平成12年3月会派「粋誠会」代表質問
2000年03月01日
粋誠会 代表質問(H12-03)
1 「明日の1000年都市おだわら」の将来像について
(1) 行政施策と市長の理念について
(2) 新しい市政の柱である健康と教育について
(3) 道徳心の向上と、健全な青少年の育成について
2 地方分権一括法によるまちづくりの方向性について
(1) 地方分権一括法施行に伴う行政組織及び行政施策の変化について
(2) 特例市制度の創設による本市が目指す方向性と準備体制について
(3) 広域行政についての今後のあり方について
3(1) (仮称)小田原市政策総合研究所のあり方について
4 平成12年度予算案から見た財政の中長期展望について
(1) 財政収支の見通しについて
(2) 小田原市市税の滞納に対する特別措置に関する条例について
5 環境問題への取り組みについて
(1) 環境保全活動のあり方について
(2) ごみ処理対策と公害削減対策について
6 都市基盤の整備について
(1) 基幹道路の整備状況と今後の整備方針について
(2) 上下水道事業の整備状況と今後の整備計画について
(3) 公園整備計画について
(4) 都市景観整備について
7 活力あふれるまちづくりについて
(1) 広域交流拠点地域の機能性の高揚と活性化について
(2) 中心市街地の活性化へ向けた行政対策について
8 福祉事業の中長期的展望について
(1) 介護保険制度の現況と課題について
(2) 子育て環境の整備について
(3) 障害者の福祉活動について
9 防災行政について
(1) 大規模災害対策の強化について
(2) 情報伝達体制と自主防災組織及び救援ボランティア組織の充実について
(3) (仮称)小田原市災害時消防支援隊の結成と活用について
10 歴史と文化のまちおだわらとは
(1) 歴史や風土を生かした地位性とは何か
(2) 史跡保存とまちづくりについて
(3) 国際交流と自治体交流の拡大と充実について
(4) 分化活動の拠点づくりについて
○26番【小林俊夫君】 御苦労さまでございます。本日は、先輩のOB議員の皆さんも傍聴に見えられておりまして、少しばかり緊張しております。粋誠会の小林俊夫でございます。
さきの市長の平成12年度施政方針演説に基づき、既に議長に提出してあります質問通告書に準じて、市長及び行政当局に何点かの質問を、多少の関連質問を含めて、粋誠会を代表して順次質問させていただきます。質問時間の制約もありますので、統括的に簡潔に質問させていただきますので、質問の真意を十分にしんしゃくしていただき、可能なる範疇での懇切丁寧な御答弁をいただければ誠にありがたく存じますので、よろしくお願いを申し上げ、しばらくの時間、御清聴を賜りたくお願いを申し上げます。
さて、新しいミレニアムの始まりの年、西暦2000年、平成12年の年が動き始めて2ヵ月、政治も経済も社会も、先行き不透明感の強い、何を物事の判断の軸となる物差しにしていいのか確信が持てないといった雰囲気のもとで、将来への不安・不信が増幅しているのではないかと思います。第 147通常国会も、冒頭から議員定数削減問題で波乱の幕あけとなりましたが、今日では何とか落ちつきを見せ、平成12年度の国家予算も昨日衆議院の予算委員会を通過したところでございます。九州・沖縄サミットや、責任のある立場の政治家の言動問題等で政治状況は次々と変わり、国会の解散・総選挙の時期を背景に、依然として政治・経済の動向は混迷を深めるばかりで、このような状況のもとで私たちはもがいているという表現をした方がよいのかなと思います。いずれにしても、今日の政治・経済の動向をじっくりと見守り、慎重に見きわめて対処しなければならない状況にあると思います。
このような政治・経済の状況のもとで、地方自治体も、長期にわたる景気の低迷、政府の懸命な経済対策にもかかわらず経済不況からの脱却に時間を要し、税収減から厳しい財政状況にありながらも、多様な市民ニーズにどのように対応したらよいのか、苦悩の時期が続いているものと認識しております。このような厳しく変化の激しい政治・経済・社会情勢のさなかに、市長がキャッチフレーズに掲げている「明日の1000年都市おだわら」の将来像である新しいまちづくりについて、西暦2000年、平成12年が市制施行60周年の節目の年であり、地方分権時代の幕あけの年でもありますことから、施政方針演説で表明している小田原のまちの未来を確固たるものにしていくために、「歴史の踊り場」と位置づけております。これまでも何度かお伺いいたしてまいりましたが、質問の第1点目として、改めて市長の構想というかお考えをお伺いいたします。また、ここ数年前ごろから、行政施策の変更から生じる市政に関する影響と批判を受けておりますが、「明日の1000年都市おだわら」の新しいまちづくりに向けた行政施策の方向性と理念について、市長はどのような態度、姿勢で臨むのか、お伺いをいたします。
次に、(2) 新しい市政の柱である健康と教育についてお伺いいたします。まず、人間は身体的に健康であることにまさるものはありませんが、それ以上に心の健康が大切であると私どもは認識しております。本市は、明るい小田原の未来を開く原動力となる未来を担う人づくりの一つの事業施策として「少年少女オーシャンクルーズ」を実施し、将来への人づくり、まちづくりに向け先行投資を行っておりますことに私どもは賛同してまいりました。先人の培ってきた熱い志を受け継ぎ、小田原の地に大切にはぐくまれてきた文化を身につけ、人を敬う心と、人間相互の信頼関係を培う資質と、豊かな心と、そしてたくましい心、創造力の豊かさを持った心をはぐくむ子育てと青少年の育成が必要であると考えております。しかしながら、昨今では戦後教育の歪みから、重大な社会的事件や問題が相次いで起きており、これらは子供や青少年の社会よりも大人社会の方に多くの問題点や矛盾を抱えております。したがって、その問題点を解決・解消するため、どのような施策をもって対処しようとするのか、市長のお考えをお伺いいたします。また、今日的な教育問題は、家庭や学校、地域社会が連携した活動にいかに取り組んでいくのかが重要な課題であろうと思います。そこで、一般的に言えば、社会教育にウエートを置くことも必要であろうと存じます。家庭や教育現場、そして地域社会の三位一体となった連携活動の具体的な構想を、今日までのいろいろな経験や体験、さらには豊富な資料等により培ってきた内容をもとに打ち出して指導性を発揮すべきと考えますが、市長及び行政当局の御所見をお伺いいたします。
次に、(3) 道徳心の向上と健全な青少年の育成についてお伺いいたします。今日ほど道徳心の必要性を求められている時代はないと思います。家庭で、教育現場で、地域社会で、自分という一人の人間を取り囲む人々は、生きていくのに必要な人たちであり、相互の信頼と敬愛、そして互助と互譲の精神を含めた道徳心をはぐくむことが最も必要な時代であろうと思っておりますが、道徳心の向上についての必要性を市長及び行政当局はどのようにお考えになっておられるのか、御所見をお伺いいたします。
また、青少年の健全育成について、本市では少年少女オーシャンクルーズに代表されるように、あすの小田原を支えていく人材の育成に積極的に取り組んできておられるが、今後は広く地域で子供を育てるということがますます重要になってくると思われます。そのためには、地域の特性に見合った地域活動をより推進していくことが重要となってまいります。現在、地域における健全育成推進者としては、青少年指導員と青少年補導員がいるが、活動がそれぞれ分かれており、地域全体で子供を温かく見守り育てていくところまでいっていないように思われます。そこで、例えばこの両者を一本化することによって地域活動を強化・充実することにより、中・高校生など若者も取り込んだ健全育成事業を展開したり、例えば悪書の追放などの環境浄化活動などにも地区・地域が一丸で取り組むなど、文字どおり地域で子供や若者を健全な環境の中で育てることができると思いますが、御所見をお伺いいたします。
次に、2点目として、地方分権一括法によるまちづくりの方向性についてお伺いいたします。
まず、その (1) として、地方分権一括法施行に伴う行政組織及び行政施策についてですが、4月からの地方分権一括法が施行されることにより、従来の行政施策及び行政組織がどのように変わるのか、また、どのような独自の施策が展開されるのか、さらには行政の組織機構はどのように整備されていくのかお伺いをいたします。
次に、その (2) として、特例市制度の創設による本市が目指す方向性と準備体制についてでございますが、本市は特例市への移行を表明しておられるが、今後の行政施策の方向性と組織の整備を含めた準備体制について、その構想をお伺いいたします。
そして、その (3) として、広域行政の今後のあり方についてお伺いいたしますが、地方分権の進展により、広域行政のあり方が重要になってくると思います。その事柄については連携強化が求められている反面、非常にデリケートな部分・問題を含んでおりますことは十分認識しているつもりですが、今日的時点で、本市はこのことについてどのようなお考えをお持ちになっておられるのか、御所見をお聞かせください。
次に、3点目として、 (仮称) 小田原市政策総合研究所のあり方について市長にお伺いいたします。
私どもは、この (仮称) 小田原市政策総合研究所の設置に大きな関心を寄せております。できますことなら、ここから政策情報をキャッチさせていただき、私どもの立場で協議・検討を重ね、市政に反映させるグループ会議を結成し、活動しようと準備に入っております。そこで、まずお尋ねいたしますことは、この政策総合研究所は庁内組織に入るものなのか、あるいは庁外組織になるのかお伺いをいたします。また、この政策研究所でまとめた政策はどのように活用していくのか、さらには、この組織の位置づけはどのようなことになるのかお伺いをいたします。
次に、4点目として、平成12年度予算案から見た財政の中長期的展望についてお伺いをいたします。
平成12年度予算案を見ると、市税等の落ち込みで歳入は非常に厳しい状況であり、歳出面でも、公債費や扶助費といった義務的経費の増大も今後十分考えられ、そうした中で財政調整基金も平成12年度末で16億円余りとなり、このままでは数年後には底をつくところまできております。一方、今後とも福祉などの市民ニーズは増大するものと考えられることから、一般市民に向けて厳しい財政事情の周知啓発を行い、協力を求めつつ、行政運営上、財政の聖域をつくらず、必要な経費を財政運用から優先順位をつけて運営を図ることとし、このような財政事情から、今後の中長期的な財政運営についてどのような展望をお持ちなのか、お伺いいたします。
また、過日、新聞発表されました神奈川県六市競輪組合の開催権の返上でありますが、これまで小田原競輪場で年2回開催してきた六市組合営競輪の開催を本市に肩がわりをしてほしいとの要望が提出されたとのことである。これは、長引く不況の影響を受け、ここ数年来、売り上げが極端に減少し、累積赤字が約6億円にも上ることが大きな理由であり、本市同様に、川崎、平塚両市へも申し入れがされたと聞いております。六市組合からの撤退申し入れが急であるため、この是非についての結論を出すのは大変難しいと思いますが、競輪からの収益は市財政への貢献度も高く、これからも期待できるものと考えております。そこで、六市組合からの要望の是非を検討する場合、次の点についてお伺いいたします。①として、まず、これまでいわゆる借上施行者が開催権を返上した例があるのかどうか。②として、ある場合は、肩がわりはどこが行ったのか。③として、また、返上を受け入れた際に、条件というか金銭面でのやりとりがあったのかどうか。④として、2月26日に茅ヶ崎市も小田原競輪から撤退するとの報道がされたが、本市ではどのような対応を考えているのか。
次の2点目は、売り上げの減少もさることながら、収益を圧迫していると思われることについてお伺いをいたします。日本自転車振興会等他の団体への交付金が、開催する市町村の収益金の5倍以上と極めて高額であり、この交付金制度が競輪事業の赤字となる第一の原因であると言われています。全国の施行者や全国競輪市議会議長会等でその改善策について議論が交わされているようでありますが、その経営について現在どのような取り組みをしておられるのか、また、その見込みはどうなのか。いずれにしても、全国的に見ても競輪事業は存続の危機にあると思われます。一定の収益を保持するためにも、今後とも経費の節減に努めて、オリンピックの種目にも選定された競輪でありますので、健全性を確保しつつ、地方財政へ寄与することを願って、この件についての質問を終わります。
次に、(2) 小田原市市税の滞納に対する特別措置に関する条例についてお尋ねいたします。今回の条例は、長引く景気低迷の影響により税収が低下し、非常に厳しい財政状況の中で、あまねく税負担の公平性かつ収納率向上の打開策として、市税徴収制度懇話会の審議を経て上程されたと考えられますが、これらを含めて財政状況の厳しい内容を公式な場でわかりやすく市民に伝えて協力を求める姿勢が行政にあってもよいのではないかと思いますが、いかがか。また、この条例をどのようなものにするのか。条例化はしたが、これは単なる啓発だけなのか、有効に機能し、収納率を上げるための実効性のある条例なのか、中身と外包みと異なることでは大変困ります。2月16日の記者発表後、新聞やテレビなどマスコミの報道に対して予想以上に反響があったと聞いているが、市民の反応はどのようであったか、また、行政としてこれらをどのように受けとめておられるか、お伺いをいたします。
