平成16年3月議会会派「駿世会」代表質問
2004年03月01日
平成16年3月議会 駿世会代表質問
○議長(大野眞一君) 駿世会代表・15番加藤議員、登壇願います。
〔15番(加藤仁司君)登壇 拍手〕
◆15番(加藤仁司君) 私ども駿世会は、5番武松議員、16番井原議員、そして私、15番加藤の3名により構成されております。さきの2会派と同様、我が会派におきましても、イラク復興支援に派遣されました自衛隊員らが無事にその任務を完遂されますよう心から願ってやみません。
それでは、駿世会を代表して順次質問してまいります。既に本日2会派より質問が終わっておりまして、若干重複することもあるかと思いますが、御了承いただきたいと思います。
はじめに、平成16年度施政方針並びに予算案への市長の意気込みを問うと題して何点かお伺いいたします。
本市の新総合計画「ビジョン21おだわら」の大きなテーマは「交流」であります。そして、その「交流」を核としてさまざまな事業が計画され、実施されてまいりました。「絆」というテーマもともに、人と人とのつながりや出会いがまちづくりを支える意味では、特に小田原駅東西自由連絡通路の完成によって、近隣市町村、市民と観光客、市民同士の交流も今まで以上に図られるものと大いに期待をするところであります。そして、いよいよ来年には「ビジョン21おだわら」後期基本計画が策定されようとしており、今後も「交流」というキーワードを踏まえた施策の展開が望まれます。
しかしながら、依然として厳しい財政状況のもとで、計画に記された事業の実施には、卓越した指導力と実行力、行政運営手腕が必要です。このたび上程された平成16年度予算におきましては、平成15年度当初予算と同様、引き続き地方交付税の振替財源として発行される臨時財政対策債26億円が計上されております。この臨時財政対策債は、補正予算を経て、平成15年度3月補正予算時には総計35億2670万円となっており、予算編成時には臨時財政対策債限度額は確定していないものの、9億円余りの増額補正をしなければならない状況となりました。そこで、平成16年度も、平成15年度と同様に補正増額の見込みで26億円の臨時財政対策債予算を組まれたのかお伺いいたします。
さらに、本市においては、現在、小田原市行政改革大綱「おだわら改革宣言2002」により鋭意効率化に尽力されておりますが、人件費の抑制については一定の評価をするものの、少子・高齢化に伴う扶助費の増加は顕著で、歳出抑制も厳しい状況にあります。歳出抑制とともに、各地方自治体も知恵を絞り、外形標準課税のような新たな財源措置を模索する自治体もあるのですが、歳入施策の検討もされるべきだと思います。小澤市長は、先日再び神奈川県市長会の会長に就任されたと伺っておりますが、各首長の間では歳入についてどのような議論がなされているのかお尋ねをいたします。
次に、平成16年度の投資的経費について伺います。平成16年度における投資的経費は、前年度に比べ44億7543万4000円も落ち込んでおります。大きな事業の完成により金額や率は変動することは承知しておりますが、平成8年以降下降線をたどっており、継続事業の進展に大きな不安を抱えております。そこで、投資的経費の推移から、これからの各事業の進展を市長はどのように見ておられるのかお尋ねをいたします。
また、先般、市長は4期目を目指す意向を表明されたのでありますが、「交流」という視点で平成16年度予算案執行にどのように取り組まれるのか、市長の意気込みをお示しいただきたい。
次に、大項目の2、本市総合計画と各事業との整合性について伺います。
本年は「ビジョン21おだわら」前期基本計画の最終年であり、第3次実施計画の2年目でもあります。そこで、第1次、第2次を含めたこれまでの実施計画の進捗についてどのような状況となっているのか、まずお尋ねいたします。
続いて、過去二、三年前の予算書を照会すると、いつの間にか継続されていない事業が目につきます。例えば、IT講習会においては、全額補助事業として市内各地において開催され、人気が高い事業であったにもかかわらず、補助金の打ち切りとともに姿を消してしまいました。特に緊急雇用対策事業はそのような状況が多く見られ、「ビジョン21おだわら」のレインボープロジェクトをはじめ、各事業の年度計画が示される中、基本構想、基本計画に沿った実施計画の執行が求められるにもかかわらず、特に緊急を要しない事業でも、国・県の補助金が確保された事業は実施計画を度外視しても実施しているように思えてなりません。そこで、総合計画の実現をまず図ることが行政の最優先使命であると思うのですが、市長は、総合計画にのっとった事業と実施計画にも掲載されていない補助金対象事業との整合性について、どのように思われているのかお伺いをいたします。
次に、大項目の3、中心市街地活性化策についての(1)小田原駅東口周辺整備について伺います。
平成15年度から平成17年度の継続事業である東口人工地盤整備事業、いわゆるペデストリアンデッキは、中心市街地の活性化策の一環として整備されるものと認識いたしております。現在、整備計画が示されておりますが、市民や観光客の回遊性を高めるためには、現計画からさらに足を伸ばしていくことが必要であると考えるのですが、市としてどのような将来像を描いているのかお伺いいたします。
また、本年度は、ペデストリアンデッキの整備とともに駅ビル工事も予定されております。さまざまな工事機材、工事車両が行き交う中、ペデストリアンデッキの工事スケジュールはどうなっているのか、また、工事による安全対策についてどのように考えておられるかお尋ねをいたします。
次に、お城通り地区再開発事業について伺います。
お城通り地区再開発事業につきましては、既に定例会では何度か取り上げられ、本代表質問においても質疑がなされているところでありますが、本事業は、その立地状況からして、アークロードをはじめとする駅周辺における整備計画と連動して事業化すべきだと思います。そこで、本事業はあとどのくらいで事業に着手できる見込みなのかお伺いいたします。
次に、(仮称)城下町ホールについて伺います。
予算書によりますと、(仮称)城下町ホール整備推進経費として、基本構想策定経費が計上されております。本事業につきましては、既に平成4年に出された「小田原市民会館整備に関する調査報告書」、平成15年3月の「(仮称)城下町ホール建設市民委員会の報告」を経て、このたびの基本構想策定に至ったわけでありますが、ここで一つ疑問を持つものです。
はじめに、既に10年以上も前から(仮称)城下町ホールの建設について議論がなされているにもかかわらず、なぜ今となって基本構想を策定するのか。基本構想のもとで、その構想実現にふさわしい場所の選定、規模、内容を検討し基本計画が策定され、具体的な事業として実施計画が練られるのが従来の手法であると認識しているのですが、このたび整備計画区域が示され、(仮称)城下町ホール建設市民委員会の報告も出されている中、その順序が逆であるように思われるのでありますが、それで正しいのかお答えいただきたい。また、現段階において、建設手法についてはどのように考えられているのかお伺いいたします。
次に、小田原駅西口地区整備について伺います。
現在、小田原駅西口において広場整備が行われております。しかしながら、計画の段階から本事業は車動線が複雑であり、供用開始後も一部の混乱や利用者からの不満の声も危惧されます。そこで、このような状況となった場合、市としてはどのように対応されるのかお伺いいたします。
また、昨年、アークロードが完成し、小田原駅東西の地域環境が変わりつつある現在、西口地区における整備構想を明確に打ち出すべきだと考えますが、御所見をお伺いいたします。
次に、大項目の4、観光施策について伺います。
小田原城城跡整備につきましては何度も質問をいたしておりますが、このたび示された施政方針によりますと、小田原駅からの歩行者を小田原城天守閣の正規登城ルートへ誘導するための道標整備を進めるとうたってあります。御承知のとおり、小田原駅からに限らず、さまざまなルートで小田原城天守閣へ登城できる現状は、果たしてそのままでよいのか、あるいは他城にあるように1ヵ所の入出場口を設ける方がよいのか、さまざまな議論はあるかと思われますが、市長はどのように思われているでしょうか。このたびの小田原駅からの正規登城ルート道標整備施策の理由とあわせてお伺いいたします。
また、昨年の12月議会においては、「史跡小田原城跡本丸・二の丸整備基本構想」の見直しを図る御答弁をいただきました。現在、駐車場として利用されている御用米曲輪城内臨時駐車場は、平成14年度までの約束で利用していると聞いておりますが、今後どのようになされるのかお伺いをいたします。加えて、同じく12月議会では明確な御答弁をいただいておりませんが、城内にある小田原市立図書館の移転については、神奈川県保健所跡地を市が購入することになっていることから、その場所を図書館移転地と解釈してよろしいのかお伺いいたします。
次に、魅力あるイベントの開催について伺います。
毎年5月3日に開催されております小田原市観光協会主催の北條五代祭りは、勇壮な武者行列が市内をパレードし、多くの観光客が訪れるイベントであり、我が議員団も参加しております。しかしながら、初めて北條五代祭りを見学した方は別として、参加者やリピーターの見学者は、マンネリ化している感情を持つ者も少なくないと思われます。この行進が歴史的に裏づけられたものであれば、形態を変えることはふさわしくないかもしれませんが、二の丸広場に集合し、セレモニーを行い、出陣する、この基本はよいとしても、せっかく多くの観光客を集める大イベントを、もっと魅力的な演出を付加すべきではないかといつも思っておりました。毎年、北条早雲公役を務められる市長は、北條五代祭りについてどのような御感想をお持ちか、まずお伺いいたします。
