平成20年12月議会一般質問
2008年12月28日
平成20年 12月 定例会
一般質問
加藤仁司
通告に従いまして順次質問してまいります。
はじめに、県西地域合併について伺います。
県西地域合併の議論につきましては、本年6月定例会におきましても質問をしてまいりました。そのころは、県西地域2市8町における住民説明会直前であり、また、市長就任直後ということもあって、具体的な動きまで見えない状況でありました。しかしながら、この数ヵ月において、御承知のとおり、小田原市議会及び南足柄市議会において、任意合併協議会を早急に設置する請願が採択され、南足柄市議会では、市町村の合併の特例等に関する法律の有効期限内の県西地域2市8町の合併に関する決議も採択されています。さらに、10月9日付で県西地域合併推進民間団体の会より、加藤市長あてに、小田原市の主導による県西地域の合併促進についての要望書も提出されていると伺っており、合併議論の高まりを日に日に感じているところであります。
さて、11月12日には、平成20年度第2回県西地域合併検討会が開催されました。今回の会議では、議事要旨をホームページにて拝見したところ、合併に対する各市町の温度差が如実にわかる内容であり、会長であります加藤市長の奮闘に敬意を表するものであります。その中で、結果として提示された研究会について質問してまいります。
はじめに、この任意合併協議会研究会ですが、その研究会の開始時期については、議論の末、来年の2月に結成することのようですが、実際に何を協議していくのか、また、期限はいつまでとするのか。このような方策は、合併を議論してきた全国他の市町村にも見られる手法なのかお尋ねいたします。
また、この検討会でも改めて表明されていますように、中井町は任意合併協議会には加わらないとしています。また、どう見ても合併議論に後ろ向きの町も研究会に加わるように思えるのですが、本研究会は検討会から一歩踏み出した会と解釈するのであれば、果たしてそのような構成でよろしいのか、県西地域合併検討会の会長でもあります加藤市長の御見解をお伺いします。
次に、本市の財政見通しについて伺います。
11月21日に内閣府が発表した月例経済報告によると、景気の先行きは、原油価格が下落し、一定の効果が期待されるものの、世界的金融危機の深刻化、株式・為替市場の大幅変動などから、さらに景気が厳しくなるとの報告がありました。県内経済情勢においても、個人消費の低迷、企業収益の減益も顕著なことから、本市においても法人市民税がかなり落ち込んでいると聞き及んでおります。そこで、本市における今年度の歳入の不足見込額はどのくらいとなるのか、はじめに伺います。また、来年度以降の財政推計はどのようになっていくのか、想定は極めて難しいとは存じますが、概算で結構ですのでお示しいただきたいと存じます。
さらに、昨年の2月に発足した県西地域合併検討会を報じた新聞では、「合併しないと90億円の赤字に」という見出しが躍りました。合併をした場合としない場合の財政推計試算でありますが、その際に示された平成28年の2市8町合計の歳入歳出の差額、すなわち赤字が約87億円になるとの試算で、合併した場合には30億8200万円の黒字になると試算されています。これはあくまでも試算であり、平成16年度から18年度までの決算をベースに算出されていることから、参考と考えていくべきでしょうが、先ほど述べましたように、地方財政は当時よりもさらに悪化してきたことから、推計の算定基礎となるベースはもっと厳しい数値となり、赤字額は増大するものと推察できます。そこで、2市8町が合併をしなかった場合の各市町の検討結果と、合併した場合の検討結果は示されておりますが、果たして県西地域合併検討会委員会での各首長の発言を聞き及ぶ中では、現実的に合併問題に積極的な姿勢を見せている市町での組み合わせのシミュレーションをしていく必要があると考えます。そこで、例えばさきに述べましたように、議会から任意合併協議会の早期設置の請願が出された小田原市と南足柄市の2市が合併した場合、また、比較的合併に積極的と見られる大井町と開成町を加えた2市2町の場合には、平成28年までの財政推計はどうなるのか、概算の数字がありましたら示していただきたく存じます。
次に、生活に直結する行政サービスについて伺います。
合併議論の中で欠かすことができない重要事項として、住民の負担の増減とともに、生活に密着したサービスが、合併によってどのようになっていくのかが住民にとって最重要課題だと思われます。近年、少子高齢化が進み、さまざまな福祉政策や医療、介護等、年々増加する扶助費とあわせ、生活水準が下がることなく自治体を運営することは、行政の責任として当然負わなければならない責務であります。さらには、行政事務の効率化を図るべく、消防の広域化やごみ処理、斎場の建設、施設利用の行政間の協定など、現在でも住民サービスが広域的な観点で繰り広げられている、あるいは繰り広げられていく中にあって、今後どのような展開を描いておられるのか伺います。
合併に対する最後の質問として、新合併特例法期限後の県西地域のあり方について伺います。
皆様御承知のとおり、新合併特例法の期限は平成22年3月までとされています。時限法であるこの法が延期あるいは新たな形で継続するか、現在のところはっきりわからない状況でありますが、現在の状況では、法定期限内での合併はかなり厳しい状況であると言えます。しかしながら、9月に議会において採択された請願に基づき、任意合併協議会に参加する自治体数によっては、事務処理の項目は同じでも、そのボリュームが変わるであろうし、基準も検討しやすくなる可能性もあると考えます。さらには、さまざまな数値、サービスの内容の検討により、実務上、合併が可能か否かの判断材料にもなり、合併不可能という事態も考えられます。そこで、本市において、新合併特例法の法定期限内での合併が行われなかった場合、今まで活動してきた県西地域広域市町村圏協議会をはじめ、西さがみ連邦共和国、あしがら広域圏ネットワーク等の他市町との連携を軸とした組織はどうするのかお尋ねいたします。
また、県西地域合併検討会における各首長との合意事項である、平成22年3月までに合併の方針を定めるという考えは、既に国等からの財政支援策が得られないと仮定していると思われるのですが、少なくとも本市は、財政面、サービス面を維持できると思っていられるのか、さらには、県西地域のリーダー的存在である本市として、県西地域住民が困ることのないような将来像を描いているのか伺います。
次に、大項目の2、学校教育について何点か伺ってまいります。
はじめに、平成19年度児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査結果について伺います。
