平成18年6月議会一般質問
2006年06月01日
平成18年6月 一般質問
【加藤仁司】
通告に従いまして順次質問をしてまいります。
はじめに、あしがら広域圏ネットワークについて何点か伺います。
既にこの項目は2名の議員より質問がなされております。本年6月5日に開催された「あしがら広域圏ネットワーク設立記念フォーラム」へ私も出席した中で感じたこと、また、疑問に思ったことについて幾つか聞きたいことがありましたが、何点かの重複する部分もあり、したがいまして、既に御答弁いただいている内容を避けながら、幾つか質問をいたしますが、どうしても重なる部分もありますので、御了承いただきたいと思います。
まず、今回のネットワーク設立は、西さがみ連邦共和国建設経過を知っている議員だけでなく、小田原市民及び足柄下郡の方々の目にどのように映っているか、甚だ疑問を呈する内容であります。そもそも、設立趣旨にうたわれた「長い歴史の中で常に一体的な発展を遂げてきました」「この圏域のすぐれた特性を生かし、このたび2市5町を一つの交流圏ととらえ」等は、平成14年10月8日に小田原市議会合併問題調査特別委員会時に配付された「西さがみ連邦共和国の概要」における建国の背景や建国の目的の中でも、完全に一致した文言はないものの、「歴史的にも深いつながりのある小田原市、箱根町、真鶴町、湯河原町の1市3町が、行政圏として、また生活圏として協働し」等と説明されております。
そこで、小田原市においては、確かに地形的に見て、南足柄市を含む足柄上地区と足柄下地区との間に挟まれており、また、当該市町の中では人口規模も財政規模も大きいことは確かでありますが、果たして市長は現時点において軸足を一体どちらに置いているのか、まずお答えいただきたく存じます。
また、現在、小田原市役所に設置運営されております西さがみ連邦共和国は今後どのようになっていくのか、事務局体制の今後について伺います。
さて、合併問題が全国各地で展開され、まさに平成の大合併は、総務省のデータによると、平成7年4月の時点では、それまで3234あった市町村が、平成18年4月現在では1820自治体、この10月には1819自治体となる見込みで、10年で約半分の自治体数となりました。このことは、時に平成の世となり、経済団体をはじめとする各団体が、市町村合併を推進する提言が出されたことも背景に、国においても住民からの法定合併協議会設置の直接請求発議や合併特例債制度新設などの制度改正とともに、政令市や中核市への要件緩和及び特例市の新設などの権限移譲が全国的に合併を加速させたことも要因であると思われます。
足柄平野を一体とする足柄上、足柄下地域は、古くから自然、政治、経済、文化をはじめ、歴史においても幾つもの共通点があり、さらには交通網の発達による生活圏の広がりと、何をもってして自治体が分割されているのか、歴史上そうなったというだけにしかすぎない。住民にとれば、住みなれた環境が変わらないことを大前提にすれば、同じ日本国の同じ神奈川県の西部に住む住民として、広域化から市町村合併へと進むことは、行財政改革として効果的・効率的な行政運営が図られることや、今後の重要なキーワードでもあるマンパワー確保には小さい自治体では限度があることから、現状の財政状況や今後の自治体運営の厳しさをかんがみたとき、合併推進は誤った選択になるとは到底思えないのであります。親しんだ地名がなくなるかもしれないというようなセンチメンタルな理由により、合併に後ろ向きな議論をいつまでも繰り返すことは、合併の本質から逃げていることであり、その意味でも、西さがみ連邦共和国及びあしがら広域圏ネットワークに合併を視野に入れた文言があることには一定の評価をするものですが、なぜ足柄平野に趣旨は同じなのに違う二つの組織が同時に存在するのかの不思議を解き明かす必要があります。
既に30年以上の長きにわたり、県西地域広域市町村圏協議会が存在している中で、二つの組織をかけ持ちしている小田原市のスタンスは、誤解を生むだけであり、なぜはっきりと、中核市を目指すためには2市8町の連携を深めて最終的には合併を目指すという趣旨が出てこないのか、いささか疑問を呈するものであります。
そこで、行政は、さきに述べた県西地域広域市町村圏協議会により、連携を図るための協議会を催してはいるものの、あしがら広域圏ネットワークでは、お互いの住民交流を目的としたイベントの開催や、広域的行政課題の解決に向けた取り組み等を掲げておりますが、まず手始めに、行政が仕組んだ事業よりも、現在、足柄上・下両地区に存在している団体の一本化を図ってみることが必要だと考えます。
先に形をとらえるよりも、まずは交流をと考えるのは行政の一つの手法でしょう。しかしながら、先に形をつくってその中でお互いの交流を図れるものは、同じ目標を持っているものであれば実現可能と思われます。その一つがフィルムコミッション事業であります。周知のとおり、西さがみ連邦共和国においては、平成15年2月1日に設立され、すぐれた映像文化を残すための支援活動を目標に、ロケの誘致による経済的効果、観光及び文化の振興に寄与してまいりました。さらには、本年2回目となる「小田原映画祭」に向けて、さらなる前進が期待されているところです。一方、足柄上地区では、南足柄市役所に事務局を置いた「フィルムコミッションあしがら」が平成16年5月28日に開設され、同じくロケの誘致活動や映画館紹介の開催、交流トークショーなどの事業を展開しております。
そこで、同じ自然や歴史的資源を活用し、全国へ当地域の持つすばらしさを発信する趣旨からも、お互いが連携し合い、さらに豊富な情報を持ち合わせれば、より充実した組織になると思われます。フィルムコミッションを足柄上・下地区の西さがみ連邦共和国とあしがら広域圏ネットワークの橋渡し、ひいては合併の突破口として、一つの組織、事務局にすべきと思いますが、市長の御所見を伺います。
次に、大きな項目の2、庁舎内における住民サービスの(1)ワンストップサービスについて伺います。
はじめに、ワンストップサービスは、平成11年3月に行政情報システム各省庁連絡会議において、急速に発展する情報通信技術を活用し、国民・企業に対してパソコンまたは身近な場所で各種の行政サービスを提供する仕組みとして、申請や届出手続など、複数箇所あるいは複数回にわたり行政機関を訪れることが必要なものを、オンライン化などにより箇所や回数の減少を進めて、事務処理の簡素化・効率化を図ることを目的とした、まさに一つのところでまたは1回でサービスを受けられるよう、その整備、推進に向けて取り組み、さらには地方自治体への要請が図られました。
この要請に基づき本市においても、平成14年度の施政方針演説では、市長から「市民の皆様と身近に接する市役所庁舎2階の窓口につきましては、転居や転入転出に伴う手続きなど市民ニーズの高い行政手続きの窓口を一箇所に集め、いわゆるワンストップサービスに向けて、利用者の視点に立ったやさしく便利な窓口づくりを進めてまいります」との方針が示されました。その後、平成15年には窓口受付サービスの改善が図られたと伺っておりますが、質問として、平成15年に行った市民窓口課の窓口サービスの改善については、具体的にどのような形で行われたものか、そして、従来に比べて利便性やサービスが向上したのか、さらには、今後はどのような形で展開しようとしているのかお尋ねいたします。
