平成22年6月議会一般質問

2010年06月01日

◆13番(加藤仁司君) 通告に従いまして順次質問してまいります。

はじめに、県西地域合併検討会終結後の本市の行方について伺います。

平成7年4月1日に改正された「市町村の合併の特例に関する法律」は、平成12年の地方分権一括法の施行によって合併算定替えの期間延長や合併特例債発行が可能とさらに改正され、平成17年3月末の失効の後、4月からは「市町村の合併の特例等に関する法律」いわゆる新合併特例法が施行され、本年3月31日をもってその効力を失いました。

平成11年4月1日に全国で3229あった市町村は、平成22年3月31日現在で1727自治体と、その差1502と、この11年間で約半分の自治体となったわけであります。この「平成の大合併」が全国で繰り広げられた中で、本市をはじめ近隣2市8町が、平成19年2月8日に県西地域合併検討会を設立いたしました。本検討会は、2市8町の枠組みで合併した場合の課題の整理、新たなまちづくりの可能性、将来の都市像を検討しながら住民への情報提供をし、平成22年3月末までに合併の方向性を示すものであり、幾度かの検討委員会、住民説明会の開催、各副市長・副町長等で構成された任意合併協議会研究会の設立等を行ってまいりましたが、本年3月25日に開催された平成21年度第3回委員会をもって当検討会は終結されることとなりました。

目標でありました「県西地域における市町村合併の方向性」については、1.2市8町住民が安心して暮らし続け、活力ある地域としていくためには、合併などの手段によって地域の一本化を図る必要があるとの認識を各市町は共有した。2.現時点での合併に対する住民の意識やまちづくりに係る方針を勘案すれば、直ちに2市8町が足並みをそろえて合併に向けた任意合併協議会の設立は難しい。3.2市8町そろっての合併検討は一区切りとする。今後はそれぞれの市町が主体的に判断する。4.2市8町はこれまで強固な連携のもとで具体的取り組みを進めており、県西地域の将来の一体化に向け、既存の連携組織を統合して(仮称)神奈川県西部広域行政協議会を設立するとまとめられたのであります。

この最後の検討会には、近隣市町からも多くの議員も傍聴し、その行方をかたずをのんで見守っておりました。議会においては、県西地域合併検討会設立の3日後に、2市8町の有志議員による「県西地域合併を検討する議員連盟」を設立し、合併に関する情報交換、講師を呼んでの講演会、幹事会等を開催して各市町の状況把握に努めておりましたので、当然関心は高いものでした。その間、小田原市議会及び南足柄市議会においては、「任意合併協議会の設置を求める請願」が採択されたことも合併に対しての大きな動きであったことを申し述べておきます。

それでは、最後の検討会の席上、各首長が了承した「神奈川県西部広域行政協議会」について伺ってまいります。

既に第1回目の会議を終えたと伺っておりますが、質問の一つ目として、その内容はどうだったのか、二つ目として、今後のスケジュール等について伺います。

また、本協議会はどのような課題を検討しようとするのか、さらに、対象はあくまで2市8町ということでよろしいか、組織逸脱の可能はあるか伺います。

続いて、(2)合併の可能性について伺います。

さきにも述べましたとおり、3月の県西地域合併検討会を一区切りとして、2市8町による合併は、必要性は認識しているものの、現実的には当面行われないと認識いたします。ただ、当委員会にて加藤市長は、一部抜粋とお断りしますが、「合併推進に積極的な近隣市町があるのであれば、小田原を中心としたいわゆる中心市域の拡大という形での段階的な合併を進めつつ、最終的な一本化を目指すという道筋も現実的なアプローチとして考えているところである。本市としては、広域での課題解決に向けた各市町との共同作業において、先頭に立って汗をかく覚悟であるとともに、本市との合併検討を希望する意思表明が一部市町からあった場合には、真摯に受けとめ対応させていただきたいと考えている」との発言がありました。

そこでお尋ねいたします。加藤市長御自身が発言されたこの言葉は、合併に前向きととらえてよろしいのか、その真意を伺います。

次に、この加藤市長の発言を受けて沢南足柄市長は、「県西地域の市町合併に対する認識が共通したことは大きな成果である。2市8町の人口は既に36万人を切っており、人口減少が極めて著しい状況である。この地域は、経済や商業も低迷しており、地盤沈下が起きている状況の中で、広域連携は必要であるが、これだけで十分なのか疑問を持っている。小田原市から前向きな発言があったが、高く評価し、重く受けとめ、対応していきたい」と発言し、翌日の新聞各紙は、小田原市と南足柄市との合併の可能性が取りざたされたことも記憶に新しいものであります。

そこで、この南足柄市長の発言について、加藤市長はどう受けとめられたのか、感想を伺います。

さらに、南足柄市をはじめ他町から正式に任意合併協議会の申し入れがあった場合、加藤市長はどのように対応されるつもりかもあわせて伺います。

次に、大項目の二つ目、本市観光客等への対応について伺います。

今年も5月3日に開催した北條五代祭りも無事終了いたしました。歴女ブームとも言われ、最近は老若男女が歴史的建造物や書物等に関心が高まってきたとも聞いておるところですが、本年3月に開催した予算特別委員会における資料では、小田原城天守閣への入場者が増加しているとの報告がありました。既に平成21年度事業が終了したことから、最終的にはどのような推移となったのか、入場者数の数値を示してください。そして、増加した要因についてどのように考えているか、御見解をお尋ねいたします。

また、増加した入場者はどのような交通手段により来場していると考えているか、調査されているようならその数値をお示しください。

次に、自家用車等の交通手段で来訪される観光客に焦点を当てて幾つかお尋ねします。

自家用車で初めて小田原城へ来場する場合など、小田原城への誘導が必要であると考えられます。箱根・真鶴方面からの国道、小田原厚木道路、東名高速道路等主要なアプローチルートには誘導標識を設置していると思われますが、従来とあまり変わっていないように思われます。

