基本計画のリーディングプロジェクトに託されております。その中の(2)小田原駅周辺整備プロジェクト(事業優先地域)で、お城通り地区全区域、栄町二丁目東通りをはじめ幾つか地域の整備イメージが示されておりますが、ここには都市型ホテルや商業ビル、専門店、飲食店街とともに、都市型住宅を整備イメージの一つとして挙げられております。そこで、この都市型住宅とはどのような形態のものであるのかまず質問をいたします。また、事業優先地域とともに、現在、空き店舗対策やテナントの誘致を小田原TMOや各商店街が目指すプロジェクトの対象になる商店街の整備イメージにも都市型住宅の整備がなされる予定か伺いたく存じます。
さらに、先ほど示した小田原市商業活性化計画資料の街頭買い物アンケートでまちの印象について伺うところによれば、30.6%の方が住みやすいと回答しております。この数字は、いかようにも解釈できますが、例えば小田原駅前に限って申せば、気候は温暖、交通も新幹線をはじめ5社の鉄道を擁し、我が国の代表的温泉街箱根の玄関口でもあり、市内でも絶対的条件を備えたすばらしい場所でもあります。この小田原駅前への住宅整備はきっと需要の高い施策であり、人口増も図れることから、小田原駅前商業地域二十数ヵ所の商店街の新たなる施策として、さまざまな商業活性化策とあわせて、住宅整備も視野に入れる必要性もあると考えますが、市長の御見解をお伺いいたしまして、第1回目の質問といたします。(拍手)
○副議長【谷神久雄君】 市長、登壇願います。
〔市長(小澤良明君)登壇〕
○市長【小澤良明君】 6番加藤議員の御質問に順次お答えをいたします。
まず、特例市についての御質問がございました。特例市は、来年4月1日に施行される地方分権一括法のうち、地方自治法の改正により創設されるものであります。人口20万人以上を要件として、特例市の指定を受けますと、中核市に委譲された事務権限のうちの一部を処理することができるようになるものであります。委譲される権限は、騒音規制法に関するもの、都市計画法に関するものなど、15法律28事務にわたります。そこで、特例市を受けるとどのようなメリットがあるのかということでありますが、権限が委譲されることにより、環境に配慮した住みよいまちづくりを行うことができる、地域の実情に応じた個性あるまちづくりを展開しやすくなる、市としてのステータスが向上し、まち全体が活性化する、こんな点が挙げられるのではないかと思います。また、デメリットはないのかというお話もございました。私は、地方分権時代を迎え、基本的に自治体の権限は多ければ多いほど、個性豊かな魅力あるまちづくりができると考えております。ここであえて特例市のデメリットといいますと、権限委譲に伴う財源がいまだ明確になっていない、不透明でございます。指定を受けることについて、国や県との調整に多大な労力を要するための人的な負担が予想されることなどであろうと思っているところであります。
次に、本市としては市町村合併による中核市への移行を目指すのか、特例市への移行で満足するのかという御趣旨の御質問でございました。市町村合併につきましては、県西地域広域市町村圏協議会でも、市長、町長をはじめ企画担当者を対象とした研修を行っているところでありますが、合併についての認識につきましては、市や町の間でまちまちであります。確かに県西地域2市8町が一つになれば中核市の要件を満たすことになりますが、その実現につきましては、何よりも各市町の議会をはじめ住民の皆様の御理解と機運の高まりが不可欠でございます。また、平成12年度中には、都道府県が市町村合併の要綱を策定することとなっておりまして、各市町とも現在その動向を注視しているところであります。本市といたしましては、県西地域唯一の特例市の要件を満たしている都市として、県との緊密な連携のもとに、その準備を怠りなく進めるよう企画部に指示をいたしたところでございます。まず特例市をというのが現時点の判断でございますので、御理解をいただきたいと存じます。
次に、特例市へ移行する場合、市民の皆様方の深い理解が必要だが、どのように理解を求めるのかとの御質問でございます。地方分権時代を迎え、自治体の自己決定、自己責任の範囲はおのずと拡大してまいります。特例市は、個性豊かで活力に満ちた地域社会を実現するための制度でありまして、本市はその資格を有しているわけでありますから、これを市民福祉の向上のために積極的に受けとめて、新しい時代の地方自治を切り開いてまいりたいと考えているところであります。そのことを広報紙やケーブルテレビなどメディアを通じて周知することにとどまらず、各種会議などあらゆる機会を通じてPRしていくことになるであろうと考えております。