次に、昼休み消灯について伺います。
私は議員を務めさせていただいて10年以上となります。その間、各部署では、正午のチャイムが鳴ると同時に、2階の窓口業務を除き3階以上のほとんどの階では、相談などの市民がいるときは除いて、おおむね各部屋の電灯を消灯する光景を目にしてきました。そして、昼食のため食堂や飲食店に行く職員や自席にて弁当を広げる職員、昼食後のスポーツにいそしむ職員もおり、それぞれのお昼の状況を見てきました。そして、午後1時のチャイムとともに部屋の電灯は再度ともされ、職員の方々は午後の職務に励んでおられます。
さて、このような慣習はいつからなされてきたかは知る由もありませんが、少なくとも私が見る限りでは10年以上続けられているのであります。省エネという言葉が言われて久しいわけですが、地球温暖化防止のための国際協定である「京都議定書」や平成7年に閣議決定された「国の事業者・消費者としての環境保全にむけた取り組みの率先実行のための行動計画」、はたまた本市では平成7年を「環境元年」と銘打つなど、この昼休み消灯を省エネ対策の一環と見てよろしいのかどうか、まずお尋ねいたします。
また、消エネ対策であるとすれば、毎日、昼の1時間消灯により年間でどのくらいの消費量削減となっているのか、数値でお示しください。
続いて、さきにも述べましたように、正午にはチャイムが庁内に鳴り響きます。その後、NHKラジオニュースが十数分流され、時折、本庁舎ロビーにおいて開かれる「市民ロビーコンサート」も広く市民に知られるところとなり、職員も含め、その音色や歌声に昼の憩いを楽しむようになりました。午後1時、再びチャイムが鳴り、消灯してあった部屋は一斉に電灯を点灯し、業務が再開されます。「市民ロビーコンサート」も1時には終了するように設定されております。このような状況を見ると、正午のチャイムは昼休み休憩開始、1時のチャイムは業務再開の合図と見てよいのかお尋ねいたします。
また、同じ本庁舎内においても、部署によっては当番制にて、お昼どきに来庁する市民サービスに対応しているところもあると聞き及んでおります。部屋が消灯されていても、だれかしらがその部署におり、いついかなる状況であっても市民サービスに積極的に取り組む姿勢には頭が下がります。昼どきは一切の業務を断っている公共機関もあることからすれば、小田原市は市民サービスを第一優先に取り組んでいると評価したいと思うんですが、そこで伺います。なぜ部署によってお昼どきの対応がまちまちなのか、業務を行うのか行わないのか、市民にわかりやすい形態をとるべきと思いますが、市長の御見解をお伺いいたします。
次に、道路交通法一部改正に伴う放置駐車取り締まり強化について伺います。
平成18年6月1日より、道路交通法が一部改正され、「放置自動車取り締まり民間委託制度」の導入により、放置駐車取り締まりの強化が全国的に図られました。法施行後の様子はさまざまなメディアにより報道されているように、短時間の放置駐車も許さない新制度に対しての不満の声や、宅配、荷の積みおろし作業に支障が出ているなど、当分の間は導入の影響が全国各地で聞こえてくるものと思われます。
さて、本市では、小田原駅周辺放置駐車取り締まり重点エリアとして、幹線市道中央通り線、幹線市道小田原駅浜町線、幹線市道西口東町線、国道255号銀座通り、県道小田原停車場線、一般市道東通り線、一般市道お城通り線の7路線及び小田原駅東口ロータリー、小田原駅西口ロータリーの2地域をそれぞれ対象とし、民間の駐車監視員による放置駐車取り締まり強化を図っております。
そこで、このたびの強化路線については、どのような観点で対象路線及び区域として指定したのか、また、他路線と比べ狭あいで通過車両や歩行者も多く、さらには、自転車やバイクで法改正以前から短時間駐車でも迷惑するような状況の錦通りがなぜ外されているのか、その理由を伺います。
続いて、バイク対策について伺います。
このたびの放置駐車対策強化は、放置駐車というふえ続ける違反車両に対して、警察人員もその対処・対策に追いつかない現状と、少しだけなら構わないだろうという運転者のモラルの低下が著しい現在、その行為により事故の誘発、渋滞、緊急時の対応への支障などの要素が相まっての措置と思います。原則的には大歓迎するものです。小田原駅前における駐車場も市営駐車場、民間駐車場が不足している状況もないと思われ、短時間駐車でも駐車場を利用する車両が増加するものと見られます。車と同様に自転車やバイクの放置車両も迷惑この上ない状況をつくり出している地区も多く耳にします。駅前の歩道や商店街周辺に列をなして平然と駐車されている自転車の群れに、歩行者や車両が常時接触事故を起こしている地域もあるとの報道を見た記憶もあります。
さて、本市においては、昨年、自転車等放置禁止区域を指定し、指定区域内に駐車した自転車、原動機付自転車は、即日、国府津の放置自転車等保管場所へ移動されるようになりました。この対策と同時に、既に昭和62年の鴨宮駅、平成15年の小田原駅西口に整備した駐輪場とともに、小田原駅東口周辺の放置自転車解消策としての新規の有料駐輪場の整備が図られたことにより、ひとまず行政による放置自転車対策は講じたといってもよいと思われます。しかしながら、車や自転車には有料であっても駐車場が用意されているのですが、バイク、ここでいうバイクは総排気量が125cc以上とさせてもらいますが、このバイクは果たしてどこにとめたらよいのでしょうか。特に近年はバイクのオートマチック限定免許や大型バイク免許が教習所でも取得できるようになり、若者から年配者までの俗に言うバイク人口は増加しているものとも伺っております。さらには、高速道路の2人乗りも可能となり、買い物客だけでなく、観光客としてもバイクで小田原に訪れる方々は多くなると思います。
観光客としてのバイク駐車につきましては、平成9年12月の定例会で質問したわけでありますが、そのときには、専用の駐車場はないので、天守閣などの利用者については、藤棚観光バス駐車場の余地に置いてもらうとの答弁があり、さらに、これらの駐車場は必要だと思うので、今後検討したいとも述べられました。あの質疑から9年6ヵ月が経過し、いまだに専用駐車場がつくられていないばかりか、天守閣等を利用する目的で来られたバイクが藤棚バス駐車場に置けるという案内看板も見たことがありません。このままでは、小田原駅周辺及び観光目的で来たバイクは締め出されるだけであります。このような状況を踏まえお伺いします。
今や駐車及び駐輪はやたらとできる状況にはありません。駐車する者は、自転車であろうと、バイクであろうと、車であろうと、有料か無料かという議論の前に、利用される側が十分な駐車施設を設定しない限り、小田原駅前商業地域や観光としてそのような手段で訪れる方々の減少は避けられないものと推測いたします。
相模原市では、相模原駅前や相模大野駅、橋本駅前にはバイクの駐車場があります。神奈川県西部の交通の要所でもある小田原駅前に、また、観光都市と自負する本市にバイクの駐車場が整備されていない現状を市長はどのように感じられているでしょうか。道路交通法の一部改正に伴い、少なくとも常時バイクを駐車できるスペースを確保する必要があると思いますが、市長の御所見を伺います。
次に、小学校における英語教育について伺います。