そこで、小田原城への誘導標識等について現状で十分と考えておられるのでしょうか、御見解を伺います。

次に、電気自動車(以下「EV」といたします)への対応について伺います。

本市では、平成10年に小田原市低公害車普及促進計画を策定し、EVをはじめ天然ガス車、ハイブリッド自動車、メタノール自動車等の低公害車普及に努めてまいりました。本議会においても、市内の低公害車の普及状況について何人かの議員が伺うことがありました。

そこで、現時点での本市のEV登録台数について、まず伺います。

次に、EVの普及に伴う充電設備について伺います。

EVは、家庭製品を充電するように100Vの家庭用コンセントで充電でき、200Vコンセントでも充電することが可能だと伺っています。200Vコンセントであれば100Vの約半分の時間で充電することができ、さらに、昨年7月より販売されている量産型の次世代EVにおいては、急速充電器にも対応しており、100Vや200Vコンセントに比べ、短時間で充電できるのが特徴であるそうです。

そこで、本市における充電設備設置場所は何ヵ所あるのか、また、その場所についてもお示しください。

続いて、これらEVを利用した観光客等が本市に来訪された情報はとられているのか伺います。

最近は、さきにも述べたさまざまな種類の低公害車の中でもEVに対する注目が高いと思われます。低公害車には、エネルギー源や動力源の違いから、窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)を発生しないが価格が高い、また、インフラが未整備のものや、初期導入コストが高かったり、排気ガスを少量だが出すといったように、それぞれの低公害車には一長一短がありますが、各自動車メーカーの開発、バッテリーの発達によりEVはさらに需要が見込まれると推測いたします。このようにEVの普及率が高まる中、充電設備設置を住民や観光客に対して行うつもりはあるのかお尋ねいたします。

次に、今後の駐車場対策と小田原城跡整備について伺います。

平成2年より文化庁の許可を受け、臨時駐車場として使用されてきました城内臨時駐車場が、過去2回にわたって使用期限延伸の許可を得ながらも、平成22年3月31日をもって現状復帰しなければならないことが、本年1月26日の建設経済常任委員会及び28日の厚生文教常任委員会で明らかになりました。しかしながら、小田原駅東口臨時駐車場が現在、大蓮寺第一雨水幹線工事の作業ヤードとして縮小されていることを理由に、再度の延伸を文化庁に申し入れ、その結果、延伸期限内に駐車場施設の撤去、期限終了後直ちに御用米曲輪の史跡整備に着手することを条件に、平成23年3月末までの1年間、延伸される見込みであるということでした。

そこで、はじめに、現在の城内臨時駐車場は以前野球場として使われていた経緯もあり、バックネットやスタンドも設置されていますが、どのような工事が行われ、その後はどのような整備が行われるのか、また、そのスケジュールについて伺います。

次に、本城内臨時駐車場は、私が平成18年6月にバイクの駐車場はどこにあるのかと質問した際に、看板表示がなされていなかったので、急遽手づくりで城址公園北入口に設置したという経緯があります。最近のバイク乗用者、いわゆるライダーは若者から中年、熟年層がとても多くなったと伺っており、ソロや数人でツーリングを楽しんでいる姿をよく見かけます。当然、その方々が小田原城を目標に来訪されることも予想され、来年の城内臨時駐車場閉鎖までにはバイクの駐車場の確保もしていく必要があると思われますが、どのような対策を講じる予定なのかお尋ねいたします。

最後に、小田原城跡整備に関して伺います。

本市は、平成5年に策定された「史跡小田原城跡本丸・二の丸整備基本構想」に基づき、さまざまな整備を進めてまいりました。銅門整備をはじめ、昨年は馬出門が完成し、さらには馬屋曲輪の整備が待たれるところであります。当然、正規登城ルートとして馬出門土橋から馬出門をくぐり、馬屋曲輪から住吉橋を渡る際に、左手に御茶壺曲輪を見て銅門、常盤木門を経て本丸、天守閣に到達するような順序での整備となると期待しておりました。だからこそ、次には馬屋曲輪、そして現在観光バスの駐車場付近の御茶壺曲輪整備になるだろうと思っていたところ、さきにも述べましたように、文化庁からは平成23年度より御用米曲輪の整備に取りかかることになったわけであります。このような整合性のとれない整備順序について、市長はどのように思われるのかお尋ねいたします。

また、御用米曲輪整備が行われた場合、現在のように正規登城ルートと北側から天守閣に入場できるルートも今までと変わらずに利用することになっているのか、あわせて伺いまして登壇しての質問を終わります。(拍手)

○議長(今村洋一君) 市長、登壇願います。

〔市長(加藤憲一君)登壇〕

◎市長(加藤憲一君) 13番加藤議員の御質問に順次お答えを申し上げます。

はじめに、神奈川県西部広域行政協議会の第1回会議の内容についての御質問でございました。本協議会は、既存の三つの広域連携組織を統合し、高度化する広域的課題への確かな解決力を備えるとともに、将来の一体化を志向した取り組みを推進することを目的として、本年4月に設立した組織でございます。第1回会議は4月27日に開催いたしまして、本年度の事業計画や歳入歳出予算について審議を行いましたほか、広報、職員研修、防災、都市交通、環境の五つの行政分野ごとの常設部会及び特に高次の検討が必要と認められる広域的課題に集中的に取り組む「特定課題検討部会」として、消防広域化、地域医療体制の2分野について部会を設置することを2市8町の首長間で合意したところでございます。今後は、本協議会での取り組みを通じまして、県西地域の絆をさらに深め、広域行政のより一層の推進を図ってまいりたいと考えております。

次に、神奈川県西部広域行政協議会の今後のスケジュールについての御質問でございました。今後のスケジュールといたしましては、2市8町の首長が出席する協議会の「会議」を年間当たり4回程度開催いたしまして、各部会での検討状況を報告するほか、広域連携事業の推進に係る意思決定、広域的課題への対応を目的とした調査研究、構成市町の一体化に資する事業の実施、さらには、広域的行政課題に係る情報交換及び連絡調整につきまして、その都度必要な協議を行う予定であります。また、特定課題検討部会につきましては、設置期間を定めて集中的に取り組む予定でありまして、現在設置されている二つの部会のほか、今後も必要に応じて部会設置の是非について協議会で協議し、随時設置していくこととしております。