御承知のとおり、北条五代は、北条早雲の入城から5代当主北条氏直が降伏するまでの95年間、戦国の世とはいえ、幹線道路網の整備や城下のにぎわい、関東文化の中心地としても繁栄した時代を築いたとしてたたえられております。しかしながら、全国的には、北条氏を滅ぼすために石垣山に陣場を構えた豊臣秀吉が石垣山一夜城を築城したことの方が有名であり、小田原城天守閣最上階に登られた多くの方は、今は木立が並ぶ石垣山一夜城と思われる場所を確認している光景をよく見ます。一方、石垣山一夜城跡側からは、小田原城を眼下に望み、時の秀吉になったつもりの観光客を目にします。北条氏終焉の舞台は、肉眼でもはっきりとらえられる位置に築城された二つの城と、天下統一に向けた秀吉軍勢に対峙する北条氏との攻防は、歴史的価値の高い遺産であり、物語であると言っても過言ではありません。そこで、現在の北條五代祭りを小田原城戦国絵巻と題して、一夜城には秀吉を中心として徳川家康、石田三成、蒲生氏郷、白装束の伊達政宗等の軍勢を配置し、当時の状況を再現する。一夜城は、一夜城伝説に従い、短時間で城の出現を演出するコンテストを経て優勝した張りぼての城を築き、5月3日には小田原城と一夜城の2城が小田原に築かれるという設定を行い、観光客に回遊してもらうことを提案しますが、いかがでしょうか。市長の御所見を伺います。
さらに、小田原市が生んだ著名人のお一人に富野由悠季氏がおられます。平成13年4月1日の「広報 おだわら」に紹介されておりますが、富野氏は「機動戦士ガンダム」の原作者で、アニメは長年にわたって子供から大人まで多くのファンを魅了しております。さらには、プラモデルをはじめキャラクター商品も数多く、ガンダムという言葉を興味のない方も一度は耳にしたことがあると思います。先日、ふとしたことからインターネットを開いてみると、「ガンダムで街興しを」という掲示板を見ました。富野氏が小田原出身ということをファンはもちろん知っております。次から次へと小田原とガンダムを結びつけるアイディアが掲示板を躍っており、匿名掲示板なのでだれかはわかりませんが、小田原市の活性化の起爆剤としてガンダムに大きな期待を寄せております。ガンダムにちなんだイベントの開催もまちおこしの一つと思いますが、市長の御所見をお伺いします。
次に、大項目の5、広域行政施策について何点かお尋ねいたします。
はじめに、ごみ処理広域化実施計画について伺います。
平成15年の代表質問において、県西2市8町で構成する県西ブロックごみ処理広域化調整会議において、平成19年にはごみ処理広域化実施計画を策定すると伺っておりますが、現在の1市5町の動きとあわせて、1市3町の状況はどうなっているのかお伺いいたします。
また、来年1月には新たな湯河原市が誕生する状況にあり、今後、本広域化実施に当たってどのような影響が考えられるのかお尋ねいたします。
さらに、処理施設整備に当たり、ごみ処理方法の統一化が大前提となるわけですが、各自治体のごみ分別においてはいまだ統一化が図られていないのが現状です。そこで、現段階においても真っ先にごみ分別の統一化を図ることが必要であると思うのですが、御所見をお伺いいたします。
次に、広域斎場整備についてですが、昨年の段階では、中井町を除く2市7町において、全体規模、整備手法や運営方法の比較検討を行い、整備基本計画を策定するということでありますが、それはいつ策定されるのか、また、本斎場整備については公設でなければならないのか、民間活用という手段を含めての検討も考えられないのかお伺いいたします。
続いて、フィルムコミッション事業について伺います。
予算書において、(仮称)おだわら映画祭開催委託料が計上されております。本事業について、その開催内容はどのようなものなのかお伺いいたします。
また、先日、テレビで拝見したのですが、姫路フィルムコミッションが韓国映画の撮影に当たり、国宝姫路城での撮影で石垣の使用をめぐって大変難儀していた状況が放映されました。映画の撮影においては、どうしても欲しいアングルや場所について、しばしば管理者の了解が得られないこともあると伺っております。そこで、フィルムコミッション同士がお互い連携し、情報や意見の交換をする機会が必要だと思うのですが、市長の御見解をお伺いいたします。
次に、大項目の6、道路整備と渋滞対策について何点かお伺いいたします。
はじめに、都市計画道路の小田原中井線について伺います。
現在の進捗状況はどのようになっているのか、まずお伺いします。
また、本年度予算において、本市では市道0077の物件補償費が計上されております。都市計画道路小田原中井線につきましては、橘地区の狭あいな松田羽根尾線が拡幅困難なことから、平成7年に都市計画決定されておりますが、都市計画道路の供用が図られた場合、車両と歩行者の安全確保のためには、接続路となる市道0077の拡幅は必然であり、今回の物件補償費の計上が都市計画道路の事業の進展に大きく寄与するものと評価をするものであります。そこで、本市としては、市道0077の整備進展を踏まえ、都市計画道路小田原中井線への取り組みを県にさらに強く働きかけるべきだと思いますが、御所見をお伺いいたしますとともに、今後どのような状況となるのかお伺いをいたします。
次に、警察署等の移転に伴う課題についてお伺いいたします。
本年4月に小田原市役所周辺に小田原警察署並びに小田原交通安全協会が移転されますが、そこで心配されますことは、やはり利用者の駐車場対策についてです。この件は、既に平成15年9月議会でも5番武松議員から質問がありましたが、移転まであと1ヵ月に迫った今日において、今までの行政の答弁で本当に大丈夫か気がかりでありますので、再度質問する次第です。
現在の小田原警察署における一日の利用者は、免許更新や道路使用許可等で約300人ほどと伺っております。もちろん、その利用者は乗用車で来署するとは限りませんが、9月にも指摘されましたように、今までの警察署よりも小田原駅から離れた場所でもあり、乗用車での利用者は増加すると見られます。このとき、警察署や小田原交通安全協会の利用者が市役所駐車場を利用されると推察いたしますが、その対策についてどのようなお考えかお伺いをいたします。
また、この荻窪周辺は有料駐車場も少ない状況から、どうしても市役所駐車場へ駐車する状況が生まれることは明らかであり、その際、現状の駐車場管理体制で十分なのでしょうか。駐車場の増設、駐車場利用者への有料化、利用所管の押印等について、市長の御所見をお伺いいたします。
次に、川東南部地区の渋滞対策について伺います。
現在、沼田国府津線を出入り口とする商業施設の開発申請が本市に提出されたと伺っております。現状の幅員や道路事情では、右折車両等による渋滞が誘発されるおそれも多々あり、近隣住民や通行車両等に著しい支障が出ることが予想されます。本市では、この地域における近年の大規模な商業施設の立地に伴う交通混雑や生活環境の諸問題に対し、その方策として平成15年11月に「地域の安心・安全を守る都市づくり宣言」を行ったところですが、今後、市は宣言に基づいてどのように対応されるのかお伺いをいたします。
最後に、教育施策について伺います。
昨年の12月定例会における一般質問においても、教育制度等について質問をしてまいりました。本代表質問におきましては、このたびの平成16年度予算案に記されております少人数学級編制推進事業費をはじめ、2学期制、教育委員会担当所管の移管、30人学級の4件について順次質問してまいります。
はじめに、本年度予算におきまして、少人数学級編制推進事業費として809万8000円が計上されております。提案説明によりますと、小学1年生を対象とした事業と伺っておりますが、この事業はどのような動機で導入されるのか、その詳細をお伺いします。
現在、学校環境を取り巻く諸問題の中で、学級崩壊という話を聞きます。授業が始まっても席に着かない、授業中でも教室を歩き回る、先生の話を聞かない、私語が多い、自己中心的な行動をする児童等によって授業が成立しない状況がいわゆる学級崩壊と定義されるようですが、このような状況に陥る背景は一体何なのか。教育委員会としては、その原因として指導教員の力量不足と見ているのか、それとも就学児童側に問題があると見ているのか、あるいは、就学前の問題であって、公立及び私立幼稚園や保育園の指導に問題があるととらえているのか、さらには家庭における親の育て方に問題があると見るのか、はたまたほかの要因なのか、学級崩壊の原因についての御所見をお伺いいたします。
さて、さきに本年度の新規事業として少人数学級編制推進事業について伺いましたが、本市においては、既に小学1年生で1クラス30名以上を超えた学校には、その学年に1人のスタディ・サポート・スタッフ、いわゆるSSSが配置されております。このたびの少人数学級編制推進事業とは何が違っているのかお示しいただきたい。
次に、2学期制についてお伺いいたします。
さきの福祉文教常任委員会所管事務調査において、本市教育委員会は、本年度2学期制の研究実践校を設けて研究を行う旨の説明がありました。その際の資料によりますと、小田原市校長会においては、慎重な検討との結果が報告されたにもかかわらず、平成16年度に実施する方向が示されました。2学期制については、神奈川県では横浜市や逗子市、湯河原町のように完全実施を目指している自治体がある一方、鎌倉市、相模原市、厚木市、松田町は基本的に導入予定はないとしております。また、本市と同様、試行を行う予定となっている自治体もあり、まさに市町村によってさまざまな状況であります。
そこでお尋ねいたします。このように2学期制の導入について各市町村の対応が統一でない状況をどのように見られるのか。また、本市教育委員会は、2学期制を教育改革の一つと認識されているようですが、完全実施の方向にあると見てよいか。また、そうであれば、なぜ全学校一律で導入しようとしないのか。2学期制導入の学校と3学期制の学校とでは、成績表や評価について混乱が生じると思えるのですが、あわせて御所見をお伺いいたします。
