平成25年12月議会一般質問

2013年12月01日

○副議長(植田理都子君) 23番加藤議員、登壇願います。

〔23番(加藤仁司君)登壇 拍手〕

◆23番(加藤仁司君) 通告に従い順次質問してまいります。

初めに、大項目の1、広域行政についての(1)広域行政化の経緯について伺います。

総務省ホームページによると、いわゆる平成の大合併によって、平成11年3月31日に3232あった市町村は、平成25年1月には789市、746町、184村の計1719自治体となりました。

神奈川県においては、相模原市が平成18年3月に津久井町、相模湖町と、翌年には城山町及び藤野町と合併しました。県西地域においては、真鶴町と湯河原町が法定合併協議会を発足させ協議されましたが、結果的に合併に至らず現在に至っております。

さて、本市では、県西2市8町の首長からなる県西地域合併検討会が平成19年2月に発足し、さらに、平成21年2月には、検討会の下部組織として任意合併協議会研究会が設置され、合併想定の研究・推計が図られてまいりました。しかしながら、市町村の合併の特例等に関する法律、いわゆる新合併特例法が期限を迎える平成22年3月をもって本検討会及び研究会は解散し、合併検討を断念した経緯があります。そこで、改めて断念に至った理由について伺います。

そして、合併を断念した後の平成22年4月、40年にわたり存続していた広域連携組織である「県西地域広域市町村圏協議会」と「西さがみ連邦共和国」、「あしがら広域圏ネットワーク」を統合した「神奈川県西部広域行政協議会」が設立されました。本市を含めた2市8町においては、合併から広域にシフトしたわけでありますが、その際、国から広域化すべき施策について何らかの要請があったのか否か、また、本年広域化が図られた消防についてはどうだったのか伺います。

続いて、この新たな広域化組織を立ち上げ、本年には消防組織が、そしてこれから質問するごみ処理及び斎場整備が広域行政施策として事業化を図ろうとしているところでありますが、これらの事業を広域化すべきと判断した理由は何か伺います。

次に、(2)ごみ処理広域化について伺います。

さきの小田原市議会総務常任委員会の報告によりますと、小田原市と足柄下郡3町で協議されております「ごみ処理広域化」が、当初の平成32年度開始が困難となり、施設整備期間については基本方針を変更することとなりました。ごみ処理広域化においては、「神奈川県西部広域行政協議会」設立以前の平成18年度に協議会を設立しており、平成21年度には基本方針をまとめているにもかかわらず、基本方針の一部変更をもたらしたことは理解しにくいのでありますが、その経緯についてお尋ねいたします。

また、今回のように、ごみ処理広域化の協議が果たして順調ではないのかとも思える状況で、今後の見通しについてはどのように考えているのかお伺いいたします。

さらに、ごみ処理は毎日の生活に欠かせないもので、今後の見通しが不透明な中、ごみ処理広域化を断念し、本市のみで施設候補地及び最終処分場を確保していく考えについて、市長の御所見を伺います。

次に、(3)斎場整備計画について伺います。

平成25年2月に、県西地域広域斎場建設協議会執行者会議において、小田原市が事業主体となって現地建て替えが決定されました。平成18年に広域斎場建設候補地エリアを選定したものの、その間さまざまな紆余曲折があったとも伺っております。そこで、当初計画から現地建て替えに至った経緯について改めて伺います。

さて、現時点での想定する施設規模は、火葬炉が現状の6基から4基増設して10基、駐車場は現状の36台を80台以上に整備する予定となっております。また、具体的な計画は、人口推計や火葬状況を再検証して施設規模を決定するようですが、予定であっても、火葬炉を10基に増設する根拠について伺います。さらに、本斎場の建設に際し、広域事業に参画する各市町の費用負担はどのようになるのか伺います。

次に、(4)今後の広域化推進について伺います。

既に申し上げましたとおり、広域行政の第1弾として消防広域化が本年3月31日よりスタートいたしました。小田原市消防本部が新たに1市5町を管轄することで幾つかの点で混乱が生じ、組織の統合の難しさを思い知らされたわけであります。そこで、さきに質問いたしました「ごみ処理」及び「斎場整備」以外に広域化を検討すべき事業はあるのか否かお尋ねいたします。

次に、大項目の2、幼保一元化策について伺います。

平成22年9月の一般質問において、私は、橘地域の幼稚園の現状とともに、地域には保育園が存在していないことから、住居は小田原市にありながらも、中井町や二宮町の保育園に通う園児が多く、幼保一元の必要性を訴えました。その際、執行部からは検討する旨の発言をいただきましたが、現在においても一向に進む気配がありません。

そこでお尋ねいたします。橘地域においての幼保一元化は、検討したが、導入には至らないという結論なのか伺います。

さて、平成25年4月現在、神奈川県での認定こども園は全体で40施設あると伺っております。そこで、本市においては認定こども園はあるのか、あるとすればどのような経緯のもとに設置されているのか、さらに、本市では認定こども園の需要をどのように見ているのか、また、その対応についての考えを示していただきたく存じます。

次に、大項目の3、公教育を取り巻く諸課題について順次伺ってまいります。

その前に、栢沼教育長にはこのたび初めて質問をさせていただきますが、教育長は教育者として長い間奉職されたわけですが、その後、小田原市自治会総連合副会長として地域の発展に寄与された後に教育長に御就任されたという、小田原市教育委員会史上、かつてない経歴をお持ちでいらっしゃいます。昨日は7番鈴木議員、また本日は12番神永議員の再質問の際にも触れられておりますが、この際、改めて小田原の教育についてのお考え、そして教育長としての抱負などをお聞かせください。

それでは、順次質問いたします。初めに、(1)指定校変更許可基準について伺います。

本市では、児童・生徒の住民登録地に基づき就学すべき学校の指定をしておりますが、転居や両親等の就労事情、教育的配慮等により、その基準に該当するもので相当と認められる場合に指定された学校を変更することができるとしております。平成19年には、新たに中学校に入学する生徒が希望する部活が指定された中学校にない場合との基準が追加され現在に至っておりますが、追加基準となりました部活動への配慮基準により、中学校への学区変更をした生徒の状況について伺います。

