平成17年6月議会一般質問
2005年06月01日
平成17年6月定例会一般質問
○15番【加藤仁司君】 通告に従いまして順次質問いたします。
はじめに、「史跡小田原城跡本丸・二の丸整備基本構想」について何点か伺います。
当質問については、過去何回か、史跡小田原城跡の整備状況をはじめ、純化策と観光策という相反する側面を持ち合わせながらの施策の難しさについて議論を重ねてまいりました。今回は、小田原城の魅力の一つでもある城址公園について幾つかの質問をいたします。
小田原城址公園は、全国の城址の中でも無料で城址内をめぐることのできる施設であり、特に本丸広場及び二の丸広場は、市民はもとより観光客も憩いの場として大いに活用されてまいりました。そのような中、平成5年3月には「史跡小田原城跡本丸・二の丸整備基本構想」が策定され、小田原市は文化庁とともに史跡純化策を講じることとなったことは周知のとおりであります。そして、城址公園内の不適当施設、すなわち平成16年までの短期計画では、旧城内小学校校舎、動物園、遊園地、中央連絡所、御用米曲輪ダッグアウト並びに観客席を、長期計画として、図書館、郷土文化館等の13施設を移転する計画となっております。しかしながら、諸般の事情からか、いまだに計画どおりの整備がなされていない現状にあります。
ところで、本年からの「ビジョン21おだわら」後期基本計画・第1次実施計画には、本年度に動物園移転計画及び動物園施設一部撤去を行うこととなっており、いよいよ本格的な純化施策が講じられようとしております。その一方で、観光シンボルゾーンの魅力化として、本年度から「城址公園で遊ぼう事業」として夜の動物ウォッチング事業や動物の世話体験がうたわれております。純化を進めようとする事業と、城址公園内の動物とのふれあいを目的とする事業という相反する事業の整合性は図られるものなのか、まず1点目としてお尋ねいたします。
次に、平成15年12月にも質問をさせていただきましたが、その際は小田原城址を文化財の面と観光の両面からとらえ、特に駐車場の整備を中心に聞いたのでありますが、さきにも述べましたとおり、小田原城址公園では市民及び観光客の憩いの場として活用されてきた施設として動物園が挙げられます。小田原城址の動物園は、開園以来、多くの乳幼児をはじめ子供たちや家族連れにも大変喜ばれた施設だと思っております。さきの計画にのっとりその動物園が本丸から撤去された場合、本丸広場は今後どのように活用されるつもりなのかお尋ねいたします。
次に、「史跡小田原城跡本丸・二の丸整備基本構想」の将来像について伺います。
この「史跡小田原城跡本丸・二の丸整備基本構想」では、史跡の復元や不適当施設の移転には年次計画がなされておりません。国や地方自治体も財政厳しい中、その計画を立案するには困難があることは十分に承知しておりますが、現在復元が図られております馬出門桝形石垣復元事業をはじめ、不適当施設の移転等、今後のスケジュールはどのようになっているのかお伺いいたします。
さらに、小田原城跡は、「史跡小田原城跡本丸・二の丸整備基本構想」の想像図に示されるような将来像となるにはいつぐらいを想定しているのかお尋ねいたします。
次に、質問の大項目の2、個人情報について伺います。
はじめに、庁内における個人情報保護についてですが、言うまでもなく本年4月には個人情報保護法がスタートし、また、小田原市においても独自の個人情報保護条例が施行しており、住民の個人情報保護には行政が一丸となってその対策を講じております。
さて、この個人情報については、文書による保管作業の徹底や大量の住民基本台帳閲覧などの問題も露呈されており、行政の情報管理について関心が高まっております。しかしながら、それらの個人情報は、日常の業務や住民の何げない行動においても漏えいの危険性の問題があります。それは、コードレスホンによる情報漏えいの危険性であります。御承知のとおり、コードレスホンは電話のコードがないことから、手軽にどの場所においても通話が可能な範囲ならば電話ができるという利点があり、各家庭においても利用されている割合は多いと思われます。しかしながら、このコードレスホンは一部秘話装置が施してある機種も存在をいたしますが、電波自体が無防備で、だれでも専用の受信機を使えば簡単にその電波を拾うことができます。私の自宅もこのコードレスホンを使用しておりますが、利便性とともにだれでもが受信可能という認識もあり、個人情報や重要な会話ではあえて親機にて対応しております。もう一つ加えて申し上げますと、この通話について、例えばこちら側が携帯電話で相手側がコードレスホンまたはその逆、また、固定電話とコードレスホンでの通話であっても、いずれも双方の会話が受信できてしまうのであります。すなわち、行政側と住民との間で交わされるコードレスホンでの会話は、どちらか一方がコードレスホンであれば傍受できてしまう仕組みなのであります。
そこで幾つか伺います。今指摘しましたように、コードレスホンの危険性はメーカーの取扱説明書には記載してあるものの、利用されているほとんどの方々がその危険性を認識していないと思われます。特に行政と住民間での電話での会話では、個人情報が飛び交っているものと思われますが、市長はコードレスホンによる情報漏えいの危険性について承知されているのか、まずお伺いいたします。
次に、本庁舎をはじめとする市の施設において、コードレスホンは使用しているのかお尋ねいたします。
また、住民から行政への電話がコードレスホンである場合も想定され、この場合に情報漏えいの危険性があることを住民に知らせる等のコードレスホンへの対応はされているのか、あわせてお伺いいたします。
続いて、消防無線における個人情報保護についてお尋ねいたします。
小田原市消防本部が現地に建設されてから、はや10年が経過いたしました。市民の安心・安全のために、日ごろ訓練を重ね、防火、火災発生時や救急車要請に的確に現場へ急行する消防署員の皆様に改めて敬意を表するところであります。
