平成13年9月議会一般質問
2001年09月01日
質問要旨(H13-09)
1 小田原市防災対策について
(1)市総合防災訓練について
(2)災害対策本部設置時の情報処理について
(3)広域避難所における被災者への対応について
2 小田原こどもの森公園わんぱくらんど2期工事の建設計画について
(1)建設計画の概要について
3 地域センター建設について
(1)橘地区における建設時期について
○6番【加藤仁司君】 通告に基づいて質問をいたします。
はじめに、小田原市防災対策について、3項目にわたり質問してまいります。
まず、小田原市総合防災訓練について何点か伺います。
平成7年1月、阪神・淡路大震災が何の前ぶれもなく突如、兵庫県周辺を襲い、実に6000名以上もの方々の尊い命が奪われたことは、地震列島と言われながらも、我が国における脆弱な防災体制が露呈され、その後成立した地震防災対策特別措置法や、各自治体における防災意識の高揚及び危機管理の充実強化策が図られたことなど、教訓としてはあまりにも悲しく大きな代償でありました。
本市においても、東海地震、神奈川県西部地震、南関東地震、神縄・国府津-松田断層帯地震等が懸念され、早くから地震に対する防災対策が講じられてまいりました。行政、議会、自治会等あらゆる場所で議論が重ねられ、地域防災計画も平成8年に大幅な見直しが行われ、きめ細かい防災体制の強化に努めております。特に、発災時緊急を要する建物倒壊による人命の確保、救護、火災の初期消火等を中心とした地域防災訓練は、各自治会においても積極的に取り組まれており、市民の防災意識啓発に大きく寄与しているものであります。さらには、毎年、小田原市が総合防災訓練を実施し、各広域避難所において、神奈川県、自衛隊、甲府市をはじめ、各企業、団体等の参加協力により、さまざまな訓練が被災者と想定された地域の方々の前で披露され、迅速な対応、強力な支援体制が図られております。本年は、二の丸広場で万年、幸、十字の各連合自治会が参加した小田原市防災訓練でありましたが、そこで一つの疑問が浮かびました。従前実施しておりました小田原市総合防災訓練は、指定された広域避難場所、すなわち25の小学校がその訓練場所として使用されることから、本来ならば三の丸小学校での実施が適当ではなかったのか、そのように思えるのですが、今回の会場設定に至った経緯をお伺いいたします。また、三の丸小学校を広域避難所とする連合自治会は、万年、幸、十字のほかに緑地区連合自治会が対象となっておりますが、今回、緑地区連合自治会が市総合防災訓練には参加しておりませんでした。今後、緑地区連合自治会における訓練はどのようにされるのかお尋ねをいたします。
さて、小田原市総合防災訓練につきましては、前述しましたとおり、各自治会単位で行われており、平成10年以降は、各25の小学校が広域避難所に指定されたことにより、より実態に即した訓練がなされております。このように総合防災訓練においては連合自治会ごとに持ち回りで開催されているようですが、より現実的な、すなわち本来は災害対策本部は市庁舎に置かれ、各広域避難所は自主防災組織が各対策を行うという実戦型の訓練がなされなければ意味がないのではないかと思うのであります。既に、各広域避難所における訓練はそれぞれの自治会ごとや広域避難所ごとに訓練を行っているわけなのですが、消防や防災関係の職員の都合によりすべて日を変えて実施されていることは訓練内容からして仕方がないことですし、それはそれで意味のあることだと思います。しかしながら、実際発災し被災者が広域避難所に避難してきた場合、訓練マニュアルに従って避難者の安全確保等を図りながらの対応が迫られつつ、近隣被災家屋からの救出要請やけが人の情報等あらゆる情報が自主防災組織にもたらされるものと推察するに当たり、広域避難所から本部との連絡網の確保、情報の収集及び情報の相互通信伝達、また関係機関などへの情報伝達等の訓練を全地区同時に開催し、災害対策本部との連絡網が的確になされるかという訓練はされていないように思われます。ぜひともこのような実戦型の訓練が必要だと思いますが、市長の御所見をお伺いいたします。
次に、今申し述べた災害対策本部が設置された場合の情報処理について伺います。
今申し述べたように、発災時におけるあらゆる情報は、広域避難所をはじめ消防、警察、支所等の公共機関、電気、ガス、水道等の企業、個人からの電話や市庁舎へ直接救助を求める声など、あらゆるところからの情報がふくそうされることが推察されます。この情報は、電話、ファックス、インターネットによるメール等で大量に災害対策本部に寄せられるものと見られ、果たして膨大な量となった各情報はどのように処理されるのか、その応急対策の実施に至るまでについてお答えいただきたく存じます。
また、大地震発生により、所管が複数にまたがる災害、例を挙げますと、道路分断により家屋が倒壊、それに伴って水道管の破裂、火災の発生等がある場所で発生した場合、平時であればそれぞれ所管することのみ対応する縦割り組織での対応となるでしょうが、このような状態の場合、災害対策本部としてどのように連携し対応されるのかお尋ねいたします。
次に、広域避難所における被災者への対応について5点伺います。
本市における災害備蓄食糧については、既に平成11年6月の一般質問で数点にわたり質問をいたしております。その中で、平成13年度に期限切れを迎える備蓄食糧は3000食、平成14年には8100食、平成15年1500食と、期限切れ前に防災訓練参加者への配布や、他災害における職員非常食糧として等、効率的に使用している面もあります。その後、賞味期限が25年というサバイバルフーズが開発され、既に合計11万9000食導入されておるようです。そこで、この備蓄食糧の是非について質問をいたします。そもそも小田原市の防災対策については、先進市として、全国からその施策について視察される市町村もかなりあると聞いております。そのことは行政のみならず、市民一人ひとりが防災への取り組み、認識レベルが高いものと自負するものでありますが、食糧の備蓄について、それぞれの家庭が自分の身は自分で守るという姿勢があるのであれば、特に行政が用意する必要はないのではなかろうかとも思うものであります。さきの阪神・淡路大震災においては、ほとんどの住民及び行政が備蓄食糧を持たない中で発災いたしました。しかしながら、震災後2日目でコンビニエンスストア等の自主的な弁当配布や近隣支援団体からの供給等、比較的早期に食糧問題は解決していると伺っております。地震は広範囲に発生するものの、ある面では日本列島の中では特定範囲での発生になると推察いたします。決して楽観視するものではありませんが、阪神・淡路大震災での被災者が一番必要としたのは、①お金、②水、③食糧の順番だとのアンケート結果もあります。さらには、発災から2日後には温かい御飯も配給されるようになり、非常食として配給された乾パンなどはほとんど食べなかったとの言葉もありました。災害が発生した非常時において、平時と同様温かい御飯を三食いただくような考えは払拭するべきであります。一日一食でも仕方がない。この分はぜひ市民一人ひとりがそろえてもらいたいと。この際、小澤市長におかれては、市民の防災意識の高揚をさらに図るため、行政による食糧備蓄は今後行わないことを宣言し、危機意識の喚起を促すべきだと考えますが、市長の御所見をお伺いいたします。