次に、神奈川県西部広域行政協議会で検討する課題についての御質問でございました。先ほど申し上げましたとおり、本協議会では、当面、消防広域化と地域医療体制の2分野について特定課題検討部会を設置いたしまして、短期間に集中して検討を進める予定でございます。現在、この二つの部会における具体の検討項目の整理及び検討体制の整備を行っているところでございまして、7月ないし8月ごろから本格的な活動が始まる予定でございます。

次に、神奈川県西部広域行政協議会の枠組みについてのお尋ねでございました。まず、本協議会の対象につきましては、13番加藤議員の御質問のとおり、県西地域の2市8町を構成団体としております。また、組織逸脱の可能性についてでありますが、各市町においてさまざまな事情や取り巻く状況に差はあるものの、これまで培ってきた県西地域の一体感は大切にすべきであり、さまざまな広域的課題について具体に協議していく場が必要であるということを、2市8町のすべての首長が共有し認識しているものと理解しております。今後も、県西地域2市8町間で協力しながら、長年積み上げてきました絆を礎といたしまして、協議会運営を進めてまいりたいと考えております。

次に、県西地域合併検討会における私の発言の真意についてのお尋ねでございました。3月25日に開催されました県西地域合併検討会平成21年度第3回委員会における私の発言の内容につきましては、13番加藤議員御説明のとおりでございます。この発言の内容のとおり、私は、将来的な県西地域の一体化に向けた方策の一つとして、合併に積極的な一部市町による段階的な合併を進め、中心市域の拡大を図っていくという手法を現実的かつ有効なものとして肯定的にとらえているものでございます。

次に、南足柄市長の発言に対する感想についてのお尋ねでございました。3月25日の平成21年度県西地域合併検討会第3回委員会の席上では、南足柄市の沢市長の御発言を直接お聞きしております。また、その後も本市との合併検討について前向きな御発言をされていることにつきましては、新聞紙上等を通じて私も承知しております。将来的な県西地域の一体化の必要性への認識、また、それに至る手法として段階的な合併に取り組むことの有効性に対する評価等、南足柄市の沢市長の御発言につきましては、私としてもしっかり尊重しなければならないと感じているところでございます。

次に、他市町から任意合併協議会設立の申し入れがあった場合の対応についての御質問でございました。仮に、しっかりと将来を見据えた市町から合併協議をしてほしいとの意思表明があれば、私といたしましては真摯に受けとめ、議会の皆様とも相談させていただきながら、対応を検討してまいりたいと考えているところでございます。

次に、天守閣への入場者数の動向についてのお尋ねでございました。天守閣の入場者数でございますが、平成17年度が約33万人、平成18年度及び平成19年度が約38万人、平成20年度は約39万人と推移し、平成21年度は42万8429人で、平成17年度以降、増加傾向を示しております。こうした増加の理由といたしましては、城跡整備が進む中で、いわゆる歴史・戦国武将ブームをはじめといたしまして、「安・近・短」のレジャー志向が進んだこと、また、小田原城や小田原のグルメポイントなどがテレビや雑誌で数多く取り上げられたこと、さらには最近では有料道路のETC割引等、さまざまな要因が複合的に作用したものと考えております。

次に、増加した入場者の交通手段についてのお尋ねでございました。増加した入場者の交通手段でございますが、詳細に調査しておりませんので明確にお答えすることは難しいわけでございますが、城址公園の周辺駐車場、これは城内臨時、本町臨時、藤棚臨時の3ヵ所でございますが、この利用台数はここ数年、横ばいの状況でありましたが、平成21年度につきましては、平成20年度に比べ約8%増加いたしております。また、小田原駅の乗降客数につきましても、東海道本線、新幹線や小田急線を中心に、ここ数年増加傾向にございます。しかし、一方で、藤棚観光バス駐車場を利用する観光客数は、ほぼ横ばい状況にありますことから、これらを総合的に勘案いたしますと、自家用車あるいは電車を利用し天守閣に来場された方が増加したのではないかと考えているところでございます。

次に、自家用車等で訪れる観光客の小田原城への誘導についてのお尋ねでございました。自家用車等で訪れる観光客に対しましては、関係機関の協力のもとに、小田原厚木道路、東名高速道路、西湘バイパスの各インターチェンジ及び箱根方面からの幹線道路等に、小田原城までの誘導標識を設置してございます。また、小田原箱根道路の新設など道路の整備状況に合わせて、新しく誘導標識を設置するなどの対応をしてございます。いずれにいたしましても、今後とも、観光客へのわかりやすい案内誘導に努めてまいりたいと考えているところでございます。

次に、市内における電気自動車の登録台数と電気自動車用充電設備の設置状況についての御質問でございました。電気自動車の登録台数につきましては、平成20年度末時点での登録台数調査の結果、市内には12台の電気自動車が登録されております。次に、電気自動車用充電設備の設置状況につきましては、本年6月現在、市内に6ヵ所の充電設備がございまして、設置場所につきましては、市役所車庫棟、県合同庁舎のほか、ダイナシティ、スバルや三菱自動車の販売店、そしてタイムズ小田原第5駐車場となっております。

次に、市内に電気自動車を利用した観光客等が訪れているかどうかについての御質問でございました。神奈川県や箱根町など、急速充電設備を設置した団体からヒアリングをいたしておりますが、観光を目的とした電気自動車利用者については不明でございました。自動車メーカー関係者や大学等の研究者などが、急速充電設備の主な利用者となっておりまして、社用や研究目的であろうかと推測されております。なお、栄町駐車場におきましても、市外からの電気自動車の利用があったと聞いております。

次に、本市における電気自動車用充電設備の普及施策について御質問でございました。電気自動車の普及につきましては、温室効果ガスの排出量削減の点から見ましても効果が期待されておりまして、国や県も、電気自動車を含む低公害車の普及に向けて施策を展開しているところでございます。これとあわせ、充電システムやコネクターの形状などがまだ統一されておりませんことから、国や自動車メーカー、電力会社なども統一的な基盤づくりに向けた検討を始めている状況でございます。本市における電気自動車用充電設備の普及施策のあり方につきましては、性能や価格、それによる効果などにつきまして、低公害車普及促進会議とも相談しながら、今後判断してまいりたいと考えております。

