平成20年3月議会会派「フォーラム21小田原」代表質問

2008年03月01日

平成20年  3月 定例会

◆14番(加藤仁司君) 私どもフォーラム21小田原は、1番鈴木議員、2番杉山議員、11番井原議員、12番三廻部副議長、13番武松議員、21番相澤議員、22番大野議長、23番細田議員、そして14番加藤の9名で構成された会派であります。今回は、私、14番加藤と1番鈴木議員の2人で会派を代表し、通告に基づいて質問をいたしますが、既に4会派による代表質問が行われ、施政方針及び平成20年度予算、「ビジョン21おだわら」における諸施策についてさまざまな質疑がなされております。極力重複を避けての質問を行いたいと思いますが、重複の場合には御了承くださるようお願いいたします。

はじめに、小澤小田原市長は、平成4年より4期16年の間、亡き山橋前市長の後任として市長職を務められ、政務に励んでこられました。今期をもって御勇退を決意されましたことは非常に残念なことではありますが、本会議場に限らず、さまざまな場面で議論させていただいたことは、忘れ得ぬ思い出でもあります。定例会における議論はこれが最後となりますので、心して、施政方針をはじめ「ビジョン21おだわら」の施策について、数点にわたって質問してまいります。

まず、質問項目の1、平成20年度施政方針の「真の実力ある都市・城下町小田原」を目指すことについて、各項目ごとに質問いたします。

はじめに、県西地域合併について伺います。

平成11年の地方分権一括法の制定後、全国的にも市町村合併の波が打ち寄せ、平成の合併と言われるとおり、平成11年3月に3232あった自治体が、平成18年3月には1821と、半数近い数となり、平成20年11月には1785の市町村となる予定であります。言うまでもなく、合併の背景としては、多様な行政施策の展開のためには、一定規模の権限や財源、人材の必要性、少子高齢化の進展によるサービス水準の確保、日常生活圏拡大による行政需要の増大、行政改革の推進等が挙げられます。このことは、昭和の大合併から約半世紀が経過し、人々の生活の多様化や交通・通信手段の発展による新しい自治体運営には、行財政基盤の強化を図らなければ実現しないことから、合併が加速してきたと思われます。神奈川県においては、相模原市に相模湖町と津久井町が平成18年3月20日に、続いて城山町と藤野町が1年おくれの平成19年3月11日にそれぞれ編入、新しい相模原市が誕生しました。

このような背景の中、本市をはじめ、南足柄市、中井町、大井町、松田町、山北町、開成町、箱根町、真鶴町、湯河原町の2市8町による県西地域合併検討会が発足し、この2月の会合で3回目を迎え、現在、報告書承認の段階まで来たと伺っております。今後のスケジュールによると、概要版により、市・町内各地で説明会が開かれるようですが、質問の一つ目として、県西地域合併検討会は今後どのようなスケジュールとなっているのか伺います。

次に、限時法である合併新法では、平成22年3月までに合併を行った場合、特例措置が適用され、国や県による財政支援も期待されるところですが、この県西地域の2市8町が平成22年3月までの合併を目指す方向である場合、合併を行った他市町村のスケジュールを逆算すると、任意合併協議会の設置を直ちに行わないと間に合わないように思われますが、任意合併協議会の設置についての考えを伺います。 続いて、合併自体については、全国的にも賛成、反対、行政の独断専行、住民投票で決裂等の活字が飛びはね、さまざまな葛藤が繰り広げられてきました。合併に疑問を持つ各市町村住民にとっては、名称や地名が変わってしまう、古くから親しんできた土地が変わってしまうなどの感情論が優先することも多いようです。しかしながら、どのような合併の形態であっても、合併によって市民生活にどのような影響があるかが是非論の主体であることには間違いないと考えます。そこで、本市における合併のプラス面、マイナス面、双方の影響についてはどうであるのかお尋ねいたします。また、合併を行うことで、県西地域はどのような将来像が描かれるのか、また、描きたいのか、市長の御所見をお伺いいたします。
次に、「まちの魅力とにぎわいの創出」について何点か伺います。
その1点目として、お城通り地区再開発事業について伺います。
現在の小田原駅周辺をはじめとする中心市街地は、時代の流れの中で、消費者ニーズの多様化や郊外型大型店の出店などにより、市民はもとより、観光客のにぎわいも以前に比べて寂しくなった感は否めない状況にあります。そのような中、何とかしてまちのにぎわい創出のために、本市においてはその起爆剤となるべく、お城通り地区再開発事業、(仮称)城下町ホール、小田原城址の整備を一体的に進めていくことが非常に重要であると認識しております。
お城通り地区再開発事業は、平成16年12月の小田原駅周辺問題調査特別委員会委員長報告において、旧国鉄貨物ヤード跡地地区を本市が取得した過去からの経緯を踏まえ、駅前の各種整備に合わせ、広域交流拠点整備構想の目的達成のため、事業の早期実現を図るべきとの多数意見を得たことをもとに、昨年9月の事業用地の土地開発公社からの買い戻しの債務負担行為の議案も、19対8の圧倒的多数で可決したことは記憶に新しいところであります。昨年10月には、再開発用地の地権者全員の協力または参加が得られることになり、進出するテナントとの交渉の中で、現在、より実際的な建築プランの変更が行われてきているところであります。また、昨今の資機材の価格高騰のあおりを受け、原材料である鉄鉱石買入価格が65%高となるなど、建築用鋼材価格の上昇は避けられず、おくれればおくれるほど事業費が高騰するのは明らかな状況にあります。
そこで伺います。まず、この事業に反対している方が市長選で当選すれば、事業がとまると考えている市民がいることについて、現市長の御所見を伺います。また、万一、新市長が事業執行をおくらせた場合、地権者、事業施行者と本市について、具体的にどのようなことが想定されるのか伺います。
次に、2点目として、(仮称)城下町ホールについて伺います。
神奈川県企業庁と(仮称)城下町ホールの建設について、平成19年10月30日に協定を締結しました。これが建設に向け、大きな一歩を踏み出し、いよいよ具体化するものとして、大きな期待を抱いているところです。また、市民会館の耐震性の問題という面からも、(仮称)城下町ホールの建設は一刻の猶予も許されません。しかし、協定締結後、ほぼ4ヵ月を経過するにもかかわらず、企業庁による建設工事はいまだに行われていないと聞き及んでおります。さきにも述べましたが、新聞紙上では、建設用鉄鋼をはじめとする建築用資材の高騰が連日報道されており、(仮称)城下町ホールの建設にも悪影響を及ぼすものと憂慮しています。昨年10月に市が企業庁に提出した設計書に記載している各種建築用資材の単価や見積価格は、4ヵ月経過した現在、既に相違が出てきている状況です。このまま入札、契約と進めていくには、設計書の修正などの作業が必要になり、市や県企業庁にとって、事業の遅延は何のメリットもありません。そこで、まちの魅力とにぎわいを生み出すための重要な要素である(仮称)城下町ホールの早期着工を願いながら、何点か伺います。
はじめに、神奈川県企業庁は、行政間の約束として、10月30日、「城下町ホール(仮称)建設に関する協定書」を締結しているにもかかわらず、今もってなぜ建設に着手しないのか。市はこれまで、市民の長年の悲願である(仮称)城下町ホールの一日も早い完成のため最善を尽くすと約束してまいりましたが、企業庁との協定締結以来、4ヵ月もたつのに、入札も行われていない事態に対して、市としてどのように対応しているのか。また、このままでは協定書で決めている完成期間内での建設さえできないのではないかと危惧するところですが、建設着工に向けたスケジュールをどのように見込んでいるのか、あわせて伺います。
次に、3点目として、アジアセンター跡地整備について伺います。
アジアセンター跡地は、西に石垣山、南に相模湾、東に小田原城と、歴史的・景観的にも最高のロケーションであることは、訪れたことのある方は理解されると思われます。これまでのさまざまな取り組みの成果により、この土地を結果的に市が取得できたことは、大いに評価をするところです。その一方、国指定史跡に指定されたため、最終的には外観復元をし、土塁としての復元整備となるべきものと理解をしております。しかしながら、アジアセンターの建物がすべて撤去され、土塁が大きく切り土された現状を目の当たりにすると、外観復元をしつつも、切り土された土塁内部は活用が可能ではないのかと考えます。そこで2点伺います。まず、現時点で跡地整備についてどのような方向性にあるのか。次に、「史跡小田原城跡本丸・二の丸整備基本構想」実現のために、市立図書館や郷土文化館の移転先として、この地に埋蔵文化財展示や市立図書館収蔵機能を持たせた施設が必要だと思いますが、市長の御所見を伺います。
4点目は、小田原城歴史見聞館の今後について伺います。
小田原城歴史見聞館は、平成10年に、今まで城内にあった旧三の丸小学校体育館を改装してオープンいたしました。この施設については、当時、現在建て替えが終わった旭丘高校の現地再建問題と絡んで、史跡純化を進める文化庁及び本市の「史跡小田原城跡本丸・二の丸整備基本構想」における不適格施設として撤去されるべきであったものを、暫定的な歴史展示施設に特化した施設として開館されたものであります。市長も御承知のとおり、その整合性についての疑問を、本会議においても何度となく議論を重ねてまいりました。はじめは、当施設は暫定的なものであり、構想による節目の一つと設定された平成16年度まで、事業収入と必要経費の採算性を図るとのことで理解を求め、その後には、起債償還を迎える平成19年度まで続けざるを得ないとの既成事実を繰り返してきました。既に設置から10年が経過し、起債も償還された平成20年度予算にも、小田原城歴史見聞館に関する費用が計上されておりますが、今後はどのようにするつもりか、御見解を伺います。
私は決して、見聞館のような施設は要らないと言っているわけではありません。歴史見聞館に設置してあるような、映像等によってわかりやすく気軽に歴史を知る施設は、そこを訪れる子供たちが楽しみながら歴史を学べる機会を得られることは非常にすばらしいと考えているくらいです。小田原城歴史見聞館が設置された経緯についてはさきにも述べましたが、そこで、この歴史見聞館にかわる施設を設置する考えはあるのか否かお尋ねいたします。
次に、5点目の新小田原市中心市街地活性化計画について伺います。
先般開催された建設経済常任委員会において、新小田原市中心市街地活性化基本計画の素案の報告がありました。本計画は、平成18年に改正された新中心市街地活性化法に基づいて策定されるものであると伺っております。全国的にも、かつての主要駅を取り巻く商業圏が、郊外型大型店舗施設に消費者が流れ、空洞化が顕著となったことから、国において平成10年に「中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に関する法律」、略称で中心市街地活性化法が施行され、本市では旧中心市街地活性化基本計画を立ち上げて、TMO構想のもと、小田原商工会議所がタウンマネージメント機関として、商業まちづくりを目指してきた経緯があります。その際には、小田原駅を中心に300ヘクタールを活性化の区域と位置づけていたわけですが、このたびの計画素案によると、約170ヘクタールにその範囲を縮小することとなりました。以前の計画区域の議論の際、私は、あまりにも範囲が広過ぎないか、やる気のある商店及び商店街と、やる気のない商店、商店街を同じ土俵に乗せてもよいものだろうかと疑問を呈した記憶があります。このたびの計画素案では、確かに範囲は縮小されたとはいえ、果たして活性化の効果を上げるためには、もっと区域を絞ってめり張りをつけるべきだと考えますが、市長の御所見を伺います。
また、今回の計画では、従来実施していた栄町駐車場の30分無料サービスを廃止し、小田原市商店街連合会が行う周辺商店街への栄町駐車場専用駐車券廉価販売制度を支援し、滞留率を高めるとの説明がありました。それは、栄町駐車場利用者の実に30%が、30分以内の利用で活性化に寄与するどころか、逆に30分以内に必要な用件を済ませて帰ってしまう方々が多かったという結果を残したことになりました。それだけ、現在の中心市街地には魅力が欠けているとも言えるわけですが、このたび報告されたように、栄町駐車場専用駐車券の配布が、果たして中心市街地活性化に本当に結びつくのか、さまざまな商店街で実施していることも聞きますが、それらにかかる経費、手間、効果を考えたとき、ほかに何か方法は見いだせないのかと思うものであります。栄町駐車場を活用しての中心市街地活性化を考えたとき、公益事業協会だけではなく、民間事業者のノウハウを活用した利用も検討すべきではないかと思うのですが、市長の御見解を伺います。