次に、避難所における必要物品の数量の把握や分配について伺います。避難所に避難した避難者及び罹災者が錯綜した現場において、毛布や食糧、水、こんろなどの生活関連物品の配布が想定されます。もちろん、発災した季節により内容に相違があるでしょうが、混乱をきわめた状況の中で、避難者、罹災者への分配方法はどのような計画になっているのか、お示しいただきたく存じます。
3番目として、災害時のトイレ対策について伺います。阪神・淡路大震災では、避難所近くでの排せつ物が、ある場所ではグラウンドに高く積み上げられた様子をテレビでも報じておりました。本市においても、トイレ対策については、仮設トイレや家庭用組み立て式簡易トイレ及び脱臭剤、凝固剤が各備蓄庫に数基用意されております。神奈川県において相模原市や横須賀市では、下水道マンホールのふたを便器付きのふたにかえ、仮設トイレとして利用できる「災害用トイレマンホールふた」を順次配備していると伺っております。公共下水道が順次整備される中、開発された仮設トイレ用マンホールふたは、鋼板製の折り畳み式で、重さは通常のふたの3割以下の軽量コンパクトタイプで、ハンドルや滑りどめを施すなど安全面にも配慮し、仮設テントも添付されているようですが、本市においてはこの「災害用トイレマンホールふた」を導入する考えがあるかお尋ねをいたします。
次に、滞留者の避難場所について伺います。本市における滞留者は、主に小田原駅や小田原城周辺の観光客が想定されます。ほかにもビジネスやその他さまざまな理由で偶然にも小田原市に来訪された方々もいられると思いますが、例えば小田原駅及び小田原城周辺で大地震が発生した場合、滞留者避難場所としては、地域防災計画では城山中学校、小田原高校、小田原城内高校が指定されております。この学校はいずれも傾斜地に立地されており、小田原駅、小田原城周辺から各学校へ坂を上って避難することは考えられないのではないかと思います。この際、小田原城史跡内の二の丸広場を滞留者の避難場所として指定した方が現実的だと思えるのですが、御所見をお伺いいたします。
防災対策の最後の質問として、災害時臨時ヘリポートについて伺います。最初に伺いました市防災訓練におきまして、昨年までは防災訓練場へヘリコプターが離発着し、その活動状況を間近に見て頼もしさを覚えたものです。しかしながら、本来、ヘリコプターは災害時臨時ヘリポートに指定された場所に着陸し、緊急物資の搬送をするものであって、緊急物資を必要とする場所での発着はされないわけであります。そこで、災害時臨時ヘリポートから緊急物資を必要とする場所への緊急物資の搬送計画はどのようになっているのか、また、市防災訓練時に実際にヘリポートから緊急物資を必要とする場所への搬送訓練が必要だと思いますが、御所見を伺います。
次に、小田原こどもの森公園わんぱくらんど2期工事の建設計画について伺います。
はじめに、当公園は平成3年9月、当時の建設省による平成記念子供のもり公園事業として全国で15ヵ所の一つに指定され、平成6年5月に11.4ヘクタールを都市計画決定し、そのうちの5.1ヘクタールを第1期工事分として平成6年11月に事業認可を受け、昨年、すなわち平成12年4月29日のみどりの日にオープンとなりましたことは御承知のとおりであります。開園時期がゴールデンウィークの最中であったことから、当初は駐車場の混雑のみならず、周辺道路の渋滞をもたらす等の苦情を寄せられるほどのにぎわいを見せたものであります。
さて、このわんぱくらんども開園から1年半が経過し、同公園の目玉でありますこども列車、ポニー乗馬のできるふれあい広場、プレイゾーン、アドベンチャーゾーンなどで楽しむ子供たちの喜びの声がいつも休日にはあふれるよう望むものですが、その中でも子供たちの楽しみの一つであった芝そりが中断する事態も発生するなど、予想外の状況もあるようです。そこで、開園当初予想された利用者数はこの1年半でどのようになっているのか、まず1点目としてお伺いいたします。また、当公園は未就学児や小学校低学年にはとても喜ばれる施設でありますが、小学校中学年から高学年にはあまり楽しめないような声を聞くこともあり、利用対象年齢の設定が低いようにも感じられます。さらに、日陰がほとんどないという声も聞きます。そこで、利用者にアンケート等をとりながら、第1期分の施設が果たしてそのままの状態でよいのか、改善しなければならない点はないのかとの検討をすべきだと思いますが、市長の御見解をお伺いいたします。
これら既に開園されている第1期整備分の状況を踏まえて、第2期建設計画について伺います。本年度当初予算では、第2期整備分の一部に展望広場整備等工事請負費が計上されております。さらに、この9月議会の補正予算には、こどもの森公園費における整備経費として樹木伐採委託料が計上され、先日、都市建設常任委員会で審議されました。幾つかの整備事業が進んでいく中で、いまだ第2期整備の全体的な概要が明示されていないことは甚だ疑問に思うものであります。そこでお尋ねいたします。こどもの森公園わんぱくらんどの第2期建設計画は、どのようなコンセプトのもとに、どのような整備が図られるのか、その概要及び今後のスケジュールについて伺います。
最後に、地域センター建設計画について伺います。
本年4月に出されました「ビジョン21おだわら」前期基本計画の平成13年度から平成14年度にかける第2次実施計画、いわゆるローリングによって、本地域センター計画は建設年度の変更が図られ、本年度を準備期間、平成14年度は2号館実施設計、建設工事、3号館建設準備が予定されております。毎議会においてこの地域センター建設計画が取りざたされておりますが、強い市民要望と期待感を持たせた本計画も、そろそろ明確化すべきだと思います。