さて、さきの質問にも関連をいたしますが、日本国憲法第21条の2項には「通信の秘密は、これを侵してはならない」、さらに電波法第59条には、秘密の保護として「何人も法律に別段の定めがある場合を除くほか、特定の相手方に対して行われる無線通信(電気通信事業法第4条第1項又は第90条第2項の通信たるものを除く。第109条において同じ)を傍受してその存在若しくは内容を漏らし、又はこれを窃用してはならない」とあり、同法第109条の罰則には、第1項として「無線局の取扱中に係る無線通信の秘密を漏らし、又は窃用した者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する」、第2項「無線通信の業務に従事する者がその業務に関し知り得た前項の秘密を漏らし、又は窃用したときは、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する」との規定があります。しかしながら、消防無線におきましては、人の生命、身体または財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるときには、個人情報の「利用」「提供」が認められておりますことは十分承知をしつつ、以下質問をいたします。
消防の日常業務の中で、急病人発生や火災発生時には、その迅速な情報伝達のために現在も無線により本部と現場、指揮隊や調査隊との交信が行われると伺っております。近年の消防通信システムでは、他者から傍受される可能性の低いデジタル回線での無線装置や、各車の位置が本部の画面に表示されるカーロケータシステムを導入している自治体もあり、本市における消防通信システムは、依然としてアナログ回線の無線を使用しておりますことから、やはり個人情報漏えいの危険性を指摘しないわけにはいきません。
そこで、個人情報保護の観点から、消防通信システムの改善策として、デジタル化を早急に導入すべきと考えますが、市長の御見解を伺います。
また、このデジタル無線導入には多額の費用も発生するものと見られ、導入までの間でも毎日のように消防署は各事件・事故の対応をしなければなりません。デジタル化導入までの間の個人情報保護対策はどのように講じられるのかお伺いいたします。
最後に、性教育について伺います。
平成17年3月4日の参議院予算委員会質疑において、自民党の山谷えり子議員が質問に立ち、一部の小・中学校の性教育において、過激な教材が使われているとの資料配付及び指摘に、小泉総理大臣も「ひどい。ここまで教える必要があるのかどうか」と不快感をあらわにした場面がありました。性教育については、私も、平成9年の12月議会、平成15年12月議会の2回にわたり質問を重ねてまいりました。特に平成15年の質問のときには、厚生労働省所管の財団法人母子衛生研究会作成の中学生向け冊子「ラブ&ボディBOOK」が文部科学大臣名で回収されるなど、過激な副読本や人形等を使った教材が、保護者や社会が知らない間に子供たちの教育の場で使用されていたことから、大問題になった時期でもあり、小田原市においても同様な性教育がなされているのかと、当時の江島教育長に質問したところ、本市では副読本を使用しての性教育は行っていない、教科書を中心に日本学校保健会発行のパンフレット等を用いて指導している、各学校では学習指導要領に基づいて性教育が進められている、また、性教育講演会は各学校の希望に合わせて医師を派遣している等の答弁をいただきました。さきの質問から1年半が経過しておりますが、今回の参議院予算委員会で指摘されたとおり、全国ではまだまだ過激な性教育が行われているとの報告が相次いでいると聞き及んでおります。
小学生、中学生という多感な時期に、その成長に見合った教育を施すことは当然であり、性交やコンドームの着用を人形を使って行うなどは、まさに度が過ぎた性教育というよりも性行為教育そのものであります。このような実態が小田原市の公立学校においても行われているのか否か、はじめに性教育自体を教育長はどのように考えているのか、まずお聞かせいただきたいと思います。
次に、平成9年の質問及び平成15年の質問においても、さきにも述べましたとおり、小田原市においては性教育での副読本は使用していないとの答弁をいただいております。性教育という科目が存在しない以上、保健体育や総合的な学習の時間等を使い性教育が行われていると推察いたしますが、果たして教材はどうなのか、どのような教材を用いて授業を行っているのか伺います。
また、それらの教材が使われているとすれば、どのような学校が、いつから、どこのものをどのように使っているのかお尋ねいたします。
次に、性教育講演会について伺います。
これも平成15年に内容について伺ったのですが、毎年、各中学校において恒例のように行われているとも聞いております。以前質問をいたしました際には、性病に感染した局部の写真が大きくスクリーンに映し出され、それを見ていた保護者から「やり過ぎではないか」と指摘されたこともあります。改めて、この性教育講演会の具体的内容はどのようなものなのか、さらに、本講演会の講師は何を基準に人選しているのかお尋ねいたしまして、登壇しての質問を終わります。(拍手)
○市長【小澤良明君】 15番加藤議員の御質問に順次お答えをいたします。
はじめに、「史跡小田原城跡本丸・二の丸整備基本構想」に関連いたしまして、まず事業の整合性について御質問がございました。城址公園では馬屋曲輪の整備も始まり、歴史的・文化的観光資源としての魅力も整いつつある中で、天守閣広場が現状では大変雑然とした状況にあり、城址公園全体のイメージを損なっております。動物園施設については、今年度、旧クマ舎等の空き施設を、クマがおりました、北側の入り口の方から入ったところに巣があった動物園舎、クマ舎でございますが、この空き施設に現在なっていますこれを撤去いたします。それとともに、象舎を除く他の施設につきまして、動物の移転先等施設整理の具体的な検討を進めまして、来年度以降、順次史跡内からの撤去を計画的に進めてまいりたいと考えております。一方、「城址公園で遊ぼう事業」は、市民や観光客の身近な公園として、より親しんでいただけるよう、施設の積極的な活用を図るもので、今年度は、「動物の世話体験」と「象のウメコ来園55周年記念展」を予定いたしております。本丸広場を観光客を迎えるにふさわしい環境に整えていくことと、当面、今ある資源をさまざまに活用いたしまして、市民や観光客の皆さんにも楽しんでいただくということも基本的には同様の方向を向いていることでもございますので、御理解をいただきたいと思っております。