本年11月18日の神奈川県の記者発表において、文部科学省が実施した「平成19年度児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」によると、神奈川県の公立学校における暴力行為の発生件数は、小学校875件(前年比180件増)、中学校5465件(同じく251件増)であり、高等学校を含めた内訳として、対教師暴力は915件(前年比11件減少)、生徒間暴力3499件(同じく290件増加)、対人暴力185件(同じく22件増加)、器物損壊2755件(同じく390件増加)となっており、暴力行為が発生した学校数は681校(前年比70校増加)で、全学校の46.9を占めており、暴力行為の発生件数は、調査開始以来、過去最高の件数となりました。また、いじめの状況につきましては、小学校でのいじめ認知件数は1397件(前年比671件減少)、中学校で2569件(同じく640件の減少)となっており、高等学校、特別支援学校を含めた「いじめを認知した学校」の割合は57.3%と前年比8.1%減少し、いじめが解消された件数の割合は72.4%、一定の解消関係が図られたが継続支援中を合わせると91%という結果となりました。
以上のように、神奈川県の記者発表では、いじめは減少傾向にあるが、暴力事件、とりわけ生徒間暴力や器物損壊の件数の増加が顕著ですが、小田原市での実態はどうなっているのか、まずお尋ねします。また、その原因や内容はどのような事例があるのか、お示しいただきたく存じます。また、暴力事件、いじめ対策など、当問題に対して学校や教育委員会はどのような姿勢で対応しているのかもあわせて伺います。
次に、少人数学級について伺います。
現在、国の基準として、1クラス40人をもとにクラス編制がなされているわけですが、神奈川県においては、小・中学校の全クラスで35人を1クラスの上限可能人数としており、本市においても、平成16年より、小学校1年生を対象として少人数学級編制が行われております。そこで現在、本市の少人数学級を実施している学校は何校かお示しください。また、1クラスにおける適正人数についてあわせて伺います。
ただいま申し上げました基準をもとに考えますと、例えばある学校の小学校1年生に入学する児童が108人であった場合には、まず1クラスの40人で割ると各クラス36人で3クラスですが、1年生35人を基準としているので、1クラスふやせて27人の4クラスとなると思いますが、そうなると、1クラスにつき9名の児童が少ないクラス編制となります。この9名の減は、学校教育においてどのようなメリットがあるのかお尋ねをいたします。
最後に、トイレ掃除について伺います。
本質問は、私が当選をしたばかりの平成7年6月に、また、平成12年3月にも同様の質問をいたしました。平成7年のときには、トイレ掃除は小学校・中学校ともに児童・生徒が行っているとの答弁でしたが、平成12年時には、中学校は生徒によるトイレ掃除が実施されていたものの、小学校では業者が行っているという答弁に愕然とした覚えがあります。果たして現在はどのようになっているのかお尋ねします。
さて、先月報道された新聞によると、横浜市教育委員会が、特別支援学校を除く全市立学校500校において、児童・生徒によるトイレ掃除を30年ぶりに復活をさせると伺いました。トイレという共有スペースの便器や床、ドア、ノブなどを掃除することで、物を大切にする心や規範意識を養おうというねらいとともに、少子化の影響からか、個人中心の考え方をしがちな子供がふえているため、公共の精神を育てる目的もあるとのことですが、その背景としては、トイレへの落書きや破損を含む暴力行為の件数が増加していることも指摘されており、まさしく10年来、私が主張してきたことと合致するわけですが、本市においては実施するお考えがあるのか伺いまして、登壇しての質問を終わります。(拍手)
加藤憲一市長
16番加藤議員の御質問に順次お答えを申し上げます。
はじめに、任意合併協議会研究会の協議内容、期限について御質問をいただきました。本研究会は、現在の合併検討会の下部組織として、2市8町の副市長・副町長等により構成し、8番横田議員の御質問の際にお答え申し上げましたとおり、県西地域にふさわしい任意合併協議会のあり方を議論し、今後の円滑な合併協議を推進するために設置をするものでございます。この研究会は、平成21年2月を目途に設置することとなっており、具体的な検討項目につきましては、現在調整をしているところでございますが、協議会の性格、協議項目、組織体制、予算規模などの任意合併協議会のあり方を中心に検討したいと考えております。この研究会の期限は平成22年2月を予定しておりまして、検討会委員会に最終報告を行い、最終的な合併の方向性に反映していく予定でございます。
次に、任意合併協議会研究会の事例についてのお尋ねがございました。任意合併協議会の具体的な内容を協議する段階で、事務方のトップである副市長・副町長のレベルの会議体を設置し、検討を行ったという事例は複数ございます。県内事例となります相模原市では、合併協議会設立準備会を設置されまして、規約、予算、協議日程など、協議会設置に関する基本的事項を協議し、調整されたと伺っております。また、任意合併協議会におきましては、副首長レベルで協議会の下部組織である幹事会を切り回す事例も数多くあります。任意合併協議会研究会は、県西地域にふさわしい任意合併協議会のあり方について議論をする場であり、結論に至る道筋を明確にし、今後の合併検討を具体的に進めていく上で重要なものであると考えております。
次に、任意合併協議会研究会の枠組みについてお尋ねがございました。8番横田議員にもお答えを申し上げましたが、8月に行われました第1回合併検討会委員会では、2市8町の枠組みを堅持し、平成22年3月までに合併の方向性を示すということが確認をされております。私から提案した際には、この研究会は検討会の下部組織でもあり、2市8町の枠組みにとらわれず、参加意思のある市町で構成をしてはと説明を申し上げたところでございます。しかし、その検討会の中でも、2市8町の枠組みを堅持した方がよいとの御意見もございまして、結果として、2市8町の首長全員がこの研究会に参加する意向を表明されたところでございます。
次に、本年度の歳入見込み及び今後の歳入の見通しについての御質問でございました。平成20年度予算における歳入見込みについては、原油価格の高騰や金融危機などの影響によりまして、多くの企業で業績が悪化をしていることに伴い、法人市民税を中心に市税収入等が減収となる見込みでございます。また、今後の歳入見通しにつきましても、昨今の地域経済の減速や企業業績の悪化が、来年度直ちに回復するとは考えられないことから、法人市民税を中心に市税収入等の増収は期待できず、今後も厳しい財政運営を強いられるものと考えております。