次に、(仮称)東部丘陵ミルキーパーク整備事業についてのお尋ねがございました。はじめに、整備計画基本調査につきましては、周辺の社会的・自然的環境や、関連事例など事業の基礎的な事項の調査を内容といたしまして、現在、委託業務を執行中でございます。また、畜産経営環境整備基礎調査につきましては、神奈川県が事業主体となり、畜産農家の意向調査をはじめとする各種基礎データの収集を目的として、平成11年度及び12年度の2年間で実施をしているものでありますが、現在、畜産農家の意向調査が終了した段階でございます。その集計によりますと、ふん尿処理施設の共同処理につきましては、約4割の方が必要性を感じているということでございまして、畜舎の改築や経営移転に対しても何人かの方が御意向があるとの回答を得ておりますので、その結果を踏まえて、構想策定へ向けて調整してまいりたいと考えているところであります。
次に、(仮称)東部丘陵ミルキーパーク整備事業は計画どおりに進捗しているのかというお尋ねでございますが、先ほど御答弁いたしましたとおり現在の取り組み状況は、(仮称)東部丘陵ミルキーパーク整備基本調査を実施するとともに、神奈川県におきましても、畜産経営環境整備基礎調査を実施していただいているところでございます。また、本事業につきましては、地権者をはじめとする関係者や関係機関との調整あるいは土地利用の関係など、難しい問題が数多くありますので、平成12年度において実施設計を行うことは現況からすると困難なことと考えております。したがいまして、今後のステップといたしましては、本年度の調査結果をもとにして基本構想を策定するとともに、関係者や関係機関との調整を進めてまいりたいと考えております。
次に、この事業にかかわる周辺道路の整備についての御質問がございました。(仮称)東部丘陵ミルキーパークにつきましては、現時点ではエリアが明確になっておりませんが、基本的にはエリア内につきましては既存の農道の活用が中心になろうかと考えております。また、周辺地域とのアクセスにつきましては、今後予定しております基本構想の策定時に関係機関などと調整を進めながら検討をいたしてまいりたいと考えております。
次に、事業計画策定の際に、概要を理解しやすくするためにコンピュータ・グラフィックスを利用する考えはないのかとのお尋ねでございます。6番加藤議員御指摘のとおり、コンピュータ・グラフィックスによる地形を取り込んだ計画図などの資料は、各種検討を加える段階や関係者への説明時などにおきまして、確かにより具体的なイメージを描けるなどのメリットがございます。しかし、費用面など不明確な点もございますので、今後、基本構想策定の段階におきまして研究してまいりたいと考えております。
次に、JR国府津駅南口及び北側整備の必要性についてのお尋ねがございました。まず、国府津駅北側の整備につきましては、市道0073等の整備や(仮称)東部丘陵ミルキーパーク整備計画、また、橘地域に展開されております多くの開発計画の進捗状況との整合を図ることが必要と考えておりますので、今後、地域の住民の皆様方の御意向も十分踏まえまして、関係機関との調整を図りながら、国府津駅北口改札の検討も含めた調査・研究をしてまいりたいと考えております。また、日本鉄道建設公団が所有しております旧国鉄の機関区車庫跡地の活用に関しましては、現時点で市としての具体的な構想は持っておりませんが、土地所有者である公団側の土地活用の方針等もあろうかと思いますので、今後、調整を図ってまいりたいと考えております。
次に、国府津駅北側から橘地域への道路計画についてのお尋ねがございました。この道路計画につきましては、御承知のとおり、橘地域で今後進めてまいります上町地区のまちづくり計画をはじめ、現在事業が展開されております多くの諸開発計画や、ただいま御答弁申し上げました(仮称)東部丘陵ミルキーパーク整備計画等、各開発地区の立地条件や交通体系との整合を図ることが必要であると思いますので、これらの諸開発計画や今後の進捗状況等を踏まえた中で、道路計画につきましても調査・研究をしてまいりたいと考えております。また、国府津駅北側の市道0073等の整備につきましては、平成10年6月定例会での6番加藤議員の御質問にも御答弁をさせていただきましたとおり、急峻な地形の状況から、一定の道路幅員で整備していくことは非常に難しい状況でございます。そこで、当面の措置として、用地協力が得られる部分等を待避所的に整備しながら、周辺住民の利便性を図ってまいりたいと考えているところであります。
