平成26年6月議会一般質問

2014年06月01日

○議長(井原義雄君) 23番加藤議員、登壇願います。

〔23番(加藤仁司君)登壇 拍手〕

◆23番(加藤仁司君) 通告に従い順次質問してまいります。

まず、大項目1、県西地域における課題解決に向けた取り組みについての(1)中核市移行への考え方について伺います。

国は平成25年6月25日の地方制度調査会の答申を受けて、地方公共団体の組織及び運営の合理化を図るため、中核市制度と特例市制度の統合を図るなどとした地方自治法の一部を改正する法律を、平成27年4月1日より施行することとしております。本改正の内容の中には、中核市制度と特例市制度の統合が明記され、「現在の特例市制度を廃止し、中核市の指定要件を『人口20万人以上の市』に変更するとともに、現在の特例市に係る必要な経過措置等を設けることとする」とあります。

そこで、現在特例市となっている本市の人口が、現在19万5000人程度となっている中で、法律施行後は自動的に中核市に移行されるものなのか、まず伺います。また、中核市に移行するとなった場合、そのメリット・デメリットは何か、あわせて伺います。

さらに、地方自治法改正による中核市要件が人口20万人以上の自治体であるものの、本市は、さきにも述べたとおり必要な経過措置の期間は5年間であり、この期間を過ぎたときの人口が20万人以下だと一般市になってしまうようですが、市長は今後の本市のあり方として中核市を目指す気持ちはあるのかお尋ねいたします。

次に、中項目の(2)合併について伺います。

平成21年9月議会において、本市議会は任意合併協議会の設置を求める請願を採択いたしました。その後、県西2市8町は合併新法が期限を迎える平成22年3月までに合併検討の方向性を示すこととして、副市長、副町長から成る任意合併協議会研究会を設置しましたが、結局のところ新法の期限も過ぎ、合併実現にまで至らなかったことは再三申し述べてきたところであります。この神奈川県県西地域では、一たんは合併議論も収束を見たと言えます。平成24年12月に南足柄市議会において、県西2市8町の合併推進を求める決議が出されたものの、最近では具体的な合併議論を聞いたことはありません。しかしながら、昨年12月の南足柄市議会における一般質問において、加藤修平南足柄市長から「現在2市8町の中でも現状の課題あるいは将来に向けた課題を踏まえて共同研究をしないといけないという方向に進んでいる」との答弁があったと伺っています。

そこで、現在、県西2市8町において今後の地域のあり方等についての動きはあるのか伺います。

次に、(3)広域行政について伺います。

全国的にも平成の大合併がひとまず収束して以来、本市では、県西地域の諸課題解決の手法として、合併でなく広域行政を推進していると認識しています。周知のとおり、消防は平成25年3月31日より広域化が図られ、現在進めているごみ処理、斎場も広域行政の一つであり、現在広域化を図るべき施策はほかにはないのかとの昨年12月の私の一般質問に対し、市長から「現時点においては、既に取り組みが進んでいるもの以外に、広域で推進すべきと考える特定の事業はない」との答弁をいただいております。

さて、昨年6月に7番鈴木敦子議員が、本市における広範な地域での問題であります鳥獣被害対策について、市長の見解をただしました。その際の各質問に対しまして、野猿については環境部長が、イノシシ被害については経済部長が答弁しておりました。動物の出没は同じでも、被害が農業被害なのか否か等でそれぞれの所管の部長が答弁されたことから、対策面として各所管が縦割り構成のまま対応できるのかという疑問を持ったところであります。現在、本問題解決に向けて、本市を含んだ県西地域において対策協議会が設置され、各所管が協力・連携して対策を講じていることは承知しているところでありますが、この際、各部局や自治体を超えた広域的なプロジェクトチーム組織の立ち上げを果たすべきだと思いますが、市長の見解を伺います。

次に、(4)新部局設置について伺います。

本年5月3日に開催されました北條五代祭りは、50回記念ということもあり、また多くの有名人も来訪して盛大に開催されました。そして、推定20万人の観光客が押し寄せたとの報道にも触れました。まさしく「観光都市小田原」として、歴史、文化、自然という財産をこれからも今以上に世界に発信すべきだという感を強くしたところであります。

さて、本市における観光予算に目をやると、平成26年度予算ベースでは、(款)商工費(項)観光費の総額3億8979万2000円のうち、小田原市観光協会への補助金が1億2370万5000円と約32%の割合であります。さらに言えば、(目)観光総務費である人件費や(目)観光施設費である海水浴場や城址公園管理運営などを除外した観光振興費における市観光協会への補助金の割合は約79%であり、本市の観光振興の中枢を観光協会が担っていると言っても過言ではありません。

確かに、市観光協会は長きにわたり年間を通じてさまざまな事業を展開し、誘客に努めていることは大いに敬意を表するところでありますが、本市観光振興費の約79%を占める予算を行政から手の離れた組織が直接運営することは、観光都市を標榜する本市の姿勢が問われかねないと常々思っていたところであります。さらには、現在、観光行政を担っているのは経済部観光課であり、観光に重点を置く本市の姿を全国に知らしめるには、現在の経済部の一組織でなく、観光部を設置し、観光への積極姿勢を対外的にも示す必要があると思うのですが、市長の御所見を伺います。

