平成13年12月議会一般質問
2001年12月01日
質問要旨(H13-12)
1 市政の柱「健康と教育」に基づく諸課題について
(1) 「静かなる教育論議」の経過とその後の施策について
ア 静かなる教育論議「意見カード」の状況は
イ この意見をどのように活用し、今後の施策に生かすのか
(2) 生涯学習施設をはじめとする諸施設の休館日について
(3) 遠距離通学者への本市の対応について
2 市営住宅建て替え計画について
(1) 市営住宅借り上げ制度について
○6番【加藤仁司君】 通告に従いまして、順次質問してまいります。
はじめに、市政の柱「健康と教育」に基づく諸課題について、数点にわたり質問いたします。
昨年の12月、本市は政策の一環として「静かなる教育論議」をスタートさせました。この趣旨は、ゆっくりと時間をかけ、いつでも、どこでも、だれでもが未来を見据えて静かに教育を論議していくことで、市民一人ひとりが小田原の子供たちの未来に関心と責任を持つ心をはぐくみ、健全な地域社会を築いていくという理想を、市民の各界各層からの意見や提案を新しい小田原の教育施策に反映させるべく、積極的に取り組むことであると伺っております。本年6月14日に開催された小田原市議会総務民生常任委員会では、五つの重要課題を戦略的に推進する組織として、土地活用戦略会議、企業誘致推進会議、IT戦略推進会議、いきいき健康づくり推進会議、そして子ども・未来推進連絡会議が挙げられました。この子ども・未来推進連絡会議は、内藤助役を責任者に、江島教育長以下12名をメンバーとして、17名の推進部会とともに、教育総務課を窓口とし、「静かなる教育論議」のさらなる推進と、学校、家庭、地域の一体化の方法などを検討事項といたしており、市としての最重要課題と認識しております。
さて、以上から、この子ども・未来推進連絡会議が今後の教育施策を行う上でそれぞれの井戸端会議や市民会議を集約するようですが、そのフローに従い、順を追って質問してまいります。
まず、この井戸端会議は、各会合の終了前、たとえ5分でも10分でも教育についての議論をお願いしているようですが、なかなか会議の時間的制約や会場の都合などで難しい状況にあると推察いたします。各所管においては苦労されていると思われますが、井戸端会議開催の状況は現在どのようになっているかお尋ねをいたします。
次に、この井戸端会議の際、あるいは事前や事後に「静かなる教育論議意見カード」を配布し、教育に関する意見を提出するよう依頼をいたしておりますが、その配布状況はどうなのか、また、回収の状況はどうか、どのような意見が出されているのかお伺いいたします。
さらに、この井戸端会議を踏まえ、子ども・未来市民会議が年2回開催されることとなっており、先日の11月20日に開催されたと聞いております。この子ども・未来市民会議では、井戸端会議で出された意見を集約することになっておりますが、例えば180度正反対の意見があった場合など、どのように集約していくのかお伺いいたします。
また、前述したとおり、重要課題を戦略的に推進する組織として、子ども・未来推進連絡会議が年3回開催されることとなっております。この会議においては、子ども・未来市民会議の意見及び子ども・未来井戸端会議の意見をどのように活用し、今後の施策に生かすおつもりかお尋ねをいたします。
次に、生涯学習施設をはじめとする諸施設の休館日について伺います。
本年2月の施政方針の中で市長は、大人自身が頼もしい人格を持って子供たちを導く社会を築いていきたいとの考えを示されました。また、まちづくりは人づくりであると機会あるごとに話をされております。頼もしい人格形成、豊かなまちを創造するには、創造力と元気あふれる人材の育成のため、まさに生涯学習は重要な役割を担うものであると思われます。
そこで、本市における生涯学習施設は、図書館や公民館分館をはじめ地区公民館など市内各地域にその拠点を見ることができます。地域の方々がみずから学ぶ場として、時には趣味として、時には民俗芸能や文化継承の場として、また地域の各種団体の会議や憩いの場として利用率の高いこれら施設は、今や地域の中で重要な施設として位置づけられていることは明白であります。まして、多様化するニーズにこたえるべく、多くの地区公民館は年末年始など特定の期間を除き開館しており、地域の生涯学習の場としての機能を十分に果たしているところです。しかしながら、例えば地区公民館では、129館のうち4館が月曜日に、1館が火曜日を休館日としているところもあると伺っております。
そこでお尋ねいたします。ほとんどの地区公民館が毎週の休館日を設定していない中、少数の地区公民館が休館日を設定している根拠は何か、また、地域住民の拠点とも言うべき地区公民館は、年末年始を除き休館日を設けていないところが圧倒的多数であり、休館日を設定している公民館に対し、市から開館をするよう要望を投げかけるべきだと思いますが、市長の御所見をお伺いいたします。
さらに、中央公民館、国府津公民館においては、職員のローテーションにより毎週月曜日となっている休館日をなくし開館することは可能ではないのか、また、各分館においても月曜日は支所職員が勤務しており、休館する必要がないと思われるのですが、いかがでしょうか。加えて、地区公民館とあわせ、橘地域には前羽福祉館、下中老人憩の家があり、地域の福祉並びに市民の交流の施設としても活用されておりますが、この施設も条例により月曜日を休館日として定めております。この際、前述しましたとおり、市民ニーズに対応するために月曜日を開館とすべきだと思いますが、御見解をお伺いいたします。
次に、遠距離通学者への本市の対応について伺います。
「静かなる教育論議」における対象は、やはり主体は公教育の問題に焦点が当てられていると思われます。とりわけ、学校生活、教育内容等多岐にわたりさまざまな論議が出ていると推察いたしますが、今回は通学に関して幾つか質問させていただきます。