次に、国府津駅南口ロータリーに新たな出入り口の確保等を検討する協議会等を設置する考えはないかとのお尋ねがございました。6番加藤議員御指摘のとおり、駅前広場等の形態から、通勤時にはバス・タクシーや送迎車の乗り入れによりまして混雑をいたしておりまして、円滑な交通が保てない状況が見受けられます。そこで、これら交通混雑を解決するためにも、駅南口周辺の抜本的な整備が必要と考えております。まずは所管において、土地所有関係や交通量等の基礎的調査を行ってまいりたいと思っております。これをもとに、駅広場への出入り口を含めた周辺まちづくりの検討を進め、その上で地元の皆様や関係者との協議等をすると、こういう段取りになるのではなかろうかと考えているところでございます。
次に、小田原駅周辺での都市型住宅の形態についてのお尋ねがございました。近年、都市型社会への移行等によりまして、居住ニーズが多様化いたしまして、職住近接や都心での生活を志向する層がふえてきているこうした状況の中で、駅周辺は居住機能の面では、交通を含む生活の利便性や文化・歴史施設等からも魅力を有しておりますので、これらの志向と合致する地域と考えております。そこで、この地域での住宅、都市型住宅の形態につきましては、商業地域のメリットを生かした、土地を高度に利用した集合住宅が中心になろうかと考えておりまして、再開発事業等におきましても、このような形態を念頭に置いております。
最後に、小田原TMOや各商店街が目指す商店街の整備イメージにも都市型住宅の整備がされるのか、また、新たな商業活性化策とあわせ住宅整備も視野に入れるのかという御質問でございます。小田原駅周辺の人口動態を見ますと、長期にわたり人口の減少が続いておりまして、こうした人口の空洞化が中心市街地における商店街の衰退の一因であるとも受けとめております。そこで、昨年度策定をいたしました小田原市中心市街地活性化基本計画では、商店街の基盤施設整備や空き店舗対策をはじめとする商業活性化策とともに、民間主導による都市型住宅の整備や店舗建て替え時における住宅の併設など、居住機能の強化を促進していくことを明らかにしております。また、現在策定が進められておりますTMO構想では、市の基本計画を受け、住宅機能等を併設した複合商業施設など、新たな拠点施設の整備も検討されているところであります。市といたしましては、今後、TMO構想の推進を支援する中で、民間主導による居住機能の強化を促進し、中心市街地の定住人口増加に伴う消費の拡大を図り、それを中心市街地の活性化につなげてまいりたいと考えているところでございます。
以上をもちまして、6番加藤議員の御質問に対しましての答弁とさせていただきます。
○6番【加藤仁司君】 一定の答弁をいただきましてありがとうございました。
まず、1番目の特例市の部分については、先ほどの27番松本議員とちょっと重なるところもあるかと思いますけれども、特例市へ移行することは、国や県の動向を見きわめて、そしてまた先ほどお話しありました、財源がまだ不透明だということでありますけれどもこの確保を、また市民の理解を得ながら、慎重で、そして的確な対応をぜひとも求めるものであります。
この特例市に関連して、市長から答弁いただきましたのは、メリットとして、自治体の権限を県から委譲されることによって、地域の実情に応じた個性豊かな魅力あるまちづくりを展開できるようになるんだという御答弁をいただいたわけでございます。そこで、必要なことは、今後こうした権限を、行政自体が都市環境そしてまた市民生活の質の向上を図っていくためにどのような形で行使をするか、これが重要だと思うわけでございます。これはまたあわせて、今度は、より主体的なまちづくりの権限を持つこと、イコール市民に対しての責任も負うことになるのではないかと考えるわけでございます。このことを言いかえますと、先ほど来も話がありました行政の政策形成能力にかかわってくるわけですけれども、今後は新しい分権時代に対応した政策形成の取り組みをさらに強化させるような形を望むのですけれども、この点について市長の答弁を最初の再質問として求めたいと思います。
次に、(仮称)東部丘陵ミルキーパーク整備構想につきましては、このスケジュールどおりには、いろいろな関係機関との調整等で、進捗するのはちょっとおくれているということでありますけれども、今調査中とのことであります。早期実現を望むものであります。