次に、合併新法内に、2市あるいは2市2町で合併した場合の財政推計について御質問をいただきました。合併検討会では、2市あるいは2市2町の合併による財政推計は、これまでのところ試算をしてはございません。なお、2市及び2市2町が合併新法の期限内に合併した場合に見込まれる国の財政支援としては、電算システムの統合などの合併準備及び移行経費の2分の1相当が交付される見込みであり、また、県からも一定の財政支援が見込まれるものと想定をしております。
次に、市民生活に密接に関係する分野における現状と今後の見通しについて御質問をいただきました。防災や防犯、医療、福祉、そしてごみ処理といった問題は、市民の安全・安心を確保する上では大変重要な分野でございます。そして、市民生活に直結しているからこそ、市民ニーズや社会情勢によって大きく変化をしてくる分野でもございます。現状では、市民ニーズの多様化・複雑化への対応も含め、また、社会保障や医療制度といった国家的な混乱もあり、本市を含めて現場を預かる地方自治体としては、住民の皆さんにできるだけ御不便が及ばないよう、懸命に努力をしているところであります。あわせまして、昨今の厳しい財政状況にかんがみた場合、どうやって市民生活の安定と心の豊かさを維持していくのか、これも大変大きな問題となっているところでございます。11月12日に開催されました県西地域広域市町村圏協議会、この中では、取り組み可能な広域連携分野については、前倒しで具体的な検討を進め、実現を目指す方向で確認が行われたところでございます。今後の見通しでありますが、消防や地域医療、ごみ処理といった問題については、広域連携を推進するとともに、より効率的な施策展開を目指してまいりたいと考えております。また、それ以外のテーマにつきましても、可能なものについては、広域連携を視野に検討してまいりたいと考えているところでございます。
次に、合併新法期限内で合併しない場合の広域連携組織について御質問がございました。本市では、県西地域広域市町村圏協議会、西さがみ連邦共和国、あしがら広域圏ネットワークなどの広域連携組織を設置し、県西地域の広域連携を推進してきたところでございます。先般開催されました県西地域広域市町村圏協議会の席上で、私より、西さがみ連邦共和国、そしてあしがら広域圏ネットワークにおける住民参加型のイベントなどの相互乗り入れや、将来的な組織の一体化を提案し、各首長の理解を得られたところでございます。また、広域消防の検討、コンピュータシステムの共同運用についての勉強会の開催なども提案し、首長同士の基本的な合意が図られたところでございます。今後の合併議論を視野に入れたとき、このような行政間の枠を超えた連携の積み重ねにより得られる経験が、有益に働くと考えており、合併とあわせ、広域連携についても引き続き推進してまいりたい、そのように考えております。
次に、合併新法後の合併において、財政面、サービス面の維持や、県西地域の将来像についても御質問がございました。16番加藤議員御指摘のとおり、合併新法には、市民自治の拡充に関する制度、議員の身分の扱いに関するもののほか、手厚い財政支援等さまざまな特例措置が設けられていることは承知をしております。合併新法後の合併の法制のあり方につきましては、現時点では未定でございますが、すべての特例措置が廃止をされるとは考えておらず、規模は別として、財政支援は継続されると期待をしております。また、新法期限後の合併におきましても、行政運営の効率化を図ることなどにより、財政面や行政サービス面の維持も可能と考えております。合併後の県西地域の将来像についてでありますが、豊かな地域資源を十分に活用した地域圏としての総合力の発揮、そして、地域資源の共有効果の最大化、これを目指すとともに、一方で、地域コミュニティ単位を明確に見据えた行政資源の配分や公共サービスの確保も取り組んでいく方針でございますが、いずれにしても、地域の将来像については、本市が中心的な役割を担いながら、財政面や行政サービス面の維持も念頭に、任意合併協議会で協議をすることとなります。
16番加藤議員御質問の学校教育については、教育長からの答弁とさせていただきます。
以上をもちまして、16番加藤議員の御質問に対しての私からの答弁とさせていただきます。
青木秀夫教育長
16番加藤議員の御質問に順次お答えをいたします。
はじめに、小田原市のいじめ・暴力行為等の実態についての質問がございました。平成19年度のいじめの件数は、小学校が58件、中学校が19件、暴力行為の件数は、小学校が8件、中学校が92件、器物損壊の件数は、先ほどお話ししました暴力行為の件数の中に含まれておりまして、器物損壊の件数は小学校で6件、中学校が45件でございました。
次に、いじめ・暴力行為の原因や内容についての御質問でございます。いじめの内容につきましては、「冷やかし・からかい・悪口等」が最も多くて、次いで「仲間外れや集団による無視」「暴力を振るわれる」となっております。暴力行為の内容につきましては、「生徒間暴力」が最も多く、次いで「対教師暴力」「対人暴力」「器物損壊」となっております。いじめ・暴力行為の原因につきましては、本調査の項目に挙げられておりませんが、「思春期における心の不安定」「本人の人間関係のトラブル」「家庭のさまざまな状況」が考えられ、それらが複雑に絡み合ったストレスが原因となっていると思われます。
次に、いじめ・暴力行為に対する学校や教育委員会の姿勢、対応についての質問でございました。教育委員会では、教育活動全般を通じて良好な人間関係づくりを構築して、仲間を思いやる心、仲間を大切にする心をはぐくむことが、いじめや暴力行為を減少させる原動力となると考えております。そこで、各学校では、日常的に子供の変化を見逃さないように留意していくために、きめ細やかな教育相談の実施等をしております。また、児童会や生徒会など、子供たち主体の活動の中で、「自分たちの手でいじめや暴力行為をなくしていこう」という意識を高められるように、子供たちの力を生かした柔軟な指導もしているところでございます。
次に、小田原市の少人数学級編制の実施校数について質問がありました。小田原市では、平成16年度から小学校1年生を対象に、35人以下学級の少人数学級編制を導入しております。今年度は、市内25小学校のうち、1クラスが35人を超えている8校で実施をしております。これによりまして、市内すべての小学校1年生で35人以下の学級を実現しております。
次に、1クラスの適正人数についての質問がありました。国の学級編制の基準では、1クラスの人数が40人以下と定められております。この基準に照らし合わせたとき、1クラスの人数は20人から40人の範囲内となり、この人数が適正人数となるわけでございます。本市では、特に入学直後の児童が教室で騒いだり歩き回ったりして学校生活になじめないといった「小1プロブレム」が心配される小学校1年生に対しまして、児童一人ひとりに対してきめ細やかな指導が必要であると考えております。そこで、1クラスの人数を35人以下とする少人数学級編制を実施し、適正人数を18人から35人の範囲内に引き下げているところでございます。
