平成15年6月議会一般質問
2003年06月01日
平成15年6月定例会
◆15番(加藤仁司君) 通告に従いまして順次質問してまいります。
はじめに、本年挙行されました統一地方選挙後の神奈川県政と小田原市政との関係について伺います。
さきの統一地方選挙は、3月27日よりスタートした11都道県知事選挙を皮切りに、道府県の議会議員選挙などが行われ、続いて全国で2300件余りの首長・議会議員選挙が繰り広げられました。神奈川県においては、昨年12月定例県議会において、岡崎前知事が2期8年の任期を全うし辞任することを表明し、新人7氏による選挙の結果、次点に36万4000票もの大差をつけて松沢成文知事が誕生いたしました。ちなみに、全投票総数の32.6%を獲得するという圧勝で知事選が終了したことは皆様周知のとおりであります。この神奈川県知事選挙を振り返りますと、全国にも例を見ない「マニフェスト」という新しい言葉がとても印象的でした。「マニフェスト」とは政策宣言あるいは綱領を指し、今までの候補者による公約の明確化を図るため、数値目標までも記した全く初めての試みに、マスコミも大きく取り上げ、戦術としては明快な公約として多くの有権者の関心を呼んだように思えます。
〔議長退席、副議長着席〕
さて、このような中で松沢知事新体制がスタートしたわけですが、知事が選挙前に掲げた「マニフェスト」は、37の政策について書かれております。内容の一つ一つについての感想を聞くには時間もありませんが、まず、市長はこの「マニフェスト」をごらんになったのか、1点目としてお聞きいたします。また、ごらんになったのであれば、どのような感想をお持ちになったのかもあわせてお聞きいたします。
私も、この「マニフェスト」が出されたときは、御承知のように統一地方選挙第2弾の市議会議員選挙も控えていた時期でもあり、詳細なる調査をしていなかったのですが、先日、インターネットにて取り寄せてみました。その「パート1神奈川力で日本を変えるにおける政策」の一つ目として、「国から都道府県へ5兆5000億円の税財源の移譲を勝ち取り、県税収の1400億円増収を図る」という宣言をしております。このことは、数日来、マスコミをにぎわしている地方分権改革推進会議が税財源の移譲を先送りしたことから、地方分権を推進する各県知事から一斉に反発の声が上がり、松沢知事も「三位一体改革の実現に向けての緊急声明」に名を連ねておることから、地方分権改革推進会議の対応へ批判を表明し、積極的な地方分権を推進すべきだと語る知事の行動を、県民の一人としても高く評価をするものです。
先週は、経済財政諮問会議が「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2003」、骨太の方針第3弾の原案をまとめ、平成18年までに4兆円の補助金の削減や、税財源については、財務省と総務省の葛藤の中、補助金削減額の8割を移譲するとして一定の数値目標を掲げたものの、具体的な内容までは示されず、さらに、地方交付税改革に至っては、財源保障機能全般を見直して縮小するといった内容であります。政府は、与党と協議した上で、本日の諮問会議で最終案にまとめ、24日に閣議決定をする方針であったようですが、その協議が難航しているようであります。
そこでお伺いいたします。市長はみずからを地方分権の申し子であるとよくおっしゃいますが、今回の三位一体改革について、どのようなお考えをお持ちでしょうか、また、これから地方分権推進に向けてどのような具体的な行動をとられるおつもりかお伺いいたします。
さらには、この「マニフェスト」を調査していくうちに感じたことですが、「首都圏連合の設立」や「京浜臨海部の再生」といった地域性のある事業に関しては、県西部の記載がほとんどなく、どちらかというと横浜、川崎といった東寄りの政策が多いように思えます。既に、先日の6月17日には京浜臨海部再生会議の初会合を開催し、三つの課題を設定して1年以内に具体策をまとめるなど、積極的な行動をとられております。川崎市麻生区選出の県議会議員、また神奈川2区及び9区の衆議院議員であった知事でもあり、これからの神奈川県政と小田原市政との関係に少なからず影響があるのではないかと懸念するものですが、市長の御所見をお尋ねいたします。
次に、今述べましたように、松沢知事はさまざまな政策を宣言され、これから政務に励まれるわけですが、現在、神奈川県では、平成9年1月に策定された「かながわ新総合計画21」を推進しており、平成18年度までに目標に即した施策の方向と主要施策を行う実行計画、及び同じく同年までに地区ごとの将来像とその実現に向けた地域プロジェクトを示す地区実行計画が展開されようとしております。継続中のこの計画について、県議会においてさまざまな議論が展開されると予想されるのですが、神奈川県の将来像を見据えた「かながわ新総合計画21」は、県民生活をはじめ県全体にかかわることが網羅されており、今後、松沢新知事のもと、この総合計画の推進に影響があるのではないかと不安を持つものですが、市長の御所見を伺います。
次に、さきに述べました地区実行計画における緑住快適交流都市圏に位置づけられる西湘地区の地域プロジェクトには、さまざまな事業実施、事業支援、事業連携施策があり、継続中の事業について、これからの県の姿勢が心配されます。そこで、「かながわ新総合計画21」に限らず、その事業の行方が小田原市の将来に大きくかかわる県に関連する事業の進展、例えば、本議会においても毎回議論されております穴部国府津線や小田原中井線の道路事業、また、地域と調和した産業基盤の整備として準備が進められている上町地区や小竹地区の土地区画整理事業等は、今後、推進の方向性が変わることがないのかお尋ねいたします。
次に、大項目の二つ目、市庁舎並びに公共施設のセキュリティについて伺います。
昨年の11月、神奈川県庁の新庁舎階段踊り場に展示してあった時価600万円相当の日本画が別の絵画にすりかえられている事件が報道されました。この大胆な犯行は、だれもが立ち入り自由な公共施設だからこそ、だれにも疑われることなく盗難に遭った、いわば盲点をつかれた事件でありました。本小田原市庁舎においても絵画等が壁に掲げられてあるフロアもあるわけですが、絵画に限らず、日常の業務の中で各所管のデスクやロッカーには書類や資料、またコピー機やFAX等の機器もあり、これらの管理について何点か伺います。
まず、小田原市庁舎をはじめとして、学校、病院等の公共施設における盗難事件などは過去発生していないのか、この3ヵ年の状況を教えていただきたい。