次は、5点目として、環境問題への取り組みについてお尋ねいたします。
本市の環境問題への取り組みのうち、 (1) 環境保全活動のあり方についてお伺いいたします。本市は、海、山、川とさまざまな自然環境に恵まれ、休日には市民をはじめ多くの人々が集まり、良好な憩いの場となっております。観光資源の一つでもあるこうした本市固有の恵まれた環境を維持し、さらに美しいものとしていくことは、まちの活性化の意味からも重要であるものと考えます。しかしながら、現在、一部の人々の手により、これらの自然環境の美しさが損なわれていることが市民の間でも問題視されております。酒匂川の河川敷から河口付近の海岸線に至る一帯は、古くからの松林が残るなどの景観にも恵まれ、近年、家族連れや若者のグループがバーベキューやマリンスポーツなどで休日を過ごす場所として大変にぎわっておりますが、その一方で、その場で出たごみを放置して帰ってしまう人々も多く、散乱ごみ対策が大きな課題となっております。地域住民の方々は、日ごろからボランティアによる清掃に努められ、市でも努力されているということは十分理解してはおりますが、管理責任が県を含め複数の部署に関連することなどから総合的な対策がとれず、個別対応になっているようにも思えます。河川敷や海岸の美化という点だけで考えるならば、利用を制限する方法も考えられますが、行政や企業の誘導もなく、自然発生的に成長してきた観光地としては、市内でも類を見ない場所ですので、一概に利用を制限するのではなく、関係機関が知恵を出し合って、有効利用も想定した対策を検討していく必要があるものと思われます。
また、緑豊かな山林も市民が誇りとする小田原の財産の一つであると思われますが、不法投棄の被害に悩まされている場所の一つでもあるのが現実であります。市でも、夜間パトロールの実施や不法投棄物の撤去などの対策をとっておられますが、土地の所有者や管理者が県・市・民間などと多岐にわたることから、場所によって対策に温度差が生じているようにも感じられます。最近では、休日にハイキングを楽しまれるような市民もふえてきており、美しい自然環境の中で健康的な休日を過ごそうとされている方々にとっては、だれが管理する道であろうが、だれが所有する山であろうが、同じように美しさを保っていてほしいと思われるのは当然のことではないでしょうか。それには、関係者のすべての協力が必要であるものと考えます。
今月1日から実施される国の電気自動車活用実証調査事業は、全国の数ある自治体から、小田原市、京都市、大阪府が第1号に選定されたものであり、既に実施済みの小田原市低公害車購入費補助事業や、低公害車レンタル事業、市営駐車場の駐車料金減免事業等々を考え合わせますと、小田原市といえば低公害車普及事業というイメージが全国で確立されているのではないでしょうか。一方、東京都の石原都知事が先月の18日に発表したディーゼル微粒子除去装置 (DPE) 装着義務づけですが、いわゆるディーゼル車規制や、シンガポールで既に実施されていますところの都心部の交通渋滞地域に流入する車両に課金するロードプライシングなども、地方分権時代を踏まえた意義のある施策と考えます。小田原市では、先ほど申し上げましたように低公害車の普及に力を入れており、全国的に有名になっていますので、一歩進んで、ディーゼル車規制や交通需要マネジメント (TDM) 施策などの複合的な展開を図る必要があると考えます。そこで、わんぱくらんどの開園に合わせ、利用者のアクセスを容易にするため、例えば小田原駅西口からわんぱくらんどまでのシャトルバスを運行し、そのバスに環境にやさしいハイブリッドバスを導入することなども、市の内外に小田原市の取り組み姿勢をアピールできるよい施策であると考えます。
いずれにしても、環境という概念は広く、受け取る人によってさまざまであります。私どもとしては、単に環境部の問題ではなく、庁内各課との連絡調整を図ることはもとより、国や県との連携を密にして積極的に取り組むことは、総合計画「ビジョン21おだわら」に掲げた環境共生都市の推進に近づくものと考えますが、市長のお考えをお聞かせください。
次に、 (2) ごみ処理対策と公害削減対策についてお伺いいたします。本市では、平成9年4月に分別収集ルールの全面的な見直しを行い、丸3年が経過しようとしております。市民の間では当初の混乱もおさまり、分別ルールに対する理解も定着してきているものと思われます。しかしながら、一方で、理解はしていても協力しないという悪質な人もふえてきているのではないでしょうか。最近、まちを歩いておりますと、そこここで黄色い違反シールが張られたごみ袋が取り残しとなっているのが目立つようになってまいりました。どのような制度も施行当時は市民の側にも緊張感があり、ルールどおりにやらなければならないという意識も高いものと思われますが、月日がたつにつれ気も緩み、これくらいなら大丈夫だろうとか、自分一人ぐらいなら大丈夫だろうといった気持ちから、ペットボトルや古紙などの資源物を燃やせるごみにまぜて出したりするようになり、ごみを焼却し灰を埋め立てる量も少しずつ増加してまいりました。新年度からは分別ルールの一部変更もあると伺っておりますので、これを機に、再度分別収集ルールの徹底を図り、ルール違反に対しては毅然として指導すべきであると考えますが、市長のお考えをお伺いいたします。
また、現在、清掃工場では、平成14年度までの継続事業としてダイオキシン対策のための施設整備工事が行われておりますが、これは国の定めるガイドラインにある排ガス中のダイオキシン濃度を1ナノグラム以下にするためのものであると伺っております。ダイオキシン問題につきましては、今後、焼却灰や大気中、土壌中などの基準も定められ、市の施設についても相応の対応が求められていくものと思われますが、国民の関心も極めて高く、またさらなる技術革新も期待できることから、現在の基準が永久に継続されるものとは思われません。もちろん、今回の施設整備につきましても、市としては現段階での基準さえ満たせばよいといったお考えではないと思いますが、国がさらに厳しい基準を定めれば、それに応じた施設整備を行っていかなければならなくなるものと思われます。いずれにいたしましても、清掃工場の改修に係る費用は膨大なものとなりますので、可能な限りむだな投資とならないよう、国の基準のみにとらわれない徹底した公害対策を検討すべきではないかと考えますがいかがでしょうか、市長のお考えをお伺いいたします。
次に、6点目として、都市基盤整備についてお伺いいたします。
まず、 (1) 基幹道路の整備状況と今後の整備方針についてお尋ねいたしますが、これまで本市の道路整備は非常におくれており、昨今のように車社会にあっての利便性と、それゆえに幹線道路の交通渋滞はしばしば利用者からの不平不満を交えた御批判が絶えません。このたび、広域交流拠点整備構想が動き始めた今日、改めて市内の基幹道路の整備状況と今後の整備方針について、どのようになっているのかお伺いをいたしておきます。
次に、 (2) 上下水道事業の整備状況と今後の整備計画についてお伺いいたします。はじめに、水道事業に関してでございますが、今日現在、出水不良地域がいまだ解消されず、市民利用者へのサービス低下を招いておりますが、早期にこれを解消し、利潤の向上を図り、老朽管を更新し、耐震性に富んだ給配水管の布設を含めた施設整備を図り、コスト低減、利潤追求を行うべきであります。それらの対応と施設計画はどのようになっているのかお伺いをいたします。また、水道事業の今日的な発展は、昭和8年の水道事件に端を発し、66年の歳月を経て今日の水道事業に継承されており、発展してまいりました。今年は市制施行60周年でもあり、水道発祥の地である第一水源地の1号井戸跡地周辺に水道記念館と水道記念公園を設置し、後世に継承すべきと考え、市制施行60周年記念事業の一つとして企画すべきと思いますが、市長及び行政当局の御所見をお伺いいたします。続いて、下水道整備の進捗状況と今後の整備計画についてお伺いいたすと同時に、市街化調整区域を踏まえた将来的な展望をどのようにお考えになっておられるのか、お伺いいたします。また、多額の事業費を投資する下水道事業の収入源確保の観点から、水洗化促進を強力かつ積極的に営業展開する必要があると存じますが、それらの対応はどのようなお考えをお持ちなのか、改めてお伺いいたしておきます。
次に、 (3) 公園整備計画について何点かお尋ねさせていただきます。はじめに、市制施行60周年記念事業の一つとして、辻村植物公園といこいの森との間に公園整備を進めておりました小田原こどもの森公園わんぱくらんどは、4月29日に開園を迎えるわけですが、いこいの森管理棟付近までの第2期事業の公園整備に引き続き取り組むべきと思いますが、市長及び行政当局は第2期事業の公園整備についてどのようにお考えになっているのか、お伺いいたします。
引き続いてお尋ねいたしますが、この小田原こどもの森公園わんぱくらんどが開園いたしますと、辻村植物公園といこいの森とをあわせて市民の広大なレクリエーションゾーンとなると思います。これからは、特に徒歩による来園者も相当見込まれますので、小田原厚木道路の荻窪インターから辻村植物公園までの間の歩道を含めた道路整備を早急に行う必要があると思います。これらのことにつきましては、相和会代表の17番相川議員も質問された中で、市長より既に御答弁をいただいておりますことと、後ほど政和会代表の31番守屋議員も質問されるとのことですので、詳しい内容はお譲りすることとして御答弁は求めませんが、小田原駅方面からの新たな道路計画をすべきであると考えますので、ぜひ前向きに進めていただきたいと存じます。
さらに引き続いて、県立 (仮称) 小田原西部丘陵公園についてお伺いいたします。昨年1月、地元に地権者会が設立され、ここを窓口として、さまざまな面について協議されていると聞いておりますが、県の財政状況などから不安を抱いている地主も多数おられると聞き及んでおります。そこで、現在の進捗状況と完成予定年度をお伺いしておきます。
次に、小田原こどもの森公園わんぱくらんどと県立 (仮称) 小田原西部丘陵公園が開園したときには、本市の人口1人当たりの公園面積はどのように変わるのか、現在の人口1人当たりの公園面積と比べてどうなのか、お伺いをいたしておきます。
次に、 (4) 都市景観整備についてお伺いいたします。本市が都市景観条例を制定してから7年が経過しようとしておりますが、城下町小田原のまちづくりの進捗と景観形成の世論が何となくかみ合っていないように思われる昨今、景観形成に関連したさまざまな問題が生じてきております。市長及び行政当局は、城下町小田原の景観形成を基本的にどのようにしていこうとしておられるのか、お考えをお伺いいたします。
次に、7点目として、活力あふれるまちづくりについて一、二点お伺いいたします。
そのうちの (1) として、広域交流拠点地域の機能性の高揚と活性化についてお尋ねいたします。小田原駅東西自由連絡通路整備事業が本格化し、いよいよ広域交流拠点の整備が具体的に動き出したところでありますが、本市にとって長年の懸案事項であったこの小田原駅東西自由連絡通路の整備を契機に、道路の機能性向上など、小田原駅周辺地区の一体的なまちづくりの方向性を見きわめることが重要であると考えます。そこで、小田原駅を中心とした広域交流拠点の機能をどのように高めていくのか、事業の始動を契機に、改めてその基本的な考え方、構想をお伺いいたします。
次に、 (2) として、中心市街地の活性化へ向けた行政対策についてお伺いいたします。中心市街地活性化対策が成果を上げるためには、行政主体の都市基盤整備事業と、TMOが中心となり商業などの活性化を目指すソフト事業がバランスよく進められることが必要であります。本市においては、小田原駅東西自由連絡通路の建設等による広域交流拠点機能の高まりや、道路整備をはじめとした都市基盤整備の推進が中心市街地活性化の一翼を担うものだろうと理解しておりますが、その一方で、今後商業等の活性化については、民間の関係者がどのような方針のもとに何を行うかが重要となってまいります。全国の中心市街地活性化で問題にされているのはまさしくこの部分であり、行政、TMOと地元商業者のかかわりの中で、いかに商業者が熱意を見せ、活性化事業に取り組むかにほかなりません。本市においても、小田原TMO構想策定により、商業者をはじめとした市民の皆さんと行政が一体となりながら、みずからのまちの将来を真剣に考え、活性化のための道を探っていく土壌ができつつあると期待しているところでありますが、その中で、商店街や商業者が果たす役割が整理され、いよいよ具体的な事業に取りかかる段階へときている今、民間活力が果たす意義と役割について改めて問い直す必要があるのではないかと考えます。そこで、国道1号などを含めた幅広い範囲での中心市街地において、商店街をはじめ商業者が中心になってどのような活性化事業を行おうとしているのか、お伺いいたします。また、その際、行政の指導はどのように考えているのかもあわせてお聞かせ願います。