次に、六つ目として、小田原競輪場の存続について伺います。
去る本年2月12日付で、小澤市長より各議員あてに、小田原市競輪事業検討委員会報告書が送付されました。本報告書は、小澤市長が4選目に向けた選挙において、「未来という名の田を耕す」と題したマニフェストの中で、「競輪事業については、将来の方向を定めます。平成19年度、市民の意見を代表する検討組織を立ち上げ、方向を決定」という政策実現宣言のもとに計画され、8名をもって構成された検討委員会より提出されたものと伺っております。本報告書では、詳細な説明は省略しますが、結果的に、「小田原競輪は基本的には存続させるが、赤字もしくは赤字が予測される状況となった場合には廃止を検討する」との結論が出されました。昭和24年の開設以来、平成18年度に至るまでの累計で、入場者数3530万人、売上総額1兆2634億1800万円、一般会計への繰出総額864億8780万円と、これまでに市財政に大きく寄与してきた競輪事業も、昨今の売り上げの減少、繰出金の減少などから、廃止の方向も視野に入れた議論が交わされる中にあって、条件つきながらも、存続の結論にひとまず落ちついたわけであります。しかしながら、本検討会にても議論があったように、万一赤字が予測されるような状況となった場合には廃止を検討するとのことですが、果たしてとその時期や、突発的事情のためにいつそのときが訪れるかも心配でなりません。そこで、存続の方向は維持しつつも、競輪事業基金制度をより計画化し、廃止で想定される離職餞別金、施設解体関係費、諸補償金などを十分に確保していく段階だと思われますが、いかがでしょうか、御所見を伺います。
さらに、経費負担の軽減は当然のことながら検討実施されていると思われますが、やはり人件費負担はどの事業でも大きな経費の一つだと思われます。そこで、人件費をはじめとする合理化はどのように図られているのか、機械化の進展はどのくらい進み、また、節減でき得るものはあるのか伺います。
次に、大きな項目の二つ目、「ビジョン21おだわら」のまちづくりについて伺います。 はじめに、平成19年度までの達成率と達成感について伺います。
平成10年よりスタートした市の総合計画「ビジョン21おだわら」は、今までの総合計画である「おだわら21世紀プラン」を踏まえ、小澤市長が満を持して発表されました。現在、後期基本計画に沿って、最終年である平成22年までの第2次実施計画が発表され、いよいよ総仕上げの段階に来ていると思います。市長も、本計画実施に政治生命をかけて臨んでこられたと思いますが、まず、これまでの総合計画の事業の達成率をどのくらいと見ているのかお尋ねします。また、総合的に見て、市長の達成感について率直にお伺いいたします。
次に、二つ目の個性豊かで快適な居住環境について3点伺います。
その一つ目は、橘団地の下水道整備についてであります。

橘団地は、昭和46年ごろから橘団地一般住宅の建設が始まり、現在五つの自治会に分かれて、約710世帯、約1800人の方が在住しています。本地区の生活排水処理は、さつきが丘及び若葉台自治会については、各集中浄化槽で汚水処理し、その他の自治会については各住宅で個別の浄化槽にて処理を行っています。集中浄化槽や個別浄化槽の老朽化が進んできたことから、住民から早期の下水道整備の要望があり、それを受けて現在、整備が着々と進められているところであります。伺うところ、さつきが丘と若葉台については平成21年4月から、早ければ本年10月ごろより供用開始できるかもしれないようですが、橘団地一般住宅、橘団地共同住宅及び湘南橘台住宅の下水道整備計画はどのような予定で進められるのか、1点目として伺います。
また、さつきが丘と若葉台については、埋設管がそのまま利用できることから、利用者負担はほとんどないと聞き及んでいますが、橘団地一般住宅、橘団地共同住宅及び湘南橘台住宅は、家庭内の排水設備を改造することとなり、個人で30万円から50万円ぐらいの工事費用が発生すると思われます。特に、高度成長期に移り住んだ方々が多い当地域では、現在、年金生活者も多く、費用負担に大きな不安を持っていることも聞いております。せっかく布設された下水道施設がすべての方に接続してもらわなければ、それに費やした工事費がむだとなってしまいますし、環境面で影響が生じることも考えられます。そこで、現行の補助制度では、水洗化工事費補助金のみで、当該地区の工事費用の負担をさらに減らす方策はないようですが、下水道要望が強く、多くの住宅が接続可能と思えることから、今後、新たな補助制度を考えていくつもりはないか、お伺いいたします。
二つ目は、穴部国府津線及び小田原中井線の整備について伺います。
既に昨日、グループ創和・16番志澤議員の代表質問でも、都市計画道路の進捗、20年度計画予定についての質問が出されましたので、その答弁を受け、少々具体的な点を質問させていただきます。
まず、快適な居住環境に必要な要素の一つに道路が挙げられます。しかしながら、その道路が慢性的な渋滞が続いていたり、使い勝手が悪いと、快適どころか毎日の悩みにまで発展することもあります。郊外型大型店舗が進出した川東地区においては、商業施設の集積により、平日夕方や週末の順礼街道や県道沼田国府津線並びにそれらに交差する道路の渋滞が続いています。また、本年3月末には、シティーモールクレッセの北側にシティーモールフレスポの開店が控えており、外環状道路である県道穴部国府津線の早期完成が望まれています。そこで、一部供用が開始され、たびたび利用している中で、日ごろより感じている疑問を含めて、幾つか質問をいたします。