また、市庁舎をごらんになればわかりますが、市庁舎は、フロアやセクションにおいてオープンスペースの部課、専用の扉があって施錠可能な部屋等が混在しております。それぞれの部屋には管理者が存在していると思われますが、先にも述べました各所管の資料、書類、機器などはどのような管理をされているのか、公共施設全般についての様子をお伺いいたします。
次に、各所管にて利用されているパソコンなどについては個人所有のものも多く、その管理についてもお聞かせください。
さらには、本庁舎及び公共施設には申請書類や名簿等の個人情報もかなり存在すると思いますが、これらの管理はどうなっているのでしょうか。また、これらの情報はパソコンのハードディスク及びフロッピー等の記憶装置に保存されていると推察いたしますが、それらソフトの管理面についてもあわせてお伺いいたします。
次に、休日・夜間におけるセキュリティについてお尋ねいたします。
市庁舎の業務時間は、毎週火曜日の窓口延長サービスを別として5時まで、土曜・日曜は休日となっておりますが、所管によっては会議、残業等で深夜に至るまで市役所内に人の出入りがあることが日常であると思います。この日常業務においては、ある一定の時間を見て、正面玄関をはじめとする扉は閉められ、1階の職員通用口の1ヵ所を窓口として、警備員を配置して人の出入りをチェックしているようですが、そこで何点かお尋ねいたします。
一つ目として、休日や夜間における市庁舎に出入りする方々のチェックはどのようになっているのか。また、訪問先への確認はされているのか。さらには、近年、炭疽菌事件などのように不審者や落書きなども心配される中、荷物のチェックなどはしていないのかお尋ねいたします。
二つ目として、不自然な入退出時間や不審に思われる事態が発生したときの対応はどうなっているのか、公共施設全般についてもあわせてお尋ねいたします。
次に、大項目の3、選挙管理に関する諸課題について何点か質問してまいります。
はじめに、投票所の配置について伺います。
現在、小田原市には54の投票所が設けられ、選挙のたびにその運営管理が行われております。さきの統一地方選挙においても各投票所が利用されたわけですが、それぞれで投票率が大きく異なっております。このことは地域事情もあるかもしれませんが、投票所の設定にも関係があるかもしれないと思っておりました。
そこでお尋ねいたします。現在の54の投票所はどのような経緯で設定されたのか、また、投票所を設けるに当たっての基準はどうなっているのかお伺いいたします。
次に、今回、54の投票所の場所、位置関係を調べてみたのですが、学校などの公共施設を投票所としているものが22館、その他は公民館等を投票所に設定しております。しかしながら、その公民館も場所によっては駐車スペースもなく、そればかりか道路上に停車することもできない場所も見られます。モータリゼーションの発達により車で投票所に行く方々も多い中、この辺の配慮に欠けた投票所になっていないでしょうか。このことは、身障者や老人に至っても車の乗降すらできない場所では投票に行かない、いや行けない状況を生み出していることも考えられます。まして、悪天候の際にはもっと困難な状態となり、有権者に投票を促している選挙管理委員会の姿勢と乖離しているのではないでしょうか。さらに、公民館等の賃借として、本年度当初予算において県知事・県議会議員・市議会議員選挙における報償費が計上されております。恐らく公共施設における賃借に対する対価は発生しないと思われることから、駐車場も多少ある学校を含む公共施設を中心とした投票所に移行すべきだと考えますが、御所見をお伺いいたします。
次に、昨今の選挙における傾向として、不在者投票が大変多くなってきた状況があります。平成11年に実施された統一地方選挙では、市庁舎にて不在者投票をした方が知事・県議会議員選挙でそれぞれ2829件、2825件であったものが、平成15年すなわちさきの統一地方選挙では、市庁舎で知事選挙2167件、県議会議員選挙2153件に加えて、川東タウンセンターマロニエでそれぞれ1563件、1552件と約900件の増、同じく市議会議員選挙では、平成11年市庁舎での不在者投票4415件に対し、平成15年は市庁舎3056件、マロニエ2223件と864件の増加という結果でありました。このことは、以前は不在者投票に際して明確な理由を提示しなければならない、また、投票所も市役所だけであったものが、最近では投票日に投票できない理由が明確でなくとも可能となり、また、投票場所も今示しましたとおり市役所と川東タウンセンターマロニエの2ヵ所となり、投票時間も市役所においては午後8時までできるようになったように、とても利用しやすい形態となったことも一因ではなかろうかと推察いたします。
しかしながら、このような緩和策とともに、本人確認という重要な作業まで緩和している向きがあることを指摘しなければなりません。小田原市ホームページの選挙管理委員会のページによりますと、不在者投票する者は、持参するものとして、投票所入場整理券(まだ届いていない場合や、紛失された場合でも、選挙人名簿に登載されていれば投票できます)となっています。すなわち、投票所入場整理券がなくとも投票できるのです。また、選挙管理委員会では、不在者投票者には宣誓書の記載及び氏名、住所、生年月日を聞いた上で本人確認をしているようですが、本年4月には神戸市内において不在者投票に絡む2件の不正による逮捕事件まで起きております。この事件は、他人の女性の名前で投票しようとした者が、当該女性が既に投票済みだったことから発覚し逮捕された事件。さらに、他人になりすまして投票しようとした者が、生年月日を間違えたため不正が発覚し逮捕された事件があります。このように、選挙において投票するという国民の権利を害する行為がこの先起きないとも限りません。選挙管理委員会では、本人確認をどのように行えば不正を防げるのかを考える必要があると思いますが、不在者投票の本人確認についてコメントいただければと思います。
最後に、電子投票について伺います。
本年11月に挙行される海老名市議会議員選挙及び市長選挙で、関東で初の電子投票を導入することとなりました。既に、平成14年6月には岡山県新見市長選挙及び市議会議員選挙や広島市長選挙の安芸区、宮城県白石市議会議員選挙等、数団体において電子投票が実施されております。この電子投票なるもののメリットとしては、投票の簡便性とバリアフリー化が図られること。意識的な白票以外の無効票や疑問票、按分票、混入票がなくなり、投票意思が正確に反映されること。疑問票がなくなるため開票時間を大幅に短縮でき、選挙結果が迅速に公表できること。深夜にわたる開票作業による開票事務従事者や立会人等の負担が軽減され、健康管理面での改善や人件費等の縮減を図ることができることなどが挙げられます。特に、全国でも開票作業の遅延が指摘されるケースもあり、この先どれだけの自治体が電子投票を導入するか予測もできない状況ではありますが、このような電子投票について、本市選挙管理委員会ではどのように考えているか御所見を伺いまして、登壇しての質問を終わります。(拍手)