平成18年3月27日に、文部科学大臣の諮問機関である中央教育審議会外国語専門部会は、英語について、小学校5年生から週1時間程度を必修化する必要があるとの提言をまとめました。このことは、既に小学校においてゲームや歌などで英語活動を実施している公立小学校が9割以上ある実情を踏まえての提言だそうです。この概要は新聞紙上などでも取り上げられ、その提言に対してさまざまな議論が起きているようですが、情報も錯綜し、なかなか議論の本質や背景が見えにくい状況にあります。
そこで、この小学校における英語教育の必修化について、中央教育審議会の中ではどのような議論が展開され、提言されたのか、また、小田原市教育委員会へはどのような情報が入っているのか、さらには、英語教育は教科とするか、総合的な学習の時間の中に位置づけられるものなのかお尋ねいたします。
最後に、小学校における英語教育の必要性について教育長のお考えをお聞きし、登壇しての質問を終わります。(拍手)
◎市長(小澤良明君)
15番加藤議員の御質問に順次お答えをいたします。
はじめに、あしがら広域圏ネットワークと西さがみ連邦共和国に対する小田原市のスタンスについての御質問がございました。過日、10番今村議員にもお答えをいたしましたように、これまで県西地域では、2市8町全体の枠組みである県西地域広域市町村圏協議会のほかに、足柄上地域の1市5町、西湘地域の1市3町による西さがみ連邦共和国、こういった二つの広域連携組織によりまして、それぞれ連携を進めてきたところであります。このような中、あしがら広域圏ネットワークを設立いたしました。この件につきましても過日お答えをいたしましたけれども、これは、2市8町が加盟をいたしております県西地域広域市町村圏協議会の各首長間の、正式な委員でございますけれども、その総会というか委員会の場で、私の方から、足柄上地域の1市5町の方から、小田原市もぜひ参画してほしいという要請をいただいた、一緒にやってほしいという要請をいただいたときに、お諮りをいたしました。事前に、西さがみ連邦共和国の足柄下郡の3町の首長さんにも、こういうお話があるのでどうお考えですかというお話をお聞きしました。そういうことも踏まえまして、2市8町全体の会議の場で、こういうことの御提案がありますが、皆さん御意見をということで、私が広域市町村圏協議会の会長を仰せつかっておりますので、議長として皆さんに御意見をお伺いしたわけでありますけれども、足柄下郡3町の首長さんの方から、「西さがみ連邦共和国は、もう建国以来数年たっていろんな事業もこなしてきて、それなりの歴史もあって蓄積もある。ですから足柄上地区の方の1市5町の皆さんとの連携につきましては、また小田原市さんも参加をぜひしていただいて、2市5町の広域圏はそれはそれでやってほしい」という御意見がございまして、結果的に、2市5町全体の首長さんの御意見というか、首長さんというか自治体の御意見によりまして、あしがら広域圏ネットワークを設立したということでございます。
ただ、2市8町はいつかは一つになるということは、皆さんそれぞれ正式に合意という形で手を挙げて、あるいは賛意を表したとかということではございませんけれども、暗黙のうちにそういうことはそれぞれ全員の皆さんが理解されていらっしゃるというふうに私自身としては確信をいたしておりまして、そこに至りますまでのいろいろなステップがあっていいのではないか。特に、それぞれの地域の住民の皆さんのお気持ち、意思が大切ですねということをお話しいたしまして、事業の方も着実に西さがみ連邦共和国が踏んできたそういう足取りと同じように、小田原市と足柄上地域のあしがら広域圏ネットワークも、住民の皆さんの一体感、連帯感を醸成するために、ステップアップを図っていって、それがこの地域は一つという成果につなげていかなくてはならんというふうに思っております。西さがみ連邦共和国、そしてあしがら広域圏ネットワーク、私ども小田原市がそれぞれ組織の扇のかなめになって、そしてやがては扇がさっと開いて、非常に美しい形になるというようなものになれるはずだということを考えております。実際的に行政を運営しておりまして、それぞれの自治体の実情とか、それから首長さんのお気持ちとか、いろいろおもんぱかりながら、あるときは慎重に着実に、あるときは積極的に果断に、この問題に取り組んでいかなければならないというふうに思っております。何はともあれ、まずは小田原市がしっかりとした自治体としての基礎的な力をしっかりと培うということがいろんな意味で大切なことではないか。そしてまた、何回も繰り返しますけれども、それぞれの町の住民の皆さんのお気持ちが今以上に、現実問題としては相当広域的につながりは深いわけでございますから、歴史的にもそうでございますけれども、それを一つ一つ積み上げていくという作業の経過の一つとしてこのあしがら広域圏ネットワークもあるというふうに受けとめていただけると私としてはありがたいというふうに思うところでございまして、15番加藤議員の御理解、そして市議会の皆様方、市民の皆様方の御理解もいただければありがたいなと思うところでございます。
次に、西さがみ連邦共和国の事務局体制に関する御質問がございました。西さがみ連邦共和国、足柄下郡3町と小田原市のこの事務局でございますが、その規約により、代表が所属する市町に置くことになっておりまして、当然、代表は私が務めておりますので小田原市に事務局が置かれます。その構成は、事務局長と構成市町の企画担当の職員からなっております。事務局では、共和国事業全体の進行管理及び総合調整や広域連携の推進に関する事務などをとり行っております。西さがみ連邦共和国は、建国して5年目を迎えているわけでありますが、今後とも引き続き1市3町が協力し、事務局の体制を堅持しながら、これまでどおり着実な連携を推進してまいりたいと思っております。また、御承知のとおり、広域ごみの問題やそのほかさまざまな課題が現実的な具体の話として起きてきておりまして、そういう問題から見ましても、今まで以上に着実にしっかりとこの連携を推進していかなければならないと思っているところであります。
西さがみ連邦共和国と足柄上地区の両方にフィルムコミッションがございますが、これを統合したらどうか、また、そうすることによって合併の突破口にしたらどうかというお話でございます。合併の問題でございますけれども、もちろん、それぞれの組織が、私の考えでは県西地域広域市町村圏協議会2市8町の枠の中でそれぞれでき上がってきたものでございますから、それを飛びはねてということではございませんので、このそれぞれの組織のフィルムコミッションにつきましても、将来一つになろうねということの中で、こういう事業も当然のこととして起きてきたというふうに私は受けとめております。「西さがみ連邦共和国フィルムコミッション」は、小田原市と足柄下郡の3町でもちろん構成されているわけでありますけれども、昨年度のロケ支援・誘致件数が102件、「フィルムコミッションあしがら」は、足柄上地域の1市5町で構成されまして、昨年度のロケ支援・誘致件数が58件と、それぞれ着実に地域に根づいた活動を行っております。また、常日ごろからお互いの情報の共有化に努めておりまして、映像関係者からロケ依頼があったときは紹介し合うなど連携を図っております。それぞれのフィルムコミッションの中で、組織の一本化がさらに充実した活動につながるとの意識が高まれば、自然と統合に向けた動きも出てくるものと認識いたしております。今後、その推移も見据えてまいりたいと思っております。