まず、穴部国府津線の地権者との交渉が難航している高田浄水場から矢作の県道沼田国府津線までの区間の交渉状況並びに事業の進捗状況についてはどうであるのか。また、穴部国府津線の平成20年度末に供用開始予定の区間について、片側2車線化に向けた横断歩道の位置など、地域住民との合意状況を伺います。さらに、穴部国府津線において、一部の道路周辺住民のために、片側1車線並びに中央分離帯に右折用待機場所を確保している県営国府津団地横付近の片側2車線化のめどについて伺います。
次に、小田原中井線について伺います。都市計画道路小田原中井線の進捗、平成20年度計画については理解したところではありますが、橋りょう建設予定場所においては、現在、相当数のテクノパークや市道0077からの車両及び通勤車をはじめとするトラックやダンプ、自動車、バイク、自転車が通過するところです。さらには、小船、小竹、沼代、明沢方面からの中学生及び中村原方面からの小学生の通学路にも指定されており、工事に伴う安全面には一抹の不安がよぎるものであります。特に、交通誘導員制度が廃止されることに先立ち、以前よりお世話になっていた交通誘導員の方が本年1月に退職し、現在、子供会により交代制で登校児童の安全を守るための立ち番を実施しているところです。そこで、橋りょう工事等の整備事業の実施によって、さらに交通量が増大する当地域において、児童・生徒をはじめ住民の安全確保はどのように図られるのかお尋ねいたします。
次に、優良田園住宅型連たん区域開発許可制度について伺います。
この制度は、都市計画法第34条第11号のいわゆる50戸連たん開発許可制度であるわけですが、本市の自然環境のすぐれた価値を生かすため、300平方メートルという最低敷地面積や、いわゆる形態意匠の制度、あるいはマンセル表色系に基づいた色彩基準を設けるなど、画期的なものと認識するものであります。また、市街化調整区域での土地利用に関して、一定の制限はあるものの、神奈川県下の厳しい土地利用のあり方の中で、大きな光を放っているものと考えます。そこで、本市では昨年11月30日より本制度が施行されたわけですが、制度運用後の状況、つまり事前相談の件数や許可の見込みはどうであるのか伺います。また、本制度については、既に相模原市が運用しているとも伺っています。そこで、本市の優良田園住宅型連たん区域開発許可制度と相模原市の開発許可制度の面積要件などの根本的な違いは何でしょうか。さらに、本制度は、本市の活性化や農業経営の維持に大きく寄与するものと考えますが、今後の制度の活用を促進する上で、関係者への周知を図ることが重要だと思います。そこで、PR方法等を制度運用後どのように実施し、これからはどのようにされるつもりかお尋ねいたします。
次に、3点目の「暮らしの質を高める情報環境」における効率的な行政運営について何点かお伺いいたします。
はじめに、行政経営室の評価と今後の必要性について伺います。
本市では、平成14年度から新たな行政改革の方針のもと、分権時代にふさわしい市民満足度の高い成果志向の行政経営を行うため、民間経営の発想などを取り入れた実効性とスピード感のある改革を進めるべく、「おだわら改革宣言2002」がスタートいたしました。この間、民間から登用されました行政経営担当顧問などのアドバイスのもと、さまざまな改革がなされております。そのうちの一つに、市民満足度・重要度調査が挙げられます。地方分権が進む今日、行政改革は本市にとって最重点課題と認識しておりますが、果たしてその取り組み方に疑問が残るものです。行政経営担当顧問などの進言をもとに、トップダウンで行うのではなく、各部局が日常の業務で「何がむだか」「何をどうすれば時間が有効に使えるか」、そして「市民が求めているニーズは何か」など洗い出し、みずからが率先して改善することに大きな意味があると考えます。そこで、民間活力による行政経営手法が、どこまで本市の職員に浸透したのか、そして、行政改革の成果はどうなのか、具体的な説明をお願いいたします。さらには、小澤市長の勇退に伴って、行政経営担当顧問はどのようになるのかお伺いいたします。

次に、補助金の見直しについて伺います。
平成17年及び平成18年の2ヵ年にわたり、小田原市補助金等検討委員会では、平成17年9月に「補助金の見直しに関する答申」を、11月には「業務委託の見直しに関する答申」を、また、平成18年11月に「補助金のあり方に関する答申」をそれぞれ市長に提出いたしました。特に、平成17年に出された「補助金の見直しに関する答申」では、繰越金と補助金の差額など、数値的に算出した事項をもとに検討され、さまざまな補助金が廃止と算定されるなど、まさに大なたを振るった答申と注目を集めました。しかしながら、翌年には、各補助事業の内容や事情を酌み取りながらの算定で、平成17年度における合計合理化額が2億3484万2000円であるのに対し、平成18年度では特に合理化額は示されずに、補助金交付基準の変更等を行い、今まで以上のフィルターをかける作業を行うことといたしました。補助金を受ける側としては、補助金の成果目標及び成果、実績の報告等、規則の強化に異論を唱えたい面もあろうかと思いますが、効率的な行政運営を進める上で、見直し策を図ったことは大いに評価をするものであります。
そこでお尋ねいたします。市長は、2回にわたる補助金等検討委員会の答申を受け、補助金に対してどのような改善を図ってきたのか伺います。また、近年では、各自治体や地域でさまざまなボランティア活動やNPO法人化によって、例えば福祉や環境、防犯、子育て等で活躍する団体も多く見られるようになりました。それらの多くは、まだ地域のコミュニティが発達する以前に、行政が地域ごとに種をまいて、すなわち委員の選出や補助金を交付しながら醸成を図ってきたものが、だんだんと芽が吹き、成長してきたあらわれであると言えないでしょうか。そもそもの目的がさまざまな形で果たされているか否かを基準とした観点で補助金を見直す必要があると思うのですが、いかがでしょうか、市長の御見解を伺います。
次に、地上波デジタル化移行に伴う難視聴地域への対応について伺います。

テレビ地上波のデジタル化が平成23年7月をめどに進められております。現在、多くの家庭ではアナログによる放送受信が主流となっておりますが、本市のテレビ受信は、真鶴半島にありますNHK、民法各局の電波を受信している現状にあります。その受信エリアであります真鶴半島方向に、テレビ電波を遮る建物が建築されると、その周辺は電波障害により難視聴地域となってしまいます。市内全域においても難視聴地域が点在している現状にあると認識するわけですが、そこで何点か伺います。 はじめに、本市の公共施設の建設に伴い、どの施設が周辺住民の方々の御家庭にテレビ受信への影響を及ぼしているのか、具体的な施設名を挙げてお答えください。次に、難視聴地域への対応策はどのようにされているのか、具体的事例を挙げてお答えください。さらに、今後、テレビ地上波のデジタル化移行に伴い、難視聴地域に対してどのような対策をとられようとしているのかお伺いいたします。
次に、4点目の行政サービスと職員の安全についてお尋ねいたします。
まず、市庁舎について何点かお伺いします。本市庁舎は昭和51年7月に開庁され、現在に至っております。当時は人口規模が25万人までの市民サービスができる規模の建物であったと言う方がおられましたが、20万人が欠ける本市において、果たして市民サービスが円滑に進められるような施設になっているのか、また、職員が能率よく職務に専念できる職場環境にあるのか、疑問を持つものであります。

はじめに、円滑な市民サービスの面からいたしますと、市民の一般生活に必要な窓口、すなわち市税、国保、暮らし等に関する部署は2階のロビーを中心として配置され、障害者や老人、児童等の福祉全般も2階に配置されており、市民が各階に極力移動しなくても対応できるような工夫は見られます。しかしながら、特に福祉関係所管では、介護保険法の制定や子育て福祉施策、生活保護者の増大など、業務の多様化が図られると同時に、市民のサービス分野が増大し、現在の窓口や業務環境が手狭になっている感が否めません。さらには、福祉分野では個人情報への配慮が特に必要であり、現在のような窓口での相談や手続状況では、だれでもが内容が聞けてしまう環境にあり、決してよいとは思えないのであります。そのことは、市民サービスの面だけではなく、職員の労働環境としても同様に、手狭なフロアに資料や書類の保管等のロッカーによって仕切りを行い、通路としても狭い中で業務をしている状況であり、果たしてよい環境と言えるのでしょうか。昨年の7月には、福祉政策課職員が窓口での対応中に刃物で切りつけられる事件がありました。事情はどうであれ、職員をはじめ一般市民も巻き添えとなる可能性もあり、このような事件は二度とあってほしくないものであります。この事件が、庁舎内のカウンターや備品の配置が悪いからとは一概には言えませんが、職員の安全面を考えての環境整備が必要であると思います。 そこでお尋ねいたします。現在の各所管の配置はどのような根拠で配置され、見直しや工夫についてはどのように考えておられるのか。また、職員の職場の安全性についての考えについてはどうであるのか。さらに、特に市民の利用頻度の高い市庁舎2階について、増改築や配置の変更等を行う必要についてはどのように考えておられるのかお尋ねいたしまして、登壇しての質問を終わります。(拍手)
市長(小澤良明君) フォーラム21小田原・14番加藤議員の代表質問に順次お答えをさせていただきます。