◎市長(小澤良明君) 15番加藤議員の御質問に順次お答えをさせていただきます。
はじめに、松沢神奈川県新知事が掲げました政策宣言であります「マニフェスト」に関する御質問がありました。最初に、市長は見たのかというお話でございましたけれども、市町村と神奈川県、そういう関係、県との関係でいえばある面で最大の関心事、松沢新知事がどういう政策をもってこれから県政を推進していかれるのか、私にとっても小田原市にとりましても最大の関心事、県との関係でいえば最大の関心事でありますので、当然私自身も拝見をいたしましたし、各所管へもよく研究するように申し伝えたところであります。
岡崎前県政8年の間に、小田原市がリーダーシップを発揮して県西地域の活性化を訴え、また、地元選出の県会議員の3人の先生方の御努力もありまして、御承知のとおり、ようやく最近になって神奈川県と県西地域2市8町の連携の歯車がかみ合ってきた。そんな実感を昨今持っていたわけでありますけれども、松沢知事さんにかわりまして、そういう意味でも、特に私どもこの地域、エリアにどういう政策をお持ちになるのかということは、今もって最大の関心事でもございます。この「マニフェスト」を拝見いたしましても、あるいはいろいろと新聞報道等されました事柄等を見て、現象的なことだけを見てみますと、首都圏連合の設置や京浜臨海部の再生等、神奈川県東部に対する政策は具体的に描かれて、御本人の気持ちも率直に述べられておりますが、しかしながら、こうしたことを見てみますと、県西地域に向ける目が弱いという印象を強く持ちます。
松沢新知事とは私自身旧知の間柄でもございますし、神奈川県市長会の会長という立場では、正式なこの地域のことにつきましてあまり細かな話はできませんでしたので、就任後、少し落ちつかれてから、小田原市長という立場で表敬訪問したいということでお会いさせていただきました。そのときに、15番加藤議員御指摘の問題について、私から特に強くお願いというか要請をいたしました。神奈川県というのは多彩な顔があって、率直に申し上げれば、横浜、川崎は東京のお隣という感じでございまして、神奈川の魅力というか、県の多彩な顔をしっかりとつくっていくためには、特に県北、県央、湘南、そして私ども県西を、どうこれから発展させていくのかということが非常に大きな課題だと思いますというお話をさせていただきました。横浜、川崎は人口も多い、税収も多い、当然のこととして県も一生懸命やりますし、また、両市とも日本でも最も巨大なというか、横浜市は最大の自治体でもございますし、力も並み外れて両市とも大きいわけでありますし、いずれにいたしましても、県といたしましては、ちょっと手前みそでございましたけれども、神奈川のこれから磨いていくべき資産、魅力というものが一番コンパクトに凝縮して詰まっているのが私ども小田原市ではないか、小田原の魅力、例えば歴史と文化、自然と環境、そして人情の厚さ、そのほかいろいろなものを、あるいは山海のグルメ、こうしたもののすばらしさを磨いていくことによって、神奈川県の多彩な魅力というものが全国や世界に発信できるのではないでしょうかというようなことを強くお訴えをいたしました。松沢知事さんも、率直な話、この地域はよく訪れられるようでありますし、大変注目もしていらっしゃいますし、よく御理解もされているというふうに私は思っております。ただ、こういうことをこれから西部方面の県民の皆さんに、どのような政策を打ち出して、どのような手続でよく理解していただけるようになるのか。私どもが、東高西低とかというような言葉でなくて、しっかりと県政の温かみを感じることができるのか、こんなことはこれからの課題、松沢新知事さんにとっても課題でありましょうし、私ども市町村にとっても課題だと思っておりまして、理解が一層得られますように最大限の努力をしていく所存でございます。先ほどもお話しいたしましたように、市役所の各部局に対してましては、松沢県政になって直ちに「マニフェスト」についての情報収集に努めて、市の施策と合致するものにつきましては積極的に連携をしていくなど、この機会を前向きにとらえていくよう指示を出しております。議員の皆様方におかれましても、いろいろと県との連携と申しますか、パイプ役とされましても、ぜひ御理解と御支援を賜りますよう今後ともお願い申し上げたいと思います。
次に、三位一体改革についての御質問がございました。もう御承知のとおり、三位一体の改革とは、地方税財政制度に対する改革でもございますけれども、国から地方への補助金削減、地方交付税の改革、圧縮を前提とした改革でありましょう、そして国から地方への税源移譲を一体的に進める、この三つを一体的に進めるというものでございまして、国から地方に権限を移して、国・地方を通じた財政再建を図るということがねらいであるというふうに考えております。政府の経済財政諮問会議が取りまとめます「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2003」、いわゆる骨太の方針第3弾に盛り込まれる予定でありまして、既に地方制度調査会や地方分権改革推進会議から意見書等が提出されました。15番加藤議員がお触れになられましたように、地方分権改革推進会議の意見書の内容でございますが、こうした間におきましていろいろと物議を醸した。鳥取県知事の某メーカーの製品の不買運動に触れられた話等もございまして、注目を浴びたところでありますけれども、特にこの地方分権改革推進会議の意見書の内容につきましては、税源移譲を事実上、先送りするというようなものでございまして、到底、私ども市町村として受け入れられるような実態をよく知られた上での話ではないのではなかろうかというふうに思える内容でございました。本市におきましては、県市長会などの組織を通じていろいろと要請行動を行ってきたわけでありますが、私も出席いたしました去る6月12日の全国市長会議におきましては、税源移譲を基軸とした三位一体の改革に関する緊急決議も行ったところであります。経済財政諮問会議は、この18日に骨太の方針第3弾の原案を示されまして、近日中にもこれを決定するというふうに聞いておりますが、いまだ不明確な点も多いところでございます。しかし、国から地方への税財源移譲へ向けて、一面では大きな一歩を踏み出したものであろうというふうにも理解しているところであります。私は全国特例市連絡協議会あるいは県市長会の会長という立場もございますので、こうした組織を通じて国に対し、税財源移譲を基本とした三位一体改革の確実な実現を求めてまいりたいというふうに思うところであります。