次に、少人数学級編制のメリットについての質問がありました。義務教育の入門期である小学校1年生において、少人数学級編制を実施することにより、学習面、生活面ともに児童一人ひとりに目が行き届き、きめ細やかな指導が可能となっております。具体的には、少人数になったことにより、「先生が一人ひとりの児童に声をかける回数がふえた」「児童が学級の中で発言する機会がふえた」といった効果が見られております。これらの積み重ねによって、児童の不安が解消され、1年生の児童が新しい環境に戸惑うことなく学校生活になじむことができるなどの成果が上がっているものと考えております。さらに、教室のスペースにゆとりが生まれるなど、児童が伸び伸び生活でき、学習活動においても安全で充実したさまざまな活動が行えるなどのメリットもあります。
次に、小田原市の小・中学校のトイレ掃除の実態についての質問がありました。市内の小学校では、児童によるトイレ掃除を全25校中3校が行っており、22校は行っておりません。トイレ掃除を行っている三つの小学校では、手洗い場や入り口付近を掃くといった掃除内容に限定はしております。その理由は、通常の掃除場所と同じように、衛生面の支障を来すことのない掃除内容を優先しているためであり、便器等の掃除は用務員が行っております。中学校では、市内全校で生徒みずからが床を掃く、またはモップでふく、手洗い場をたわしで洗う、便器を柄つきブラシで洗うといった方法でトイレ掃除を行っております。
次に、児童・生徒にトイレ掃除をさせるべきだという意見に対する見解についての質問がございました。現在、学校における掃除や給食当番などは「特別活動」として位置づけられており、その内容は、学習指導要領に基づき、校長の裁量において計画・実施されております。私は、トイレ掃除に限らず、自分たちが使用している学校施設を大事に扱い、自分たちの手できれいにしていくことは、社会性や公共精神を養う大切な教育活動であるととらえております。小学校におけるトイレ掃除につきましては、現在のところ、衛生面、各学校の実態や児童の発達段階等を踏まえ、各学校の校長の裁量にゆだねられているところでありますが、教育委員会としては、「特別活動」における一つの課題としてとらえていきたいと考えております。
以上をもって、16番加藤議員の質問に対しての答弁とさせていただきます。
加藤仁司
一定の御答弁をいただきました。再質問をしたいんですが、順番の方は、学校教育についてのところから始めたいと思います。
今回、ちょっと長い名前なので、調査ということに言葉はさせていただきたいと思いますが、今回の実態調査、この中で、本市の様子を今教育長から御答弁をいただきました。動向とすれば、県の動向とやはり似たような感じなのかな。いじめ、暴力、器物損壊が、やはりさまざまなところで起こっているんだなということを感じました。また、今回のこの調査の中で、最初の質問のときには、たしかちょっと提示をいたしましたが、いじめに関して、約91%が解決もしくは解決をしている途中というような調査結果が出ておりました。いじめに関しては、最近は、私も子供の方がもう義務教育を終わっているので詳しいことはわからないんですけれども、まだまだあるのではないのかな、決して91%も解決しているようなことは到底見えない。この調査自体が、ちょっと私は疑問に思っております。小田原においてもこのような調査をされているかと思うんですけれども、この調査どおりにいじめの解決が図られているのかどうか、これを再質問の1点目として伺いたいと思います。
次に、このいじめや暴力事件が、これが明らかになったときに、やった子は児童だったり生徒だったり子供なわけですなんけれども、あくまでも親・保護者、これは監督責任を持っていると思います。この監督責任のある親とか保護者、その方には、こういう事件が発生したときにどのような対応をしているのか、これを2点目に伺いたいと思います。
また、この調査の中に、実は出席停止の措置、こういったものが書かれておりました。この出席停止措置、毎回私は質問するたびに出すんですけれども、学校教育法の第26条は小学校、それで第40条はそれに準用するということで、中学校でも出席停止ができるという法律にはなっているんですが、この出席停止措置が小学校で0件、中学校で3件、そしていじめを理由とする出席停止の措置件数は0件ということになっております。伝家の宝刀ともこの部分は言えるのかもしれないんですが、児童・生徒の出席停止がほとんど行われていない。これだけのものが、暴力事件、またいじめがあるにもかかわらず、ほとんど行われていない。この理由は何かを伺いたいと思います。
四つ目としては、器物破損。これが中学校では全校に対して68%、すごく高い割合になっております。このような事件が発生したときに、当然、当事者に対しての賠償責任ですか、賠償請求なりすると思うのですが、その姿勢についてはどうなっているのか伺いたいと思います。
それから少人数学級の件なんですが、人数を減らせると、今教育長から御答弁があったように、目がかなり行き届くという御発言がありました。さきに例を挙げた9人というのは、たった9人と見るか、9人もと見るか、この見方自体、それぞれによって違うと思うのですが、私も、何回もこの少人数学級についての質疑をさせていただいておりますけれども、この少人数学級を含めて、もう今、少子化でどんどん子供が減っているにもかかわらず、この状態というのは、やはり教員がだんだん余剰になってくるという現実に合わせてつくったものなのかなというように思えてなりません。ちまたの中では、この少人数学級は本当にすばらしいものだとか、学校や親も大変歓迎をしているような状態なんですけれども、それだけ目が行き届くんであれば、もうこれは議論が終わっていることなんですけれども、あえて言うのは、例えば議案関連でも言った片浦中学校、これ自体も目が行き届くんであれば残すべきだったのじゃないのか。これはあまり議論しても、もうしようがないんですけれども、そういうような感じがいたします。ただ、人数が、さっき言ったようにたった9人、多いか少ないかだけなんですよね。この9人が多いから目が届かない、少なければ目が届く、これも何かちょっと、どこにその根拠があるのかなというのが私ははっきりわかりません。逆に、小さいうちから、やはり先ほど言ったいじめや暴力が起きるというのは、もう自分よがり、そういう子供がふえているのかな。自分と全く違う性格や生活環境、そういう子たちが多ければ多いほど、人は自分にないものをいっぱい持っている。多くの人たちと、例えば小学校1年生のときに触れ合う、知り合う方が、教育的な効果というのは高いんじゃないのかな、このように私は意見として思っております。