はじめに、県西地域合併検討会のスケジュールにつきまして御質問をいただきました。検討会のスケジュールといたしましては、本年3月下旬までに、「県西地域市町合併に関する検討報告書」を取りまとめ、4月には、住民向けとなります報告書概要版の印刷に取りかかる予定であります。6月ごろには報告書概要版を県西地域2市8町の全世帯に配布し、その後、各市町ごとに住民意識の把握に努めることとなるわけであります。小田原市といたしましては、報告書概要版を配布後、市内8ヵ所程度で市民説明会を開催するとともに、さまざまな機会をとらえまして、市民の皆様と直接話し合い、合併の必要性について理解を求めてまいりたいと考えております。 次に、任意合併協議会の設立について御質問がございました。グループ創和・16番志澤議員にもお答えをいたしましたように、合併新法は平成22年3月31日までの限時法でありまして、財政支援や制度面での特例を受けようとする場合には、今年の秋口には任意合併協議会を設立する、あるいは平成21年度前半には、その後、法定合併協議会を設置する、そして期限内の合併を目指すということになります。任意合併協議会は、もちろん行政だけでなく、議会の代表や民間団体の代表、大学教授などの学識経験者、住民の代表などが参加いたしまして、さらに詳細な合併検討を行う協議体であります。その調整項目は、行政全般の多岐にわたりまして、合併の方式、合併の期日、新市の名称、新市の事務所の位置などの基本4項目をはじめ、一般的には2000項目以上とされるわけであります。任意合併協議会の設置に向けましては、将来の地域のあり方について、住民や議会とともに考え、しっかりと議論を重ねてまいらなければならないと思うところであります。
次に、本市における合併に伴う市民生活への影響についての御質問をいただきました。合併に伴う市民生活への影響につきましては、任意合併協議会における協議の結果、設定をされますサービス水準によりまして明らかになると考えております。前にもお話ししたかもしれませんけれども、例えば小児医療費助成の水準をどうするのか、一番進んでいるというか、サービスが充実している箱根町さんや中井町さんでしたでしょうか。箱根町さん等は小学生までですか。訂正します。小学生のほとんどまでやっていられる。しかし、開成町さんはまだ学齢前ですね。これも言うのをやめましょう。間違えるといけませんから。二、三歳までだったというふうに思います。小田原市は未就学児童前までやっている。そのほか、山北町等も相当進んでいる。そこはでこぼこが非常にありますから、合併する場合、どこにそのサービス基準を合わせて、それでいろいろ負担ですとか、それから受益ですとかが変わってくるのかということになるわけです。国民健康保険料なんかも、一番高いところに合わせるのか、低いところに合わせるのか、あるいは平均に合わせるのか、あるいはまた一番大きな小田原市に合わせるのか、これによって全然変わってくるわけであります。ですから、このサービス水準が設定されますから、そこからいろいろな市民生活への影響というものがさまざまに御判断ができるようになるということになるわけであります。

さて、現時点でのプラス面の影響としては、人件費の大幅な削減や、合併新法の特例であります国・県による財政支援がもちろん見込まれるわけでありますし、財政の効率化が図られ、福祉などの住民生活に直結する行政分野に振り向けることが可能となります。また、県西地域2市8町が合併いたしますと、36万人という人口規模となりまして、中核市へ移行する場合は、神奈川県においては相模川以西で唯一の中核市となります。地域のイメージが向上いたしますとともに、土地利用の見直しや集中的な投資による広域的な幹線道路の整備の促進などが期待できるようになると考えております。一方、マイナス面の影響といたしましては、市民の合併に対する漠然とした不安感などがあるものと感じております。せんだってもお答えいたしましたけれども、小田原市が突出して人口の大きいまちですから、メリットを受けることも大きいと思いますし、デメリットも大きいと思います。しかし、そのデメリットは、私の個人的な考えでいいますと、短期的なというか、日々の生活の中のとりあえずのデメリットは多分そうだと思いますけれども、やはり合併の効果が発揮されていきますと、少しずつ、徐々に、着実に、中長期的にはそのデメリットというのはほとんどなくなって、メリットに変わってくる。ですから、中長期的には、逆に言いますと、小田原市が一番メリットを受けるというふうに思ってもいいのではないかと私は思います。ただ、これは議員の皆様方あるいは市民の皆様方が、この後の議論の過程の中でどういう御判断をされるかということでもございます。それ以上に、2市8町の行政、また特に私ども小田原市の行政がしっかりとした定見と理念を持って、この合併問題をどうとらえていくのかということが求められるわけでありますから、行政といたしましても、小田原市の百年の計、この広域圏の百年の大計をつくるという意味で、緊張してこの問題に取り組んでいかなければならないというふうにも思うところであります。
次に、将来都市像についてでございますが、県西地域合併検討会からの報告書案では、「力みなぎる交流都市」をキーワードといたしまして、そのもとに、「都市機能の形成」「観光交流の強化」「自然環境の保全」「生活・福祉の向上」、こういった4本の柱によって、県西地域の将来都市像を描こうとしております。現在、検討会では最終段階に入っておりますが、各市町の強みや課題の洗い出し作業を行った上で、強みの融合や課題の克服などによりまして、スケールメリットを十分に発揮した新たな可能性についてお示しできるよう、作業を進めているところであります。ただ、いずれにいたしましても、各市町の温度差がありましたり、もちろん考え方の差、自分のまちに対する思いの差はもちろんあるわけでありますから、そうしたものがようやく少しずつならされて、理解が進んできているわけでありますが、それにいたしましても、10の自治体がそれぞれ同じ線上に並ぶ、用意ドンでスタートできるということも、これは合併のことでなくて、その考え方をまとめる場合に、非常に難しいというふうに思います。現実に、事務当局は非常にそれぞれが苦労して、ようやくここまでたどり着きました。合併検討会の報告をまとめるにつきましても、それぞれの市町の企画関係の職員をはじめ、それぞれの各部会の職員は大変苦労してくれております。何のための苦労をしているのかということを、それぞれの10の自治体の行政の皆さんがよくわかっていただいて、そしてその上に立って、だからこそ、際立って特色のある、人の目を引きつける、あるいは思いを一つに収れんできるような、そういう構想というものは、逆に言いますとなかなか難しい面もございます。流されてしまうということがあるわけであります。そういう中で、ですから小田原市として、この「力みなぎる交流都市」という構想案に、どういう小田原市なりの色づけと申しますか、特色といいますか、個性と申しますか、そういうものをつくっていくのかは、これは小田原市あるいはそれぞれの他のまちの考え方というか、それが問われるというふうに思うわけであります。
次に、お城通り地区再開発事業が、市長がかわることによりましてとまってしまうのではないかとの質問がございました。小田原駅前の例の貨物駅跡地ヤード、現在駐車場になっている場所でありますけれども、そこの再開発事業につきましては、中井市長さん、山橋市長さんの時代からの懸案事項として小澤市政に引き継がれてきたものでもございます。城下町小田原は、やはり航空母艦と同じで、小さなボートではございませんで、なかなかかじを切るのは難しいまちだと、仕事を16年間させていただいて、本当につくづく思います。それだけに、こうした先人の皆さんの積み重ねを、その上に立ってどうそれを生かしていくのかということが、やはり市政の要諦の一つであろうというふうにも私は確信いたしているわけであります。広域交流拠点整備構想の実現のために、この事業は、いろいろな意味を含めて、そして未来へのしっかりとしたまた引き継ぎのためにも、大変重要な事業であると認識しているところであります。また、民間の地権者の方々をはじめ、市民の皆さんや市議会にもお諮りしながら、これまで20年近い年月をかけて積み重ねてきた経緯があるわけでありますから、ここにきまして、ようやく事業施行者が決定し、再開発準備組合との間で正式な契約である覚書が締結され、既に具体的な事業の一環としての実施設計や文化財調査などの作業が進められております。こうしたことから、新市長には引き続き、本事業の早期完成に向けまして努めていただきたいと心から願っているところであります。