次に、本丸広場の今後の活用についてでございますが、城址公園の動物園は、昭和25年、戦後の荒廃した時代に、子供たちに夢と希望をと開催されました「子ども文化博覧会」をきっかけに開園をいたしまして、そのときにウメコさんも来られたわけでありますけれども、以来55年にわたり、子供たちを中心に多くの市民や観光客に喜ばれ親しまれてまいりました。しかし、「史跡小田原城跡本丸・二の丸整備基本構想」において、移転すべき施設でありますことから、改修等を行わないままに老朽化が進みまして、撤去がやむを得ない時期にきていると考えております。動物園の移転等には、相当の時間を要すると思われますけれども、本丸広場は天守閣を仰ぐ小田原城跡の中心部でありまして、城址公園を訪れる観光客の大多数が訪れる場所でもありますので、市民や観光客の散策や休憩、憩いの広場として活用してまいりたいと考えております。
次に、小田原城跡の整備スケジュールについての御質問でございます。小田原城跡の整備につきましては、「史跡小田原城跡本丸・二の丸整備基本構想」の中で短期計画・長期計画に分けまして、実施時期をお示ししております。しかし、そのときどきの財政状況等も考慮しながら、総合計画にも位置づけて実施してまいりたいというふうにも考えているところでございます。御理解いただきたいと思います。「ビジョン21おだわら」後期基本計画においては、観光客を中心市街地に誘導することなども考えて、正規登城ルートの整備を優先させることといたしまして、馬屋曲輪の整備工事を位置づけたものであります。具体的には、今年度から3年間の計画で馬出門を復元整備し、その後は3年かけて馬屋曲輪の整備を実施する計画であります。また、城跡内の諸施設の移転につきましては、小田原城の歴史的観光価値の拡大を図るために行うものでございまして、整備に関する基本構想や市民並びに観光客の多様なニーズを考慮しながら対応してまいりたいと思っております。
小田原城跡全体の将来像の実現時期でございますけれども、15番加藤議員におかれましても御承知のとおり、「史跡小田原城跡本丸・二の丸整備基本構想」では、江戸時代の末期の曲輪の配置を明確にするということ、時代設定は江戸時代末期ということ、資料も整っておりますので、そこに向かって復元整備をしていくという目標になっております。そして整備も進めていくということになっています。ただし、整備の対象エリアには、御承知のとおりさまざまな施設や住宅等もございまして、その取り扱いなど、長期の時間を要する課題が含まれておりますために、具体的な整備年次を現在ここで示すということは困難でもございます。この点につきましても御理解を賜りたいと思います。
2点目に、個人情報保護につきまして幾つか御質問がございました。コードレスホンによる情報漏えいの危険性について等でございますけれども、まず、コードレスホン使用時の電波傍受による情報漏えいの危険性につきましては、以前からテレビや新聞等でも取り上げられまして、社会問題となってきておりますが、現在では、通話ごとに異なるパターンで暗号化し、市販の無線機等では傍受できないデジタル電波方式のコードレスホンが主流となってきておりますので、電波傍受の危険性は改善されつつあるというふうに伺っております。本庁舎をはじめとする市の施設におけるコードレスホンの使用状況については、停電や災害時の対応、また省エネルギーの視点からもコードレスホンでなく、基本的には有線電話ということになっているわけですが、コードレスホンは通話しながら移動することができるということで、現在、執務状況を見ましてもパソコンを見ながら電話をしなければならないというようなこともございまして、そうした狭い範囲ですけれども、動きながら執務をする、あるいはお客様、市民の皆様との電話をかけながら、右に多少動き、左にも動きというようなことになりますと、なかなか有線電話では使いにくいというような実態も御承知のとおりございます。その辺も御理解いただければありがたいと思います。
次に、住民から行政への電話がコードレスホンであることも考えられるわけですが、この場合に情報漏えいの危険性があるということを住民側の皆さんとして御承知していられるのかという御質問でございました。各課等で、市民からの電話を受けた場合、基本的には有線でありますけれども、まず市民の皆さんがコードレスホンである場合があります。そこはちょっと問題ですけれども、市側においても受けるときは有線電話の場合、あるいはたまさかコードレスホンの場合があると思います。この辺がですね、どちらが数としてどうかというようなことにつきまして確認をできないために、市としては現在対応いたしておりません。コードレスホンの電波傍受の危険性については、監督官庁からの指導はございませんが、メーカーにおいて注意喚起を行っておりますので、大方の市民はそのことを承知の上で利用しているものと理解をしているところでございます。市といたしましても、職員の方にも改めてこのことにつきましては注意を促したいというふうに思います。
次に、消防無線のデジタル化についての御質問がございました。デジタル方式に移行することにより、音声及びデータ通信の秘匿性が向上し、個人情報の保護を一層図ることができるということは、15番加藤議員の御指摘のとおりであります。総務省総合通信基盤局から出されました「電波法関係審査基準の一部改正」によりまして、現在のアナログ無線の運用は、御承知のとおり平成28年の5月31日、10年ちょっとで最終期限、アナログ無線は使えなくなります。本市でも消防無線の国のデジタル化移行の方針に従い実施をしてまいりたいと考えております。