また、この指定校変更措置によって、指定校の中学校では学級数に影響が及んだところもあると聞き及んでおりますが、部活動への配慮という指定校変更基準について、学校側、保護者、地域からはどのような評価がされているのか伺います。

次に、(2)部活動について伺います。

去る本年11月14日の神奈川新聞によりますと、長野県教育委員会が、部活の朝練習は睡眠不足を招き、成長に弊害があるとして朝練習を原則やめるべきだとの有識者委員会の報告を受け、年内にも朝練習の原則禁止を求める指針を各中学校に示す見通しとの報道がありました。文部科学省によりますと、全国的には各自治体からの動きはないとのことでありますが、神奈川県においてはこのような動きがあるのかどうかお聞きいたします。また、本市教育委員会では、部活動、朝練習についてはどのような見解をお持ちか、この際お伺いいたします。

次に、(3)学校図書選定について伺います。

本年8月26日、漫画「はだしのゲン」を学校で閲覧することを制限していた松江市教育委員会は、今までの閲覧制限を撤回したとの報道を目にしました。新聞各社は、本問題についてそれぞれ取り上げていましたが、そもそもの問題の本質は、この漫画で描かれている内容が間違った歴史認識だとし、それが発達段階の子供に対して読ませるべきか否かの論争だったはずですが、いつの間にか表現の自由の問題にすりかわっていることに疑問を持ったものであります。

そこで伺います。この漫画「はだしのゲン」は、現在、本市の小・中学校図書館に配架されているのか、まず伺います。続いて、本市の各学校図書館における図書の選定はどのような基準で、だれが決定するのか、さらに、学校図書館には、絵本を除き、漫画は置かれているのか伺います。

最後に、(4)道徳教育について伺います。

新学習指導要領が、小学校では平成23年度から、中学校は平成24年度から実施されております。従来の学習指導要領との大きな違いは、総合的な学習の時間を減らし、理数の時間をふやすなどの内容の充実、そして授業時間数の増加等が挙げられます。そして、道徳の時間に関しては、文部科学省の有識者会議である「道徳教育の充実に関する懇談会」において協議を重ねているところであります。本市では、平成25年3月に小田原市学校教育振興基本計画を策定し、その中の基本施策2-①として「道徳教育の充実」がうたわれております。その1項目めには、道徳の時間をかなめとし、意図的・発展的に道徳教育を推進すると述べられ、外部指導者の活用を図り、体験活動を充実させるとしています。また、2項目めには、規範意識、公共の精神をはぐくむため、「おだわらっ子の約束」を実践する態度を育てるとされておりますが、具体的な方策については触れられておりません。そこで、今後、道徳教育充実施策としては何をどのように行っていくのか伺いまして、第1回目の質問を終わります。(拍手)

○副議長(植田理都子君) 市長、登壇願います。

〔市長(加藤憲一君)登壇〕

◎市長(加藤憲一君) 23番加藤議員の御質問に順次お答えを申し上げます。

初めに、2市8町の合併検討の経緯と断念した理由についての御質問でございました。2市8町の合併検討につきましては、いわゆる平成の大合併と言われる全国的な動きが進む中、平成19年に県西地域合併検討会を設置し、行政サービス水準調査のほか、合併した場合の財政推計や将来都市像の策定等、3年間にわたる検討を行った経緯がございます。結果といたしましては、検討会の開催時に公表いたしました「県西地域における市町合併の方向性について」に示させていただきましたとおり、各市町住民の合併に対する意識や当面のまちづくりに係る方針などを勘案すれば、2市8町が足並みをそろえて直ちに合併に向けた取り組みを進めることは難しいとの判断に至ったものであります。

〔副議長退席、議長着席〕

次に、広域行政の推進に係る国からの要請についてのお尋ねでございます。国は、社会経済情勢の変化や市町村合併の進展を踏まえまして、昭和44年以来続いておりました広域行政圏施策を平成20年度に廃止をいたしました。したがって、広域行政につきまして国からの要請というものはございませんが、私としては、より主体的に県西地域の広域的課題の解決に取り組むことが必要であるとの認識のもと、神奈川県西部広域行政協議会の設置を提案させていただいたものであります。また、消防の広域化につきましても国からの要請はございませんでしたが、平成18年度に「市町村の消防の広域化に関する基本指針」を国が定めたことを踏まえまして、関係市町間で自主的な協議を進めてきたものであります。

次に、各種事業の広域化を判断した理由についての御質問がございました。まず、ごみ処理についてでありますが、平成9年に国から示されました広域化の方針のもと、神奈川県がごみ処理広域化計画を策定、県内に九つのブロックを設定したことを契機といたしまして、本市を含む県西地域におきましても、ダイオキシン類の排出削減等を図ることを目的として検討を進めることになったものであります。次に、小田原市斎場につきましては、施設の老朽化対策が急務でありましたが、当該斎場につきましては、近隣市町の住民にも広く利用されているという実態がありますことから、平成10年度に、県西地域広域市町村圏協議会で建て替えの検討に着手し、平成18年度からは、本市のほか、南足柄市、大井町、松田町、山北町、開成町及び箱根町の2市5町で新斎場の整備に向けた取り組みを進めているところであります。既に実現に至りました消防の広域化につきましては、広域化により、現場到着時間の短縮や災害時の初動体制の強化といった消防力向上効果に加え、重複投資の回避等による財政上の効果も期待できるとの見通しから、広域化を判断したものであります。いずれの事業におきましても、広域化を図るに当たりましては、行財政効率の向上等本市のメリットを追求するということは言うまでもございませんが、適切な広域化の取り組みを積み重ねることが、県西地域の将来の一体化に資するという観点から判断しているところであります。

次に、ごみ処理広域化における基本方針を一部変更することになった経緯についてのお尋ねでありました。ごみ処理広域化に向けましては、本市並びに足柄下郡3町において新しいごみ処理体制づくりを目指しているところであります。しかし、現在までのところ、1市3町におけるごみの分け方や出し方の統一、新しい施設の建設候補地の検討など時間を必要とする課題が多く残っておりますことから、目標年度であります平成32年度に新しい体制に入ることは難しいという判断に至ったものであります。