次に、8点目として、福祉事業の中長期展望についてお伺いいたします。
その (1) として、介護保険制度の現況と課題について。本市の現在の準備状況についてお尋ねをいたします。いよいよ公的介護保険制度が4月から始まります。これまで何かと問題、話題性がありましたが、制度の枠組みが固まり、スタートする体制が整い、制度発足を直前に控えて、本市における現在の準備状況はどのようなぐあいになっておりますか、まずお伺いをいたします。そして、これまで大変御苦労を積み重ねながら準備を進めてこられ、現在までの準備段階で生じている課題や問題点、不安なところはあるのか、お伺いいたします。また、あるとすれば、それらについてどのような対策を講ずる予定なのか、あわせてお尋ねいたします。さらに、制度がスタートするとさまざまな苦情や申告等が出されてくると思いますが、それらに関する対処方法はどのようにするのか、また、既に要介護認定の作業が行われており、これらについても苦情等も出されてくると思いますが、県に対する審査請求のほかに小田原市としてどのように対処するのかもお尋ねいたしておきます。
次に、 (2) 子育て環境の整備についてですが、市は、3歳未満児の医療費の助成や放課後児童クラブの増設、また子育て支援センター、ファミリーサポートセンターの充実など、子育ての環境整備に努められていることには一定の評価をしたいと思っております。ところで、近年女性の社会進出等に伴い、共働き世帯がふえ、保育園、幼稚園等に子供を預け就労する世帯がふえてきております。親子のふれあいが少なくなってきており、こうしたことから親子の関係はぎくしゃくして、子供への虐待などにつながっていると思います。たとえわずかな時間でも、保育園の送り迎えの時間を利用して、保育士からその日の子供の状況などを聞くことも、親子のコミュニケーションをよくするため必要であると思います。そこで、今後行政として、親子関係の心をはぐくむ対策、親に対する指導というものが必要ではないかと考えます。幼児期は、親子の関係は最も大事な時期であろうと思いますので、そういう時期に地域での親子のふれあいの場の創設や、親子のきずなを深めるための方策を行政として取り組むべきだと思いますが、お考えをお伺いいたします。
次に、 (3) 障害者の福祉活動についてお伺いいたします。現在、本市には約 5400人の身体あるいは知的障害者の方々が、学校教育の場、就労の場、福祉施設あるいは御家庭で生活されていると伺っております。こうした障害者の方々は、さまざまなハンディキャップのため御苦労されながらも、「広報 おだわら」 の昨年12月1日号で紹介された加藤富美夫さんや、あるいは2月15日号の「おだわらいふ」で紹介された鶴井ひさ子さんの御子息のように、障害を受けとめ前向きに、また感謝の気持ちを忘れずに一生懸命御努力をされていらっしゃいますことに、私どもは感動し、励まされ、そして深く敬意を表する次第でございます。さて、昨今の景気低迷は、その先行きも依然として不透明な状況の中、特に障害者を取り巻く雇用環境は以前にも増して厳しい状況下にあり、リストラや企業倒産などにより職を失ったり、あるいはこれから就労しようとする若くしてハンディキャップを持った方々も大変厳しい現実に突き当たり、御本人や御家族の努力にもかかわらず、就労することが大変難しい状況にあると伺っております。こうした中、国においては障害者の法定雇用率の引き上げや障害者雇用に向けた各種施策を行い、障害者雇用の促進に向け積極的な取り組みを行っているやに聞いております。そこでお伺いいたしますが、障害者の雇用環境がこのように大変厳しい状況の中、障害者の就労の場の確保などについて市ではどう取り組んでおられるのか、また今後どのように対応していくのか、お伺いをいたします。
次に、9点目として、防災行政についてお尋ねさせていただきます。
まず (1) として、大規模災害対策の強化についてお伺いいたします。大規模な災害が発生した場合は、小田原市災害対策本部が設置され、市の消防はいち早く救出・救援活動を開始いたしますが、市外から派遣されてくる消防、警察、自衛隊などの支援部隊が本格的な救助・救援活動を開始するにはそれなりの時間を要するものと考えられます。それまでは、地域の組織が中心になって救助・救援活動を行わなければなりませんが、現状では、この地域の組織がどれだけ機能できるのか心配な面もございます。そこで、より一層、地域組織の充実強化を図り、防災対策について地域住民の啓発を推進する必要があると思いますが、どのように実施していくつもりか、市長のお考えをお伺いいたします。
次に、(2) 情報伝達体制と自主防災組織及び救援ボランティア組織の充実についてお伺いをいたします。昨年9月から小田原市災害救援ボランティアの事前登録を始めておりますが、自主防災組織と救援ボランティアとの連携や位置づけをどのように考えているのか、お伺いいたします。現在の防災行政用無線は、市から地域への一方向の情報の伝達手段であります。そこで、大規模災害が発生した場合に、市の災害対策本部と地域の 256の自主防災組織との双方向の情報受伝達はどのように行うのか、また、その情報受伝達の手段としては、市の通信機器を使うのか、それとも個人の携帯電話などの通信機器を利用するのか、お尋ねをいたしておきます。
次に、(3) (仮称) 小田原市災害時消防支援隊の結成と活用についてお伺いいたします。このたび (仮称) 小田原市災害時消防支援隊が組織、結成されるが、私どもといたしましては、これまで大変関心を持ちながら活動してきた者にとってはありがたく、感謝の意を表するところでございます。そこで、この組織はどのような活動を考えているのか、また、どの程度の災害に対して支援活動を行うのか、さらには支援隊員に対しての活動報酬はどう考えているのか、そしてこの支援隊は消防職員のOBを考えているようだが、消防団幹部団員のOBの活用方法についてどのようなお考えがあるのか、市長及び行政当局のお考えをお伺いいたします。
次に、10点目として、歴史と文化のまち小田原とはについてお伺いいたします。
その (1) として、歴史や風土を生かした地域性とは何か。小田原は2000年の昔から人々が住み、以来、営々と今日に至るまで歴史と文化をはぐくんできました。特に、北条早雲が小田原に城を構え、5代にわたる治世では関東に覇権を確立し、多くの職人などを抱えた文化の中心地でもあったわけでございます。また、近年に至っては、温暖な気候や自然環境に恵まれた本市に、山県有朋をはじめ政財界の重鎮やあまたの文化人が居を構え、小田原の文化を大いに高めたことは周知のとおりであります。そこで本市は、貴重な史跡や歴史的偉人を数多く有しているが、これをまちづくりにどのように生かしていこうと考えているのかお伺いをしておきます。
次に、(2) 史跡保存とまちづくりについてお尋ねいたします。小田原は歴史的な蓄積があるのに、あまり生かしてはおりません。もっと史跡を保存するという姿勢を持って、城址を生かしたまちづくりを推進すべきと思うが、市長の所見をお伺いいたします。
次に、(3) 国際交流と自治体交流の拡大と充実についてお伺いをいたします。小田原をよりグローバルな視点に立ってアピールしていくには、若い世代を育てていくことの意義は非常に大きいものと考えます。国際交流においても、また自治体間の交流においても、より間口を広げ、交流を拡大していく考えはないか、お伺いをいたします。また、国際交流と自治体交流の拡大と充実を図るためにも、職員の海外派遣や他自治体への研修視察を積極的に行い、その視野と見識を広げるべきと思いますが、御意見を伺いたいと存じます。
次に、(4) 文化活動の拠点づくりについてお尋ねいたします。市民の文化活動は、全市的な広がりを持つものから、各地域・各地区で実施されている小規模なものまで多種多様であります。文化活動の拠点となる施設の一つとも言える市民会館や公民館については、利用者はそれなりに制限されてしまいます。また、地区公民館がない地域もあり、地域の発展、活性化が進むにつれて、今後ますます地域の細々とした文化活動が活発、盛んになり、文化活動の拠点となる施設の不足が生じてきております。そこで、社会教育の面から、種々公的施設、特に学校施設等の柔軟かつ効果的な運用を図るべきと思いますが、市長の御所見をお伺いいたします。
以上で、登壇しての粋誠会を代表しての質問を終わらせていただきますが、市長及び行政当局の明快なる御回答を期待いたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長【穂坂英山君】 市長、登壇願います。
〔市長 (小澤良明君) 登壇〕
○市長【小澤良明君】 粋誠会・26番小林議員の代表質問に順次お答えをさせていただきますが、多少、答弁の関係で順序が入れ替わりになりますことをお許しいただきたいと思います。
まず、小田原の将来のまちづくりをどのように考えているのか、そしてどのような態度で臨むのかというお尋ねがございました。1000年以上の歴史を積み重ねてまいりました今日の小田原のまちは、先人たちが知恵と勇気と力を合わせ、多くの困難を乗り越え、築いたまちでございます。豊かな自然や先人たちが残した歴史・文化、こういった小田原の資産を生かし、ゆとりある生活環境と都市的サービスをあわせて享受できる都市づくりを志向してまいりたいと考えております。このため「ビジョン21おだわら」では、暮らしのいろいろな場面で、それぞれにさまざまな選択肢を用意するための施策を掲げましたが、その実現のためには、議員各位をはじめ市民の皆様方からの幅広い御意見をお聞きいたしまして、英知を結集して進めていかなければなりません。今後とも、市民生活の質、都市環境の質の向上のために一意専心してまいる決意でおりますので、御理解と御支援をいただきたいと存じます。
健康と教育についての御質問がございました。近年、精神的な価値よりも物質的な価値を求め、社会的責任よりも権利意識が優先する等々、社会における価値バランスが崩れ、倫理観を失った問題行動や、社会における基本的なルールを守れない人々が増加をする、こういった危惧すべき現象があらわれております。その原因は、親や教師、地域社会など大人の教育力、全体の教育力が低下をしてきたとも言われているところでありまして、大人が手本となるよう責任を持って行動をするとともに、子供たちに対して、正義感や倫理観、思いやりの心など、人が集団の中で生きていく上で当然の心得を教えていく必要があると思います。市民の心と体を守る施策といたしましては、深夜の小児救急医療体制の整備をはじめ、小児医療費の無料化の拡大、スクールカウンセラーの活用、学校評議員制度等、さまざまな事業を展開してまいりますが、健康と教育はいずれも人が対象でありまして、予算を大きくとって施策を行うということもございますけれども、それよりも、じっくりと時間をかけて、市民社会全体で考えていくことのできる素地をつくってまいりたいと考えております。大変大きなかつ難しい課題ではございますが、知恵と汗と情熱を振り絞って、着実に一歩一歩、人づくりという視点で健康と教育に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
道徳心の向上についてお尋ねがございました。御指摘のとおり、昨今、親子や先生と生徒たち、いわゆる上下関係の規律がなくなりまして、目上の人を大切にする心や周囲の人々を大切にする互助や互譲の精神が欠けているという声を耳にいたします。私は本年の市政の柱として健康と教育を掲げているところでありますが、教育問題につきましては、学校にとどまらず、家庭や地域と連携して、幅広く議論をしてまいりたいと考えております。本年の市政の柱と申しますか、本年を改めて大きな柱とするスタートの年とするということにしてまいりたいというふうに考えているところでございます。個性を生かした人間教育につきましては、学校教育、生涯学習教育においても鋭意進めておりますが、もっと幅広い視点から、子供たちの心を豊かにする教育を推し進めてまいりたいと考えているところであります。問題の解決には長い時間を要しますが、腰を据えてじっくりと取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