さて、平成32年、2020年には東京オリンピック・パラリンピックが開催されることとなりました。本議会でも本会議や委員会で、この大イベントをきっかけに、本市への観光客誘致や交流人口増加に導けないかとの策を議論しているところであります。最近では、インターネットで「東京オリンピック・パラリンピック推進」と検索すると、関東圏だけでなく関西圏においてもその推進組織を立ち上げている自治体も目につくようになってきました。

そこで、本市における東京オリンピック・パラリンピックに向けた推進本部等の組織立ち上げについての考えを伺います。

次に、大項目の2、公立小・中学校における学期制の見直しについて伺います。

平成26年4月12日付の神奈川新聞によりますと、大和市教育委員会では平成18年より実施していた2学期制を9年ぶりに3学期制に戻すとの記事がありました。本議会でも私を含め何人もの議員が、以前の3学期制に戻すべきではないかとの議論を重ねてきた経緯があります。

そこで、平成23年には2学期制検討委員会が方向性をまとめたと聞きますが、保護者や児童・生徒等への調査や各教員の意向などの結果はどうであったのか伺います。

さらに、3学期制に戻すと授業数の減少が心配されるという声を聞きますが、大和市教員委員会指導室では、休みや学校行事の数を減らすなどして、3学期制になっても2学期制と同様の授業時間数を確保したいと、工夫次第であるとのコメントが掲載されていました。

そこで、本市においても3学期制に戻す考えはないか伺いまして、登壇しての質問を終わります。(拍手)

○議長(井原義雄君) 市長、登壇願います。

〔市長(加藤憲一君)登壇〕

◎市長(加藤憲一君) 23番加藤議員の御質問に順次お答えを申し上げます。

初めに、このたびの地方自治法改正により、本市は自動的に中核市へ移行するのかとの御質問でございました。本年5月30日に公布されました地方自治法の一部を改正する法律では、人口30万人以上であった中核市の指定要件を20万人以上とすることとされたところでございます。また、法が施行される平成27年4月1日の時点で特例市である市については、法の施行時から5年が経過する平成31年度末までの間は、人口20万人未満であっても中核市として指定が可能とされているところでございます。これらは、あくまでも指定要件の見直しでありますことから、本市が自動的に中核市へ移行するというわけではございません。

次に、中核市移行のメリットとデメリットについての御質問でございます。他市の事例を参考にいたしますと、中核市に移行した場合は、県から多岐にわたる事務、これは一般的に1800程度と言われておりますけれども、この多岐にわたる事務が移譲されることにより、市民生活に密着した事務を市が一元的に実施できるようになり、事務処理の迅速化や効率化が図られますほか、市保健所の設置による保健・衛生分野の事務の高度化や、市の実情や課題を踏まえた教職員研修の実施など、さまざまな分野において行政サービスの向上や地域特性を生かした独自性の高い行政運営が可能になるなどの効果が期待されるところでございます。一方で、これはデメリットというよりも移行に当たっての課題ということになろうかと思いますが、保健所設置に係る専門職員の確保や施設整備に伴う財政負担等が挙げられるところでございます。

次に、本市の中核市移行に係る見解についての御質問でございます。ただいま御答弁申し上げましたとおり、中核市への移行は、大きな効果が期待される反面、一定の課題もございます。本市の中核市移行の是非につきましては、一般的に言われる効果が本市においても見込めるのか、また、課題については解消策があるのかといったことにつきまして、しっかりと精査する必要がございますことから、今年度末までに判断材料を整理することを目的とした全庁的な研究作業に着手したところでございます。研究の結果、課題の解決が図られ、行政サービスの向上等、総体的に多くの効果が見込まれると判断される場合には、中核市移行を目指してまいりたいと考えております。

次に、県西地域2市8町における今後のあり方についての検討や研究についてのお尋ねがございました。県西地域2市8町の将来展望等につきましては、神奈川県西部広域行政協議会等の機会を通じまして、各首長と適宜意見交換を実施しております。また、具体の取り組みといたしましては、昨年度、第30次地方制度調査会から「大都市制度の改革及び基礎自治体の行政サービス提供体制に関する答申」がなされた機をとらえまして、2市8町の企画所管による「県西地域におけるこれからの基礎自治体のあり方に係る共同研究」を実施したところでございます。当該研究では、国立社会保障・人口問題研究所の人口推計や国勢調査のデータなどを活用いたしまして、2市8町の現状や今後について整理するとともに、この共同研究の結果を踏まえて、首長による意見交換等も実施したところでございます。