義務教育である小・中学校は、一部の越境通学を除き学区が定められ、その範囲で通学をいたしております。しかしながら、同じ学区でも、家から学校までが近距離であったり遠距離であったり当然その差があり、時間的にも徒歩では1時間以上かかる地域からの通学者もいると伺っております。そこで、これら遠距離の通学をしている児童・生徒はバスを利用している者も数多くいると聞いておりますが、その家庭にとっては経済的に大きな負担となっていることは事実であります。このような状況の中、国は、経済的な事情や要保護・準要保護児童・生徒及び特殊学級就学者への通学費に関してはその補助を行っております。就学奨励に関する援助については、「就学困難な児童及び生徒に係る就学奨励についての国の援助に関する法律」の第2条で、通学に要する交通費補助が示されております。
そこでお尋ねいたします。本市におけるこの法律に基づく交通費の支給対象者はどのくらいいるのか、また、適正な通学距離、すなわち小学校にあってはおおむね4キロメートル、中学校においてはおおむね6キロメートル以内を示した「義務教育諸学校施設費国庫負担法施行令」第3条に該当しない距離以上を通学距離とした児童・生徒はどのくらいいるのかお尋ねをいたします。
このような法的な範囲での遠距離通学者への交通費助成は当然のこととして、さきにも申しましたとおり、現在、小田原市内では数多くの児童・生徒がバスにより通学をしております。平成9年6月に当時の12番小松議員がこのことに触れ、通学費補助制度の創設を提案したところ、小澤市長はその提言を研究する旨の答弁をいたしております。
そこでお尋ねいたします。10番小松議員の質問以来4年ほどが経過しておりますが、その後、どのような研究がなされてきたのか。また、相変わらずの交通事情もさることながら、昨今の社会環境の悪化により、徒歩による通学では危険な場所を通らなければならないというような地域の児童・生徒にはバスによる通学をせざるを得ない状況にあると思いますが、保護者の負担軽減のため、このような家庭には本市独自の補助を考えてしかるべきだと思いますが、市長の御見解を伺います。
次に、市営住宅建て替え計画について伺います。
平成11年3月に策定した「小田原市住宅マスタープラン」によると、本市の持ち家比率は57.0%と神奈川県下でも比較的高い傾向でありますが、年々その傾向は減少ぎみとなっております。近年の景気低迷の中、持ち家、借家の住宅の建設も低調と言われ、住宅事情は決してよい方向ではなく、まして少子・高齢化の波はますます就業者の家計を圧迫し、なかなか住居への投資がしにくい状況であると思います。そのような状況のもと、市営住宅は現在、単独住宅を合わせ1643戸に上っていると伺っております。この市営住宅への募集状況は平均して5倍強と相変わらずの需要は高く、平成8年の公営住宅法の改正により単身高齢者の入居も可能となり、今後もニーズの高まりは続くものと見られます。この全入居者数4000人弱が居住する市営住宅は、昭和30年代以前に建築された住宅から高度成長期に建設された住宅等、既に老朽化が著しい状況にあると聞いておりますが、現在耐用年数を過ぎた住宅は全体のどのくらいの割合で存在するのか、お示しいただきたく存じます。私は、かなりあるのではないかと推測いたしておりますが、このように老朽化した住宅について、さきの「小田原市住宅マスタープラン」においては、鬼柳地区の住宅3団地の建て替えを核とした城北ニュータウン構想の検討推進がうたわれております。そこで、市営住宅を取り巻く環境から、現在どのような建て替え計画が進められているのかお伺いいたします。
次に、公営住宅については、平成8年の公営住宅法の改正により多様な事業形態での供給が可能になりました。その方策の一つとして、民間住宅の借り上げなどの地域の住宅市場に適した合理的・機能的な市営住宅の供給体制の整備が期待されております。神奈川県では既に本年10月1日より神奈川県借上公共賃貸住宅をスタートさせており、また他市においても、土地所有者が住宅供給公社と協力し建設する賃貸住宅を市が20年間借り上げる制度をとっているところもあります。そこで、本市においては、今後この公営住宅の借り上げ制度を導入するつもりはないのかお伺いいたします。
さて、長引く景気低迷の中、各企業は生き残り戦術のため、リストラをはじめコストの低減化を図っております。特に大きな企業や工場は、社員の住宅事情を考慮し、各地区に建設した社宅等は、企業の縮小、従業員の異動等によって閉鎖しているところも目立ってまいりました。今後、これらの住宅がどのように利用されるかはわかりませんが、中には数年来放置された状態で、治安上、放火や青少年の蝟集等、近隣環境の悪化も懸念され、有効な利用法を模索しているのではなかろうかと推察されます。そこで、現在閉鎖されているような企業の社宅など既存住宅を市が借り上げ、市営住宅として賃貸するようなシステムを検討すべきだと思いますが、市長の御所見をお伺いいたしまして、第1回目の質問といたします。(拍手)
○議長【川口真男君】 市長、登壇願います。
〔市長(小澤良明君)登壇〕
○市長【小澤良明君】 6番加藤議員の御質問に順次お答えをさせていただきます。
はじめに、「静かなる教育論議」についての御質問がございました。「静かなる教育論議」は、小田原の将来を担う子供たちを大人が温かく見守り、社会全体で子供たちをはぐくんでいき、人づくりからまちづくりにつなげていくことを目的としているわけであります。先ほど6番加藤議員から、教育委員会の学校教育の今後の計画に反映することを目的としているというお話がございましたが、そういうことでもございますけれども、それは成果のうちの一つというか、私から言いますと通過点をうまく利用していただくということでございまして、目的はやはり議論に参加していただく。あらゆる市民の皆様方が、保護者の皆さんも、先生方も、地域社会も、我々行政もいろいろな形で、あるときはそういう方々、あるいはその方々が混然一体となったような会議、あるいは年齢層、あるいは男女も混合した、とにかくいろいろな会議を、子供たちの問題、学校教育にかかわることから、健全育成にかかわることから、青少年の非行問題にかかわることから、とにかくいろいろな教育にかかわる問題をそれぞれのお立場で議論をしていただく、議論の場をつくる、参加していただく、発言していただく、あるいは人様の意見を聞いていただく、そういうことによってそれぞれが子供に対する関心を深めたり、その問題に対しまして御自身もまた少しずつレベルアップしていったり、そういうことが結果的に小田原が教育のまちである、あるいは熱心なまちである、あるいは子供たちも、大人の皆さんが僕たち私たちのことを本当に関心を持って温かく見守ってくれているという意識がはぐくんでいける。子供もすくすくとたくましく成長する、そういうことを目的としております。ですから議論を徹底的に盛り上げる、議論の場をつくる、参加をしていただく、そういうことそのものに目的を持っているというふうに私自身は考えております。
