平成15年12月議会一般質問
2003年12月01日
平成15年12月定例会
◆15番(加藤仁司君) 通告に従い、順次質問してまいります。
はじめに、「史跡小田原城跡本丸・二の丸整備基本構想」の進捗と今後の整備についての(1)純化について伺います。
平成8年、私が当選後間もない福祉文教常任委員会において、私立旭丘高校の校舎改築の請願が審議されました。この請願は、幾たびの継続審議の後、趣旨採択の結果となり、その後、新校舎が落成し、現在に至っております。この審議の過程で焦点となったのは、小田原市が平成5年3月に策定した「史跡小田原城跡本丸・二の丸整備基本構想」(以下「基本構想」といたします)の推進に一定の歯どめがかけられたことでありました。本基本構想は、平成16年度までを期間とした短期計画と、平成16年度以降に整備予定とした長期計画とに分けられ、短期計画の中でも、住吉堀環境整備、銅門環境整備、二の丸主部南面環境整備、常盤木門周辺環境整備を当面計画と位置づけ、整備構想が打ち出されております。この基本構想は、貴重な文化遺産である小田原城の保存と活用をより一層進めるため、昭和57年に小田原市が作成した「史跡小田原城跡整備の理念と方針」で定めた、小田原城跡を永久に保存管理するとともに、遺構整備、保存とその活用を図りながら、市民生活の中に役立て、さらに歴史的観光価値の拡大を図ることを整備の基本理念といたしております。すなわち、国指定史跡小田原城跡の大半を有する城址公園の近世本丸・二の丸部分について、史跡の純化を図る上で、その妨げとなっている施設は移転あるいは撤廃し、発掘調査等を実施して、関係古文書において詳細なる記録があるものについては復原するとの構想であると解釈いたしております。そこで、さきにも述べましたしとおり、平成16年度は基本構想の短期計画が終了する予定となっておりますが、あと1年を迎えた今日までにどれくらいの進捗が図られたのかお尋ねいたします。
また、その短期計画の中では、旧城内小学校校舎、動物園、遊園地、中央連絡所、御用米曲輪、ダッグアウト、観客席が移転対象施設に掲げられておりますが、旧城内小学校校舎は解体、中央連絡所は移転したものの、それ以外は現存しております。移転候補となっている施設がそのままである原因は何なのかお伺いいたします。さらに、今述べました施設及び長期計画の施設移転に掲げられている図書館はいつ移転するおつもりか、あわせてお尋ねいたします。
次に、歴史見聞館について伺います。御承知のとおり、歴史見聞館は、平成10年より旧三の丸小学校の講堂を利用し、運営されているわけでありますが、城跡の新たな魅力の付加、史跡の価値や重要性を深める施設として、小田原城の歴史を体験してもらおうと進めた施設であります。この歴史見聞館への設計等委託料が議会に提出された平成8年9月は、私を含め数人の議案関連質問もあって、市長の歴史見聞館に対する思い入れを感じた者は、私一人ではなかったと思います。その答弁において、当施設は暫定的なものであるとの認識をした記憶があり、また、その後の経済厚生常任委員会、決算特別委員会、予算特別委員会などでも、基本構想が示した平成16年度までの短期計画終了に合わせて解体する予定であるとの見解を確認しております。そこで、この歴史見聞館は、当初の予定どおり平成16年度には解体をするのでしょうか。平成10年から現在に至るまでの入場者の実績とあわせて、御所見を伺います。
次に、(2)文化財保護と観光施策について伺います。
最初の質問において、基本構想の基本理念を紹介したわけでありますが、史跡小田原城跡は、小田原市民においてもかけがえのない歴史的資源であり、400年以上前の時代にタイムスリップをしたかのような錯覚と、小田原城天守閣に展示されている武具等の数々は、時の城内、城下の人々の生活をかいま見ることのできる大変価値の高いものと認識いたします。その多くは、城郭の研究者、歴史学者から小学生の研究まで、さまざまな分野で活用される一方、毎年30万人余りの方々が天守閣を訪れ、多くの観光客が利用される施設として非常に観光価値の高い施設でもあると思います。そこでお尋ねいたします。市長は文化財としての小田原城跡の価値をどのように見ていられるのでしょうか。また、観光資源としての価値はどのように見ていられるのかお伺いいたします。
続いて、基本構想はいわば純化を図ることを目的とした構想です。つまり、多くの市民や観光客が利用している動物園や遊園地は、不適当な施設として移転の対象となっております。そのことは、観光よりも文化財保護が第一であるとの姿勢とも受けとめられるのですが、いかがでしょうか。近代本丸・二の丸部分を整備し復原を図ることで、多くの観光客が訪れる施設となり得るとの目算なのでありましょうか、それとも観光客の動向に関係なく整備しようとしているのでしょうか。
観光の視点から小田原城跡を見たときに、ある観光客はその歴史的な重みに感嘆し、一層の興味、関心を持つ人もいることでしょう。また、ある観光客はベンチに腰をおろし、動物園の動物たちを観察することを楽しんだり、子供たちは遊園地で遊ぶことを楽しみにしていることもあるかもしれません。このように、小田原城跡は多様な観光客のニーズを取り込んだ施設として、長年多くの観光客にも愛されてきたと思うのでありますが、近年の天守閣入場者も減少傾向にあると伺っております。そこで、観光客減少の原因はどこにあると思われるのか、御所見を伺います。
次に、藤棚観光バス駐車場の移転についての考えを伺います。本駐車場は、基本構想においては長期基本計画の中の移転施設と位置づけられ、将来的にはお茶壺曲輪南堀としての復原が予定されております。日本各地の城址公園駐車場を拝見すると、どの城址もある程度の観光バス駐車場が整備されており、一度に多くの観光客が望まれることから、駐車場近くには土産物などの観光物産館もオープンしているところも多く見受けられます。本市においては、道路事情、城跡の位置関係もあって、現在の藤棚駐車場が唯一の観光バス駐車場となりますが、果たして長期計画までこのままの状態で観光客を迎えることでよいのでしょうか。藤棚観光バス駐車場の移転についてどのようなお考えか、御所見をお伺いいたします。
さらに、21世紀を迎えて、本市のシンボル的な存在でもある小田原城跡を今後どのように小田原市の観光に、経済に活用すべきか、本市の求めている将来的な小田原城址像についての御所見をお伺いいたします。
次に、2 西さがみ連邦共和国におけるフィルムコミッション事業と市の活性化施策について伺います。