そこで、先ほど19番堀村議員の方から、障害児学級ですか、ちょっと話がありましたけれども、障害のある子、ない子ではなくて、やはり今、小学校1年生に上がる子は、さまざまな公立や私立の幼稚園、もしくは公立や私立の保育園から一堂に集まって、小学校1年生のクラスが編制される、こういった機会というのも多いと思うんですよね。こういうなれない環境下に小学校1年生が置かれるので、そしてまたすぐに小学校生活が始まる。こういったことで、先ほどから出ている、小学校1年生には、学校の中を走り回ったり、なかなか落ちつかなかったり、なれなかったり、こういった状況があるので、そこで少人数学級にされたと思うのですが、私は逆に、こういう状況が今多いから、小学校に上がる前に、1ヵ月でも2週間でも、何か小学校に上がる前の入学の準備期間の場を、そこで小学校に行ったらこういうことを習いますよとか、あくまでも生活習慣、生活の規範というか、そういったものを教える、その期間が必要なのじゃないかなと思うのですけれども、こういったものを実施することはどうか伺いたいと思います。
それからトイレ掃除の方なんですけれども、衛生面ということのお話がありました。私が平成12年3月に質問したときには、25校中8校がトイレ掃除を小学校で実施されている。今回伺ったら、25校中3校ということで、やはり減っているんです。平成7年のときは、全校がトイレ掃除をしていたのに、どんどん減っている。こういうことで、何でそうなってしまったのかなと思うわけでもございます。私、学校自体をすべて見ているわけじゃないんですけれども、最近学校は、私が小学校のときに感じたときよりも、ちょっと汚いような感じがするんです。あまり掃除をしていないような感じがします。掃除時間は当然あるんですけれども、本当に掃除をしているのかな、こんなところをよく見かけます。トイレだけではなくて、掃除の仕方自体、本当に教わっているのか、ちょっとそこら辺が疑問です。
そこで一つ質問するんですが、ごみの例えば掃き方とか、ぞうきんのかけ方、こういった掃除を一体だれが指導されているのか、これを1点伺います。また、この掃除に関しては、先生方はどこまで関与しているのか、あわせて伺いたいと思います。
それから横浜の例を先ほど出しました。横浜市の教育委員会が出された件について、浜教組、横浜市の教職員組合の委員長は、コメントとして、ちょっと反対のような姿勢を示している。この行為は、教員の方からすると歓迎されない行為なのかな、このような感じがしています。先生方が忙しい、これはよく言われることです。また、その気がないんであれば、ぜひとも地域の方々をうまく使ったらいかがかなと、このように思います。特に、地元の高齢者の方々とかに学校に来ていただいて、掃除時間に指導してもらう、こういったこともいいのではないのかなと思います。特に市長は、学校は地域のコミュニティの場、こういうことも言われておりますので、ぜひともそのようなことを実施されることも考えられたらどうかなと思うのですけれども、御見解を伺います。
青木秀夫教育長
16番加藤議員の再質問につきましては、私からお答えをいたします。
はじめに、いじめの状況において、大体90%が解決したとの調査結果について質問がありました。本当に90%解決できているのかということでございますが、この調査につきましては、いじめられている子供の立場に立って取り組んできたことによりまして、これまで以上に早期発見・早期対応が可能となった結果としての数値であるととらえております。しかし、御指摘のとおり、一定の解消関係が図られたものの、継続支援中のケースがまだ約20%もあります。また、いじめが現在でも存在しているのも事実であり、この結果につきましては重く受けとめる必要があると考えております。いじめにつきましては、一定の解決が図られたと判断した後も、子供の日常の様子をできるだけ詳細に把握・分析をして、子供に寄り添った対応を続けていくよう、各学校へ指導していきたいと考えております。
次に、いじめや暴力行為が発生した際の親への対応について質問がございました。まずは、教員がチームとなって、いじめた側、いじめられた側の児童・生徒から詳しい状況を聞き、事実を把握することから始まります。その後、双方の保護者へ連絡をいたしまして、教員が自宅を訪問したり、保護者が学校に出向いたりして、その事実を伝えております。その際、ケースに応じて、該当の子供を同席させ、事実を再確認するとともに、加害者の保護者の意見や考えを聞きながら、「いじめや暴力行為が絶対に許されない行為であること」「被害者に対して誠意を持って謝罪すること」「ルールを守ることの大切さや規範意識を醸成すること」など、より強く意識されるよう指導を行っております。加害者の保護者には、事実の重大性を十分に理解してもらうとともに、再発防止に向け、子供とよりよくかかわることができるよう、その後も保護者との連携を密にしていくよう、そういった対応を図っているところでございます。
次に、出席停止の件数が極めて少ない、その理由は一体何なのかという御質問がございました。本市においては、これまで出席停止の措置がとられた例はございませんが、この措置は、原則として、器物損壊を含む暴力行為等あるいは授業妨害等、法に反する行為等について、学校が指導や警告を行ったにもかかわらず、繰り返された場合に講じられることになっております。また、本人に対する懲戒ではなく、学校の秩序を維持し、他の児童・生徒の義務教育を受ける権利を保障することを趣旨とした措置でもございます。その運用につきましては、当該児童・生徒の置かれている家庭の状況等を十分に配慮するなど、慎重に検討する必要があると考えます。以上の理由から、出席停止の件数が極めて少ないという調査結果になっていると思われます。
次に、問題行動を起こした児童・生徒の保護者を訴えることについての御質問がございました。賠償責任等を含む内容でございますが、教育委員会といたしましては、保護者を直接訴えることよりも、加害児童・生徒が深い反省をすることにより、今後、同じような過ちを繰り返すことがないように、「仲間を思いやる心、仲間を大切にする心、物を大切に扱う心」をより高めていくための指導を大切に考えております。学校における指導では、金銭的な弁償だけでなく、壊したものを本人と保護者に直させたり、教員が手伝って一緒に直したりしております。例えばガラスを割るなどの器物損壊等を起こした場合は、被害の状況によって、学校が警察に被害届を出すことがあります。あわせて、校長の意向を受けまして、教育委員会として告訴状を出すといったケースも中にはございます。