次に、庁内における住民サービスについて数点の御質問がございました。平成15年度に行われました市民窓口課の窓口サービスの改善について、具体的にどのような形で行われたのかについてでございますけれども、受付カウンターにつきまして、届出、証明、交付、外国人登録などの取扱業務に応じたカウンターに区別し、一部のカウンターについては、ローカウンターを設置し、窓口の間隔を広くすることでプライバシーにも配慮いたしました。来庁者に、より適切な案内や、届出・申請書類の書き方についての説明を行うために、フロアマネージャーを配置いたしました。住民異動に伴って発生する事務手続に漏れがないように確認できる、これは事務手続上のチェックの問題でございますけれども、お客様用チェックシートを作成して、しっかりとそうした遺漏がないような形で努力もしているところであります。
次に、市民窓口課の窓口サービスの改善により、どのように利便性・サービスの向上につながったかでございますけれども、受付窓口のローカウンター化によりまして、来庁者が座って対応できることになったわけでありますけれども、障害者や高齢者にもやさしく配慮され、また、取扱業務に応じた窓口の区別によりまして、待ち時間が短縮できたものと考えております。フロアマネージャーにつきましては、市民から親切でわかりやすい窓口になったと好評を得ているというふうに受けとめております。
次に、ワンストップサービスについて、今後でございますけれども、ワンストップサービスは、情報通信技術を活用した事務処理の簡素化・効率化がその基本にございます。市民窓口課では、カウンターの改善や戸籍の電算化など、ワンストップサービス化に向けて環境を整えてまいりました。今後、基幹システムの再構築に合わせ、窓口関係各課の業務が連携できるように庁内に研究会を設け、本市にふさわしいシステムを全庁的に検討してまいりたいと思っております。また、昨今の窓口を取り巻く環境は、郵便局を利用した証明発行が可能となりましたことや、市場化テストを盛り込んだ公共サービス改革法ができたことなど、大きく変化してきておりますので、市民ニーズを踏まえまして、新しい視点からの検討も加えていきたいと考えているところであります。いずれにいたしましても、市民窓口課の中で若手の職員の皆さんが、昨年来、いろいろな改善・改革方に懸命に取り組んでくれておりまして、既に私の方にも何回か中間報告やら提言をいただいているところでございまして、今後、そうしたこともしっかりと踏まえながら進めてまいりたいと思っております。
次に、昼休みの消灯について幾つか御質問がございました。昼休みの消灯につきましては、経費節減及び環境行動計画に基づく省エネ対策の一環として実施をいたしているところであります。その効果につきましては、季節によって多少異なりますけれども、1日当たり約100キロワットアワーの電力節減となっておりまして、年間では約2万5000キロワットアワー、金額にいたしますとおよそ30万円弱の経費節減となっております。
次に、昼休み時間に関する御質問がございました。本庁舎における正午と午後1時のチャイムは、それぞれ昼休み開始と午後の業務開始を職員に周知するためのものであります。この昼休み時間につきましては、市税総務課や市民窓口課等、来客者が多い部署は当番制をとって業務を継続しているわけでありまして、そのために消灯はいたしません。当番制をとる必要のない部署におきましては消灯をいたしております。ただ、当番制をとっていない部署におきましても、職員全員が昼休みだからといって不在になるということにならないように、それぞれの課で何らかの配慮がなされておりまして、来客者があった場合にはその場にいる職員が対応している状況であります。
次に、昼休みの窓口対応について、市民にわかりやすくすべきとの御質問がございました。確かに、省エネルギーの観点から昼休み時間に消灯している所管もございますが、この消灯につきましては、昼休みの来客対応が極めて少ない等、業務上消灯しても支障がないと判断した所管について実施をしているところでございます。本庁舎の昼休み時間の対応状況をもう少し細かくお話をさせていただきますけれども、当番制を実施しているところは、54部署中23部署にて実施しておりますが、しかし当番制を実施していない部署についても、先ほどもお話しいたしましたように、職員全員が不在にならないように配慮いたしているところであります。そして、消灯の実施をしているところでございますけれども、54部署中47部署にて実施をいたしております。ただし、47部署中9部署につきましては、これも先ほどもお話しいたしましたが、部分的に点灯しているということでございます。昼休みに消灯している所管につきましても、その時間は窓口対応をしていないと思われる可能性もそういうことでございますから、御指摘も踏まえまして、来客者に対する声かけ等を指導してまいりたいと考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。
次に、道路交通法の一部改正に伴う放置駐車取り締まり強化に関連した御質問でございますが、まず、放置駐車取り締まり強化路線及び区域決定の経過について御質問がございました。決定に当たりましては、小田原警察署長を委員長とした検討委員会が設置されまして、自治会総連や商店街連合会、小田原市等の関係団体が参加いたしまして、協議検討をしたということであります。その結果、駐車の苦情や110番通報の多い路線、また周辺に十分な駐車場があるのに駐車違反が多い路線などを選定したわけでありますが、その中には錦通りは含まれていなかったということであります。なお、周辺の駐車状態や交通流動の変化に伴い、将来的には路線や区域の見直しをすることもあるというふうに伺っております。
次に、バイクの駐車対策に関する御質問でございますが、小田原駅周辺の125cc以上のバイクの駐車場といたしましては、小田原駅西口第一自転車駐車場に9台分を確保いたしておりまして、定期利用者がこれは利用されております。また、観光客など短時間の利用者につきましては、城内臨時駐車場の一部を無料の自転車駐車場として活用しており、そのスペースにバイクも100台程度置くことができるということでございまして、利用をしていただいているところであります。なお、今後とも、この駐車場所のわかりやすい表示やPRに努めるとともに、利用状況などを見きわめながら、必要な措置も講じてまいりたいと考えているところであります。
15番加藤議員の御質問のうち、小学校における英語教育につきましては、教育長からの答弁とさせていただきます。
以上をもちまして、15番加藤議員の御質問に対しましてのまずは市長の方からの答弁とさせていただきます。
教育長(青木秀夫君)
15番加藤議員の御質問のうち、小学校の英語教育については、私からお答えをいたします。
