平成12年6月議会一般質問

2000年06月01日

質問要旨(H12-06)

1 3期目の当選を果たした市長の市政への抱負について

(1) 「健康と教育」をまちづくりの柱とする市長の具体的施策とは何か

(2) 「ビジョン21おだわら」の実施計画見直しについて

(3) 市民参加と各種審議会・協議会について

2 川東地区(主に東部丘陵・橘地域)における将来像について

(1) 都市計画道路小田原中井線の進捗について

(2) 羽根尾工業団地と上町まちづくりについて

(3) 道路交通網の体系的整備について

○6番【加藤仁司君】        通告による質問に入ります前に、申し述べたいことが二つあります。

はじめに、去る6月16日、皇太后陛下におかせられましては、まさに激動の時代を昭和天皇の妃として誠心誠意お尽くしになられ、そのおやさしいほほ笑みに国民も大きな励みをいただいておりましたが、御容体が急変され、崩御あらせられましたことを、国民の一人として哀悼の意を表しますとともに、謹んで御冥福をお祈り申し上げます。

また、もう一つは、この5月21日に挙行されました小田原市長選挙におきまして、得票総数5万2356票を獲得し、3期目の御当選を果たされました小澤良明市長に心からお祝い申し上げますとともに、今後4年間の市政運営にその情熱を傾けられ、多くの市民からの信託にこたえるべく、リーダーシップを遺憾なく発揮されますことを念願し、御期待申し上げる次第です。おめでとうございました。

さて、このたび通告しました第1の質問は、今回の市長選挙において3期目の御当選を果たされた市長の政治姿勢、抱負を伺うものであります。今回の選挙は、選挙直前まで事前に出馬が噂された候補者もなく、無風かと思われたところ、地方情報紙をごらんになられた方はおわかりかと思いますが、「みんなの市長をつくる会」という団体が市長候補者を公募するという記事が掲載されました。そして、その後、公募にはだれ一人として応募がなく、その会の代表者が結局出馬されたようであります。このことは、結果的に代表者は責任をとった形での出馬に思えてなりません。それも、選挙告示の実に19日前の出馬表明というありさまであります。市長は初めての選挙で、これは大激戦と言われるくらいすさまじい選挙戦の後に初当選を果たされ、2期目は対政党選挙でありました。政治家はみずからの信念のもと、特に首長選挙においては市政のかじ取り役として、それこそ日々市民生活向上のために粉骨砕身、気の休まることなく政務に励まれる大変な仕事であります。機会均等、被選挙権の行使に何ら問題を投げかけるつもりは毛頭ありませんが、前述したような形で出馬された候補者との選挙を振り返り、市長の率直な御感想をお示しいただきたいと存じます。そして、3期目を迎えた今日、来年はいよいよ21世紀という節目の年でもあり、本市のリーダーとしてその重責を担う小澤市長の今後の市政に対する抱負、所信の一端を伺いたく存じます。

次に、今年度施政方針の中で市長は、人づくりはまちづくり、まちづくりは人づくり、人づくりのための柱は「健康と教育」であると市政の重要なテーマとして掲げ、取り組む決意をされております。この理念につきましては、さきの3月定例会でも各会派より代表質問もされてきましたが、その後、市長選挙を経て、直接多くの市民に訴え続けてこられたこのテーマに託す思いは何か、また、「健康と教育」は3月の答弁の中でも、予算規模云々の施策ではないとのことであるようですが、では具体的には何をされるおつもりか、お伺いいたします。

次に、「ビジョン21おだわら」の実施計画見直しについて伺います。平成10年4月に策定された「ビジョン21おだわら」は、平成10年度から平成22年度までの13年間の基本構想と、その基本構想を実現するための施策の方向を定める基本計画は、社会経済情勢の変化に対応するため、前期・後期に分けられ策定されました。また、実施計画は、基本計画で定めた施策の具体的事業化、優先的事業を明示し、毎年度の予算編成、事業実施の指針となっております。この実施計画は、社会経済情勢の変化などに柔軟に対応するため、3年から4年ごとに再編成されることとなっており、本年度はこの見直しの年となっておりますが、財政収支をはじめどのような観点に立って見直しをされるおつもりなのか、また、見直す具体的内容、追加項目等検討されている事項があればお示しいただきたいと存じます。

次に、この「ビジョン21おだわら」の基本構想では、基本構想の目標年次である平成22年度の想定人口をおおむね23万人としております。現在の本市の人口の推移を見ますと、果たして平成22年度までに想定人口の増が図れるのか疑問に感じるところですが、見込みがあるのか否か、お伺いいたします。

続いて、先週の6月20日に県より発表された県合同庁舎移転計画について若干お伺いいたします。去る6月21日の新聞に掲載された県合同庁舎移転計画は、株式会社報徳の土地約1万3000平方メートルを県が買い上げ、リース方式にて新庁舎を建設する計画と伺っております。市役所庁舎に隣接する場所へ県合同庁舎が建設されることに対して市長はどのように思われるのか、御所見を伺います。

また、平成5年3月に策定された小田原市行政拠点地区整備構想は、行政拠点地区に位置づけられる荻窪地区への合同庁舎移転で、今後どのような展開をされるのか、お尋ねをいたします。

さらに、平成10年に工芸技術センターとの等価交換により県所有地となったコーレー跡地については、以前、合同庁舎建設予定と伺っておりましたが、このたびの合同庁舎移転によりどのような利用がなされるのか、県からの情報があるのか否か、お示しいただきたく存じます。

また、現在の合同庁舎は、近年、耐震診断及び耐震補強工事が実施されたようですが、その後はどうなるのか、あわせて合同庁舎に集約される予定の施設の移転後の土地利用はどのようになるのでしょうか、お尋ねをいたします。

この関係の最後の質問として、「ビジョン21おだわら」の前期基本計画、レインボープロジェクトに位置づけられている三の丸地区公有地化事業について伺います。平成4年に小田原市民会館整備検討委員会からの小田原市民会館整備に関する調査報告書によると、建設用地の最適地は工芸技術センター跡地等(約3200平方メートル)、日本火災海上保険株式会社周辺地(約2800平方メートル)、小田原市消防中央分署周辺地(約5400平方メートル)、民地等(約1300平方メートル)の4街区であるとしております。このたびの合同庁舎移転計画、そして1年後の警察署の移転計画が進められますが、調査報告書のとおり、当初の公有地化と施設内容を踏襲されるのか、市長の御所見を伺います。

3項目目の市民参加と各種審議会・協議会等について伺います。我が国の住民参加の契機は、昭和35年から45年にかけて、いわゆる高度成長期に伴う公害問題、環境問題の多発による多種多様な抵抗、阻止、抗議などの反対運動に代表される住民運動が社会問題化されることにより、行政介入を促し、何らかの形で政策にかかわり、時には行政当局と直接的な交渉を持つなど、住民の権利意識の高揚が図られ、参加への意識も同時にはぐくまれてまいりました。また、今までの阻止、反対型の住民運動とともに、都市的生活様式の進展に伴い、福祉施策の充実要求や公共施設の整備要求などの要求型の住民運動の頻発など、各種の住民運動は、行政の態度や姿勢への批判、施策の変更、行政にみずからの立場を反