次に、地域での青少年の健全育成活動並びに環境浄化活動の推進についてお尋ねがございました。青少年の健全育成につきましては、私は小田原の未来を確固たるものにしていくための基盤であり、子供やその親、学校などだけの問題ではなく、社会全体の問題であり、すべての人々がみずからの課題として青少年のことを思い、青少年のために行動することが必要だと思います。そして、まちづくりは人づくりという理念のもとに、本市では未来を担う人材の育成という視点からもさまざまな事業を行ってまいりました。少年少女オーシャンクルーズをはじめ、こうした事業を通じて、子供たちの成長と将来に向けた健全育成事業のつながりに確かな手ごたえを感じているところでありますが、このように青少年をあすの小田原のまちづくりにどう生かし、地域の青少年リーダーとして地域活動にどのようにかかわってもらうか、いろいろと検討してまいりました。そこで新たな事業展開の一つとして、平成12年度から、子供たちの生活圏内である中学校区を単位といたしまして、体験学習や郷土理解を深めるための中学校区フェスティバルを、青少年指導員・補導員等々、地域の青少年関係者を主体に御協力をいただきまして、中・高校生が中心となって、異世代が交流をする中で、企画・運営・実施等まで試みてもらおう、こんなことも考えております。また、環境浄化活動につきましても、青少年補導員・指導員をはじめ、地域一丸となって、より効果的な取り組みを促進していきたいと考えております。いずれにいたしましても、こうした問題は、一協議会や一団体の指導者だけでは思うような効果が上がらないとも思いますし、何度もお話をいたしておりますように、地域全体で取り組んでいただける、そんな仕組みをつくってまいりたい、地域で子供を育てる、このための方策を青少年問題協議会などで検討をしていただきまして、地域での活動に生かしてまいりたいと思っているところでございます。
次に、地方分権一括法施行に伴う行政組織及び行政施策の変化についてお尋ねがございました。御存じのとおり、今回の地方分権一括法は、機関委任事務の廃止等、国と地方の関係を対等・協力関係に改めることに主眼を置いておりまして、税財源の配分の見直しは明確にされておりません。権限の委譲はいまだ道半ばというよりむしろ、始まったばかりという状況と受けとめております。しかし、本市といたしましては、この一括法施行を契機として、個性豊かなまちづくりに邁進をする決意でおります。その一環として、特例市への移行準備を進め、 (仮称) 小田原市政策総合研究所を創設いたします。この3月定例会に提案いたします「小田原市市税の滞納に対する特別措置に関する条例」は全国でも初の試みであり、さまざまな反響もございますが、そうした反響の視点ではあまり受けとめられていないようではございますが、私といたしましては、この条例も地方分権、地域主権を形づくっていく上での大切な仕組みと申しますか条例である、こんなふうに分権の象徴として位置づけているところでもございます。このような新たな施策を展開するために、組織の整備についても鋭意進めておりますので、御理解をいただきたいと思います。
次に、特例市制度の創設による本市が目指す方向性と準備体制についてのお尋ねがございました。特例市へ移行することにより、環境保全に関する事務や開発許可等の事務などが委譲されることになりまして、地域の特性を生かした個性あるまちづくりや市民サービスの向上を図ることができるようになります。これによりまして自己責任が増大し、ひいては分権の受け皿としての能力が問われるようになりますが、先ほどもお話をいたしましたように (仮称) 小田原市政策総合研究所を創設することなどをして、職員の政策形成能力や問題解決能力を高めることによりまして、分権時代にふさわしい自治体として努力をしてまいりたいと考えております。また、特例市移行への準備体制といたしまして、地方分権推進本部の中に関係各課からなる特例市移行推進会議を位置づけ、全庁体制で取り組んでまいります。
次に、広域行政の今後のあり方についてのお尋ねがございました。地方分権の進展、環境問題をはじめとした新たな広域的課題の顕在化、景気の低迷による各自治体の厳しい財政状況などを踏まえ、広域行政のあり方が今後ますます重要になってくるものと考えております。国では、自治体の行財政能力を高めるため、市町村合併の推進や広域連合制度の導入を積極的に推進しているところであります。県西地域広域市町村圏協議会2市8町では、比較的緩やかなつながりの中で、公共施設の相互利用や広域二次救急医療体制の整備などのソフト施策を中心に広域行政を進めてまいりましたが、これまでのあり方を見直しつつ、ごみ処理や斎場の広域化などにつきましても、一歩進めた検討をしていかなければならないものと考えております。
(仮称) 小田原市政策総合研究所のあり方についてお尋ねがございました。この研究所は、地方分権時代への対応として、自治体の政策形成能力を高めるとともに、専門的かつ先見的な政策研究を行うために設置しようとするものでございます。全国には、自治体シンクタンクのような呼称でこうした政策研究機構が設置されている例が多少ございますが、大半が行政の外部組織であるために、研究活動と政策執行とが連動しにくい面があるようにも思っております。そこで、小田原市におきましては、組織全体としての意識を高めるという意味も含めまして、専任の政策研究担当を行政組織の内部に配置したいと考えております。その研究活動におきましては、実効性を十分に意識した政策の立案を図り、研究成果としての事業を具現化・具体化できるよう、最大限の努力をしてまいりたい、またそういう組織としてこの研究所を位置づけたいと思っております。
続きまして、今後の中長期的な財政運営についてお触れになられました。まず、公債費につきましては、平成元年度以降、川東タウンセンターマロニエ、かもめ図書館、いそしぎ、消防署の本署等々の市民施設建設で約96億円の市債を発行いたしました。そして、小田原アリーナをはじめとする国体関連施設整備に約 115億円の市債を発行いたしました。さらに、国の減税政策に伴う減税補てん債、国の景気浮揚政策に伴う減税措置が私ども自治体へ向けて指示があってこの減税がされたわけでございますが、これに伴う減収分を補てんする減税補てん債として約88億円を借り入れておりました。ですから、もう一度言いますと、市民施設で約96億円、国体の小田原アリーナをはじめとする施設で約 115億円、国の景気浮揚に伴う減税政策によりまして約88億円を既に借り入れておりまして、こうした、どうしても、だれがやってもしなければならなかった、そういう事業や政策によりまして、公債費も伸びざるを得ないという短期的な事情がございます。さらに、今後は、本市にとって長年の懸案でありました小田原駅東西自由連絡通路事業や (仮称) 城下町ホール建設事業等も見込まれますことから、公債費の伸びは予想されるところでありますが、平成12年度から市債の借入額を毎年度の元金償還額以下に抑制するなど、後年度負担をできるだけ軽減することといたしております。また、扶助費につきましても、本市の場合、かねてより高齢者等の福祉施策等に力を注いできておりますために、平成10年度の決算ベースで構成比は13.4%、扶助費と申しますと、子供たちのこと、お年寄りのこと、あるいは身体にハンディをお持ちの方のための施策、そうした施策に主にかかわる経費でございますが、この扶助費は県下17市で際立って高い率を示しているところであります。そこで、今後は、各種福祉施策につきましても、時代のニーズや受益と負担の原則等を踏まえた上で、十分検討をいたしていかなければならない、めり張りをつけていかなければならないものと考えているところであります。一方、財政調整基金につきましては、平成12年度も10億円の取り崩しを計上いたしておりますが、今後、財政調整基金が底をついたときの財政運営も十分視野に入れていく必要があるものと考えております。そこで、今後の財政見通しでございますが、国の一連の経済対策の効果は期待するものの、かなり厳しい状況になるものと思っております。現時点では、今後の経済成長率をはじめ、税源移譲等の形すら明確になっていない現況でございますので、将来を数字的に見通すことは大変難しいと考えておりますが、平成12年度に予定いたしております行政改革大綱の見直しや、「ビジョン21おだわら」の実施計画のローリングの中で、今後の財政運営の健全性を位置づけてまいりたいと考えているところでございます。なお、地方分権にふさわしい国と地方の税配分の問題や、地方交付税制度のあり方等、財源問題につきましては、今後とも強く国等へ要望してまいりたいと考えているところでございます。
次に、神奈川県六市競輪組合の撤退要望に関連しての何点かのお尋ねがございました。まず、借上施行者の開催権の返上、いわゆる撤退につきましては、最近では平成8年度からが小倉競輪から1団体、平成9年度からが高知競輪から1団体、平成11年度からが3団体、これは伊東温泉競輪、弥彦競輪、大垣競輪の3場でございますが、この3場から1団体ずつ計3団体ということになっておりまして、年々ふえていく傾向のようでございます。
2点目の肩がわりはどこが行ったかの点でございますが、最近の事例で承知しているものは、静岡県六市競輪組合が伊東温泉競輪から平成11年度から撤退をいたしたわけでありますが、この場合は、4開催全部を伊東市が引き受けたとのことであります。
3点目の撤退事例について、引き受けた場合、金銭面のやりとりがあったかとの御質問でございますが、聞き及びましたところによりますと、静岡県六市競輪組合の場合、赤字補てん分の補償を同組合が伊東市に支払うことになったとのことでございます。
4点目の茅ヶ崎市の撤退に係る報道でございますが、これにつきましては全く寝耳に水のことでございまして、まだ正式な話は何もございません。したがいまして、今後正式な話があった場合は、改めてその対応を考えなければならないと思っているところでございます。
日本自転車振興会等への交付金についての御質問にお答えをさせていただきます。日本自転車振興会等への交付金制度の国等への改善要望につきましては、平成11年度では、施行者の関係で申し上げますと、全国の競輪施行者で構成しております全国競輪施行者協議会、1府7県で構成しております府県施行者会議、競輪施行都市39市で構成しております全国競輪都市協議会、1開催の売り上げがおおむね13億円以下の施行者11市で構成されております1号施行者連絡協議会の4団体から、それぞれ通商産業大臣に対し陳情や要望をいたしたところであります。一方、本市の穂坂議長が会長を務めておられます全国競輪主催地議会議長会からも、前年度に引き続いて、通産大臣に改善方の陳情をしていただいたところでございまして、私ども開催市といたしましても大変心強く思っているところであります。こうしたさまざまな取り組みにもかかわらず、現在のところでは改善をするとの回答はいただけない実情でございまして、今後とも関係団体と歩調を合わせ、粘り強く要望をしてまいりたいと思っております。
次に、市民に財政事情を周知すべきということでございますが、財政事情につきましては、地方自治法の規定に基づき、小田原市財政状況の公表に関する条例で毎年6月1日と 12月1日に行うものとしております。歳入歳出予算の執行状況や、地方債や一時借入金等の現在高を広報紙に掲載するとともに、ファックスによる情報提供も行っております。昨年の7月に20年ぶりに普通交付税の交付団体になったときには、広報紙の9月1日号で本市の財政の状況等をお知らせしたところであります。粋誠会・26番小林議員のおっしゃるとおり、市民の方々に財政事情をより一層理解してもらうために、集会、会議等での本市の財政事情の説明や、さらに広報紙やインターネットのホームページ等も積極的に活用していかなければならないと考えております。
次に、市税滞納特別措置に関する条例についてのお尋ねがございました。今回の条例案は、納税の誠意を全く示さない悪質な滞納者に対する特別措置をするために創設するものでありまして、まじめに納めていただいている納税者との公平性や納税の促進を図るために、行政サービスの停止等や氏名等公表の措置を定めるために提案をさせていただきました。法的処分をいたしても、なお市税を滞納している方に対する納税促進のための最終的な手段と考えております。実際、運用の段階で一方的に行うものではございませんで、個人のプライバシーにも配慮し、公正な第三者機関である市税滞納審査会の審査を経て行うものでございまして、審査会におきましては直接滞納者の方から事情をお聞きするということもできますし、より公正な判断ができるものと思っております。また、氏名等を公表する場合には、納税者に弁明の機会を与えておりまして、二重、三重のチェックによりまして、慎重な手続を踏んだ上で行う最終の手段というふうに御理解をいただきたいと思います。このような措置をすることによりまして、滞納者に対して納税の喚起を促すとともに、滞納の未然防止も図られ、正直者がばかを見ない、行政に対するそういった意味で信頼感にもつながるなど、有効的に機能していくものと考えております。また、収納率の向上が図れるのかということにつきましては、累積した滞納額を一挙に解消していくことはなかなか困難なことではございますが、滞納整理が今後進めやすくなるのではなかろうかと期待をいたしているところであります。