はじめに、中央教育審議会における議論等についての御質問がございました。中央教育審議会の審議の中では、現在の子供たちには、コミュニケーション能力を育成することや、言葉や文化への幅広い関心を持たせることが重要であるとの意見が出されております。また、小学校の英語教育について、小学生の柔軟な適応力が英語の音声や基本的な表現になれ親しむことに適していること、グローバル化の進展の中で、小学校での英語教育の必要性が高まっていること、そして、小学校の英語教育が中学校・高等学校での英語学習の素地をつくるものであることなどの意見が挙げられております。こうした議論を受け、高学年から英語教育を充実する必要性が高く、授業時間数は年間35時間程度との提言がされておるところでございます。
次に、小学校の英語教育に関する小田原市教育委員会への情報についての質問がございました。現在のところ、文部科学省からの正式な通知等はありませんが、文部科学省や中央教育審議会のホームページによりますと、他教科と授業時間数をどのように調整するのか、いつから小学校英語を実施するのかなどを含め検討を進めているとのことでございます。いずれにしても、小田原市教育委員会としては、将来的に小学校の英語教育が導入されることを踏まえ、国や県の動向に注視しながら対応を図ってまいりたいと思います。
次に、小学校の英語教育の位置づけについて質問がございました。中央教育審議会の審議の中では、小学校の英語教育における教育課程上の位置づけについて、道徳や特別活動のような領域または総合的な学習の時間として位置づけることとしております。また、教科として扱うことについては、教育内容や学習評価についての研究をさらに積み重ね、その実施状況を評価しつつ、今後の課題として検討することが適当であるとしております。いずれにしても、教育課程上の位置づけをどうするかなどについては、今後、引き続き検討する必要があるとのことでございます。
次に、小学校における英語教育の必要性についての教育長の考えについて質問がございました。国際化の流れの中で、小学校の英語教育を進めていくことは必要であると考えております。現在、市内の全小学校においては、小学校英会話講師派遣事業による講師や外国語指導助手の支援を受けて、何らかの形で英語教育を行っておるところでございます。今後の小学校の英語教育については、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育成し、国際理解を深めるとともに、中学校の英語教育と連携するという視点が重要であると考えております。
以上をもって、15番加藤議員の質問に対しての答弁とさせていただきます。
【加藤仁司】
それでは再質問をさせていただきます。
午前中に市長並びに教育長から御答弁をいただきました。先ほど来お話しさせていただいたこのあしがら広域圏ネットワークについては、私で3番目の質問ということで、合併にちょっと前向きではないのかなという市長の姿勢は、この質問の中でそういうふうに感じ取ったんですけれども、確かに、小田原市の健全な財政、また効率化が図られているという中では、こちらから積極的に働きかけないという姿勢が出されました。私の質問の中に入れさせていただいたんですが、中核市という言葉を出させていただきました。小田原市を中核市にしようという決意のほどは感じておりません。そうなっていくると、中核市というのは果たして今現在、魅力的なものではないというように市長はとらえているのかな、このような感じがいたします。先週のちょうど10番今村議員の質問の中で、消防設立の議論で、今、人口30万以上というのを国の方としては一つの行政の単位ということで、何かだんだん考え始めているのかなという思いがいたします。人口30万といいますと、中核市の要件の一つでもあるということで、合併云々の話が当然ありますけれども、この中核市に向かいたいという姿勢、希望、ここら辺が市長の方はあるのかどうか、これをまず再質問の一つとしてお聞きしたいと思います。
それから西さがみ連邦共和国の事務局はそのままでこれからも運営をしていきたいということであります。皆さんごらんになった人もいるかと思いますが、ちょっと前にNHKで小田原の特集を2週にわたって組まれました。また、きのうはちょうど日本テレビでしたか、小田原のお店とかそういったところを回った番組を私も見ました。今、小田原を紹介する番組が大変多くなっているという感じがいたします。それで、先ほど言いましたフィルムコミッション事業、これについては情報の共有化も今図っているということではありますけれども、あしがら広域圏ネットワークの趣旨とすれば、やはり、今あります「フィルムコミッションあしがら」と協働でこれからもどんどん取り組んでもらいたいですし、ちょうど今年度は「小田原映画祭」の2回目ということで、たしかショートムービーとかそういうふうなものも、今までは西さがみ連邦共和国の範囲内で、そういったところを題材にムービーコンテストをやったという実績がありますけれども、今回、このあしがら広域圏ネットワークが設立したということで、その対象を足柄圏域全域というような形で広げてもいいのじゃないのかなと、このように思いますので、それについてお答えをいただきたいと思います。
それから庁舎内における住民サービス、ワンストップサービスのことですが、今、いろいろ検討会を開いていく、新しいシステムの検討をしたいということですけれども、市民にとってみれば、例えば本庁の2階がこのようなサービスが充実したということであっても、地域はいろいろ広いです。本庁に皆さんが来られるとも限りません。そこで支所がありますけれども、今、支所自体がやはりワンストップサービスの機能を相当有しているのじゃないのかな。じゃあそういった支所をもっとつくればいいじゃないかということになりますと、今度、行政のスリム化の部分から反してしまいますので、先ほど御答弁をいただきましたけれども、郵便局もしくは例えばコンビニとかも、これから先どうなるかわかりませんけれども、個人情報の保護を図りながら、使えるような形が来ればいいのかな。今、一極に集中する体制よりも、ちょっと広げた形の中で整理された方が逆に市民の利用はしやすいのかなと、そんな感じがいたします。コメントがあったらいただきたいと思いますが、2番目の(1)については、ちょっとそういうふうな思いを言わせていただきました。行政はどのような考え方でいられるか伺いたいと思います。