さらに、先般の一般質問でも述べましたとおり、2学期制の導入は、平成14年度からの学校完全週5日制の不足する授業時間の確保という姑息な手段のもとに出されたものと私自身は認識しております。その原因である学校週5日制が、果たして本当に、学校教育にとって、児童・生徒にとって、保護者にとって有意義なものとなっているのか検証すべきであると質問したのですが、本市教育委員会では平成14年12月に、市政モニターには平成14年8月にアンケートをとったと伺っております。導入から既に2年が経過した現在、全学校、全学年を通じて、親も含めて、学校週完全5日制導入検証アンケートをとるべきだと思うのですが、御所見をお伺いいたします。
次に、教育委員会担当所管の移管について伺います。
現在、教育委員会が抱える課題も多種多様化しております。教育委員会は、教育施設や教育指導、学校保健、教育研究、そして幼稚園、小学校、中学校を担当する学校教育部と、郷土文化や青少年育成、文化財、スポーツ、図書館等を担当する生涯学習部によって構成されておりますが、近年、全国の地方自治体の中には、教育委員会の担当事務の一部を市長部局へ移管する動きがあると伺っており、既に実施しているところもあるようです。移管の理由はさまざまですが、例えば出雲市では、平成13年度から生涯学習をはじめとした社会教育分野を市長部局に移管しております。市民生活と直結する施策は市長部局が進めるという市長の意向による改革のようですが、小澤市長はこのような組織改革についてどのようにとらえますでしょうか、御所見をお伺いいたします。また、仮に本市において生涯学習部が市長部局となった場合には、どのような影響が起こり得ると思われるのかお尋ねをいたします。
次に、30人学級制について伺います。
本市教育委員会は、平成15年度において、神奈川県教育委員会に対して、神奈川県市町村教育長連合会を通じて、公立小・中学校を1学級30人編制できるよう要望し、あるいは国に対して、全国都市教育長協議会として、40人学級を下回る学級編制の早期実現と財政措置について陳情したと伺っております。さきの議会におきまして、いわゆる30人学級制を実施した場合、本市において全体で約10億円、小学校1年生だけでも約1億円かかると想定する答弁がなされました。どうしても必要な制度改革と認められるならまだしも、果たして30人学級の妥当性をどのように説明されるのか。本市教育委員会は本気で30人学級を実現しようと考えているのかお伺いをいたしまして、登壇しての質問を終わります。(拍手)
○議長(大野眞一君) 市長、登壇願います。
〔市長(小澤良明君)登壇〕
◎市長(小澤良明君) 駿世会・15番加藤議員の代表質問に順次お答えをさせていただきます。
はじめに、臨時財政対策債についてのお尋ねがございました。臨時財政対策債は、普通交付税の振替財源として発行されるものでございまして、平成16年度の地方債計画等に基づく試算におきましては、本市の発行可能額は26億円が見込まれております。当初予算におきましても相当額を見込ませていただきました。したがいまして、平成15年度のような大幅な追加発行はないというふうに考えているところであります。
次に、新たな財源措置についてのお尋ねがございました。長引く景気の低迷、雇用の不安など、市民生活を取り巻く社会経済情勢が依然厳しいことから、今のところ、私といたしましては新税構想等は考えておりません。現下の厳しい財政運営には、引き続き行政改革を進めることによりまして対処してまいりたいと考えております。なお、県下の各首長等とも新税等について議論はいたしておりませんし、それぞれもそういう発想には至っていないというように受けとめております。
次に、投資的経費についてお尋ねがございました。平成16年度につきましては、進友会・22番細田議員にもお答えいたしましたが、小田原駅東西自由連絡通路整備事業の終了等によりまして、前年度に比べ大幅減となったものでございます。しかしながら、一般会計やあるいは下水道会計、企業会計を含めました工事請負費におきましては、前年度を上回っているということでございまして、実際的には、特に地域の事業者の皆様方にとりましても前年度より落ち込むということはないというふうにも思っているところであります。市税収入が減額となる中で、扶助費の増大等により義務的経費の比率が高まるなど厳しい財政運営を強いられているところでありますが、今後とも、行政改革を進めながら、小田原駅周辺の都市基盤整備をはじめ、投資的事業にも意を注いでまいりたいと思っております。
次に、交流という視点から、今回の予算案執行に対しての意気込みはどうかという御質問がございました。本市の総合計画は、御承知のとおり、「交流」ということを大きなテーマにいたしておりまして、小田原を舞台に人々が行き交うことで、まちが成長し、新しい都市文化が生まれる、こんなことを期待いたしております。そのためには、交流の拠点となります都市基盤の整備と、交流を生み出すための魅力アップの方策が欠かせないというふうに考えております。そこで、交流の拠点として、東口駅前広場の整備、お城通り地区再開発事業の事業化に向けた取り組みを進め、JR東日本によります駅ビル建設との相乗効果を期しているところであります。さらに、芸術文化交流の核となります(仮称)城下町ホールの早期事業化や、(仮称)富水・東富水・桜井地域センターの建設に着手するほか、(仮称)橘地域センターの建設準備も行っていきたいと考えております。また、交流を生み出すための方策といたしましては、中心市街地活性化のための事業や、西さがみ連邦共和国の観光交流推進協議会事業、あるいは(仮称)おだわら映画祭を開催するほか、地域国際化連携交流事業等を実施するとともに、板橋秋の交流会や観桜会などの地域文化資源を生かした事業にも取り組んでまいりたいと思っております。
「ビジョン21おだわら」前期基本計画における実施計画の進捗状況でございますが、平成14年度までの執行状況について事業費ベースで見ますと、個々の実施計画事業によりましてその達成度の差異はあるものの、総体的にはおおむね8割以上の達成状況であります。平成15年度につきましては、年度が終了いたしていないために、執行状況を把握できる段階にはございませんが、予算ベースでは、これも個々の事業によって予算化率の差異はありますものの、おおむね総体的には計画どおりの予算化が図られていると考えております。
次に、「ビジョン21おだわら」実施計画と補助金対象事業との整合性でございますが、実施計画は、基本計画で掲げた施策を計画的かつ適切に推進するための主要な事業を包括的に提示させていただいております。予算編成の方針、経費配分の目安となるものであります。その策定に当たりましては、厳しい財政状況の中で、国・県、各種団体等の補助を活用するなど、その事務事業に適切な財源の確保に努めるよう留意しているところであります。予算編成及び事業執行の段階におきましても、「ビジョン21おだわら」基本計画に掲げる諸施策の推進を、駿世会・15番加藤議員御指摘のとおり最優先に考えながら、財源の確保という観点から各種補助金などの積極的な活用も図ってまいります。いずれにいたしましても、国の考え方、そして小田原市の対応、市民社会のニーズ、これらも御承知のとおり激変下にありまして、ビビッドに変化をしている部分もございまして、これらに対応いたしまして、市といたしましては、職員一致団結いたしまして積極的に国や県の新しい補助メニュー等も活用しながら、新規事業にも挑戦する、こんなことを織りまぜながら、基本的には、駿世会・15番加藤議員御指摘のとおり、「ビジョン21おだわら」に掲げる事業等を最優先ということで進んでまいっているところでございます。
次に、小田原駅東口ペデストリアンデッキを市街地に延伸すべきではないかとのお尋ねがございました。ペデストリアンデッキにつきましては、歩車分離による円滑な歩行者動線の確保、バリアフリーへの対応、中心市街地活性化への寄与、これをペデの3原則としておりますけれども、こういうことで整備を進めているものであります。地元関係者の御意見も踏まえまして、この第1段階といたしまして、駅ビル前面部、そしてバスアイランドまで2本の角を出す、そんなような形での整備を行うものでございます。延伸につきましては、中心市街地活性化の観点からも必要と考えておりまして、そのおろし場所については、現段階では、地元関係者との調整は御承知のとおり困難な状況でありますが、今後、理解を得ますとともに、駅周辺の整備状況等も考慮しながら、議会や多く市民の皆様の御意見もお聞きし対応してまいりたいと考えているところでございます。
次に、ペデストリアンデッキの工事スケジュールと安全対策についてのお尋ねがございました。ペデの工事スケジュールにつきましては、JR東日本の駅ビル工事との綿密な工程調整が必要となります。駅ビル前面部を平成16年度末を目途に先行的に整備いたしまして、その後、バスアイランド方面に着手をしていく、角を伸ばしていく、平成17年11月末までに工事を完成させる予定であります。施工に当たりましては、駅利用者や車の通行に配慮いたし、工事エリアを最小範囲に区切りまして、夜間工事主体で行うとともに、人や車の迂回動線を設けることなどによりまして、安全の確保に努めてまいりたいというふうに考えております。いずれにいたしましても、2年近く、これからまだまだ駅東口をめぐりまして周辺でさまざまな工事が重なってまいりますので、市民の皆様方におかれましても、あるいは来街者の皆様方におかれましても御迷惑ができるだけかからないように、安全や安心、そういう側面にはできるだけの努力をしてまいりたいと考えております。御理解を賜りたいと思います。
次に、お城通り地区再開発事業の事業着手の見込みについて質問がございました。先ほどもお答えをいたしましたが、本事業につきましては、事業フレームによる採算面での検証ができたところでございまして、今後は、都市計画事業としての側面から関係諸機関との協議・調整を行い、事業実現に向けての素案となります事業化計画を作成し、都市計画決定に向けての法定手続をしていくことになります。なお、都市計画決定後は、市街地再開発組合を設立し、権利変換認可を得まして、工事に着手していくという段取りになります。市といたしましても、本事業の早期実現に向けまして懸命の努力をしてまいりたいと思っております。