次に、ごみ処理広域化協議の今後の見通しについての御質問でございました。ごみ処理の広域化は、ごみの資源化の推進、ダイオキシン類の排出削減並びに地球温暖化防止への貢献、さらには、ごみ処理経費の削減等のメリットが期待できるものであります。しかし、時間を必要とする課題が多くある一方で、既存施設の老朽化が進行している状況もあり、当面は、既存施設の基幹的設備の改良等を視野に、本市と足柄下郡の2系統でごみ処理体制を組み立てていくこととなっております。今後は、この当面の体制を整えていきながら、課題となっておりますごみの分別や収集方法の統一、並びに施設集約に向けた検討等を継続して行っていくことと考えております。

次に、本市のみで施設候補地等を確保していく考えについてのお尋ねでございました。先ほども申し上げましたとおり、当面は、既存施設の基幹的設備の改良を実施し、ごみ処理体制を確保してまいりますが、ごみ処理広域化にはさまざまなメリットが期待できるものでございますため、引き続き、ごみ処理広域化に向けた協議を継続してまいりたいと考えております。

次に、斎場整備計画が当初計画から変更された経緯についてのお尋ねであります。斎場の整備計画につきましては、当初、平成21年1月に南足柄市三竹地区及び現斎場敷地を建設候補地として選定をいたしましたが、地権者との協議が難航し、合意には至りませんでした。しかし、現斎場は老朽化が著しく建て替えが急務でありますことから、現斎場敷地内を候補地と定め、地元自治会と協議を行いました結果、平成25年2月、小田原市が事業主体となり、小田原市斎場として現斎場敷地内で建て替えることを決定したものであります。

次に、想定施設規模として火葬炉を10基とした根拠についての御質問でございました。平成25年2月に、今後の高齢社会による火葬需要の増加を見据え、将来人口及び死亡者の推計値や本市斎場の利用率等を踏まえた想定施設規模として、火葬炉を10基と公表いたしました。なお、現在、最新の推計値をもとに、火葬需要や運用面の再検証を行っておりまして、その過程として、9基から10基の火葬炉が必要であるとの状況が示されております。今後、敷地の有効利用やコスト削減を図る観点から、さらなる精査を行いまして、整備炉数を確定してまいりたいと考えております。

次に、各市町の費用負担についての御質問であります。先ほど答弁申し上げましたとおり、新斎場につきましては、本市が事業主体となりまして、小田原市斎場として建て替えることを決定しております。供用開始後は、他の1市5町から事務委託を受けまして、本市が斎場を運営する一方で、新斎場の整備費や管理運営費等を含む総経費につきまして、事務の委託費として応分の負担を求める予定であります。なお、より具体的な費用負担の内容につきましては、引き続き1市5町と連携しつつ、検討を進めてまいる予定であります。

次に、今後、広域で取り組むべき事業はあるのかとの御質問でありました。現時点におきましては、既に取り組みが進んでいるもの以外に、広域で推進すべきと考える特定の事業はございません。今後につきましては、既存事業で効率化が見込める場合や、新たに対応すべき広域的課題が生じた際に、本市のメリットを十二分に精査の上、取り組みの是非をその都度判断してまいりたいと考えております。

23番加藤議員御質問の幼保一元化策についての下中幼稚園に関すること及び公教育を取り巻く諸課題については、後ほど教育長から御答弁申し上げます。

次に、本市の認定こども園の設置状況についての御質問でございました。現在、市内には、みどりの家愛児園という認定こども園が1園ございます。この園は、昭和46年から認可保育所として運営をされておりましたが、平成18年10月に認定こども園制度が施行されたことを受け、運営しております社会福祉法人の意向により、幼稚園的な機能を備えた保育所型の認定こども園として県から認定されたものであります。

次に、認定こども園の需要と、その対応についての御質問でありました。子ども・子育て関連3法に基づきまして、平成27年4月から本格施行が予定されております「子ども・子育て支援新制度」におきましては、幼保連携型認定こども園の認可手続が簡素化されるなど、国は認定こども園の一層の普及促進を目指しているところであります。本市におきましては、現在、新制度の施行に向けまして、子育て世帯を対象に、幼児期の教育・保育の現状やニーズ等を把握するための調査を実施しているところでありまして、認定こども園を含めました教育・保育の需要につきましては、この調査により把握をしていく予定であります。認定こども園につきましては、このニーズ調査の結果や、地域の実情、子ども・子育て会議での議論、国の動向等を踏まえながら、本市の子ども・子育て支援のあり方全体の中で総合的に考えてまいりたいと考えております。

以上をもちまして、23番加藤議員の御質問に対する私からの答弁とさせていただきます。

◎教育長(栢沼行雄君) 23番加藤議員の教育に関する質問については、私からお答えいたします。

初めに、就任に当たっての小田原の教育についての考え方、あるいは教育長としての抱負について述べさせていただきます。

私は、「命」、「地域」、「信頼」という三つをキーワードに、「命を守る教育のまち小田原」、「地域ぐるみの教育のまち小田原」、そして「市民から信頼される教育のまち小田原」、これを推進してまいりたいと考えております。一つ目の「命」でございますが、教育では、一人ひとりの子供の命にしっかりと向き合い、かかわり、そして守ることを最優先すべきであると考えております。何よりも、この小田原市内から、中学校、小学校、幼稚園を含めて、いじめ、不登校をなくしたいという、そういう強い思いからでございます。二つ目の「地域」につきましては、地域や関係機関と、これまで以上に連携を図りながら、地域で学校を支える新たな仕組みづくりについて取り組んでまいりたいと考えております。これにつきましては、自治会総連合のほうで26進めております地域コミュニティ、あるいはスクールコミュニティ、さらにはケアタウン、こういった3本の柱を連携させながら、学校の場という、これは学校の施設は地域の施設であるという考え方、発想の中で、子供たちと地域の方々と、あるいは関係機関と一体となって子供の教育を推進していきたい。そういう思いからでございます。三つ目の「信頼」でございますが、信頼が深ければ深いほど、教育効果は大きいと考えております。どんなに優秀な教員であろうが、知識があろうが、子供との信頼関係がなくして子供たちの心に入っていかない。信頼なくして教育なしというのは、まさにそうだと思っております。そうした意味で、教員は子供を絶対に見捨てない。あの先生だけは私を僕を最後まで見捨てなかった。だからあの先生は信頼できる。そういった信頼関係が築ける先生になってほしい。そんなふうに思っております。一連の生徒指導に関しては、私は上流に授業があるというふうにとらえています。授業が濁れば、下流の生徒指導が濁る。したがって、授業で勝負する教員、これが一番の教員の育ちとして重要なものであると考えております。繰り返しとなりますが、私といたしましては、三つのキーワード、「命」、「地域」、「信頼」を柱に、小田原市学校教育振興基本計画に基づいて、本市の教育の一層の推進に努めてまいりたいと考えております。