次に、新市長が事業執行をおくらせた場合の影響についての御質問がございました。本事業は、事業施行者となった株式会社アーバンコーポレイションが、市有地と民有地に定期借地権を設定し、再開発ビルなどの企画、建設、経営につきまして責任を持って担っていくものであります。先ほど御説明いたしましたとおり、アーバンコーポレイションは既に事業を進めておりまして、一地権者であります小田原市の事情によって事業を遅延させることになった場合、何十年も既に待たせております地権者の皆様方等との信頼関係が損なわれるということは疑いもないことでもございますし、その度合いにもよりますが、何かしらの法的、経済的な責任が生じるのは当然のことと考えられることでございます。
次に、(仮称)城下町ホールについて質問がございました。(仮称)城下町ホールの建設は、神奈川県及び小田原市の平成19年度当初予算に計上され、それぞれ議会の議決を得ており、行政はその執行を県民及び市民に付託されているものであります。さらに、行政間の約束として、昨年10月30日、協定書も既に締結をされておりまして、設計の審査も済み、入札を執行するだけの段階であるにもかかわらず、企業庁が建設に着手しないという理由につきましては、私どもといたしましてもよくわかっていない、把握できていない状況であります。

次に、企業庁に対する市としての対応でございますが、市民の悲願であります(仮称)城下町ホールができるだけ早期に完成できるように、企業庁にはこれまでも再三にわたり早期着手を依頼してきたところでありますが、企業庁は特に理由を示さないまま、本日まで建設工事に着手しておりません。このため、1月末と今月の2回、文書をもちまして早期着手を依頼するとともに、建設に着手していない理由やスケジュールの見込みについて照会をしているところであります。しかし、企業庁からは、その理由やスケジュールについて明確な回答をいただいておりません。
次に、建設着工に向けたスケジュールについての御質問でございますが、企業庁からの回答では、建設着工に向けた具体的なスケジュールについては、そういうことで明示されておりません。しかし、10月30日に締結した本市と企業庁との協定書に定めた工事の完成期限は、平成22年3月ということでございますから、そこに建物が完成するためには、早急に工事に着手しなければならない、する必要があるというふうに認識しているところであります。市民の悲願である(仮称)城下町ホールが一日も早く完成いたしますように、市といたしましても企業庁にできるだけ協力をしてまいりたいと考えているところであります。
これらお城通り地区再開発事業あるいは(仮称)城下町ホール事業につきましては、今お話ししたような状況に現在あります。一部の方々の、これら事業が政争の具にされているのではないかとか、あるいは御商売の利害に利用されているのではないかとか、いろいろ私にもそういう市民の方々の御注意がございます。不純な形で、もしそうした動きをされていらっしゃる方がいるとすれば、誠に遺憾であります。これも昨日、御答弁申し上げましたけれども、私は、小田原市政の3大難事業といたしまして、小田原駅東西自由連絡通路、そして(仮称)城下町ホール建設事業、そしてまたお城通り地区再開発事業を位置づけて、市を挙げて取り組んでまいりました。中井市長さん、山橋市長さん、そして小澤市政と、3代の市政が市を挙げて取り組んできたこれら三つの事業でありました。幸いにも、十数年の苦労によりまして、小田原駅東西自由連絡通路(アークロード)は御承知のとおり完成を見たわけでありますけれども、残されました二つの(仮称)城下町ホールあるいはお城通り地区再開発事業それぞれ、諸手続もすべてと言っていいほどほとんど済んでおりまして、あとは淡々と仕事が進んでいくだけになっている状況でございます。私自身、道筋をつくり上げたというふうに思っているところでございまして、多くの市民の皆さんが悲願として長い間望んできたこと、私自身も毎年のように、いつになったら着手できるのか、非難のような、あるいは悲鳴のような声で要求をされておりました事業がここまで来たことに感無量のものを覚えますが、これは、市議会をはじめ多くの皆様方の強力な御理解と御支援があったからこそでございまして、心から感謝を申し上げますとともに、ただ、まだまだこういう状況でございますので、ぜひとも市議会や市民の皆様方の一層の後押しと申しますか、御支援をお願い申し上げる次第であります。
次に、アジアセンター跡地整備の方向性について問うという御質問でございます。この跡地整備につきましては、当面は、安全確保のための対策を講じ、部分的に市民に開放していきたいと考えております。将来的には、八幡山古郭・総構全体の保存活用を検討していく中で、この跡地を、小田原城跡全体を理解することのできる回遊ルート上の拠点として整備をしてまいりたいと思います。

次に、城址公園内にある市立図書館や郷土文化館をこの跡地に移転してはとの提言がございました。この土地は、「三の丸外郭新堀土塁」といたしまして国史跡に指定されておりまして、史跡を守るために国や県の補助により取得していることから、建物等の設置は原則として認められておりません。
次に、小田原城歴史見聞館の今後についての御質問がございました。歴史見聞館は、音と映像でわかりやすく小田原城や本市の歴史を知る施設でありまして、年間約8万人前後の皆様方に利用されてきました体験型情報館であります。平成17年の入館者が7万2574名でございましたけれども、ここが底でございまして、平成の超長期の不況によりまして、昔はもっとありましたものがどんどん減ってきたわけでありますけれども、平成17年が歴史見聞館の場合は底で、平成19年に至りましては9万476人と、2万人近く年間で入館者がふえてきているところでございます。開館後10年を経過しておりますことから、当面の措置として、平成19年度は屋根塗装工事等を実施するなど必要な補修を行ったわけであります。歴史見聞館は、「史跡小田原城跡本丸・二の丸整備基本構想」において撤去する施設として位置づけられているわけでありますが、今後の城跡整備の進捗状況と調整を図りながら、当面は現状を維持し運営してまいりたいと思います。
次に、歴史見聞館の撤去後の代替施設についての質問がございました。歴史見聞館が撤去された場合は、その役割を何らかの形で継承していく必要性は認識しております。今後の城跡整備や他の展示施設の方向性など、総合的に勘案しながら検討してまいりたいと考えております。御理解をいただきたいと思います。
次に、現在策定中の新小田原市中心市街地活性化基本計画について質問がございました。中心市街地の区域につきましては、中心市街地の活性化に関する法律や国の基本方針等に定める要件を満たすことが必要でありまして、特に、計画期間である5年以内に活性化を推進する具体的な事業が位置づけられた区域であることが求められておりますことから、従前の基本計画における区域300ヘクタールから、計画素案では、事業を位置づけました170ヘクタールに絞った区域としているわけであります。フォーラム21小田原・14番加藤議員のお考えと同様に、これでもまだ広いのではないかという御意見もございます。逆に、もっと広げるべきだ、自分のところの商店街も入れるべきだというような御意見もあります。現在実施しているパブリックコメントの結果等も参考にしながら、最終的にこの区域を決定していきたいと考えているところであります。