あと、CGについて、今市長からも答弁をいただいたんですけれども、そもそもこのCGにつきましては、昨年の9月、19番今村議員が質問されましたGISの一環といいますか、一面であるということも伺っております。再質問としましては、GISということについて伺いたいと思います。私もインターネットで、GISについて検索をしました。そうしますと、1084件ありました。この中身は、1000件もあるものですから一つ一つ見てはおりませんけれども、いろんなGISに関しての解説、またいろいろな意見、学者の発表、そのような中で研究もされている分野だとつくづく感じましたし、大変注目をされていることなんだなというような感じがいたしました。GISにつきましては、言うまでもなく、固定資産税の管理、また今回のこの計画のように都市計画、土地利用、農地・耕作物の管理、街路灯、上水道、下水道、ガス管等の都市施設管理、そして住民サービスの面では、巡回看護等福祉関連の社会環境の把握や、学校区、通学路、防災上の避難路、本当にさまざまな分野の中でこのGISの導入を図ることによっていろいろなメリットがあるということを伺っているわけでございます。そこでお尋ねするわけですが、国の方も、いろいろな中で積極的な動きがあるというように伺っているんですけれども、各所管にかかわる情報をリンクするために、本市もLANの整備を行ったわけでございますけれども、このような状態の中で、やはりいち早くGISの導入を図り、効率的な利用を考えるのがよろしいのではないかと思うんですけれども、御所見を伺いたいと思います。
次に、国府津駅の北口の改札及び道路網の整備につきましては、市長の答弁の中でも触れられましたが、私が昨年の6月にまず第一弾として質問をさせてもらったわけですけれども、昨年と同様、調査・研究をしていきたいというような答弁でありました。これは、調査・研究をする段階、これ以上のことをぜひとも望みたいわけでございます。ちょっと申し上げますと、この国府津駅北口並びに道路整備の問題は、ただ単に橘地域とか中井町への道路だけのためのものではないと私自身は認識するものであります。すなわち、長い間の懸案事項でもあります少年院移転問題、行政拠点整備構想、また幸田・三の丸整備にも大きく関連している事業だというように思うわけでございます。何度も繰り返しになるかもしれませんけれども、少年院移転問題は、そもそも昭和45年、現少年院を移転してほしいとの陳情から始まりまして、その後、その移転候補地にはいろいろと紆余曲折があり、橘の上町地区に、それこそ苦渋の選択、このような形で移転地を了承してもらった経緯があることは市長も御存じのことだと思います。本市は、このように少年院側に移転を促しているわけでございますけれども、立地条件や交通網、こういうことから難色を示す少年院の意向に沿うべく、また、みかん減反政策で工業型の土地区画整理事業とあわせた産住ハーモニー構想と称して、上町地区のまちづくり計画の実現も目指しているわけでございます。この少年院の移転は、現少年院がある所在地を行政拠点地域とするべく、三の丸地域に存在する官公庁の機関を移転させ、この三の丸地区は、新たに予定している(仮称)城下町ホールの建設や新たな観光地対策などを展開するように、言い方は俗っぽくなりますけれども、それこそ「ところてん方式」、この第一段階が少年院の移転ではないのかなと、このように思うわけでございます。このような施策は、「ビジョン21おだわら」におけるレインボープロジェクトに位置づけられる、それこそ重要な政策であるわけでもございます。また、新たな農政、観光政策としても、(仮称)東部丘陵ミルキーパーク整備構想は、私どもとしても大いに期待をする事業であります。
いろいろと申してまいりましたが、質問といたしましては、このようにさまざまな事業が関連しているという認識を私は持つんですけれども、さらにこれから整備される国府津穴部線の完成によりますと、交通量も相当増大するということが可能性としてはあります。こういう意味からも、先ほど述べました国府津駅北口、そしてまたその周辺道路整備、最初の質問については(仮称)東部丘陵ミルキーパークのためには必要じゃないかという観点でしたけれども、再質問としては、今言いましたさまざまな各事業の実現のためには少年院の移転が第一、そのためにこの道路網を整備することをまず最初に手をつけなければいけないんじゃないかなと、そのような認識で北口の必要性を訴えたいと思うんですけれども、この件につきましてお答えをいただきたいと思います。