次に、報道に対する市民の反応についてのお尋ねがございました。まず、今回の条例案に関しましてのマスコミ報道に対しましては、私が予想した以上に反響が大きく、驚いているところであります。特に、全国各自治体からの問い合わせが多く、既に百数十件というよりも、それ以上を超えている状況となっておりまして、共通の悩みとしてそれぞれの自治体が非常にお困りになっていらっしゃるということを改めて痛感いたしました。そこで、お尋ねの市民の反応につきましては、電話での問い合わせの中から主な声を御紹介させていただきますと、賛成意見としては、納税の公平性が図られ、まじめに納税している者としては同感であるとの御意見をいただいたりいたしまして、意を強くしたところでございます。また、反対意見としては、プライバシーの問題や弱い者いじめにならないのかというような御意見がございましたが、この点につきましては、先ほど来いろいろとお答えをいたしておりますように、二重、三重のチェックの上で、運用の面でかつ慎重に対応をしてまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、いろいろな御意見をいただいておりますので、今後、そうした御意見も参考にしながら、適切な条例の運用を図ってまいり、皆様方からいただいた税がしっかりと行政サービスとして提供できますように、行政は行政として、より一層しっかりと体制を整えてまいりたい、そう思うところでございます。
次に、環境保全活動のあり方について御質問がございました。御指摘のとおり、酒匂川河口付近から海岸部の散乱ごみ問題、そして山間部におけるごみの不法投棄問題、さらには自動車による大気汚染等の環境問題など、多岐にわたるものでございます。今日の環境問題は、私たちが被害者であると同時に加害者でもあるということも大きな視点としてそれぞれが御理解いただかなければならないと思っております。その解決に当たっては、一人ひとり真剣な行動が求められております。私といたしましては、本市の良好な環境を子や孫の世代に引き継ぐためには、全庁を挙げてこれらに取り組みますとともに、市民社会の協力も最大限いただきますと同時に、国や県などの関係機関と連携を図りながら、積極的に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
ごみ処理に関しまして、分別収集ルールの再徹底に関する御質問がございました。現在の分別収集方式は、平成9年度のごみ分別大改革によりまして開始をいたしております。大きな混乱もありまして、ルール違反として取り残しとなるごみも当初はございましたが、今日におきましては大部分の市民の方々に浸透し、おかげさまで当初に比べルール違反も少なくなってきておりますし、ごみの減量率あるいは再資源化率は全国でもトップレベルの位置にいる、こんなふうに思っておりまして、市民の皆様方の御協力に感謝をいたしているところでございます。しかしながら、御指摘にもございましたように、一部には資源物を燃やせるごみにまぜて排出するような人もありますために、ごみの焼却量を増加する原因となる場合もございますので、さらなるルールの徹底は必要であろうと実感をいたしております。平成12年度、今年の4月1日から容器包装リサイクル法の施行に伴いまして、小田原市の場合は前もって先行して分別収集改革をいたしておりますので、新しくビデオテープ等の分別収集が行われるぐらいでございまして、あまり大きな改革にはなりませんが、この機会に改めて、「広報 おだわら」や「ゴミダス」などによる啓発活動を実施していくとともに、自治会の皆様の御協力もお願いしながら、市の清掃指導員による直接指導も徹底してまいりたいと考えております。
ダイオキシンでございますが、本市清掃工場では、ダイオキシン削減の恒久対策工事に約38億円を投資いたしまして、濃度1ナノグラム以下を確実に達成するために、平成11年度から取り組んでいるところでございます。この改修工事は、国のガイドラインに従って整備し、最新の燃焼管理及び排ガス処理工程により1ナノグラム以下を達成させることを条件に設備の改修を行うものでございますが、1ナノグラムということに満足しないで、さらに低い数値を目標に置きまして取り組んでいるものでございます。また、引き続きごみの減量化・資源化等による焼却量の削減に取り組み、ダイオキシンの発生総量の抑制を図ってまいりたいと考えております。
小田原市内の基幹道路の整備状況と今後の整備方針についてのお尋ねがございました。市の基幹道路であります都市計画道路につきましては、32路線の計画決定がなされておりまして、そのうち約48%の整備が既に完了しており、現在、全体の約16%の道路において事業を進めている最中でございます。今後の整備方針につきましては、市の主要な交通であります箱根・伊豆方面への通過交通が市街地に混入することを回避させる外環状道路と、酒匂川左岸及び右岸における南北軸の道路を強化させることを基本といたしまして、市全域の交通の円滑化や事業効果を考慮しながら、基幹道路の整備に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、上下水道の整備状況と今後の計画についてお答えをいたします。最初に、水道記念館や水道記念公園の整備についての御質問がございました。第一水源地の1号井戸跡地周辺は、本市水道事業創設時の水源跡地で、本市水道の歴史上、意義のある土地であることは十分認識いたしておりますが、御承知のとおり、水道事業におきましては、引き続く経済情勢の低迷から、給水収益は減少し、投資的事業の実施時期の見直しなど、支出面における精査を続けますとともに、現在の水道料金を可能な限り維持すべく、経費の節減に水道局一丸となって努力をいたしているところでございます。また、一般会計におきましては、さらに厳しい財政運営を余儀なくされているところでありますので、このような状況の中で、当面、水道記念館や水道記念公園の整備を具体化することは難しいと考えております。いずれにいたしましても、第一水源地の1号井戸跡地周辺の活用方策につきましては、今後推進されてまいります都市計画道路穴部国府津線の整備計画も視野に入れながら、今後の課題として取り組んでまいりたいと考えております。
出水不良地域の解消を含めた施設整備についてお尋ねがございました。上水道事業におきましては、安全でおいしい水を安定的に供給することを使命といたしまして、出水不良地域の解消、老朽管の布設替え、管網整備などの施設整備に努めているところであります。水道の出水不良対策といたしましては、現在、第四期拡張事業の中で、 (仮称) 新久野配水池の整備を進めておりまして、高台区域における出水不良の解消を図るほか、配水管の増径により対応いたしているところであります。また、老朽管につきましては、年間約6000メートルを順次耐震管へ布設替えをいたしております。なお、平成2年度より実施してまいりました緊急連絡管の接続につきましては、平成11年度をもちまして、本市の全体計画であります11ヵ所の整備がすべて完了をいたしました。いざ地震というときの接続管の事業につきましては、とりあえずすべて終了をしたということでございます。未給水区域、水道管がまだ行っていない区域の解消につきましては、地下水利用の多い桜井地区を中心に配水管を布設いたしておりまして、今後とも道路や下水道等の整備に合わせ、配水管網の整備に努めてまいります。いずれにいたしましても、施設整備に当たりましては、経済性、効率性とともに、実施時期等を十分勘案しながら推進してまいりたいと思います。
下水道事業における整備状況及び今後の整備計画並びに水洗化の促進についてのお尋ねがございました。本市の公共下水道事業につきましては、市街化区域面積2797ヘクタールに対する平成11年度末の整備面積は約2040ヘクタールとなっておりまして、73%の整備率となっております。この整備された区域内での水洗化率は約86%、既に下水道管はそれぞれの市民の住宅の前まで行っているんですが、既存の浄化槽等をお持ちの方で、まだつないでいただけない方が14%もございます。できるだけ早くそういう方々にも、せっかく皆さんの税金で引いた下水道管ですから、有効に使っていただきまして、清潔な、あるいは健康で文化的な生活を一日でも早く市民社会全体で実現していただけたらと考えているところでございます。このような状況から、今後の整備計画につきましては、投資効果を十分に考慮した上で、川東北部地区、国府津地区、橘地区及び富水・桜井地区等のまずは市街化区域内の下水道の未整備地区を重点的に事業推進をしていく中で、市街化調整区域の整備につきましては、市街化区域の整備見込みがついた段階で検討をしてまいりたいと考えているところであります。また、水洗化の促進につきましては、下水道事業の財源の根幹をなす使用料の増収につながりますので、先ほどもお話をいたしましたが、戸別訪問や工事説明会、広報紙等による水洗化の促進等々、PRをして強力にお願いいたしているところでございますので、よろしくお願い申し上げます。いずれにいたしましても、何回もお話しいたしますが、下水道事業は多額の市民の税金を使って布設をいたしているところでございまして、歳入面ではできる限りの収入確保に努め、歳出面では投資効果の高い事業推進に努めてまいらなければならないと考えているところであります。
次に、公園の整備計画について何点かお尋ねがございました。1点目の小田原こどもの森公園わんぱくらんどにつきましては、市制60周年記念事業の一つとして、4月29日に第1期事業区域を開園いたします。お尋ねの第2期事業の取り組みにつきましては、子供たちが遊びを満喫できるような整備をしてまいりたいと考えております。そこで、平成12年度に測量業務等の委託料を計上いたしておりまして、事業認可取得の準備を進めてまいりたいと考えております。
小田原こどもの森公園わんぱくらんどの開園に当たりまして、道路関係の御要望が2点ほどございましたが、要望ということで受けとめさせていただきます。
次に、市役所のハイブリッドバス (低公害バス) を環境都市アピールのためにわんぱくらんどまでシャトルバス方式で利用してはどうかとのお尋ねがございました。市のマイクロバスは、道路運送法上、自家用のバスとして登録いたしておりまして、その利用は、市の主催による事業の範囲に限ったものとされております。御提言のような利用は難しいと思っております。なお、小田原駅から小田原こどもの森公園わんぱくらんどへのバス運行につきましては、現在、バス会社2社と、年間を通しての定期バス運行のお願いをしている、協議中ということでございまして、御理解をいただきたいと思います。
次に、県立 (仮称) 小田原西部丘陵公園の進捗状況と完成予定年度についてのお尋ねでございますが、県では公園区域を3工区に分け、順次整備していく予定でありまして、第1工区となる市道0039 (通称楠坂) から東側部分約17.2ヘクタールについて、平成11年1月に事業認可を取得し、平成17年度の一部開園に向けまして作業を進めているところであります。現在は、昨年9月に地元地権者会と買収単価等の基本的事項について合意が得られましたので、立木等の調査をして、順次用地買収を進めているところであります。今後、市といたしましても、平成23年度の全面開園に向け、協力をしてまいりたいと考えております。
次に、小田原こどもの森公園わんぱくらんどと県立 (仮称) 小田原西部丘陵公園の完成後の市民1人当たりの公園面積はどのようになるのかとのお尋ねがございました。この二つの公園が開園いたしますと、1人当たりの公園面積は7 平方メートルになります。現在 3.16平方メートルでございますので、2倍以上の公園面積ということになりまして、身近な公園の少ない地域も多いことから、引き続き用地等の情報収集に努め、公園整備を順次進めてまいりたいと考えているところであります。
次に、景観形成を進める基本的な考え方でございますが、本市は、御承知のとおり平成元年に都市景観形成モデル都市の指定を受けまして、平成5年3月には都市景観条例を制定するなど、他市に比べ、比較的早い時期から景観行政に取り組んだところでございます。その進め方については、市民と行政がともに考え、両輪となって取り組んでいくことを今日までの変わらぬ基本姿勢といたしております。今後とも、本市の特性である豊かな自然と歴史的資源を生かしながら、快適で豊かな都市づくりを進め、次代に引き継いでいくことを念頭に、本市の都市景観行政に取り組んでまいりたいと思います。
次に、小田原駅を中心とした広域交流拠点の機能を高めていくための基本的な考え方でございますが、小田原駅及び駅周辺再開発予定地区のいわゆる広域交流拠点、広域交流コアの整備イメージにつきましては、小田原駅を交通・観光のターミナルとして、周辺のお城通り地区などに交流を促進する多様な機能を配置し、自由通路によりそれぞれの機能の連携を図ろうとするものでございます。そこで、この広域交流コアはもとより、周辺道路網の整備や歩行ネットワークの整備を進めるとともに、城址公園の整備や (仮称) 城下町ホールの整備を推進し、歴史的・文化的な拠点や、個性あふれる商店街などを散策・回遊できる魅力的なまちづくりを進めてまいりたいと考えております。