次に、「かながわ新総合計画21」の推進についての御質問がございました。知事は、「マニフェスト」で掲げました政策に他の重要な政策や継続性のある事業などもつけ加えまして、4年間という任期の中で具体的に取り組むことに重点を置いた戦略計画を早期に策定したいと述べられております。神奈川県では現在、戦略計画の基本方針を策定中とのことでありますが、この戦略計画と、先日来のこの議会で「かながわ新総合計画21」の内容がいろいろと議論されているわけでありますけれども、神奈川県の総合計画との整合性がどうなるのか、これは明らかになっておりませんで、まだ多少時間がかかるのではないかというふうに思っております。県議会もいずれにいたしましても報道されているような状況もございますし、心配をしているところであります。したがいまして、現段階では、各地域の個々具体の事業を戦略計画の中でどのように取り扱う予定であるのか明らかにされていないわけでありますが、「かながわ新総合計画21」に基づいて進められております小田原市にかかわります事業の継続は、地域にとっても大きな課題でありますし、また、知事さんや市長がかわるということとは別に、神奈川県という自治体と小田原市という自治体の積み重ねとか契約のようなものがいろいろとございますから、そうしたものはやはりあまり大きな変転はあってはならないことでありますし、時計の針を逆戻りさせるようなことにはならないでほしい、ならないのではないかと、期待も込めてそういうふうに考えているところであります。戦略計画には市町村の意向も反映されることにそういう意味ではならなければなりませんし、なると思いますので、神奈川県に対しましては、時機をとらえて、事業の継続や本市への積極的な支援につきましても働きかけを強めてまいりたいというふうに思っております。
次に、県道整備事業や土地区画整理事業など、現在進められている県事業の今後の方向性について御質問がございました。ただいま御答弁申し上げましたように、現在本市に関係のある県事業の今後の進め方について、神奈川県に対して全庁を挙げて情報収集を行っているところでありますが、現時点で、推進中の事業の方向が変更されるという情報は得ておりません。15番加藤議員が具体的に例示されました穴部国府津線や小田原中井線につきましても、従来の方針にのっとって事業が進められておりますし、県のこちらの出先の皆さんもそういうところで精力的に私ども市の関係者と一丸となって事業を進めているところであります。また、上町地区につきましては、地域の方々によるまちづくりの研究会が行われておりまして、県の指導も得ながら取り組んでまいりたいと考えております。一方、小竹地区土地区画整理事業につきましては、先ほども御答弁申し上げましたように、事業者であります神奈川県住宅供給公社の今後の事業方針が不透明でありますことから、引き続き県と公社との連携を密にしてまいりたいと考えております。
次に、市庁舎並びに公共施設の日常におけるセキュリティにつきましての御質問がございました。まず、公共施設についての過去3年間における盗難の被害は、学校では平成12年度に4件、平成13年度に3件、平成14年度に4件でありまして、発生場所については主に普通教室や部室等であります。市立病院におきましては、各年度で1件ずつでありまして、いずれも病室で現金の盗難がございました。また、小田原アリーナでは平成14年度に利用者更衣室で6件のロッカー荒らしが発生しておりますが、その他の施設については盗難の被害はございません。また、日常の執務に当たりましては、各施設の管理責任者のもとで維持管理及び秩序保全を行うことになっております。こうした体制のもとに、各職員に対し、日常の業務で使用する事務書類などにつきまして、執務室内の整理整とんとともに、常に厳重なる保管を所属長の指導により徹底させているところであります。その中でも特に個人のプライバシーにかかわる書類やパソコンなどの高価な事務機器などは、かぎをかけて保管するよう指導いたしております。なお、職員個人の所有物及び職員への貸与物につきましては、原則として個人の責任において管理するものと考えておりますので、職務に直接関係のない金品につきましては、執務室内に保管しないよう周知徹底しているところであります。また、本庁舎の執務室につきましては、施設の構造上、施錠可能な個室ばかりでなくオープンスペースもございますので、日常のセキュリティ対策につきましては、職員相互のチェック体制によりまして対応してまいりたいと思います。
次に、パソコン等に保存された情報のセキュリティ管理についての御質問がございました。パソコン等に保存された情報の取り扱いにつきましては、「小田原市電子計算機処理データ保護管理規程」や「小田原市庁内ネットワーク利用基準を定める要領」の中で、パソコンやフロッピーディスクの管理、データの取り扱い等を定め、機器の盗難やデータの漏えい、滅失等の防止を、規律違反職員の罰則等も含めていろいろと図っているところでございます。具体的には、パソコン、フロッピーディスクなどの庁外への持ち出し禁止や、退庁時の保管管理について規定するほか、ID、パスワードによるアクセス制限を設けまして、ネットワーク内の情報を許可した職員以外が利用できないようにいたしております。さらに、今年度は、現在の規程類を見直し、個人情報の取り扱いやコンピュータ機器の管理等に関する総括的なセキュリティ対策を強化する予定であります。
次に、本庁舎における休日・夜間のセキュリティについての御質問がございました。現在、本庁舎では24時間体制で警備員を置いていることは御承知のとおりであります。警備の内容は、守衛室前に備えた入退出者名簿への氏名・入退出時間・用件の記入をもって入退出の許可を行うとともに、閉庁後から翌朝まで、おおむね2時間ごとに庁舎内外の巡視を行い、徘回者・不審者の発見、各出入り箇所の施錠点検など、庁舎における盗難・火災・破壊行為等の防止に努めているところであります。特に休日・夜間での会議や工事がある場合は、事前に訪問先や用件などを明示した出入り者名簿の提出を求めるとともに、守衛室での入退出者名簿への記名の際、二重に確認を行っているところであります。荷物のチェックにつきましては、出入りの際の挙動確認や庁舎内外の巡視を行うことで盗難や不審物の持ち込みの防止に努めております。また、公共施設全体での休日・夜間の対応でございますが、本庁舎など警備員の常駐する施設では、身分や用件を明らかにしない者や、明らかに挙動が不審な者などにつきましては、入庁を拒否することになっておりますほか、不審者が侵入した場合は、最寄りの警察署に通報することといたしております。なお、機械警備の施設では、異状のあった場合、警備会社が急行し、状況の確認や対応を図った上で施設管理者に報告されることとなっておりまして、必要に応じ最寄りの警察署へ通報することといたしております。いずれにいたしましても、庁舎等におけるセキュリティは業務の円滑な運営を維持することに必要でありまして、今後とも万全な体制の確立に引き続き努めてまいりたいと思っております。