次に、城内臨時駐車場の閉鎖及び御用米曲輪の史跡整備の内容とそのスケジュールについての御質問でございました。御用米曲輪につきましては、13番加藤議員御指摘のように、臨時駐車場としての使用期限は平成23年3月まででございまして、期限までに駐車場施設を撤去すること、期限終了後直ちに御用米曲輪の史跡整備に着手することが文化庁から求められているところでございます。そのため、平成23年1月中旬に臨時駐車場としての使用を終了し、その後、3月までの間に仮設進入路等の駐車場施設を撤去する予定でございます。また、御用米曲輪の史跡整備といたしましては、今年度、駐車場周辺部の発掘調査や測量調査、史跡整備工事の実施設計を行い、平成23年度からおおむね3ヵ年をかけまして、旧野球場の観覧席等の撤去、土塁の復元、また米蔵跡の平面表示などを行う予定となっております。

次に、城内臨時駐車場閉鎖後のバイク駐車場についてのお尋ねでございました。小田原城跡が国指定史跡に指定されておりますことから、城址公園内にバイク駐車場を新たに設置することはなかなか難しく、また、城址公園周辺で用地を確保することも困難な状況でございます。そうした状況ではありますが、今後も引き続き、関係各課が連携して、バイク駐車場として利用可能な用地の確保に取り組んでまいりたいと考えております。

次に、史跡の整備順序の整合性についてのお尋ねでございました。本市では、平成5年に策定されました「史跡小田原城跡本丸・二の丸整備基本構想」に基づきまして、正規登城ルートである銅門・馬出門の整備を優先的に進め、今年度中には馬屋曲輪の修景整備が完了する予定となっております。一方、御用米曲輪につきましては、平成23年度から整備に着手することになりますが、先ほども御答弁いたしましたように、駐車場閉鎖後直ちに史跡としての活用を図るという文化庁の指導もあって着手するものでありますので、御理解をいただきたいと思います。

次に、御用米曲輪整備後の登城ルートについての御質問でございました。小田原城北入口につきましては、「史跡小田原城跡本丸・二の丸整備基本構想」の中で管理及び緊急用の通路として位置づけがされているものでございます。御用米曲輪につきましては、土塁上や曲輪内部に米蔵跡を平面表示する予定でありますので、小田原城北入口から入場された観光客に対しましては、それらをごらんいただきながら、正規登城ルートに誘導したいと考えているところでございます。しかしながら、小田原城北入口は、遊園地に向かう方や高齢者、車いすやベビーカーを利用される方々の利便性も考慮する必要がありますことから、史跡整備が途中である現状におきましては、引き続き使用していくことになると考えております。

以上をもちまして、13番加藤議員の御質問に対しての答弁とさせていただきます。

◆13番(加藤仁司君) 一定の答弁をいただきましたが、再質問させていただきます。項目が二つございますので、一つずつさせていただければと思います。

まず、大きな項目の1のところなんですが、今、神奈川県西部広域行政協議会、このスケジュール等について伺いました。合併議論をこの数年の中でこの議会でもさんざんしてきましたけれども、これからは、小田原としては広域化の方にかじをとっていくんだということで、もう既にこの協議会はスタートしたということでよくわかったわけなんですが、ただ、合併の部分について確認を再度させていただきたいと思います。実は、先ほど登壇しての質問の中でも言いましたが、3月にこの法律は終わったということなんですが、実は新聞、私も気がつかなかったぐらい小さい記事であったのかもしれませんが、この新合併特例法の期限切れに伴って、3月に国の方ではこの法律を改正したということがありました。まず最初に、本年3月にこの合併特例法が改正された、この中身についてどのような改正が行われたのか、それをまず第1点に伺わせていただきます。

それから二つ目としては、この合併検討会が開かれた平成9年のときには、2市8町の合併を行った場合と行わなかった場合の財政推計数値、これがたしか示されていたと思います。合併特例法の期限内に合併が行われた場合には財政の推計試算は幾らとなっていたのか、また、合併が行われなかった場合にはどうなると試算されていたか、もう一回確認の意味でその数値を挙げていただきたいと思います。

それからこの合併検討会の最後の会、ここで市長の発言、そして南足柄市長の発言についての市長の感想、また真意等を伺いました。この中で、先ほども申し上げましたとおり、市長は2市8町による広域化を図るということを宣言したということは間違いないと思います。そこで、広域化と合併というのはあくまでも対極の関係にあるものなのか、それとも広域化してその発展型として合併というのがあるのかどうか。この解釈はどのようにとらえているか。それについて3番目として伺います。

そして、合併についてのメリット・デメリット、これについてはよくこの議会でも取り上げましたが、ここで、合併と広域化の違いとそれぞれのメリット・デメリット、これをぜひ示していただきたい。これは一般論で結構ですので、それについて4番目として伺います。

そして、再質問の5番目として、私も、平成20年のときには6月議会と12月議会、2回合併についての質問をさせていただきました。その6月議会の質問のときには、合併についての取り組み、市長はどういうふうに思われているかと質問したときに、ちょっと俗な言い方ですけれども、内政課題が落ちつかないと合併には取りかかれないという答弁を市長からいただき、また、続く12月議会の質問のときには、市長の方から、内政という言葉、これがちょっとひとり歩きしているということで、言葉としては、どの市町も普遍的に抱えている課題をまずきっちり解決することとして、福祉や医療、教育等々の課題をまず解決するという形で述べておられます。市長のマニフェストも改めて見させていただきました。合併に対しては前向きにとらえておりますけれども、先ほど、南足柄市長の言葉が加藤市長の言葉を受けて発せられた。その言葉を聞きますと、今の時点で加藤市長が合併というものに対して門戸を広げているという立場をとったがために、南足柄市長はそれにこたえるような形になったと、こういう報道もされておるところなんですけれども、その後、南足柄市長はどういう発言をされているのかな。しっかりとした議事録という形ではとってはいませんが、南足柄市議会の今年の6月議会では、沢市長は、「南足柄市が任意合併協議会を申し入れる場合には、議会や住民の話をよく聞く必要がある」と。やはり南足柄市長としては大変前向きな発言をされております。そこで、再度申し上げますけれども、最後の合併検討会の中で加藤市長が合併についてはウエルカムだという姿勢をとったことで、南足柄市長の発言、そしてこの6月議会でもその前向きな発言があったということから、加藤市長が、合併は、俗な言い方であると、内政が解決しない間はあまりそういうものには向かないというか、まず内政の課題を解決するのが先だと申し上げた以上、今、スタンスとして、合併を受け入れてもいいというこのスタンスの部分からすると、既に内政の課題は解決しているというような解釈をしてしまうのですけれども、それについて御見解を伺いたいと思います。