次に、栄町駐車場の利用促進事業でありますが、市営栄町駐車場におきましては、平成14年12月から、買い物客や観光客の利便性の向上を図ることにより、中心市街地の活性化を推進するため、30分無料化事業を実施してきました。しかし、平成18年6月の改正道路交通法施行以来、改正道路交通法施行というのは、要するに駐停車違反の取り締まりが非常に厳しくなったとき以降でありますけれども、30分以内の利用者が急増いたしまして、本来の目的から乖離してきましたことから、運営者であります財団法人小田原市公益事業協会や小田原市商店街連合会と協議をいたしまして、商店街連合会の専用駐車券販売事業を支援し、中心市街地の商業振興を図っていくことにより、30分無料化事業を廃止することとしたわけであります。また、公益事業協会では、これに合わせて、駐車料金や設定時間の見直し等、効率的な駐車場経営を検討しておりまして、これまでに培ってきた駐車場経営に関するノウハウを活用していくとのことでありますので、御理解いただきたいと思います。
次に、競輪事業の存続につきまして御質問をいただきました。競輪事業基金の積み立てについてでありますが、基金への積み立てにつきましては、現在、16億円余りの積み立てをいたしておりますが、相変わらず競輪事業を取り巻く環境が厳しい中、今後も経営の合理化や事業の活性化に一層取り組み、健全経営に努め、収益の状況や一般会計への繰出金等を勘案しながら考えていきたいと思います。
次に、人件費をはじめとする合理化はどのように図られているのか、機械化の進展はどのくらい進み、また、まだ節減できるのかとの御質問がございました。人件費につきましては、従業員の補充をせずに、業務のマルチ化や発売窓口の統廃合、機械化等により節減を図るとともに、順次委託化を進め、職員数も削減をしているところであります。機械化につきましては、「ビジョン21おだわら」後期基本計画でも、自動機を計画的に整備しておりまして、平成20年度に当面の整備を完了する予定であります。今後につきましても、従業員の皆様にも御理解をいただき、人件費の見直しをすることを含めまして、さらなる経営改善に努め、収益を確保できるよう努力してまいりたいと考えております。
次に、市長勇退に際し、総合計画「ビジョン21おだわら」の平成19年度までの達成率と達成感を述べよという御質問でございます。御存じのとおり、「ビジョン21おだわら」の基本理念は、世界にきらめく「明日の1000年都市おだわら」でありまして、これをつづめて言いますと、新しい、小田原らしい城下町づくりということでございます。五つのまちづくりの目標を掲げて、着実に取り組んでまいりました。達成率については、さまざまな見方があり、特定の指標を持って示すことは困難でありますが、この間、都市基盤の整備をはじめ、景観行政の推進や教育の充実、そして地域コミュニティの再生など、全国の自治体を見渡して比較してみましても、長い厳しい時代の中で、まちに少しずつさまざまなうねりが生まれてきて、手前みそかもしれませんけれども、全国的に注目を浴びてきらりと光っているまちになりつつあると自負しているところであります。また、達成感については、市長就任時からの本市の懸案事業には、平成19年度をもって、未来へのレールがおおむね敷けたものと認識しておりますことから、大きな達成感を覚えているところであります。特に、苦楽をともにして、これら事業を現場で支えて推進してくれてまいりました市職員あるいは関係の皆さんに心から感謝もしているところでございます。残されました任期もまだ数ヵ月ございますので、緊張感をしっかりと持って、市役所を去るときまで、きちっと全力投球をしてまいりたいと考えているところであります。3月1日号の「広報 おだわら」の市長随想で、この不出馬のことと、それから残された任期に対する私の気持ち・思いを、拙文ですが書かせていただきました。ごらんになっていただければ幸いであります。
次に、橘団地の下水道整備について御質問がございました。橘団地の橘団地一般住宅、橘団地共同住宅、湘南橘台住宅の下水道整備計画でありますが、橘団地一般住宅の市道0081沿線のバス折り返し場付近周辺の住宅の下水道につきましては、さつきが丘と若葉台の両団地と同時期の平成20年10月ごろに供用開始を予定いたしております。また、橘団地一般住宅の未整備の区域及び橘団地共同住宅、湘南橘台住宅につきましては、今後、順次整備を進めまして、平成26年度ごろまでに、橘団地全体の整備が完了することを目指しているところであります。

新たな補助制度でございますけれども、下水道の接続改造工事に対して、現在、供用開始後1年以内であれば3万円を、2年以内であれば2万円を、3年以内であれば1万円を助成させていただいております。また、平成18年度には、住居の建築後7年以内に行う改造工事に対しても助成を行いまして、これまでの助成と併用をいたしております。しかしながら、橘団地のように年数を経た既存の宅地では、新たな補助制度の対象とならないために、接続が進みにくいという状況があることも承知いたしております。いずれにいたしましても、下水道事業の投資効果を上げる上から、これまでの助成策等の効果を検証し、新たな補助制度も含め、接続をしていただけるような方策を検討してまいりたいと思います。
次に、都市計画道路穴部国府津線に関し、御質問が何点かございました。はじめに、高田浄水場から県道沼田国府津線までの区間の用地交渉や事業の進捗状況についての御質問をいただきました。この区間の用地交渉については、県・市で協調しながら、用地取得に取り組んできたわけでありますが、県では、交渉が難航している一部の用地について、土地収用法の適用に向け、その準備に入ったところでありまして、早期の用地取得に向け、全力で取り組んでいるところであります。事業の進捗状況については、文化財発掘調査が終了した箇所や着手可能なところから順次整備を進めておりまして、着々と道路形態が整ってきている状況にあります。また、この区間の大規模な工事として、酒匂堰に架かる橋りょう工事に着手したところであります。
次に、県道沼田国府津線から県道怒田開成小田原線までの区間のうち、片側2車線すなわち全体4車線での整備に向けた地元調整などについて質問がございました。この区間は平成20年度末の2車線での供用開始を目指しております。このうち、県道沼田国府津線から小田原大井線交差部までの区間は、その後の全線供用時には4車線の道路となります。4車線の道路は、交差点や横断歩道の設置など、安全対策上の課題も多く、説明会などを通じて地元住民の方々の御意見や御要望を幾度となくお聞きしながら調整を続けてきたところであります。この結果、信号機つき交差点や押しボタン式横断歩道の設置については調整が完了いたしまして、4車線道路の整備について御理解は得られたものと考えているところであります。
次に、既に2車線で供用開始されている県営国府津団地横付近の4車線化のめどについて質問がありました。県営国府津団地横の交差点については、穴部国府津線と交差する道路との形状に課題があることから、現在、周辺住民の利便を図るため、2車線で供用し、右左折が可能な交差点となっております。県では現在、交差点形状などについて神奈川県警と協議を行っているところでありますが、全線開通までには現在の暫定的な形を改善できるように、県にしっかりとお願いをしてまいりたいと思います。
次に、小田原中井線の橋りょう工事の安全管理についてでございますが、小田原中井線と上町の市道0077との交差部については、塔台川に架かる橋りょうとなりまして、県では平成20年度にこの橋りょう工事に着手するわけでありますが、周辺には小学校や工場などありまして、人や車が集中するエリアであることは承知いたしております。事業者である神奈川県には、本路線の早期整備を目指し取り組んでいただいているわけでありますが、工事に当たりましては、市道0077などが通学路となっておりますことなどから、歩行者等への安全対策について、地元と十分に調整を図りながら、万が一がないように進めていただくように、しっかりとお願いしてまいりたいと思います。
次に、優良田園住宅型連たん区域開発許可制度の運用後の状況等につきまして質問がございました。本制度につきましては、昨日、新生クラブ・25番谷神議員に答弁をいたしましたとおり、運用後の状況については、約60件程度の問い合わせ等があるという段階でありますが、これらから、一定の反響が出ているものと考えております。また、相模原市の制度、相模原市さんも先行してこの制度があったわけでありますけれども、この相模原市との違いでありますが、相模原市のものが、区域指定の要件として、面積が5000平方メートル以上という大変大きなものでありますこと、幅員6メートル以上の連続する道路に接していること、公共下水道に接続されること、関係権利者の3分の2以上の同意があること等々、大変厳しい要件となっておりまして、こういう言い方をすると失礼ですけれども、使い勝手の悪い制度になっているのではなかろうかというふうに私は思っておりますが、小田原市の制度につきましては、そうした先例を見まして、開発面積が300平方メートル以上などの優良田園住宅の基準等を満たしていれば、開発が認められることになっておりまして、非常に使いやすい制度になっていると思っております。ただ、これでも厳しい条件つきだねと言われる方もいらっしゃいますが、もともとが調整区域で、建物を建てることが難しいところに条件つきでつくるというその条件でありますから、この辺につきましては今後とも御理解をいただきながら、この事業の適用あるいは普及を進めてまいりたいと思っているところであります。今後のPR方法等につきましては、まず、農地所有者や事業者等へ周知を図ることが重要と考えておりまして、ホームページによる情報提供、業界団体への説明会等も積極的に行ってまいりたいと思っております。
次に、民間活力による行政経営手法について御質問がございました。本市では、平成14年に行政改革大綱「おだわら改革宣言2002」を策定いたしまして、全国公募で民間経営の経験のおありの練達の方をお招きいたしまして、行政経営担当顧問として指導をお願いしてきました。顧客志向、成果志向の行政運営を目指しまして、改革を進めてきたところは御承知のとおりでありまして、これまでも市政に対する市民の満足度等を調査する市民満足度・重要度調査や、それに基づきましたヒルトンからの収入を使って、市民の皆さんに選択をしていただく形になります「市民が選ぶ予算の使い道」制度、また、部局長の事業マニフェスト等々、市民満足度の高いサービスを最少のコストで市民に提供するために、市民本位の事業展開を戦略的に逐次しっかりと今日まで行ってきました。市民満足度・重要度調査を採用するときにつきましても、内部でいろいろ議論がございました。市民の不満な事業は、大体現場では概括的につかんでいるわけでありますから、あえて不満足の点を指摘していただくことが、結果的に市政の信頼関係の絆を切ってしまうことになるのではなかろうかとか、行政側にとりましてもさまざまな不安な思いもございましたけれども、これをあえて押し切りまして、決断をして、この経年調査も行って、今ではこのデータが市政の一つの大きな優先順位と申しますか、行政施策の選択のツールになっているということは確かなことでございます。いずれにいたしましても、市民を顧客とした民間経営の考え方、あるいは行政改革と申しますか、行財政改革と申しますか、全体につきましては全国でも先進的な手法で今日まで来ておりまして、御存じのとおりの行革効果も生じているところでございます。職員の意識も十分これらにつきまして浸透してきていると認識しておりまして、引き続き市民満足度の向上に努めてまいらなければならない。これは行政の飽くなき戦いになろうというふうにも考えております。
成果でありますけれども、これまでの取り組みといたしましては、その前からずっとさまざまな別な形での行革も進めてきましたけれども、14年度から18年度までの5年間のことで申し上げますと、職員数の削減、職員給与の見直しや業務の外部委託化による合理化、補助金の見直しなど、388件の事業を実施し、全庁一丸となって行政改革に取り組んできたわけでありますが、結果として24億7924万円、25億円ほどの大きな合理化効果を生んだわけであります。こうして生み出された効果は、増加傾向を示しております扶助費等に活用されまして、市民サービスの向上にしっかりとつなげていると確信をいたしております。
次に、行政経営担当顧問についての御質問でございますが、行政経営担当顧問は、先ほどもお話をいたしましたとおり、民間経営や地方自治、都市政策の専門的立場から助言をいただき、実効性のある行政改革の推進を図るために、平成14年度に全国公募をいたしまして設置をしたものであります。顧問には、これまで行政だけでは踏み出せない手法や考え方について積極的に助言をいただいておりまして、今年度には、行政改革大綱の総仕上げであります「おだわら改革宣言2002後期実施方策」や市民満足度を尺度として進めてきた市政モデルの最終工程であります「市民生活満足感指標」の策定にもかかわっていただきました。このように、今後の本市の行政改革の道筋を示すことができましたことから、顧問設置の所期の目的は達成されたものと判断をいたしまして、顧問につきましての関係予算は計上いたしておりません。
次に、補助金の見直しについての御質問がございました。まず、補助金のあり方の見直しについて、平成17年度は、各種団体の代表者や大学教授等を補助金等検討委員会の委員として、市民の目線ですべての補助金についてあり方を検討いたしました。その結果を踏まえ、見直しを行いまして、平成18年度当初予算では、前年度に対して約4400万円を削減させていただきました。平成18年度には、弁護士、税理士等に委員を入れ替え、補助金の効果や透明性を確保するための仕組みづくりにつきまして、専門的な視点で検討をしていただきました。それを受けまして、平成19年度に補助要綱を見直し、補助金を申請するときに新たに成果目標を設定し、実績報告で補助金の活用状況を検証するようにするなど、透明性を確保し、説明責任を果たせるように取り組んでいるところであります。