映させようとするものであったりと、対行政の色彩が濃い運動が目立ち始めるようになり、行政も、今までのように住民運動の事後を追い対症療法的な対応をするのではなく、積極的に住民の意向を把握し、理解と協力を得るための住民参加が展開されるようになりました。この住民参加も多様な形態があり、情報の提供である広報活動、モニター設置、対話集会などの公聴活動、説明会の実施、直接請求制度、住民監査請求、そして審議会・調査会等への参加などが挙げられます。本市における市民参加の形態は、御承知のとおり「市民と市長とのほっと懇談会」「地区懇談会」「市長への手紙」「市政モニター制度」「ホームページの開設」などの公聴活動をはじめ、各所管での説明会、推進協議会の設置とともに、平成8年6月には「ビジョン21おだわら」計画策定に際して「まちづくり提案箱」の設置や市民3000人を対象としたアンケート調査、また、この「ビジョン21おだわら」基本計画素案の策定には、市民と市職員との共同作業というプロセスを取り入れた「総合計画市民百人委員会」が設置されるとともに、基本計画素案概要の全世帯配布、「総合計画市民の集い」を開催するなど、良否、賛否は別にして、市民参加の推進を前面に打ち出した小澤市長の姿勢が随所に見られ、最近では福祉、環境、教育などのボランティアの充実にも積極的な取り組みがなされております。そこでお尋ねいたします。市民参加の一つの形態として、審議会・協議会なども市民参加という観点でとらえると、その必要性は何か。あわせて、現在、法令による審議会・協議会はどのくらいあるのか、市の条例また要綱に基づく審議会・協議会はどれくらいあるのか、お示しをいただきたく存じます。

さて、平成8年度から平成12年度を目標年次とした「小田原市行政改革大綱」は、本年度新たに行政改革市民会議を設置し、大綱の見直しを図る時期であると同時に、本年4月に施行された地方分権一括法では必置規制の見直しが図られることとなっております。そこで、この6月定例会初日には、特例市の指定に係る申し出を全会一致をもって議決され、本年中の特例市移行を目指す本市において、前述した行政改革、地方分権の見地に立たれた上で、現状の審議会・協議会の見直しを図る予定はあるのか、お伺いをいたします。

次に、川東地区、主に東部丘陵・橘地域における将来像についてお伺いいたします。はじめに、都市計画道路小田原中井線の進捗についてでありますが、既にその必要性については議会で何度もお伝えしておりますので省略をいたします。ただ、当地区も、工業団地造成に伴う市道工事及び現県道松田羽根尾線周辺の平成11年度から順次整備している下水道整備工事等により、今後、渋滞や通行障害が逐次発生するものと見られ、地区住民の生活に大きな影響を及ぼすものと推察される状況にあります。先般、地元の下中小学校におきましては交通安全対策協議会が開催され、児童の通学路の危険箇所について、さまざまな御意見をいただきました。さまざまな事業がふくそうする地域ではありますが、一刻も早い整備が急がれる都市計画道路小田原中井線の進捗は現在どのようになっているのか、お伺いをいたします。

次に、羽根尾工業団地と上町まちづくりについて伺います。羽根尾工業団地 (西湘テクノパーク) も、平成12年度の造成工事終了に向けて現在進展中であることは承知しているところでございます。平成11年5月からは、市道5061拡幅工事も始まり、今後、順調な推移を望むところです。本市も、平成10年度より企業誘致担当部門を設け、全力を挙げた取り組みを推進されており、あわせて神奈川県企業誘致促進協議会や日本立地センター等が主催する産業用地の斡旋会に積極参加されていたり、インターネットを利用しての企業誘致に努められているとのことですが、今までの議会の中では、進出企業が数社あり、また数年後には進出したいという企業、あるいは問い合わせのある企業も何社かあり、これらの企業の誘致に鋭意努力されていると答弁がなされております。この工業団地整備は、当地域にとっても最初は戸惑いもありましたが、税収、今後の地域活性化、雇用機会の面でも、また産住ハーモニー構想の位置づけとして上町まちづくりを行う上で非常に重要な施策であると私は思います。そこで再度、市長の企業誘致にかける意気込みをこの際お聞かせいただきたいと思います。また、上町まちづくりはどのように進められる方向なのか、お示しいただきたいと存じます。

さらに、当工業団地整備による企業進出が図られるとともに、今後、早期に整備されるであろう地域センター予定地でもあるコミュニティゾーンへの交通の利便性は、現在整備中の市道5061、洞橋架け替え、市道5067だけでは不十分ではないかと推察いたします。多くの地域住民が利用するコミュニティゾーンへの利便性からも、幾つかの道路アクセスの必要があると思いますが、いかがでしょうか。御所見をお伺いいたします。

最後に、川東地区の道路交通網の体系的整備についてお伺いします。川東地区の目覚ましい発展は、近年の産業構造の変化、モータリゼーションの進展、新興住宅地の増加、消費者動向による新たな商業圏の形成など、さまざまな要因によってもたらされております。しかしながら、それぞれの施設の充実、住宅の増加、商業圏の形成等は、新たに交通面の整備への不満が大きいことも事実であります。そのような中、本年9月には中里地区にロビンソン百貨店がオープンされることとなり、着々と工事が進められているようですが、大規模百貨店の進出による交通量の増大は、当地区だけでなく、周辺地域の市民生活に大きな影響を与えると思います。そこで、道路体系の整備が望まれるところですが、現在、川東地域に展開している、あるいは計画されている道路事業の進捗はどのようになっているのか、お示しいただきたく存じます。

さらに、国府津親木橋周辺及び県道松田国府津線は、穴部国府津線、県道沼田国府津線、順礼街道等各道路の起点でもありますが、森戸川の西側に位置される東海道、御殿場線が存在するとの関係から、東側に抜ける道路も十分な整備がなされていない状況であります。現在でも渋滞が著しい当地区の渋滞解消策として、順礼街道の延伸、あるいは新規に国府津駅北側に通じる道路整備が、21世紀の交通体系上、取り組むべき課題であると思いますが、市長の御所見をお聞かせいただきますようお尋ねいたしまして、第1回目の質問を終わらせていただきます。(拍手)

○議長【二見健一君】        市長、登壇願います。

〔市長(小澤良明君)登壇〕

○市長【小澤良明君】        6番加藤議員の御質問に順次お答えをさせていただきますが、冒頭、6番加藤議員の方から、私の3選の当選につきまして御激励をちょうだいいたしました。先ほども5番武松議員のお言葉にもお答えをさせていただきましたように、最初に当選させていただきましたときの初心を忘れずに、これから新しい時代、まだまだ厳しい環境にあるというふうに覚悟いたしておりますが、議会の皆様方や市民の皆様方のお力を得まして、誠心誠意努めてまいりたいというふうに思っております。よろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。

さて、6番加藤議員の御質問に順次お答えをさせていただきます。最初に、私が3期目の挑戦をさせていただきました過日の小田原市長選挙に関して、幾つか具体的な御質問がございました。まず、「みんなの市長をつくる会」なる共産党系と思われます団体が、某ミニコミ紙を通じて、何回か市長選の立候補者の公募をした。言いかえれば、現職であります私の対立候補の公募をされたわけでありますが、結果的に、市民の中でだれ一人応募する者がなくて、その団体の代表幹事だそうでありますが、女性の方が出られたことに関しての御質問がございました。まず、この経緯につきましては、最初から御本人が出られる予定で、選挙作戦上からこういうことを仕組まれ、それがたまたまミニコミ紙に掲載をされたものなのか、あるいはまた、広告として多額の経費、広告料だと思いますが、これを使って選挙戦術上こういうことを仕組まれたのか、資金カンパも強力にされていたようでもありますが、人様のことなので、私にはよくわかりません。ただ、そのミニコミ紙を見られた市民の方々の中には、あんなやり方は選挙違反ではないのか、あからさまな事前運動ではないのか、あるいは選挙違反まがいのふまじめな行為ではないのかなどという率直な疑問があったらしいということは耳にいたしております。結果的に、あの公募広告に市民のだれ一人応ぜずに、「みんなの市長をつくる会」なる共産党系と思われる団体の代表幹事の方が出馬されたことの是非について私の感想を述べよとのことでありますが、先ほども申し上げましたとおり、このことがもともと意図的に仕組まれたことなのか、あるいは出ざるを得ないはめに追い込まれた結果なのか、あるいは他の何かがあったのか、私には皆目見当もつきませんので、そのことの是非を論評することは差し控えさせていただきます。