さて、橘地域における地域センター計画に限定いたしますと、本年の代表質問の中で小澤市長は、「地域センターの場所については、橘地域センター建設仮準備委員会と羽根尾工業団地内の公益施設用地に建設することで了解済みである。ただし、この土地が区画整理事業の保留地であることから、平成14年3月末解散予定の組合の清算行為に支障が生じないように公有地化を図りたい」との答弁をされております。この羽根尾土地区画整理事業組合においては、平成12年度、すなわち平成13年3月末をもって造成が終了し、現在、保留地処分に向けて鋭意努力を重ねていると伺っておりますが、本市が早急に当該保留地を購入する時期を示し、来年度の実施設計作業へと進むことが望ましいと思いますが、市長の御見解をお伺いいたします。
さらには、対する富水・桜井地域における地域センター準備体制が支所の統廃合という本来の地域センター構想の大原則から逸脱した動きがあり、調整が図られているともお聞きします。そもそもこの事業は何のためになされるのか、この原則を忠実に守り、施策遂行に積極的に協力体制を図ろうとしている橘地域に第2号館を当てることを、この際明確に示す必要があると思います。橘地域における地域センター建設は、地域住民の悲願であることはもちろんのこと、橘地域を取り巻くあらゆる諸問題解決の一助としての効果があることは自明の理であります。この地域センター建設について、市長の英断を期待するものです。
以上、明確な答弁をいただくようお願い申し上げまして、登壇しての質問を終わらせていただきます。(拍手)
○議長【川口真男君】 市長、登壇願います。
〔市長(小澤良明君)登壇〕
○市長【小澤良明君】 6番加藤議員の御質問に順次お答えをさせていただきます。
はじめに、今年の総合防災訓練の開催場所についてのお尋ねがございました。総合防災訓練は、昭和54年から毎年行っておりまして、自治会連合会による避難訓練や消火訓練などの初動対応訓練、自衛隊や市内応援協定機関及び相互応援協力自治体など、参加団体の技術向上の場と連携強化を目的として開催をいたしております。したがいまして、総合防災訓練を行う場合には、参加団体などのテントや各種訓練に必要な工作物の設営、また、火気の使用や大型の訓練参加車両が走行いたしますことから、訓練参加者の安全を確保し、皆さんが安心して見学をしていただくためにもそれ相応の広さを必要とすることになります。このことから、昨年から三の丸小学校を広域避難場所とする自治会連合会と協議を重ねました結果、会場を城址公園二の丸広場としたわけであります。
次に、緑地区自治会連合会が、今後、市総合防災訓練を行うのかどうかについてのお尋ねでございますが、昭和61年度に、小田原駅周辺の5自治会連合会が合同で総合防災訓練を実施されましたので、今年度も前回と同じように5自治会連合会を対象といたしまして訓練の検討をさせていただきましたが、参加人員が大変多くなる関係上、二つに分けて、今年度を3自治会連合会(万年、幸、十字)、来年度以降に緑地区と新玉地区の2自治会連合会を実施する方向ということで考えております。
次に、全地区同時開催の訓練実施に関するお尋ねがございました。総合防災訓練につきましては、神奈川県被害想定によります全体シナリオに基づいた訓練項目で実施いたしておりますが、先ほども申し述べましたとおり、豊富なメニューを限られた時間内で実施するというために、かなり凝縮した訓練内容となっております。御指摘がありました関係機関との連携を含めました情報受伝達訓練を取り入れた実戦型訓練の必要性は、私も強く認識いたしているところであります。また、このことにつきましては、今後、6番加藤議員の御指摘も含めまして対応を図ってまいりたいというふうに思っております。
次に、災害対策本部設置時の情報処理に関するお尋ねがございました。災害時には数多くの情報が飛び交いますので、情報の精度を上げるため、市内全域に職員を配備いたしまして、配備職員制度でございますけれども、実地に担当地域の被害状況を調査させ、情報を収集する制度を構築しているところであります。それら刻々と寄せられる情報を専任の職員が整理いたしまして、人命救助にかかわる情報や応急対策に必要な情報につきましては、直接担当の部に報告し対応させるということになります。収集した情報を専任の職員が、平成6年度から導入しております「防災緊急情報システム」に入力することによりまして、災害状況等の情報を一元的かつ体系的に管理できることになっております。そのシステムにより処理した情報等を、災害対策本部の大型プロジェクターに表示することで、災害状況などを正確に把握することができるため、迅速かつ的確な意思決定と、その指示・伝達が可能であろうと考えております。このような情報収集などを含めた対応訓練を、全職員を対象といたしまして定期的に実施をいたしております。その中でも、災害対策本部長になります私(市長)がいない場合には助役あるいはその次という形で、私自身が公務でいないとき等の処置につきましても、第2のあるいは第3の、第4の災害対策本部長がだれになるのかというようなことも随時やっております。
次に、災害対策本部における各所管部の連携についてのお尋ねがございました。大災害発生時には、複数の部にまたがる対応が必要となり、限られた人員と資機材を有効に活用することが求められますので、事態の処理につきましては、部局長が構成員となる災害対策本部会議におきまして情報交換を綿密に行い、必要がありますれば、部局間の人員・機材の融通や共同作業の実施など十分な連携を行う考えであります。また、災害対策本部設置時の各部の役割分担を定めた災害対策本部分担業務表では、各部が役割分担にとらわれず柔軟な対応がとれるようになっております。いずれにいたしましても、定期的に行っております災害対策本部設置訓練におきまして、いろいろと新たな反省点等をまたその次の定期訓練に生かすというようなことで、そうした点も踏まえまして各部の連携を強化する訓練を実施しているところであります。
次に、市が行う食糧備蓄と市民の危機管理意識に関するお尋ねがございました。市民に対して、食糧の備蓄をはじめ災害に対する備えをしていただくよう、さまざまな機会をとらえ啓発いたしているところであります。大地震発生時などには食糧を持ち出せない場合もあるでしょうし、観光客などの帰宅困難者に対する給食も、観光地でありますだけに考える必要もあろうというふうに思います。市町村の地域防災計画が整合をとらなければならない県地域防災計画には、市町村の役割として食糧備蓄に努めると定められていることもありますので、6番加藤議員の御指摘の趣旨もよくわかり、なるほどと思うこともありますけれども、制度上もなかなかそういうことはできにくいということでございまして、市の食糧備蓄は一定の量、ある程度は必要と思われますので、ぜひ御理解をいただきたいと思います。