平成12年4月に施行された地方分権一括法に基づき、本市は新たに創設された特例市に移行いたしました。さらに小澤市長は、この地方分権や少子・高齢化の進展など、地方自治体を取り巻く環境の著しい変化の中、行政圏あるいは生活圏として、歴史的にもつながりの深い小田原市、箱根町、真鶴町、湯河原町の1市3町が協働することの必要性を掲げ、住環境の向上、広域行政の拡充策を探りつつ、市町村合併に関する研究を行い、新しい世紀に新しい型の広域連携を目指すことを目的に、平成13年11月、西さがみ連邦共和国を建国いたしました。そして、平成14年5月からは、小田原市役所内に西さがみ連邦共和国事務局を設置し、スポーツやレクリエーション、各種フォーラム等、多彩な事業活動を行ってまいりました。加えて、地域のイメージ向上、活性化及び映像文化の発展を図るためにフィルムコミッションの運営を開始し、現在多数の映画やテレビ等の撮影が小田原市周辺で行われていることは市民の皆様も十分認識されていると思います。そこで何点かお伺いいたします。このフィルムコミッション事業は、宿泊、飲食、機材レンタルなどの撮影支援情報やロケ候補地の情報などを提供し、撮影を誘致する活動とされておりますが、事業開始から現在までの実績はどうなっているのでしょうか。また、本事業に対して、市民や市外の方々からの反応はいかがでしょうか。さらに、本事業の運営が本市にとって、また、西さがみ連邦共和国にとってどのようなメリットがあったのか、あわせて伺います。また、現在撮影中あるいは今後撮影される予定のある番組等、わかればお示しいただきたいと思います。
次に、(2)映像発信を利用した活性化施策について伺います。
ただいま述べましたフィルムコミッションの運営は、今や全国規模に発展し、お互いの地方自治体が競合し合っている状況にあると伺っております。そこには、ただ単に撮影支援を行うだけでなく、御当地の情報発信としては絶大な宣伝効果が期待できるというメリットや、経済効果をも期待できる要素を多分に持ち合わせていると認識するからであります。本市においても、映画やテレビ等のロケ地として、市内の施設や景色、場所がメディアを通じて全国に発信されることは、本市の宣伝に絶好の手段であり、さまざまな事業と連携してその活用を図るべきだと思いますが、市長の御所見を伺います。
今申し述べました事業と連携しての活用の例として、一つ提案があります。小田原というと、まずはじめに発想するものは一体何でしょうか。歌にもなっている提灯はあまりにも有名ですが、名物としてはかまぼこだと思います。そして、このかまぼこや水産加工品、地元の農産物を材料にした「小田原おでん」が、小田原おでんの会によって独自に開発され、10月末に開催された試食会は大盛況だったと聞き及んでおります。古くから業務を営む多様な業種の地場産業が共同体となっておでん種をつくり、「小田原おでん」を新名物としたいという気持ち、そして行動は、本市の活性化に大きく寄与するものと期待をしているところであります。そこで、この「小田原おでん」を映画やテレビ等の番組やドラマの一場面として登場させるという演出を依頼すべきだと思いますが、いかがでしょうか。主人公の飲食場面が飲食店であれば、「小田原おでん」を注文させたり、「やっぱり小田原おでんはうまいな」とのせりふを言わせたりすれば、宣伝効果や経済効果を果たすことができると思いますが、市長の御所見を伺います。
さらに、このような経済効果や宣伝効果を大きくするものとしては、やはり市の担当者がさまざまな事業の把握やチャンスを逸しない努力をすることが大事だと思います。先ほどの「小田原おでん」は一つの例えでありますが、そのことは、観光や産業情報を西さがみ連邦共和国事務局が得ているかにかかっていると言っても過言ではありません。これからのフィルムコミッション運営に対して、事務局はいかにして小田原市の観光資源や特徴を引き出すか、他の所管は、いかにしてメディアを通じた情報発信を求めるかといったお互いの連携を図ること、そしてあわせて商業者等との連携を深めることが、本市の活性化に大きく寄与すると思うのですが、市長の御見解をお伺いいたします。
次に、教育を取り巻く諸問題について、何点かお伺いいたします。
はじめに、本定例会では教育や青少年に関する質問が半数を占めるほどに至りました。このことは、教育を大きな柱の一つとして市政を進める、「静かなる教育論議」を推進してきた成果のあらわれだと思う反面、現在、本市の教育を取り巻く問題が大変大きいことを示唆しているものともとれるわけでございます。
既に多くの議員が制度面についての議論をしておりますので、前置きは抜きにして幾つかの質問をいたします。
まず、2学期制の導入についてです。小田原市教育委員会が策定した「小田原市教育推進計画・おだわらっこ教育プラン」によると、基本計画の第1章 特色のある学校づくりの第3節 多様なカリキュラムへの対応として、2学期制導入の検討がうたわれております。既に2学期制については、さきの質問並びに答弁をいただき、その概要については理解をいたしました。しかしながら、疑問のところもあり、質問をする次第であります。
周知のとおり、学校週5日制が平成14年度より導入されました。この学校週5日制の実施について、さまざまな議論がなされた当時は、2学期制なる動きはほとんど聞くこともありませんでした。すなわち、この学校週5日制はそもそも3学期制を前提とした導入であったと推察されます。今問われている学習時間の年間授業数の縮減が図られることは、導入の際には当然議論されてきた結果でもありますし、失われた授業数を補う上で2学期制を導入するのであれば、本来、学校週5日制自体を見直すべきではないでしょうか。そこでお尋ねいたします。学校週5日制の導入から2年も経過していない今日において、5日制の効果や問題を検証することなく2学期制へ移行することが本当に正しいことなのか、5日制のつじつま合わせの2学期制は導入すべきではないと思いますが、御所見をお伺いいたします。
また、今述べましたとおり、2学期制の導入を検討しなければならない状況となっていることは、学校週5日制自体に大きな問題があるとの指摘をせざるを得ません。ゆとり教育、生きる力をはぐくむとのフレーズで登場した学校週5日制は、学力の低下を指摘する声の高まりや、2学期制のように新たな補完施策を掲げなければならない自体となっております。日教組のホームページによると、「日教組が1972年より求めてきた完全学校5日制の実施は、ゆとり、豊かさを実現する社会的条件整備の拡充と、子供の学ぶ喜び、わかる楽しさを保障する学校改革、そのためのカリキュラムづくりを私たち教職員に迫ります。同時に、教育に責任を持つ教職員組合は、子供、保護者、地域に対し、みずからの教育実践について説明する責任なども求められます」と述べています。一体このメッセージの主語は、果たして子供なのでしょうか、あるいは組合員である教員なのでしょうか。学校週5日制が実施されて2年弱が経過したわけですが、教育委員会として、この2年間の実態はどうだったのか、学校にとって、教員にとって、児童・生徒にとって、保護者にとって、地域にとってどのような検証がなされているのかお尋ねいたします。