しかし、私としては、あのミニコミ紙での市長候補公募広告の中で、議員諸兄はもとよりでありますが、多くの市民の方々がさまざまに関与をされまして、その努力の結果として推進をされております市政について、その幾つかをただ一方的に特殊な考え方、もともと否定的というか、そういう見方から一面だけを言い立てるかのごときの表現や方法で批判あるいは中傷まがいの主張を繰り返され、それも何回か仕掛けられたということは、市民の皆様に何らかの誤解を与え、結果的に各方面にも多大な御迷惑をおかけしたこともあったのではなかろうかと大変遺憾に思っているところであります。それだけに、選挙戦も大きな影響を受けたことと思います。ただ、ああした非常に残念な、あまり見よくもないと多くの市民の方がおっしゃっていられます選挙戦術をとらざるを得なかったのでありましょうあの「みんなの市長をつくる会」なる共産党系と思われる団体、そしてあの候補者の方に、私としては、ただお気の毒だなとしか率直に言って思いませんでした。お気の毒だと、それ以上でもそれ以下でもございません。

私は現職の候補者ですから、結果責任を問われます。また、あるときは批判も、あるいはゆえなき中傷や誹謗を受けることもあります。市民の一部には、時に、そうした巧みで、あるいは一方的で特別な意図を持った誹謗中傷のたぐいに惑わされる方も一般論としていらっしゃるかもしれません。しかし、厳しい、そして公正な市民の目は、しっかりと私の主張、そして実績を選択されました。どういう戦術をとろうとも、どういう言い方をされようとも、何が正しいかは市民の方々はわかってくださっているのです。私といたしましては、ふまじめと市民の一部から批判もございましたあの広告により受けた影響を払拭するためにも、与えられました3期目の任期を、市民の皆様からの大いなる負託にこたえまして、ひたすら誠実に着実に務めてまいりたいと考えております。

厳しい諸情勢の中で、新しい世紀はまさに指呼の間にありまして、課題は山積いたしております。議会並びに市民の皆様におかれましても、全力投球で市政の進展に邁進いたします私に、なお一層の御理解と御支援を心よりお願いを申し上げまして、最初の御質問に対しましての答弁とさせていただきます。

次に、3期目の市長職に臨む私の抱負についてのお尋ねもいただきました。私は、今回の選挙戦を通じて、小田原市を「まちが輝く」「ひとが輝く」「ときが輝く」舞台としていくために、「ビジョン21おだわら」の着実な推進を図ること、そしてまちづくりの基本は人づくりにあり、「健康と教育」に力を注いでいくこと、さらに、地方分権への対応や市民参加の推進についても訴えてまいりました。「ビジョン21おだわら」につきましては、3年目に入りまして、着実に成果を上げつつあるわけでありますが、まちづくりの大きなテーマである交流を促すために、「まちの活力とにぎわいを生み出す」「自然環境を守り育てる」「文化・芸術を楽しむ」「子育てを支援する」など、市民や来訪者に多様な選択肢を用意するレインボープロジェクトの一層の推進を図りまして、前期基本計画の実現に全力を傾注いたします。

「健康と教育」につきましては、昨今の子供たちが起こすさまざまな事件報道を見るにつけ、命の重みがわからない子供たち、心のよりどころを持たない、生きる目的をつかめない子供たちの姿に心を痛めているところでございます。もはやこれは、子供たちを取り巻く社会全体の問題であります。家庭も、学校も、地域も、行政も、ともに議論をして、明るく生き生きとした地域社会を一人ひとりの力を合わせて築き上げ、その経験の中から得られる大切なことを子供たちに伝えていかなければならないと考えております。

また、地方分権が実践の段階に入りまして、個々の自治体の力量が試される時代となってまいりました。小田原市は、今年じゅうに特例市となる予定でございます。このことは、ある意味で権限を委譲するに足る行政体制を整えた都市であることに、国がお墨つきを与えるということであります。政令市、中核市に続く第3のリーダー都市に恥じないように、職員と一丸となりまして取り組んでまいりたいと考えております。

さらに、市民の皆様の力、私は「民力」「地域力」とも申しておりますが、この「民力」をまちづくりの大きな原動力にしていく必要があると考えております。幸い本市では、これまでの市民参加の経験をもとに、さまざまな分野で市民の新しい力が育ってきております。こうしたまちづくりを担う市民セクターの活動を支援する環境を整え、小田原のさらなる発展を期してまいりたいと考えております。

以上、私の3期目の抱負、所信の一端を申し述べさせていただきましたが、引き続き市議会をはじめ市民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと存じます。

次に、新しいまちづくりの柱である「健康と教育」について、具体的施策をお尋ねでございました。本年度予算におきまして、具体的施策の第一弾といたしまして、「健康」につきましては、小児医療費助成事業経費の拡大、ゼロ歳児まで医療無料化でございましたけれども、3歳未満児までと間もなくさせていただきたいと思っております。それと、小児深夜救急医療事業費負担金等。また、「教育」につきましては、(仮称)学校教育懇話会開催経費、学校評議員制度支援事業費、総合的な学習時間推進委託事業費、広報おだわら教育委員会特集号製作費等々いろいろとございましたけれども、新規に計上いたしまして、その内容を充実させているところであります。また、「ビジョン21おだわら」の実施計画の見直し作業の中でも、「健康と教育」につきまして、各種事務事業を見詰め直すよう、庁内各部局に指示をいたしております。さらに、「健康」につきましては、企画部と福祉健康部が連携をいたしまして、市民の健康づくりについて、包括的なプログラムを検討中でございます。「教育」についても、未来を担う子供たちの教育を創造していくため、市民の各界各層がみずから主体的に考え、行動し、情報を発信していかれるような場づくりにつきまして、企画部と教育委員会が中心となって検討を進めている最中であります。いずれにいたしましても、「健康と教育」につきましては、新しい世紀へ向けて、小田原の人づくりという大きな視点で、市民中心の新しいうねりとなっていくよう、総合的に施策を充実させてまいりたいと考えております。

次に、「ビジョン21おだわら」実施計画の見直しについての御質問がございました。御承知のとおり、新総合計画「ビジョン21おだわら」の前期基本計画は、平成10年度から16年度までの計画年度で策定されたものでありますが、実施計画については、当初の方針どおり、社会経済状況の変化に柔軟に対応するため、今年度に見直し作業を行いまして、平成13年度から16年度までの計画を策定する予定であります。地方分権という大きな流れの中で、本市は年度内の特例市移行を目指しておりまして、今まで以上に小田原の個性を生かし、市民生活の質、都市環境の質を高めていかなければなりません。実施計画の見直しに当たりましては、長引く景気低迷による市税の減収等により、計画事業費の確保が極めて厳しい状況にありまして、現行の事業がどれだけの効果をもたらしたのか評価をし、行政目的を達成するためにふさわしい事業を厳選することといたしますが、「ビジョン21おだわら」を実現するため、レインボープロジェクトを推進するとともに、今日的課題に積極的に対応できるよう、時代の要請に合った事業は充実させるなど、新世紀にふさわしい事業を立案してまいりたいと考えているところであります。

人口についての御質問でございますが、本市が県西地域の中核都市としてさらに躍進し続けるためには、さまざまな人口増加策を講ずることも必要であると考えております。そのためには、厳しい社会経済情勢の中でも、レインボープロジェクトのリーディング事業である西部丘陵整備計画の策定や西湘テクノパークへの企業の誘致など、「ビジョン21おだわら」の諸施策を推進していかなければならないと考えております。市全体の活性化を促し、人々が住んでみたいと思うような魅力あるまちづくりに努めてまいりますので、御理解とお力添えをお願いいたしたいと存じます。