それから消灯の件ですけれども、エネルギーの消費量、年間30万円ほどの経費節減になっている。1日に換算すると1000円程度なのかな、案外少ないなという感じがいたしました。職員の方がゆっくり休憩をとるということは本当に必要なことだと思います。また、ある一方では市民サービスがいつでも受けられる、こういったことも必要だと思うので、両方が、何といいますか、背中合わせというかそういったところで、私自身も、こうすべきだというようなところは、正直どれがいい方法なのかなというところはちょっと苦慮するところですけれども、ただ、消灯している部分の理由は昼休みの対応が極めて少ないからという御答弁がありました。果たしてそうなのか。消灯しているから市民も行きにくくて行けないんだということが、結果的に利用が少ないということも場合によってはあるのかな。ちょっとそのような思いがいたします。消灯しているところの部署は、無言のうちに「市民は来ないでくれ」と言っているような感じも正直いたします。ここら辺をどういうふうに解決していくのかがかぎだと思うんですけれども、ただ私も回った中で見ると、職員の方が本当に真っ暗やみの中でお弁当を食べている場面を見るんです。本当に場所によっては明かりが何にも入ってこない。雨や曇りのときなんていったら本当に真っ暗。この中で、せっかく奥さんがつくってくれたお弁当を、彩りとかいろんなことを工夫してつくっているものを全く手探りの中で食べているような、こういうふうな形は体にもよくないし、せっかくお弁当をつくった方にも失礼じゃないのかなと、こんなことも思いますので、昼どきぐらいは確かに気持ちよく休んでもらいたいんですが、ここら辺のところからすると、完全な消灯というところまでいかなくてもいいのじゃないのかな。先ほど市長の方からは、職員から声をかけてどうぞということをやっていこうよなんていうお話もありましたけれども、せいぜい「ただいま食事中です。用事のある方はどうぞ言ってください」という立て札なりを立てて、場所によってはそんなに全部暗くしなくても、多少の必要最小限の明かりはつけながら、お昼を迎えるということでいいのじゃないかなと思いますが、これはまた検討いただければということで、特に今ここで結論をつけようとも思っておりません。ただ何年も当たり前のことのようにしていたことが、よく考えると、何でこういうことが行われているのかな、わからないことが多々あるということを御理解していただきたいなと思います。これは理事者の中でよくお話し合いをしていただければということで意見にとどめさせていただきたいと思います。
それから3番目の放置駐車車両。実際私も、小田原駅の周辺、放置駐車の取り締まりの重点エリア、ここを回ってみたところ、先ほどちょっと指摘した錦通り、ここのところに自転車が数台、あと車が3台ほど、その中には車が歩道に乗り上げて、運転手が乗っておりましたけれども、そういった実態を目にしました。また、あそこの通りは歩道と車道の区別がつきにくくて、茶色系のタイルですか、あれもところどころはがれていて横断歩道も見えない。そういう状況に加えて歩道も狭いということで、これは見直しをしていくこともありますという答弁をもらいましたけれども、即刻、ここについては実情を把握して対応すべきではないのかなと思います。私の見方からすれば、この見直しの期間とかを待たずに即、実情の調査をして、特定エリアに追加すべきではないのかなと思いますが、それについてのお答えをいただきたいと思います。
次の(2)のバイクの方ですけれども、城内臨時駐車場に置けるということではありますが、実際にあそこに置けるということを知っている市民は本当にどのくらいいるのかな。私もちょっと見ましたら、大変小さいもので、自転車・バイク駐車場という掲示しかありません。ここのところは、特に城内臨時駐車場の看板、これは二輪車の入庫はできませんという大きな看板が出ております。その手前のところに、今言った自転車・バイク駐車場ということが書いてありまして、とてもアンバランスです。ですから早急にそこの看板を整備していただきたいと思いますし、また、この部分にとめられるよというのは、タウン紙や広報、観光案内の掲載、こういうふうなことをぜひ進めてもらいたいと思います。
また、観光客なんていうのは、特に城内臨時駐車場の場所というのはよくわからないと思いますので、どこからでもお城周辺に来たら誘導できるような誘導看板の設置も早急にすべきだと思いますが、これについての御答弁をいただきたいと思います。
また、今、観光のバイクを中心にお話ししましたけれども、商店街等を利用する方々の駐車場もバイクについては整備されているとは思いません。ぜひとも、商店街の利用者用のバイク駐車のスペースを、商店街と一体となって行政も考えるべきだなと思うんですけれども、これについてもその検討をするつもりがあるかどうか、これを伺いたいと思います。
最後に、小学校における英語教育で御答弁をいただきました。先ほど教育長の考えはという中に、今現在の小田原の小学校の実態、ちょっと触れられましたけれども、もうちょっと具体的に、小学校における英語教育、今後の取り組みといいますか、実態がどうなのか、それを再度伺いたいと思います。
以上です。
◎市長(小澤良明君)
15番加藤議員の再質問にまず私の方からお答えいたします。
市町村合併に関係して中核市の問題につきましてお話がございました。御承知のとおり、私は、昨年まででしたでしょうか、5年近く全国の特例市の会長を務めてさせていただきました。その過程の中で三位一体の構造改革が進んだりしまして、率直な話、特例市が創設時よりもいろんな意味で各市のそれぞれのレベルに応じてのステージというのを段階分けされたわけですけれども、そういう議論が、何というんでしょう、非常に影が薄くなったというとちょっと違うのかもしれませんけれども、もうそういうレベルでなくて、現在でも、政府、それから総務省、あるいは総務大臣、あるいはまた民間のさまざまな審議会や何々会議とかというのが、分権に関してさまざまな提言をされています。そういう中でも、現在の特例市を中核市に、中核市を政令市に、政令市は都道府県並みに権限を近い将来拡充していくというような提言もあったりいたしまして、多分そういうふうになっていくのかもしれません。現在のところ、中核市は何が魅力といいますと、保健所の設置ができるということでありますけれども、小田原市の場合、率直に言いまして県の保健所が市内にありまして、その一番最大の魅力が、あれを市が引き受けて何ほどのことが市民にとっていいのかということと、それは確かに市がやればもっと今までより濃密なこともできる、また国からのいろいろな支援も期待できるということもあると思いますけれども、一方では経費もそれだけ支出せざるを得ないというようなこともありまして、特例市のときも私が常に国や総務大臣や総務省の幹部の皆さんにお願いしてきたことは、とにかく、住民の皆さんに特例市になって何がメリットなのか、もっとわかるような権限をいただきたい。中核市の首長さん方も皆さん同じようなことをおっしゃっていられる。ですから率直な話、中核市がどうとか特例市がどうとかいうことでなくて、現状では、むしろ15番加藤議員がおっしゃるように、2市8町、三十数万の人口規模になりますから、そのスケールメリットみたいなものが、どう現在の小田原市民に説明できるのか。過日の答弁でもお話ししましたけれども、短期的にはいろいろマイナスもあると思います。むしろそちらの方が多いのかなと思うくらいに、ちょっといろんなことが広域化ということでいいますとあるかもしれません。