次に、現時点での消防無線の個人情報の保護対策についてでございますけれども、消防活動における個人情報につきましては、消防車等に積載している携帯電話を活用いたしておりまして、アナログ回線を使用する場合よりも、より保護されているということにはなっております。
以下、性教育につきましての御質問につきましては、教育長よりの答弁とさせていただき、以上をもちまして、15番加藤議員の御質問に対しましてのまずは市長からの答弁とさせていただきます。
○教育長【青木秀夫君】 15番加藤議員の御質問のうち、性教育につきましては、私からお答えをいたします。
はじめに、性教育をどのように考えているのかという質問がございました。性教育は、児童・生徒の人格の完成と豊かな人間形成を目的とし、生命尊重・人間尊重・男女平等などの精神をはぐくみ、児童・生徒がみずから考え、判断し、適切な意思決定と行動選択ができる能力を身につけ、望ましい行動をとれるようになることを目指して行うものであると考えております。本市の小・中学校においては、このような考えのもと、学習指導要領の内容に基づいた性教育が行われているところでございます。
次に、各学校はどのような教材を、いつから、どこのものをどのように使っているのかとの御質問がありました。昭和61年3月、文部省が「生徒指導における性に関する指導-中学校・高等学校編-」の中で、性に関する指導を充実することが必要であると示したことを受け、性教育充実のため、全国的に指導法並びに教材開発等の研究が進められてきたところでございます。本市の小・中学校では、教科書を基本に進めているため、現在、学年もしくは学級全員に、児童・生徒用の教材や副読本を購入してはおりません。しかし、教師用としては、日本学校保健会発行の資料をはじめ、市販の紙芝居・掛け図・ビデオを用いたり、市販の本を参考に作成した自作教材を用いたりして授業を行っている学校はございます。具体的な教師用の教材資料としては、平成16年度が小学校12校でアーニ出版の「男の子のからだ」「女の子のからだ」といった本やビデオ教材、2校では日本写真新聞社の掛け図、同じく2校では大月書店の「ぼくはジョナサン、エイズなの」といった本をはじめとした多くの出版社の教材を参考にしているところでございます。また、中学校3校でアーニ出版のビデオ教材「男子の成長」「女子の成長」、他の2校では学校図書出版の「思春期を生きる」やNHK出版の「生命創造」といったパネルやビデオを用いて授業を行っております。
次に、中学生を対象に実施している性教育講演会の具体的な内容についてのお尋ねがございました。性教育講演会は、心身の発達段階に合った、中学生に必要な正しい知識を身につけるため、市立中学校に対し外部の専門医師等を講師として派遣し、実施しているところでございます。年1回、学級活動、総合学習等の時間で、各学校の実情に応じ実施しております。16年度は12校中11校実施をいたしました。17年度についても同様に予定しているところでございます。性教育講演会については、学校側の希望に応じ、対象学年を定め、学習指導要領に沿い、講師と学校、所管課が調整し実施しております。また、保護者にも参加を呼びかけているところでございます。具体的には、医学的立場から、生まれてくる命のとうとさ、男女の心と体の変化、性感染症の正しい知識を伝えるとともに、心と体を大切にする生徒に成長していくことを主題とした内容となっております。講演の形態については、教材を用いず講話のみと、スライドを用いて講話する2通りがございます。
次に、性教育講演会の講師の人選基準についてのお尋ねがありました。性教育講演会の講師の人選については、医師、学校長、養護教諭で構成する性教育検討委員会で候補者を選定したものでございます。今年度の講師の選定に当たっては、平成14年2月開催の性教育検討委員会で検討した候補者5名に基づき、各学校が現状と課題に合わせて講師を選定し、医師会と協議した上で、教育委員会が派遣しているところでございます。性教育講演会の候補者については、産婦人科医2名、泌尿器科医1名、小児科医1名、助産師1名の構成となっております。
以上をもちまして、15番加藤議員の御質問に対しての答弁とさせていただきます。
○15番【加藤仁司君】 一定の答弁をいただきましたが、再質問をさせていただきます。
まずはじめに、1番目の「史跡小田原城跡本丸・二の丸整備基本構想」、これについて幾つかの質問をいたしましたけれども、一括して質問をしたいと思います。まず、この基本構想自体、私も議員になりましてから10年経過をいたしまして、最初、すぐに旭丘高校の建設の問題等でいやが応でも、この基本構想はどういうものか、いろいろと調べさせていただきながら、各議員ともいろいろ議論をしてきたんですけれども、基本構想自体、私も否定をいたすものではありません。ぜひとも、先ほど答弁がありましたように江戸末期の城址、この再現、これを一日でも早く復元をするというのも小田原の魅力の一つとしてぜひ整備を進めてもらいたいなと、このように思うところであります。しかしながら、小田原も観光都市小田原ということで、先ほど言いましたように、文化財、そして観光、これについては、どうしてもある面相反するといいますか、背中合わせのときもあるんではなかろうかなと思います。先ほど述べましたように、例えば旭丘高校が現地のところで建設をされたということで、最終的な整備自体、一口に言って100年ぐらいはかかるのではないのかなと、このように私自身は認識をしております。この史跡の整備も必要、そして観光も必要、こういった中で市の運営というのも大変なことだろうと思うんですけれども、現時点、小田原市の観光に関してのさまざまな資源の中で、やはり小田原城というのは、小田原城跡、これは一番のところだと思っております。