次に、補助の所期の目的が果たされているか否かを基準とした観点で補助金を見直す必要があると思うがどうかということでございます。平成19年度の補助要綱の見直しは、補助事業によってどのような成果があったのかを団体みずからが明らかにし、それを市が検証する仕組みへと切り替えようというものであります。したがいまして、今後は事業費補助への転換を図ることを基本として、個々の補助金について検証を積み重ね、補助の継続の適否について判断をしていかなければならないと思います。
次に、地上波デジタル化移行に関係して幾つか御質問がございました。市公共施設による受信電波障害に関して、原因となっている市公共施設名とその対応策についての御質問をいただきました。現在、受信電波障害の原因となっております市公共施設は、この本庁舎、そして市立病院、かもめ図書館、柳町住宅ほか市営住宅2ヵ所、富水小学校ほか小学校6校、千代中学校ほか中学校2校など、合計で22施設となっております。具体的な対応策については、共同受信施設いわゆる共同アンテナの設置、またはケーブルテレビへの接続により対応しているところであります。
2011年7月には地上アナログ放送は完全に終了し、地上デジタル放送のみとなるが、いつごろからどのような対応にするのかとのお尋ねでございます。地上アナログ放送終了後の対応については、総務省から通達も出ているところでありますが、地上デジタル放送は受信障害に強い電送方式を採用しておりまして、受信障害の現在よりの改善が見込まれております。したがいまして、個別アンテナ等による受信が可能となる世帯につきましては、障害に対する補償等の対応も不要になると考えているところでありますが、受信障害が解消されない世帯につきましては、引き続き対策を講じていく必要があると思います。いずれにいたしましても、地上デジタル放送による受信電波障害の解消範囲等を調査し、状況を把握した上で、地上アナログ放送完全停波に間に合うように、適切に対応してまいりたいと思います。
最後に、行政サービスと職員の安全につきまして、適切な所管配置についてということで2点ほどの御質問をいただきました。まず、適切な事務室の配置についてでありますけれども、現市庁舎の事務室の配置につきましては、多くの市民が利用する住民、福祉、税、相談等の窓口を、利便性の高い2階に配置していることは御承知のとおりであります。御指摘のとおり、地方分権が進展し、行政サービスは多様化かつ増大化しておりまして、窓口相談業務の増加やIT推進による機器の導入などによりまして、執務スペースの狭小や会議室不足の状況にあります。事務室の配置の見直しについては、機構改革などに伴い、必要に応じて行っているわけでありますが、物理的に微修正にとどまっておりまして、本庁舎のレイアウトの抜本的見直しも必要な時期にきていると認識いたしております。しかしながら、庁舎の増改築や大幅な配置の変更につきましては、多額の費用がかかりますことから、現在進んでいる県西地域2市8町の合併論議の行方なども見ながら、検討していく必要があるのではないかと考えているところであります。
次に、最後になりますけれども、職場の安全性でございます。職員の安全衛生管理につきましては、「労働安全衛生法」及び「小田原市職員安全衛生管理規程」に基づき、管理体制の充実・推進を図っております。具体的には、職員の安全及び衛生に関する事項を調査審議するために、市役所を10の事業場に分けまして、それぞれ安全衛生委員会を設置し、職場巡視や安全衛生研修等を実施するなど、快適な職場環境の形成や公務災害の防止に努めております。近年、御承知のとおり、行政対象暴力が言われるようになりまして、もともとこれはさまざまな形であったわけでありますけれども、悪質なクレーマーですとか、そのほかいろいろ、クレーマーというにとどまらない、それ以上の方々も時にはいらっしゃるわけでありまして、この行政対象暴力にどういうふうに対応するかということは、私といたしましても、市の職員の安全を守るということからも、あるいは来庁していらっしゃいます市民の皆さんをしっかりとお守りするという意味からも、大いに大切なことだと考えているわけであります。このような中、全課に防犯ブザーを配付するとともに、一部の窓口では、さすまたを備えつけるなどの対策を講じていたわけであります。ちょっとこれも時代おくれかもしれませんが。昨年7月に福祉政策課職員が切りつけられるという公務災害が発生してしまいました。御承知のとおりであります。大変残念でありました。このため、事件後、早速、警察職員OBの方にお願いをいたしまして、来ていただくようになりました。庁内を巡回していただくなど、市民及び職員の安全性の確保に努めております。そうした専門家の方がいらっしゃるというだけで、職員も非常に精神的にも安定して仕事ができるというようなことで、大変頼りにしている、来ていただいた方に感謝もしているところであります。いずれにいたしましても、こうした施策をしっかりとやりながら、職員の安全衛生管理をきちっとやってまいりたいと思います。