それから3番目の住宅政策への転換です。これを質問いたしました理由については、中心市街地計画エリア、これは基本計画のダイジェスト版を持っているんですが、この中に、中心市街地設定300ヘクタール、それこそ範囲があまりにも広過ぎるのではないかなと、このような感じがいたしております。そもそも最初の質問で言いましたように、消費者の動向に左右される商店街の活性化策として、TMOの設置を促し、そのTMOから具体的支援策を申請する、本来はこのような道筋がよろしいのではないか。上からではなくて下からといいますか、商店街からTMOへ、そしてTMOから具体的な支援策を望んでいくというようなことが本当は必要だと思うんですが、法律自体は、国の施策として地方公共団体に手を挙げさせるということでありますので、どうこうできないんですけれども、恐らくこの300ヘクタールの地域によっては、なかなか思惑どおりに進展しないところも出てくるのではないかな、このように懸念をするわけでございます。行政は、恐らく各商店街へ平均的にとか平等にというような見地から、まんべんなく潤うような施策の展開に相当気を回らせて、それこそ口は悪いんですけれども、単なる補助金誘導方策の一つ、このような形にしてしまうような心配を持たざるを得ない。このことを指摘しておきます。私自身も、あらゆる地域の現状を見ているわけではないんですけれども、どこの地域でも一つの枠にはまっている、そのような声も聞こえてきます。そこで、活性化の労力、そしてまた資本の集約を考えますと、もう少しコンパクトな計画地の設定が望ましいと思われるんですけれども、御見解を伺いたいと思います。
○市長【小澤良明君】 6番加藤議員の再質問のうち、冒頭の特例市制度に伴いまして、政策形成能力の向上を図るべきではないかとのお尋ねがございました。御指摘のとおり、自治体の権限が拡大されるということにつきましては、逆に言いますと、小田原らしいというか、個性的なまちづくりの一大チャンスになるということでもあると思っております。行政の政策能力がそこで問われるということになります。そして、これからの政策形成におきましては、市民ニーズを的確に反映すると同時に、政策研究の専門性や実効性を高めることがますます重要になってくると考えます。本市はこれまで、職員研修をはじめプロジェクトチームの設置、政策アドバイザーの活用、総合計画市民百人委員会などの取り組みを行いまして、職員のみならず学識経験者や各分野の専門家の皆様方、そして市民の皆様にも参加していただきながら、政策の形成を進めてまいったところでございます。27番松本議員にも概略の考え方を述べさせていただきましたが、今後はこうした取り組みをさらに発展させまして、自治体全体としての政策形成能力の向上を図ると同時に、専門的あるいは先見的な政策研究を進めることが重要になってまいりますので、いわゆる自治体シンクタンクのような組織体制の整備・創設も視野に入れまして、検討に入っております。いずれにいたしましても、積極的な対応を図って、分権に元気印でまいりたいと考えているところであります。
以下は担当の方からお答えをいたします。
○助役【内藤武彦君】 残りました御質問のうち、ジオグラフィック・インフォメーション・システムと、中心市街地の計画エリアにつきましては、担当部長の方から答弁をさせていただきますけれども、国府津駅の北口改札の関係につきまして私から御答弁をさせていただきます。
国府津駅の北側の整備に関しましては、市長が御答弁をいたしましたように、橘地区に展開されております多くの開発計画との整合性を図ることが必要でございますので、まずそれらの計画をもう少し煮詰めていくということが優先されることなのかなと思います。御指摘のように、少年院の問題も、果たして北口と同時に進めることがいいのかどうか、もう少し少年院の方もいろいろな課題を整理していかなければいけない、そういった優先されるべき課題がもう少しあるのかなと思っておりますし、また、先ほどの御指摘にもございましたけれども、駅の北側の地形上の問題、それから狭あいな道路形態など、まだいろいろ個々に検討しなければいけない問題が重なっておるということでございます。なお、国府津駅の北口の改札口の新設につきましては、これはそういう計画とは別に、JR側の見解を確認いたしておるところでございますけれども、JRとしてはこの場合、改札口がふえるわけでございますので、駅員の増員だとか整備費の問題が当然絡んでくる。