そこで、昨年度から市政の柱に教育を掲げまして、市を挙げて教育論議を進めるべく三つの会議体を設けたわけであります。その一つが、あらゆる分野の団体の代表者で構成する子ども・未来市民会議でございます。二つ目が、教育関係をはじめとする団体、これはさまざまな団体でございますけれども、等々が開催する子ども・未来井戸端会議。私は、この二つ目のこれが一番大切で、まさに目的はここのところをどう盛り上げるかによって果たすことができるかどうか、成果がかかっているところだと思っておりますけれども、井戸端会議。三つ目が、市役所の関係部局長で構成する子ども・未来推進連絡会議。この三つの会議が互いに連携して、市民の各界各層に教育について話し合ってもらうことをねらいとしてスタートいたしました。しかしながら、6番加藤議員の御指摘のとおり、時間的にも制約のあるさまざまな集まりの中で教育の井戸端会議を開催することはなかなか難しいというのが率直な思いでもあります。しかし、徐々にではありますけれども、井戸端会議の開催もふえてきておりまして、今後に期待しているところでもあります。井戸端会議の開催件数につきましては、本年11月末現在で約350件ほどとなっております。今後は市民へのPRをさらに進め、そういう状況でございますので、まず市役所が率先して水道(みずみち)づくりを進めていくことが大切である。全庁的に、そういうことでありますので、市役所各課各職員のこの問題に対する意識をもう一度覚せいするというようなことも考えていかねばならない、そう思って精いっぱい努力をしてまいります。市役所の各課に教育論議推進員というのが設けてありまして、これは一応、井戸端会議の責任者になっております。それを中心とした職員が会議に直接出向くなど積極的に取り組んでいきたいと考えておりまして、過日も、この総括的な責任者であります内藤助役以下に、もっと積極的に井戸端会議を進めるように、成果を上げるようにという強い指示も出しました。御理解をいただきたいと思います。
次に、井戸端会議で使用している意見カードについてのお尋ねがございました。井戸端会議は本来、会議や人の集まるところで多くの市民に教育についての思いや考えを発言していただくことを目的としております。カードを集めるということが、先ほどもお話ししましたように目標ではございません。意見カードを書くということで市民に負担を与えてはならないわけでありますが、市民の意見を知る手段としては大切なものであると思っております。意見カードは、井戸端会議の席上あるいは会議開催通知とともに事前配布するほか、支所・連絡所等には常時置いて、広く市民にも意見をいただく体制を図っております。意見カードの利用法は、それぞれの会議の中でカードをもとに教育に関する思いを発表したり、発言できなかった人からは会議終了後に提出していただいていますほか、郵便による方法も実施しております。意見カードの回収状況は、先月末日現在でおよそ3000件ほどでございます。また、意見の内容は、家庭教育に関する意見、青少年の健全育成と地域社会の役割などに関する意見が多いわけであります。
次に、子ども・未来市民会議についての御質問にお答えをいたします。この会議は、本市の将来を担う子供たちの教育のあり方について、市民社会を挙げて考える契機とするために、各界の関係団体等が一堂に会し議論する場を設けることなどを目的に設置したものであります。子ども・未来市民会議は、年2回の開催を予定いたしておりまして、去る11月20日に第1回会議を開催いたしました。会議には、各種の教育関係団体はもちろんでございますけれども、広く、自治会総連合、民生委員・児童委員協議会等々の地域団体に加えまして、産業、環境、芸術文化関係の団体、その他の市民活動団体など、各界で御活躍をいただいております四十数団体の代表者の方々に御参加をいただきました。当日は私が座長になりまして、各種の井戸端会議で意見が多かった、カードにもそのことがあらわれておりますけれども、「家庭教育」ということを今市民の皆さんは非常に大きな問題としてとらえていらっしゃいまして、「家庭教育」につきましてさまざまな御意見をたくさんお寄せいただいております。そういうことでもありますので、この「家庭教育」をテーマととりあえずいたしまして、日ごろの活動の中で考えていること、意見等を聞かせていただきまして、体験に基づく貴重で建設的な御意見を数多く伺うことができました。参加していただいた方々には、会議での意見交換を契機に、地域に帰って教育論議のすそ野を広げていただくことが私の願いでもございます。いずれにいたしましても、決まった時間に、本当に手短に、お一人3分、2分30秒になりますとチーンと鈴がなりまして、ですから思いが述べ切れない方々もいらっしゃいました。しかし、多くの皆さんの意見をいただきまして、傍聴していただいた方々からは、今まで聞いた会議では一番すばらしい会議だったというような御意見もいただいたわけであります。いずれにいたしましても、年度内には第2回目を開催し、子供たちを取り巻く教育環境について共通理解した上で論議の内容を深めていきたいと思っております。
この会議の中で、井戸端会議で出された意見をどのように集約するのか、例えば180度も違う意見もあったりして、それをどういうふうにまとめていくのかという御質問でございますけれども、子ども・未来市民会議は、「静かなる教育論議」を実施する場として設けた三つの会議体の一つでありまして、各界各層の関係団体が一堂に会し、教育に関して論議をする場として設置したものであります。各界各層のリーダーの方々がそれぞれの井戸端会議に参加し、発言し、人の意見を聞かれまして、さらなる論議を重ねることにより、それぞれに何ができるのか、何をしなければならないのか、みずから気づき、新たな取り組みへと発展していくことを期待いたしております。子ども・未来市民会議に参加されました団体の皆さんには、また御自分のところに帰っていろいろな井戸端会議のリーダーシップをとっていただいて、細胞分裂のような形でどんどんふやしていただきまして、そうした形でどんどん発展していっていただくことが、先ほどもお話ししましたけれども目的の一つでもございます。この会議は、異なる意見の調整を目的としたものではございませんが、こうした議論を続けていくことによりまして、教育に関する共通理解が深まっていくでありましょうし、各団体間の連携が生まれてくれればよりすばらしいことであるというふうに考えております。