次に、小学校に順応させるための機会を設けることについて御質問がございました。本市では、これまで以上に、幼稚園・保育園と小学校との交流の機会をふやすなど、連携を強めていくことにより教育的効果を高めていこうとする幼・小・中一体教育を進めているところでございます。この取り組みの効果と、少人数学級編制による効果により、小学校生活へのスムーズな移行を実現しているところでございます。現在、入学説明会等の機会を利用して、新入学児を対象とした1日体験入学等を行っている小学校も多くございます。今後、幼・小・中一体教育の充実を図っていく中で、16番加藤議員御指摘のことも含めまして、小学校に順応させる機会をふやしていくことを含めた研究を進めていきたいと思います。
次に、トイレ掃除について、現在、だれがトイレ掃除の指導をしているのかの質問がございました。学校における日々の清掃活動では、それぞれの清掃場所の担当教員が決められておりまして、教員全員で指導に当たっております。トイレ掃除も同様で、トイレの担当である教員が指導に当たっております。
トイレ掃除について、教員がどこまでかかわっているのか御質問がございましたが、学校における日々の清掃活動では、教員は、複数の清掃場所を担当し、指導に当たっているのが現状でございます。そのため、教員は、それらの場所を巡回しながら、掃除の方法や用具の正しい使い方などの手本を示したり、児童・生徒と一緒に清掃活動を行っているところでございます。トイレ掃除についても、他の場所と同様な指導が行われているのが現実でございます。
次に、トイレ掃除において、地域の人に指導していただくことに対してはどのように考えるのかという御質問がございました。教育委員会では、地域一体教育を推進しておりまして、各学校では、さまざまな形で地域の方々の協力をいただき、児童・生徒へのきめ細やかな指導を実現しているところでございます。トイレ掃除を含めた清掃活動におきましても、地域の方々の協力を得ることが、学校や児童・生徒の教育にとって大変有意義なものと考えております。
以上をもって、16番加藤議員の再質問に対する答弁とさせていただきます。
加藤仁司
教育長から、再質問に対しての答弁をいただきました。教育に関しては、この1から3の部分というのは、全般的に私は全部かかわり合いがあると思っています。例えば、最後に述べましたトイレ掃除について、もしも教員の方が忙しいのであれば、地域の方々を入れるべきだというところは、例えばそういう地域の方々が学校に入ることによって、さまざまな目があって、例えばいじめの発見とかそういったものにも大変効果があるのではないのかな、このような感じもすることで、質問をさせていただきました。横浜市の教育委員会の方では、校長の裁量抜きにトップダウンというようなことのようです。小田原市でトップダウンをしたのは、学校の禁煙、これがトップダウンのような感じがしてなりません。そういったことで、小田原市も事例がありますので、ぜひ教育委員会からのトップダウン、これでもよろしいのじゃないかな、このように意見を申し上げたいと思います。
それでは、教育については以上にさせていただいて、最初の合併の部分についての再質問をさせていただきます。
まず、検討会の中の研究会、ここで今、市長が最初に準備会の提案をされたときに、あくまでも全市町がメンバーではなくて、できるところはやるんだという意気込みであったということを伺って、これは本当に正しいのではないかなと思います。しかしながら、この任意合併協議会への合併検討会のスケジュール、この部分がちょっと前倒しで、研究会を2月ということになったんですが、ここの主な検討項目は、協議会の性格位置づけから6項目ぐらいあります。すべて「協議会の」という表現があります。これは「任意合併協議会の」ということが主語であると思うのです。ですから、任意合併協議会自体、不参加を表明している、あるいはその名称が頭にくるのはおかしいというようなことを、この第2回の合併検討会のときに、ある首長さんは言われている。こういった状況であるときに、やはり任意合併協議会のための検討なので、そういうメンバーの方々がいるのは極めておかしいのではないのかな、そのように思います。もしも、将来的な研究材料、またその動向を見たいということであれば、せめてオブザーバーということで、そういう立場をとるべきだと思います。会長である市長に、こういうふうなお話をするのも大変だと思うのですけれども、次回の検討会において、この検討自体に前向きでない自治体に対して、不参加とかオブザーバー参加とか、そういったことを提案すべきだと思うのですけれども、御見解を伺いたいと思います。
次に、財政等の部分については、この議会でもいろいろな方々が質問をされました。細かいところは聞かないんですけれども、特にこの研究会自体が約1年もかけて、この六つの検討項目があるんですけれども、そんなにかかるものなのかな。これが例えば研究会の中で、よく任意合併協議会ですり合わせをする2000項目とか、そういうようなことをやるということでしたら、この作業自体、相当日数がかかるのはわかるんですけれども、今この六つほどの部分を検討するだけで1年もかかるのかな、単純にそういうように思います。この1年という長さはちょっと長いと思うのですけれども、それについての御見解を伺いたいと思います。
それから3番目に、今の新合併特例法の前に、旧の法律があったんですけれども、湯河原、真鶴、ここがその旧の形で合併をするかもしれなかった。このときに、神奈川県では7億円の合併特例交付金及び補助金の増額を約束された、こういうことも伺っています。ここでちょっと伺いたいんですが、新法になったとしても、期限内の合併に対しては、県は財政支援を行うということを明言されておりますが、これらの交付金というのは、いつの時点で交付されるのか、また、その前倒しというのはできるものなのか、そこを一つ伺います。
それから四つ目として、この合併に絡んで、先ほども申し上げましたように住民説明会がありました。この中で、小田原市ではないほかの市町で出た意見ということでちょっと聞いているんですけれども、小田原市は合併によって行政改革を行って、それによって生じた財政的な余裕や国・県の財政支援を、現在の懸案事項であるお城通り地区再開発や、(仮称)城下町ホールの建設のための充当するのではないかな、こういった意見があったと伺っております。そもそも県西地域合併と小田原市の駅周辺事業というのは別物と認識しているんですけれども、市長はどのようにとらえているか、御見解を伺います。
そして五つ目なんですけれども、今、県西地域広域市町村圏協議会が運営されているんですが、それ以外にもさまざまな組織がこの2市8町、組み合わせはばらばらですけれども、展開されているということで、この際、合併をしてもしなくても、この組織があまりにも複雑になり過ぎていて、正直にどこと組み合わせているのか私もわかりません。そういったこの組織は、先ほど三つの組織は一体化するということで市長から御答弁があったんですけれども、それ以外の組織もすべてひっくるめて、あまりにも複雑化されているところを整理すべきじゃないのかな、このように思います。こういったことについてどのような御見解をお持ちか伺いたいと思います。