次に、県の合同庁舎の移転計画についてのお尋ねがございました。市役所にほぼ隣接する場所に新合同庁舎が近い将来建設されるということは、本市の行政拠点整備の方向に合致するものでありまして、また、市内の県施設が集約されますことから、県市一体の行政サービスの提供が可能になり、市民の利便性向上が図られるものと期待をいたしているところであります。特に、防災拠点としての機能は、その切迫性が言われている県西地域での地震災害を考えるとき、県・市が連携・協調し、迅速な対応が可能となる等、防災対策が飛躍的に充実をするものと考えております。

行政拠点地区整備構想についてのお尋ねがございました。この整備構想につきましては、市内に分散しております国や県の官公庁施設を市役所周辺地区に集約し、行政機能の拡充や市民の利便性の向上を図ることを目的といたしまして策定したものでございます。「ビジョン21おだわら」の中で、市街地の整備を図るための一方策として位置づけております。今回の県合同庁舎移転計画により、本整備構想がよりよい方向で実現をされることになるわけでありまして、このことを契機に、今後とも個性豊かで魅力あるまちづくりに取り組んでいくとともに、県西地域の中核都市としてその使命を全ういたしてまいりたいと考えております。

次に、県所有のコーレー跡地、市立病院の前の土地のことでございますが、これと既存施設の移転後の建物及び土地についてお尋ねがございました。新合同庁舎の移転候補地、当初の建設予定地でありました市内久野の市立病院の前のコーレー跡地につきましては、県の方で隣接所有者その他と土地交渉を行っているように聞いておりますが、既存施設の移転後の現在の西湘地区行政センターあるいはその他の建物及び土地の利用につきましては、県からその方針をいまだ伺っておりません。

次に、 (仮称) 城下町ホール用地の公有地化と施設内容に関するお尋ねがございました。三の丸地区の公有地化につきましては、従来より庁内に専従班を設けまして鋭意努力を続けてきたところであります。こうした中で、昨年12月には県工芸技術センター跡地が取得できましたことから、今後、警察署の移転計画を踏まえまして、(仮称) 城下町ホール用地を中心に、さらに公有地化の推進を図ってまいりたいと考えているところであります。また、 (仮称) 城下町ホールの施設内容についてでありますが、「小田原市民会館整備に関する報告書」が提出されました平成4年当時と現在とでは、経済状況や周辺環境あるいは財政状況も異なっておりまして、また、市民の皆様方の文化施設に対する考え方、ニーズ等も変わってきている部分もあろうというふうに思います。こうしたことも考え、この調査報告書の施設内容につきましての再検討が必要なのではないかと考えております。そこで、現在、庁内組織であります (仮称) 城下町ホール建設検討委員会での検討のほか、有識者、市民等で構成をいたしております (仮称) 城下町ホール建設市民委員会におきまして、当時の調査報告書も参考にしながら、施設内容について検討をしていただいているところであります。

次に、審議会・協議会等の必要性についてのお尋ねがございました。お話にございましたいわゆる審議会・協議会等でございますが、本市におきましては、法律または条例に基づいて設置する「附属機関」と、要綱に基づいて設置いたします「協議会等」とに区分いたしております。附属機関につきましては、行政の民主化、公正化の観点から、地方行政への住民の意思の反映及び複雑化、多様化、専門化いたしまして、かつ広範にわたる行政需要に対応するための専門的知識や技術の導入などを目的として、昭和27年の地方自治法の一部改正によって導入された制度でありまして、また協議会等につきましては、有識者等の意見を聴取し、行政に反映させることを主たる目的として設置いたしているものでございます。いずれも、設置に至る経緯や設置の目的、あるいは今までの実績から、市政運営上における市民参加の一手段として、附属機関等の果たす役割には大変大きなものがございまして、必要不可欠なものであると考えております。

次に、附属機関等の設置状況と、行革、地方分権の見地からの附属機関等の見直しの予定についてのお尋ねがございました。まず、附属機関等の設置状況でございますが、現在、法律によるものが7機関、条例によるものが34機関、要綱によるものが27機関、合計で68機関となっております。また、見直しの問題につきましては、従前から附属機関等の合理化、効率化に努めているところでありますが、平成8年4月、市民代表の方々にも御参加をいただいて策定をいたしました「小田原市行政改革大綱」に基づきまして、平成9年4月に「附属機関及び協議会等の設置等に関する要綱」を制定いたしまして、適正な設置と円滑な運営に努めているところであります。一方、今回の地方分権一括法の施行に伴う必置規制の見直しにつきましては、地方公共団体における施策の企画・立案に際し、住民や有識者、各種団体の関係者等の意見を反映することが今まで以上に重要になるとの視点から、法令に基づいて設置する審議会等附属機関の再編、統廃合、運営の弾力化を図ることを目的とした内容となっておりますが、その方向性につきましては、先ほどお話をいたしました本市の要綱の中に既に盛り込まれておりますので、今後ともこの要綱に沿った対応に努めるとともに、国や県、さらには行政改革推進委員会や、御承知のとおり、本年度新たに設置をいたします行政改革市民会議、これの動向にも留意しながら対応してまいりたいと考えているところであります。

次に、都市計画道路小田原中井線の進捗状況についてのお尋ねがございました。小田原中井線は、神奈川県によりまして、国道1号の橘支所のところから市道0077 (中村原の小笠原医院前から沼代の桜の馬場への市道) まで、市道0077と国道1号との間を第1期事業といたしまして、現況測量が一部を除いて完了いたしております。これをもとに、道路の予備設計を行い、水路等の公共管理者と調整を重ねております。本路線は東海道本線と立体交差となりますことから、県ではJR東日本と設計協議を行うため、本年2月にボーリングによる地質調査を実施いたしました。今後は、鉄道との協議や、周辺道路、水路等の公共管理者と詳細に協議をした上で、道路の基本設計を行い、関係者の皆様に基本設計を説明いたしまして、用地測量を依頼する説明会を開催する予定とお伺いをいたしております。また、県は平成12・13年度で羽根尾工業団地内の公共施設管理者負担金を支出することとなっております。

次に、羽根尾地区工業団地への企業誘致の取り組み姿勢についてのお尋ねがございました。6番加藤議員御指摘のとおり、企業を誘致するということは、税収の確保、雇用機会の創出、さらに地域の活性化を図る上で、大変重要な施策であると考えているところであります。そこで、庁内に企業誘致担当部門を設置いたしまして、産業用地の斡旋会やホームページでもPRいたしましたり、企業を直接訪問させていただくなど、言ってみますとあらゆる手段を使って誘致に努めているところであります。御承知のとおりの厳しい経済環境でございますが、引き続き羽根尾土地区画整理組合とも緊密に連携をしながら、積極的に誘致活動を進めてまいりたい、まいらなければならないと考えております。

次に、上町まちづくりについての御質問がございました。上町地区につきましては、平成9年3月に住居系の特定保留区域に位置づけられまして、組合施行の土地区画整理事業によるまちづくりを予定いたしている地区でございます。今後の予定といたしましては、関係地権者の皆様の御意向もお聞きしながら、まちづくりについての研究を行うための組織づくりに向けまして、地域の皆様方と連携を図りながら、上町のまちづくりに取り組んでまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、まちづくりは地権者の皆様方の御理解と御協力がなくてはなし得ない、大変難しい事業でございます。引き続き努力をしてまいりたいと考えております。