最後に、選挙管理に関する諸課題については、選挙管理委員会委員長ほかからの答弁とさせていただきたいと思います。
以上をもちまして、15番加藤議員の御質問に対しましてのまずは私からの答弁とさせていただきたいと思います。
◎選挙管理委員会委員長(下川脩平君) 15番加藤議員の御質問にお答えいたします。
近年、我が国は、投票率の向上を目指しまして、不在者投票制度の緩和、また在外投票、そしてファクシミリ投票の導入等、公職選挙法を改正いたしまして、投票しやすい環境づくりと投票の機会を拡大してきております。さらに、平成14年にはいわゆる電子投票特例法も成立いたしまして、電子投票による投票も執行され、選挙制度は近年大きく変化を続けておるわけでございます。このような情勢の中で、本市におきましても、さまざまな投票環境の向上そして改善を図ってまいりました。投票区につきましては、平成13年に鴨宮地区の投票区を分割いたしまして、新たな投票区を増設いたしました。この際の投票所の選定につきましては、地元住民の方々の意見をよく伺いまして、少しでも地域住民の投票環境の向上が図れるよう配慮いたしております。このように、投票所の設置、変更につきましては、投票所としての設備や立地条件を勘案しながら、地域住民の御意見を聞き、住民の方々の利便性が少しでも図れるようにしているわけでございます。また、平成13年には不在者投票システムを導入いたしまして、二重投票防止等の事務執行の正確性と選挙人の利便性の向上を図りながら、有権者の方々がより気軽に投票できる環境づくりを目指しておるわけでございます。また、電子投票に関しましては、このたび海老名市で導入を決定いたしまして、本年11月に行われます市長・市議会議員選挙での実施を今予定しておるわけでございます。また、神奈川県では、市町村職員を構成員といたしまして、電子投票研究連絡会を設置いたしまして調査研究を始めました。そこで、本市といたしましても、この電子投票研究連絡会の成果を踏まえながら検討していきたいと考えておるわけでございます。
以上をもちまして、15番加藤議員の御質問に対しての方策の一端を申し上げたわけでございますけれども、細部につきましては、事務局長からお答えをいたしますので、よろしく御理解のほどをお願いいたします。
以上です。
◎選挙管理委員会事務局長(鈴木元榮君) 15番加藤議員の御質問に私の方からお答えいたします。
はじめに、投票所設置の経緯と基準についての御質問がございました。現在、本市には54の投票所がございます。これらの投票所の設置は国の指針に基づいて行っております。基準には、選挙人の住所から投票所までの距離がおおむね3キロメートル以内、1投票区の選挙人が3000人を超える場合はおおむね3000人程度になるよう投票区の分割を行い、投票区の規模の適正化を図るよう示されております。これをもとに、本市では、住民の利便性、道路や河川等の状況、字の境界等、また地域住民の意見も考慮して設置しております。これまでに、有権者の増加に伴う投票所の分割並びに新設が富水小学校ほか8ヵ所、変更が橘支所ほか6ヵ所でございます。また、施設の新設等による投票所の変更は、市の庁舎の移転に伴い芦子小学校から市庁舎への変更ほか3ヵ所、その他3ヵ所を増設・変更等するなどして投票所の環境整備に努めております。
次に、公共施設を中心とした投票所に移行すべきとの御質問がございました。市内54ヵ所の投票所は、地区公民館28、小・中学校体育館等13、市庁舎やマロニエ等の市の施設が8、その他が5となっております。本来はすべての投票所に駐車スペースがあることが望ましいのですが、投票所は、住民にとって利便がよく、投票に必要な広さと設備を備え、かつ投票日には確実に使用できなければならないことから、地域住民との話し合いの上で設置しておりますので、御理解を賜りたいと存じます。
次に、不在者投票の本人確認についての御質問がございました。選挙人が利用しやすい投票環境向上のため、不在者投票事由の緩和等、公職選挙法の一部改正が行われ、平成10年6月に施行されました。この改正によりまして、不在者投票をするときに提出しなければならない宣誓書の事由を本人の手書きから選択式にするとともに、職業欄や押印を廃止するなど、手続の簡素化が図られました。現在、不在者投票は、選挙人が宣誓書を提出し、選挙人名簿に登録されていれば不在者投票できることとされております。宣誓書の内容が選挙人名簿と合致しない場合は、聞き取りや身分証明書の提示などもお願いし、公正を期すようにしております。
次に、電子投票についての本市の考え方について御質問がございました。いわゆる電子投票特例法が平成14年2月1日に施行されました。これにより、平成14年6月23日、岡山県新見市において全国初の電子投票が実施されました。その後、広島市や白石市などでも実施されております。御承知のとおり、県内におきましても海老名市が導入を決定し、本年11月の市長・市議会議員選挙で実施される予定でございます。電子投票のメリットには、音声によるガイドや画面にタッチするだけで投票ができること、書き間違いがなく無効票や按分票がなくなること、開票時の票の混入がなくなるとともに、開票時間の短縮、開票作業の負担の軽減や人員削減が図れることがあります。しかしながら、導入には多額の費用を要することから、多くの自治体では慎重に考えております。神奈川県では、市町村職員を構成員とした電子投票研究連絡会を設置し、調査研究を進めております。今後は、この電子投票研究連絡会の成果を踏まえ、海老名市の状況、また国や県の動向を見ながら検討していきたいと考えております。
以上をもちまして、15番加藤議員の質問に対して私の答弁とさせていただきます。
◆15番(加藤仁司君) 一定のお答えをいただきました。若干再質問させていただきます。
まず、市長の方から、松沢知事とは旧知の仲であるということで、いろいろなお話を既にされているということを伺いました。再質問として、会ったことがあるかということも聞きたかったんですけれども、十分にお話はされたというふうに承りましたので、先に進みたいと思います。