また、先ほど質問いたしました例えば本丸・二の丸、ここも御殿があったということですけれども、その御殿自体を復元するのが、私の聞いている範囲では、資料の方も十分にあるわけではない、例えば御殿自体を復元するのはちょっと不可能ではないのかなと、このようにも伺っております。それであれば、地下の遺構を壊さない範囲で、先ほど言いましたように、この整備自体には私自身は100年ぐらいかかると思っておりますので、その広場自体に例えば遊戯施設を置いて、地下遺構を壊さない範囲でもっと活用することができるのではないのかな、このように思うわけでもございます。観光客を楽しませるということで先ほど市長からも答弁をいただいておりますので、観光客または市民を楽しませるためには、やはりそういった広場自体にもっと付加価値といいますか、文化財は保護するということは優先にしながらも、遺構を壊さない範囲での整備、これをすべきじゃないかなと思いますので、再度御答弁をいただきたいと思います。
次に、2番目の情報漏えいの危険性ということで、コードレスホンについて挙げさせていただきました。デジタルが主流になっているということの答弁があったんですけれども、アナログで秘話装置もついていない、こういったコードレスホンを使っている家庭も私は多くあるのではないのかなと思います。正直、私のところもそうです。確か2万5000円ぐらい1基いたしましたので、そう簡単に買えるものじゃない。一度買ったら壊れない限り次のものを買うことはありませんので、最近は製品も大変よくなっておりまして、なかなか壊れません。そういった意味からも、デジタルがあるから今は安心だというようなことはないんじゃないかな、かなりの方がアナログを使っているんじゃないのかなと思います。これについては確認できていないというお話ではありますので、私自身も全部確認したわけではありません。少なくとも私のうちはアナログです。ですからそういったことで、漏れないような形で親機に切り替えていろいろなお話をさせてもらう。こういうことが多いと言っているわけでありますので、今、行政が、その御家庭がコードレスホンなのかどうか、そういったことを、個人情報が出そうな用件を聞く前に、おたくの電話がコードレスホンであるならば親機の方にされて対応してもらいたい、このようなことを言うことも必要なんじゃないのかな、そのように思います。これはどうなのか。また、広報とかそういった機会を得て、デジタルが主流であるけれども、やはりアナログというものは傍受される可能性があるんだよということも知らしめたらどうなのかなということで、この2番の1については二つほど再質問させていただきます。
また、消防無線についての答弁をいただきました。確かにデジタル化への移行、平成28年、まだ10年以上あるわけですけれども、その間は携帯電話で対応するというお話がありました。しかしながら、携帯電話自体はあくまでも一対一の会話です。なぜ消防はずっと無線を使っているのかというと、例えば一対一だけではない、ほかの部隊、皆さんに情報を知らせるということも、また迅速性も含めて、あえて無線にしているんではないのかなと思います。ですから消防の部署からすれば無線を使う。電話は今の中では個人情報保護のためには現時点では仕方がないかもしれませんが、本来はやはり無線で何のわだかまりもなく使いたい、こういった気持ちがあるのではないかと思います。ですからデジタルへの移行、これをすぐに施すべきじゃないのかなと思います。もう一点言わせてもらうならば、けがの情報とか病人の情報、こういう弱者の情報というのは、それをすぐに、人の弱みにつけ込んだ犯罪、こんなのも多くあると聞いております。こういった犯罪が昔はなかったかもしれませんが、今多くあるというのも、先ほど言いましたいろいろな情報を傍受できる機械、これをホームセンターとかに行くと1万円以下で売っております。だれでも手に入る。こういった状況がありますので、ますますこのような犯罪を犯そうとする者にはいい状況だと思いますので、先ほど早急にというお話はありましたけれども、本当に早く導入しなければならないんじゃないかなと、このように思います。再度、この消防のデジタル化に関しての意気込みをぜひ聞かせていただきたいな、このように再質問をさせていただきます。
次に、3番目の性教育に関してですけれども、学習指導要領にのっとり性教育をする、これはもちろん当然のことだと思いますけれども、いろいろな副読本の部分は使っていない。確かに私も平成15年の質問をさせていただいたときには、まだ定義、知識もちょっとあいまいだったので、これは私自身反省しているんですけれども、結局、副読本というのは、各個人個人に各生徒に行き渡るものを副読本という。実際には今、教育長から御答弁があったように、例えば教師用の教材、これについては副読本ともいいませんし、ただの教材という表現である。ですから今幾つかいろんな教師用の教材が使われているというのは教育長から答弁されたところですけれども、今答弁をされましたこの教材等、時間が限られておりますので全部はおっしゃらなかったんでしょうけれども、教育委員会の方から見て、これは本当に適当なものと判断していいのか、これを伺いたいと思います。
今、副読本についてちょっと言いましたけれども、いろいろな副読本とか準教科書、教材、教材の中でもやれ紙芝居だとかビデオだとか、また今問題になっている人形だとかさまざまなものがあります。こういったものが学校の中で授業に使われる、こういった教材を利用するシステム、これが一体どうなっているのか、これをお答えいただきたいと思います。
また、さらにもう一つ性教育の講演会についての答弁をいただきました。この性教育の講演会はずっとやってきているようですけれども、保護者の方も呼んでいるということで、この結果、保護者とか生徒から、この性教育講演会の結果についてはアンケート等をとっているのかどうか、これを伺いまして再質問をおしまいにします。
○市長【小澤良明君】 15番加藤議員の再質問にまず私の方から2点ほどお答えをさせていただきます。