次に、避難所での必要物品の避難者及び罹災者への分配に関するお尋ねがございました。避難所の運営につきましては、小学校25校に設置されております自主防災組織を中心とした広域避難所運営委員会が行い、小田原市内では全小学校25校に広域避難所をいざというときは設置することになっております。小学校がその小学校区の広域避難所ということでわかりやすいようにということでなっているわけでありますけれども、そこの小学校それぞれに広域避難所運営委員会が設置をされます。この運営委員会の主体は、もちろん自治会等をはじめとした自主防災組織等々が行うことになっているわけであります。その一環として、避難者や罹災者数及び生活必需物品の必要数の把握につきましても、それぞれの広域避難所運営委員会で作成されました避難所運営マニュアルによりまして、自主防災組織の手により行われます。生活必需物品に不足が生じた場合でございますけれども、担当の市職員が携帯電話や防災行政用無線移動系などを活用して災害対策本部に報告し、小田原アリーナなど市内に4ヵ所ある集中備蓄倉庫などから、トラック協会などの御協力もいただきまして、必要物品を避難所に搬送するという計画になっております。
次に、災害時用の仮設トイレに関するお尋ねでございます。災害時用の仮設トイレの備蓄数でございますが、現在635基ございます。一応現在の備蓄数で充足をされているのではなかろうかと思っております。6番加藤議員の御提案の下水道マンホールに直接設置するトイレにつきましては、下水道マンホールの位置が設置しにくい道路上に多い、車両等の通行の障害になるような場所にマンホールの位置が多いわけでございますけれども、そうした点もございますけれども、ただ御指摘のとおり、汚物の処理が本当に簡単にできるわけでありますから、そういうメリットもありますから、今後、仮設トイレの増設が必要となった場合には、こういう処置も検討される必要もあるというふうに思っております。現状は一応635基あるということでございますので、この点、御理解をいただきたいと思います。
次に、滞留者退避場所に関するお尋ねがございました。滞留者とは、徒歩で帰宅できない観光客などをいうわけでありますけれども、多くは宿泊せざるを得ない状況にございますので、退避場所で宿泊をすることになります。そこで、滞留者が多数出ると予想されます小田原駅に近くて、かつ宿泊できる建物ということで、要するに屋根、壁があるという程度でございますけれども、城山中学校、小田原高校、小田原城内高校を滞留者退避場所として指定しているところであります。滞留者の退避場所は傾斜地にそれぞれ立地しておりますけれども、誘導する前に、施設の安全性だけでなくて、周辺や避難経路の安全も確認した上で開設するということに計画されておりますので、御理解を賜りたいと思います。
次に、ヘリコプターによる搬送計画及び搬送訓練についてのお尋ねがございました。基本的にヘリコプターの活用は、生命に関係する輸血用血液などの医療医薬品の調達や重傷患者の遠隔地への搬送などを考えております。活用する際は、輸送路が確保され、安全に搬送できるヘリコプター臨時離着陸場を選定することになります。臨時離着陸場からの搬送計画につきましては、交通規制が行われるために、事前に警察に届け出ました公用車等を利用して対応することになります。6番加藤議員御提案のヘリコプターを利用する搬送訓練につきましては、多くの関係機関・団体の御協力をいただく必要がございますので、訓練実施につきましては、関係機関・団体と調整し、研究を進めてまいりたいと思います。
次に、小田原こどもの森公園わんぱくらんど2期工事の建設計画について何点かお尋ねがございました。まず、入場者数についてのお尋ねがございました。昨年度の入場者数につきましては、全くこれは料金を取っているわけではありませんので推計でございますけれども55万7000人余でございまして、当初の入場予定者数を年間10万人と見込んでおりましたことから、大幅な入場者増の結果となったわけであります。これは、開園して1年目でありますことや、こども列車、ポニーの乗馬等、近隣にない特色のある公園であるということが要因と思われます。入場者数を昨年と比較いたしますと、土曜日や休日等はほぼ横ばいの状況でありますが、全体的には減少の傾向であります。今後は、誘客のために、小動物とのふれあいコーナーや、季節感をあらわした飾りつけ、あるいは樹木の植樹等の工夫を行いまして、PRに努めてまいりたいと思います。特に子供さんだけでなくて、おじいちゃん、おばあちゃんと子供さんが一緒に来ても楽しい、季節の変わるごとにそのときどきの草花が咲いているとか、雰囲気がある、情緒がある、あるいは御家族みんなで訪れられる、あるいは若い男女も来られる、そんなようないろいろ多面的に利用される目的の公園。しかし、主体はもちろん子供たちのわんぱくらんどということでございますから、そこの点はしっかりと押さえて、子供たちが自然の中で自由に健康的に楽しむことのできる、そんな公園づくりをしっかりと進めてまいりたいと思いますが、こういう御時世でございますので、一歩一歩着実にということで御理解を賜りたいと思います。
アンケート等をとって第1期分の施設の改善を検討したらどうかということでございますが、全体計画におきまして、第1期分につきましては、大規模な造成を行いまして、これら子供たち、低年齢層の子供たちを対象とした施設を設置したわけであります。小学校高学年の児童を対象としたものにつきましては、今後、自然の地形を利用した中で、みずから遊びを工夫して楽しめるような施設を2期工事の方でいろいろ考えてまいりたいと思っております。日陰でございますけれども、開園当初から比べると、樹木をふやしたりいたしまして、また、樹木が相当成長もいたしておりまして、徐々にそうした面では解消されつつあると考えておりますけれども、日陰が利用者の期待にこたえられるほどあるかというと、まだまだ全くそういう状況ではございません。不十分でございますので、今後、先ほどお話しいたしましたように、着実に整備を進めてまいりたいと思っております。わんぱくらんど全体を一つの公園として施設配置のバランスに配慮し、第2期事業を進めていくつもりでございます。第1期分の施設につきましても、来園者の意見なども参考にいたしまして、多くの方が快適に利用できる公園整備を研究してまいりたいと思います。