そうなると、やはり採算性の確保というものが常に話題になってくるわけです。したがいまして、やはり国府津北側地区の開発計画が具体的にどうなんだということもある程度お示しすることが必要であろう。そういった形で、連動という形で初めて実施の方向に動くのかなというふうに考えているところでございます。いずれにいたしましても、駅施設の整備に関しましては、周辺のまちづくりと一体となった施設整備が必要条件ということになりますので、今後、地域住民の皆様方の御意見もお聞きしなければいけないだろう。早く実施をということでございますけれども、御存じのとおり市の財政事情もございますし、今言いましたように山積する懸案事業というのもございますので、少々時間がかかることかなというふうに思っておりますけれども、御理解をいただきたいと思います。
○都市部長【内田欽也君】 ただいまの再質問のうち、GISに関係する部分につきましては私の方から答弁させていただきます。
GIS、いわゆる地理情報システムというものの英語の頭文字をとったものがGISと呼ばれているものでございます。これは今現在、市の中でも、紙の地図という形でいろいろな地理情報を保管しているわけでございますけれども、こういう情報を統一的にコンピュータでデータベース化することによりまして、一つは事務の効率化を図る、あるいは検索という面でも大変すぐれたものになってくると思いますし、そういうことを図っていくシステムだというふうに理解をしております。これを導入いたしますと、先ほど6番加藤議員から御指摘もございましたように、固定資産税、都市計画、あるいは公共施設管理、いろいろな形で図面を使って行っております業務を効率化する面もございますでしょうし、また地図の更新に当たっても恐らく効率化が図れるものと思っておりますし、また、万が一災害等が起こった場合のデータのバックアップという意味でも、非常に効果が大きいというように聞いているところでございます。そこで、これに関しまして国でも、阪神・淡路大震災を契機に、平成7年に関係省庁連絡会議というものを設けまして、またその後も各省庁ごとにもいろいろ検討を進めているようでございます。特に公共団体のGISということでは、昨年度、自治省の方でも研究をしているようでございますけれども、いずれにいたしましても、調査・研究段階というところからはまだ越えていないような状況だという理解をしております。そういう報告をいろいろ見ている中で、やはり我々として検討しなければならない一番大きな課題は費用面でございまして、デジタル化での地図を作製することになりますと、初期段階から最低でも数億円以上費用がかかるということもあるようでございますし、またシステムをどう標準化していくかという部分でもまだまだ検討課題は多いというふうに聞いております。いずれにいたしましても、市といたしましては、今後また引き続き国あるいは県の動向を注視するとともに、幾つかモデル的に導入をしている市もあるようでございますので、そういうところの運用状況も調べながらまた調査・研究していきたいと思っております。
以上でございます。
○経済部長【北村 強君】 最後に、中心市街地のエリアが広過ぎるのではないか、もう少しコンパクトな形が望ましいのではないか、絞り込んだ方がよかったのではないかという趣旨の御質問がございましたので、この点につきまして私から御答弁を申します。
御承知のように、中心市街地の範囲につきましては、昨年度、小田原市中心市街地活性化基本計画を策定いたしましたが、その段階において、計画策定委員会の中でさまざまな角度から検討がなされてきた経過がございます。そこで、本市の持つ中心市街地の特性と申しますか、立地状況を十分に配慮いたしまして、まず都市計画上の用途地域である商業地域を中心に、さらにこれに隣接する商業地域を視野に入れまして検討がされました。その結果、本市の総合計画の主要事業あるいは都市景観重点地区、道路整備計画地区、さらには都市施設の配置状況等も踏まえまして検討がされました。また、箱根・伊豆方面からの観光客あるいは東京方面からの来街者の導入も視野に入れまして、この点を加味しながら、小田原駅を中心とする約300ヘクタールのエリア設定をしたわけでございます。この300ヘクタールの中心市街地でございますけれども、大きく四つのゾーンと13のエリアに分かれております。特に四つのゾーンにつきましては、その中核となる中心ゾーンは重点整備ゾーンと位置づけております。これは、小田原駅あるいは小田原城を中心とする周辺の商業集積を含んだ地域で、全体の約3分の1、100ヘクタールほどでございますが、これが最優先で整備する、活性化を進める地域でございまして、これを取り囲む、動線上にある三つのゾーンにつきましては、有機一体的に連動して相乗効果をもたらすであろうということで、まちの回遊性を高めるということでございまして、今お話しになりましたように、まんべんなくあるいは平均的な形ということをとったわけではなくて、強弱をつけた上で、重点整備ゾーンにつきまして優先的に活性化を図ろうという趣旨でございますので、御理解を賜りたいと思います。