史跡小田原城跡の整備につきまして、全体的なというか、二の丸広場等の問題につきましてもお触れになられました。御指摘のとおり、藩主屋敷等につきましては、しっかりと復元するだけの資料が整っていないということで大変難しいということでございます。いずれにいたしましても、ただこれは例えば平面図があるけれども、全体的な構造をあらわすような図面、屋根がどうなっているかとか、あるいは外観の写真のようなものがあるとか絵のようなものがあるとかというようなことによって、一定の類推ができる場合もあるわけでありますけれども、これは市としての考え方と同時に、もう一つ文化庁としての考え方もございます。私は、文化庁の考え方が例えば10年前と今とでは多少変わっている可能性もあるなということをたまに感じることがあるんです。国からの莫大な補助をいただきながらこれは進めていかないといけない、大変な大がかりな小田原城跡の整備構想でありますから、やはり国の考え方の推移と申しますか、現状の考え方も大切にしながら、取り組んでいかなければならないわけであります。いずれにいたしましても、先ほど観光客を楽しませるという話をしましたけれども、基本的に史跡の純化を図る、その中で観光で訪れた人たちの心を和ませたり、楽しんでいただいたりするということであります。史跡の純化という大方針は、これはもともと市の大方針でございますので、その辺に向かって適時適切にと申しますか、できるところ、できる環境の中で懸命に取り組んでまいりたいというふうに考えております。そこは御理解いただきたいと思います。そういうことを踏まえた上で、遊園地の問題につきましては助役からお答えをさせていただきたいと思います。
コードレスホンの個人情報保護の問題につきまして、消防無線のデジタル化につきまして御質問がございましたけれども、いずれにいたしましても、できるだけ早くに、消防無線の諸環境が許す限り、早い時期に消防無線のデジタル化というのは進めてまいりたいというふうに思っております。御指摘のことも踏まえながら対応してまいりたいと思います。
他につきましては、担当からお答えいたします。
○助役【市橋 匠君】 城址公園の活用でございますが、御承知のように本市の観光の中心施設といたしまして、毎年200万人以上の市民や観光客の方が訪れていただいております。公園の施設の中でも、遊園地や動物園は、子供たちを中心に身近に楽しめる施設といたしまして親しまれているところでございます。遊園地は、御承知のように平成8年に飛行塔と観覧車を撤去いたしました後、現在は豆汽車、メリー・カップ、ベビーカー、定置式の自動遊器具のみとなっておりますが、年間延べ43万人~44万人の利用がございます。施設は大変老朽化しておりますが、市民や観光客のニーズの大変高い施設でございますので、安全面に十分配慮しながら、当分の間、活用を図ってまいりたいと、このように思っております。
次に、庁内におきます個人情報保護の対策ということで、職員のコードレスホンの使用についてのお尋ねでございますが、通話をしながら移動ができるということで、非常に便利でございますので、業務内容等によってはこれを使用いたしておりますし、またやむを得ないことかなというふうに思っております。しかし、その導入に当たりましては、御指摘の個人情報保護の観点から、事前に相談を受けるなど、コードレスホンの設置が必要最小限になるように対策を図ってまいりたいと考えております。また、通話内容が個人情報にかかわる場合には、有線電話にするといった使い分けの徹底も図ってまいりたいというふうに思っております。なお、市民に対しましては、先ほど市長が答弁申し上げましたように、消費生活行政の観点から、コードレスホンの機能等につきまして、機会をとらえてその啓発を図ってまいりたいと、このように思っております。
以上でございます。
○理事・学校教育部長【石嶋 襄君】 15番加藤議員の性教育についての再質問について私からお答えをいたします。
まず最初に、教材の取り扱いのシステムについてのお尋ねがございましたので、御説明をいたしたいと思います。教育委員会の教材の取り扱いにつきましては、教育委員会の規則であります「小田原市立小学校及び中学校の管理運営に関する規則」がございまして、その中で定められておるものでございます。その内容につきましてですが、教科書の発行されていない教科、道徳等で主たる教材として使用する教科用図書を準教科書というふうに呼んでおるんですが、使用に当たっては教育委員会の承認が必要ということになっております。また、副読本と各種学習帳など、学年もしくは学級全員、児童・生徒が持つ教材は、教育委員会に届け出るということになっておりまして、教育委員会といたしましては、届け出たものについては必要に応じてその確認をしているところでございます。なお、教師用として学校が購入する教材につきましては、教育委員会への届け出は求めていないところでございます。教師が使う教材、各教科非常に多岐にわたるわけでございますけれども、教育委員会といたしましては、各学校で使用する教材、これが児童・生徒にとって適切であるか否か、学習指導要領に基づいているかどうかということにつきまして、校長の権限で使用しているわけですけれども、その適正な判断ができるように、当然のことでございますけれども改めて指導してまいりたいというふうに考えております。
それから次に、講演会のアンケートをやっているかという御質問がございました。アンケートは実際に実施をしておるわけでございますけれども、若干、ほんの一部ですけれども内容を御紹介いたしますと、大変感動で印象に残りましたということがあったり、プラスの側面が多いわけですけれども、中にはマイナスの感想を持ったものもございます。どういうことかというと、例えばそれを見て、講義を聞いて、痛そうであるとか、不安であるとかというようなことがあったり、そういうこともアンケートとして受け取ってございます。もちろん私どもといたしましては、これを次のときの参考にということで、大体、講演に当たっては医師会の関係の先生にアドバイスをいただきながらやっているんですけれども、こういうものも御紹介しながらアドバイスを受けておるのが実情でございます。今後につきましても、このようなものを見ていただいて、一緒に考えて、よりよい対応をしてまいりたいというふうに思っているところでございます。