以上5点、よろしくお願いいたします。

◎市長(加藤憲一君) 13番加藤議員から再質問を何点かいただきました。まず私の方から御答弁を申し上げます。

御質問の中で、合併と広域行政の関係をどうとらえているかということにつきましては、私の方から答弁したいと思います。

これにつきましては、私は、広域行政と市町合併が対極の関係にあるという認識はもちろんございません。これは県西地域におけるこれまでの広域行政の展開や合併検討の経緯等の現状にかんがみまして、今後、将来の一体化に向けて取り組んでいかなければいけないことは、この間、再三検討会等でもお話をしてきているところでございますが、将来の一体化に向けてこのハードルを下げていくためにも、やはりまずは、お互いの絆を深めていくために広域行政を可能な限り推進するということが必要であると考えているところでございまして、これは、ですから対極ではないということでございます。広域行政を通じまして、行政同士が、地域の抱える広域的な課題、これにともに取り組んでいくということ、また、その成果をそこに住んでいらっしゃる住民の皆さんが広く実感していくということ、これが、将来の市町の一体化、合併に向けても必ずプラスになっていくだろうというふうに認識しているところでございまして、ですから対極というよりは、その延長線上にあるものだと私は理解しているところでございます。

あともう一つ、一番最後に市町合併への対応に係る私のスタンスについてのお尋ねでございました。かつて、内政課題が落ちつかないうちは市町合併には取り組めないと言ったことについて、その後の見解についてということでお尋ねをいただきました。既に2年が市長就任以来経過しておりますけれども、この間、想像を超える経済危機等の影響がありまして、市として、さまざまな課題の解決に向けた布石は着々と打ってきてはおりますけれども、残念ながら、本市の懸案と言える諸課題が解決に至ったというふうには私は当然思ってはおりません。しかし、この地域、小田原を含めたこの県西地域の中で、住民の方がこの地域の豊かさを享受して安心して暮らし続けていけるような地域を実現するといった観点に立ちますと、また、この地域のそういった潜在的な力を最大限に発揮してこの地域を盛り上げていくということを考えますと、やはり合併などの手段によってこの県西地域の一体化を果たしていく、この総合力を発揮していける体制に持ち込むということが必要であるということの必要性への認識をこの間深めてきたところでもございます。今後でございますが、本市の抱えている諸課題の解決とあわせまして、この県西地域の一体化に向けた取り組み、それに向けた諸課題の具体の解決、これにも着実に進めてまいりたいと考えているところでありますので、御理解をいただきたいと思います。

私からは以上です。

◎副市長(加部裕彦君) 市町合併と広域行政の差異につきまして、私の方から御答弁させていただきます。

申し上げるまでもなく、市町合併とは、個別の市町が完全に一体化するものでございます。また、広域行政につきましては、個々の市町の枠組みをそのままに広域的課題の解決に連携して取り組む施策でございます。当然のことながら、施策の性格上、それぞれメリット・デメリットはあるものと思われます。ただ、効率的な行財政運営を図るという点に関しましては、目的は一致しておりまして、地域の実情等に応じ、これは適宜選択されるべきものと理解しております。

私からは以上です。

◎企画部長(時田光章君) 「市町村の合併の特例等に関する法律」の改正内容につきましては、私からお答えさせていただきます。

この法律につきましては、平成11年以来、全国的に市町村合併が積極的に推進されてきた結果、市町村数がほぼ半減するというような大きな成果が見られたこと、また、全国的な合併推進運動が10年に及んだことなどを背景といたしまして、その一部を改正して本年の4月1日に施行されたものでございます。改正のポイントでございますが、合併推進のための措置が廃止される一方、引き続き自主的な合併が円滑に行われるよう障害除去等のための措置は存置されたことが挙げられます。廃止された主なものといたしましては、都道府県によります市町村の合併の推進に関する構想の策定及び合併協議会設置の勧告、そして3万市特例の廃止のほか、地方交付税の額の算定の特例のうち、いわゆる合併補正に係る規定などがございます。

もう一つでございますけれども、「市町村の合併の特例等に関する法律」の期限であった平成22年3月末までに合併した場合の財政推計結果でございますけれども、県西地域合併検討会におきましては、平成19年度末に「県西地域市町合併に関する検討報告書」、これを取りまとめました。平成22年3月末までに合併した場合と、また、しなかった場合、いずれについても普通会計を対象にいたしまして財政推計を実施したものでございます。当然のことながら、この財政推計につきましては、一定の条件設定に基づくものでございますけれども、この推計の結果といたしましては、平成28年度の形式収支において、合併しなかった場合は、2市8町全体で101億5400万円の赤字という推計でございました。また、合併した場合には約6億9000万円の黒字ということになることから、合併がもたらす財政的効果といたしましては、100億円程度が見込まれるとの結果が得られたものでございます。

以上でございます。

◆13番(加藤仁司君) 今、最後に企画部長の方から、合併のちょうど議論をしたときの効果といいますか、財政的な部分については、しない場合は100億円以上の赤字が出てしまうというようなことがありましたので、かなりこの議会の中もいろいろ意見が分かれましたけれども、最終的にはその新合併特例法の期限内には合併することはなかったということがございます。