次に、工業団地のコミュニティゾーンへの道路アクセスの必要性についての御質問がございました。コミュニティゾーンへの道路アクセスといたしまして、市道5061 (中村原公民館交差点から塔台川まで) 及び洞橋架け替え工事が間もなく完成いたしまして、供用開始をさせていただきます。また、上町農業ゾーンに近接する区画道路も整備をされまして、市道5067 (県道中井羽根尾線から中村原第2公園付近まで) からのアクセスが可能となりまして、今後予定されております地域センターへの進入路としては、当面この2ルートで対応していきたいと考えているところであります。いずれにいたしましても、先ほど御答弁を申し上げました小田原中井線につきましては、早期の整備に向け、県に強くお願いをしているところであります。

次に、川東地区で計画及び整備をされている道路事業の進捗についてのお尋ねがございました。まず、本市における道路網計画は、市街地への通過交通の流入を回避する役割を担う外環状道路を主要幹線道路として市街地の外郭部に位置づけております。川東地区におきましては、この外環状道路の一部であります穴部国府津線をはじめとして、国道1号、国道 255号、小田原大井線や他の都市計画道路を結びつけることによりまして道路網計画を作成いたしまして、円滑な交通が確保できますように、順次事業化を図っているところであります。続いて、事業の進捗についてでありますが、最初に穴部国府津線につきましては、総延長約 6.2キロメートルのうち、終点国府津地先から国道 255号までの約4キロメートルの区間を神奈川県事業で進めております。このうち、酒匂曽我線までの約2キロメートルの区間につきましては、平成15年度末の供用開始を目標に、この先から国道 255号までの約2キロメートルの区間につきましては平成10年度から用地買収に入っておりまして、現在、26%が用地の取得済みとなっていると伺っております。また、整備も含めた事業全体では、約48%の進捗でございます。なお、当路線と連携いたします酒匂曽我線、市の行っております事業でございますが、酒匂曽我線につきましては既に完成をいたしております。

次に、小田原大井線につきましては、総延長約 2.7キロメートルを神奈川県と本市の共同で、それぞれ区間を分担いたしまして事業を進めているところでございまして、成田桑原工業団地内における約 430メートルの本市の担当区間は御承知のとおり既に完成をいたしております。残り約 2.3キロメートルの区間につきまして、県・市それぞれ担当区間がございますが、用地買収を進めているところでありまして、現在、約50%が取得済みとなっております。

次に、国府津駅北側への新たな道路計画を策定すべきではないかとのお尋ねがございました。順礼街道方面から国府津駅北側への新たな道路計画につきましては、急峻な地形に加え、JR御殿場線との大規模な立体構造となることから、困難であると考えております。しかしながら、今後、国府津駅北側周辺では(仮称) 東部丘陵ミルキーパーク整備計画等の開発構想があることから、これら事業の進捗状況と合わせて新たな道路計画を検討していく必要があるのではなかろうかと考えております。

以上をもちまして、6番加藤議員の御質問に対しましての答弁とさせていただきます。

○6番【加藤仁司君】        1回目の質問に対しての御答弁をいただいたわけですが、再質問をさせていただきます。

まず、市長選の方については、相当な思いが市長もあられたのかなと、かなり長く御答弁をいただいたなというのが感想でございます。市民の皆さんも、今後の4年間、市長の活躍を期待していると思いますので、ぜひまた議会の者とともに議論を重ねていきたいなと、このように感想を持たさせていただきました。

今回、いろいろと質問の内容が多いものですから、一つずつやると時間がなくなりますので、ちょっとはしょっていきます。

まず、「健康と教育」ということで、具体的な施策をいろいろといただきました。特に「教育」については、「学校教育懇話会」「学校評議員制度」また「総合的な学習の時間」等がそれに当たるんだということでありますけれども、確かに今、私ども市民といいますか国民みんなが、青少年の問題について、これからどうなるのか大変心配をされておりますし、学校の教育についても、毎回議会の中でも取り上げる重要なテーマだと思っております。市民は、安心、安全、日々そうした暮らしを望んでいるんですけれども、先ほど市長から御答弁がありました議論を重ねていくというような表現、本当に何十年と同じようなことを繰り返しているのじゃないか。議論は、し尽くすことはないかもしれないですけれども、議論だけで終わっている、そんな感じがいたしております。やはりこの議論を踏まえて、方法についての議論は十分やるべきですけれども、市長が言われている「健康と教育」というのは、あくまでも心のあり方、こう持つべきだという心のあり方を示しているのではないかなと、私はそのように感じております。例えば平成14年に本格的に導入される「総合的な学習の時間」、これは平成12年に移行期間として推進されておるんですけれども、この事業のねらいとして、自己の生き方を考えることができるようにすることとあります。このことは、まさしく市長がおっしゃった「健康と教育」の趣旨と一致しているのではないか。ですから、この「健康と教育」という心のあり方を「総合的な学習の時間」に展開するという必要性があると思うんです。この「総合的な学習の時間」というのは、「健康と教育」の中の一つの事業ということですけれども、逆に「総合的な学習の時間」の中に「健康と教育」というものを知らしめる、こういったことができないのか、再質問をさせていただきたいと思います。

また、「ビジョン21おだわら」の見直しということでありますけれども、平成11年に県の「かながわ新総合計画21」も、重点プロジェクト、そしてまた地域プロジェクトが見直されたというふうに伺っております。小田原の「ビジョン21おだわら」も、県とは密接な連携、そしてまた整合性を図っているというように推察されるんですけれども、今回質問させていただいた合同庁舎の移転、これは幾つか項目を質問させてもらったんですが、市民が大いに関心を寄せていることだと思っております。それこそ小田原の顔の部分、これをどうメイクするか、重要な施策の展開が望まれるわけです。先ほどいろいろと御答弁をいただいた部分で、例えば現合同庁舎をはじめとするさまざまな県の機関が移転をされるわけですけれども、まだ県からその方針を伺っておりませんというような御答弁がありました。もう今は分権が進まれる、これからもっと小田原市と県の関係がいろいろと調整が図られるわけですけれども、結局、市は、県のものだからあそこはどういうふうになるかわかりません、これから協議しますというような部分で果たしていいのかと思うわけです。そうなると、県と整合性を図るというよりも、やはり小田原市の将来のあり方が見えるためには、例えば県の合同庁舎の跡地、先ほどの第1回目の質問でもやりましたけれども、耐震補強工事が最近施されている。しかしながら、例えばここを解体するとかいうようなことにもしもなった場合、これはむだな投資と言われかねない。このときには、県はもちろんですけれども、市長は何しているんだと、市長の姿勢を問われかねない状況になると推察します。今回の県の施設の移転は、本市のまちづくりの中でも大きな影響があると思いますので、市は早急に、統合によって移転される各施設の問題をみずからのまちづくりの中で反映できるものは強く県に主張するということが必要なんじゃないか、県の動向を伺っていないと言うだけでは済まされないと思うんですけれども、御見解を伺いたいと思います。

それから人口の見込みについては、ちょっと具体的な御答弁はいただけなかったのかなと思いますが、平成8年6月の議会で、県と都市部が調整した通称整開保と呼ばれる方針の中で、平成17年 (2005年) に22万8000人で県との調整がされているという御答弁をほかの議員の質問の中でいただいたということですけれども、今度の国勢調査の中で、20万人をもしかしたら割り込んでしまうんじゃないかと心配する声が市民にもあります。現状と、そしてまた目標となる人口の推移とはちょっとかけ離れた数字ということで、基本構想で示された目標の数字、これ自体は修正をされるのか、再度伺いたいと思います。

それから(仮称)城下町ホールの部分について、これからも公有地化を積極的に進めていくという御答弁でありましたけれども、やはり公有地化に対して相当な労力、そしてお金がこれからも必要になってくるわけです。経済状況がこれだけ逼迫している中で、先ほどの市長の答弁では、それでもやるんだという意気込みを感じたんですが、これも何回も聞いておりますけれども、再度のお尋ねは、 (仮称) 城下町ホールはやはりあの場所で建てられるおつもりか、これをもう一度伺いたいと思っております。