次に、これもさきに各議員から質問がありました、教員不祥事における本市教育委員会の対応について伺います。事件の概要は省略いたしますが、今回の件について、県教育委員会は懲戒免職の行政処分を行いました。このことは、だれが見ても当然の結果であるとの認識を持たれたと思います。しかしながら、問題は、強制わいせつという社会秩序を犯した罪の対象が、直接の教え子の児童であったということにあります。被害者側の告訴がなかったため、刑事事件とはなりませんでしたが、少なくとも学校と児童、先生と児童・生徒との関係、信頼が大きく傷つけられたと言っても過言ではありません。同様の事件は全国でも幾つか発生しているのでありますが、疑問なのは、事件の当事者の氏名や顔写真が公開されないということであります。教育委員会の見解としては、被害者が特定されてしまう等の被害者保護に立った弁明もよく聞くわけです。被害者保護をまず第一に考えるのは当然ですが、このことは反面、加害者保護になってしまう矛盾が生じてしまうわけです。全国放送で報道され、さらには3月まで勤めていた学校や4月からの転勤先、加害者家族のコメントまでワイドショーに取り上げられており、全国的にも注目された事件でもありました。ところが、刑事事件とされなかったばかりに、加害者は行政処分だけで社会的制裁は終わったことにしてよいのでしょうか。そこで教育長にお尋ねいたします。事件教員の氏名公表等はなぜ行われないのか、お伺いいたします。
次に、教科用図書選定制度について伺います。平成11年9月、いわゆる従軍慰安婦の記述をめぐって、特に中学校社会の教科書論議が巻き起こるさなか、私は教科書採択にかかわる経緯や問題点を指摘し、質問をいたしました。その後の経過としては、特定教科書が一方的に中傷されたり、教育委員が外部から不当な圧力を受けるなどの事件も発生し、また最近では、三重県で教科用図書採択協議会の会長である尾鷲市教育長が教科書選定をめぐる贈収賄で逮捕されるなどの事件もあったわけでありますが、そもそも採択権者である教育委員会の権限と責任を明確にし、学習指導要領の目標・内容に照らした教科書が採択されることを望むものであります。そのことは、平成2年3月20日付の文部省「教科書採択のあり方の改善について」通知の中で、「採択は、採択権利者(教育委員会)がみずからの権限と責任において適正かつ公正に行う必要がある。このことは、教科書に対する国民の信頼を確保するためにも極めて重要なことである」と指摘していますし、さらに平成14年8月30日の文科省通知にも同様の表現がなされております。そこで何点か伺います。本年10月24日に開催された神奈川県教育委員会にて、来年度以降の教科書採択地区が決定されたと伺っておりますが、今までの採択地区と比較して、どこがどのように変わったのか。また、小田原市教育委員会には「小・中学校教科書採択制度の改善を求める請願」が出され、本年10月22日に採択されたとも聞き及んでおりますが、それはどのような内容なのかお伺いいたします。
次に、来春より学校内禁煙が実施されることに伴う問題点について触れます。この質問も、先週同じ駿世会の5番武松議員から質問が出され、既に教育長より答弁されたところでありますが、1点伺います。現在学校は、地域との連携を今まで以上に深めようと、学校評議委員会をはじめ、運動場や屋内運動場の開放を積極的に進めております。さらに、運動会や学習発表会、授業参観も特定日だけではなくある一定の期間を設けるなど、工夫を凝らして地域との一体化を図っております。学校に出入りする人の中には当然喫煙者もおり、行事のたびに屋内運動場やグラウンドの隅に喫煙所を設けているのがどこの学校でも普通の姿ではないでしょうか。喫煙者である教員も、休憩時間に屋外等で同僚や児童・生徒への受動喫煙を極力気遣い、喫煙をしていることと思います。受動喫煙をなくしたい、このことは理解できます。教室や職員室で先生が喫煙する光景は今や皆無と思われますが、もし受動喫煙に影響があるのであれば、その改善策を講じるべきであって、学校の全面禁煙は行き過ぎた措置ではないでしょうか。決してどこでも喫煙できるよう望んでいるものではありません。決められた場所以外の喫煙を認めないという今までの措置で十分だと思いますが、いかがでしょうか。特に教員は、職場である学校から一歩も出られない状況であり、苦痛を与えるだけではないでしょうか。後に述べますが、特定イデオロギーに通じるさまざまな問題については、市長や教育長は校長権限としてゆだね、学校の管理運営上の問題に当たる喫煙措置について、なぜ市長、教育長が命令するのか、大いに疑問であります。市長の意向は理解いたしますが、このことは各校長権限にゆだねるべきだと思いますが、御所見を伺います。
次に、性教育について伺います。性教育についての質問は、平成9年12月以来、これで2回目となります。以前質問した内容は、ちょうど援助交際という言葉が蔓延し、少女の性非行と性教育の関連について伺いました。それから数年が経過する中、平成11年には「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」が成立し、また、携帯電話やインターネットでは出会い系サイトが登場するなど、依然として社会問題化しております。一方、性教育に関しては、平成14年3月に厚生労働省所管の財団法人母子衛生研究会が作成した中学生向けの性教育の冊子「ラブ&ボディBOOK」がコンドームの使用方法を図入りで詳しく説明したり、性行為等をゲーム感覚で取り上げるような記述があったことから、国会でも取り上げられ、文部科学大臣はこの冊子を絶版にし、回収するに至った経緯があると聞き及んでおります。「ラブ&ボディBOOK」は回収されたものの、まだまだ過激な副読本や男女の性器をつけた人形による性交の再現や、性器の名称を大声で歌わせるなどの報告を耳にするときに、小田原市の性教育は果たしてどのようになっているのか、不安と心配をするものです。そこでお尋ねいたします。現在、各学校における性教育の実態はどうなっているのか、そこには副読本を利用した教育が行われているのか、また、教育委員会はその内容についてどの程度把握しているのかを伺います。