そこで再質問として、総合計画がここで、私も委員の一人として、これから委員会が開かれるわけなんですけれども、この総合計画は12年間というスパンでの計画でございます。そこで、先ほどからの質疑答弁を聞いていますと、市長は合併については、今は広域化の動きだけれども、やはり将来的には合併というものを目指すというお答えをしたと私も思っておりますので、例えばこの12年間の間に合併論議が持ち上がったときに、この総合計画、そのころには恐らくスタートしているでしょうけれども、スタートして数年後、合併の話が来たといったときに、この計画自体は、例えばこの基本構想、また基本計画、こういったものはどのようにされるつもりなのか、これをまず1点目として伺います。

それから今度は広域化の話なんですが、広域化については先ほど最初の御答弁の中で、今は、地域医療、そして消防、これについて特定課題検討部会、こういうのも設けるということでございますが、このところの情勢をいろいろ見ていますと、消防にしても、広域斎場、またごみ処理、医療、さまざまな広域の部分のことがかなり険しいといいますか、なかなかそう簡単には進んでいないというような見方をいたします。市立病院においては救命救急センター、これがいろいろありましたけれども開設して、県西地域の第3次救急として利用されているんですけれども、これは各市町の負担の方もまだ定まっていないという現状もあります。そのようなことからすると、先ほど市長の御答弁の中には、広域というのはさまざまな部分のハードルを下げるため、そして地域の一体化を図るためということでの広域化のあり方を述べられたんですけれども、広域化自体、これは私が勝手に思うことかもしれませんけれども、もしかしたら広域化というものは、一定規模の自治体は金額にはかえられないかなりの負担があって、それ以外の市とか町は応分の金額負担だけすればそれで済んでしまう。もしかしたらこれは本市にとってはちょっと不都合なことなのかな、このように疑問を持ってしまうんです。いろいろな人的な労力、例えば場所の選定、さまざまな中で例えば小田原市は苦労するんですけれども、ほかの自治体はただお金だけ負担すればいいというようなこと、これは私個人的に思うのですけれども、そういうような見解はおかしいのかどうか、そこを伺いたいと思います。

それから三つ目ですけれども、広域化については県西地域広域市町村圏協議会、これは40年ほどの歴史を持って、今、広域化と言わなくても、大分前から広域化という形をとられておりました。でもここの広域化自体の最終的な目標というのは、やはり合併という言葉もたしかこの協議会をスタートしたときには入っています。そういう形での広域化だったんですけれども、今年3月の結論は、もう2市8町については合併の見込みがない、そして合併議論のときに、私たちはもう合併には参加しないよと言っていた町も、いまだに今度この広域化になっても入ってきているわけです。どうしてもこの2市8町枠、もう、一つの結論がついたにもかかわらず、まだ2市8町枠にこだわっているということがちょっと理解できないところであります。最終的に合併に至ろうとしているところと広域化を図るというのは、もしかしたらまだいいかもしれませんけれども、この広域化自体もいろんな難題や課題、これを調査とかそういうものをするのも大変な作業となると思いますので、この広域化自体、これはやはりいろんなものを整理して再スタートすべきじゃないかと思います。そういったことから、この広域化というものは、この前の検討会最終日に市長から発言がありましたけれども、今までさまざまな課題については、市長はいろいろ住民の意見を聞く、そして説明会を行う、また意見募集、そういったものを行う、こういったことで施策を進めてきた市長ですから、この広域化自体もやはり意見を聞く、また検討委員会をつくるとか、こういうことをしなきゃいけないのじゃないのかなと思うのですけれども、御見解を伺います。

◎市長(加藤憲一君) 13番加藤議員の再度のお尋ねにまず私の方からお答えいたします。

まず、広域行政にまつわる各市町の負担のあり方ということで、13番加藤議員のお考えといいますか、実感も含めてお話をいただきました。これにつきましては、広域行政の推進に当たりましては、構成する市町が当然のことながら財政的にも人的にも応分の負担を負うということは当然でありまして、公平性の担保ということが、今後広域行政を進めて、それも相互の信頼関係を築きながら進めていく上では、これは欠かせないものであるという認識をしております。これにつきましては、先ほど13番加藤議員も引き合いに出されました地域医療体制について、実際に小田原市立病院の救命救急センターに小田原市民以外の多くの地域の方たちがお越しになっているという状況は、当然各市町の首長さんたちも存じているわけでありまして、これについては負担の議論をしなければいけないねということはさまざまな場で共有しているところでございます。こういったことも踏まえまして、神奈川県西部広域行政協議会の設立の際も、各市町の首長とその点については確認をいたしまして、各首長もそれについては必要性をしっかりと認識していると私は認識しております。いずれにいたしましても、13番加藤議員が御懸念する部分につきましては、今後十分に留意いたしながら、県西地域の広域行政については進めていかなければいけないということでございます。恐らく、この辺について不公平感といいますか、そういうものが残っているようですと、なかなか小田原の方たちにとっても広域化というのは何なんだということが出かねないというふうに思いますので、この辺はそういったことのないように十分議論を尽くして、具体の形をつくっていく必要があろうかと考えているところでございます。

もう一つ、広域行政を進めていく旨の合意形成について、これまで広域は進めてきているけれども、ここから先はまた違う意味の広域の議論が必要なのではないかといった御指摘でございました。これにつきましては、もう13番加藤議員十分御承知のとおり、これまでも県西地域は、公共施設の相互利用ですとか、災害時の応援協定の締結ですとか、多岐にわたって、40年以上という大変長い期間にわたりまして広域連携を進めて成果を上げてきたところでございます。そういった歴史を踏まえて、このたびも三つを統合する形で神奈川県西部広域行政協議会を立ち上げたわけであります。そういう意味では、確かに局面としては一つのエポックが変わったというようなとらえ方もございますけれども、この広域化自体は決して新しい取り組みではないということでありまして、その広域化の進め方自体について改めて検討の場をということでもないのではないかなという認識を私自身は持っております。また、行政効率の面におきましても、地域の一体感を醸成する上でも、やはり近隣の自治体との連携は欠かすことができないということでありまして、これが小田原市を含めたこの地域の将来の一体化を目指した上で重要なテーマであるということは、多くの皆さんに共有していただけるところではないかなと考えています。ただし、今後さらなる広域化を進めていく上で、さまざまな個々のテーマが出てまいります。そういったときに、本市にとってメリットがあるのかどうか、こういったことを十分に精査すべきであると当然考えておりまして、そのようにここの政策について判断が必要な場合が出てこようかと思います。そういったときには、やはり住民や議員の皆さん方の声をしっかり伺いながら、その都度判断していくことが必要であると考えているところでございます。