次に、下中幼稚園の認定こども園化の検討について御質問がございました。下中幼稚園の認定こども園化につきましては、教育委員会と子ども青少年部におきまして、設置に向けた課題の整理など検討を進めてきたところでございます。こうした中、平成24年8月に成立いたしました子ども・子育て関連3法に基づき、幼児期の教育・保育、地域の子ども・子育て支援を総合的に推進する「子ども・子育て支援新制度」が、平成27年4月から開始される予定となりました。「子ども・子育て支援新制度」の実施に当たっては、現在、国に設置された子ども・子育て会議において、具体的かつ詳細な検討が進められており、本市におきましても、平成25年度から小田原市子ども・子育て会議を設置いたしまして、検討を始めているところでございます。下中幼稚園の認定こども園化につきましても、こうした動きに合わせまして検討を進めているところでございます。

次に、部活動を理由に学区変更をした生徒の状況について御質問がございました。本市におきまして、部活動を理由として指定校を変更した生徒の数は、平成24年度が10人、平成25年度が8人で、過去5年間の累計は45人となっております。45人の内訳といたしましては、運動部が42人で、バスケットボール、剣道、陸上競技の順に多く、文化部は吹奏楽部の3人となっております。

次に、学校、保護者、地域の評価について御質問がございました。現在の指定校変更制度は、小学校からの活動を継続したいとする生徒の希望を実現するものでございまして、生徒や保護者からの一定の理解を得ているものととらえております。学校や地域の課題といたしまして、学区外から通学する生徒につきましては、緊急時の安全確保等の課題もございますが、生徒が充実した学校生活を送るために、今後も生徒、保護者、学校、地域の声を取り入れながら、適正な制度の運用を図ってまいりたいと思っております。

次に、部活動の朝練習に関する県教育委員会の考え方について御質問がございました。現段階におきましては、県教育委員会では、部活動の朝練習を規制する考えはないと聞いております。

次に、市教育委員会としての部活動の朝練習に対する見解について御質問がございました。各学校における朝練習は、生徒が主体的に活動していることが多く、生徒の自主性を高める場の一つともなっております。教育委員会といたしましては、自主的に練習したいという生徒たちの意欲を大切にしたいと考えておりますことから、今後も、朝練習が安全で適切に実施できるよう、部活動顧問対象の研修会等を通して学校に指導するなどしてまいりたいと考えております。

次に、「はだしのゲン」の学校図書館への配架について御質問がございました。現在、「はだしのゲン」は、市内小学校25校中14校、中学校11校中10校に配架されております。

次に、本の選定基準等について御質問がございました。本の選定につきましては、各学校で公益社団法人全国学校図書館協議会の「図書選定基準」に基づきまして、学校の実態や児童・生徒の発達段階を考慮しながら行っております。漫画につきましても、選定基準にのっとって各学校で選定されておりまして、歴史漫画、伝記漫画、科学漫画などが多く置かれております。

次に、道徳教育の充実について御質問がございました。各学校におきましては、道徳教育を担当する教師を置き、その教師が中心となって作成する道徳教育の全体計画と道徳の時間の年間指導計画をもとに、学校教育全体を通して道徳教育を行っております。道徳の時間では、児童・生徒が将来出会うであろうさまざまな場面で、主体的に望ましい行動ができるよう内面的な部分の育成を図っております。具体的には、副読本や心のノートを活用するほか、新聞や映像を資料として用いたり、文化やスポーツ分野などで活躍する方や、地域の方を外部指導者として招いたりしております。道徳の時間以外にも、各教科等の学習や学校生活全体の中で道徳性を養ったり、日々の生活指導を通して望ましい行動ができるよう指導しております。今後は、各学校の道徳教育の全体計画や道徳資料だけではなく、実践内容についても市内各学校で共有し、道徳教育の一層の充実を目指す所存でございます。

以上で23番加藤議員の質問に対する答弁とさせていただきます。

◆23番(加藤仁司君) 一定の御答弁をいただきました。再質問をさせていただきます。大項目ごとに再質問させていただきます。

まず、1番目の広域行政について。

改めて合併の経緯を伺いましたのは、この合併の議論が前期でかなりいろいろな議論がありましたので、初めて聞かれる方もいらっしゃるのかなと思ったものですから、改めて経緯を伺いました。

本市をはじめ、全国的にも合併したところ、しないところ、当然、人口減ということがこれからの悩み、人口減によってまた税収も落ち込むということが、どこも大きな課題だと思っております。そういった中で、今回合併の道を選ばれず、広域ということで県西地域の課題を解決したいという市長の思いは十分承知をしたところであります。この広域化を図ることによって、やはりさまざまな経費削減ということが生まれる。これはメリットとして私も承知をしているところなのです。

一つ伺いたいのは、特にごみ処理です。ごみ処理については、先ほど申し上げましたとおり、計画の一部の変更をせざるを得ない、こういった状況であります。まだ候補地自体も見つかっていないということは、私のほうから見ると、まだ白紙の状況に近いのではないのかな、どうしてもそのような感じがいたします。その状況の中では、メリットは十分承知しながらも、これから各自治体間の調整を図るためには、その消防の広域化のときにも嫌というほど知らされたように、さまざまな会議、各自治体間の調整の部分に相当な時間を費やされる。いろいろな心労も出てくる。こういったことをこれから進めるよりも、庁内の中で進めるという方向を一つ考えるのも、その方がやりやすいのではないのかなと、こういうふうに思うのですが、それについて御見解をいただきたいと思います。