しかし、長期的には絶対に価値もあるし、住民の皆さんも絶対に納得していただけるし、また、そうあるべきだという住民の方が多分多いのではないか。ただ、現実に短期的な直接市民一人ひとりにかかわるデメリットみたいなものがかかってきますと、そこのところの判断というのは、皆さん合併問題になって、名前のことから、一番わかりやすいのはそうですけれども、一つ一つがこういうふうにきます。ですから私の方は何回もお話ししておりますように、合併問題は、とにかくいざ立ち上がるとき、そういう必要が起きたときには、すぐにでも対応できるだけの行政側としては対応をきちっとしておく。それから何よりも、まずその前に住民の皆さんが果たしてどの程度の御理解や認識があるのか。御理解とか認識とかというのは相当進んでいると思います。一般論としては進んでいますけれども、じゃあ小田原市が合併した場合にどれだけどういうことになるのか。これは相手様のことがなくてはいけませんから、少なくとも相手様といろいろな了解がありませんと、ここと合併した場合、これだけなりますよということもなかなか言いにくいんですよね。ですから行政間の報告書みたいな形でいろんな研究調査が行われておりますけれども、できればそういう点も含めて、議会にも特別委員会があるわけでありますから、ぜひ住民間の意識の醸成というものには、2市8町の合併論者の皆さんが多いというふうに思いますので、いろんな面で皆様方の方からも御支援いただけたらと思います。ただ私の方は、ですから合併がいいとかいけないとかという議論の以前の問題をもう少ししっかりとしていく必要がある、あるいは蓄積もしていく必要があるというふうに思っているところでありまして、慎重で着実にと思っていますけれども、そのことに消極的であるというようなことは一切ありません。ただ慎重であったり、これは本当に一つ一つやっていかないと、結果的に回り道になってしまう。もう既に先行事例がそうでありますから、そこのところを非常に着実にやっていかなければならんなというふうに私自身は思っているところでございます。
それからワンストップサービスの問題でありますけれども、御指摘のとおり、どんどん分権、あるいは公のものを民間にということでいろんな権限移譲も進んでおりますし、規制緩和も進んでおります。郵便局やコンビニがいろんなことができるようになったり、なろうとしております。これにつきまして、先ほどもお答えいたしましたけれども、市民窓口課の若手職員等も研究会をずっと重ねてくれておりまして、いろいろなケースに応じてこういうことになるとかというような話は、私の方にある程度の報告はもらっております。ただ、これも相手様のことと、例えて郵便局を言いますと、今、郵便局は郵政公社から民営化になる途中で、率直に言ってまだ相手側もある面で相当動いているところもあるようでありまして、そこのところでいろいろ連携はしておりますけれども、まだそれではこうしましょうという段階になりにくいといようなこともございます。投資と効果でございますから、そこら辺をしっかりと見きわめながら進めてまいりたいと思います。
それから御指摘のとおり支所の拡充がむしろというようなお話がございました。山橋前市長さんのときに支所の6地域センター構想というのができまして、しかし時代は効率化と同時にコミュニティを大切にするというような考え方にもちょうど変わってきていて、ですから当時14もある支所を統廃合していく中で、地域からも行政の内部からも、むしろ行政が本庁にこもっていないで外に出ていくべき時代になっているのではないかというような御提言や意見もあって、私自身もそれも確かだと思いました。しかし、一方では情報化が進んでおりまして、効率化という面では少し集約化していく必要がある。その地域のコミュニティの拠点としての支所なりそういうたぐいのもののあり方と、それからいろんな意味で効率的に運営していかなければならないのですけれども、行政の窓口のサービス等の充実という意味で、統合していく中でも6地域センターというのを構想としてやった。その中で、支所の機能を行政事務の窓口機能と、地域の皆さんのレセプション機能と申しますか集会機能みたいなものを分けた方がいいと。ですからそれをただいきなり真っ二つに分けるということもなじみませんので、地域の皆さんが、古い支所でもいいから自分たちも使えるようにしてほしいという要望に関しましては、例えば下府中支所ですとか酒匂ですとか、ああいうところについては大切に使って、地域のコミュニティのコアとして使ってほしいというようなことでお願いをしてきたわけです。一方では、マロニエに統合したというようなことにしてまいりました。ただ、これは多分過渡期だというふうに思っています。もう少し行きますと、役所の中は例えば10人いればいいので、外にも同じ10人ぐらいを出せという発想になる、じゃあ役所の10人は何をするんだということの議論を既にいろんな場所でしておりますけれども、このところは、まずは市民の皆さんが何を行政に期待するのか。今のこの激動期はそうですけれども、将来安定してしっかりと向かっていくときに、行政というものはどうあるべきか、どういうものを期待するのかということに関しましては、経費の問題もありますから、あるいは社会の会費、一員としての会費の税の問題もありますから、その見合いになってくると思います。そこのところが一つ過渡期を乗り越えていかないと決まっていかないのではないかなと思っています。ですから職員の削減なんかも急速に進めてきましたけれども、これもどこまで進めていけばいいのかということに関しましては、やはり一定のレベルのところでは住民の皆さんの意向も聞いて、そこのところは踏みとどまるところは踏みとどまる、あるいはむしろふやしていかなければいけないところも出てくるということも、これは当然のこととしてあり得るというふうに思っております。
それから昼休みの消灯問題につきましては、消灯しているから少ないのか、少ないから消灯してしまうのかというお話がございました。鶏と卵みたいな話になりますけれども、いずれにいたしましても、もう一度それぞれの課が、今、15番加藤議員の御質問も受けまして、住民から見てどういうことがいいのかという、こちら側の都合でなくて、もちろんそういうことで今いろんなことをやっているわけですけれども、省エネの側面もありますし、行政サービスの充実の側面もありますし、いろんなことがありますから、あるいはあと先ほど奥さんがつくる職員のお弁当の話もありましたけれども、職員のマインドの問題もいろいろ言ってみればありますから、それぞれの課でもう一度しっかりと検討して、それでこういうふうにしたいということをまとめ上げていきたい。行政経営室とか職員課とか市民窓口課とか、それぞれどこでどういうふうにしていったらいいのか内部でも検討しまして、ただお受けするだけでなくて、もう一度チェックをしてみたいというふうに思っております。
他の問題につきましては、担当からお答えいたします。
◎助役(市橋匠君)
映画祭のショートフィルムコンテストについての募集の御質問でしたが、第1回のときもそうでございますが、市域に限らず全国的に募集いたしておりますものですから、広く今回も募集していきたいと、このように思っております。
以上です。
◎市民部長(一寸木吉久君)
放置駐車に関する再質問がございました。まず私の方から数件御答弁申し上げます。
まず、錦通りを取り締まり強化路線として選定するよう再検討したらどうかという質問がございました。この件につきまして小田原警察署に確認をしたところ、錦通りにつきましては、駐車監視員が取り締まりをする強化路線には含まれておりませんけれども、駐車禁止の交通規制はかかっておりますため、日常的に警察官による取り締まりは行っているという回答を得ております。今後は、この警察官による取り締まりの強化を要請するとともに、錦通りでの駐車の苦情や要望が多いようであれば、錦通りを強化路線に追加するよう要請してまいりたいと思います。