就任から2ヵ月を経て、知事の動向をいろいろと注視してまいりました。その中で、20日ですか、所信表明があったということで、その新聞記事を読みますと、確かに、新たな総合計画といいますか、そういったものを策定するということで、今、市長があえておっしゃいましたけれども、この新しい総合計画と今まであった総合計画、この整合性が本当に図られるのかなというところはだれもがその行方を気にしていると思います。しかしながら、その心配もあるんですけれども、所信表明の中には、前知事と県議会が進めてきた取り組みを尊重したいと、このような文言もあったようですので、ここの部分については、また県議会の議員の方々が、今までの事業と取り組みと今回の新たに立てようとしている総合計画についてはうまく進めていってくれるんじゃないかなと、このように期待を持つものであります。
さて、その知事の「マニフェスト」ですけれども、先日、これも新聞ですけれども、「マニフェスト」には県開催の会議は原則公開ということになっていたんですけれども、みずからの経営戦略会議を非公開にしたということで、既に「マニフェスト」は崩れてきたというような報道も見受けられました。公約実現という政治家の使命と、そして現実の壁というところで大変な思いをされているのではなかろうかなと思いますけれども、37ですか、あれだけの政策を掲げられた知事というのも、今まで全国を見回してもあまりいないのではないかなと思います。だからこそ、その実現のために、言葉は乱暴ですけれども、ある面ではトップダウンのような形を繰り広げる、こういうふうな向きも、これは私見ですけれども感じます。そのような方向が心配としてはあるんですけれども、逆に今市長からお話がありました、それぞれの市町村の中で継続的に自分たちの自治体にかかわるさまざまな事業を、うちはどうしてもこれが必要なんだというような優先順位、そしてまた的を絞った形で知事へ、先ほどの質問にもありましたトップセールスを市長以下が例えば企業の誘致のときにはやるんだという意気込みと同じように、知事に対しても、どうしてもこれは県の事業を進めてもらいたいんだと、トップがこういう直談判に近いような形をとるべきではないか、このように思っております。そして、これから「ビジョン21おだわら」後期基本計画ができるということですけれども、前期基本計画の完遂を目指して、十分な情報の提供、そして交渉を繰り広げていただきたいなと思っております。
さて、1番目の項目の中で一つ伺いたいのは、先ほど具体的なお話もありました、そして私の質問の前に18番志澤議員からもお話がありました、県と一緒に進めている事業の中で小竹の複合開発ですが、これについては同じ地域に住む者として大変気がかりでならない。特に公社自体があのような事態になっております。この方向について、先ほどの18番志澤議員のお答えの再質問になってしまうような感じかもしれませんけれども、その答弁の中には、市の方はあくまでも地権者がまたは公社が進もうとした道をそのまま考えてくれというような、私自身の中では、何かちょっと投げやりのような形にとらえてしまっているんですけれども、あれだけの40%の土地を持っている神奈川県の住宅供給公社が、事業を抜本的に見直します、これ以上新たには事業を行いませんというような形になっている以上、実際、地権者の方々は困っている、これが現状です。ある面、市の方で本当にどうしたらいいのか相談にも乗ってもらいたい。しかしながら、聞くところによりますと、あまり会合も開いていないような感じを伺うわけです。やはり市の方がこれからの方向性を探るべく努力をしてもらいたいなと思うんですけれども、今、一つの例を挙げました小竹の区画整理事業について、市はどうするつもりかお答えをいただきたいと思います。
それから西湘テクノパーク、これも先ほど質問が出ておりました。6月に入って、ここに知事が視察されたということをちょっと聞きました。これがまず事実なのかどうか、1点伺いたいと思います。また、そうであれば、本市ではどのような対応をされたのか、それを2点目として伺いたいと思います。
それから次のセキュリティの方の問題ですけれども、盗難事件については学校、病院等で起きて、本庁舎の方は特にないということで、それは多少ありますけれども、少なくてよかったなと思います。しかし、今の世の中、大変物騒になっておりまして、これから何が起こるかわからないということで、本来はオープンスペースであるところも、この市庁舎に限ってですが、オープンスペースのところもかぎがかけられればいいなと思うんですけれども、構造上そうはいかない、それに手直しをすれば莫大な費用がかかるということは十分承知をしております。この警備体制といいますか、セキュリティに関して一つ例を挙げさせていただきますが、昨年、私は全国議長会の視察でアメリカ・ニューヨークの方に行ってまいりました。このニューヨークの中で財団法人自治体国際化協会ニューヨーク事務局というものがありまして、そこに入るには大変厳しいチェックを受けました。テロの警戒ということもあったかもしれませんけれども、まずパスポートを持っていなければ一切入れない。そしてまた、それがクリアしたとしても、その部屋に入るに当たって、格闘家に近いような警備員の方が待ち構えておりまして、私の頭の先からつま先までじっと凝視されるような、こういった中で施設に入っていったという経験があります。そこまでしろとは言いませんけれども、小田原市においてはこの市庁舎というのは本当に中枢機関でありますので、そういったチェック体制、私も例えば休日・夜間は1階の職員通用口から入ったりしていますけれども、結局、窓口のところで今答弁がありましたような形で入っている。本当にこれでいいのかな。ある程度警備員の方が、表といいますか入り口の方に立って、よく観察をするというような部分というのが必要なんじゃないかなと思います。これは市庁舎だけにとらわれず、やはり劇薬等を扱っている病院なんていうのも、いっときそういうふうな不審な者が入った場合には何をしでかすかわからないということもありますので、病院等もこのセキュリティの強化といいますか、普通の施設と違った対応が必要なんじゃないかなと思うんですけれども、病院の方のセキュリティについては今どのようになっているのか、再度お聞きしたいと思います。
それから選挙管理委員会の方ですけれども、委員長も御多忙の中、御出席をいただきましてありがとうございました。お話を伺い、そして細かいところについては局長から答弁いただいたんですけれども、投票所の見直しはその都度いろいろと図られているということであります。昭和50年代にかなりいろいろ大規模な変更があったようですけれども、昭和50年と言えば既にもう25年ほどの歳月が流れております。今年、衆議院の選挙が予想されておりますが、任期は来年の6月まで、そして市長選も5月に予定されているということで、1年ほどこれからあるわけですけれども、例えば見直しを図って投票所が変わった場合に、周知期間としてはどのくらいが適当なのか、また、その基準があるのかどうか、それを1点目として伺いたいと思います。