私からは以上です。

◎副市長(加部裕彦君) 13番加藤議員の御質問のうち、合併が行われた場合の総合計画の対応につきまして、私から御答弁申し上げます。

合併の際には、「市町村の合併の特例等に関する法律」に基づきまして、新市基本計画というものを策定することになります。総合計画に関しましては、この新市基本計画との整合を図りながら、全面改定やあるいは基本計画の見直しなど、さまざまな対応方法が考えられますが、合併の形態や枠組みによってその方法は異なってくるものと思われます。ちなみに、県内で相模原市が周辺の町と合併いたしましたけれども、この場合には新しい総合計画の策定という形にいったようでございますが、その間につきましては、従前の相模原市さんの総合計画と、それから合併の際に策定いたしました新市基本計画、この両方をその運営の基本として運営してきたと、こういうことのようでございますので、参考にいたしたいと思います。

◆13番(加藤仁司君) 広域化については、市長から公平性の担保を図っていくということ、本当にこれは絶対的な条件だと思いますので、そういったところを十分に図りながら、確かに新しくないものでありますので、仲を悪くする必要はないと思いますので、住民の方々も心配することがないような形で進めていただければと思います。

それでは、大項目の2番目について再質問させていただきます。まず、誘導標識なんですけれども、先ほど市長の答弁では、小田原城に対しての誘導等も看板は設置してあるというのですけれども、私もそういうのが目の中に入ってしまっているのかわかりませんけれども、全然目立たないというのが実感であります。小田原には栄町駐車場がありますけれども、例えば小田原城を訪れる観光客は、小田原城に一番近い駐車場はどこだという感じで探すと思うのです。ただ最近は、車の方はナビゲーションシステムも充実しているものが多くて、駐車場を設定できる車もあるかもしれませんけれども、例えば小田原城という設定をしますと、その周辺になりますと、目的地周辺ですと、ルート案内を終了しますということで、そこから全く案内がなくなってしまう。これは安い機械だからそうかもしれない。わかりませんけれども。そういうことになりますと、やはりメインといいますか、これは民間の駐車場もあるのでなかなか難しいかもしれないんですけれども、メインの駐車場、これが小田原の栄町駐車場であれば、そこに誘導するような看板、今、私が見た中ではそういうふうな形の看板はないように思いますので、栄町駐車場へさまざまなルートから来ても導くことができるような看板、これがどうなっているのか、まずその現状を聞きたいと思います。

次に、EVの方なんですけれども、ちょうどEV、この前ちょっとテレビを見ましたところ、首都圏、たしか東京だったと思いますけれども、そこから箱根を目指すというテレビ番組があって、どうしても箱根の山を越える前に充電が必要になったということで小田原で充電をした。そんなテレビを見ました。また、さまざまなサイトを見ますと、やはり同じく箱根を目指したところ、どうしても小田原で充電しなきゃいけないというサイトも、今私が見る中では2件ほどありました。いずれもやはり小田原で今充電をしなければ、ちょっと遠出というか、近場なんですけれども、箱根山が越えられない。これが現状でございます。先ほど民間のところもありましたけれども、市庁舎とか合庁、これは土・日閉庁しているということからすると、やはり観光客というのは土・日を利用してくる方々も多いと思います。そういったところから、土・日を利用して本市に来る、このEVの利用者、これについての便宜を図るべきじゃないかなと思います。最近は、コンビニエンスストア、これがEVの充電器をふやしているとも聞いております。企業としては集客のためこういったサービスは大変有力だということでの発想だと思いますけれども、本市も、小田原城周辺、ここら辺について民間とのタイアップで設置する、このような方策を持っているかどうか、これを2点目に伺います。

3点目としてはバイクの駐車場。これについては、私も2回か3回バイクの駐車場について聞いております。最初聞いたときには、今の観光バスの駐車場の余ったところにとめてくださいという答弁をいただいて、それからしばらくして質問すると、いや、そこではなくて、今度は城内臨時駐車場を整備しましたからそっちにとめてくださいということで、どんどん二転三転、そのバイクの駐車場については変わっているんです。最初の質問のときにも申し上げましたけれども、観光で来られるバイクの方もおりますけれども、市内に買い物とか通勤・通学、さまざまな手段で小田原城また小田原駅の周辺にバイクをとめたいと。そういう事情というのはあると思いますので、このバイクの駐車場対策、これを総合的にこれからも考える必要があると思いますけれども、それについてのコメントをいただきたいと思います。

四つ目として、現在の「史跡小田原城跡本丸・二の丸整備基本構想」、これは平成5年の策定からもう17年経過しております。また、これは構想だけで基本計画というものが示されておりませんので、今回みたいな、私から見ればイレギュラーな部分もありなのかなという感じです。しかしながら、やはりもう17年の経過の中で、移転計画というか、移転しなきゃいけないものも中にはありますので、ここで基本構想自体を見直す必要があるのではないのかなと思うのですけれども、それについての御見解、そして基本構想があって基本計画がないというのもどうかなと思いますので、この基本計画の策定というものについての御見解を伺いたいと思います。

◎副市長(大野速雄君) 13番加藤議員からの再々質問のうち、EVの充電設備、それからバイク対策、それから城跡の計画の考え方は、私の方から答えさせていただきたいと思います。

まず、神奈川県内の急速充電設備は、県が独自に設置するものをはじめ、電力会社やガソリン販売会社、それから高速道路会社などの民間企業が設置するものを合わせまして、平成22年6月現在で57ヵ所に設置されております。神奈川県におきましては、平成26年度までに、民間企業が設置するものを含めまして、この急速充電設備を100基整備する計画というふうになっております。また、小田原市といたしましても、小田原城周辺への設置につきましては、県、それから今お話がございました民間企業、こういうところへ働きかけまして、努力してまいりたいと、このように考えております。