次に、二つ目、先ほど言いました合併の部分については、私ども市議会のほうでも任意合併協議会を早期に設置すべきだということで請願がありました。さまざまな質問もいただいた中で、請願は採択をされたわけなのですけれども、このとき任意合併協議会、これは決して合併を前提としているわけではない。とにかくさまざまな各市町が置かれているサービスの内容だったり財政だったり、そういったものを一つのテーブルにまず出さないと合併の議論もできないのではないかということで、任意合併協議会の設置をすべきだということで採択がされたわけなのですけれども、この任意合併協議会までは至らなかったのですが、合併協議会の検討会についていろいろな協議が重ねられておりました。そこで、今度広域行政ということを進める中で、そのときに検討会のほうで協議をされた内容、ここら辺に出されたデータ、こういったものが、今の広域行政を図る、ごみ処理また斎場といったところの広域化を図る上で、そういったデータというのは役に立っているのか、それを伺いたいと思います。

そして三つ目なのですが、これは斎場のほうの話です。斎場については、県西地域広域斎場建設協議会については、同じ足柄上郡の中でも中井町は参画をされておりません。これは、中井町の隣の市であります秦野市において、秦野市伊勢原市環境衛生組合が秦野斎場施設整備基本計画を策定しているということを伺っておりまして、そちらのほうに参画されるのかな。これはちょっと私自身情報をつかんでおりませんので、概要について教えていただきたい。そしてまた、この施設について中井町は利用するような形になっているのか伺いたいと思います。

そしてもう一つですが、これは参考までなのですが、これは広域行政ということではないのですけれども、平成21年4月から小田原市立病院においては救命救急センターが開設されております。救命救急センター自体は、小田原市だけではない、いろいろなところから搬送される患者もあると伺っておるのですけれども、このセンターを利用するに当たって、近隣の市や町から当センターについての負担金といったものをいただいているのかどうか、そこを伺いたいと思います。

◎市長(加藤憲一君) 23番加藤議員から何点かの御質問をいただきました。まず、二つ目の、合併検討のときに利用したデータ等が生きているのかというようなお話がございました。この2市8町による合併検討の作業の中で、御承知のとおり、人口、財政、また産業等の現状把握、それに加えまして、それぞれの市町の強みですとか弱みですとか課題、こういったことについても詳しく整理をいたしまして、広範な調査を行ったわけであります。そういった結果、各市町の、あるいは県西地域全体の実態ですとか、また、まちづくりの方向性等についてかなり詳しく共有することができたものと認識しております。ただ、データそのものは5年前のものでございますので、これは、現在及び今後に向けての広域行政の是非の判断等にそのまま活用するということはなかなか実際にはないわけでございますけれども、私としては、実際にこの間、広域行政のかじ取り役をやってきた中で感じているのは、こうした取り組みを通じて、各首長間で培われた、あるいは共有された共通認識というものが、現在、広域行政を進めていく上での基盤ですとか、あるいは原動力といったものになっている、そういった問題意識があるからこそ、合併は難しいけれども、広域行政はしっかりやっていこうよということにつながっているということで生かされているものと考えているところでございます。

私からは以上です。

◎副市長(大野速雄君) 23番加藤議員からのごみ処理の問題につきまして、私からお答え申し上げたいと思います。

お申し越しの件は、各自治体の調整というものを図るよりも、小田原市で独自で進めていったほうがやりやすいのではないかと、こういう御質問でございますが、このごみ処理の問題につきましては、国から示されました広域化の方針に基づきまして、神奈川県が策定いたしましたごみ処理広域化計画に基づきまして、県内各ブロックにおいて、この広域化に向けた検討や施設の整備が現在進められている状況でございます。こういうことから、ごみ処理の広域化は、確かにおっしゃいますように検討には時間を要するということもございますけれども、この施設整備に対する国からの交付金を含めまして、ごみ処理経費の縮減など、さまざまなメリットが期待できます。したがいまして、23番加藤議員御心配なさっておりますけれども、現在、着々とこの協議を進めている段階でございますので、引き続きこの協議を進めてまいりたいと、このように考えております。

以上でございます。

◎環境部長(和田伸二君) それでは、私から、斎場につきまして二つの御質問がございましたので、その二つにつきまして御答弁をさせてもらいます。

まず、秦野斎場施設整備基本計画の概要についてでございます。この秦野斎場につきましては、昭和51年度に供用開始されておりまして、施設の老朽化とか、あるいは今後の火葬件数の増加に対応するために、秦野斎場施設整備基本計画を策定されております。その計画に基づきまして、斎場整備に取り組んでいらっしゃると伺ってございます。この計画につきましては、平成28年度から同一の敷地内で火葬棟の新設工事を行いまして、平成30年度に供用開始後、平成31年度までに既存の待合棟の改築あるいは外構の整備を終えるように事業に取り組んでいると聞いてございます。なお、この火葬炉数につきましては、現在5基ございますけれども、その5基を7基にいたしますとともに、将来的な火葬需要に応じまして、さらに1基の増設が可能となる予備スペースを設けた計画となっていると伺ってございます。

次に、中井町は秦野市の施設を利用することになっているのかとの御質問でございます。まず、火葬場の利用につきましては、墓地、埋葬等に関する法律によりまして、火葬場の管理者は、火葬の求めを受けたときは、正当の理由がなければこれを拒んではならないという規定がございます。このため、利用する火葬場につきましては、行政側が決めるのではなくて、個人が選択するということが基本になってございます。平成24年度には、小田原市斎場におきましても、中井町にお住まいの方による利用が39件ございました。そのような背景から考えますと、中井町につきましては、秦野斎場に限らず、ほかの自治体に設置された火葬場を使用されていると考えてございます。

以上でございます。

◎市立病院病院管理局長(山崎佐俊君) 救命救急センターにつきましては、私のほうから御答弁させていただきたいと思います。

市立病院の救命救急センターにつきましては、平成21年4月に開設いたしまして、県西地域唯一の救命救急センターといたしまして、救急医療の中心的な役割を担っているところでございます。そのため、市立病院の救命救急センターにつきましては、23番加藤議員の御指摘のとおり、近隣の1市8町からも重篤な救急患者等を受け入れているところでございますが、その運営に係る費用につきましては、現在のところ、近隣市町に負担してもらっていない状況でございます。