それから本人確認のことですけれども、今御答弁をいただいた中には、法的な部分として、逆に今緩和の方向にいっているので、それに基づいてやっているだけだというような感じのお話だったんです。さっき登壇して例を述べましたが、裏を返せば、例えば当該女性が投票を既にしていたから捕まったのであって、していなければ不正は通ってしまった。そしてまた、生年月日を間違えた男性も、生年月日が合っていたら投票できたかもしれない。そういうふうなことになってしまうわけです。これからそういうふうな本人確認は、幾らほかが緩和されたとしてもやはり必要なんじゃないのかなと、このように思います。特に写真が入った形で本人が確認できるという部分が最適かなと思います。例えばパスポートとか免許証、ここら辺のところで確認をすることが必要だと思いますし、そうでなければ、今度、8月の終わりですか、住基カードの交付もあるということで、写真入りのカードを提示して本人確認をするというふうなことをしていかなければ、なかなか確認ができないのじゃないのかなと思いますので、そのような本人確認方法を取り入れるべきだと思いますけれども、どのようにお考えになるのかお答えをいただきたいと思います。
それからまた一つこの選挙に関して、先日、総務の委員会でも、選挙管理委員会の出席のもといろいろ質疑があったわけですけれども、まず一つ気になったことは、選挙が終わって、きょうここに持ってきましたけれども、これは地方選挙の11年のときのやつですけれども、「地方選挙結果調」というようなものが選挙が終わりますと出てきます。この中に、各投票所の部分で不在者投票を行ったところの投票率が100%を超えてしまっている、これは当然ですけれども、本当にこのような書き方がいいのかどうか。本来、投票所を持っているところの部分にこの数字が移行しなければいけないところが、小田原市庁舎はいつも100%以上、これはちょっと不自然じゃないかなと思いますので、このような記載方法は改善した方がいいと思います。どのように考えられているかお答えをいただきたいと思います。
先ほど言いました総務の委員会で出ましたけれども、先ほど委員長の方からもお話があったように、選挙管理委員会は投票率アップということで啓発を十分にされているというお話であります。その有効な投票率アップの手段として、やはり全市民に知らしめるためには防災無線を活用すべきではないか。これは、委員会の中でもお隣の16番井原議員の方からお話があったわけですけれども、防災無線を使って投票を呼びかける、このような手段がとれるのかどうか、ここのところを伺いたいと思います。
◎市長(小澤良明君) 15番加藤議員の再質問にまず私の方から一、二点お答えをさせていただきます。
松沢知事さんの「マニフェスト」の問題につきまして、我々市町村の側からも、県にいろいろな政策要望、事業要望等を積極的にしていくべきだという御意見でございますが、誠にそのとおりでございますので、一生懸命そのために今勉強させておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
それから小竹地区の開発の問題でありますけれども、先ほど来、御説明申し上げておりますように、神奈川県の住宅供給公社の考え方がいろいろ御説明いたしましたように変化がありまして、私どもも今、困惑というか不安な思いでおります。相当数の土地を県がもう既に買収されていらっしゃるわけでありますから、そうした特殊な事業の現状があるわけです。全く、県がやろうとしているんだけれども、これからどういうふうになるかわからないとかということじゃなくて、県のプレゼンスが、住宅供給公社の事業主体のプレゼンスがそこにしっかりとあるということの中で、公社としてどう責任を果たされていくのか、このことがまだ明らかにないわけでありまして、まして知事さんがかわられましたちょうど境目になってしまいましたから、そこのところも少し情報収集しながら、連携を密にしながら、神奈川県あるいは公社等と連携を保ちながら進めてまいりたいと御答弁をしたところであります。よろしく御理解を賜りたいと思います。
それから松沢知事さんが西湘テクノパークに来られたというお話だがということでございますけれども、これも事実でございまして、ただ私も事前にその話を知りまして、日程をやりくりしてでも、どうしても現場に行きたいと思いましたけれども、ちょうど経済産業省のTMO懇談会の私は委員になっておりまして、ちょうど同じぐらいの時間に意見発表するということで、前からそういう役割も決まっておりましたので、そちらの方へどうしても行かせていただいた。かわりに青木助役に行ってもらいましたので、青木助役の方から、その件につきしまては答弁させていただきたいと思います。
以下につきましては、担当の方からお答えいたします。
◎助役(青木正次君) ただいまの知事の西湘テクノパークを視察したときの状況でございますが、お話しのとおり、6月9日、月曜日の午後、知事におかれましては、西湘方面の県機関等の施設日程の中で西湘テクノパークを御視察いただいたところでございます。現地におきましては、私どもの方から、西湘テクノパークの建設の経緯やあるいは現在の企業の誘致状況、さらにはその手段といたしまして、昨年度制定いたしました企業立地促進条例の優遇制度の説明をさせていただきました。また、あわせまして、県の方で取り組んでいただきました産業集積等の促進に係る不動産取得税の減免措置の指定につきましても、この点につきましてはお礼を申し述べさせていただきました。あわせまして、都市計画道路小田原中井線につきましても、早期の実現に向けてお願いをしたと、このような経緯でございます。
次に、病院のセキュリティの関係の質問がございましたので答弁させていただきますが、まず、病院の受け付け時間帯におきましては、総合案内に看護師さん、そしてまた受付カウンターには医事課の職員が出まして、各部署の責任者の管理のもとで来院者の対応に当たっているところでございます。また、入院病棟の見舞い客につきましては、各階のナースステーションで受け付けをいたしまして、許可を得た後に病室への入室を認めているところでございます。また、休日・夜間におきますセキュリティ対策でございますけれども、休日・夜間ともおおむね2時間ごとに院内外の巡視を行いまして、不審者の発見や各室の施錠点検など、病院におけます盗難・火災の防止に努めているところでございます。見舞い等の来院者に対しましては、警備室前で受け付けカードの交付、回収によりチェックを行っております。さらに、防災センターの監視カメラによります24時間体制での不審者の監視を行っております。いずれにいたしましても、市立病院のセキュリティ対策につきましては、来院者の感情面にも十分に配慮しながら一層の強化に努めていきたいと、このように考えております。