以上でございます。
○6番【加藤仁司君】 再質問に対しまして御答弁をいただきました。
特例市の方につきましては、今、市長の方から、政策形成のさらなる強化のために、専門的また先見的な政策が必要であるということで、自治体のシンクタンク、このような言葉が出てきました。まさしくこれから特例市に向かう本市としては、そのような中で本当に必要なことだと私も認識をいたしております。ただ、そういった専門の方でもあります。ちょっと言いにくいんですけれども、例えば机上での構想とか、また独善的な、そのような暴走等も起きないように、市民生活を第一に考えたこれからの動向を注視させてもらって、大いに期待をしたいと思っております。
さて、(仮称)東部丘陵ミルキーパークにかかわって、国府津駅の北口化、そして道路整備ということで、助役の方から再質問に対する答弁をいただいたわけでございますけれども、確かに時間がかかるという部分も私も認識しておりますし、いろんな面で整合性を図らなければならない、また、橘地域においてはいろいろな事業が展開している、まだ完全に終わっていないといいますか、始まったばかりであるということも確かにあります。しかしながら、先ほど言いましたように、そこら辺の整合性を図ることも十分わかるんですけれども、とにかくこの小田原市全体の計画を立てた「ビジョン21おだわら」の中で、レインボープロジェクトに位置づけられているいろいろな施策が、それこそ先ほど言いました行政拠点整備、三の丸の問題、少年院の移転の問題、さまざまある。このものが動き出すには、少年院の問題をまず最初に解決しなければ、この後ろにはまた大きな事業が待っているわけですので、ここが解決するための手段を講じなければ、逆に市全体の事業のおくれになってしまうのではないか、そういうような懸念を持っているのは私一人かもしれませんけれども、そういうふうな大きな形でこの国府津駅の北側の部分の道路整備というのは必要なんじゃないかなと、このような形で私は質問をさせていただいております。確かにいろいろな事情の部分、お話を聞く中ではわかるんですけれども、そのような位置づけを認識している私は間違っているのかなというのをちょっと聞きたい部分もあるんですけれども、再度コメントをいただければありがたいと思います。
時間もそんなにありませんので、都市部長から御答弁いただいたGISの方については、今、企業等もいろんな会社があるようにも聞いております。また、経費も、先ほどのお話の中では相当な金額がかかるということでありますけれども、私も技術的なものは全然知りませんけれども、すべてデジタルでやり直すということになりますと、やはり相当な額がかかるようなお話も聞きます。しかしながら、今現状ある俗にいうアナログの部分との活用も順次図っていくようなことも、経費を抑えつつだんだんと移行するということも可能性としては考えられます。その経費の部分についても、第1回目の質問で言いましたように、子供のゲームなんかも今まで思い切り高かったのが、その10分の1ぐらいの金額でより高度なゲームもありますので、ゲームとこれとは違うかもしれませんけれども、経費についてはまたいろいろ御検討、御研究をしていただきたいというように思いますので、御答弁は結構でございます。
そして、最後のエリアの問題なんですけれども、なかなか決められたエリアは変えられないような、私の方で言った平等化云々という形でやったわけではないと経済部長から御答弁いただいたんですけれども、いろいろ見直しをする時期も今後あると思いますけれども、例えばその際に、商店街の統廃合、そしてまた住宅中心地域の設定、こういったことも視野に入れて、より効果的また効率的な戦略が必要なんじゃないかな、このように思うわけでございます。御承知のように、先ほどもお話があったかちょっと忘れましたけれども、例えば川東地区にイトーヨーカ堂、シティーモール、これからロビンソン、まだロビンソンはできていませんので中は知りませんけれども、競合されるような商品が恐らく並ぶと思うんです。