次に、子ども・未来市民会議をはじめとする井戸端会議から提案された意見をどのように施策に活用するのかとのお尋ねがございました。「静かなる教育論議」は、先ほどお答えをいたしましたとおり、大人たちが未来を担う子供たちのことを考え、大いに議論していただくことが目的であります。しかし、井戸端会議で出された意見の中には、今後の教育をはじめ市政運営に参考となる、前向きで貴重な意見も多く寄せられておりますことから、庁内組織であります子ども・未来推進連絡会議の中で分析・検討し、施策に反映できるものは事業化を図ってまいりたいと思っております。さらに、今後策定を予定いたしております(仮称)学校教育推進計画や生涯学習プランにも反映をしてまいりたいと思います。いずれにいたしましても、何回もお話をいたしておりますように、いろいろな会議がございますけれども、市民社会の中で広範に徹底的に行われる教育に関する井戸端会議をできるだけそこに場を設けていただいて、参加して意見を言っていただく、あるいは人様の意見を聞いていただく、それによってそれぞれが子供たちあるいは教育に関する関心を高め、お互いを高め合っていくということが目標でございますので、ぜひ議会の皆様方におかれましても、それぞれの後援会でありますとかお知り合いの集まった席等でも、議員の皆様方がリーダーシップをとっていただきまして、井戸端会議に積極的に御参加をいただきますことをお願い申し上げる次第であります。なお、その際には、担当者を御連絡いただければコーディネートいたしましたり、いろいろなことにお手伝いさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。これは議員の皆様方だけでなく、市民社会の皆様方、どういうお立場であろうとも御協力をさせていただきたいと思っておりますので、よろしく御理解と御支援をお願い申し上げます。
次に、地区公民館の休館日につきまして御質問がございました。地区公民館の休館日につきましては、条例・法規的には特に根拠はなく、各自治会で規約をつくって独自に管理運営していることは御承知のとおりであります。地区公民館は現在ほとんどが休館日を設けていない状況であります。休館日を設けている公民館は、それぞれ地域の何か事情がございまして、それによって設定されているというふうに思われます。今後、小田原市公民館連絡協議会の研究集会等の場を通じて、休館日につきましての話題を投げかけていきたいと思います。
次に、中央公民館等の月曜日の開館についての御質問がございました。中央公民館、国府津公民館等の公立公民館は、幅広い多種多様な公民館主催事業を実施しております。また、施設の稼働率も高く、大変多くの方に利用していただいている中で、月曜開館の必要性も感じているところであります。そうした中で、中央公民館、国府津公民館では、最低限の職員数で運営している現状でありますので、事務要員の問題のほか、施設の運営経費や設備の保守点検の問題、さらには他市の状況等も調査しながら、調査・研究を進めているところであります。分館につきましては、支所長が分館長を兼務し管理に当たっております。今後、開館に向けまして調整を図ってまいりたいと思います。なお、その検討に当たりましては、公民館運営審議会等の御意見も聞いていかねばならないと思っておりますので、これらの皆様方の御意見もお聞きしながら、6番加藤議員御指摘のような方向で進められれば私もいいのではないかというふうに思っております。いろいろと問題点等も洗い出しをしますので、少し時間をおかりしたいと思います。
次に、前羽福祉館、下中老人憩の家の月曜休館日の廃止についてのお尋ねがございました。前羽福祉館、下中老人憩の家の休館日につきましては、条例で年末年始などのほかに月曜日を休館日と定めております。月曜日の休館につきましては、市民の利便性の向上を図るため、現在、この2施設につきましては月曜日も開館する方向で、これにつきましても検討をしているところであります。
次に、遠距離通学者への本市の対応について、まず「就学困難な児童及び生徒に係る就学奨励についての国の援助に関する法律」第2条に該当する交通費の支給対象者についてでございますが、この法律の対象は、経済的理由により就学困難な児童・生徒に学用品費等を支給し、就学奨励を行うもので、要保護及びそれに準ずる程度に困窮する世帯であります。通学に要する交通費につきましては、国の要綱により、通学距離が小学校は4キロメートル以上、中学校は6キロメートル以上の児童・生徒で交通機関を利用して通学する場合に支給することとなっております。このことから、平成13年度の支給対象者は小学生が0名、中学生が1名であります。
次に、「義務教育諸学校施設費国庫負担法施行令」第3条に該当しない距離以上を通学距離とした児童・生徒がどのくらいいるのかという御質問にお答えをいたします。ちょっと長いわかりにくい名前の法律でございますけれども、適正な学校規模の条件として通学距離が、小学校においてはおおむね4キロメートル以内、中学校においてはおおむね6キロメートル以内となっているわけであります。本市においては、小学校における4キロメートル以上の地域は久野の一部地区がございます。平成13年度にこの地区から通学している小学生は2世帯、3名ございます。中学校における適正な範囲外、要するに6キロメートル以上から通っていらっしゃる方はいらっしゃいません。本市においては、おおむねこの適正範囲内に学校がバランスよく一応配置はされているということになっております。