以上でございます。
○15番【加藤仁司君】 まず、城跡の基本構想について、今助役からの答弁、遊園地の話がありました。遊園地は延べ43万人ということで、これは本当に天守閣の入場者よりもよっぽど多い数なわけですよ。これだけの方が使っているということであります。将来像ということで関連して今遊園地を取り上げさせていただきますと、本当にこれは安くて一日十分楽しめる施設、これは本当に小田原の誇りだと思っております。例えば東京ディズニーランドなんかに行きますと、子供だけで一日1万円かかってしまう。しかしながら、小田原城址公園ですと、本当に1000円あれば十分楽しめる、10倍楽しめてしまう。こういうふうな施設であります。これは、俗に言います不適当施設ということに遊園地はなっているんですけれども、これを本当に残してほしいな。例えば今あることを受け入れて、例えばどこかに移転するなんていうことも恐らく考えていない。そんなのも聞いたことがない。そういった人たちが多いんじゃないかなと思います。もしも移転するなんていう、また、なくすなんていう話になってきましたら、残してほしいという方は本当に多いのではないのかなと思います。これは声として出ていないわけですから、一つのサイレント・マジョリティーということで私も認識をしております。それであれば、遊園地も二つの施設を撤去した、動物園もおりを多少撤去するという話ですけれども、先ほど言いました100年の期間の間で考えますと、もう少しきれいにしてもらいたい、このように思うわけであります。また、本丸や二の丸広場、これについても、前からも議論があります芝生を敷くとか、もっと利用しやすい形にしてもらいたい。こういう願いを持つ市民も大勢いるとは思います。
一つ例といいますか、例えばお城通り地区の再開発、これについては、反対する一部の市民の声をいかにも多くの市民の声と声高に叫ぶ方々もいられるんですけれども、お城通りの再開発というのはさまざまなメディア等にも取り上げられておりますので、市の姿勢がはっきりしております。市の姿勢がはっきりしているからこそ、賛成の方は別に説明会で聞かなくても、また新聞報道とかそれ以外のことで理解をしている。これは私の周りもそうなんですけれども、そういうことで物は申さないけれども、多くの方が理解しているというサイレント・マジョリティーがここにあると思います。しかしながら、今言ったように動物園とか遊園地については、市民からの反応というのは私自身もあまり聞きませんし、恐らく行政の方にも、ちょっと撤去のときにありましたけれども、現時点で聞いていない。このことが、もしかしたら行政は、みんながみんな「史跡小田原城跡本丸・二の丸整備基本構想」をすべて理解している、そのように思っているかもしれませんけれども、これは、ただ単に移転計画がはっきり打ち出されていないから、あくまでも大きな声が出ていない、このように私は思うわけであります。恐らくこの動物園や遊園地をなくすということがもしも発表されたら、あそこが整備をされたときに、果たして本当に子供連れや観光客の方が喜んで来るのかどうか、ここら辺のところを心配しております。このような計画が出されたときの反応、これについてはどのようになるのか、今、現時点で当分の間今の施設を活用していくという答弁をいただきましたけれども、ぜひとも、観光都市小田原の一つの魅力でもあるということを御認識いただきたいなと思います。
それから個人情報の件ですけれども、これについては、先ほどからお話がありましたが、小田原市の個人情報保護条例には、第3条、第4条、実施機関の責務や事業者の協力ということで、あくまでも個人情報保護の重要性について意識啓発に努めるべきだと。また、第5条において、市民もみずから個人情報の保護を心がけることということも書いてありますので、ぜひともその啓発を進んで行ってもらいたい、このように思います。
さて、性教育に関してですけれども、システムについての御説明がありました。先ほどの御答弁の中では、教師用についてはあくまでも届け出も要らないんだ、だれでもいいんだ、権限はとりあえず校長にもありますというような答弁がありました。教育委員会もあえて届け出を求めていないということですけれども、実は過激な性教育、これが全国的にも取り上げられたときに、ある学校の先生、これは小田原じゃもちろんないと思いますが、この授業については家の人には言ってはならない、このような箝口令をしいた学校もあると聞いております。それだけ後ろめたい授業をしているのであれば、やはり個人に持たせるような副読本とか、そういった教育委員会に承認や届け出も必要としない、今言われた教材、これに頼ると思うんですよね。それを使ってしまえば、届け出も要らないし、子供も家にも持っていかない、親からも何も言われない、親も学校の方に何も言ってこない、教育委員会にも言ってこない、こういうふうな形である種野放しのような状態の可能性があります。今、文科省の方では、全国的な調査を行うとも聞いておりますし、また、東京都、これは一つ問題になりましたが、先ほどもたしか性教育は日本学校保健会のパンフレット等も使っているということですが、この日本学校保健会が発行ではなくて、日本学校保健会の会長名で出されたある製薬会社の冊子、これがとても学習指導要領を逸脱しているということで、校長預かりということにたしか東京都ではなった。こういったことで、名前自体が、またはいろんなことをやっていることがすばらしい団体とか会社であっても、教科書ではありませんので逸脱するものがいつ出てこないとも限らない。こういったところの危険性、こういったものはあるということを指摘せざるを得ません。そこで、先ほど学校教育部長の方からは、教育委員会についても指導するというお話は聞いたんですけれども、これは既に行っていなければならない状態じゃないのかなと思うんですけれども、やるとすればいつやるのか、いつからやるのか、ここについて1点再質問をさせていただきたいと思います。