3番目の審議会・協議会についての御答弁をいただいたんですが、審議会の議事録とか、またメンバーの資料を幾つか取り寄せさせていただきました。この中で、どうしても、議員を含んで肩書のある人、あるいは団体の長、リーダー、会長だとかトップの人がメンバーになっているところが多い、このような感じ方をしました。このような人選の仕方ですと、どうしても同じ人が幾つかの審議会・協議会を受け持ってしまうという現実がございます。果たして、審議会の目的を果たしているかは疑問となっているんですが、また審議の内容も、選考や審査等は別にして、報告事項だけだとか、特定の内容が特にない場合でも開催しているような状況も幾つかあるような感じがいたします。市民参加の観点、また審議会の意義、これについての必要性を私は否定するものではありません。ただ、年数回開催される審議会・協議会をもっと実のある会にするためには、委員自身が、特に審議や協議される問題へ深い関心や、身近な存在のものでなければならないのではないかと思います。そこで、ちょうど観光課の方からいただいた観光おだわら魅力アップ委員会、これを資料としていただいたんですけれども、委員を三つの検討テーマ別に分けて、グループによる調査、会議等が大変熱心に行われている。ここに報告書がありますけれども、すごい量の報告書が出されております。やはり委嘱された委員は、次に協議する内容を示して、日々気になる、また場合によっては調査を事前にするとかいうことの報告書を提出させるようなことを与えていく、これがこれからの審議会に出られる委員さんに宿題といいますか、そういったことで活性化した実のある審議会になるんではないのかと思うんですけれども、御所見をいただきたいと思います。

また、二つ目の川東地区の将来像について、いろいろと御答弁をいただきました。例えば上町の方は、承知されていますとおり、本年4月には小田原市上町土地改良区設立認可が受理されて、3.14ヘクタールの土地改良事業がスタートしております。平成13年度末、すなわち平成14年3月を事業施行期間とする本事業の土地利用の計画図からも、上町の農業集約化、生産性の向上の推進を早急に図るための進入路、これがどうしても必要なのではないかと思います。先ほどの御答弁の中では、アクセスする道は市道5061、そして市道5067、この二つでいいという御答弁でありますけれども、今言った事業の展開等からすると、やはりもう一つ、そして地域センターの予定もこれからはあるということで、果たしてこの二つだけの道路でアクセスすることで本当にいいのか、いま一つの考えを示すべきじゃないかと思うんですが、もう一つの道路アクセスについて、再度御答弁をいただきたいと思います。

とりあえず、2回目としては以上です。

○市長【小澤良明君】        6番加藤議員から、何点かの再質問がございました。数点につきまして私の方からお答えをさせていただきまして、他の問題は担当の方からお答えさせていただきます。

冒頭、「健康と教育」につきまして、一つは議論を重ねていくということにつきまして、議論はもういいのではないかというような趣旨の御質問がございました。その後の「総合的な学習の時間」で生かせという問題につきましては、これは教育長の方の御答弁とさせていただきます。

まず、議論の問題でございますが、私は教育問題につきまして、確かに偉い方々、あるいは有識者の皆様方等々、あるいは教育現場の皆さん、議論は本当にされていらっしゃると思います。もう何年も、臨教審のころから現在の中教審まで、ずっとこういうようにいろいろ新たな提言がされましたり、また、それぞれ文部省を通じて学校現場へ指導がございましたりしているわけであります。しかし、現実はどうかというと、御承知のとおり、一向に直ってこないというよりも、むしろだんだん残念な形になってきていると思います。

ですから、私が議論と言っておりますのは、そうした偉い方々や高邁な議論ということ、あるいは将来をにらんで大変レベルの高い皆さん、レベルの高い議論、そういうことは当然これからも必要なんでしょうけれども、そういうことだけではもうだめなのではないか。

皆さんそれぞれおわかりのはずなのに、直ってこない部分があって、現実に子供も残念な形で推移している。ですから、おっしゃるとおり、やはり実践だと思うんです。ですから、実践に移るのには、やはりそれぞれ気がつかないというような、頭の中では皆さんわかっていらっしゃる、しかしそれぞれのお立場で、大人社会がどうしたらいいのかということを頭ではわかっていても体ではわからないというんでしょうか、ちょっと言い方が、私自身もまだまだ今後の進め方につきましてこなれていなくて、そういうわけで今内部で検討を重ねさせております。何を言いたいかといいますと、各界各層で、小田原の子供たちをどう育てるべきか、現状どうで、これからどうしたらいいのか、そういうことを議論していただく、考えていただく、その過程の中でそれぞれが御自身のことを反省していただいたり、御自分が啓発されていったりする、その中で日々の対応が違ってくる、子供たちに対する考え方、とらえ方、対応の仕方も変わってくる、そういうことを、そういう効果のあるようなことをぜひ進めていきたい、そういう議論です。ですから、なぜごみがちっとも減らないのか。基本は、私も含めて、皆さんも含めて、市民の方々がそこに落ちているごみを拾う、それができれば、自分がごみを拾えば、ごみを捨ててはいけないんじゃないかと思いますよね。そういうことが今教育の問題で一番必要なのではなかろうかと私は思っているんです。ですから、そこをどういう形で、親の立場、先生の立場、教育委員会の皆さんの立場、あるいは地域の皆さん、行政、いろいろそれぞれが重層的、ふくそう的に議論をしていくと言っているんですが、その中でそれぞれが何かを感じていただく、感じていただく中で行動に移していただく、非常に迂遠な形かもしれませんが、私は、それが欠けているから、その高邁な理念や理想や提言が上滑りしていって、ちっとも直らないということだと思うんです。現実にみんなが行動する。国民のみんなが、市民のみんなが、みんなと言っても 100%はなかなか難しいですから、一人でも多くの方々がそういうことに気がついていただく、啓発されていく、行政としてそういう場所づくり、舞台づくりをやっていく必要があるのかなというふうに思っていま検討させていただいております。

それから2点目の合同庁舎の問題で、例えば例をとられました西湘センターは改築したばかりで、あれを市として何にも考え方はないのか、むだじゃないかというお話でございます。もともと県の方から移転されますということに関しまして、西湘センターだけでなくて、保健所もそうでございますし、いろいろとあります。東町にもございます。お互いに、県もそうでしょうけれども、市も財政的にも非常に厳しい問題がございます。県は、御承知のとおり知事さんの記者会見、あるいはそのほか新聞報道等で、処分をされると。それを財源とされて、こちらで新しい施設、70億ぐらいという数字まで出ておりましたけれども、投資をされるということでございました。そういうことになりますと、市の方も、単に市の側として、どうしても西湘センターや保健所やそういういろいろなところに、今現状こういう計画があって、3年後にこういうものをつくりたいとか、県が西湘センターをどかしてくれればあの建物をどうしてもこれに使いたいんだということがない限りは、なかなか公にそういうことを県に対して提言できないということがあります。県に対してこちら側として要請すれば、当然、財政的なしっかりとした話し合いもあって、そしてその上で、それでは移転しましょうと。ある面で条件闘争になるわけでございます。現在の市の状況は、さまざまな市にどうしても必要な施設、あるいは将来利用を考えられる状況等も勘案しながら、「ビジョン21おだわら」というものができておりまして、それをまたここで見直しをしながら進んでいくという状況でございます。財政状況も依然としてまだまだ厳しい状況が続くという見通しでございます。そういう中ですから、公同士が、あれはあいたらこうしたいな、こうすべきだなというようなことは、ある面で内政干渉にもなりますし、特に今度県が移られる予定の場所の地権者の皆さんとは、県がつい先日まで本当に微妙な難しい交渉を重ねてこられたわけでございますから、市として公な形でそういうことを言ったり、内々の形であってもできるという状況ではございませんでした。その辺、ぜひ御理解をいただきたいと思います。ただ、県の方から正式に打診があった段階で、これはしっかりと対応していかなければならないと思っておりますが、現在のと申しますか、いろいろな経緯も、6番加藤議員おっしゃいますように、内々で私も承知いたしております。その過程の中で、私もいろいろ個人的に考えておりますこともございますけれども、ただ、現下の財政状況の中で、総合計画にのせてやりたいと思っていることでも、少し延ばさなくてはいかんかなと思っているようなそんな状況も一部ではございまして、そこをこうすればいいんだがなと思うことがなかなか即できない、難しい、悔しい状況であることは確かであります。