次に、(仮称)城下町ホールの基本構想につきましてお尋ねがございました。この事業は、三の丸地域全体の整備構想を受けて、平成2年に設置した市民会館整備検討委員会で検討いただいたものであります。したがいまして、平成4年に提出されました報告書の内容は、現在の市民会館から消防署中央分署に隣接する民有地までを取り込んだ大変広範な大規模な計画となっております。しかし、その後の社会経済情勢の変化、また、庁内に担当セクションを設けまして、継続して努力してまいりました用地交渉の難航等々によりまして、計画の推進に至りませんでした。このために、まちづくりの観点に立った新たな切り口で検討いただこうということで、平成12年に(仮称)城下町ホール建設市民委員会を立ち上げ、市民の皆様方に御議論をいただいたところでございます。このたび、めがね橋臨時駐車場、小田原警察署及び消防署中央分署の既存施設の移転が具体的に進んできたことや、用地の取得のめどがついたこと等から、これらの土地を計画区域として(仮称)城下町ホールの基本構想を策定しようとするものでございまして、基本となる三の丸地域の整備構想の考え方を変更するということではございません。計画策定の手法に沿ったものであると考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。
次に、(仮称)城下町ホール整備における事業手法でございますが、(仮称)城下町ホールの事業手法につきましては、通常の、従来型の小田原市が公共建築物を建設する場合の手法とPFI手法の両面から検討を行うことを現在考えております。民間の資金や経営能力、技術力などを活用したPFIは、事業コストの削減や財政負担の平準化、より質の高い公共サービスの提供が可能でありまして、有効な手法であるという反面、整備される施設の規模や内容によっては事業になじまないという側面もございます。こうしたことから、基本構想策定におきましては、通常の建設手法とPFIの比較検討を行うなど、(仮称)城下町ホールにふさわしい事業手法を検討してまいりたいと考えております。
次に、西口駅前広場の供用開始後の利用者への対応について御質問がございました。西口駅前広場の整備につきましては、限られたスペースの中でさまざまな広場利用者の安全かつ円滑な動線を確保することになりますために、神奈川県警察本部、広場管理者でありますJR東海、そしてバス・タクシー会社等々関係機関との協議を経まして決定したものでございます。そういうことで、全部の関係者に対して全部がOKというわけにはなかなかいかないという側面もございまして、今回のような形になりました。広場利用者に対しましては、よりわかりやすい交通標識の設置や路面表示等を行うとともに、広報活動などを通じ、できるだけ混乱が生じないよう努めてまいりたいと考えているところでございまして、御理解を賜りたいと思います。
次に、小田原駅西口地区の整備構想でございますが、駅西口地区は、平成11年3月に小田原市と神奈川県が、幹部がそれぞれ出まして、共同で策定をいたしました広域交流拠点整備構想の中で、富士箱根伊豆交流圏の情報、観光振興拠点として整備をしていくことが位置づけられているわけであります。基本的な整備の方針といたしましては、交流圏における観光地を結ぶ情報機能や観光機能の整備が求められておりまして、駅前広場の北東側の隣接区域を事業優先区域として位置づけて、中長期的なスタンスで取り組んでいくこととされておりますことから、今後、適切な時期をとらえて事業化が図られるように努力をしてまいりたいと考えているところでございます。
次に、観光施策につきまして、まず、小田原城周辺道標整備の理由と、天守閣への登城ルートにつきまして御質問がございました。「史跡小田原城跡本丸・二の丸整備基本構想」におきましては、馬出門をメインエントランスとして設定しておりまして、平成10年に銅門の復原整備が完了した後は、ガイドマップ等におきまして、馬出門土橋から入場するルートをメインの登城ルートとして紹介しているわけであります。このたびの整備は、観光客を小田原駅から中心市街地に誘導するとともに、お堀や銅門など小田原城の魅力を堪能できる正規の登城ルートへ案内をしようとするものであります。城址公園は、年間を通して観光客が訪れる小田原市の観光の中心であると同時に、市民の憩いの場として、また、さまざまなイベントの会場として親しまれ、利用されている施設でもあります。登城ルートは積極的に案内していくとともに、出入り口につきましては、市民や観光客の利便性を優先して考えてまいりたいというふうに思っているところであります。
次に、御用米曲輪跡地にある城内臨時駐車場でございますが、城内臨時駐車場は、平成8年5月に、栄町駐車場建て替えの代替として、また、小田原駅東西自由連絡通路の工事等に伴いまして東口臨時駐車場が縮小されるために、城内臨時駐車場として整備をさせていただいてまいりました。文化庁の許可につきましては、当初は平成14年度末までということになっていたわけでありますが、現在計画されておりますお城通り地区再開発事業に伴いまして、東口臨時駐車場が全面使用できなくなりますこと等から、平成21年度末まで使用期限の延伸を許可していただいているところであります。
次に、小田原城跡内の図書館の移転についての御質問がございましたが、「史跡小田原城跡本丸・二の丸整備基本構想」の長期計画の中で、図書館は移転すべき施設と位置づけられております。図書館の移転につきましては、財政状況等を勘案しながら、候補地につきましても広くその中で検討してまいりたいと思っております。
次に、魅力あるイベントの開催につきまして御質問がございました。小田原北條五代祭りは、北条五代の武者行列を中心といたしまして、総勢2200人に及びます市民参加型のイベントとして、関係団体多数の協力と参加により開催いたしております。内容につきましては、例年、観光協会の実行委員会をはじめ、演出部会、企画委員会等を開催いたしまして、より魅力ある祭りにしようと努めているところであります。御承知のとおり、これまで市民のフェスティバル的なパレードと武者行列と一体的になっていたものを、数年前から、武者行列を主体にしたものと、それからフェスティバル的なものとを分けてやろうということで、コースもそれぞれ分けましたりいたしまして、見直しをしてまいりました。城下町小田原の情報発信をするためにはどういうことがいいかということで、これは、北條五代祭りの見直し、専門家も入れまして、観光協会あるいは市民の代表等皆様方に御参加いただいて見直しを進めてきた結果として、今日のような形になっているところであります。コース上でのパフォーマンスの実施、あるいは出陣式では歴史的儀式の再現等、新しさも加えまして、来場者に楽しんでいただけるよう工夫も重ねてまいりました。来年度につきましては、来年度というのはこの5月のことでございますけれども、今年の5月につきましては、第40回の小田原北條五代祭りとなります。こういう節目を迎えるわけでありますが、北条五代を検証するという基本的なコンセプトは踏襲する考えでありまして、祭りの魅力を高めるための方策につきましては、今後とも実行委員会等で検討してまいりたいと思っております。
次に、北條五代祭りと一夜城との連動について御質問がございました。基本的な考え方として、現在、北條五代祭りは、戦国時代にあって、五代100年の間、教育文化の高揚や商工業などの振興を図り、関八州を治めた北条五代を顕彰する祭りとして実施しているわけであります。一夜城祭りは来年度、第20回目を迎えることになるわけでありますが、これにつきましては、早川地区の自治会、早川活性化推進協議会、早川商工振興会、早川婦人会、農協の皆さん等、地元住民の参加と協力のもとに、一夜城の歴史に思いをはせ、秋の一日を楽しんでいただくイベントとして、毎年10月に開催いたしております。一夜城コンテストなど、祭りの魅力を高めようという御提案につきましては、関係団体等の御意見も伺いながら参考にさせていただきたいと思います。それと同時に、あまりPRを意識いたしておりませんけれども、御承知のとおり、大きなイベントがありますときは、一夜城は山の上が大変な混雑になっておりまして、特に駐車場等の問題、あるいはあそこに登りますまでの道路が狭いというようなこともございまして、おいでをいただく観光客等の皆様方にも大変御不自由をおかけしているところでございまして、何はともあれ、小田原市といたしましては、広域農道小田原湯河原線の一夜城までの完成をできるだけ早くしていただきたいということを、県や関係に強く要請を重ねているところでございます。そうしますと、早川口の方から一夜城に登って入生田の方におりる、あるいは入生田の方から逆に早川に行く、一定の回遊ルートができることになりまして、あの一夜城の狭いスペースも有効に観光資源あるいは史跡の資源として使えるようになる、小田原の情報発信に一層の効果を添えるというようなことになるのではないかと期待をいたしております。そうしたことも踏まえながら、今後とも、この一夜城の魅力アップにつきましては取り組んでまいりたいと思っております。
次に、原作者が小田原ゆかりの方、富野さんでございますけれども、そういうことから、ガンダムを主体としたイベントを開催したらどうかという御提案がございました。昨今、アニメーション作品が芸術として認められまして、海外でも日本文化の高揚というような意味で非常に大きく取り上げられていますけれども、いずれにいたしましても、手塚治虫さんや宮崎駿さんなどアニメ作家の記念館的な建物も建設されている、一種のブームになっております。昭和54年にテレビアニメとして登場いたしまして20年を経た今も、このガンダムにつきましては多くのファンに愛され続けているという作品でございまして、ましてやその原作者が私どもの小田原の出身であるということにつきましては、大変うれしく思いますし、誇らしくもあります。子供たちの喜ぶアニメにつきましては、観光イベントの中でも集客効果が期待されますので、御提言の趣旨もイベントの内容を検討する際等の参考とさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