以上でございます。

◆23番(加藤仁司君) 再び答弁をいただきました。

前の合併検討会のデータ自体は確かに古くはなっています。ただ、市長自体は共通認識をそれぞれの首長と同じくしているだろうということなのですけれども、まず、広域斎場の部分について再質問させていただきます。

今、秦野斎場の整備の部分については、部長のほうからも御答弁があったように、計画が今進められているということなのですけれども、実際、今度小田原のほうの広域では、先ほど答えをいただいたように、まだ金額がどうこうの部分まではいっていませんけれども、負担金を取るということで考えているということです。しかしながら、やはりそれぞれの町とかも財政的に例えば厳しくなったときに、その負担分を出すという施策に乗るのか。今お話しのように、個人があくまでも選択できるということであれば、逆に、例えば秦野市の隣は松田町ですよね。松田町のほうは今小田原市と一緒にやるという形にはなっておりますけれども、秦野市のほうがもしかしたら例えば安いとか負担金がなくてもできる、こんなことも場合によっては考えられるのではないのかな。また、あと行政の長も選挙によってかわることもあります。いろいろな考えがさまざまな中、完全だというところまでないのではないかなと私は思うのです。市長は、合併からまた広域、さまざまな首長との協議を重ねていく中で、当然信頼関係がありますので、離脱するなんていうことは当然考えられないことだとは思いますけれども、やはりここは行政自体も生き物でもありますし、さまざまな中で費用負担、行政の長が判断するということもありますので、今、私はちょっと心配で話をさせてもらいましたけれども、市長がやはり今の体制でいくという思いがあるようでしたら、再度その強い思いを示していただきたいと思います。

そしてもう一つ、救命救急の部分、広域のこととは関係ないのですけれども、今御答弁があったように、近隣の市町は費用負担をしていないということであります。広い範囲の中で、小田原市の市立病院が救命救急センターを建てるに当たっても、あの狭い中で何とか場所を確保して、そしてまた、そこに勤めている方も一生懸命その対応をされている。何か小田原市だけがその負担をしょっているみたいな感じがどうしてもするのです。そこで今後、近隣の各市町に負担を求めていくような考えはあるのかどうか、そこを再質問として伺います。

◎副市長(大野速雄君) 23番加藤議員から、斎場につきまして御心配をいただきました。例えばの例を挙げられまして、松田町が秦野市に近接しているので、何かいわゆる広域斎場からもしかしたら離脱していくというようなことの懸念がないのかと、こういうことでございますが、松田町とは、小田原市斎場の建て替えを政策課題といたしまして共有することで、これまで何回もたび重なる協議をしてきてございます。協議会の負担金の支払いや事務局職員の派遣をしていただいたりしておりまして、密接に連携をしてきております。また、例えば松田町の場合、この死亡者数のうち、小田原市の斎場を利用する割合がおおむね90%前後を超えるときもございますが、このようなことになっております。したがいまして、この町が離脱するということは考えられないというふうに思っております。このため、今後も引き続き、松田町とともに、また近隣の町とも事業の推進に向けまして連携を図りながら進めてまいりたいと、このように考えております。

以上でございます。

◎副市長(加部裕彦君) 2点目の、市立病院の救命救急センターの運営に対する近隣の市町からの負担の再度のお尋ねがございました。23番加藤議員の御趣旨も私どもよく理解できております。ただ、市立病院そのものが、この県西地域の既に基幹病院としてずっと機能を果たしてきておりまして、その運営自体にも、特段、1市8町からの御負担をいただいているという経緯はないわけでございます。

それと、この救命救急センター設置自体が、まさに23番加藤議員が御指摘になられましたが、広域行政の枠組みの中で検討してきたというよりも、やはり市立病院の機能の充実というものを現場サイドが検討している中で進めてきたという経緯もございます。いずれにいたしましても、救急制度につきましてはいろいろなパターンがございまして、例えば休日夜間の急患診療所、これについては1市3町で今保健センターのところにつくっておりますが、これについては幾ばくかの御負担を3町のほうからもらっておりますし、障がい者の歯科二次診療所などは2市8町で運営する。さらに、広域二次救急輪番制などは、2市8町の中でそれぞれの負担をいただいてやっているというようなパターンがございますので、そういう意味で考えますと、その一連の中の課題であろうと思っておりますが、これはなかなか相手の御理解もいただかなければいけない部分でございますので、今後のそういった広域行政の中で具体的にまだ検討を進めているわけではございませんけれども、この2市8町の中の救急医療体制はどういうやり方で進めていくのか、一次、二次、三次のあり方といったものを考えていく中でも、やはりこれはお話し合いをしていかなければならない課題ではなかろうかなと思っております。

答弁になっているかどうかわかりませんが、そういうことでございます。

◆23番(加藤仁司君) この1番目の広域行政の課題について、平成14年に設立されました西さがみ連邦共和国、これはもう統合してしまってありませんけれども、それの広域連携と市町村合併に関する調査研究という報告書をたまたま目にしたのです。そこの中には、やはり合併を視野に入れて、この広域の協議会をつくりますということで、そこでさまざまな市町の課題というかそんなのが出ていました。それを、何とかこの課題をクリアしていこうよという形は見えるのですけれども、そこには道路関係以外、ハードの部分についての項目というのが一個もないのです。やはり観光をどういうふうにしましょうかとか、そういった部分の課題は共通としてはあるのですけれども、今広域で進めようとしているこのハード施設を一緒にしましょうというような、そういうふうなことがないのです。やはりそのときも、そういうハードを整備するということの難しさというのを皆さんよく承知されていたのではないのかなと思います。そこ自体を進めるには本当にハードルが高い。これをクリアするには時間もかかるし、労力もかかる。これは、その当時の10年前の皆さんも今の皆さん方も考えは同じではないのかなと思います。それだけ難しい中で、消防のほうは広域化になりましたけれども、今、広域斎場を進めているということですので、それについてはしっかりと進めていただきたいと思いますし、このごみ処理については、一つの考えとしては、私は、現時点、平成32年度以降になったというのは、一たん白紙に今戻っているのではないのかなという認識がありますので、単独で整備したほうがいいのか、広域化でやるべきなのか、ここをもう一度考えていただきたいと思います。