第2期事業の全体計画についてのお尋ねがございました。先ほど来御説明いたしましたけれども、コンセプトを「自然の中で、みずから遊びを工夫して楽しめる公園」と定めまして、大規模な造成、土の入れ替え等は行わずに、現在の地形を生かした整備を考えております。整備内容といたしましては、既存の針葉樹林の林相転換を図りまして、広葉樹等昆虫のすむ木、実のなる木、花の咲く木等を植栽いたしまして、四季を通じて生物や植物を観察できる教育の場ともなり得るようにしてまいりたいと思っております。さらに、いこいの森との連携も大切なことでございまして、これら一体となった利用が図れるよう、あるいはもう少し幅を広めて言いますと、いこいの森、辻村植物公園、そしてこのわんぱくらんど、これらがおのおの有機的に連携し合った公園として利用できますように、施設配置も検討してまいるつもりであります。事業期間は、今年度から平成19年度までの7年間を2期工事の期間とさせていただきたいと思っておりまして、今年度から用地取得、既存林の伐採及び基盤整備に着手をすることになります。
次に、橘地域センターの建設について御質問がございました。まず、土地取得についてのお尋ねがございました。地域センター建設事業は、富水・桜井地域と橘地域の2地域について準備を進めておりまして、建設に向けての諸条件が整った方から建設に着手する方針であります。現在のところ、調整の努力を続けておりますが、両地域とも諸条件が整った段階とは言える状況ではございません。地域センターの建設事業年度につきましては、「ビジョン21おだわら」の実施計画にかかわりますので、現段階では確定できないところであります。土地取得時期は、これまでどおり土地区画整理組合の解散時期に合わせて考えていきたいと思っております。いずれにいたしましても、条件が整い次第、段階的に事務を進めていくことになります。
また、橘地域センターを先に進めるべきではないかとのお尋ねがございましたが、先ほど来御答弁をさせていただきましたように、橘地域におきましてもいまだ調整していかなければならない問題がございまして、整った段階とは言えない状況にございまして、用地の公有地化、地域センター内に移設される予定の橘支所の都市計画道路築造に伴う移転の時期、相模人形芝居下中座や橘商工会からの要望への対処、あるいは消防署の合築の問題等々諸問題を抱えているわけであります。地元要望の高い施設でありますことは十分承知しておりますし、橘地域の皆様方が6番加藤議員御指摘のとおり積極的に御協力をいただいていることも十分感謝いたしておりますが、こうした問題等をクリアしながら、諸条件が整い次第、必要な措置を講じてまいりたいと考えているところでございますので、御理解を賜りたいと思います。
以上で6番加藤議員の御質問に対しましての答弁とさせていただきます。
○6番【加藤仁司君】 再質問をさせていただきます。
まず、防災対策についてです。今回、三つの自治会が二の丸広場で市の防災訓練をやった。三の丸小学校では市の防災訓練には広さの面でふさわしくないという御答弁をいただいたので、それで二の丸広場になったという経緯はわかりますが、広域避難所が三の丸小学校と指定をされているわけですから、やはり三の丸小学校でこの四つの連合自治会が行う、これは市の防災訓練でなくてもその形で行う、これが必要なんじゃないかなと思います。市の防災訓練はそういったところでは行えないという判断をするのが普通なのかなと思います。特にこの地域については、昭和61年、5自治会の合同でやられたということで、来年度以降は今度、緑と新玉ということでお話がありましたが、ここも広域避難所からすれば違うわけですよね。こういったところが一緒になって市の総合防災訓練を行うということは、本当にちょっと現実的ではないのじゃないかなと思うわけでもございます。ですから三の丸小学校においては4自治会そろって訓練をするという普通の形、これをやるのが当然だと思うんですけれども、この4自治会が三の丸小学校で訓練を行ったという実績はあるのかどうか、これについてまず1点目として伺いたいと思います。
次に、実戦型の訓練、本庁舎を災害対策本部と置いての訓練については、市長の方からも、伝達訓練としての必要性を感じるということで御答弁をいただきました。そこで、今、各自治会で、これは連合だったり単位だったりしますけれども、いろいろな訓練をされております。これは夜間訓練を行ってみたり、土・日の訓練から平日になってみたりいろんな工夫が見られるわけですけれども、ただこの内容自体を見てみますと、給食訓練や消火訓練、こういった部分がほとんどで、ちょっとマンネリ化しているように思えてなりません。やはり今までの訓練と異なった訓練を行うというのはどうなのかなと思います。これは例えば家屋が倒壊をするといったときに、ジャッキとかバールは倉庫にあるんですけれども、その使い方がわからない方も多分にいられるのではないかなと思います。今までのマニュアルに沿った訓練だけではなくて、そういった本当に身近な訓練自体も防災部の方から自治会の方に提案をしていく、そういったことをしていくのはどうかなと思いますので、その御見解を伺いたいと思います。
次に、膨大な情報量がくる、そして、これについては緊急の情報処理システムによって判断をしていくということで御答弁をいただきました。これ自体は災害対策本部会議を設置するということでお話がありましたけれども、実際にこういったものがどんどん情報としてきた中で、会議を開催するなんていう時間があるのかなと思います。やはり早急なる判断を求められるという事態が想定されますので、平時においてはそれでいいと思いますけれども、やはり非常時においては、完全な組織としてはピラミッド型、上から下に一気に流すという体制が必要なのではないかなと思います。そこで、部の方にとりあえず報告があって、それから対処してもらうという御答弁をいただきましたけれども、この部に報告されたものを、いつ、だれが、どこで、そういったものの判断を下すのか、これについて伺いたいと思います。