次に、中心市街地で予定される事業と行政の指導についてのお尋ねがございました。粋誠会・26番小林議員御指摘のとおり、中心市街地における商業等の活性化は、TMOをはじめとする商業者の積極的な取り組みが大きなかぎを握っております。お尋ねの商業者が中心となる事業につきましては、TMO (民間のまちづくり推進機関) 構想に基づき、拠点的施設の整備をはじめ、空き店舗に対応した適性なテナント誘致、さらには小田原の物産などを活用した、集客力を高めるための事業等が既に検討されているところであります。市といたしましては、TMOと連携を図りながら、これら活性化事業の準備段階から参画するとともに、商業者の主体性を尊重しながら、助言や情報提供など、適切な指導を行っているところであります。また、必要に応じて専門家の派遣や財政的支援を行うなど、早期の事業実施を促してまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、商業者の自立・自覚をしたやる気、こうしたことと行政の応援体制、これらが商工会議所の事務局という全市的な体制の中で着々と進み始めておりますので、またそうした計画が平成12年度から実態的に始動するということでございますので、消費者、市民の皆様方におかれましても、ぜひこれら計画を温かく見守っていただき、御協力を賜りたいと思うところであります。
次に、介護保険制度スタート直前の準備状況等についての御質問がございました。まず、本市の準備状況でございますが、昨年の10月から実施しております要介護認定につきましては、2月末日現在で申請件数は2809件ございまして、2184件認定が済んでおります。順調に審査判定が行われているところであります。また、各介護サービスの供給量につきましては、介護報酬も確定いたしまして、事業者の新規参入などもほぼ見込みどおり行われておりまして、「おだわら高齢者保健福祉介護計画」における平成12年度の見込量以上を確保することができそうな状況でございます。おだわら高齢者保健福祉計画と小田原市の介護保険計画の両方をいろいろ御検討いただいて、御答申を策定委員会からいただきました。その計画につきまして、あまりにも名前が長いということで、今お話ししましたように「おだわら高齢者保健福祉介護計画」と称することにさせていただきました。御理解をいただきたいと思います。介護保険制度を円滑に導入するために国が講じた特別対策につきましても、準備作業を順調に進めておりまして、今のところ問題ないというふうに思っております。したがいまして、本市の介護保険制度の滑り出しはおおむね順調にいくものと考えているところであります。
次に、現在生じている問題点や懸案事項、それに対する対策についての御質問がございました。介護保険の準備はそういうことで順調に進んでいるところでございまして、今のところ大きな問題点はございませんが、2点ほど検討していることがございます。1点目といたしましては、介護認定審査会の合議体における審査判定の均質化でございます。審査会のチームが幾つかございますので、それぞれのチームの判定が均質になるようにということでございますが、各合議体ごとの2次判定の変更率などに若干の格差が見受けられますので、審査会委員に対する研修会の開催や、合議体の構成委員の定期的な入れ替えを行いまして、均質化を図る努力を続けてまいりたいと考えているところでございます。また、2点目といたしましては、居宅介護支援事業者・ケアマネージャーの充実でございます。高齢者の方が、御自分が受けるサービスの内容などを御自分で決定できる、こういう介護保険制度の一つの理念でございますが、これを実現するためには、実際にケアプランを作成し、サービスの決定を支援するケアマネージャーの質、量を確保することが極めて重要なことであると考えております。本市におきましても、ケアマネージャーとの情報交換の場や、ケアプランの作成技術の向上のための研修会などの機会を多数設けまして、ケアマネージャーの質の確保等に努めてまいりたいと考えております。ちなみに、充足率は良好な状況と判断いたしております。いずれにいたしましても、介護保険制度は新しい社会保険制度でありますので、制度が始まってみなければわからない部分もあると思われますが、問題点の早期把握、早期対応に努めてまいりたいと考えております。
次に、苦情の対応についての御質問がございました。介護保険制度がスタートいたしますと、保健・福祉制度が著しく従来と変化をいたしますので、さまざまなお問い合わせや相談、苦情等が寄せられるというふうに思いますが、その内容によりまして、迅速に、また誠実に対応してまいりたいと考えております。要介護認定についての苦情につきましては、相和会・17番相川議員の代表質問にもお答えをいたしましたように、苦情申出者に対しまして、要介護認定の仕組みや考え方を十分御説明することはもちろんでございますが、訪問調査の結果をお見せする等、できる限り御理解をいただけるよう努めますとともに、申請者の心身の状態に変化が見られる場合などにつきましては、再申請をしていただいて、再度訪問調査、そして認定を行うなど、市といたしましてもできるだけ柔軟に考え、方策を講じているところであります。
次に、子育て環境の整備についてお尋ねがございました。都市化・核家族化とともに共働き世帯が増加する中で、親子のふれあいが希薄となり、育児に不安を抱きながら、身近に相談する人もなく、孤立化をしている親が増加するなど、家庭や地域での子育て機能が低下をしていると思われます。本市では、子育てに不安を抱く親御さんたちが気楽に相談することができるよう、子育て支援センターを設置し、市内3ヵ所の「子育てひろば」、これは常設1ヵ所、随時が2ヵ所、城山乳児園が常設、中央公民館とマロニエが随時にやっているということでございますが、この「子育てひろば」で親子のふれあいや子育て相談を行うとともに、市内の9ヵ所の保育所が地域育児センターとして、庭園開放やお年寄りとの交流を通じ、子供の情操と社会性の醸成、親子のふれあいを図り、また子育ての相談に応じるなど、不安の解消と健全な親子関係の育成に努めているところであります。また、保育園におきましても、保護者に対し、登園時には家庭での園児の様子を聞き、また降園時、園から帰られるときには一日の様子をお伝えするなど、保護者との連携を図っております。今後も、子育て支援センターの一層の充実を図るととも、保育園におきましても家庭との連携をさらに密にして、安心して子育てができ、良好な親子関係を築ける子育て環境の整備に努めてまいりたいと思います。
障害者雇用の場の確保でございますが、現在本市では、障害者の方々の相談を受けるケースワーカーが公共職業安定所と連携しながら、障害者本人に適切な職を探したり、あるいは障害者地域作業所等を紹介するなど、日々努力をいたしております。しかしながら、長引く景気低迷の中で、障害者の雇用環境が非常に厳しい立場に置かれておりますことは御指摘のとおりでございまして、企業の閉鎖で職を失った障害者や、障害が重くなったために就労ができなくなった方の進路に関する相談業務も実はふえてきております。このような状況の中、来年度 (平成12年度) から、障害者や福祉に関する専門的な知識を持った就労支援専門員を雇用し、職業安定所や地域作業所との連携をより一層強化して、障害者の働く場を確保する事業をスタートいたしたいと考えております。また、福祉的な就労の場である障害者地域作業所は、いずれも利用が多く、増加するニーズにこたえ切れなくなっているため、新たに1ヵ所新設する施設の運営を支援してまいりたいと考えております。今後も、さまざまな事業等を活用し、障害者雇用の場を確保できる環境を整備してまいりたいと思っております。
次に、大規模災害対策の強化について御質問がございました。小田原市では、大規模災害に備えまして、自分たちのまちは自分たちの手で守るという精神のもとに、自治会長を防災本部長とする自主防災組織が全自治会組織の中に結成されております。大規模な災害が発生した場合の被害を最小限にとどめるためには、この自主防災組織の活動が重要であると考え、その育成に努めているところであります。具体的には、防災リーダー研修会を今年度6回開催したのをはじめ、自主防災に対する資機材整備費の補助事業や、防災講演会、防災講座などを実施いたしました。これらの成果として、25の自治会連合単位の防災訓練が、地域住民みずからが計画し指導する住民主導型の訓練に変わりつつあると思っております。今後も、防災訓練や講演会などの参加者の増加を図りながら、自主防災組織の育成と地域住民の啓発に努めてまいりたいと思っております。
次に、自主防災組織と救援ボランティアとの連携や位置づけについてでございますが、災害救援ボランティアにつきましては、昨年9月より事前登録制度を開始いたしまして、現在58名の方に登録をしていただいております。昨年11月19日には第1回の研修会を開催し、神奈川県が発表した地震被害想定調査の内容や小田原市の防災対策、災害救援ボランティアの役割についての講義を行いまして、まず小田原でボランティア活動をするために必要な知識の習得をしていただきました。自主防災組織との連携でございますが、地域に派遣されたボランティアは、基本的には自主防災組織の指揮下に入っていただき、救援物資の配布や給食・給水などの広域避難所の運営援助等の活動をしていただくことになっております。
次に、市の災害対策本部と地域との双方向の情報受伝達の方法についてお尋ねがございました。小田原市では、災害発生初期の情報につきましては、地区在住の市の配備職員が、それぞれの地域で責任を持って対応する。自分の住んでいる住まいで配備をされておりまして、配備職員ということで委嘱を受けております。その市の配備職員が、地域の被害状況の収集を行い、支所や連絡所など市内16ヵ所の拠点に参集し、そこから、移動系の防災行政用無線を使用して、市の災害対策本部に連絡することになっております。本部からの情報も無線により伝達されまして、配備職員から自主防災組織へ連絡されます。また、災害発生から数時間経過をいたしますと、状況に応じ、各小学校に広域避難所が開設されますので、地区ごとの救援物資の要求などの情報は、移動系無線のほか、小学校に配備してあります携帯電話やファックスなども使用して連絡することになります。
次に、 (仮称) 小田原市災害時消防支援隊についてのお尋ねがございました。さきの阪神・淡路大震災を機に、災害救援ボランティアの活動は大変目覚ましいものがございますが、こういった状況のもと、小田原市の退職消防職員から、災害時における消防支援隊の設立をしようという大変ありがたい要望書というか、そういう申し込みがございました。そこで、消防本部といたしましても、災害に対する豊富な知識、経験、技術等を有する退職消防職員が、消防機関の行う業務の補助的役割を担っていただく、これは大変意義のあるものと考え、結成をしていただくことにいたしたものでございます。活動の内容につきましては、本市に震度5強以上の地震が発生し、かつ市内に大きな被害が予想される場合には、事前に指定された署々 (消防署や分署) に自主参集し、消防資機材の管理、情報収集、負傷者の応急手当て及び応援消防隊の誘導等の後方支援を行っていただくことを考えております。なお、活動に対する費用弁償につきましては、退職消防職員から、無償で行いたいという強い申し出を受けておりますので、その御意思を尊重させていただくということの方向で考えております。
次に、退職消防団員の活用でございますが、本市は自主防災組織が先ほどもお話をいたしましたとおり全国でも非常にすぐれて充実をいたしている地域でございます。退職消防団員の皆様方は、その自主防災組織の一員としても重要な役割を担っている方が多うございまして、消防本部で組織化し活用するということにより、自主防災組織の活動に支障を来すおそれもあろうというふうに思います。いずれにいたしましても、自主防災組織や退職消防団員の皆さんの意向などもお聞きする必要もございますので、その結果を踏まえて、今後検討してまいりたいと考えております。
次に、小田原の史跡や偉人をまちづくりにどのように生かしていくのかという御質問でございますが、御承知のとおり、小田原は何万年も前から私たちの祖先が定住をして、私は原小田原人と言っておりますが、一歩一歩その生活を向上させてきました。およそ2000年ほど前には、中里の地に大集落を築きまして、1000年以上前には、いち早く中央の古代国家とつながりを持ちまして、以来、絶えることなく発展し、今日に至っているところであります。豊かな自然環境と歴史文化、そして豊富な人材は、他の都市に類を見ないものがあると考えております。本市では、こうした歴史的背景を踏まえ、城下町小田原のシンボルである史跡小田原城跡整備事業をはじめとする史跡の保存・整備事業や、小田原が全国に誇る武将北条早雲公や偉人二宮尊徳翁、そして詩人北原白秋を顕彰する事業など、多種多様な事業を展開しているところでございます。12年度におきましては、小田原の古代文化を子供たちに伝える土器製作体験事業、北条早雲公の業績と知名度を生かし、これを観光誘客に結びつけるための (仮称) 北条早雲友好都市観光推進協議会の発足、大正時代、小田原の風土をこよなく愛し、ここに居を構えた北原白秋にちなんだ全国童謡フェスティバルの実施、小田原でその晩年を過ごした松永安左エ門翁ゆかりの老欅荘の保存・整備事業など、小田原の歴史文化や豊富な人材を生かした事業を新たに展開してまいります。こうした他の都市にはない個性に磨きをかけることで、市民がまちを誇りに思う心をはぐくみ、そして交流の時代にかなう、小田原らしいまちづくりに生かしてまいりたいと考えております。