次に、性に関して学校現場におけるもう一つの心配事の一つとして、俗に言われるジェンダーフリー教育があります。一言で言えば、社会的・文化的につくられた性別秩序を解消しようとする動きで、平成11年の男女共同参画基本法の制定以来、男女共同参画社会推進に名をかりて、基本法の精神から大きく逸脱した、男らしさ、女らしさまでも否定する思想が教育現場でも行われていることであります。そのことは、性教育においてコンドームを配布する事態のあった鳥取県の小学校を例にするまでもなく、人間の性を肉体的にのみ理解させ、性行動及び中絶すら自己決定にゆだねるとしたフリーセックスを目指す動きと同様の思想であり、男女の差別撤廃ではなく、男女の区別の撤廃というような具体的な事例が挙げられます。男女同色のランドセルを持たせたり、さらには男女一緒の身体検査や、今年9月に明らかにされたのは、静岡県沼津市の小学校で実施された5年生を対象にした校外宿泊学習で男女児童を同室で宿泊させていたことが発覚し、沼津市教育委員会が改善を指導する事態となりました。それら事例を挙げると枚挙にいとまがないのですが、今、各学校において実施率の高い事例の一つは男女混合名簿です。従来は、男女別で男子から始めていたため、男子が優先といった性差による意識を助長し、役割を固定化していたとされており、日教組が平成4年に導入を求める活動を本格化させたようですが、まさしくその意図は、ジェンダーフリーの思想と一致しております。このようなジェンダーフリー教育を否定すべく、鹿児島県議会、石川県議会において、県内の幼稚園・小・中学校でジェンダーフリー教育をしないよう求める陳情が採択された経緯もあります。そこでお尋ねいたします。本市の幼・小・中学校における男女混合名簿の実施率はどのくらいなのか、また、ジェンダーフリー教育について市長はどのように考えておられるのか御見解を伺いまして、登壇しての質問を終わります。(拍手)
◎市長(小澤良明君) 15番加藤議員の御質問に順次お答えをさせていただきます。
まず、史跡小田原城跡の平成15年度までの整備の進捗状況についての御質問がございました。「史跡小田原城跡本丸・二の丸整備基本構想」の短期計画に位置づけられている住吉堀及び銅門の復原整備、さらに本丸東堀の表面表示の整備を実施したところであります。平成12年度からは大手筋の整備を優先させることから、長期計画に位置づけられております馬屋曲輪整備を前倒しして進めるために、その資料収集を目的に発掘調査を実施いたしました。現在、発掘調査の成果をもとに基本計画を策定しているところでありまして、早期に具体的な整備の段階へと進めたいと考えているところでございます。
次に、城跡内の諸施設の移転につきまして御質問がございました。御指摘の各施設でございますが、移転先等の問題や財政状況などによりまして、移転がおくれているものでございます。長い間市民や観光客から親しまれている、また利用されていることもございまして、移転先等については、市民の要望等もよく検討し対応する必要があるというふうに考えておりますが、いずれにいたしましても、移転の計画につきましては、今後の財政状況等も総合的に勘案しながら検討してまいりたいと思っております。
次に、歴史見聞館の取り壊しの時期及び入場者数について御質問がございました。歴史見聞館は、平成8年度に旧城内小学校の校舎が解体された際、解体を見合わせていた講堂を使い整備したものであります。「史跡小田原城跡本丸・二の丸整備基本構想」の中では、旧城内小学校は平成16年度までに移転する施設に位置づけられているところでありますが、文化庁への申請におきましては、短期計画の整備が終了するまでには当該建物を撤去する、こういうことで許可をいただいているわけであります。歴史見聞館につきましては、平成16年度で取り壊すということではなくて、城跡整備計画とも調整を図りながら、当分の間運営をしてまいりたいというふうに考えているところであります。なお、入場者数でございますが、開館初年度の平成10年度は12万2000人、平成11年度以降は9万5000人を保ち、平成14年度は8万2000人となりました。
次に、史跡小田原城跡の文化財的及び観光的な価値について御質問がございました。小田原城は、かけがえのない郷土の文化遺産と認識をいたしております。さらに、戦国時代と江戸時代それぞれの特色があふれる城郭でありまして、全国的にも大変貴重であると考えております。だからこそ、文化財保護法によりまして、国指定史跡として保護・活用し、後世に伝えていくべきものと考えております。小田原城跡は本市の観光の中心的な施設であります。21世紀は観光の時代とも言われている中で、一層その保存と活用を図ってまいりたいと考えております。
次に、天守閣の入場者数でございますけれども、天守閣の入場者数は、バブル経済崩壊後から減少を続けてきたわけでありますが、ここ数年間で見ますとほぼ横ばいの状況にございます。全国の城郭入場者数の傾向を見ましても、ほとんどが本市と同様の傾向となっております。その要因といたしましては、近年の観光の形態が、名所見物型から、いやしといった自己実現型へ、団体旅行から個人旅行へ、あるいは家族旅行など小グループによる旅行へと変化してきておりまして、観光ニーズの多様化とともに、観光客が分散をする傾向にあるということであります。また、お台場や六本木ヒルズ、横浜赤レンガ倉庫など話題性のある近郊の新しい観光スポットの出現なども影響しているのではないかと思われます。
次に、藤棚バス駐車場の移転について御質問がございましたが、藤棚バス駐車場は、周辺に大型バスの駐車場がございませんので、こうした状況におきまして、団体観光客の重要な駐車拠点と現在なっていることは御承知のとおりであります。移転につきましては、城址公園全体の整備計画を推進していく中で、検討をしていく必要があるというふうに考えているところであります。
次に、小田原城跡を今後どのように本市の観光や経済に活用すべきか、将来的な小田原城址像について質問がございました。小田原城跡は本市の観光の中心として、周辺施設の整備とあわせ、その魅力を高めていくことで来訪者の増加が図られ、地域経済の活性化につながっていくと考えております。将来的な小田原城址像につきましては、小田原城は「史跡小田原城跡本丸・二の丸整備基本構想」で示されておりますように、江戸時代末期の姿に復原整備をいたしまして、その時代をしのぶことができるようにするということであります。この目標に向かって整備をすることによりまして、小田原城の歴史的・文化的観光資源としての価値を高めることになりまして、国内あるいは海外から、今まで以上に多くの観光客が訪れていただけるものと考えております。