次に、ごみ処理広域化実施計画についてでございますが、現在のごみ処理広域化の状況につきまして、足柄上地区1市5町におきましては、平成14年度から準備室を組織いたしまして、広域焼却施設を建設するために先行的に取り組んでおります。平成17年4月に一部事務組合を立ち上げる予定で実施計画を策定しているとのことでございます。小田原市を含めました足柄下地区におきましては、今年度から来年度の2ヵ年をかけまして、実施計画策定に向けた基礎調査を実施しているところであります。今年度は1市3町の概要と地域特性のほか、ごみ処理の現況と課題の整理、人口及びごみ発生量を把握いたしまして、発生量の将来予測を行い、ごみ処理量の将来推計をするとともに、広域で処理するためのシステムにつきまして検討を行っているところであります。
次に、湯河原市が誕生したときの広域化実施への影響についての質問がございました。湯河原町と真鶴町につきましては、現在におきましても湯河原町真鶴町衛生組合という一部事務組合を組織して、歴史もあるわけでありまして、ごみ処理を行っていらっしゃいます。このため、先ほど申し上げました、今年度から取り組んでいる実施計画策定に向けた基礎調査におきましても、湯河原町真鶴町衛生組合の職員も参加し検討を進められているわけであります。ごみ処理の広域化を進めていく中で、今後施設の配置計画等を策定していくわけでありますが、また、構成市町の公平性を基本としたシステムを構築することにもなっておりまして、広域化の対象区域に変更もございませんことから、検討する体制等に影響はないというふうに考えております。
ごみ分別の統一化についての御質問もございました。広域化を進める手順といたしましては、まず、収集後のごみ処理方法を統一し、それに伴う処理施設を整備することが重要とされております。分別方法の統一というものはなかなか難しいわけでありますが、そういうことでありますので、中期的な計画の中で検討すべきこととされております。そこで、現在、中間処理施設の広域化を進めるために、可燃ごみの処理方法について検討している状況であります。ごみ分別の統一化につきましては、今後、そういうことで検討していくわけでありますが、御承知のとおり、小田原市の分別は、平成9年のごみ分別の大改革以来、全国でも最も厳しいというか細かい分別になっておりまして、この分別方法を他の町にも統一していただくように調整していくわけでありますが、収集そして運搬体制等まで考慮いたしますと、これは大変難しい作業かなというふうに思っておりまして、すぐに統一することはなかなか難しいと考えております。と申しますことは、小田原市民の皆様方が、ごみの減量化、例えばリサイクル等につきましても非常に御理解をいただいて御協力をいただいている証左であり、こういうことが逆に言いますと広域化の時間がかかるということにもなっているわけでありまして、市民の皆様方に改めて御礼を申し上げたいと思います。
次に、広域斎場の整備について質問がございました。広域斎場の整備につきましては、県西地域広域市町村圏協議会の環境衛生分科会で調査検討を進めております。昨年度は、建設費負担を含めた参画、あるいは相互利用など運用面での参画など、広域斎場建設に向けた各市町の今後のかかわりについて検討をいたしました。今年度は、将来の需要予測を踏まえた規模算定など、斎場整備における基礎調査を実施いたしました。広域斎場整備基本計画につきましては、今年度の事前調査を踏まえまして、来年度策定する予定となっております。
次に、広域斎場の整備手法でございますけれども、来年度策定予定の広域斎場整備基本計画では、将来の需要予測や計画規模の算定のほか、施設整備や運営手法についても検討することになっております。駿世会・15番加藤議員御指摘の民間活用につきましても、事業コストやサービス面などにつきまして、公共で実施した場合との比較検討を当然していかなければならないと考えております。
次に、(仮称)おだわら映画祭についてのお尋ねがございました。映画といいますと、駿世会・15番加藤議員におかれましては、映画のあるまちづくりということで非常に御熱心に取り組んでいただいておりまして、過去にもさまざまな御提案をいただいております。そうした御意見等も踏まえまして、(仮称)おだわら映画祭につきましても、今回予算計上させていただいたところでございます。この催しは、映像文化の振興と全国への情報発信による都市セールスを目的として企画したものでございまして、内容は、映像制作のプロを目指します学生さん等を対象とした短編作品のコンクール、映画監督の登竜門というか、そういうような形になればありがたいと思いますけれども、そうしたコンクールや映像関係者との交流イベント等を考えております。応募作品には、必ず西さがみエリアを舞台としてもらうということといたしまして、箱根、真鶴、湯河原の3町には、フィルムコミッションとしてロケ地提供の協力をお願いする予定であります。開催に当たりましては、実施主体となる組織を立ち上げまして、その中で種々の内容について練り上げてまいりたいと考えているところでございまして、駿世会・15番加藤議員におかれましても、今後ともの御指導、御協力をよろしくお願い申し上げる次第であります。
次に、フィルムコミッション同士の連携についてお尋ねがございました。県内で活動しているフィルムコミッションでは、制作者側が希望するロケ地がない場合などは、必要に応じて相互に他市町に照会するなどの連携を図っておりまして、実際に横浜市や藤沢市から照会を受けまして、西さがみあるいは私ども小田原でロケが成立した例もございます。また、きょうの新聞等でも報じられておりましたけれども、足柄上地区1市5町でもフィルムコミッションを立ち上げるというようなことでございまして、一緒に頑張ってまいりたいというふうに思います。「全国フィルム・コミッション連絡協議会」でも、相互の交流や情報の共有化を図るために、電子メールでのロケ情報の提供や各種セミナーの開催、さらに制作者を交えた情報交換会など、さまざまな事業を積極的に展開しているところであります。今後も、フィルムコミッション同士の連携・交流をより密にし、西さがみ連邦共和国の持つすばらしいロケーションを最大限映像に生かしたすぐれた作品と文化を発信できるよう努めてまいりたいと思っております。
次に、都市計画道路小田原中井線の進捗状況等について御質問がございました。現在、西湘テクノパーク内ほか一部の用地を取得いたしております。小田原中井線は、地域の幹線道路といたしまして、また、歩行者等の安全確保を図るためにも、早期整備が望まれておりまして、工事着手に向けましては、私自身も再三、松沢県知事にも直接お願いいたしておりますし、また、県土整備部長あるいは小田原県土木事務所長等にも、3人の県会議員の方のお力をおかりいたしまして積極的に強くお願いをしているところであります。そうしたことも受けていただきまして、松沢知事が石原国土交通大臣に直接会っていただいた。神奈川県は今まで従来ほかの都道府県と変わっていたようでありますけれども、新しい知事さんが歴代の知事さんで初めて国土交通大臣に直接面会して、県内の公共事業のことにつきましてお願いをしていただいたということもございまして、平成16年度には国庫補助新規路線として採択されるよう働きかけをこの中でも行っているというふうに聞いております。今後は、新規路線として採択され次第、用地買収をお願いしていくこととなっておりまして、あわせて橋りょう等の詳細設計も進めていきます。県の事業で知事さんが視察にこの小田原に来るといいますと、まず一番先に見ていただくのは、岡崎知事さんのときも西湘テクノパーク、松沢知事さんも現地視察で西湘テクノパークの視察をしていただきました。県としても、全体としてそういうことで応援をしていただいているわけでありますから、西湘テクノパークの今後の企業誘致のためにも、一日でも早い小田原中井線の工事着手に向けまして、御理解をいただいているとは思いますけれども、私どもといたしましても今後とも油断をしないで県に働きかけをしてまいりたいと思っております。駿世会・15番加藤議員におかれましては地元でもございますので、今後ともお知恵もおかりしながら、よろしく御協力をお願い申し上げたいと思います。
次に、警察署の移転に伴う市役所駐車場への影響について御質問がございました。昨年9月定例会で5番武松議員からの同様の御質問にお答えをさせていただきましたとおり、警察署におきましては、合同庁舎との共用により駐車スペースを確保しているということで、ですから市役所駐車場への影響はないとされておりまして、私どもといたしましても、それ以上何とも言いようもございません。小田原交通安全協会につきましては、事務所用地を使用許可するに当たりまして、利用者用の駐車場を適正台数確保してくれております。それぞれの駐車スペースも限られている中でございますので、小田原市としては、駐車場の整理をさらに徹底するなどの対策も講じてまいりたいと考えております。
次に、そうした背景も受けまして、市役所駐車場の増設や有料化等についての御質問がございました。市役所駐車場は、市役所及び中央公民館利用者の駐車のために使用されるものでありまして、その利便を確保することが最優先であります。このことは警察署等においても同様でありまして、市役所駐車場を利用すること自体、御遠慮いただけたらと思っております。仮に有料化や利用所管での押印等を行った場合、本来の利用者であります市役所及び中央公民館利用者が駐車できないような事態や、面倒な押印といった不便を強いることなどが予測されます。また、市役所敷地内に設置されております消防署北分署からは緊急車両の出動も頻繁にございまして、これ以上車両の出入りが増加するような駐車場機能の変更は避けるべきであろうとも考えております。いずれにいたしましても、警察署が開署した後の状況により、市役所の駐車場に影響が生じる場合には、その原因を踏まえつつ警察署等へ駐車場の確保を申し入れるなど、必要な措置を要請してまいりたいと思っております。