それから食糧の備蓄についてですけれども、これは私の方も極論の部分の質問だと自分でも思っております。しかしながら、決して全く要らないとは言っておりません。今あるものの部分で特にどんどんふやすとか、そういったことは必要ないんじゃないか。これは制度上いろんな部分で決め事があるということですので、これは承知をいたしますけれども、実際にこういった備蓄の食糧が本当に必要な人にいくのか、そうではなくて、防災訓練を見ていればわかりますけれども、各自治会が各組ごとに人数を把握してそれを持っていくとかいうことで、もらうのが当たり前みたいな、もらわないと損をするみたいな形になっている部分も考えられます。ですから今決められたといいますか、最低限の食糧については、やはりこの使い道について、こういった部分にだけにしか使えませんというところの使途をぜひ検討していただきたいと思います。これについては意見としてとどめさせていただきたいと思います。
次に、マンホールのふたについてです。635基の仮設トイレ、確かに数の部分では充足をしているということですけれども、先ほど第1回目の質問でも言いました横須賀市とか相模原市、こういったところが順次設置をしているということからすると、その必要性を感じているのではないのかなと思います。これからの増設時に検討するということですので、それはぜひともお願いをしたいと思います。
次に、滞留者の件でございます。確かに宿泊をせざるを得ないということからすると既存の建物があるところに避難をしてもらうというのはよくわかります。ただ、滞留者の方はそこにずっといようと思ってもいませんし、早く家に帰りたいと大抵の方は思うわけでもございます。ですから、ただ単にこの各学校に行かせるというよりも、どっちかといったら、建物も倒壊とかそういった心配が決してないとも言えませんので、二の丸広場はいろいろ木とかもありますけれども、やはりああいう広場の中に一時的に避難をさせるという方が適切ではないのかなと思います。例えば観光客も、ここが城内高校、ここが小田原高校、ここが城山中学校と全部知っているわけではありませんので、二の丸広場、お城の中の広いところですよと言えば一番わかりやすいと思いますので、そういった小田原の地理に詳しくない方は、一番わかりやすいところにとりあえず避難をさせるということが必要なのではないのかと思います。また、そこが指定避難場所ということも再度検討する必要があるのかなと思いますので、御所見を伺いたいと思います。
ヘリポートの搬送訓練については了解をいたしました。
ここで、一つ、ちょっと違う形の話をさせてもらいたいんですが、今、防災部をはじめとにかく災害に強いまちづくりを目指しております。これは次善の部分の策です。そして、災害が起きたときにそれを必要最小限にとどめるという対策、これについて今までお話ししてきました。そこで、今度、復興期という部分の面があります。災害が発生して一段落しますと復興期と言われる状態になります。この復興期には、実際に罹災証明を出してくれとか、住所変更に伴う手続、建築確認申請、あらゆる申請が市庁舎にはあふれる、こういったことが想定されます。また、阪神・淡路大震災のときにもあったと思いますけれども、いろいろデマとか悪徳の業者による詐欺行為、こういった火事場泥棒的なものも出てくるということも聞いております。そういった復興期に対応を市の方も求められると思うんですけれども、ここら辺についての対応・対策はどのように考えられているのか、これを伺いたいと思います。
防災については以上が再質問ですけれども、次にわんぱくらんどについて1点伺います。利用者の数は予定よりも多いということで、最近は減少ぎみということで伺ったんですけれども、実際、こういった施設は、本当に何度も訪れたいという施設になってもらいたいなというのが私どももまた皆さんも思っていることだと思います。しかしながら、今はさまざまなテーマパークと称されるものはどんどん閉鎖されております。今は関東ではディズニーランド、ディズニーシー、また関西ではユニバーサルスタジオ、そのくらいになってしまったのかなと思うんですけれども、また、自然をうたっている公園、この県西地区でも丸太の森や21世紀の森、また、いこいの森や辻村植物公園、さらには明日、同僚の26番小林議員も質問されると思いますが県立公園、これも予定されているということで、同じような施設があるようなイメージを市民も持っているし、また、実際に来た人も同じなのかなということを感じられております。そしてこれから2期工事は、自然の中でみずから工夫して遊ぶということでの公園を目指すということですけれども、やはり相当特色ある公園を目指さなければ意味がないんじゃないか。一つ言いますと、例えば昆虫をメインとするということであれば、ただ単にちょこっと昆虫がいるぐらいでは見向きもされない。ちょっと極端なことを言うと、そこのゾーンは足の踏み場もないぐらいクワガタがうじゃうじゃいるとか、チョウが体じゅうに飛びついてくるとか、そのくらいの極端な公園とかじゃないと、どぎもを抜くようなことがないとなかなか来られないのじゃないかなと思います。また、自然を利用してということですので、私も1期のときに建設部の方にも言いましたけれども、例えばバンジージャンプとかも何十メートルじゃなくて、例えば1メートルとか2メートルとか、そんなものも施設として置いたらどうか、やはりちょっと変わった形をやっていくのが必要なのかなと思っております。この施設は建設部の方で担当しているということですので、1点だけお伺いします。さまざまな制約は確かにあると思いますけれども、今いろいろな発想の部分、行政だけじゃなくて民間とかそういったところの発想、これを取り入れるというのも必要なんじゃないかと思いますので、この民間の発想という部分を取り入れるのか伺いたいと思っております。
あと、地域センターの話ですけれども、調整をしなければいけない部分があると、これは十分承知しております。ちょうど先日、夏休みの期間、社協の方の早朝歩こう会に200人ぐらいの方が来まして、橘地域の予定地のところで、ここに建つ予定ですよとお話をさせていただきました。大変期待をしている施設でもありますので、早期に建設をしてもらいたいなということでもあります。この問題については、突然生まれた話でもありませんし、実施計画にも明示されていることですので、これは市の判断一つでいろんなものが動き出すということでもございます。いろいろの部分について、これはさまざまな問題、先ほど市長からもお話がありましたけれども、またこれを触れながら、次回また詳しくやっていきたいと思っておりますので、御承知おきをいただきたいと思います。ちょっとお話がありましたように、ここの部分は、地域センターの建設については消防分署との合築ということで計画をされております。そこで、消防として分署建設計画についてはどのような準備をされているのか伺いたいと思います。
○市長【小澤良明君】 私の方から一、二点だけまずお答えいたしまして、あとは助役以下がお答えをさせていただきます。