加藤憲一市長
16番加藤議員の合併に関する再質問にまず私の方からお答えをしたいと思います。
今、5点ほど伺いましたが、そのうちのまず1点目、今回立ち上げさせていただきました任意合併協議会研究会の構成メンバーについてのお尋ねでありました。そもそも準備会ということで、任意協の立ち上げに対して前向きな市町だけでの構成でよかったのではないか、それ以外といいますか、そういう気持ちのないところの参加についてはどうなのかというお尋ねでございました。これについては、先ほどもお答えしたとおりの経過だったわけでありますが、基本的にはいろいろこれからの合併の判断を各市町がしていく中で、どうしても任意協の立ち上げというのは避けて通れない、それに至っていくプロセスを少し前倒しにしてやっていこうという趣旨で、今回準備会ということで立ち上げの提案をさせていただきましたが、その議論の中で、私の方からも、あくまでこれは任意の下部組織でありますので、そういうお気持ちのところが参加していただければよろしいかと思いますというような御提案も申し上げたんですが、いろいろ議論のある中で、そういうことではなくて、2市8町で可能であれば皆さん参加された方がいいのじゃないかという意見が委員会の中でも出まして、それを踏まえて、これまでの2市8町の枠組みを大事にしたいという基本的な思いもあって、それでは、そういうことであれば、研究会という形で皆さんが参加されるということでいきましょうよということでまとまったという経緯がございます。ただ、基本的には16番加藤議員御指摘のとおり、これにつきましては、議論の具体化を前倒しにするための場でもございますので、そういった全体の議論の流れの中で進めていきたいということであります。ただ、その中で、最初から不参加あるいはオブザーバーでということではなくて、やはり最後の最後まで、2市8町が一体化していくという可能性はぎりぎりまで追い求めていきたいというふうに思いますので、これは現段階では、この2市8町の枠組みでこの研究会自体も立ち上げてまいりたいというふうに考えております。
2点目、研究会の期間が長過ぎるのではないかというお話でございました。これにつきましても、今のところ、想定している検討内容が、先ほど16番加藤議員もおっしゃったような、いわゆる任意協の立ち上げに関する必要な部分での確認ということを中心にしているわけでありますが、これを今後、その先のプロセスの中では、地域の住民の皆さんによく御説明をした上で、次のプロセスである任意協の方に移行するための、ある意味素材づくりということにもなりますので、それについては必須項目に加えて、さまざまな確認のための議論、あるいはそういった最低限の判断に必要な材料の準備といったことも恐らく議論の中では出てこようかと思います。そういったことも含めて、ある程度十分な期間をとって臨むべきではないかということで、このような期間設定をさせていただいたという経緯がございます。御理解いただければと思います。
私の方からあともう一点、今、小田原市の懸案事項であります、いわゆる小田原駅・小田原城周辺のまちづくりといったような小田原独自の懸案事項に対して、合併後の財源が使われてしまうのじゃないかといった御懸念が他町から出ているということについてでありますが、これは16番加藤議員おっしゃるとおり、当然それとこれは全く別な話でございますので、現在、私たちが取り組んでおります小田原駅・小田原城周辺のまちづくりについては、これはあくまで、この間の経過も含めて小田原固有の課題であるというふうに思っておりますので、そのことの中に、この合併から生じてくる財源が使われていくといったことは全く想定をしないということで、ただ、こういった御不安が周辺にあるということは重く受けとめて、そういった御懸念の払拭については努めていかなければならないというふうに考えております。
私からは以上です。
加部裕彦副市長
それでは、私の方から、県の財政支援のお話と、あと広域行政の組織の整理の話につきまして御答弁申し上げます。
まず、県の財政支援でございます市町村合併特例交付金でございますが、この交付金とは、電算システムの統合など、合併に当たって必要となる合併前後の臨時的な財政需要に対しまして、従来県が行ってきた取り組みを踏まえながら、必要に応じて交付される財政措置でございます。その交付時期でございますが、基本的には新市誕生後に交付するものでございますけれども、場合により、その一部を合併期日前に交付することもあると伺っております。
次に、広域圏のかなりいろんな組織があるのではないかということで、先ほど市長の方から、県西地域広域市町村圏協議会、西さがみ連邦共和国、あしがら広域圏ネットワーク等、基本的なこの枠組みの組織については少し複雑ではないかということで、さきの検討会でも、市長の方から、一本化に向けた検討をしたいけどどうだろうかというお話はさせていただいたということでございます。16番加藤議員は、それの組織というようなお話になりましたが、具体的に組織として設置されておりますのは、例えば答弁の中で申し上げました広域消防ですとか、コンピュータ処理の問題、さらには広域のごみ処理、それから広域斎場等々あるわけでございますが、これらはそれぞれの目的に従って、組み合わせも変わってきているものですが、基本的には、県西地域広域市町村圏協議会の中で、そういった検討の組織というものが設置されてきたということだと思います。したがいまして、もともとは昭和44年に設置した県西地域広域市町村圏協議会が何といっても基本ではなかろうかと思っておりますので、基本的にはそこへ戻っていくのではないかなと思っております。ただ、西さがみ連邦共和国やあしがら広域圏ネットワーク等は、広域行政とは別の合併の議論の中でこのような組織もできてきたという経緯もございますので、また今後の合併の検討の推移とあわせて、少し組織の方も整理していく必要があるのではないかなと思っているところでございます。
以上でございます。
加藤仁司
一定の御答弁をいただきました。一つ伺いたいのは、ここで県西地域の合併検討会の中に研究会ができたということで、いろいろな作業、これも1年かけての作業ということで、先ほどから御答弁があるような、相当な量のいろいろな事務量が多くなるのかなと思います。しかしながら、先般、総務常任委員会を見ていても、企画の政策で、この合併については、たしか部長を含めて4人ほどしか登場されない。この少ない人数の中で、これからいろいろな研究会を含めてやるのかな、このような感じがいたしました。これから小田原市の将来を考える上で、この合併というのは本当に大事な問題だと思うのですけれども、今のスタッフでやれるのかな、増員というのは考えてないのか、ちょっとそのことを1点伺います。
加部裕彦副市長