続きまして、次の2の項目の再質問に入らせていただきます。

幼保一元化の部分なのですけれども、みどりの家愛児園が認定こども園になったということの経緯は伺ったわけであります。そこで、認定こども園とか、こども園とか、平成22年、私が質問した当時は民主党政権でした。特に子供の子育てについては、その政権がかわってから、またいろいろな部分で、先ほどお話がありましたように、新しい制度になるとかということで、どういうふうに定まっているのかわからないような状況だったのですが、ここで新しい制度が平成27年からスタートするということで、下中幼稚園についての幼保一元というところについては検討するというお答えをいただいたわけであります。ただ、私は、例えばみどりの家愛児園がそういう幼稚園的な要素も入れて、そういう需要があったとかいう話も聞いたのですけれども、この問題は、この橘地域の幼保一元の部分については需要があってどうこうの話ではないと私は思っています。これはこの前の平成22年のときの繰り返しになりますけれども、市長は、やはり地域コミュニティを大事にしましょうと。そして教育長のほうも、やはり地域というものをキーワードの一つとして掲げられています。とにかく学校、これは幼稚園も含めて、そういった施設が地域の中にあって、住民の方がそこに通うことによって、地域のコミュニティというのができるのだということは、恐らく異論はないのではないのかなと思います。そういったことの視点で考えると、やはり橘地域という小田原市と町との境にあるところからは、同じ小田原市民でありながら、違う町に保育園児を通わせているというようなことは、一つの大きな施策として必要なのではないのかな。そこに需要があるからとかというよりも、あくまでも市長の方策として、これをすべきではないのかなと思うのですけれども、市長の御見解を伺いたいと思います。

◎市長(加藤憲一君) 下中地域に対する認定こども園の設置に関して、平成22年でしたかね、23番加藤議員からの御質問に対して、私も今まさにおっしゃったような文脈をそのまま受けさせていただいて、前向きな趣旨の答弁をさせていただいたというように記憶しております。その後、先ほど来お話し申し上げておりますように、平成27年4月からの子ども・子育て関連の新制度の施行という状況があり、また、それに向けての地域内のニーズの把握という客観的な把握の作業というものを踏まえて設計するという段取りになっているということで、そういったものを踏まえて、今後導入を進めていく、検討を進めていくわけでございますけれども、基本的には、やはりおっしゃるとおり、地域の中で多様な世代が支え合って、お互いを育て合って生きていくという地域コミュニティの形を、それぞれの地域ごとにしっかりつくっていくという方向に何ら変更はございませんので、そういった観点からも、ぜひ認定こども園の取り組みについてはしっかり検討していきたいというように考えております。

以上です。

◆23番(加藤仁司君) 2番目の項目については市長からも御答弁いただきました。よろしくお願いしたいと思います。

それでは、3番の公教育を取り巻く諸課題についてということで再質問させていただきます。

まず、(1)の指定校変更許可基準についてということなのですが、ちょうど昨年ですか、学区審議会の会議録をちょっと見たところ、今の教育長がちょうどそのときに委員でいらっしゃったということで、会議録をいろいろと見させていただいたのですけれども、この学区変更についての弾力化を図ったことによって、たしか校長先生だったと思いますけれども、いろいろな影響があるのだということ、議事録にそういったことが載っていたのです。特に部活動での移動というものについて、果たしてそれがいいのかどうか、ちょっと私は疑問に思うところなのです。先ほど教育長のほうからは、適切に運用していきたいというお答えはいただいているのですけれども、教育長御自身が、この部活動のところで、小学校から中学校に上がるときに、中学校にはその希望する部活動がないということで移動できる、こういったことにどういうふうな見解をお持ちなのか、そこをまず1点目に伺いたいと思います。

それから、(2)の部活動の部分。これは神奈川県では実施するつもりはないということであります。私も驚いたのは、あくまでも寝不足だから朝練習は禁止だよという長野県の教育委員会の姿勢自体がおかしいなと思いますので、それを実施するつもりはないということで、そこは安心いたしました。

また、(3)学校図書の選定ということで、小・中学校では「はだしのゲン」については何校かが配架されているということであります。ここについては再質問として一つだけ伺いたいと思います。

先ほど図書の基準の部分について、学校図書の選定基準について御答弁もありましたけれども、その基準と学習指導要領との関係はどうなっているのか、相関関係というのがあるのかどうか、それについて伺いたいと思います。

(4)の道徳教育。これについては、先ほどの御答弁をいただいたわけなのですが、小田原市のこの計画の中には、たしか外部指導者の活用ということが触れられております。この部分自体が、特に国の学習指導要領等の解説等には触れられていないと思うのですけれども、小田原市独自で掲げられている活用方法かなと思うのですけれども、そういう解釈でよろしいのかどうか、そこを1点伺います。

それから、その指導要領の例示として、これは国のほうの小・中学校学習指導要領の部分では、例示として伝記を読むということが掲げられております。本市の計画には、伝記を読むことということは、道徳の中に特に触れられていないのですけれども、これについてはどういうふうな形で考えられているのか、そこを伺いたいと思います。

◎教育長(栢沼行雄君) まずは、部活動を理由とした指定校変更措置に対する見解ということでございます。私も小学校はソフトボール、中学校は野球ということで、入学したときに本当は自分では体操競技をやりたかった。ところが体操部がなかった。そして野球を1年間やりまして、その後、たまたま指導者がいらしたので体操部のほうに入って、中学校、それ以降、高校、大学とやってきました。やはり自分の意図しない部活をやるということは、非常に意欲が減退して苦痛でありました。先ほどの学区を変更してというような中で、部活動をやりたいと、自分が希望する部活が中学校にないのだと、中学校生活を何をもって充実して過ごそうか、目標を持とうかということが、中学生の約8割近くがやはり部活動ということが非常に生活の基盤になっているというか目標になっています。そういった中で、それが何か保障できる制度がないかということでスタートしたのが、この指定校変更措置ということだと思います。そうした意味で、この制度を実際にスタートしている中で、希望する部活動に参加したいという子供たちの意欲を中学校で吸い上げていくというような整備ができているこの制度については、私は、今後もやはりそこを大事にしていきたいというふうに思っております。ただ、その移動の数が、学区等によれば、非常にそれが左右して学級の編制にも影響するというような状況もあるかもしれません。これらも含めて、どこを最終的に判断の基準としていくか、やはり中学校での子供たちの充実した生活を保障する。そのための制度として、この制度は今後も私としては大事にしていきたい、そんなふうに思っているところでございます。