次に、川東南部地域の土地利用に係る宣言に基づく今後の対応について御質問がございました。先ほども御答弁をさせていただきましたとおり、今回の宣言は、この地域での大規模集客施設の立地に伴う交通環境の悪化などの諸問題への懸念や地元からの御要望を受けまして、これまでの立地を前提とした対応では地域の方々の御理解が得られない状況に至ったと判断いたしまして、住民の立場に立った対応に踏み切る、役所といたしましては苦渋の選択をしたところであります。本市としては、事業者に対しまして、この地域における企業も企業市民という市民の一人であるわけでありますから、これも午前中の御質問で御答弁いたしましたとおり、最近、世界的に経済のグローバル化で影響力を増す多国籍企業に対しまして、CSR(corporate social responsibility)、企業の社会的責任ということが大きく問われるようになっておりまして、法令遵守、環境対策、雇用、人権配慮、地域貢献等々、さまざまな社会的責任を求める動きが強まっているわけでありまして、世界企業として、この事業者の方におきましても、社会的な責任、あるいは企業市民としての自覚を持っていただいて、ぜひ地域社会の安全や安心のために御理解をいただき、宣言の趣旨に沿った対応をしていただきますように、今後とも引き続き粘り強くお願いをしてまいりたいと考えているところでございます。
次に、教育施策につきましてのいろいろな幾つかの御質問がございましたけれども、教育関係につきましては、教育長からの答弁とさせていただきますので御了解いただきたいと思います。
私の方からは、最後になりますけれども、生涯学習部の市長部局への移管についての御質問がございましたのでお答えいたします。生涯学習行政は、市民の生涯学習活動の支援ということだけでなくて、家庭教育や人権教育等、社会教育を担う重要な役割があると考えております。また、「小田原市教育都市宣言」を実現していくためにも、教育委員会として今後さらに学校教育と生涯学習が密接に連携していく必要があると考えておりますが、駿世会・15番加藤議員から、生涯学習部の市長部局への移管は影響があるのか、どう考えるかというお話でございますけれども、そういうことを抜きにいたしますと、別に生涯学習部が市長部局の方に入っても教育委員会と密接な連携をとっていくという意味では、現状におきましても、学校教育部という教育委員会が主体とされる部と、それから行政との間に生涯学習部があるような感じで相互連携を図っているわけでありますから、これが機構としてどちら側にあろうと、私は、あまりそういうことによる影響はないかもしれないというふうには思っております。ただ文科省の方が、「教育行政の中立性と安定性を確保するためにも、教育委員会制度の趣旨から市長部局への移管は適切ではない」と、これはだめだと言っているわけです。文章はやわらかいのですけれども。こういうことでありまして、そういうことを押してまでやるほどのメリットがあるのか、あるいはデメリットがどちらにどういうふうに出るのか、私自身、詳細なチェックもいたしておりません。ただ御指摘の点も踏まえまして、あるいは全国市長会等でも、出雲の市長の話が出ましたけれども、声高に、このことをはじめとして、教育委員会の形骸化ということにつきましても非常にいろんな意味で発言をされていらっしゃいます。私は教育委員会が形骸化しているとは思いませんけれども、しかしそういう一つのうねりがあるということはよく承知いたしておりまして、現在の小田原市の中においてどういう方法が行政側としてはいいのか、市長としてはどういうことがいいのかということはございますけれども、いずれにいたしましても、文科省の現在の考え方等も踏まえまして、これら御質問のことにつきましては、国の動向、あるいは現在の教育がさまざまに動いておりますので、そうした中でこの推移を見守りながら結論を出してまいりたいというふうに思っているところでございます。
以上をもちまして、駿世会・15番加藤議員の御質問に対しましてのまず私の方からの答弁とさせていただきたいと思います。
◎教育長(江島紘君) 駿世会・15番加藤議員の代表質問のうち、教育制度等につきましては、私からお答えをいたします。
はじめに、小学校1年生の少人数学級編制推進事業はどのような動機で導入するのかという御質問がございました。県は、16年度から1年生を対象に少人数学級編制を認める制度を始めました。本市におきましても、1年生が、以前に比べますと、人の話を聞くことが苦手であったり、ちょっとしたことで友達とトラブルになったりする等、学校生活に適応しにくくなっている状況があります。そこで、小学校のスタートとなる1年生が、学校生活に適応するための基本的な生活習慣や学習の基礎基本をしっかりと身につけるために、きめ細やかな教育を推進することをねらいといたしまして、5人の市費による臨時職員を配置し、正規の教員を担任とする少人数学級編制を実施することといたしました。
次に、学級崩壊の原因について御質問がございました。1年生が学校生活に適応しにくくなっている状況がふえており、いわゆる学級崩壊につながる可能性もあります。学級崩壊の原因といたしましては、御指摘のような多様な問題、例えば子供を取り巻く地域や家庭環境の変化、そして子供の変化に柔軟に対応し切れない教師の指導力等が複雑に絡み合っていると考えております。各学校では、これらの個々の具体的な状況を把握しながら、児童・生徒にとって、学びの場が楽しく、充実したものとなるよう、さまざまな方々の協力を得ながら努力をしているところでございます。
次に、少人数学級編制推進事業とスタディ・サポート・スタッフ事業との違いについて御質問がございました。少人数学級編制推進事業は、小学校1年生において1学級当たりの児童数が35人を超える場合、学級担任を1人ふやし、1学級ふやすことで学級の児童数を少なくするものでございます。それに対しまして、スタディ・サポート・スタッフ事業は、小学校の1年生で少人数学級編制事業の対象から外れる、1学級当たりの児童数が30人を超え35人以下の学校へスタッフを派遣し、担任とスタッフが協力して児童への個別支援に当たるもので、学級数や学級の人数を変えるものではございません。
次に、2学期制についての御質問がございました。現在、2学期制について、他の市町村では実施あるいは検討するなどさまざまな取り組みをしておりまして、これらの取り組みは地域の実情に即したものであると考えております。2学期制の実施につきましては、校長会からの調査研究結果の報告、保護者や市民の方からのさまざまな御意見、実施の市町村の成果や課題なども参考にした結果、平成16年度は一律の実施ではなく、研究実践校を設け、段階を踏むことがよりよい手法と考えたものでございます。また、平成16年度に2学期制研究協議会を設置し、研究実践校の成果と課題などを踏まえて研究・検討を行い、その結果を参考に、平成17年度以降の実施の方向性について決定していきたいと考えております。成績表や評価につきましては、学期制の違いによる対応が必要となるわけでございますけれども、他市の先進事例から、それらに適切に対応することも十分できると考えておりまして、混乱は生じないと考えております。いずれにいたしましても、子供たちや保護者の方々に十分に説明を行って進めていきたいと考えております。
次に、5日制導入の検証アンケートについての御質問がございました。教育委員会では、完全学校週5日制の実施に伴う児童・生徒や保護者などの現状や意識を把握するため、平成14年11月にアンケートを実施いたしました。今後、5日制導入後の状況について把握するということは大切なことでありますので、調査内容や規模などを検討いたしまして、児童・生徒、保護者を対象とした調査を実施する必要があると考えております。
次に、30人学級について御質問がございました。小田原市では、直接30人学級を目指すのではなくて、現状の40人を少しでも下回る学級として、国や県の学級編制における弾力化が示されたことを機に、平成16年度に全小学校の1年生で35人以下の学級を実現しようとしておるわけでございます。これは、さきにも述べましたけれども、40人学級に比べて、教員がきめ細かく子供たちへ目を配ることができ、一人ひとりに応じた学習や生活への指導を充実させ、子供たちが落ちついて学習や生活ができる学級づくりを進めることができると考えるからでございます。
以上をもちまして、駿世会・15番加藤議員の代表質問への私からの答弁とさせていただきます。
◆15番(加藤仁司君) 御答弁をいただきましたが、まだちょっと時間がありますので、若干再質問をさせてもらいます。
まず、財政と2番目の部分の総合計画と補助事業の整合性、これにちょっと関連をしてくるんですけれども、先ほど例えばIT講習会とかいうことを例にとって話をしました。確かに人気のところだったんですけれども、消えてしまったということがまず疑問だったのは、メリット、デメリット云々というよりも、例えば、市の方がこれからいろいろなITを導入して、自宅にいながら施設の予約とか図書の検索、または戸籍を取るとか住民票を取るとか、これからの行政サービスをそういった端末を使ってとっていく方向、例えばこれが10年先か20年先かわかりませんけれども、そういうビジョンを掲げるというもとに講習会をしたということだったら十分理解ができるし、それはいいと思うんですけれども、ぱっと切られてしまったわけですよね。そうすると、何の目的があって、ただ触れればいいだけで飛びついた、そんな形が本当にいいのかという思いがいたします。
このITの部分も一つの例ですけれども、またさらに一言言わせていただければ、9月議会にやりました女性プラザの方も、経済産業省のコミュニティ施設活用商店街活性化事業、これもちょっと目的と違うんじゃないか。こういったところで、目的と実際についた補助金とちょっと違うんじゃないか。それが目についたものですから、まず補助金メニューを探してから計画にもない事業を持ってくるというようなイメージをどうしても持ってしまう。これを指摘させてもらいました。ただそれだけならいいんですけれども、それが継続している事業に、もちろん職員の方の労力、時間的なものもとられる、そこのところからすると継続事業の進展に著しく支障があるんじゃないか。これが心配な部分であります。