以上をもちまして、フォーラム21小田原・14番加藤議員の代表質問に対しましての答弁とさせていただきます。
◆14番(加藤仁司君) 一定の御答弁をいただきました。
今回、17項目、数でいいますと30ほどの質問をしてまいりました。詰めが必要なところが多分にあるんですけれども、これは予算特別委員会の方にお任せをするとして、また、私どもの方では1番鈴木議員の質問もありますので、細かい再質問というのはするつもりはありません。しかしながら、すべてを包括して、2点ほど市長に伺ってみたいと思います。
まず、今回、平成20年度の市政全般にわたって質問をしてまいりましたが、3月定例会に際して、平成20年度の当初予算発表、このときに市長は、骨格予算と通常予算の中間に今回の予算は位置するということを述べられております。このことは、勇退後にバトンタッチをする新市長の裁量で判断する予算も多少考えなければいけないのかなという、これは市長の配慮なのかもしれません。それは、小澤市長が就任をされた年は、まさに4月1日に山橋前市長が亡くなられて、その山橋市長が組まれた予算の中で、1年間、市長の方は携わってこられました。そういうような思いを次の市長には味わってもらいたくないという考えがあったのか、これはどうかわかりませんけれども、確かに市長に就任して1年目、1年丸々あるわけじゃないのでしょうけれども、継続事業を新しい市長になって急にとめたり、また、思いつきで新しい事業をやったりというのはなかなかでき得ない。これをしたら、市民の生活にも大きな影響を及ぼす。こんな可能性もありますので、どっちかというと、この1年目というのは、議会もまた市民の方も、そんなに辛い採点はしないのではないのかなと思います。2年目に入りましたら、市長御自身のいろいろな色を予算編成の中にも出される、そしてまた議会の中で論戦していく、こんなのが今までの流れなのかなと、このように思うわけでもございます。
私は、市長の2期目、3期目、4期目の予算ということで経験したわけですけれども、振り返ってみますと、その都度、今言ったときは市長選があるときです。この市長選の前に、やはりその市長選がある年の予算を組むんですけれども、今まで骨格予算というのは組んだことがないように、そのように記憶をしております。それは、これは私が勝手に考えるところなんですけれども、市長が経験された選挙、これにはすべて対立候補がいらっしゃったわけです。それこそ、市長がもしも落選をしていた場合には、市長が前に組まれた予算を新しい市長が執行していくというような形になったはずですけれども、これはもしかしたら勝つ自信があったからと言ってしまえばそれまでなんですけれども、そういうことではないのではないのかな。勝つ自信よりも、やはりこれは市長自身が積み重ねてきた多くの事業や政策が、これから小田原に必要なものはこの事業である、この政策だ、こんな信念のようなものが満み満ちていたからということで、骨格なんてつくらない、そういうことで来たのではなかったかなと思いますが、間違いかどうか。私自身はそういうように思います。だからこそ今回の予算については、市長にとっても最後の予算編成、これはたとえ市長が勇退されても、御答弁がありますように、行政執行におくれとかまた途切れ、こんなことがあってはいけない、だれが何と言おうとも、託された役目を果たしていくんだということで、通常の予算を上程したんだ。こんな意気込みといいますか、情熱を私は期待してきたんですけれども、今回、中間だということの形になりました。そういうように私自身が思う部分なんですけれども、市長はどのようにお考えになってそのような形にしたのか、1点伺います。 また、それから御答弁をいろいろといただいたわけですけれども、市長にとっても、また小田原市にとっても、今後の小田原の行く末を左右する、それこそ市長にとりましては16年間の集大成とも言えるお城通り地区再開発事業また(仮称)城下町ホール、これについて道筋をつけたということを市長はおっしゃっております。しかしながら、(仮称)城下町ホールの答弁でもありましたけれども、その道筋は決して真っすぐ平たんな道ではなくて、所管も一生懸命頑張られておりますけれども、まだまだ厳しい道のりもあるということは、残念ですがこれは現実であります。
なお、先ほどの御答弁でもありましたが、市長は、歴代3代の市長が掲げられてきた小田原駅東西自由連絡通路、そしてこのお城通り地区再開発、(仮称)城下町ホール、これは三つの3大難事業ということで表されたわけでございますが、自由通路は開通をしておりますが、あとの二つの事業については、議会の方で上程された議案はすべて賛成多数で通っておりますし、否決をされたものはないんですけれども、(仮称)城下町ホールについては、先ほど御答弁がありましたように、相手があるとはいえ、こちらから見ると、本当に何を手間取っているんだ、こういうような気持ちを本当に強く持っているわけです。本事業に反対される方々が言われるように、使い勝手が悪いホールなのか、また、利用者が二度と使いたくないと言われるホールなのか、これは本当に、確かに実際に利用してみなければ見えないことも、また不備もあるかもしれません。私自身、この(仮称)城下町ホール、最初に話があったとき、その地区で本当にいいのかなということで異論を唱えて、何度も市長に質問してまいりました。そのたびに市長からいろいろと答弁を受けるに当たって、市長の並々ならぬ信念また意気込みを感じてきました。執行部においても、議会や一般市民、説明会の開催、検討委員会の設置や報告、必要議案等一つ一つ必要条件をクリアしながら進んできました。だからこそ、小澤市長が、何が何でも建設が終わるまで責任を持って当たらなければならない事業だと私は思っております。しかし、任期という制約もありまして、市長の立場で最後まで見届けるわけにはいかないというのは、市長にとっても寂しいことかもしれませんが、残された任期、それこそ命をかけても、事業がスタートした、こういった動きが見えない限り、その職責を果たしてとは言えないのかもしれません。そこで、企業庁の動きは、先ほど御答弁いただきましたように、私も驚きました。入札を行っていないというのが、理由が示されていないということですなんけれども、それでは、この明快な答えをもらうまで、それこそ市長が直談判といいますか、そんなことを言うのは僣越なので、そこまでは言えないんですけれども、気持ち的にはそのくらいすべきじゃないかなと思っています。一般の中では、この市民会館の地震の心配もありますので、早く建設に取りかかってもらいたい、こういう多くの市民の気持ちをもって、市長においてはこの(仮称)城下町ホールについては最後まで御奮闘をお願いしたいと思います。事業にかける市長の意気込みをもう一度伺いたいと思います。
市長(小澤良明君) フォーラム21小田原・14番加藤議員の再質問にお答えします。

まず、なぜ通常予算としなかったのかという話でございますけれども、14番加藤議員、いみじくもおっしゃられましたように、今までは選挙を控えても、それは負けることもあるかもしらん、でも私は勝つつもりですし、勝たなければいけないということで、予算もしっかりと組ませていただきました。しかし今回は、そもそも私自身が不出馬ということで表明しておりますから、そこはもう条件は全く違うということだと思っています。ですから、できるだけ骨格に近い予算、でも御指摘のとおり、私は5月までですから、いつもお話ししますように12分の2、6分の1は私の小澤市政の範囲ですから、そこはまずきちっと責任を持たなくてはいけない。そのほか、かねがねお話ししておりますように、いろいろな継続的な、市民の皆さんと一緒になってつくってきた事業を、途中で、これはどなたが市長になってもぷっと切るわけにはいきませんし、あるいはまた、もう既に先行投資もされてきてしまうと、むだになってしまいますから、そういうようなこともあって、これはやはりのせざるを得ない。それから、国・県等との審議の関係もありますし、全部事務が連携して進んでおりますから、これものせざるを得ない。あるいは扶助費等、日々の生活で、これは制度上、どうしてもこれだけは必要だということにつきましても、これものせざるを得ないということになりまして、できるだけ新規の政策的なもの等は排除するようにしまして、それでつくりました。それでも、対前年度の当初予算比でいいますと、一般会計で2%減で11億円減でございます。そういう数字であります。ですから、あとは、新市長さんは市税収入の見方もいろいろできるわけでありますし、財調の使い方もいろいろできる。そのほか、地方債の発行もいろいろ考えられればあるかもしれません。ただし、これは9月議会にならないと間に合いませんから、そうすると、私は2ヵ月ですけれども、そこまでの間、本当にあいてしまって、9月から今度は準備してやるということになりますと、実際仕事に入りますともう新年になってしまいます。わずか何ヵ月しかできないということになりますから、これは新市長さんには申しわけないなと私は思いますけれども、そういう常識的なこと、市民生活に影響を与えないということから考えますと、こういう予算編成にせざるを得ない。ちなみに、参考までに、藤沢市の山本市長さんが2月25日まで任期でございました。ですから、山本市長さんは新年度は全然任期がないわけでありますけれども、でも予算編成の一番大事な時期で、これは新年度やらなくてはいかんということで、藤沢市の一般会計予算を見ましたら、これはパーセンテージで見ますと、0.8%減で、ほとんどやはりのせてしまっているんです。新市長さんが全部新年度やるはずなのに、のせてしまっているわけです。ですから、どこのまちも事情は同じで、やはり私どもとしては、そういう中で、誠実に、謙虚に、新市長さんに対しても遠慮しながら、しかしかつ、職員は職員のこの仕事はどうしてもやりたいという気合いみたいなものがありますから、そこは多少配慮したりしながら、今回予算を計上させていただきました。これから予算特別委員会が始まるわけでありますけれども、いろいろと精査して、また御賛同いただければありがたいと思うところであります。
それからもう一つの(仮称)城下町ホールの問題でございますけれども、(仮称)城下町ホール整備は、自治会総連合、商店街連合会、音楽連盟の皆さんから、建設促進の陳情をいただくなど、文化振興や中心市街地の活性化のために、多くの市民の皆さんから期待されている事業であります。また、市民会館の建て替え問題として、中井市長さん、山橋市長さんのころからの長年の懸案事項でありまして、昨年10月に、建設を行う神奈川県企業庁と協定を締結して、ようやく市民の皆様にホールの整備を目に見える形としてお示しすることができるところまでこぎつけることができたわけであります。しかし、企業庁による事業の推進が現状滞っていることは大変歯がゆく、私といたしましては、事業進捗に向けて、14番加藤議員の御激励のとおり、できる限りの対応をしていく所存でありますので、また陰に陽に、フォーラム21小田原の皆様方をはじめ、議会の皆様方におかれましても、御理解、御支援を賜りますようにお願い申し上げたいと思います。
◆14番(加藤仁司君) 再々ということですが、本会議におけます私の市長に対しての質問も最後となったわけでございます。我が会派においては、1番鈴木議員がこれから質問を行うわけですが、この16年間、小田原をリードしてこられました市長に対して、心から敬意と感謝を申し上げまして、質問を終わらせていただきます。