次に、通学費補助制度についてどのような研究をしてきたのかという御質問でございますが、通学費補助制度について、神奈川県、近隣市町に調査を行いました。その結果、県下における通学費補助を行っておりますのは、南足柄市、箱根町ほか3町の計5市町、南足柄市も箱根町もお隣でちょっとあれなんですけれども、県下37市町村の中で5市町がございます。学校統廃合による条件が3市町、学校が一緒になるときの条件づけとしてこれを求められて実施しているのが三つの市と町、そして通学用マイクロバス廃止に伴う代替措置によるものが1町、4キロメートル以上の遠距離通学に対するものが1町となって、五つの自治体となっております。昭和40年8月でございますけれども、かつて久野小学校明神分校を廃校する際に、公用車により送迎を行っていたわけでありますけれども、その公用車の運転手さんが平成9年3月に退職をされまして、これに伴いまして、保護者、そして自治会の皆さんが話し合いをしていただいたわけでありますが、基本的には保護者の責任で送迎をしていただいております。へき地児童生徒援助費補助金という国の制度がありますが、本市はこの法律の対象である地域に該当はしておりません。以上のような現況から、本市では、おおむね各校とも適正な学校規模の範囲内にありますので、通学費補助は行っておりませんので御理解いただきたいと思います。
次に、バスによる通学をせざるを得ない状況にある、このような家庭には本市独自の補助を考えるべきという御質問がございました。現在、市内小・中学校の一部の地域で、バス等により通学している児童・生徒がいることは承知いたしております。これらは保護者の希望により学校長が許可をしているものであります。同じ学区、同じ通学距離でもバス等の便もなかったり、家庭の方針で徒歩通学をしている人もいます。そういうことを考えますと、地域の実情に違いはありますが、通学にかかる費用・手段・距離・時間等から見て、交通費を補助することは公平の確保などからなかなか難しいと現状では考えているところでありまして、御理解を賜りたいと思います。
次に、市営住宅の耐用年限及び建て替え計画についてお尋ねがございました。本市の市営住宅は23団地1643戸ございます。木造及び簡易耐火平屋建て合わせて計166戸が耐用年限を経過しておりまして、その割合は1割になっております。国の今後の方針では、新設団地の建設は行わずに、既存住宅の建て替えや住宅改善・維持保全を重点に実施していくことで、民間における住宅建設等の活用や、高齢者・身障者が安心して居住できる環境整備を促進することなどが打ち出されております。それを受けて本市では、現在老朽化している住宅の建て替えを含めた改善等整備計画の策定作業を行っている最中であります。
次に、市営住宅借り上げ制度の導入についてお尋ねがございました。従来、公営住宅は公的機関が直接建設することとされてきました。平成8年度に、民間の土地所有者が建設した賃貸住宅を公営住宅として借り上げる制度の法改正がされたことは御指摘のとおりであります。公営住宅借り上げ制度を導入しておりますのは、県下では神奈川県及び横浜市など8市が行っております。現在、先進事例の状況や、貸す側、借りる側のメリット・デメリットなどを研究しているところであります。今後、その成果を踏まえて、民間における住宅建設等を活用した市営住宅借り上げ制度の導入を前向きに検討してまいりたいと思っております。
次に、既存住宅の借り上げについてのお尋ねがございました。借り上げ住宅制度は、新築や既存に限らず、建築年数、戸数要件や所有者につきましても特に定めはございません。公営住宅として借り上げる住宅要件としては、公営住宅等整備基準に適合する必要がございます。借り上げ住宅は、市営住宅として20年を期間とする借上賃貸借契約を結ぶことになっております。費用対効果の面から新築住宅が効果的でありまして、また、入居者の管理を行う上でも棟単位での借り上げが適切と考えているところでありまして、既存住宅の借り上げは整備基準に照らしましても、そういうことで国の補助を受けますから、決まっている基準が非常に厳しいらしいのです。そんなことで該当も少ないようであります。いずれにいたしましても、当面は新築住宅の方の検討を重点的にはしておりますけれども、さまざまな視点から、こうした問題につきましても検討・研究をしてまいりたいと思っております。
以上をもちまして、6番加藤議員の御質問に対しましての答弁とさせていただきます。
○6番【加藤仁司君】 質問に対しての御答弁をいただいたのですが、再質問をさせていただきます。
まず、「静かなる教育論議」ですが、市長の方から、教育の施策の反映というのは一つの通過点にすぎないんだということで、目的はその議論に参加をすることが大事だと、本当にこれはおっしゃるとおりで、まさに全国的にも大変注目を浴びているんではないかなと思います。この井戸端会議については、今市長から御答弁がありました。全庁的にこの教育問題についての議論を深めるんだということで、各課に教育論議推進員を置いているということでもございますが、例えば直接教育に関係ない環境とか建設とか福祉とか、そういういろんな部署があるわけですけれども、ここにも教育論議推進員を置いているとこちらは解釈しておりますが、そこが受け持つ審議会や協議会、ここら辺のところでこういった論議を今の時点で行っているのか、また、今後どういうふうに行っていくのか、そこら辺のところを再質問としてお聞きをしたいと思います。
それから意見カード、これについては、私も出席をした委員会とか協議会の中でこの意見カードを事前にそしてまたその当日も渡されたんですが、なかなかその場で書くというのは難しい、また事前に書いてくるのも難しいということで、ここら辺のところは現実に実施をして回収をする方も難しいという、市長からも御答弁をいただきましたが、そもそもの目的、これについては市長もかなり時間をかけて今お答えをいただきましたように、市民それぞれにこの議論を深めてもらいたいんだというお話もありましたので、この意見カードは、現時点ではその組織に入っている方々が集まる会合等で配られたりもしているんですけれども、市民一人ひとりの意見を聞く、このためには全市民へこのカードがいくような施策、これは何か考えられていないのか、そこをお聞きしたいと思います。答弁の中では支所とかに置くということは聞いていますけれども、ここだけでは、全市民に浸透する、そこから意見をもらうというのはちょっと難しいと思いますので、ほかに全市民からこの意見をもらうような方策を考えられてはいないのか、ここを2点目として伺いたいと思います。