御承知だと思いますけれども、一つお伝えしたいのは、栃木県の福田知事はスローガンを掲げております。ずばり「分度推譲立県」を目指すということで、これは市長も御承知だと思いますけれども、ホームページを昨日も見たんですけれども、かなり懸命に、いろいろな施策の原点として分度・推譲という言葉を使いながら県の運営をしたいということであります。もちろん、分度については、言うまでもなく、みずからの収入がわかった上でそれに応じた支出をすること、簡単に意訳すればこういうことになるかと思いますけれども、行政運営に当たって、市長の方は、この二宮尊徳翁の生誕の地でもある小田原の市長でもありますので、分度という面から、今の補助金等を合わせた財政全般についてどういうふうな見解をお持ちなのか、その思いを述べていただきたいなと思います。これを再質問の第1番目としたいと思います。
それから中心市街地の活性化と小田原駅の東西周辺に絡んでですけれども、先ほど言いました商業活性化と市民交流、これがなじまないというようなお話もしましたけれども、今のアークロードができまして、東西の連絡路はイコール市民交流の場としては本当にふさわしいと思います。例えば平塚市においても駅ビルの中に、これは平塚の中の公舎かもしれないのですけれども、市民交流の場があると伺っております。市民の要望とすれば、例えば、駅ビルの中にこういう交流の場を求める声がこれから上がってくるのではないかなと思います。また、西口の部分については、新幹線ビルがございます。ここのところも、市民の利用とすれば、大変駅から近いということで便もいいんじゃないか。こういう駅周辺の中に市民交流の場とするようなところ、こういったことも考えられると思うんですけれども、どのような考えをお持ちなのか伺いたいと思います。
それからもう一つ、お城通り地区の再開発、このところについては、都市計画の中でこれからいろいろ手続とかの中では時間をかなり要するのではないか、このような感じの答弁がございました。この事業については、さきの質疑では減額補正のお話もありましたけれども、本当に市民が大きな期待をしているところでもあります。一日も早く事業化をすること、これが待ち望まれていると思っているんです。いろいろな協議にこれからの時間がどのくらい要するかわかりませんけれども、例えば、都市計画事業にこだわることなく、さまざまな角度から検討することができるのではないか、このように思うんですけれどもいかがか。再質問をさせていただきたいと思います。
あと(仮称)城下町ホールの部分は、構想が後でというのはおかしいのじゃないかということであるのですけれども、一つだけこれは確認をしたいんですけれども、今までと三の丸の整備の部分と基本的には気持ちは変わらないという答弁がありました。私の記憶の中では、今の小田原市民会館または平成4年の「小田原市民会館整備に関する調査報告書」、この中で、そういう市民会館の一つのコンセプトとして、「市民や観光客が駅から城址の風情を見ながら施設に向かう」と、そういうようなコンセプトのもとに、計画そして建設をした、もしくは計画した、こういうような記憶があります。今回の(仮称)城下町ホールもそのようなコンセプトで建てようとしているのか、これはもう一度確認をしたいと思います。
それから魅力あるイベントは、先ほど市長からお話をいただいて、参考ということですが、もう一つ参考にしてもらいたいのは、これもホームページとかで見ればおわかりかと思いますが、長崎の島原の乱で有名な島原城と、そして原城、これが一夜城になるわけで、この一夜城には天草四郎がこもったという言い伝えのあるところです。今はお城はありませんで、城跡しかありませんけれども、ここに、8時間を要して、14メートルのベニヤ板をたしか100枚ほど使って一夜城をつくっている。そして、原城一揆まつりというものを開催している。かなりの人が来てにぎわっているということでありますので、こういう歴史的な部分を再現してみる。こういったアイディアをぜひともまた検討してもらいたいと思います。
さらにガンダムの話も、実は、北九州市においては市の職員に明るい話題のソフト政策ということで公募したらしいのです。このときに実物大のガンダムをつくって、このロボットをまちを歩かせるというアイディアが職員の方の中から出てきたということです。採用されたかどうかわかりませんけれども、職員の方からこういったアイディアが出てくるということは、見習うべきじゃないのかなと思います。観光協会はいろいろな形の中で工夫をしているということではあるんですけれども、一つの型の部分、そのままやるものはやるものでいいんですけれども、それにもう一つ魅力的なものを加えるということも必要じゃないかと思いますので、本市においては、観光協会へは相当なお金も市の方からいっております。そしてまた、小田原市は観光担当部長も置かれているということですので、現場の部長さんとして、こういったイベントの部分については、市長から答弁いただいたんですけれども、どのようなお気持ちでいられるか、そこを再度伺いたいと思います。
フィルムコミッションの部分については、市長からも、足柄上地区のフィルムコミッションができたということで連携をとっていくと、ぜひともとっていただきたいと思います。
とりあえず再質問としては以上です。
◎市長(小澤良明君) 駿世会・15番加藤議員の再質問にまず私の方から何点かお答えをいたします。
国の補助金に関係して、IT講習会とか女性プラザとかというお話がございました。例に挙げられましたその二つにつきましては、ちょっと趣旨が違うと思うんですけれども、一つはIT講習会の方は、小泉内閣のe-Japan推進政策の中で、全国的に一斉にこの予算がつきまして、私ども地方自治体も電子社会に向けましてさまざまな努力をしていかなければならんという一環で積極的に受けとめて、年度が区切られた予算。ただ、その後どうつなげるかということにつきましては、あるいは自治体によってその差はあると思いますけれども、御承知のとおり数千人の皆さんがこれを受けていただきまして、女性だとか高齢者の皆さんとか、これは大変インパクトのあるお金の使い方だったのかなと私自身も評価しております。ただ、その後どうつなげるかということにつきましては、市といたしましてもいろんな講座等の中でも行わせていただきましたし、また、そのほか関係諸団体等でもパソコンの教育等を行っておりまして、そういう中で対応しておりますが、多分、市が予算をつければそれは評価を受けた事業だったと思います。ただ急速に財政状況が御承知のとおりのことになりまして、いろいろ優先順位をしていく中で、国の補助がなくなった時点で、そういう対応としては一たん中断をさせていただいたということでございまして、御理解いただきたいと思います。
女性プラザをはじめとしたいろいろな国の補助金を獲得するということにつきましては、先ほど来お話をしておりますように、とにかく分権の流れが急でございまして、一方そういう中で、国は地方の政策を非常に求めております。国、都道府県、市町村とあるわけでありますけれども、従来は、都道府県の御指導をいただかないと国の補助メニューなんかもなかなかわからなかったり、あるいは直接我々が国とやってしまうといろいろまたリアクションがあったりというようなこともあったんですけれども、むしろ最近では国の方が市町村に、新しい変化の中で、市町村としての、地方としての、先端行政としてのいろんな提言等を求めておりまして、積極的にあちら側からいろんな投げかけがある場合が多いんです。情熱新市役所では、とにかく職員にもハッパをかけて私としてもいるところでありますから、とにかくいろんな意味で、国に対しましても、あるいは県に対しましても積極的に取り組んでいけというようなことでやっておりますから、いろんな情報は従来に比べると年々余計に入ってくるようになりまして、いろんな個人個人の職員の努力によって、それぞれのパイプやルートもできてくる、ネットワークもできてくるというようなことの中で、絶対にこれからこういう事業、総合計画の中で、あるいは実施計画の中で決まっている事業に関連して、こういうこともやりたい、ああいうこともやりたいというのがたくさんあるわけであります。そういうことを我慢していた。予算の制約やそのほか環境の制約、時間の制約等で我慢していた、あるいはブレーキをかけていたこと等につきまして、たまたまみずみち水道がつくと申しますか、ただみずみち水道がついても、あくまでも国や県の予算というのは裏負担というのがありますから、裏負担というとあれですけれども、とにかく市町村の持ち出しがあるわけでありますから、そこのところとの見合いで、市といたしましては、市の方向性に合致していて、あるいは今市民のニーズに非常に多いものがあるというようなものであれば、それは積極的にぜひ対応してまいりたい。そのことにつきましては、議会の皆様方におかれましても御理解をいただけたらというふうに思います。
それから栃木県の福田知事さんの「分度推譲立県」につきましては、お会いするとその都度私も言われ、ただなかなか県内でもそのことがうまくいかなくて、県議会の皆さんからもいろいろと御意見もあったりして、県全体としても、この「分度推譲立県」という県の基本的なあり方に対して、多少思うようにいかない面があって悩んでいらっしゃるというようなこともお聞きいたします。もう推譲はあれですけれども、分度の話について御質問がございましたけれども、財政全般についてということでありますが、分度ということは、分度を心得ろとかいろいろ言われますよね。今、当たり前の日本語になっておりますけれども、一番は情報収集が大事だと思います。自分が置かれている立場というのを正確に公平に総体的に見て、今小田原市がどういう状況にあるのか、あるいは市財政がどういう状況にあるのか、あるいは市民のニーズがなへんにあるのかということをいつも正確に情報収集して分量を測っていく必要がある。そういう上に立って、小田原市なり、私なりの立脚点をきちっととらまえて、その上に立って将来計画をしっかりと立てる。そういう意味での分度ということが非常に大事で、尊徳先生も農村の復興に対しまして、そういう趣旨も込めて分度と。推譲というのは、自分の余った余慶を地域社会あるいは次代に譲るということが、どれほど循環の中でいろいろ社会にとってすばらしいことなのかということを教えられたというふうに思っております。いずれにいたしましても、小田原市も小田原市なりの分度というものをしっかりとわきまえて、これから健全財政を堅持してまいりたいと思っております。