人口フレームにつきましては、担当の方からお答えいたします。

(仮称) 城下町ホールは、あの場所で本気でやるのかというお尋ねでございますが、8年前に市長になりましたときに、私の公約がいろいろございました。個別の政策課題として大きく二つ挙げました。一つは、小田原駅東西自由連絡通路の建設ということでございまして、二つ目に (仮称) 城下町ホール、市民会館の再建ということでございました。一つは、御承知のとおりようやく、本当にいろいろ皆様方にも御指導いただいて、苦難の連続でございましたけれども、国や県の望外な御支援もいただけることになりまして、着手されております。次に大きな個別な課題として (仮称) 城下町ホールを考えておりまして、これは多くの市民の皆様方からの長い間の御指摘、御要望でもございまして、特に中心市街地のいろいろな問題もございますことから、議会の皆様からもいろいろ御意見もちょうだいしておりますし、市民の方々からもさまざまな御意見がございますが、前市長さんのときに、三の丸地区でという御提言がございましたが、大筋ではその方向で取り組んでまいりたい。先ほども御答弁いたしましたが、数年前、私の1期目のときから関係部署に用地の専従班をつくりまして、あの周辺の用地の公有地化に取り組んできて現在に至っているわけでございますので、この問題につきまして真剣に取り組んでまいりたい。ただ、お断りいたしておきますが、自由連絡通路の場合は、経済環境とかそういうこともさることながら、やはり鉄道事業者5社との信頼関係や、そのほかいろいろと周辺状況もございまして、今やらないと50年先までできないかもしれないという、それほどの厳しい状況の中での決断でございました。しかし、 (仮称) 城下町ホールの場合は、6番加藤議員の御意見にもございましたように、財政の問題とかいろいろなその他の問題も慎重に見きわめながら、かつ、できるだけ早く、多くの市民の皆さんの御期待にこたえてまいりたいと考えているところであります。

それから協議会・審議会の問題でございますけれども、さまざまな課題を考えながら活性化させろという御趣旨の御質問でございます。かねがね、一つは条例等で人数も決まっているわけでございますから、どういう皆さんにこの審議会に参加していただいたら、市民の大方の最大公約数的な御意見がちょうだいできるのか、10年先、20年先、あるいは広域的に、あるいは基本となるそういう御意見がお伺いできるのか、そのためにはどういう方々がいいのか、慎重に考えながら、内部でも議論を進めながら、人選につきましては進めてきたところでございます。協議会・審議会の運営の仕方、それから御相談申し上げる課題、そして特に御意見をちょうだいする方々につきましても、皆様方から御指導いただきながら、また今後とも進めてまいりたいと思います。同じ方ばかり審議会・協議会のメンバーで出てくるのではないかという御意見というか御批判もかねてよりこの議会でちょうだいしているところでございますので、これらにつきましても、推薦をお願いする団体に、お一人の方が何役もいけないということではなくて、できるだけふさわしい方にお願いできるように、よくこれから6番加藤議員の御意見も体しましてお願いしながら進めてまいりたいというふうに思っております。

他の問題につきましては担当の方からお答えさせていただきます。

○理事・企画部長【北村 強君】   6番加藤議員からの再質問の中で、人口問題についての御質問がございましたので、この点につきまして私から御答弁を申し上げます。

お話にありましたように、23万人の想定人口につきましては若干無理があるのではないか、修正をする必要があるのではないかという趣旨の御質問だったと思います。この点につきましては、平成10年に「ビジョン21おだわら」がスタートした時点で、平成22年を目標年次とした行政目標数値であることは御理解をいただけると思います。したがって、ただいま市長の方から御答弁申し上げましたとおり、各種の施策を推進する中で、さらにレインボープロジェクトのリーディングプロジェクトであります西部丘陵地の整備あるいは西湘テクノパークの企業誘致等々、人々が住んでみたいまち、そして企業が進出してみたいまちということを想定した上での目標数値であったと思います。この点につきましては、先ほど市長の方からも御答弁申し上げましたとおり、今回のローリングの中で、見直しの中で、前期基本計画の基本方針を堅持しつつ、言ってみれば非常に厳しい財政状況の中でも、この方針を貫くつもりでおります。事業の見直しは大変厳しいと思います。今日的課題もありますし、新しいそういう政策もございますので、そうした中で、目標に向けて推進してまいりたいと思っております。したがって、現在のところ、とりあえずこの23万人について修正することは考えておりませんので御理解をいただきたいと思います。

以上でございます。

○助役【内藤武彦君】        羽根尾工業団地と上町のまちづくりに関連しまして、羽根尾工業団地におけるコミュニティゾーン、地域センターの地域でございますけれども、そこへのアプローチの問題、道路アクセスの問題で御質問がございました。メインは、やはり何と言っても小田原中井線でございますけれども、当面のアクセスといいますか、そういうことで先ほど市長の答弁いたしました市道5061と5067ということで、小田原中井線が全面開通できてなくても、当面そのアクセスができるであろうというお話をしたわけです。6番加藤議員の方からは、上町のまちづくりに絡んでの新たな道路計画というんでしょうか、そういうようなものがさらに必要ではなかろうかという御趣旨かと思いますけれども、先ほど市長の答弁にもありましたように、上町のまちづくりにつきましては、組合施行で土地区画整理事業でやっていきたいという考え方を持っておりますけれども、何せ地権者の方とまだ具体的な煮詰めはできていない状態でございます。これから勉強会等を進めて、そういった中で道路計画もいろいろ具体的な話となってくると思います。そういった状況の中で新しい道路計画の必要性等を勘案していきたいというふうに思っていますので、今、このコミュニティゾーンに隣接するような道路計画というのはまだ具体化はしておらないということで御承知おきいただきたいと思います。

以上です。

○教育長【江島 紘君】       「総合的な学習の時間」の中で、「健康と教育」、心のあり方も含めて学べるのではないかというような御趣旨かと思いますので、そのことについては私の方から御答弁申し上げます。

「総合的な学習の時間」に関しましては、生きる力を身につけるということが一番の大きなねらいでございます。内容といたしまして、国際理解であるとか、情報であるとか、環境であるとか、福祉であるとか、ほかにもさまざまなことについて学べるわけでございますけれども、そういう中で、知・情意・体、一体となった対応というものが子供たちにとっても必要になってくるだろうというふうに思います。そして、そういう学習の中で、自分で課題を見つけましたり、みずから学んでいったり、みずから考えていったり、また主体的な判断をしたり行動するというような学習の仕方の中で、みずからを律したり、他人とともに協調したり、他人を思いやる心を培ったり、感動する心を培うというような豊かな人間性というものもその中で学べるというふうに思います。学習に当たっては、学校内だけにとどまらず、地域に出ていって、地域の人たちのいろいろな御協力のもとに学習するということも大いにあり得るわけでございまして、そういう中で、さまざまな方がかかわってまいりますので、小・中学生については、確かに「総合的な学習の時間」の中で、健康、教育、心のあり方というようなものについても学習することができるかというふうに思います。