まず、防災訓練を三の丸小学校でなぜ行わなかったという問題につきましては、先ほど来お話をさせていただきました。もう一度お話ししますと、全く6番加藤議員の御指摘のとおり、防災訓練ですから広域避難所を使っての防災訓練でないと意味がないわけです。本当にそう思います。思いますが、ただ全市的に行います総合防災訓練でございますから、観覧客だけでも御承知のとおりの相当な数になりまして、あるいは大型の消防自動車が来ましたり、いろいろな形でいろいろ検討した結果、あそこでせざるを得ない。それから25の連合自治会といいましても、中心市街地の自治会は、中心市街地の空洞化現象等もこれによるのでしょうけれども、人口が非常に少なくなっておりまして、そういう中で協力し合って、連携し合って連合自治会同士が行っております。そんなことですから、単位自治会ごとに行っていいのかという問題とかいろいろございまして、またこれも後ほど助役の方からお答えいたしますけれども、三の丸小学校の学校区の関係する四つの自治会連合会の訓練ということも、いろいろと難しい面もありましたりして今回のような形になった。先ほど御説明させていただきましたような考え方ということでございます。ただ御指摘のとおりでございまして、この辺はそれぞれの連合自治会長さんにも、二の丸広場が広域避難所じゃなくて、三の丸小学校の校庭というか小学校全体が避難場所なんですよということは常々、それぞれの地区の防災訓練なんかでも地域住民の皆さんに徹底していただきますようによくお願いしていきたいと思います。
それからわんぱくらんどの話で、民間というか市民の皆さんの発想も入れたらどうかということでございます。全く同感でございますが、過去にも、1期工事のときも、企画部の中に、市民の木の彫刻の皆さんとか、芸術家のいろんな関係の皆さんとか、小田原市の木製品業界の若手の有志の皆さんとか、あるいは市民工房の皆さんとかいろいろ入った文化工房というのがございまして、木の文化工房の皆さんがいろいろと御検討いただいて、そこと箱根物産連合会とが連携し合って、小鳥の巣箱を設置したり、市民と連携した遊び場づくりということも試みてきました。コンサルさんに相談しながら全体的にはやってきていますけれども、部分、部分ではそういうこともございましたし、あるいは保育園の児童とか子供たちが、こういう場所がいいだろうとかいうことで一生懸命植樹をしてくれたりしてきました。これから市民の皆さんのお考えを設計全体の設計思想の中に入れていくかどうかにつきましては、これは建設部とも相談しながら、御指摘のことはもっともなことでございますので、市民の皆さんの発想をできるだけ入れられるようにしてまいりたいというふうに考えております。ありがとうございました。
以下のことにつきましては、それぞれ担当からお答えいたします。
○助役【内藤武彦君】 6番加藤議員の防災対策に関しましての御質問がございました。七つほどお触れになられましたけれども、四つ目の食糧の備蓄の使途につきましてと、マンホールを利用しての臨時トイレにつきましては御意見ということで、今後、検討させていただきたいということで省略をさせていただきます。
今、市長も今年度の二の丸広場での総合防災訓練については触れましたけれども、御質問になられました、三の丸小学校を広域避難場所にする四つの連合自治会による合同訓練はやったことがあるのかということでございますけれども、これは実施したことはございません。ただ、やはり今御指摘のように、避難所運営という自治会に課せられた課題がございまして、これを円滑にするためにその必要性は感じておりますので、今後、自治会連合会と実施に向けて検討していきたいというふうに思っております。
二つ目に、自治会連合会で行う防災訓練内容につきましてでございますけれども、これは、自治会が防災リーダーまたは自治会長さんとの間で、指導員の組み合わせだとか、指導員の順番だとかいったことを検討されまして、安全性に配慮しながら訓練項目を決めていられるようでございます。各自治会の中には、訓練が初めて、今回が初めてだというような方も多いようでございまして、その中では消火訓練だとか応急手当て訓練など反復訓練が必要な項目もありますので、どうしてもそういったものは繰り返し実施するということになっておりますけれども、御提言の趣旨ももっともだと思いますので、今後、市も、自治会連合会が実施します訓練項目の検討につきましては積極的に参加をさせていただきまして、御意見を申し上げたいというふうに思っております。
それから、災害対策本部設置時の情報処理におきまして、応急対策の実施に至るまでの判断の問題が御質問にございましたけれども、この場合も特に緊急性を要するもの、特に人命救助なんかの場合は、基本的には担当の部局長または班長に伝達しまして、その部局長等の判断によって、迅速性をまず優先するということで実施をすることになっております。ただ、対応項目が複数の部局にまたがるといった場合は、担当部局長だけで判断することが困難だということがありますので、先ほどお話ししましたように、国や県などに応援協力を要請するということも含めまして、そういった重要事項については、部局長が構成員となります災害対策本部会議を開いてそこで協議をした結果、応急対策を実施するということになってございます。
それから滞留者退避についての質問が再度ございました。これは先ほど市長もお答えしました宿泊の問題があるんですけれども、こういうことで屋根のある場所ということですが、やはり夜間の問題とか雨天とかそういうものがありますので、基本的には屋内施設がある方がいいのではなかろうかという判断でございますので、そういったことで御理解をいただきたいと思っております。