次の質問です。遠距離通学の御答弁をいただきました。それぞれの数字をいただいたわけですけれども、今回この質問をするに当たり、市長からもお話がありましたように、家から学校まで遠い、これはいろいろな事情があって仕方がないということですけれども、バスに乗る方々すべてに援助してくれというお話ではありません。私どもの地域にしてみても、バスで通っているところ以上に遠距離から通っている児童・生徒もいます。しかしながら、そこにはバスが通っていないという現実もありますので、そういった方々からすれば不公平になるということは十分承知をしているわけでもございます。ただ今回の視点、さきにも言いましたように、御承知のように6月の大阪の児童殺傷事件、これも生々しい記憶があるわけですけれども、これだけ社会環境が悪化しているという部分、これはこの5年、10年の間で、それこそ今子供を学校に通わせている親御さんからしてみれば、いつ自分の子供がそういう事件に巻き込まれてしまうのかわからないと本当に不安な毎日を送っているのではなかろうかなと思います。これは、バスで通学をしているとかしていないとか全く関係なく当然の心配事ですけれども、ただ、どうしてもバスで通わなければいけない子供たち、もしも徒歩で通ったときには人家もありませんし、また時間がかかり過ぎる、先ほども例えば1時間ぐらいかかるとかいうこともあるということを申したんですけれども、特にこういう冬の時期とかはすぐに暗くなってしまう。どうしても安全を保つためにはバスで通学しなければならないという家庭が本当にどれだけいるのか、ここら辺のところを私も聞きたいと思いまして質問をしているんですけれども、一つ資料がありまして、それを述べさせていただきます。
これは、一昨年に小田原市のPTA連絡協議会が自主的にアンケートをされたという資料です。これは自主的にということですので、正確な数字かどうか定かではない部分も多少はあろうかと思いますけれども、アンケートによる答えということで聞いております。例えば片浦中学校ですが、石橋や八貫山、ここまでの距離というのはおよそ6.5キロメートル、バスを利用しない場合は通学時間が約1時間相当要する、こういうアンケートがきているようです。この場合の定期代は、中学生ですが1ヵ月7920円、年間にしますと、8月の夏休みを別にしますと11ヵ月を掛けまして8万7120円。平均的家族ということになりますと子供が例えば2学年離れてお二人、そういう形で計算しますと、掛ける2ということで年間17万円、これだけの部分が交通費にかかってしまう。これは平成11年当時で今言ったバスを利用しているのが13名存在しているという現実の数字であります。また、調査の中で最も遠距離だと思われるところの計算でいきますと、白山中学校へ諏訪原または市の斎場からバスで通ったときの定期代を見ますと1ヵ月9360円、年間にいたしますと10万2960円ということで、先ほど言いましたように例えば2人兄弟ということになりますと年間20万円を交通費に使わなければならないという状況になってしまうわけです。これは平成11年当時で17人いらっしゃるという一つのアンケートが出ております。いろいろ新聞の中で今、例えば小・中学校の学区の廃止、先ほどのお話なんかでも幼稚園の学区の部分も出ておりましたけれども、こういう学区の廃止というのは、今の方向からすると、どんどんこの廃止が進んでいくような方向にあるようですけれども、そうなれば遠距離通学はふえるかもしれません。しかしながら、学校があっても自主的に遠距離通学をするということは、それぞれの家庭の事情ですから補助する必要というものはないかもしれません。しかし、現在は決められた一つの学校に行かなければならない。こういう中で遠距離通学をしなければならない児童・生徒、これが存在するということが大事じゃないかなと思います。
そこで、今アンケートの数字を出しましたが、先ほど言いました距離とか、そういったものはどういう形で調査をしたかというのは私も聞いてはおりませんけれども、今回、今、市の中ではその法令に該当するところの方は2世帯、3名ということを聞いてはいるんですけれども、本来、ここで各学校ごとに実態調査を教育委員会の方ですべきじゃないか、それをした上でこういった論議をしていきたいなと思っております。聞く中では細かい調査をされていないような感じがいたしますので、実態調査を行う必要性について御指摘をしたいと思いますので、これを再質問とさせていただきます。
次に、市営住宅の借り上げ制度、これについてお答えをいただきました。老朽家屋はあまりにも多いということで、いろいろなこれからの改善等の整備計画を立てている最中だということではありますけれども、基本的には新規の新築住宅を検討するという御答弁ではありました。今回この質問をするに当たって、実際に企業の名前を言いますと問題があるかもしれませんので伏せますけれども、いろいろ大きな企業のところで完全に建物が各棟ごとに閉鎖をしているというところも現実にあります。また、虫食いといいますか、そういう社宅のようなものがあっても、その中で半分ぐらいは空き家になっているといったところも幾つか目にしております。やはりこの周辺に住む方々は、空き巣とか不法侵入、また隣がいないということで大変不安な日々を過ごしている人たちも多いかもしれませんので、これは市民の安全を守るという意味からも、こういったところの借り上げの検討はぜひともすべきじゃないか、このように思います。そこで、そういった企業、失礼になるといけないんですけれども、そのように閉鎖になっているような建物を持つ企業等に、これからどうするのか、そこら辺を市の方で話をしてもよろしいのではないのかなと思います。この企業の意向を聞くような姿勢を市の方に求めるんですけれども、御見解を伺いたいと思います。
また、一つ方向の方は変わりますけれども、先ほど言いましたように、今はそういう住居があっても空きがあったりします。市営住宅も同様に6月と11月の年2回空き家の募集が実施されておりますけれども、これは市民から寄せられる本当に素朴な質問として、応募の競争率がこれだけ高いにもかかわらず、なぜ空き家を数ヵ月間もそのままにしておくか、これに対して不満といいますか、そういった声をよく聞きます。通常の民間のアパートとかにしてみれば、家賃が数ヵ月入っていないということは大変なことで、いろいろな御努力をされているということを聞いておるんですけれども、年2回という抽選方法、これについても検討する余地があるのではないかなと思うんですけれども、ここら辺の御見解もあわせて伺いたいと思います。
