平成15年9月議会一般質問
2003年09月01日
平成15年9月定例会(議案関連質問)
◆15番(加藤仁司君) 議案第49号 平成15年度小田原市一般会計補正予算における(仮称)女性プラザ開設費補助金についてお伺いします。
先般手元に届いた資料によりますと、経済産業省のコミュニティ施設活用商店街活性化事業の制度により150万円、一般財源より150万円の計300万円を小田原TMOに補助金として拠出し、事業者である小田原TMOが150万円を足した総計450万円を開設費として、(仮称)女性プラザの設置を図ろうとしております。その趣旨は、女性団体相互の交流を活発にし、仲間づくりやネットワークの輪を広げる等、団体のさらなる活性化を側面的に支援する目的で施設を開設するとのことであります。(仮称)女性プラザの概要については、先般、13番中島議員が質問されておりますので一点だけ伺います。
平成12年に出されました小田原TMO構想によりますと、平成10年度に小田原市が策定した「小田原市中心市街地活性化基本計画」を受け、小田原商工会議所がTMO機関として、中心市街地の特性、資源を最大限に活用しながら、創意工夫をして小田原独自の活性化推進を図ることを目的とされていることは周知のとおりであり、現在、めがね橋臨時駐車場運営、オービックビル内における8店舗のミュージアムショップ、また、9月6日からはTMO小田原宿観光回遊バスを11月30日の土・日・祝日まで実験運行されると伺っております。このTMO事業については、消費者ニーズの多様化、消費行動の変化による中心市街地の空洞化に伴う空き店舗の増加、後継者問題等の深刻な問題を抱える地域の商業等の活性化を図るための施策を展開しているところであります。ところが、このたびの(仮称)女性プラザの開設は、その趣旨をさきにも述べましたように女性団体間の交流としております。このことは、本来の目的である商業の活性化とどのような関係があるのか、この場所については、商業活性化策の拠点となるべき場所であり、市民活動サポートセンターや国際交流ラウンジなどと同様の性格を持つような施設利用には即さないと思うのですが、御所見をお伺いいたします。
◎市長(小澤良明君) 15番加藤議員の御質問にお答えをいたします。
(仮称)女性プラザ開設費補助金につきまして、商業の活性化とどのように関係があるのかという御指摘でございますが、(仮称)女性プラザの開設に至る経緯や運営方法等につきましては、先ほど13番中島議員の御質問にもお答えをしたとおりであります。本事業は、小田原市の課題であります女性団体の育成等と中心市街地活性化を連携させまして、経済産業省のコミュニティ施設活用商店街活性化事業の制度を活用し実施するものでございます。この制度は、商店街の空きスペースを活用いたしまして、商工会議所等が交流サロンなどのコミュニティ施設を設置・運営する際の経費について支援するものでございまして、お年寄りや親子連れなどが心地よく過ごせる場所をつくり、中心市街地の商店街に新たな交流を生み出すというものでございますが、中心市街地活性化は、直接的な商業活性化を図る商業施設の充実も当然必要であるわけでありますけれども、こうした制度のように、新たな交流を生み出す場をつくり上げて、この交流からにぎわいを創出することも必要と考えているわけであります。少し幅広く活性化ということを考えますと、おのずとこういう考え方になるのではないかというふうに私どもは考えております。(仮称)女性プラザは、消費の担い手であります女性の活動拠点となるとともに、女性の視点から商店街を見ることによりまして、今まで以上に女性が来やすく、また商品の購入につながるような提案や商店街との連携事業の展開も期待されるものでありまして、商業活性化を図る小田原TMOの意図と一致するものでありますので、御理解を賜りたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
◆15番(加藤仁司君) 一定の答弁をいただいたわけですが、再質問させていただきます。
この施設が交流の視点に立って、それがにぎわいを導くということで市長から答弁をいただいたわけですけれども、その視点は国の補助メニューの一つにもあったということ、これは理解できるんですけれども、でもそれ自体が今の中心市街地の活性化に結びつくか、そしてまた効果があるのかというのは、甚だ疑問であります。また、そこを女性行政課が担当するということではあるんですけれども、そもそもこの場所、施設ともに商業活性化のために使うことが目的であって、どうしても、今回の出されている議案については、目的と手段、これ自体が明らかに違うんではないか、このように受けとめてしまうわけでもございます。市長は、13番中島議員の答弁の中で、当時の女性行政室また女性団体の方から、かなり前からよりどころを求めていたという経緯がある、そしてまた今回、そういう経緯があるので、それをドッキングさせたと答えられたわけですけれども、このような形はちょっと安易なイメージをどうしても持つわけです。そこで、交流という部分を目的とするのであれば、今、モータリゼーションのこれだけ発達しているところですので、駐車場が本当にすぐ近くにあって、また、この対象とする人たちも、これは資料に示されているのは女性団体ということであります。なぜ女性団体に限られるのか。無理やりに商業施策と交流事業を結びつけたとしても、活性化の拠点となり得る場所をなぜ男女を区別しなければいけないのか不思議で仕方ありません。