それから城内臨時駐車場についてのPRにつきまして御質問がございました。看板表示につきましては、15番加藤議員の質問通告を受けまして内部で検討した結果、何ら看板表示がされていないことが判明しましたために、急遽、手づくりで城址公園北入り口に設置いたしました。ただ、さらに見やすい場所への看板設置やホームページの記載、広報紙等での周知をさらに図ってまいりたいと思います。
以上です。
◎経済部長(鈴木哲夫君)
商店街利用者のバイク対策につきましての再質問につきましては、私から御答弁申し上げます。
商店街団体から、空き店舗や空き地等を活用した駐輪場等の設置につきましての相談がございましたら、現在、商店街活性化のための環境改善や施設整備を図る事業に対します「商店街活性化空き店舗等活用補助制度」等がございます。こういった制度の中で対応について御相談してまいりたいと考えております。よろしくお願いいたします。
以上でございます。
◎教育長(青木秀夫君)
15番加藤議員よりの再質問につきましては、私からお答えをいたします。
小田原市の小学校における英語教育の現状と今後についての質問がございました。市内の小学校における英語教育の現状についてですけれども、現在、学級担任が講師と協力し合って、高学年を中心に英語教育を行っております。講師としては、小学校英会話講師派遣事業により講師を1校当たり年間8回程度派遣しており、また、4名の外国語指導助手を全小学校において年間で合計30日程度派遣しております。また、足柄小学校では、神奈川県教育委員会の小学校英会話活動研究委託を受けて、平成16年度から実践を積み重ね、本年度、研究成果の発表が予定されております。教育委員会としても支援を行っているところでございます。
次に、今後の小学校の英語教育についてでございますけれども、先ほどお話をさせてもらいましたが、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育成、国際理解を深めるとともに、中学校の英語教育と連携するという視点、これが大変重要であると考えております。いずれにしましても、小田原市教育委員会としては、将来的に小学校の英語教育が導入されることを踏まえまして、国や県の動向を注視しながら対応を図ってまいりたいと思っております。
以上でございます。
【加藤仁司】
再質問の答弁をいただきました。中核市の件につきましては、市長から、確かに保健所機能ですね、この部分の移譲ではあまり魅力的には感じていないというような形になります。確かに市長のお立場になれば、先ほどから話している合併とかそういう議論は慎重にやるべきだという市長の態度のところは十分に理解するわけです。中核市の機能、たしか今現在、中核市で連絡会というのもつくられているようですが、これも地方税財源の充実確保に関する要望等も出されているということも聞いています。とにかく、今の権能だけでは、積極的に例えば特例市が中核市になりたいというような魅力はあまりないんだというようなことも、何かの機会に言うようなことがあればいいのかな、このように思うわけでもございます。これは意見ということにとどめさせていただきます。
また、住民サービスの件もワンストップの部分については省かせていただきます。
放置駐車の対策。これは市民部長の方から御答弁がありましたが、今一口にバイクといっても排気量だったり大きさもさまざまです。先ほどちょっと申し上げました看板、バイク駐車場という表現だけでは、どうしても自転車とバイクがひっつきますと原付のことを指すようにしか思えないというところがあります。ですから、とめられるところの部分については、最大幅がどのくらいとか、入り口もたしかあそこの場所は大変狭いところなので、最大幅がどのくらいまではとめられるとか、普通自動二輪また大型自動二輪もとめられるとか、そのような具体的な形の看板でないと戸惑ってしまうということも指摘をさせていただきます。いずれにしても、その辺については、ぜひとも、ホームページの掲載をはじめ、いろいろなところに駐車ができるということをお願いしたいと思います。
それから放置駐車の質問を出したところ、市民の方から言われたんですが、小田原駅周辺のところで、タクシー乗り場でないところにタクシーが待機しているというようなお話がありました。運転手の方はずうっと乗っておりますので、違法駐車ということではないのかもしれないのですけれども、この法の改正後も数台のタクシーがとまっているということです。そこにはいろいろな事情があると私どもも伺っているんですけれども、先ほど庁内の消灯のときにも申し上げましたように、今まで当たり前だったところがもう一度それでいいのかどうか、それをぜひ考えていただきたい。市民からのそういった御指摘でありますので、今のタクシーの件も今後どのようにしたらいいか、ぜひとも御検討、また機関との調査・調整、ここら辺を図っていただきたいと思います。
それからこの小田原市内だけに限らず全国そうだと思いますが、駐車場は大体が30分単位で駐車時間をたしか設けていたと思います。小田原市内にあるかどうかわかりませんが、ちょっと用事をしてすぐ戻るからということで安易にとめてしまうという人が非常に多いと思います。そうなってきた場合には、10分刻みで駐車場が利用できる、こういったことができればもっと違法駐車もなくなるし、駐車場の利用者も多くなるのじゃないかと思いますので、市営駐車場もあります、民間の駐車場もあります、ここら辺のところの10分刻みの駐車が可能かどうか、また、そういったことを関係の方々と調整することができるのかどうか、これを再度伺いたいと思います。
それから小学校の英語教育の導入につきましては、当時の文科大臣の方が、既に9割の小学校が英語活動に取り組んでいると。先ほど教育長から御答弁がありましたが、小田原市もそのうちの一つだったと思います。また、インターネットのコンテンツの9割が英語だということを今回の必修化の根拠に挙げているわけですけれども、私の方から見ると、総合的な学習の時間をある程度もてあましてしまっているという結果でこのようなことが取り入れられているのかなと。これはちょっと辛口なのかもしれないですが、そういうふうな思いもあります。また、ある方からは、日米貿易摩擦の所産としてこれが生まれたというような指摘もあります。また、コンテンツ自体も英語であっても、今翻訳ソフトも十分充実されておりますので、それが根拠であるとはちょっと思えないということで、これにつきましてはまだまだ文科省で固まっておりませんので、またそういった話が出てきたときに議論を進めたいと思っております。
以上です。
◎市民部長(一寸木吉久君)
放置駐車取り締まり強化への対策としまして、周辺駐車場の短時間利用への対応につきまして再々質問がございました。短時間駐車につきましては、現在、市営駐車場の栄町駐車場が入庫時間から30分以内の利用であれば無料となっておりますので、ぜひともそちらの方を御利用いただきたいと思います。
また、御提案の10分単位の料金設定の問題でございますけれども、まず市営駐車場につきましては、管理運営をお願いしております財団法人小田原市公益事業協会の方に相談してみようと思っております。また、民間駐車場につきましては、これはなかなか難しい話ですけれども、民間の料金の話はあくまでも営業行為になってしまいますので、なかなか難しいことと思いますけれども、行政の立場から何らかの研究は必要ではないかと思っております。
以上です。