○市長【小澤良明君】 6番加藤議員の幾つかの御質問のうち、2点目の井戸端会議の意見カードを教育に関係する団体ではなく全市民的に広げていくのかというお尋ねについて、私の方からまずお答えいたします。
今後とも、この井戸端会議を先ほどもお話しいたしましたように各界各層に広げていくということでございます。また、その水道(みずみち)づくりを庁内でする。これにつきましては後ほど担当からお答えいたしますけれども、そういうことでやりたいと思っておりますが、意見カードの提出も、先ほどもカードを集めることが目標ではないというお話をしましたけれども、ただ最終目標ではございませんけれども、書くという行為に参加するということも、書いてポストに入れていただくとか、例えば御自宅に配布いたしまして出していただくというようなことをしますと、お仕事でサラリーマンの方がお帰りになって記述していただいてポストに入れる、それも立派な井戸端会議への参加だと思うんです。そんなこともありますので、「市長への手紙」を支所に置いたり、一時、全戸配布いたしましたりしましたが、ああいうような手法も考えられますので、こうしたことも考えて、できるだけ全市民的な広がりについて考えていきたいと思っております。まずその前に、いずれにしても庁内にそういう責任者がいるわけですから、それぞれの場所でしっかりとこの問題をとらまえてもらって責任を果たしていってもらう。そういう中で初めて井戸端会議が市民社会の中にいろんな形でうねりのようになっていくんだというふうに考えております。
以下につきましては、担当の方からそれぞれお答えさせていただきたいと思います。
○助役【内藤武彦君】 6番加藤議員の再質問のうち、今市長がお答えしました以外で、まず最初に井戸端会議の関係での御質問がございました。小田原市におきますところの「静かなる教育論議」の取り組みにつきましては、先ほど市長の答弁にもございましたように、まちづくりは人づくりというような観点から、これは非常に息の長い壮大な事業という言い方が正しいかどうかわかりませんけれども、全国的に珍しい取り組みだというふうに考えております。したがいまして、どういう取り組み方が一番効果的かというのはなかなか難しいことで、小田原では井戸端会議というところから始めているところでございます。先ほども御答弁申し上げましたけれども、井戸端会議を300回以上行ってきているわけですが、この井戸端会議、「静かなる教育論議」が市の各界各層に浸透しているかというと、なかなかそこまでには至らない。したがいまして、先ほどお話ししましたが、井戸端会議のコーディネーター役として各課に教育論議推進員というのを置いておりまして、この推進員を中心に井戸端会議を広めよう、開催していこうという意気込みでございますけれども、先ほど言いましたように、なかなかまだそれが浸透し切っていないという状況でございますから、ここで積極的にこの井戸端会議を開催することを義務づけようというふうな考え方でおります。ただ、これが本当に効果があるかどうかわかりません。これはやはり試行錯誤の部分があろうかと思いますけれども、とにかくこの13年度内に井戸端会議を頻繁に開くということを習慣づけようということで、実はこの議会が終わり次第、この教育論議推進員の会議を予定しております。そこで、いつ開催予定をしているのか、既に開催した分については、いつ、どこで、どの程度の意見カードが集約できたのか、これらを報告することを義務づけて取り組む考えでございます。
それから市営住宅の問題について2点ほど質問がございました。まず、民間住宅の借り上げの問題でございますけれども、これは先ほど市長が御答弁申し上げましたように、公営住宅として借り上げる場合の住宅要件というのが、公営住宅整備基準というのがございまして、これに適合する必要があるわけでございます。これは平成10年度に改正されました整備基準によりますと、ちょっと細かいことになりますけれども、居室の面積、各種設備のほかに、出入り口の幅だとか配置並びに廊下の幅、それから高齢者等の通行に支障を生じないための段差がないこと、床面が滑らないこと、手すりを設置することなどいろんな細かい基準があるわけです。したがいまして、新しい基準でありますので、既存住宅ではそのままでは適合するものがないのではないかというふうに思っています。さらに、市営住宅というのは、市全体で見た場合に、地域的にバランスよく配置するということが一つ必要だなということがありますし、この民間住宅の借り上げ方式の一つのねらいとしましては、民間土地所有者の土地活用の意欲を引き出す、こういった経済的な活性化の目的も一方ではあるというふうに考えておりまして、20年間借り上げる住宅としまして、あまり維持修繕がかかることのない新築された民間住宅が適切だという考え方が現在あるわけですけれども、いろいろ御指摘もございましたように、まだまだ今後いろんな角度から検討していかなければならない点もあるのかなと思っておりますので、その辺は研究をしていきたいというふうに思っております。
それから市営住宅の空き家募集についての御質問がございましたけれども、これは現在は6月と11月の年2回の空き家募集でございます。平成12年度(昨年度)では、この年間を通じての空き家募集は75世帯ございまして、これは住宅の明け渡しが行われた結果そうなったわけでございますけれども、この募集件数は、住宅の明け渡しが行われるというその時期によってばらつきがあるわけでございます。空き家となる状況ですけれども、空き家になりますと必ずしも直ちに再入居できるというわけではございませんで、明け渡しが住みますと、特に床下、便所、台所回り、これらについては大抵腐食をしておるという状況がございますので、これらの手入れをしなければいけない。また、配管類の取り替え等を行う。そういう手続を踏みますと、一定の工事でございますから、これには最低でも2ヵ月から3ヵ月ぐらいかかる。いろいろな工事の手続をしていますと、そういう期間が必要であるということでございます。一方、御指摘のように、入居の希望者からは募集期間以外の照会もかなりございます。ございますけれども、随時の申し込みで受け付けを行いますと、早く申し込みを行った者が有利ではないかというようなことにもなりかねません。こういうようなことから、小田原市としましても各市の状況等を聴取しておりますけれども、県内各市におきましては随時募集は現在行っておらないようでございまして、空き家の随時入居を募集することについてはいろいろ問題点があるんだなというふうに思われますので、現在のところ、随時募集にすぐに振り替えるという考え方はございませんが、回数等については検討の余地があろうかなというふうに考えております。