駅ビルとか新幹線ビル等々、駅周辺の施設を市民の交流の拠点にすべきだという御趣旨だったと思いますけれども、いずれにいたしましても、神奈川県の幹部と小田原市の幹部職員の両者で2年近くにわたりまして小田原駅周辺の広域交流拠点整備構想を数年前につくりまして、それをもとに小田原駅周辺の拠点整備事業が推進されているわけであります。この中に大きなテーマとして、広域交流拠点ですから、もちろん交流ということがあって、ですから駅ビルの建設におきましても、事業展開の中では、さまざまな交流を視点とした事業やあるいは店舗展開等も当然私どもとしてもいろいろとお願いしていくということになります。新幹線ビルにつきましては、御承知のとおりの状況でございますから、既に店舗が張りついておられまして、なかなか難しい点もあろうというふうに思いますが、広い視野で、この駅周辺の施設につきましては、公共的なそういう使命もあるということもいろんな面でよくわきまえていただきまして、承知していただきまして、住民あるいは駅利用者の利便に供していただけたらというふうに願っております。市としても努力してまいりたいと思います。
お城通り地区再開発につきましてでございますけれども、都市計画事業にこだわらず、さまざまな角度から検討し、早期に実現すべきという御質問がございました。この事業は、広域的な人・物・情報等の交流の場をつくり出すために、都市型ホテルやコンベンション等のさまざまな都市機能を整備していくものでありまして、都市計画事業として市街地再開発組合の施行により進めていくということが望ましいと考えております。また、今後都市計画事業としての側面から関係諸機関との協議・調整を行いまして、見きわめてまいりたいと考えております。過日、議案関連質問で5番武松議員が旬という言い方をされましたけれども、確かにその時期というものがあります。こういう長い間の懸案で、このお城通り地区再開発も数十年前から浮いては沈み浮いては沈みしてきて今日になった。私も、ここでまたもしこれができないと50年先までできないというふうに思っております。だからやるという意味じゃなくて、いろんな意味で現状の中で考えられる範囲で将来のことも勘案しながら、そしてあの地域に、あの場所にどういう施設がいいのかということを考え、小田原市もそういうことで数年前から、県の幹部、市の幹部、あるいは国の指導もいただきまして、広域交流拠点整備構想というものをしっかりと積み重ねてきた経緯、これらをいろいろ考えまして、小田原市の将来の発展のために、旬というものが一つあって、しかしそれと同時に、やはり公共が関与するというか、小田原市があの計画地の8割ほどの土地を所有、小田原市関連で所有しているわけですから、その公共としての責任と申しますか、そうしたこと、役割、責任をしっかりと考えながら取り組んでいくということになりますと、やはり正しく、第1順位としては都市計画決定をしっかりとして、都市計画事業として着実に進めていくということも大事だろうと、そういうようなことも考えるわけであります。この事業は中心市街地活性化のためにも大変重要な事業でありまして、市としてもこの事業の早期実現を図るために、まずは都市計画事業ということで、多くの人たちの御意見もあるいは関与もいただきながら、着実に積み上げてまいるということで取り組んでまいりたいと思っております。
最後の(仮称)城下町ホールのコンセプトにつきましては、担当の方からお答えいたします。
◎市民部長(植田理都子君) 駿世会・15番加藤議員の再質問でございます(仮称)城下町ホールのコンセプトにつきましては、私の方からお答えさせていただきます。
小田原駅から城址公園周辺への回遊性をつくり出してにぎわいをつくる、また、その周辺の景観を生かしていこうという点で、平成4年に報告されました市民会館整備検討委員会の報告に示されているコンセプトと変わらないと考えております。
以上でございます。
◎観光担当部長(椎野勝幸君) 15番加藤議員の先ほどの魅力あるイベントの関係で、観光協会の行事に対する気持ちというお話がございました。観光協会のいろいろな行事に対しましては、それぞれが各実行委員会で市民の方やいろいろな有識者の方がまじっていろいろ検討していただいております。先ほどの魅力あるイベントでございますけれども、私も理事でしたり企画委員会のメンバーだったりしてございますので、そのような席で発言をさせていただきたいと思います。
以上でございます。
◆15番(加藤仁司君) 再質問に対するお答えをいただきましたが、教育に関しての再質問をいたします。
教育長の方の御答弁、また、市長の方からは所管の移管の部分について答弁をいただいたんですけれども、例えば今の学級崩壊の問題を伺いますと、少人数学級にしてもスタディ・サポート・スタッフにしても、とにかく小学校1年生にかなりのトラブルがあるようなニュアンスといいますか、あるのかなと思います。今、いきなりデータをと言っても無理だと思いますので、そこはお聞きしませんけれども、教育委員会としては、この1年生のときに何とかいろいろな手を施して学級崩壊のないようにしたいと、この気持ちを大変強く感じました。となりますと、1年生になったから急にそうなるのではなくて、やはりその前の段階に問題があるのかなというふうに推察します。この前の段階というと、例えば幼稚園であったり保育園であったり、これは私立、公立関係なく、あと家庭の問題、この二つがあくまでもその原因かなというように推察するわけです。一つ確認したいのは、先ほど私の方も、第1の質問のときに、原因は何なのかというときにいろいろな事例を挙げてこれかこれかと聞きましたところ、私は、今言ったように幼児教育、一言でくくりますとですね、ここに問題があるような形を受けたんですけれども、それで正しいのか、一つ再質問をさせてもらいたいと思います。
◎教育長(江島紘君) 駿世会・15番加藤議員の再々質問に私の方からお答えいたします。
学級崩壊を起こすということで、確かに、1年生をきちんとすることによって後々学級崩壊が起こらないようにということで、かなり小学校の1年生に力を入れていることは事実でございます。じゃあその1年生はどうなのかということになるわけですけれども、これはいろいろと問題があるんだろうというふうに思っております。これは私の思いみたいなことでお答えしたいというふうに思うんですけれども、やはり一つは、社会全体が非常に大きな変化の中にございますので、その社会をどういうふうにとらえるのかということが問題になるだろうというふうに思いますし、それからその社会の中で生きている人々、特に子供の場合だったら親がどういうようなことになるのかということにもなりますし、そういうようなところで育った子供たちを、幼児教育、保育園なり幼稚園なりでどういうような形で扱っていくのかということも問題になるでしょうし、本当に子供の問題というのはさまざまな要因が絡んでまいりますので、これがこうだから、だからこういう結論になるんだということはなかなか言えないのじゃないかなというふうに思っております。ただ、これからの教育といいましょうか、日本の国そのものを考えていく場合に、幼児教育から義務教育というようなことについては、やはり非常に大きな力を入れなければいけないと思いますし、それに関しましては大人の責任というのが非常に大きいというようなことになるのではないかというふうに思っております。御質問の答えになるかどうかわかりませんけれども、そういうふうなことを私は考えているということでございます。
以上でございます。
◆15番(加藤仁司君) 教育長から御答弁をいただいたんですけれども、先ほど27番中野議員も質問しました、そしてこれからも幼保一元化とかという話も質問されるところもあるわけですけれども、さまざまな要因がある、教育長の答弁は十分わかります。一つの答えだけではないということはわかりますけれども、1年生になったから急に、例えば今までの部分から入学してすぐに変わることはない。やはり人間もいろいろな環境の中で培われていくということで、いきなりの部分というのはそこまでないのじゃないか。やはり今問題になっているのは、もしかしたら幼児教育ではないのかなというようにどうしても思います。これはなぜかというと、先ほど市長から御答弁をいただきましたけれども、今、いろいろな自治体の中で生涯学習分野を外す、この中には図書館を外す、外すというと変な言い方ですけれども、教育委員会から市長部局に移すというところと同じように、例えば幼稚園の部分を市長部局にして、小・中学校という義務教育だけを教育委員会にやってもらうというところもあるやに聞いております。例えば幼稚園を市長部局の方に移すということは、イコール保育園の問題も同じ市長部局の中でできる、そういうことを意識的にやっている自治体もあるようです。これも一つで、それが理由だというわけにはいかないと思いますけれども、幼稚園、保育園、こういったところの教育といいますか、小学校に上がる幼児をどのように、学級崩壊が起こらないように、いろいろと厳しくといいますか、考えていくか。これが必要だと思っている一つの施策として幼稚園を教育委員会から離していく。こんなところもあるという情報だけ、とりあえず、御承知かもしれませんけれどもお伝えをしたいと思います。これから予算特別委員会等もありまして、さきに御答弁いただいた部分でも細かいところについてはその場でまたやらせていただきたいと思いますので、質問の方を終わらせてもらいます。