それから性教育の講演会、これについては例年と変わりなく行っているということですけれども、実は、平成15年度ですか、平成16年度ですね、各学校で行われた性教育の講演会、講師の方がお二人やられているということです。この講師の方、実名は伏せますけれども、どういう方かなと調べましたところ、“人間と性”教育研究協議会、俗に言う性教協という団体と深くかかわっているそういう講師であるということがわかりました。この性教協というのはどういった団体なのかといいますと、簡単に言いますと、これを設立した方は、その基本として、中高生の性交渉は生徒の自己決定権の行使、このように主張する方がつくった団体です。このホームページを見ますと、今言った趣旨とともに国歌・国旗の強制への反対、またジェンダーはどうすり込まれるのか、大変イデオロギー色の強い団体であるというように私は認識しております。また、さきにも言いました「ラブ&ボディBOOK」、これは文科省が回収したんですけれども、回収したことが知る権利を剥奪されたということでこの幹部が抗議をしている。こういった団体なわけです。そしてまた、その団体の機関紙等の実践報告に、先ほど言いましたその団体設立者と一緒に本を出している医者の方、この方が講師に入っている。さらにもう一人の方は、これは驚いたんですけれども、小学校の出前授業ということで、これはたしか東京ですね、本物の胎盤を持ってきて小学生にさわらせたり、助産院で撮った出産ビデオ、妊婦人形、紙芝居なども行っている講師である、こういったことも都議会で指摘をされております。さきの質問の中で5番志澤議員が教育長の理念について御質問されましたけれども、このような講師の方を呼んでまで講演をするといったことが、教育長の言われる子供の幸せを考える、こういった教育を本当に行えるのかどうか、教育長の目指す理念とはかけ離れているのではないのかな、このように思うんですけれども、御見解を伺いたいと思います。
○理事・学校教育部長【石嶋 襄君】 15番加藤議員の再々質問に私の方からお答えをさせていただきます。
まず、校長への指導をどうするのかという話でございますけれども、近々に校長会等がございますので、そういう場面で、ただいまの議員御指摘の話も含めてさまざまな御見解もあると思いますので、その辺を含めて、私どもの基本は指導要領にのっとってやっているかどうかということでございますので、それについて再度確認をし、学校の中でも点検をしていただく、そんなようなことで進めてまいりたいというふうに思っております。
それから講師のことについてお話がございましたけれども、この講師につきましては、基本的には、さきにお話を申し上げましたとおり、性教育検討委員会ということで専門の先生方にお願いしてその中で選んでいただいております。したがいまして、私どもとしてはその辺をベースに考えていきたいというふうに思っています。ただ、そういう御指摘もございますので、今後につきまして、再度先生方とお話を申し上げて、その中で、今後どういうふうにしていくかまた御指導をいただきながら、私どもとしては対応していきたいというふうに考えております。
以上でございます。
○15番【加藤仁司君】 部長の方から、学習指導要領にのっとって適切な指導をしていくということを再度御答弁いただいたんですけれども、実際のところ、教育長も校長先生の御経験があられた中で、校長先生もこれを一つ一つ把握するのは大変だと思うんですよね。全部の職員の方の教材や資料を点検・把握・指導、これを校長先生にゆだねるということも実際のところ大変だと思います。今、学校教育部長が答弁されたように、教育委員会自体もそれを一つ一つ指導する、これも本当に大変だと思います。指導するということの姿勢を示されましたので、それに期待をしたいと思うんですけれども、でも今言ったように現実的に果たして全部が全部できるのかどうか、こういう懸念もあるわけであります。だからこそ、教師は俗に言う常識の範囲内でその実践に努める、これが大事なことではないのかなと思います。いろいろな過激かどうかというのも人によって違いがあるかもしれませんけれども、だれが見ても常識的だろうと思われる部分、やはりこれがあくまでも学習指導要領の範囲だと思いますから、それにのっとって授業に努めてもらいたいなと思うんですけれども、これについて再度御見解を伺いたいと思います。
それから性教育の講演会、今言うような形の方々が講演をされているということがあります。子供の幸せを第一に考えた中で本当にそれでいいのか、再度御検討いただきたいとお願いを申し上げまして、質問を終わりにします。
○教育長【青木秀夫君】 教育委員会としましては、学校教育の現場の教育が基本的に学習指導要領の範囲の中で実施される、そのことに関しては、最初にもお話ししたとおり、可能な限り現場第一主義ということでもって、現場の生の情報ができるだけ委員会の方に届くような、そういうことに力をこれからも注いでいきたい。そのことがその常識の範囲の中で教育が実施されることにつながるのではなかろうかなと思っております。とはいいながらも、お話がありましたように、校長が学校で行われているすべてを把握して実施するということに関しては、現実はなかなか難しい面がございますし、私も昨年まで校長をやっておりまして、各教科の裁量のもとにどんな教材を使って教師の裁量でもってやっているかということを全部把握していたのかと問われれば、それは100%というわけにはいかなかったなと、これは実感ではございます。しかしながら、責任ということを考えれば、その100%に限りなく近づけていかなければいけない。これは出てまいりますから、そういう意味でも、今お話があったように学校の常識が社会の常識にもなるように、校長の責任をできるように、教育委員会が学校との連携ということでもって対応していきたいなと考えております。
以上でございます。