以上でございます。

○6番【加藤仁司君】        再質問に対する御答弁をいただきました。

まず、「健康と教育」については、今、教育長から御答弁をいただいたんですが、これについてはいろいろと議論すると長くなると思いますので、また機会を得てやりたいと思っております。今、一言だけ申しますと、教育長から御答弁があった、生きる力を身につけるとか、また自分で課題を見つけるとか、こういったことが本当に今の子供たちに必要なのか。逆に、人に与えられる云々が大事とは思いませんけれども、自分自身で何をやっていいのかわからない、自分がどういう存在だかわからない、こういうわからないということが今、教育の中で問われているんではないか。この目標については、また時間を相当要したいなと思っておりますので、ここでは差し控えたいと思っております。

また、ちょっと話の順序がいろいろになると思いますけれども、人口の問題で、修正をするつもりはないというお答えです。プラス思考で考えるということは本当に大事だと思います。「おだわら21世紀プラン」の中で、本市の人口をこの平成12年度には22万人ということになっているようで、現実とは違っております。だからいいというわけではないんですけれども、市長から御答弁ありましたように、区画整理事業等、人口増が望まれる地域の事業推進のためにも、やはりこれから人口増を図っていくという姿勢は対外的にも市の姿勢としてアピールしていく、これは必要なことだと思っておりますので、これに関しては修正の必要がないということも言えないんですけれども、その方法でいいんじゃないかと私は思います。

それから合同庁舎の移転に伴う各施設の部分ですが、参考までに、今使用していない施設等を、もう使用していないということがわかりますと、最近は特に落書きとか、またこれをサバイバルゲームの場所とかいろいろなたまり場にする。かなり社会環境の中で悪い方の影響が出てきている事例が幾つかあるということをまた認識いただきたいと思います。そういったことも含めて、やはり県と市の方でよりよい関係をぜひつくっていただきたい、このようにこれも要望をさせていただきます。

それから地域センターへのアプローチ。メインは確かに小田原中井線ということですが、この事業進捗を先ほど示されましたけれども、本市の中では、今、一生懸命交渉努力をされているわけですけれども、やはり事業一つ一つがばらばらではありません。いろいろな市民生活のために、特に橘地域においてはさまざまな事業がこれから展開をされるわけなので、ぜひとも先ほど御答弁ありましたように、いろいろな新しい形を模索する、いろいろな中でこれからも協議を進めていただきたいと思います。

時間もありませんので、二つだけ質問させていただきます。21世紀に係る道路網の整備について質問させていただきました。現状、親木橋周辺が込んでいるということの一つの理由としては、やはり西湘バイパスの料金が変わったことによって、今、下り線を利用する車両が相当少なくなっております。せっかくの道路の中、有料ということもありますので、通る車が少なくなるということで、その分、近くの一般道が込んでしまうという現実もあります。これは道路公団の方のお話かもしれませんけれども、市民生活向上という形の中で、市も公団とのいろいろな交渉で何らかの措置をとる必要があるんじゃないか、話をいろいろと持っていく必要があるんじゃないかと思うんですけれども、ここら辺の公団との話について、どのようなお考えを持っていられるか、1点質問いたします。

それから今回の道路問題を強調するのは、市長からも答弁がありました(仮称) 東部丘陵ミルキーパーク整備事業が計画をされているということですが、このミルキーパーク整備事業の構想策定に当たっては、今現在、どうしても名前の部分からすると畜産関係の事業というふうに思われますが、畜産関係の事業だけではなく、東部丘陵全体のエリアとして、広い範囲の整備を考えていくべきだと思いますが、御所見を伺いまして、質問を終わらせていただきます。

○市長【小澤良明君】        6番加藤議員の再々質問でございますが、外環状道路の問題に関係いたしまして、西湘バイパスの有料の問題もお触れになられました。私の方からこの問題についてお答えいたします。

実は有料道路問題懇談会というのがございまして、それは道路公団が事務局になりまして、年に数回開かれます。目的は、この地域全体の道路公団が関係する事業につきましての市民の皆さんのお考えだとか、渋滞の状況だとか、あるいは料金の問題だとか、もっと大きく言いますと、公団の経営状況がどうで、将来こういう方向に行きますとか、うんと大きい問題からこの地域の問題、あるいは市民一人ひとりの感情の問題まで含めましていろいろ議論がございまして、そのメンバーとして、自治体では私と箱根町長さんと二宮町長さんと真鶴町長さん。湯河原町長さんは入っていません。そして、建設省、神奈川県、道路公団の東京第一建設局の方、そして大学の先生がお二人だか三人だかいらっしゃいまして、これは建設省のいろいろな審議会の委員をやっていらっしゃるような方でございます。そういう方々がメンバーの組織がございまして、その場でいろいろこの周辺の道路公団の経営します道路事業につきまして、現状あるいは将来、本当に厳しいやりとりが常時ありまして、私の方からも、今お触れになられましたように、西湘バイパスが有料化になったことによって、かえって国道1号が込んでしまいましたり、あるいは大型車が通るようになったりしていると。かつ、西湘バイパスは思っていたほど道路交通量がなくて、収入が、プール制というんでしょうか、周辺のエリア全体で道路公団が投入した資金を回収

するというシステムになっておりますから、全体の道路の有料道路料金にはね返ってくる、そんなようなことですから、東京湾の道路じゃありませんけれども、西湘バイパスの橘料金所あるいは国府津料金所ですか、もっと下げろとか取るなとか、そうすればいいんじゃないかとか、かえって料金が上がるんじゃないかとか、どのぐらい経費がかかって、幾ら収入があるんだとかというようなこともずっと前からも言っている。それから小田原西と

小田原東の間の小田原厚木道路の短区間の料金、あそこは短いのに 350円も取るわけです。

これにつきましても、私が県会議員のときから問題がございまして、ずっといろいろとやっておりますから、そういう経緯もお願いしたりして、検討はしていただいておりますが、公団は公団側の、ここの場所だけで変更したり新たなことをやったりすると全国に影響するというようなこともどうもあるらしくて、非常に難しいということを言っていらっしゃいます。いずれにいたしましても、小田原市全体の交通ネットワークの一つとして西湘バイパスや小田原厚木道路等々もあるわけでございますから、それらを私どももよく理解をして、かつ、できるだけ市内の渋滞や住民に対する迷惑がかからないような道路全体のネットワークのあり方等につきましても、今後ともこの有料道路問題懇談会の場において強く要請をしてまいりたい。建設省さんや神奈川県の道路の責任者もその場所にいらっしゃるわけでございますから、いろいろとお話をしてまいりたいと思っております。

他のことにつきましては関係の方からお答えしたいと思います。

○助役【青木正次君】         (仮称) 東部丘陵ミルキーパークのエリアに関する御質問というふうに御理解させていただきたいと思いますが、この事業につきましては、本年度に実施いたします基本構想の策定の際に、ある程度の範囲を絞り込んでいく予定にしてございます。ただ、東部丘陵は、地形的に施設に適する部分が限られておりますことから、一体的・面的な面が大変厳しいというふうに考えております。恐らく、ポイントごとの整備を行うことによりまして、事業を構成するような形になろうかというふうに考えております。そのために、全体のエリアとしましては、ある程度広い範囲になるものというふうに考えてございます。いずれにいたしましても、本事業は、畜産関係の施設を中心といたしまして、観光農業的な要素も取り入れまして、広く都市住民との交流が図れるような施設整備を目指しておりまして、その推進に当たりましては、周辺の自然的条件や、あるいはまた社会的条件を十分勘案しながら整備を図ってまいりたいと、このように考えております。

以上でございます。