以上でございます。
◎選挙管理委員会事務局長(鈴木元榮君) 選挙に関する再質問にお答えいたします。
まず、投票所の変更をした場合に、その周知期間と基準について御質問がございました。周知期間については特に基準はございませんが、周知方法につきましては、投票日一、二ヵ月前ぐらいからは自治会への説明会、「広報 おだわら」への登載、回覧、チラシ配布などの方法により周知を図ってまいりました。
次に、不在者投票の際の本人確認について再度御質問がございましたが、不在者投票の本人の確認につきましては、公職選挙法施行令第52条により、不在者投票時には、不在者投票の事由を申し立て、当該申し立てが正しいものであることを誓う旨の宣誓書を提出しなければならないこととなっております。現状では、投票所入場整理券を持参しなかった選挙人であっても、本人が宣誓書を提出し、選挙人名簿に登録され、かつ当日選挙権を有していることが確認できれば、公職選挙法施行令第53条の規定により、投票させなければならないこととされております。したがいまして、パスポート、運転免許証等身分を証するものを求めることは難しいと考えております。しかしながら、不正防止を万全とするために、他市の状況等を研究してまいりたいと考えておりますので、よろしく御理解を賜りたいと存じます。
次に、不在者投票に関する投票率の表示、算出の仕方について御質問がございました。近年、不在者投票事由の緩和や不在者投票時間の延長によりまして不在者投票が増加しておりまして、不在者投票事務に係る時間、労力が以前にも増して増大しております。そのため、従前は受理・不受理の決定及び投函のために各投票所へ仕分けして送致していた不在者投票を、事務負担の軽減及び正確性を図るため、公職選挙法第37条により、指定した投票区で一括処理できることとなりました。本市においても、この規定に基づきまして指定投票区で一括処理を行っています。このことから、不在者投票に係る数字はすべて指定投票区で扱うことになっております。お尋ねの不在者投票を含んだ投票区ごとの投票率につきましては、結果調等におきまして提示できる方向で検討していきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
以上です。
◎防災部長(石井徹夫君) 15番加藤議員から、投票率向上の手段として防災無線を使って投票を市民の皆様に呼びかけてはどうか、そういったことができるのかどうかという御趣旨の再質問がございました。防災行政用無線につきましては、その導入当初から、地震あるいは津波などといった防災上の重要な事柄に限定して放送するということとなっております。これは、災害時に市民の皆様に危険を知らせるのに最大限の注意を払っていただく、つまりなれを防ぐという趣旨がございます。このようなことから、防災対策以外には市民の皆様の生命あるいは健康に重大な関係がある場合に限って放送しているということでございます。今のところは、今後もこのような運用方法を維持する必要があるというふうに考えておりますので、御理解をいただきたいと存じます。
以上でございます
◆15番(加藤仁司君) 再質問に対しての答弁をいただきました。若干時間がありますので、もうちょっと述べさせていただきます。
知事が西湘テクノパークに来られて助役が対応されたということであります。都市計画道路の話もその際に言ったということですので、それはありがたいことです。また、県の総合計画の中にも、この工業団地と一緒に上町のまちづくり計画も連携という形で入っている。そしてまた、特に橘の地域においては、今市長からも答弁がありました小竹の問題もある。本当に盛りだくさんの部分を知事にもっと伝えてもらいたい。恐らく、この西湘テクノパークに来られた部分の時間では、とても全部言うような時間はなかったのかもしれませんけれども、前向きな御答弁もいただいておりますので、市長は市長会の会長の立場と、プラス小田原市長のお立場の中で、松沢知事にまたお会いしていただいて、ぜひともこれらの懸案事項の解決のために努力を行ってもらいたいなと思います。「マニフェスト」自体は、例えば先週2番杉山議員からもあったように、警察官の増員の1500人、こういうような数字が出ていたり、平成18年度には約60ヵ所の警察署、交番の増設を図ると、こういうものも「マニフェスト」ではうたわれておりますけれども、実際に具体的な話というのは出ておりません。みんなそれぞれの中で要望も出るでしょうし、こういった具体的なものをこれから決めるという段階なわけですから、そのチャンスを物にするために、今言いましたように、市長と知事の関係ということもありますので、積極的な交渉、また情報提供を図っていただきたいなと思います。
それから選挙の投票所また不在者投票の方法等にかかわっての御答弁をいただいたわけですけれども、確かに今、法律自体がだんだん緩くなっているという部分が本当にそれでいいのかな、選挙ってそんなものなのかなというふうに、私自身がそういった選挙に絡むものですから、そういう認識が強過ぎるのかもしれませんけれども、やはり国民の有権者の権利として選挙を考えたときに、先ほども、投票所の部分の設置に関して、投票日にその場所があいているのかどうか、こんなところも考慮なんて書いてありましたけれども、これはどんな状態があってもあけなければならない、選挙というのはそういうものじゃないのかなと思います。例えば、小学校の施設がどこかのスポーツで使ってしまうからだめだと、そこは使えませんと、そういったものと一緒に並べること自体がおかしいのじゃないかなと、そういうふうに思います。
不在者投票自体はあることは本当にいいと思いますけれども、なぜ本人確認をしつこく私が言うかというと、投票日の場合、投票日に投票したところはやはり地元の方が立ち会いでおります。そうすると、この方は知っているとか、顔見知りの方も多いので不正は防止できる。ある程度抑止力が働くから、立ち会いの方は地元の方を置いているのではないかなと思います。しかしながら、不在者投票で市庁舎とかマロニエとかに係の方がいても、その方が本当に本人かどうかというのは全くわからないわけです。そういった中で不正が起きる可能性がある。だからこそもっと本人確認というものをすべきじゃないかと言っておりますので、これは法のもとにどこまでできるかわかりませんけれども、小田原市は絶対不正を起こしてはいけないという確たるものを持っていただいて、また検討をいただければと思います。
終わります。