次に、大きな2点目で、西さがみ連邦共和国のフィルムコミッション事業についてのお尋ねがございました。事業の実績につきましては、本年の2月1日の設立以来、小田原市が29本、箱根町7本、真鶴町3本、湯河原町14本、合わせて53本の映画やテレビドラマ等の番組制作に協力をさせていただきました。主な番組でございますけれども、「盲導犬クイールの一生」あるいは「クニミツの政」、それから来年のNHKの大河ドラマ「新選組!」だそうですけれども、この「新選組!」では、桜田門外の変の場面で、銅門周辺で撮影がされている等々でございます。主なロケ地でございますけれども、小田原の場合は城址公園がやはり多くて城址公園等でございますが、あと芦ノ湖畔、真鶴漁港、湯河原の温泉街などでございます。
次に、この事業に対する市民等の反応についてお尋ねがございました。今年6月に行った市政アンケートシステム登録者165名へのアンケート調査では、約8割の方がフィルムコミッションの存在を知っていられました。9割近くの方が、映画やテレビに小田原市内の場面が登場する機会がふえたと回答されていらっしゃいます。エキストラにつきましても、既に何と約1600名の方が登録されておりまして、多くの方々が実際に撮影に協力していただいているところでありまして、ロケ撮影に対する市民の反応もおおむね好意的・協力的であると考えております。
この事業のメリットでございますが、まずテレビ等に地域のさまざまな場所が登場することで、知名度や都市イメージの向上等のPR効果が上げられると思っております。最近は「フィルムツアー」や「メディアツアー」と呼ばれるような、映画やテレビに登場した場所が新しい観光名所となるなどの事例もあります。効果は、経済・観光・文化振興など広範囲に及んでいるところであります。また、ロケ隊等が滞在することで、宿泊、飲食、交通、機材レンタルなどの経費が地元で使われるために、この今年の2月以降、小田原市内だけでも推計1500万円以上の直接的な経済効果がございました。
次に、ロケの今後の予定についてのお尋ねがございました。毎週数件の問い合わせがございます。その幾つかが成立いたしておりまして、主なところでは、船越英一郎さん主演のテレビドラマ「火災調査官紅蓮次郎」や、若手で期待の高い行定勲監督によるベストセラー小説の映画化「世界の中心で、愛を叫ぶ」などが現在撮影中であります。
次に、映像発信を利用した活性化の一例として、「小田原おでん」を映画やテレビドラマの一場面に登場させるよう働きかけをしたらどうかとのお尋ねがございました。旅番組やバラエティー番組では、観光地や地場産品などを紹介することで成り立っている内容のものが大変多いわけでありますから、ぜひ取り上げてもらうように働きかけて、実際に取り上げられた例も数多いわけでありますが、ドラマの場合は、ストーリーや制作者側の演出意図等もありますために、紹介したものが即撮影していただけるとは限りませんが、御指摘の点も踏まえ、機会をとらえて働きかけてまいりたいと思います。また、おでん等は今構想の段階のようでありますけれども、おでん横町をつくりたいとか、おでんの屋台の小路をつくりたいとか、いろんな話を私自身も聞いておりまして、そういうこちら側の仕掛けも必要なのかもしれません。いずれにいたしましても、小田原おでんの会の皆さん等とも今後ともよく相談しながら、できるだけ積極的に取り組んでまいりたいというふうに思っております。
次に、メディアへの情報発信のために、各事業所管等とのさらなる連携が必要ではとのお尋ねでございますが、本市の持つ豊かな観光・産業資源は、各メディアで効果的に取り上げられることで一層認知度も高まり、活性化にさらなる波及効果を及ぼすことは、15番加藤議員の御指摘のとおりであります。こうした資源を最大限映像に生かしたすぐれた作品と文化を発信できるように、ロケを支援していただいている民間企業、団体、個人、商店等の方々との情報交換会を定期的に開催するほか、各所管との連携を密にするなどして、積極的に情報収集を行い、フィルムコミッション事業の推進に努めてまいりたいと考えております。
以下、教育を取り巻く諸課題につきましては、教育長からの答弁とさせていただきたいと思います。
以上をもちまして、15番加藤議員の御質問に対しましてのまず私からの答弁とさせていただきます。
◎教育長(江島紘君) 15番加藤議員の御質問のうち、教育を取り巻く諸課題については、私から順次お答えをいたします。
はじめに、2学期制の導入について御質問がございました。5番武松議員、1番鈴木議員の答弁の中でお答えしましたとおり、2学期制を実施している横浜市の例では、ふえた授業時間数で確かな学力を身につける効果があるとの結果が出ております。それ以外にも、短期間で分断される3学期制では位置づけられなかった夏休み前や冬休み前に、柔軟に行事を設定することができ、より教育効果を高めたり、現在の教育活動を見直し、学校の活性化が図れたりするなどのメリットがあるというような事例結果が出ておるわけでございます。2学期制については、メリット・デメリットのそれぞれが議論されているわけでございますけれども、教育委員会といたしましては、メリット面を十分に把握し、デメリット等への対応策について十分に検討の上、対応してまいりたいと考えております。
次に、完全学校週5日制の検証について御質問がございました。教育委員会では、完全学校週5日制の実施に伴う児童・生徒、保護者、教員、それぞれの現状や意識について、平成14年12月にアンケート調査を実施しております。その調査結果の中から、子供たちが家族とのふれあいや友達との交流がふえたり、自分の趣味や好きなことをして休業日となった土曜日を過ごしたりしている現状も見えるわけでございます。しかし一方では、子供たちの一部には、テレビを見たりゲームをしたりするなどの時間がふえ、有意義な活動ができていない状況もございます。また、平成14年8月に実施いたしました市政モニターアンケートによると、子供たちの学力低下の心配や、休日の過ごし方への配慮の必要性が求められているという結果が出ております。こうしたことから、休日における子供の学びの場や居場所の確保が大切であると認識しているところでございます。そこで、教育委員会では、子供のための遊びと学びの情報を提供するチャレンジさんの発行や、小学生ふれあいロボット体験、おもしろ国語教室・算数教室、地域が主人公の新しい取り組みのふれあい課外事業などを実施いたしまして、子供たちに豊かな体験の機会を設定するとともに、健全な児童・生徒の育成に努めておるところでございます。今後も、教育研究所で行っています「生活と意識に関する実態調査」などを使って、継続的に検証しながら、完全学校週5日制の趣旨が生きるよう進めていきたいと考えております。