それから防災対策の最後でございましたけれども、復興期において市役所の業務というのは多分いろいろと混雑するといいますか錯綜するのではなかろうかという御心配かと思います。確かに窓口関係は、さきの阪神・淡路大震災等のあれを見ますと大変混雑するように思われます。したがいまして、復興段階におきます証明書の発行などの窓口事務につきましては、住所変更だとか建築確認申請などがございますけれども、こういった通常窓口で現在やっています発行事務については、その所管が行うということになってございます。復興期にふえてきます罹災者の証明とか、新しい業務がふえてきますけれども、こういった窓口対応につきましては、現在の災害対策本部事務分担で一応決められております。例えば、今お話ししました罹災者証明などは総務部の税の3課が担当することになってございますけれども、こういったことで一応事務分担が定めてございますので、その所管が対応するということになっております。ただ、この事務量の増大につきましてはちょっと予測がつきませんので、通常の職員数では対応できない場合もあるかと思います。その場合は、窓口を担当した分担の所管だけではなくて、全庁的に柔軟かつ機動的な職員配置を図って対応したいというふうに思っていますが、なおそれでも足りないということがさきの阪神・淡路大震災のときにもございました。こういった場合は、臨時的な職員の雇用とか、また、行政の専門的な知識が必要になるような事務につきましては、これは既に先例がございまして、阪神・淡路大震災の被災自治体が実施をされましたけれども、他の自治体から一時的に職員派遣を要請するといったことも検討したいというふうに考えてございます。
あと、地域センターにつきましては、消防長の方からの答弁とさせていただきます。
○消防長【大木 徹君】 橘地域センター建設についての再質問がございました。消防分署の建設計画につきまして、どのような準備をしているのかとのお尋ねがございました。消防内部におきまして、(仮称)橘分署建設研究委員会を設置いたしました。これは平成9年12月に設置いたしております。そういった中で、他都市の消防施設を視察するなど研究を進めているところでございます。なお、地域センターとの合築でありますことから、関係各課と十分に調整を図りながら建設計画をつくっていきたいと、こんなふうに考えております。
以上でございます。
○6番【加藤仁司君】 限られた時間でありますので、一つだけ再々質問をさせていただきます。
先ほど防災の件でマンホールのふたのお話がありました。マンホールのふたについては次の整備のときにまた考えていきたいということですけれども、私どももふだん、マンホールというのは気にしないで車で引いていってしまうというと変な言い方ですけれども、通行しているんですけれども、この防災用のマンホールふたとともに、交通安全対策としてマンホールの開発もあるように聞いております。災害といった面では、交通の面もやはり触れていきたいと思っておりますので、お話しさせていただくのですけれども、最近、滑りにくい処理を施したマンホールのふたがあるように聞いております。ここら辺のところは、消防の方では幾つか採用されているということではあるんですけれども、雨の日とかは大変滑りやすい、オートバイとか自転車が乗るとすぐ滑ってしまうような、この滑りやすいマンホールのふたについて、滑りにくい処理を施したマンホールのふたを採用するおつもりがあるかどうか、ちょっと考えるべきじゃないかと思うんですけれども、御所見を伺いたいと思います。
○下水道部長【和田紀雄君】 6番加藤議員の再々質問に私から御答弁させていただきます。
現在、下水道処理区内に設置されております下水道のマンホールの数は、12年度末で約1万8000個でございます。このうち、昭和47年度以降に設置しているマンホールにつきましては、現在、滑りどめが加工されてございまして、ダクタイル鋳鉄製のふたを使用してございます。それ以前に設置されましたマンホールにつきましては、約2700個でございますが、これも普通鋳鉄製でございまして比較的滑りにくい構造となってございます。過去に人が滑ったとかそういった事例は聞いておりませんですが、いずれにしましても、これらのマンホールにつきましても、摩耗状況を見ながら順次取り替えていく考えでございますので、御理解願いたいと思います。
○水道局長【中川伸廣君】 水道施設のマンホールにつきまして、私の方から御答弁をさせていただきます。
私どもの水道施設といたしましては、仕切弁、空気弁、減圧弁室、緊急連絡管室及び消火栓室等のひょうきょう表筐がございます。これらのふたの構造につきましては、日本水道協会の水道用バルブ類及び鉄ぶた類規格専門委員会より規格されているわけでございますけれども、それに準じた製品を使用しております。ふたには一応表面に滑りどめのための凹凸模様を設けた構造のものを使用しております。しかし、技術の進歩とともに、御提案のように安全で滑りにくいふたの開発が随時されてきますので、水道局といたしましても、日水協の指導を受けながら研究して、より安全を考慮したふたの選定をしてまいりたいと思っておりますので、御理解いただきたいと思います。
○6番【加藤仁司君】 多少まだ時間がありますので。いろいろと御答弁をいただいてまいりました。市の防災訓練と各自治会で行う訓練、これは本当に分けた方がいいと思います。自治会ごとに分けた訓練、本当にこれは大いにやっていただきたいと思うわけですけれども、市の防災訓練につきましては、自治会の都合でやるべきではない、そういうふうに思います。やはり市の防災訓練は、先ほど私の方でちょっと言いましたけれども、実際にここが災害対策本部になるわけですから、市庁舎が崩れては困りますけれども、例えばどこか別のところでも、やはり災害対策本部は本部としてどこにも動かずに、そこからどれだけの指令をするか、また、どれだけの情報がくるかというような形で訓練をするのが市の本当の総合防災訓練じゃないのかなと思いますので、来年度どのような形になるかわかりませんけれども、そのような形で総合防災訓練は行うべきであると言わせていただきます。
いろいろ事後の処理について助役からお話がありました。こういったいろんな申請とか、また場合によっては市庁舎の中に退避をしてくるとか、いろんな方がいらっしゃる中で、相当な混乱をきわめるのではないのかなと思います。これを想定しての部分の訓練とか、これはなかなか難しいと思いますけれども、いつ何どき、何が起きるかわからないということで、今回の米国における同時多発テロによって本当にアメリカの政治とか経済が一瞬のうちに麻痺してしまうとかいうようなこともありました。地震の場合も市の機能が麻痺状態になってしまうということも、これはどんなに苦労していてもあるわけでもございます。私が言いたいのは、事前といいますか、災害に強い体制づくり、また、災害が起きたときにも必要最小限に食いとめようということで職員の方々が一生懸命にやっていたとしても、その後の復興時に、罹災の証明を全然発行してくれないとか、受けても全然答えがすぐ返ってこないとか、そういうことで行政の評価をしてしまう、こういうことは本当に悲しいことではないかと思いますので、そのような事後の訓練もこれからは今以上に視野に入れた中で、また体制づくりに励んでいただきたいと思いまして、質問を終わらせていただきます。