次に、もっと史跡を保存するという姿勢を持って城跡を生かしたまちづくりをすべきではなかろうかという御提言がございました。御指摘のとおり、小田原には豊かな歴史や豊富な文化遺産があり、私といたしましても、それらを保存・継承することによって小田原の魅力をさらに高めるとともに、特徴あるまちづくりに活用してまいりたいと考えております。とりわけ、御指摘の小田原城跡につきましては、中心部分に当たります本丸・二の丸地区が、将来にわたって保存すべき文化財として国の史跡に指定されておりまして、本市といたしましても、まちづくりのシンボルとして最も重要な要素の一つと考えております。そこで、小田原城跡の保存と活用を図るために、平成5年には「史跡小田原城跡本丸・二の丸整備基本構想」を策定し、住吉橋や銅門の復原など、整備事業を推進してきたところでありまして、平成12年度にも馬出曲輪の整備に向けて試掘調査を実施すべく、予算を計上させていただいているところであります。御承知のとおり、小田原駅周辺、県の広域交流拠点としても位置づけられるような大変大きな拠点駅・小田原駅のまさに至近の場所に小田原城跡がございます。商業の最も活性化させるべきところに小田原城跡があるということで、その保存あるいは活用には非常に難しい側面もございますが、ただいまお話をいたしましたようないろいろな構想等に基づきまして、しっかりとした長期計画を立て、そしてこれらを着実に推進してまいりたいと考えているところでございます。市内には多くの文化遺産がほかにもございます。今後もこれらを保存・継承しながら、できるだけ公開するなど、積極的に小田原のまちづくりに活用してまいりたいと考えているところであります。
次に、国際交流等の拡大と充実について御質問がございました。国内外の交流が目指すものの一つには、広い視野や問題意識、郷土愛などを養い、まちや世界を見詰める人材を育成するという重要な目的があり、それは若い世代のみならず、幅広い世代の方々に期待をされるものであります。グローバルな視点からまちをアピールすることは、まちづくりにもつながる交流事業の効果の一つでありますので、より多くの皆様に御参加いただけますよう事業の充実を図りますとともに、市民団体等が取り組む交流事業を支援していくなど、交流機会の拡大と充実に努めてまいりたいと考えております。
次に、自治体交流の拡大と充実を図るためにも、職員の派遣研修を積極的に行うべきとの御提言でございます。海外への派遣研修につきましては、神奈川県市町村振興協会が主催する市町村職員海外調査事業へ、平成元年度から毎年度、職員3~4名を派遣しているところでございますが、平成12年度から課題研究調査事業が新たに実施されますので、こちらへも積極的に職員を派遣してまいりたいと考えております。また、国内先進都市への派遣につきましても、職員研修視察制度として、直面する課題や将来的課題に対応するために、応募制で職員を派遣しているところであります。いずれにいたしましても、職員の派遣をより一層推進し、国際交流や自治体交流につながる広い視野と見識を持った職員を育成してまいりたいと考えております。
最後に、地域における文化活動の拠点づくりについてのお尋ねがございました。市民の多彩な文化活動や世代を超えたふれあいの拠点として公共の施設が有効に活用されておりますが、施設の配置状況はまだ十分ではありません。そこで、地域文化活動の拠点となる地域センターや開放教室プラザ等の整備がこれからも必要と考えております。さらに、ただいま御指摘のとおり、学校施設等の開放促進やその柔軟かつ効果的な運用が地域の皆様からも求められておりますので、学校管理者と協議をして、可能なところから学校施設の活用が図られるよう取り組んでまいりたいと思っております。
以上をもちまして、26番小林議員の粋誠会の代表質問に対しましての答弁とさせていただきます。
○26番【小林俊夫君】 長い時間にわたりまして御丁寧な御答弁をいただきまして、大変ありがとうございました。質問も大変なら、お答えされる方も大変だなと思っておりますけれども、正直言いまして、代表質問という形式でございますので、大ざっぱな質問でございましたけれども、中身はそれなりのお答えをいただきました。ただ、一言苦言を申しておきますと、代表質問でございますので、会派の皆さん方といろいろ打ち合わせをしながら、担当所管の人たちにたくさんおいでいただいて打ち合わせをしたにもかかわらず、市長が一生懸命答えたにもかかわらず、一部、私どもの意図と反するような、あまり期待できない、全然ねらっている答えじゃないお答えが出てきたということが誠に残念でございますので、今後、私どもとしても一応考えなければいかんなというように思っています。
さらに苦言を申しておきます。ただいま最後に、史跡保存とか歴史の問題で、歴史と文化に恵まれた小田原ということで、将来に向かって、そういう歴史と文化をはぐくむ小田原のまちを30年、50年、 100年をかけてつくり上げていきたいな、よく市長が言われますように、小田原に住んでよかったなというまちにしてみたいなということをよく聞いておったんですけれども、ここのところ、そういうまちづくりの視点の方向として、私は、首長なり市の中枢幹部の意向、意見の意思決定というものが非常に大きなウエートを占めていくんだろうというように思っています。
私がこの議席をいただいてから、二度三度こういう大きな行政の施策の変更が出てまいりました。つい最近は一つ出てまいりました。特に私が不満に思っていますのは、一つの問題を議会に提案し、9ヵ月も審議をさせてきたにもかかわらず、わずか1ヵ月足らずで政策変更いたしました。白紙の状態に戻りました。確かに時間もないというお話でございますが、単なる全員協議会の中での説明で終わらせてしまったということは非常に私も不満に思っていますし、いま少し議会の中で、短い時間であるにはあったんでしょうけれども、それなりの議会での審議をする機会を与えてほしかったなと思っています。そういう点からいきますと、大変議会を軽く見ていたんじゃないかなというふうに苦言を呈しておきます。その辺について市長の御答弁をいただければありがたい。
もう一つは、なぜこんなことを申し上げるかといいますと、各種の陳情の団体の中のある団体の一部の人が、役所に来てこういうことを言っているんです。私たち市民の言い分は、小澤市長や行政が言っている理論よりも正しかったんだと、だから行政は今回方向転換をしたんだと、おれたちの理論は勝ったんだという言い方を私たちの前で言っている。こういうことを言っているんです。これは議会の中で絶対言わせてはいかんというふうに私個人としては思っていますけれども、そういうことを陳情の中で平然と言ってくるようなケースが出てきているわけです。だから、市が進めていこうとする、あるいは市長が進めていこうとする姿勢の中に対する非常に大きなハレーションが起きていると私は思っています。そういう意味合いで、今後、30年、50年先を見通したしっかりとした小田原のまちをつくっていきたい。ましてや市長はここを「歴史の踊り場」としていきたいということをはっきり言っていますので、そういった意味合いでは、市長はじめ中枢部の毅然とした態度を私は見せていただきたいと思っているんですが、改めて市長なり関係部署の皆さん方にその辺の心構えをお聞きしたいと思っています。
それからもう一点は、9ヵ月一生懸命やってきた職員の皆さんに、担当部署の部課長はどういう説明をして納得させたんですか。9ヵ月の間、それほど汗をかいてきた職員に私はお聞きしたところ、何らそれらしき私が納得できるような返事はもらっていません。そういうような意味からいくと、職員は一生懸命汗をかいて情熱を持って仕事をせいと言っているにもかかわらず、そういうことをやったということは、ちょっと説明不足の点もありますので、心残りがありますので、それを含めて2点ほど、市長と担当部署からお答えをいただきたいと思います。
あとは関連で6番加藤議員が行います。
○市長【小澤良明君】 粋誠会・26番小林議員の再質問にお答えをいたします。
具体的な件名を挙げられませんが、老欅荘の問題についての御指摘だと思います。この件につきましては、ただいま御指摘にもございましたように、過日、議会の全員協議会の場で理由につきましてはるるお話をさせていただきました。当初、御議決をいただいた方向と全く逆の方向で、逆というと語弊がありますけれども、違う方向でお願いをした。予算も減額修正をこの補正議会でお願いをした、そんなようなことでございまして、まずそのことにつきまして、改めて市議会の皆様方におわびを申し上げたいと思います。そのときの全協でもおわびをさせていただきました。また、その理由につきましても、いろいろと細かい立ち入った内容につきましてもお話をさせていただきました。1ヵ月足らずで政策判断を変えたということでなくて、数ヵ月前後いろいろとございまして、そうしたさまざまな情報あるいは接触等に伴いまして、小田原市政全体の対応を誤ってはならないという判断で、そのさまざまな接触や連絡等につきまして一つ一つチェックをしたり確認をしたりいたしまして、それに時間を費やされたということでございます。その間に、右に行くあるいは左に行く、変更があった場合の対応は、すべて行政としては水面下で対応を図っておりました。そこで、転換した後の対応はすぐにこの新年度予算でお願いできる方向になったということでございます。その方向転換の理由といたしましては、当初よりお願いをいたしました方向性に対しまして、御遺族とはっきり言わせていただきますけれども、御遺族をはじめとする関係者の皆様の御意向をもとにして、松永記念館のあの上の段の老欅荘周辺のことにつきまして対応を図っていたところでございますが、その一番もとになっておりました条件が大きく変わったということにございます。別に、いろいろな団体・組織あるいは個人の方の御意見がいろいろかまびすしくあったから、市や市長の意見が変わったということでは全くございません。これは記者会見のときにも声を大にして言わせていただきました。ただ、残念ですが、報道の一部にはそういう意味のとらえ方もあったようには思っております。私は、そういうことではなくて、当初の老欅荘周辺を保存しようとした一番きっかけとなる基盤となる考え方、条件が、いろいろ検討していた過程の中で大きく変わった。変わったために、もう一度再検討してああいう形にさせていただいた、端的に言えばそういうことでございまして、その辺は誤解のないようにお願いをしたいと思います。全協の場でもそのことはお話ししたつもりでございます。議会の皆様方にお願いをして、途中で方向転換した。私も8年足らず市政を担当させていただきましたけれども、従来からこういうことはあまりというかほとんどなかったと思います。そういう特殊な事情下にあった特殊な件であったというふうにお認めいただきまして、議会軽視というようなことでは一切ございませんので、その辺はお許しをいただきたいと思います。
それから汗をかいた職員へどう説明したかというお話でございますが、これにつきましては、長い経過の中ですからいろいろなことがございまして、いろいろな方々から、特に日本の社会を動かすような有力な方々等からもこの問題につきまして関与がございました。そうしたことを受けまして、この関係者を挙げていろんな対応に取り組んだわけでございます。ですから、この転換一つにおきましても、一つ一つおろそかにやったわけではございませんので、職員みんな一人ひとりが汗をかいて、上も下も私自身も一生懸命対応いたしました。そんなことでございますので、だれがどうということでなくて、こういうことになったということで、それは職場の毎日毎日の仕事の中で、上司として御苦労さんと言うことは当然あったと信じておりますし、そういうことでお許しをいただけたらというふうに思うところでございます。いずれにいたしましても、一たん改めて、現在のような形で老欅荘の保存・整備をこの議会にお願いいたしておりますので、その保存・整備に万全を尽くして、電力王あるいは茶人として高名な松永安左エ門翁の事績をしっかりと小田原市としても顕彰してまいりたいというふうに思います。また、板橋かいわいの交流の拠点施設として整備をしてまいりたいと思っておりますので、この件につきましては、いろいろと議会の皆様方のお気持ちもよくわかっております。申しわけなく思いながらも、お認めをいただきますようお願いを申し上げまして、答弁とさせていたします。
○生涯学習部長【柏木秀太君】 このたびの件につきましては、職員は組織の決定に従って本当に一生懸命頑張ってくれたというふうに思っております。私といたしましても、職員に対して非常に心苦しく思っているところでございますけれども、職員に対しましては、このような体験を今後の糧として頑張ってほしいというようなお話をさせていただきました。今回の件に関しましては、二重になりますけれども、非常に職員に対しても心苦しいというふうに思っております。
以上でございます。
○26番【小林俊夫君】 市長並びに担当部長から御答弁がございました。私も基本的には理解をしているんです。ただ手順として、そういう手順の運び方が私たちとしては不満があったということでございます。