続いて、道徳教育推進教師の位置づけ、あるいは伝記の扱い等につきましては、私からお答えさせていただきます。

道徳教育を担当する推進教師は、学習指導要領の中で位置づけられているいわゆる役割であります。したがいまして、学校教育振興基本計画では特に記載はしなかったものでございます。伝記につきましては、教科学習や道徳の時間に、偉人を扱った資料を用いて、みずからの生き方を考えるという取り組みが行われているほか、この基本計画の「小田原のよさを生かした学習の推進」の中で、「郷土学習の充実」や「二宮尊徳学習の充実」といたしまして、先人の偉業について学習することを明記しております。いずれにいたしましても、道徳教育推進教師や伝記の扱いについては、国の方針に沿って進めているものでございます。また、伝記を読むことにつきましては、先人の偉業を学ぶことを通して、郷土を愛する心を育てたり、努力しようとする態度を養ったりする上で大変重要であると考えております。

私からは以上でございます。

◎教育部長(関野憲司君) 残りの御質問、図書選定基準と学習指導要領との関係、それから外部指導者につきまして御答弁申し上げたいと思います。

初めに、図書選定基準と学習指導要領の関係でございますが、公益社団法人全国学校図書館協議会の選定基準は、学校図書館法における学校図書館の目的を達成するために定めており、文部科学省が図書の選定基準として紹介しているものでございます。なお、学習指導要領には、児童・生徒の主体的、意欲的な学習活動や読書活動を充実することと記されておりますが、図書の選定基準については明記されておりません。そのため、各学校では、同協議会の選定基準にのっとって図書を選定しているものでございます。

次に、外部指導者でございますが、外部指導者とは、例えば、地域の植物あるいは昔の遊びなどについて教えてくださる地域の方々や、野外活動におけるインストラクターなどさまざまな方々でありまして、必要に応じて学校から要請している指導者でありまして、特に学習指導要領等に定められたものではございません。

以上でございます。

◆23番(加藤仁司君) 御答弁をいただきました。

指定校の変更許可基準については、教育長の小学校時代からの経験をお話しいただいたわけであります。意欲が減退してしまったという、苦痛を感じたという率直な御感想をいただいたわけなのですけれども、私、たまたまこれもインターネットで見た中では、小学校のときにサッカーをやっていた。だけど、中学校にはサッカー部がなかったのでラグビー部に入った。そこでラグビーに出会って指導者にも恵まれ、ラグビーの選手になったということで、もう世界で活躍するような選手になったというお話も聞いていたりもします。そういった例がかなりいろいろなところであるのです。やはりすべて行きたいところに行った子が、例えば世界的な名プレーヤーになっているとも限らない。場合によっては、全く自分の得意としているものと違う部に入らざるを得なかったのだけれども、その後、その子は大活躍をするというような経過もありますので、それはその人それぞれによって違うのかなと思いました。ただ、教育長の御経験、そして今私が紹介したさまざまな中で教育をするときには、やはり環境の整備が欠かせないものだろうと、教育長がおっしゃった部分は十分理解できますので、先ほど来言うように、学級編制とかそういったものに影響がない中でうまく運用していただきたいなと、そのように感想を述べさせていただきます。

次に、学校図書選定については、そうなりますと、今回のこの図書選定と学習指導要領というのは、端的に全く関係ないということでよろしいのかどうか、それだけ再度伺いたいと思います。

◎教育部長(関野憲司君) ただいまの質問にお答えいたします。

図書選定基準というのは学習指導要領に定められているものではない、そういうふうに御理解をいただきたいと思います。

以上でございます。

◆23番(加藤仁司君) 最初の質問で言いました「はだしのゲン」の部分については、さまざまな意見等もあるようでございます。教育委員の皆様方におかれましては、学習指導要領とこの図書選定基準、ある面相関というか、そういう中ではないということではありますけれども、全国的にも話題となったところでもありますので、ぜひとも拝読していただきたいなと思います。

最後の道徳の教育についてのことなのですけれども、先ほど、伝記という部分については、偉人の資料を用いるということで、そこには小田原のよさ、二宮尊徳翁、そしてまた郷土のさまざまな偉人、これについて取り上げますよというお話をいただいたのですが、当然、二宮尊徳翁について多くの子供たちが学んでほしいという気持ちはあり、私も前からそのように思っているところであります。

今度、私自身の話をさせていただきますけれども、私が今、子供のときに本当にあれをやっておけばよかったなというので一番後悔しているのは、伝記を読まなかったことなのです。ほとんど読んでいなかったということを今大変後悔しております。ヘレンケラーも大人になってからその存在を知り、そして書物また映画、さまざまな中で彼女のいろいろな半生を知ったわけであります。体が不自由でありながら、さまざまな中で葛藤して生きてこられた、この姿自体は大変感動いたしましたし、自分の人生の中にも見習うべきものがたくさんあったということを今感じているところであります。こういった伝記を、先ほどは郷土の偉人ということで教育長はお話しいただきましたけれども、別に郷土の偉人に限る必要はないと思います。多くの方々、特に、この伝記自体は成功談というよりも、どちらかというと失敗談を載せてあって、この失敗をどうやって克服したか。そういったところを私どもは読むことによって、さまざまな苦難に面したときには立ち向かい方を教えてくれる。そういったものが伝記なのかなと、私は勝手に思っているのです。伝記というものの書物を、これからの道徳教育に生かすべきだと思いますけれども、最後に教育長の御所見を伺いたいと思います。

◎教育長(栢沼行雄君) 23番加藤議員のおっしゃったとおりだと思います。伝記物については、道徳教育の中でも、読み物資料とか、そういった中で先人に学ぶとか、特に伝記の中で歴史上の人物とかを含めて、やはり基本的には困難、苦難、そういったものに立ち向かい、そして、いろいろと苦労した中で、最終的に自分の生き方を見つけていくとか、そういう生きざまとか、そういった困難にかつとか、そういった部分がやはり道徳の中のテーマにもございますし、こういった読み物資料の中でも扱っていくことは非常に大事だと、そんなふうに思っております。

以上でございます。