次に、教員の不祥事について御質問がございました。教育委員会といたしましては、被害児童のプライバシー保護を最優先に考え、事件の対応を進めてまいりました。教員の氏名を公表した場合に、地域、学校、児童が特定されるおそれが強く、それによって児童の受けるダメージが大きいことから、心のケアに支障を来すことになると考えたわけでございます。加害教員の名前を公表しないのはそのためであって、決して加害教員を擁護するためではございません。県教育委員会も、被害者の人権やプライバシーに配慮する必要がある場合等は公表しないものとしておりますので、御理解を賜りたいというふうに思います。
次に、教科書採択地区と採択制度の改善を求める請願について御質問がございました。県内では、平成16年度の教科書採択につきまして、湘南地区・三浦地区・中地区では市町村で単独に採択することとし、採択地区の小規模化が進んでおります。小田原市、箱根町、真鶴町、湯河原町の1市3町では、引き続き足柄下地区を採択地区としております。平成15年9月1日に提出されました「小・中学校教科書採択制度の改善を求める請願」は、本市を単独の採択地区とするが、そのことが困難な場合には、採択事務に関するルールを決め、それを公表することなど、教育委員会の権限と責任の明確化を図ることを求めるものでございました。10月21日の教育委員会定例会で、その請願は全員一致で採択となっております。
次に、禁煙措置につきましては、各学校長の権限にゆだねるべきではないかとのお尋ねがございました。学校は、喫煙・飲酒・薬物が健康を害する要因であることを学習する場であるとともに、喫煙防止や薬物乱用防止等の健康教育を実施する場でもあります。今回の学校敷地内全面禁煙につきましては、「たばこの煙に伴う健康被害から子供を守ろう」との世界的な動きと、こうした動きに基づく、「教育現場は禁煙に」といった社会的要請にこたえるべく、小田原市教育委員会として判断したものでございます。ちなみに、全国的にも、都道府県の段階で、市町村の段階で、そして学校の段階での取り組みと、その形態は多様であるわけでございます。これら諸状況を勘案しまして、教職員をはじめ、学校施設等を利用する方々にも御協力をいただき、平成16年4月1日から学校敷地内を全面禁煙にすることとしたものでございます。
次に、性教育の実態と副読本の利用状況及び教育委員会の把握状況について御質問がございました。現在、小学校では体育科の保健領域の中で、「思春期の体の変化」「エイズへの正しい理解」の学習が、中学校では保健体育科の中で、「性機能の成熟」「エイズ及び性感染症の予防」の学習が行われております。教育委員会といたしましては、各中学校の希望に合わせまして、医師を講師として派遣していく「性教育講演会」を行い、性教育の充実を図っております。本市では、副読本を使用して性教育を行っている学校はございません。教科書を中心に、日本学校保健会発行のパンフレットなどを用いまして指導に当たっております。各小・中学校では、学習指導要領に基づいて性教育が進められておるわけでございます。
次に、本市の幼・小・中学校における男女混合名簿の実施率について御質問がございました。本市の男女混合名簿の実施率は、幼稚園100%、小学校96%、中学校75%でございます。
最後に、ジェンダーフリー教育についてどのように考えられるか御質問がございました。ジェンダーフリー教育という名のもと、男女を画一的に扱う教育、男女の違いを一切排除する教育を行うことは望ましくないというふうに考えます。学校教育におきまして、男女が互いにお互いの人権を尊重しつつ、責任も分かち合い、性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮できるような教育を行うべきで、つくられた性差にとらわれない意識を育てていくことが大切であるというふうに考えております。
以上をもって、15番加藤議員の御質問に対しましての答弁とさせていただきます。
◆15番(加藤仁司君) 一定の答弁をいただいたのですが、時間が逆になくなってしまって、早口になるかもしれませんけれども、お許しをいただきたいと思います。
まず、図書館について質問したのですけれども、ちょっと私、聞き漏らしたのかわかりませんが、どのようになっているのか、もう一度御答弁をいただきたいと思います。
あと、順番がちょっと前後しますけれども、藤棚の観光バスの駐車場、これについては、今、市長からも答弁をいただいたのですけれども、観光バスは、結局バスをとめて、その後の行程がもう決まっているパターンが多いと思います。そうなってくると、もう一定の範囲しか小田原の観光に触れることができないというようなこともありまして、駐車場の位置というのは本当に大事な要素ではないのかなと、このように思います。今あります藤棚のバスの駐車場、だれが見ても経済効果が見込めるような位置ではないのかなと、そういうふうに思いますので、本来、観光バスの駐車場というのは、これは私の私見ですけれども、やはり小田原城に登る登城ルートというのがあるわけですけれども、この登城ルートに沿った形で駐車場を考えると思うんですけれども、この場所として、(仮称)城下町ホールが今予定地としてあります。これは何度もいろいろ質疑の中で、市長はあそこに(仮称)城下町ホールを建てるんだという決意は聞いておるのですけれども、場所からすると、あそこら辺が一番、観光バスを発着するにはいいのじゃないかなと、このように思うんですけれども、御所見を伺いたいと思います。今言ったように、市長からはいい答弁はもらえないと思うんですけれども、ではどこにやるのがいいのか、この部分についても伺いたいと思います。
それから今、答弁の中で時々出てきて、ちょっと私も完全に把握しなかったんですけれども、基本計画等を策定して、具体的な復原整備を図るという言葉は聞いたんですけれども、今あります「史跡小田原城跡本丸・二の丸整備基本構想」、これ自体を見直しするというようなこともちょっと聞き及んでいるんですけれども、この見直しをするのかどうか。あるとすれば、いつそういうようなものが出されるのか、また内容はどうなのか、伺いたいと思います。
それから歴史見聞館については、いつもうまい答弁をされるものですから、一体いつこれが解体になるのか、今まで、さきの質問でも言いましたけれども、答弁のときには、16年度に予定しているということは再三出ております。中には、19年度に起債の償還が終わりますので、そのころを目途にという答弁も聞いております。今の中では、城跡整備計画との調整を図りながらということですけれども、一つ確認したいんですけれども、その終わるころというのが、平成19年度、起債の償還が終わるころというような見込みでいいのかどうか、そこら辺のところをもう一度答弁をいただきたいと思います。