もう一つは、そういう陳情団体から、そういうことをこの役所の中で陳情に来た席上で堂々と言われては私たちもたまりませんので、今後とも、そういう意味からいけば、やはり行政サイドとしてはきちっとした姿勢で、政策的に変わることは何ら私らも違和感を持っておりませんので、それだけの話をきちっとしていただければありがたいなというふうに思っています。
あと関連で、6番加藤議員の方からあります。
○6番【加藤仁司君】 粋誠会・小林代表の代表質問に関連しまして、私の方から若干質問させていただきます。
今、市長の理念と、またそれに対する施策について再質問もあったわけですけれども、私は、その中の教育、学校教育においてこれから行われる施策、そしてまた既に行われている施策について、市長の理念がかみ合うのか否か、これについて若干の質問をいたします。
市長は本年度施政方針の中で、特に、未来を担う子供が、この地に大切にはぐくまれてきた文化をしっかりと身につけ、人を敬う心と人から信頼される資質を備え、豊かな創造力とたくましさを持った子供たちを育ていく必要があると述べております。確かに市長の言うとおり、子供たちが人を敬う心と人から信頼される資質を備え、豊かな創造力とたくましさを持った子供たちを育てていく必要があるとは、我々大人に向けられた厳しい言葉と受け取ります。すなわち、我々大人は、子供のためにそのような環境をつくっていく責務と努力をすべきだと言われていると解釈をいたします。そこで、大変細かいことですが、2例を挙げて市長の御所見を伺います。
今年度当初予算には、小学校1校に生ごみ処理機が導入されると伺っております。飽食の時代と言われて久しい我が国ですが、給食の残滓及び残飯は以前は家畜等にも使われていたようですが、今は焼却処分を行っており、かねてからその処分方法について議論がありました。焼却するより堆肥化をして役立てよう、このことは正論であります。調理時に出る残滓の処理は、環境問題とリンクしてリサイクルしていく、それはそれでいいでしょう。しかし、問題は、以前から給食は、決してただ単に食事をするだけではなく、教育的効果がある、いわゆる教育の一環としてとらえるとの答弁があったと記憶しております。この給食の残飯を生ごみ処理機で処分することは、本当に環境問題を考える子供を育てるのか、甚だ疑問であります。給食の素材をつくる方々、調理をする方々、栄養士など、皆さんの苦労があって初めて口に入るというありがたい食べ物、それが給食なのではないですか。残すという行為は、体調のいかんは別として、子供の甘えの一つであるとも思います。多くの人々が携わり、そして世界には多くの人々が飢えている現状をもっと強烈に子供たちに教え、少しでも、それでも給食が残せるのかと疑問を与えていかなければならないと思うものであります。まず残飯ありきの施策に対しての疑問を投げかけます。
次に、小学校におけるトイレ清掃の実態であります。私が初当選させていただいて、最初の一般質問で、当時、他市では学校トイレ清掃は業者あるいは用務員がしている、そこで本市の実態と考えについて伺いました。その中で当時の中村教育長は、中学校では全学校がトイレ清掃を生徒が行い、小学校では児童や用務員が行っている、業者に委託するつもりはないと答弁されました。しかしながら、最近の実態を調べますと、中学校では前回同様に全学校がトイレ清掃を生徒が行っておりますが、小学校では8校が児童による清掃、それも便器のある面以外の手洗い場の清掃を行っているようであります。すなわち、ほとんどの学校が用務員あるいは業者が行っているのであります。物ではあるけれども、自分が日常お世話になっているものへの感謝の念や、美化意識の高揚を少しでも与えられる環境を、学校みずからが業者委託や用務員にその業をさせ、使用する児童は使いっ放し、果たしてそれでよいのでしょうか。
以上、二つの事例ではありますが、市長が言われる、子供たちが人を敬う心と人から信頼される資質を備え、豊かな創造力とたくましさを持った子供たちは、このような施策、すなわち、残飯ありき、業者ありきの中ではぐくまれると確信されているのか。理念はあっても実行される施策がそれに伴わなければ意味がないと思います。少なくとも、事例を挙げた2例、給食は残さず食べなさい、トイレ清掃は児童が行う、このことは以前はどこの学校も行っていたことです。いつの時代からか、時代の流れで変わったかもしれませんが、これらの施策は、市長のさきにも述べた理念に沿ったものなのか、あるいはかけ離れたものなのか、お伺いをいたします。
もう一点、広域行政に絡みまして、先日の県議会の代表質問で岡崎洋知事が、市町村合併推進についての要綱の策定をしない考えを表明したということであります。先ほどの小林代表の質問の中で、合併問題についてはこれからいろいろと積極的に考えるという市長の答弁もあったわけですけれども、この岡崎知事の発言に対して市長はどのように考えられているか。
この2点についてお伺いいたしたいと思います。
○市長【小澤良明君】 6番加藤議員の粋誠会の代表質問に対しましての関連質問にお答えいたします。
私が施政方針で述べていることと、実際に教育委員会、学校現場でやっていることが違うのではないかというお話でございます。給食の残滓の問題でございますが、数年前、私が市長になりましてすぐ、小学校、中学校へ行きまして、一緒に子供たちと給食を食べました。そのときにいろいろ子供たちと話をしたり何かしまして、残食率の多さと、給食時間の短さだとか、あるいは女性ですとやせたいから食べないんだとか、そういうさまざまな理由で食べないわけです。そういうことだとか、いろいろ勉強いたしました。それでも残食率が多い、特に中学校の残食率があまりにも多いということで、教育委員会にお願いをいたしまして、関係者、学校の先生や栄養士さんだとかPTAのお母さんたちだとかいろいろ入っていただきまして、給食の現状の是非について検討会をしていただきました。一、二年かけて、給食問題について、特に残食の問題についていろいろと御検討いただいたわけでございます。その結果、こうしようああしようというようなことがいろいろあって、それにはなかなかできにくいことも実際ございましたり、できるところからできるようにやろうということで、教育委員会も努力をしていただきまして、残食率も相当減ってきております。そういう中で、子供たちに対する今お話しのような食べるということ、食の大切さ等々につきまして教育もしていただいてきた、そんなふうに受けとめております。ただ、そういう中でも実際に出てしまう残食を堆肥化するということ、環境問題という視点でとらえる、そういうことと別にそんなに反しないのではなかろうか。もっと言わせていただきますと、現況は現況であって、その現況を直すという努力と、それから現況の中で出てきている現象に対応することによって、それをまた一つの環境教育の材料とするということ、それはそれで私はいいのではないかと思います。ただ、理想というか、突き詰めると6番加藤議員のおっしゃるとおりだと思っておりますので、こうしたことについては、今、教育長さん以下やりとりは聞いていらっしゃるでしょうから、今後のことの中に生かしていただけたらと思います。
それからトイレの掃除なんかもおっしゃるとおりでございますが、児童のできる範囲で、可能な部分についての取り組みをしていただいているということです。食べることや、自分たちの使ったものの後始末、清掃は、学校はもちろんですが、家庭のしつけということにつきましても重要な部分を占めるものでありまして、人間として学ぶべき基本と認識しております。子供たちが人として生きていく上で必要な規範は学校に任せておけばよいということではなくて、いろいろな場面で親や地域社会の人々の責任で教えていく必要があるというふうに考えております。そこで、教育という問題を市民社会全体の中でも今年度から大きな柱として取り上げて取り組んでいただこうと、そんなことも考えておりまして、じっくりと時間をかけて取り組んでいくべき課題であろうというふうに考えております。そういう意味で、教育委員会の取り組みと私の理念とはかけ離れていないというふうに思っているところでございます。御理解をいただきたいと思います。
それから過日の県議会で岡崎知事が、広域合併について消極的な意見を述べられたということは私も承知しております。かねてより、国として、今の何百人の村から、あるいは横浜の三百数十万人、あるいは東京都の1200万人、大変な自治体まで一緒に3300前後の自治体の中にあるということで、そこが同じ条件でいろいろと介護保険をやろうとしたり、あるいはダイオキシン対策をやろうとしたり、そういうことが不都合なのではなかろうか、だんだん当面する課題に対する対応が、一定規模以上の人口や税収がないと対応し切れない、小さいまちはどんどんおくれていってしまう、そんなことで、御承知のとおり広域合併が国の目標として定められつつあるわけでございます。そういう中で、平成12年、今年いっぱいに都道府県が、自治省からの事務次官通達だったと思いますけれども、神奈川県なら神奈川県はどういう広域合併の絵をかくのかということを結論を出していかなければならない、絵をかいていかなければならないことになっております。その中で、私も県の市長会の副会長をやっておりまして、知事、三副知事あるいは県の市長会の正・副会長、役員同士で話し合いをしょっちゅう持つわけですが、この問題でも、小田原あるいは2市8町は違いますと。知事さんの消極的な姿勢に関して、違いますと。ここは、今年で30年の広域市町村圏協議会の経験を持った土地なんです。ですからこの広域市町村圏協議会も、明確には言いませんけれども、それぞれいつかは一緒になろう、いつかは一緒になるべき地域だと、そういう思いで30年前に、当時の中井市長さんが皆さんに声をかけて、1市8町に声をかけてつくった広域市町村圏協議会なんです。ですから、例えば鎌倉とか横浜とか、それぞれ自立した都市で、財政状況も非常にいい、神奈川県はほとんどそういう市町が多いわけです。合併する必要もない、小さな町でもやっていけるよ、そういうような雰囲気の中で、岡崎知事も、各自治体の雰囲気をつかんでそういうことを言っていらっしゃるんだと思いますが、私としてはさまざまな場所で、この2市8町は違うんですよということは言い続けております。それと同時に、国として都道府県に、それぞれの圏域がどういう姿で将来あるべきなのかを問われているのに、神奈川県が広域的なあるいは長期的なエリアがこうであるべきだということを何も出せない、出す必要がないということは私は間違いであるというふうに思っておりますし、知事さんには直接言いませんが、副知事さんや部長さん等には言っております。そういうことでいつまでもいると都道府県の存在意味がなくなりますよ、広域的な長期的なしっかりとした、国の将来をおもんぱかった上での理念、哲学というものを持っていただかないと、都道府県は要らなくなってしまいますよということは言ってあります。私どもとしては、そういう長い歴史のもとに進んできたわけでありますから、一挙に合併とか、一挙にあっちとこっちが一緒になるとかという話でなくても、広域交流やさまざまな連携を積み重ねてきたわけでございますから、そうした延長線上で、これから特に国の動向も見ながら、他の1市8町の皆さんと連携をとりながら、心を合わせながら、あるいは市民社会の対応、市民の皆さんがどうこの問題をお考えになるのか、こうしたことも把握しながら対応してまいりたいと思っております。知事さんに、この地域に限っては積極的にこの問題に取り組んでいただきたい、多少泥をかぶってもやっていただきたいと、こう思っているところであります。
○6番【加藤仁司君】 時間もあまりありません。
2番目の広域行政に関する質問での市長の本当に積極的な姿勢に大変敬意を表したいと思います。また、1番目の部分で、市長の理念とはかけ離れたものではないという御答弁でありました。その中に、やはりこの部分については家庭のしつけが大事という表現もありました。確かにそう思います。地域、家庭、学校、この三位一体になった教育に取り組む、このことはいいんですけれども、これはどこの分野、ここはどこの分野のものだよということで、前から三位一体の話は出ているんですけれども、結局、どこかがやるものだということで責任を転嫁してしまう部分もあります。これから大事なのは、とにかくできるところがやっていく、これしかないんじゃないか。特に、こういう理念を持つものは、例えば家庭は自分たち個人個人の家庭の方針がある、また地域は地域の事情があるということで、やはり行政といいますか、学校自体が統一的ないろいろな見解を持ちながら、その姿勢に従って、子供たちの日々の生活に対していろいろな指導ができるのではなかろうかと思いますので、ぜひとも小田原市の教育委員会がこれから確固たる信念を持って、いろいろな方針を現場の方に指導しながら、また私どもも常に感じているんですけれども、教育委員会に対しても、教育委員会も各学校の実態を十分に日ごろから把握していただきたいというようにお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。