合併の事務局体制の御指摘だと思いますけれども、現在の状況は、16番加藤議員御指摘のとおり、企画部の企画政策課の中に広域政策の担当課長を置きまして、広域行政班で対応しているということでございます。今後につきましては、これは検討会での検討のスケジュールによりますので何とも申し上げられない部分もあるんですが、任意合併協議会ということになりますと、これは事務局体制だけでも20人から30人、先行事例等を見ますと事務局体制だけでもその程度のものが必要になってまいります。これはもう当然、かなり各市町から具体的な応援もいただきながらやっていかなきゃいけないのかなと思っておりますが、当面は、やはり私ども企画政策課の中の今の体制の中で検討していきたいと思います。ただ、この三、四人だけで完全にできるということでは当然ございませんで、具体的な検討内容によっては、総合的に横断的に市の他の各部局からの応援も当然必要ですし、場合によっては、他の1市8町の事務的なお手伝いも当然いただかなきゃいけない場面も想定できると思います。この辺につきましては、今後、研究会等を進めていく中で、状況に応じて、必要に応じた配置を検討するなり、応援体制といったものを検討してまいりたいと考えております。
加藤仁司
任意合併協議会になれば相当な人数が必要になると、当面は今の形でということなんですけれども、ここを本当に増員するかしないか、ここでこの市町村合併に対しての市の姿勢というものがはかれるのかな、そのような感じがいたします。先ほど市長からの御答弁の中でも、例えば県とかの財政支援、国も含めてかもしれないんですが、そんなに全部なくなるとは思っていないと。こちらから見ると、かなり甘く感じているのな。今、国においても県においても、お金に関してはこれから本当に厳しくなるということを感じているんですけれども、そういった考えはかなり甘いのではないのかな、このような感じがいたしました。私、個人的には、今回の合併の新法、これについては、するかしないか、本当に最後の選択だと思っております。この期限以降に、合併に対して財政支援もなければ、この先の合併というのはまずあり得ないのではないかな、このような感じを現時点で持っております。
市長は、御就任をされてから、小田原市長としていろいろな場所に行かれて、恐らく県西地域におけるリーダーという言葉をいろんなところで聞かれたと思います。この議場の中でも、皆さんそういうお話をしています。正直言って、小田原市自体は、先ほど落ち込みが激しいと言われた法人市民税、これにも特化しているわけでもありませんし、また、地方交付税に依存してもいない。だから、合併に対してはそれほど考えなくてもいいということは、もしかしたら我々の中にもあるかもしれません。でも、それは小田原市長という小田原市の長の部分の発想であっていいと思うのですけれども、やはり周りは県西地域のリーダーとして小田原市長があるという見方をしているからこそ、県西地域のリーダーじゃないのという、必ずそういう話が出てくると思うのです。やっぱり県西地域がお互いに発展していく、この姿勢が、今、小田原市長である加藤市長は県西地域のリーダーとしてのものも背負っているという認識をぜひしていただきたいと思います。もう十分御承知だと思うんですけれどもね。ただ、市長が、最初の6月のときにも、私の質問の中身に対しての答えにもありました。まず内政が大事だ、内政が大事だ、これをこの議会の中で言っている部分、これでもおかしいじゃないかと言いますけれども、それを外部で、例えば他の今の1市8町の方々に、いや合併も大事だということはわかっているけれど、まずちょっと小田原市のいろいろな懸案事項がありましてと、こういう表現をすると、やはりほかの町の、またはほかの市の首長さんに、小田原市長は市のことをまず第一に考えて、あまり県西地区のことを考えていない、そういうふうな見方をやっぱりされてしまうのかな。ですからその言葉自体は、県西地域のリーダーとして、ぜひともそこはちょっと超えてもらいたいな、このような感じがいたします。8番横田議員が前の質問のときにも、準備会を研究会に変えた、おかしいじゃないか、もっと準備会で突っ走ればいいじゃないかと。そういったことも、研究会というのをぽんと上げて、それを市長が受け入れるかどうか、そういうことでもしかしたら試したかもしれない。ちょっと悪い言い方かもしれない。でも、それは準備会、私は準備会と決めたんだから準備会。先ほどからお話のありました、これに加わらないものは加わらなくていい、こういったところをぜひとも、私の希望とすれば、第3回の検討会のときにどんと出していただきたいな、そのように思うんですけれども、最後に、この第3回目の検討会が2月にあるということですけれども、検討会に会長として小田原市長が臨まれる、この姿勢について、どういうふうな姿勢で臨まれるか、最後にお聞きをしたいと思います。
加藤憲一市長
16番加藤議員の合併についての再度のお尋ねにお答えしたいと思います。
次回の合併検討会に向けての思いはということでありますが、これは8番横田議員にもお話ししたことと通じるものがあります。前回の11月12日の検討会の中で、この研究会に至る議論の中で、やはり各市町の温度といいますか、首長さんのお考えがかなりわかりやすく出たというふうに思っておりますし、また、それ以降の各首長さんからのお話等を伺っている中でも、いろいろやはりスタンスの差というものが、ある意味では以前よりもはっきりと見えてきたのかなという気もしますが、また一方で、この昨今の経済情勢があって、本当に地域圏としてのまとまりを持って課題解決に向き合っていかなければいけない、なかんずく経済の問題については、やはりもう各自治体ごとの行政境という話を超えて、やはりこの地域圏として対応していかなければいけないという状況に、もうこれははっきり立ち至っていますので、地域圏としての一体化をきちんと見据えた中で絆を深めていく、そのことをこれまで以上に進めていきたいんだということは、私もこの間、さらに一層強く思っております。一方で、先ほど16番加藤議員は、内政という言葉についての御懸念をお話しされましたが、確かに6月の就任のころは、わかりやすく内政という形で私も表現していた、その言葉がある意味でひとり歩きしているようなところもあるわけですが、要は趣旨のところは、私たちの足元で抱えている、いわばどの市町も普遍的に抱えている課題をまずきっちりと解決する、そのことがより確かな広域化につながるんだという、そういう視点を持って、この足元の福祉、医療、教育等々の課題をまず解決しましょうということを盛んに何度も申し上げているわけであります。ですからこの点については、再度、誤解のなきように、しっかりとそこを踏み固めた先にこそ、この地域の間違いない合併の基盤ができるんだということをお伝えしたいというように改めて決意をしております。そのようなことで御理解いただければと思います。
以上です。