それから動物園、遊園地等は、今、観光の面として本当に子供たちには喜ばれる施設だと思います。果たしてこの城郭の整備をきっちり江戸時代の末期のような形にしたときに、確かに歴史学者とかそういったものに触れたい方は大喜びで来るでしょうけれども、子供たち等はそこにおもしろみがあるのかな、これが今度観光の面からしてみると、逆に来なくなってしまう、こういうことも正直心配をするわけです。今の中ではかなり整備が、例えば旭丘高校自体も完全に建て替えをしました。50年、70年、そのままになるかもしれません。また、歴史見聞館においても、本来の基本構想から、正直なところ、それにはないところをつくりました。こういったことで、無視はしていませんけれども、いろいろ調整を図りながら今あるものを活用している。例えば遊園地、動物園等も、いま一歩、もっと市民が活用しやすいように例えばやってみることもどうなのか、そして時期がきたときには廃止をするとか、今の中では何かそのまま置いてあるだけで、新たな観光についての施策、これについての考えがなさそうな感じなんですけれども、これからの遊園地、動物園、ここら辺にちょっと手を加える必要があるのかどうか、伺いたいと思います。
それから2番目ですけれども、確かに、ロケ地としていろいろと小田原が使われている、西さがみ全体が使われている、喜ばしいことだと思います。先ほどの質問の中の答弁に、さまざまなところと連携をとっていきたいと、大変前向きなお答えをいただいたのですけれども、どこがその主体となるのか。案外、例えば広報広聴室と経済部の方が、向こうが言ってこなかったからそんなのは知らなかったとかいうことで、両方でなすり合っていたら何もできない。こんなことも考えられますので、どこが主体となって連携をとるのか、これを伺いたいと思います。
それから3番目の方は、まず週5日制についてのアンケートを14年にとられたということですけれども、このアンケート自体は、文部科学省等からアンケートをとるように言われてつくったのか、小田原市独自でやったのか、そこを聞きたいと思います。もしも小田原独自でとって、その結果ということであるとすれば、これは国全体で進めたことですので、やはり文部科学省の方に、こういう実態があったということを言うべきじゃないのかなと、このように思いますので、このアンケートはどのような対応をされるのか、そこを1点伺いたいと思います。
それから教科書の採択の件ですけれども、12月11日の新聞に、今、県議会をやられているということで、県議会で松沢知事が答弁された中に、市町村教育委員会がみずからの責任で選んでいくことが極めて大切というコメントが載っておりました。小田原市は、さきに教育長からお話がありましたように、足柄下の単位で採択地区ということで、前と変わらない格好なんですけれども、まだまだ時間がありますので、松沢知事が答えたように、また教育委員会の協議を復活して、単独で進めるという方向が示せないのかどうか、ここら辺を1点伺いたいと思います。
◎市長(小澤良明君) 15番加藤議員の再質問にまず私の方からお答えいたします。
城址内の図書館のことにつきまして触れていないというお話でございましたけれども、先ほど概括的に、図書館ということではなくて、中の施設全体につきまして答弁をさせていただいたつもりでございました。大変失礼いたしました。いずれにいたしましても、移転の計画につきましては、今後の財政状況等を総合的に勘案しながら検討してまいりたいということで御理解をいただけたらというふうに思うところでございます。
それから次に、観光バスの駐車場の問題につきましても、(仮称)城下町ホールの予定地がどうかとのお尋ねがございました。(仮称)城下町ホールの整備につきましては、用地確保のめどがついた小田原警察署、めがね橋臨時駐車場及び消防署中央分署の敷地への施設建設を考えているところでございます。(仮称)城下町ホールには、ホール系機能のほか、創造系機能や交流系機能などもあわせ持つことができたら、そういうことで文化振興の柱とするという(仮称)城下町ホール建設市民委員会からの報告をもとに、事業方針の検討を進めているところでありますが、限られた建設用地への計画でありますことから、観光バス駐車場の整備は考えられないということになります。観光バス駐車場の移転先ということにつきましては、当然、整備が進んでいきますと、藤棚の駐車場も発掘することになるわけでありますから、そうした整備の進捗状況を見ながら、城址公園全体の整備計画を進めていく中で検討をしていくと、こんなふうに考えているところであります。
それから3番目の「史跡小田原城跡本丸・二の丸整備基本構想」の見直しを図ろうとしているというようなことを聞き及んだというような御質問でございましたけれども、「史跡小田原城跡本丸・二の丸整備基本構想」につきましては、平成5年3月に策定をして以来10年が既に経過いたしました。現在、御承知のとおり、馬屋曲輪の整備を進めていることからも明らかなように、当初とは整備手順が変わってきていることは確かでございます。また、バリアフリー対策等新たな視点も加わるなど、史跡をめぐる環境も変化いたしております。そこで、15年度から16年度にかけまして、こうした点も踏まえまして、整備手順の組み替えなどを中心に再検討の作業を行っているものであります。ただし、史跡の保存と活用を図るという基本的な考え方は従来どおりでありますので、御理解をいただきたいと思います。
他の問題につきましては、担当の方からお答えをさせていただきたいと思います。
◎助役(青木正次君) ちょっと順番が逆になりますけれども、お許しいただきたいと思いますが、フィルムコミッション事業の関係につきましての再質問つきまして、お答えさせていただきたいと思います。
このフィルムコミッション事業でございますけれども、この関係につきましては、先ほど15番加藤議員の御質問に答弁したとおり、知名度やイメージアップ、さらには直接的・間接的な経済波及効果などが挙げられるわけでございまして、この辺につきましては、すぐれた映像文化の創造に寄与するという目的もあるために、現状では小田原市をさまざまな面から総合的にPRするという観点から、都市セールスを所管してございます広報広聴室が現在事務局となって取り組んでいるところでございます。しかし、制作会社の方からは、特定の商店等を紹介してほしいと、こういった要望もございますので、これらにもこたえるためには、民間団体が事務局をしている方がより効果的な場合も考えられますので、将来的にはどのような形態が望ましいのか、これからさらに検討を進めていきたいと、このように考えております。
以上でございます。
◎観光担当部長(椎野勝幸君) それでは、15番加藤議員の再質問のうち、歴史見聞館の延長のお話と、動物園、遊園地の撤去の関係のことでございますけれども、私の方から答弁させていただきます。