それからバイク対策でございますが、平成18年に駐車違反対策の新たな制度が施行されまして、違法駐車の取り締まりが強化されたことなどから、バイク駐車場整備の必要性は高まっているということは十分認識しているところでございます。しかしながら、小田原城周辺や小田原駅周辺におきましても、用地を確保するということが大変難しい状況になっておりますが、今後も引き続きまして、バイクの駐車場として利用可能な用地を探し、また利用者の要望にこたえられるように、関係各課が今お話がございましたように連携をとりまして取り組んでまいりたいと、このように考えております。ちなみに、計画が現在進んでおります小田原駅東口お城通り地区再開発事業の中では、このバイク駐車場の整備を考えてまいりたいと、このように考えております。

それから「史跡小田原城跡本丸・二の丸整備基本構想」の見直しと、それから基本計画がちょっと見えないというようなお話がございました。この問題につきましては、国指定史跡を将来にわたって保存し、史跡として活用を図っていくための計画でございまして、小田原市としての基本的な考え方を示したものが、この「史跡小田原城跡本丸・二の丸整備基本構想」でございます。したがいまして、ここの部分は見直しを行う必要はないのではないかと考えております。また、具体的な不適当施設の移転時期や、それから史跡整備の内容などを示す御指摘のございました基本計画でございますが、これにつきましては、それぞれの曲輪ごとに策定するものであることから、この史跡整備の諸条件が整った箇所から、順次この基本計画というものを策定してまいりたいと、このように考えております。

私からは以上でございます。

◎都市部長(山口登志夫君) 栄町駐車場への誘導標識の現状についてお答えいたします。

本市の基幹駐車場であります栄町駐車場への誘導標識につきましては、国道1号からの利用者のために、東京電力前、青色申告所前に設置しております。また、国道255号からの利用者のために、新栄通りの大工町通り交差点手前、さらに青橋方面からお城通りを通る利用者のために、スクランブル交差点手前に誘導標識を設置しております。今年度は、栄町駐車場を運営いたします小田原市公益事業協会と連携いたしまして、東口臨時駐車場入口、お城通り、青橋付近に誘導標識を設置する予定でございます。そのほか、本市では、事前に確認ができるようホームページで駐車場の名称や位置がわかるマップ、料金などの案内を掲載するなど、駐車場の情報提供について充実を図っているところでございますので、御理解いただきたいと存じます。

以上でございます。

◆13番(加藤仁司君) 駐車場の誘導については、今、部長から答弁がございましたので、ぜひまた整備の方を図っていただきたいと思います。

さて、バイクの駐車場の方については、副市長の方から、東口お城通り地区再開発の部分でそれを確保するということでありますけれど、ちょっとまだ時間的に、もう出ていかなきゃいけないのが来年の1月なものですから、数ヵ月しかないということで、やはり早急に探していただきたいと思います。各課と連携してということの前向きなお話もありましたので、まず再確認なんですけれども、今言いましたように、来年1月までにどこか臨時でも見つけられるということでよろしいでしょうか、これをまず1点目に伺います。

それから2点目が、私も犬山城に行ったところ、お城の付近に行きますと、全くナビなしで駐車場に誘導できるくらいかなり細かく駐車場の案内がありました。そういうことからいたしますと、やはりもうちょっと細かい形は欲しいなと思います。先ほどその看板については答弁いただきましたので、それについては結構なんですけれども、ただ、来週から今年度いっぱいまでですか、西湘バイパスとか箱根新道、これが無料化ということで図られるということなんですが、自動車の方の量がふえるのか減るのか、全く想像がつかないところなんですけれども、行政としてはどのように見ているか、まず1点伺います。

それから「史跡小田原城跡本丸・二の丸整備基本構想」、これは構想自体は変えないということではあるんですけれども、ただ、この平成5年につくった構想の中では、平成16年までをたしか短期という形で区切っていた部分があります。この先の区切りが、あとは長期計画ということで何の区切りもない。これが現状だと思いますので、やはり例えば今から10年先の部分をこれからの短期とか、そういう形で区切る必要があるのじゃないかと思うので、これが基本構想の中でやるのか、基本計画の中でやるのか、ここのところはどちらになるとしても、とにかくもう10年の短期計画というのは、これはどうしても必要なのじゃないかなと思いますので、この御見解を伺いたいと思います。

◎副市長(大野速雄君) バイクの駐車場の問題でございますけれども、私の思いとしては、13番加藤議員おっしゃいますように、何とか頑張って努力してみたいなというふうに思っておりますので、この辺のところで御理解をいただきたいと思います。

それから小田原城跡の方の基本構想の問題でございますけれども、おっしゃいますように、そういう意味では検証する必要があるのではないかという御指摘でございますので、基本的には、先ほど申し上げましたのは、この基本構想というのは一応つくってベースになっておりますから、そこのところは押さえていけばいいのではないかということでございますので、各曲輪ごとの整備の動きというのが出てまいりますので、そこのところでどのようにこれの整合をとっていくのか、どのように見直していくのかということをそのときちょっと検証してみたいと思いますが、基本的には基本構想というものはベースになっているということだけは御理解いただきたいというふうに思います。

◎経済部長(山崎佐俊君) 西湘バイパスや箱根新道の料金無料化の社会実験が行われた場合の本市への影響については、私からの御答弁とさせていただきたいと思います。

国におきましては、箱根新道や西湘バイパスの無料化社会実験によりまして、首都圏からのアクセス性のさらなる向上、そして地域内の回遊性が増すことによりまして観光客の増加が期待できるというふうに考えております。本市といたしましても、こうしたことによりまして東京や横浜からの観光客の増加を期待しているところでございますが、現段階では具体的な影響を想定することは難しいものと考えております。いずれにいたしましても、この社会実験の今後の動向を注視してまいりたいと考えております。

以上でございます。