以上です。
○教育長【江島 紘君】 遠距離通学のことにつきましての再質問には私の方からお答えしたいと思います。
教育委員会といたしましては、今までも交通機関を利用している児童・生徒数でありますとか、利用交通機関ということについては調査を行ったわけでございます。また、片浦小・中学校、それから久野小学校、白山中学校区ということにつきましては、学校から最も遠いバス停までの実測調査ということは行っております。ですけれども、調査としてはあまり十分なものとは思っておりませんので、さらに実態を把握するためにも、今後、調査は全校的に行ってまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
○6番【加藤仁司君】 御答弁をいただきました。井戸端会議につきましては、例えば全庁的な開催の習慣づけといいますか義務づけといいますか、こういったことでかなり積極的にこれからも行うということで、どんどんやってもらいたいなと思います。特に11月20日に開催いたしました子ども・未来市民会議、これについては先ほど市長から大変好評を得たというお話がありましたけれども、私自身も、それに私は出られなかったんですけれども、参加された方から本当にすばらしかったというお話も聞いております。こういった理想を掲げました壮大な事業については、どしどしやっていただきたい、このような思いをいたしました。
さて、先ほど再質問ではなかったので触れなかったんですけれども、休館日の部分について触れさせていただきたいと思います。生涯教育については、私どもが言うこともなく、これからの時代に求められるものだということで認識をしているんですけれども、これはお年寄りにしてみれば生きがいを見つけるということもあります。また、子育てに悩む親御さん、この方々も救われることもあるかもしれない。そういうことで、この休館日の設定を外すということについてはこれからぜひやってもらいたいことだと思います。いろいろと前向きな御答弁をいただきましたので、あとは実施の時期につきまして人的な調整、こういったことも必要なところもあるでしょうから、ここら辺は速やかに対処していただいて、また無人で管理をされているようなところは、すぐにやろうと思えばできると思いますので、早急に行うよう強い指示を各所管の部長に関しては与えていただきたい、このように思っております。この背景として、やはり学校週5日制が来年4月から始まるということで、今まで子供たちは土曜日隔週で学校に行っていたんですけれども、今度は地域に戻すという発想があるわけでもございます。そういったことで、今まで土曜日にいろいろな活動を公民館の中でしているような団体も、今度は子供中心になってしまう。ここら辺もあるんではなかろうかなと思います。追い出しをくらうなんていうと変な言い方になりますけれども、この解決策としても、やはり月曜日の休館日または火曜日の休館日という部分の返上、これについてはぜひともよろしくお願いをしたいと思います。
御答弁をいただいた中で遠距離通学の方ですが、今教育長の方から、学校からバス停までの実測ということでの調査はされたということですけれども、またそのバス停から子供の自宅まで相当離れているというところも中にはあろうかと思います。今後、調査をしたいということでありますので、ぜひともこういった実態調査を再度お願いするわけです。ここで調査をするということではあるんですけれども、もしもこの実態調査をして、先ほど言いましたいろいろな施行令とか、ここに該当するところが出てきた場合、これはいろいろな要綱をつくって市の方も対応しなければいけないんじゃないかなと思うんですけれども、こういった要綱づくりに関しては、市の方はどういうふうにされるのか、ここについて再々質問をさせていただきたいと思います。
続きまして市営住宅です。助役から御答弁をいただきました。確かにいろんな条件がある。難しいのじゃないかなということを言われたんですけれども、既存住宅では無理ではないかと、これはあくまでも推測でお話をされている部分なのかなと思います。今、助役からのお話の中で、実は一日二日前ですか、新聞にもちょっと載ったんですけれども、県議会が開会されて、岡崎知事が、県営住宅の老朽化対策として、内装などの全面営繕を行い、永年使用することを来年度から本格導入すると発表したという記事が載っておりました。今年度は試行期間だということであるんですけれども、今県の方は恐らく、こういう今までの基準ではちょっと難しいようなところを何とか営繕によってクリアして、新規の住宅建設については財政事情からちょっと見直していこうと、こういう方向を示したという記事だったと思います。これも一つの方法だと思うんですけれども、営繕による延命化について本市では検討されないのか、導入する意向はあるのかどうか、ここについて伺いたいと思います。
○学校教育部長【野口孝二君】 6番加藤議員の再々質問につきまして、私の方からお答えをさせていただきます。
要綱をつくる意思があるかどうかという御質問でございますが、先ほど教育長から御答弁申し上げましたように、まずここで実態調査を全校いたしまして、その結果を踏まえまして、必要があれば要綱づくりを検討していきたいというふうに考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。
○理事・建設部長【菊川秀穂君】 市営住宅の建て替えに伴う延命化の措置ということで御質問がございましたので、私から御答弁させていただきます。
これにつきましては、先ほど市長からも御答弁申し上げましたけれども、国の方針が、なるべく新住宅をつくらずに延命化しろということでございますので、神奈川県と同様に、私どもとしましても現在ある住宅の延命策をできるだけとっていきたいと、このように考えておりますので御理解いただきたいと存じます。