そういった競合をあえてさせる、これも一つの戦略だと思います。同じ地域に集約させる、これも戦略だと思いますので、今、小田原駅周辺はちょっとその施策がないんじゃないのかな、今後、逆に民間がやっていたような部分も必要なんじゃないかな、このような見解を持ったわけですけれども、例えばああいう大型店はいろいろな中でリサーチをされているとも聞きます。それに対して莫大な費用をかけて、いろいろ消費者のニーズをつかもうとしている、このようなことも聞いておりますので、いろいろな今後の戦略として、今言った集約を図るということを考えたらどうかなと思うんですけれども、これについて御答弁をいただきたいと思います。
以上2点、お願いいたします。
○市長【小澤良明君】 まず、6番加藤議員の再々質問の最初の方の話で、国府津駅の北側の整備でございますが、基本的には、先ほど道路等の整備のことにつきまして内藤助役の方から御答弁申し上げたような考え方でございます。いずれにいたしましても、御指摘のとおり、川西地区というか、駅周辺地区というか、中心市街地といいますか、その中でもいろいろと計画がございまして、率直に言いまして玉突きみたいな形でないと、順々に整備がされませんとすべてがうまくいかない、こういう形は御指摘のとおりでございます。ただ、それが、あっちもこっちも一遍に玉突きが起こるのではなくて、例えば上町のまちづくりに関しましても、小田原市全体的な状況の中で、逆に考えていきますとこういうことが必要だろうとかという形と、それからそのときの時代的な変化とか要請によりまして、いろんな意味で順位が相当入れかわると思うんです。特に土地絡みの問題は相手様がいらっしゃることでございますから、そちらの事情もあります。ですから、そういう状況をできるだけ早く的確につかんで、小田原市全体の整備計画を進めていく、あるいは計画を立てていく、あるいはまた財政の推計を立てていく、こういうことだと思っておりまして、いずれにいたしましても、御指摘のとおりのこともございますので、先ほど内藤助役がお答えをいたしましたとおりのことでございます。そういう事態が起きたときも支障がないように努力をしてまいりたいというふうに思います。
それから大型店の川東地域への集積があるわけでございますけれども、中心市街地の活性化を図るために既存の商店街の集約を図るようなことも必要だろうと。確かにそうしたことも大きな一つの戦略としては必要だろうと思います。メーカーが小売店に販売するそのものをつくるのに、一つの単位が1000億円以上じゃないとメーカーもつくらない、そういう時代になってきたと言われているほどでございまして、小さいまちの小さい商店が特色を出そうとして、こういう品物が欲しいと言いましても、いわゆるメーカー相手にはその与えられた範疇の中であれが欲しい、これが欲しいと。独特のセンスだとか、小田原のまちに合った商品だとかというのはなかなか受け取りにくい。そういうのが大型店ですと、全国展開の中で、安く、非常にいいものが入るということはあろうというふうに思います。
ただ、全く逆なことも言えると思いまして、店舗を集約してあらゆる機能を効率化させてそういうことも一つできるでありましょうし、また個店は個店で、小さなお店はお店らしく、さまざまな創意工夫が、機敏に、本当に少数の人たちでハートを通わせてできる、商売の方法から商品からすべてそうだと思います。そんなようなことで、中心市街地がぜひ元気になっていただきたい。市としても全力を挙げて応援をしてまいらなければならないと考えているところでございます。いずれにいたしましても、中心市街地活性化計画の全体エリアは300ヘクタールという大変大きなものでございますけれども、重点整備ゾーンという一番のもとのところは、これは先ほど経済部長が答弁いたしましたように、またその中でも特殊な位置づけ、まさに中心市街地の活性化の拠点でございますので、いろいろな方途を講じてこの活性化のために取り組んでまいりたいと思っているところでございます。消費者の立場でいえば、いろいろな選択肢が広がる。商店街の立場でいうと、あまり選択肢が広がらないで自分の店ばかりお客さんが来ればいいということもあるいはあるかもしれませんけれども、消費者の立場でいいますと、いろいろ競争していただいて、そしていい商品を安く受け取れればこれに過ぎるものはないわけでございますから、いろいろな視点で市といたしましても応援体制を整えてまいりたいと思っております。
以上でございます。