歴史見聞館の延長が、平成19年度までの3年間の延長と解釈してよろしいかというお尋ねでございましたけれども、先ほど市長の方から答弁していただきましたように、19年度ということではなく、いましばらく活用させていただきたいということで御理解をいただきたいと思います。
それから、城址公園の動物園、遊園地の撤去についての御質問でございますけれども、動物園、遊園地は国指定史跡内から移転あるいは撤去していくという考えについては変わってございません。そのために、大規模な改修は認められないという状況にございます。しかし、小さなお子さんが気軽に楽しめる憩いの場ということになってございますので、存続している間は、今あります施設を維持、修繕しながら使用していきたいと考えております。
以上でございます。
◎教育長(江島紘君) それでは、教育に関することにつきましては私の方から御答弁を申し上げます。
まず、5日制のアンケートの件でございますけれども、先ほど私が申しましたアンケートの結果につきましては、これは市単独でやったアンケートでございますので、何らかの形で県または文科省の方に、こういうような情報もあるというようなことについてはお伝えをしていきたいというように考えております。また、これからもさまざまな調査をやるわけでございますので、そういうようなことにつきましても、そんなふうな形をとらせていただきたいというように考えます。
それから教科書の採択でございますけれども、来年度は小学校の教科書の採択の年度になっております。そのことにつきましては、もう既に県の方にも、足柄下地区は下地区としての協議会をつくって行うというようなことで言ってありますので、そのことにつきましては先ほど答弁申し上げましたとおりの形で、より明確なものを目指していきたいというように考えております。それで、17年度でございますけれども、これにつきましては、今度は中学校の方の教科書の採択というような形になりますので、そういう意味で、今こちらの方の1市3町でさまざまな研究をやらせてもらっておりますけれども、できればそれぞれの単独の採択というような形にいきたいという方向性で今話をしている最中でございますので、御理解を賜りたいと思います。
◆15番(加藤仁司君) 再質問の御答弁をいただきました。
一つ、城址に関して質問したいんですけれども、観光担当部長の方からいましばらくという答えをいただきました。これは歴史見聞館の解体の件ですけれども、数々の委員会の中でこういう話もありました。歴史見聞館も確かに暫定ではありますので、その後は馬屋曲輪の整備、この後にそこにそういうような施設を設けたいんだというようなことを、私を含めそれぞれの議員は聞いていると思います。こういった表現がありますので、歴史見聞館を解体した後に、馬屋曲輪、これはどこにというようなことはそのときに答弁がなかったと思いますけれども、その周辺にそのような施設を設けるのかどうか、ここを確認したいと思います。
それから、今、教育長からいろいろとお話しいただきました。いつも教育に関して質問を投げかけると、必ず意識的に登壇しての質問は市長にと言うんですけれども、大抵教育長がお答えをされるということがちょっと不可解でいつもいるんです。教育長と全く同じ見解を市長が本当に持っているのか、ここのところが疑問なんです。教育については教育長は専門家だからそっちにお任せしますよと、私は意見はないんですよということだったらこれは大問題じゃないのかなと。市長も選挙で出られた方でもあります。やはり教育は国家百年の計と言われることで、教育の大切さというのは一番わかっていると思います。ですから「静かなる教育論議」をはじめ、「健康と教育」を市長は標榜しているわけですから、やはりみずからの言葉で教育に関しては語っていただきたい。そして技術的な、また専門的、現場の声、そういうようなときには教育長の方からお答えいただく、これはわかるんですけれども、先ほど言いましたジェンダーフリーとか、これは一つのイデオロギーだと私は思います。こういった部分は、別に学校の管理とかではなくて、一つの思想の部分について、学校の中にも蔓延している、これはとんでもないことじゃないか、私はこれを質問したわけでございますので、こういった部分については、やはり市長がどのような考えがあられるのか、本当にそれでいいのか、そのお答えをいただきたいと思います。
◎市長(小澤良明君) 15番加藤議員の質問に私の方からお答えいたします。
馬屋曲輪で歴史見聞館的な施設というか、移転するというか、考えているのかということですけれども、馬屋曲輪の復原につきましては、規模とか建物の構造上、どういうことができるのか、私もまだよくわかりませんけれども、ただ歴史見聞館は、先ほど観光担当部長が御答弁申し上げましたように、できれば議会の皆様方に御理解をいただいて、もうしばらくあの形を続けさせていただくと。馬屋曲輪の方につきましては、ちょっとした休憩所とか、そういう形で使っていただく方がいい規模ではないのかなというふうに私は思っておりますが、ただ生涯学習部の方とこの問題について打ち合わせをしたわけではありませんけれども、今、15番加藤議員がおっしゃったような話は、私としては聞いておりませんので、またちょっと無理ではないかなと、今よりもっと小さなものになってしまうというふうに思います。
それから、ジェンダーフリーについていろいろと御質問がございまして、大変申しわけなかったと思いますけれども、一応教育にかかわる問題は教育長からまずということでございますので、失礼いたしました。
平成14年11月の国会で、男女共同参画局長から、ジェンダーフリーについては、現在一部に、男性と女性の区別を一切なくすという意味で使っている方がいて、誤解を持たれているという局長答弁があったようであります。これからの社会において大切なことは、性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮することができる社会、男女が差別を受けることなく対等なパートナーとしてさまざまな分野に参画できる男女共同参画社会の実現を目指すということでありまして、そこと、何でもかんでも男性と女性と同じなんだよということと混同するということではないと思います。私は、男性は男性、種として二つしかないわけですから、男性は男性、女性は女性の特色を持った動物というか生物であるわけでありますから、そこが人間社会の中で、友好に、お互いがお互いを助け合ったり尊重し、尊敬し合うというか、そういうしっかりとした確信があって初めて人間社会がうまく機能していくというふうに思います。もっと言いますと、地球が存続するために最も必要な基本的なあり方だというふうに思いますから、そこのところがまず下敷きにあってのいろいろなそういう話だというふうに思っております。
以上でございます。