そこで一つ伺います。この施設は、これからの運営をされるに当たって、女性プラザという名称ですので、男性は利用できないのでしょうか、ここを一点だけ伺います。
◎市民部長(植田理都子君) 15番加藤議員からの(仮称)女性プラザは男性は利用できないのかという御質問につきまして、私から御答弁させていただきます。
男女共同参画社会づくりにおきましては、女性だけが勉強したり意識を変えたりしていって完成できるものではございませんで、これまでも啓発や勉強会等に男性の参加がぜひ多く欲しいという声ももちろん上がっておりましたし、私どももそのように考えて企画しております。女性団体の育成等はここの施設の根幹となすところではございますが、男女共同参画社会づくりへの啓発につきましては、ぜひ、年齢も幅広い男女、大勢の方に参加していただきたいと思いまして、事業等を計画していくつもりでございます。
以上でございます。
◆15番(加藤仁司君) 今、市民部長の方から男性も利用できるということですけれども、だったら仮称であっても女性プラザというネーミングは本来おかしいのじゃないか。例えば、男性プラザとか女性プラザとかそういう名称の施設があった場合、内容はどちらでも可能だということであったとしても、異性は利用できないと見るのが自然じゃないのかなと思います。運営の詳細をこれから検討するということですけれども、その前に、これは先ほど言いましたように、中心市街地の活性化策としてこの場所に交流施設を設置することは適していないと私は指摘をさせていただきます。中心市街地の活性化策については、もっと大きな範囲で総体的に議論したいと思っておりますので、この辺にしたいと思いますけれども、今、市民部長からお答えをいただいたように、男性も利用できるんだ、でも名称は仮称であっても女性プラザということですので、市民部長が言われたのは、男女共同参画社会の対応として男性ももちろん使えるんですよということですけれども、この名称自体はその男女共同参画社会に逆行するものじゃないのかなと、このように思うんですけれども、市長の御見解を伺いたいと思います。
◎市長(小澤良明君) 15番加藤議員の御質問はなかなか難しい質問でございまして、おっしゃることもよくわかります。ただ、小田原市の行政組織として女性行政課というのを長い間お認めいただいて、一生懸命職員も努力してきております。その目的とする理想と現実ということで、現実をどう打破していくのか、そのステップをいろいろと積み上げて、職員それから多くの女性団体の皆さんも女性行政課に集まって、登録までしていただきまして、いろいろとこの共同参画社会についての積み重ねをしていただいております。議会の中からも一部、女性行政課があって何で男性行政課はないのかとおしかりをいただく場合もあるんですけれども、過去のいきさつとか現状をしっかりと認識しますと、一つの通過点としてこういう形も必要なのではないかというふうに思っております。それと、商店街の立場で言いますと、多分喜んでいただけるというふうに私自身も確信いたしておりまして、やはり交流というかにぎわいということが、一つの人の集まる場所をどうつくっていくのかということが商店街の大きな目標でありまして、その中から消費者としてどう変わっていっていただけるのか、お金を使っていただける人としてどう生きていくのかということを、それぞれの個店が努力をされることであります。そういうことと、それから駐車場につきましても、御承知のとおり、これはせんだって以来、栄町駐車場がすぐそばにありますけれども、市営の駐車場が30分無料ということで、これも来やすい場所というふうなことであの近辺ということになりました。30分というと、おしゃべりしている間にすぐ1時間、2時間たってしまうのかもしれませんけれども、いずれにいたしましても、中心市街地活性化推進本部、私が本部長で、昨年の9月以来ずっといろいろな施策を導入しているわけでありますけれども、まずは、先ほど15番加藤議員が言われました、お触れになられました、もう少しすごい効果のある、大がかりな、少し構想の大きなものということはもちろん本当に大切なことですけれども、そのことに以上に、とにかく即応性があって、いろいろな手を打って、そして商店街の人たちもあしたのお米が欲しいという状況のようでありますから、それに対して行政としてどうこたえていけるのかということをいろんな意味で真剣に考えておりまして、そうしたことの一つの結果として、例えば「えこっと」、リサイクルプラザの国際通りの「えこっと」もございましたし、そしてまた今回のこともあります。また、この後にもいろいろな知恵もわいてきておりまして、あるいは外部からの投げかけもあったりいたしまして、市といたしましては、多少15番加藤議員の御指摘の向きはなきにしもあらずだと思いますけれども、ただいろいろな施策をきめ細かに、あるいは即効果のある施策を素早く導入していく、そんなことを考えながらTMOと連携し、活性化に取り組んでまいりたいと思っているところで、15番加藤議員の一つの筋の議論はよくわかりますけれども、ぜひ御理解いただければありがたいと思うところでございます。