次に、鳥獣被害対策に係る広域的組織の立ち上げについてのお尋ねがございました。広域的な有害鳥獣の課題に対しましては、県、市町、JA等で組織する「県西地域鳥獣対策協議会」がその役割を担っております。この協議会には、専門的知識を有する有害鳥獣防除対策専門員も参画しておりまして、その対策に関する適切なアドバイスを受けながら対応を講じているところでございます。今後も、基本的にはこの協議会を活用し、近隣市町と連携を図りながら、鳥獣対策を進めてまいりたいと考えております。

次に、観光に重点を置く本市の姿を示すためにも、観光部を設置してはどうかとの御質問でございました。観光振興は、まちの魅力を高める取り組みを総合的に進める必要があり、関係部局はもちろんのこと、地元企業や市民の方々などとともに連携や協力しながら進めていかなければならないテーマでございます。これまで、さまざまな民間団体と協力しながら、臨機応変かつスピーディーに運営することが求められる各種観光行事やイベント等は小田原市観光協会が、そして観光地としてのポテンシャルを高める施策づくりや、情報発信、あるいは広域的、総合的な観点からの観光まちづくりについては市が担っているところでございます。引き続き、このような役割分担の中で、民間活力を活用しながら、さらに観光振興を図っていきたいと考えておりまして、観光課を独立・格上げし、観光部とする組織の見直しについては現在のところ考えてはおりません。

次に、東京オリンピック・パラリンピックに向けた組織体制についてでございます。東京オリンピック・パラリンピックに向けましては、3月に若手職員によるプロジェクトチームを設置いたしまして、本市における対応の可能性を描くことを目的として検討を進めるとともに、関係する所管との意見交換を実施いたしております。今後は、プロジェクトチームの検討結果や関係課との意見交換について一定の整理ができた段階で、部長級の職員による全庁的な推進組織を立ち上げますとともに、9月ごろを目途に、官民による連携体制を立ち上げまして、全市的な体制で取り組んでまいりたいと考えております。

23番加藤議員御質問の公立小・中学校における学期制の見直しについては、この後、教育長から御答弁申し上げます。

以上をもちまして、23番加藤議員の御質問に対する私からの答弁とさせていただきます。

◎教育長(栢沼行雄君) 23番加藤議員の一般質問のうち、公立小・中学校における学期制の見直しに関する質問につきましては、私から御答弁申し上げます。

初めに、2学期制検討委員会での調査結果について御質問がございました。2学期制検討委員会では、平成23年1月に、保護者や児童・生徒及び全教職員を対象とした実態調査を行いました。その結果、保護者に関しては、長期休業前の教育相談や面談について、有効であると回答した割合が約90%と高い評価が得られました。また、「2学期制が定着し、学校も落ちついている」あるいは「ゆとりが生まれる」などの意見がある一方、「長期休業前に通知表がほしい」とか「風土に合わないのでは」といった意見もございました。児童・生徒に関しては、教職員とかかわる時間について、十分かかわることができていると回答した小学生が76.9%、中学生が70.6%でございました。また、日常の教育活動について、授業がわかる、楽しいと感じている小学生が90.2%、中学生が73.9%でございました。教職員に関しては、2学期制の定着の度合いについて、定着していると感じている小学校教員が92.4%、中学校教員が61.4%でございました。また、「授業時間数が確保できる」あるいは「ゆとりを持って教育活動が進められる」などの意見がある一方、「進路指導の面で大変になった」とか「社会や風土になじまない」といった意見もございました。

次に、3学期制に戻す考えについて御質問がございました。本市では、2学期制検討委員会において、アンケート調査の結果等を検証し、今後も2学期制を継続し、今まで積み重ねてきた2学期制のよさを生かして、よりよい2学期制を実施していくとの方向性が示されたことから、教育委員会として、現段階においては3学期制に戻すことは考えてございません。

以上で23番加藤議員の御質問に対する御答弁とさせていただきます。

◆23番(加藤仁司君) 一定の答弁をいただきましたが、再質問をさせていただきます。

初めに、大項目1の(1)、(2)、ここに関連して質問をいたします。

市長から答弁をいただきました。中核市のメリット・デメリットの部分で、特にデメリットの部分です。これについてはしっかり精査をされて、これからどうするか判断されるというお話がありました。その中で、今の広域化の協議会の中でさまざまな首長との議論もされているということであります。ただ、この法律が変わって中核市に移行するというときには、先ほど2番野坂議員からの人口減少に関しての質問があったわけなのですけれども、やはり本市も人口減が進む、これは推察されるわけなのですけれども、このまま成り行きに任せていると、当然、20万人を今でも切っていますけれども、どんどん少なくなる。そうすると、法律が施行してやはり5年の中でも20万人を超えないということで、一般市となるというふうに思われます。ただ、中核市にするための20万人以上にするには、やはり、これは事実上合併をしていかないと20万人にならないというのが現実ではなかろうかなと思います。今までは区画整理事業等もありまして、人口増を図ろうという機運もありましたけれども、今の中では合併以外に方法はない。しかしながら、その合併についても、国の特典といいますか、特例法も期限を過ぎましたし、よほど国からの何かしらの手だてがない限りは無理だと私も思うわけであります。

そこで、先ほど市長の御答弁の中に出ておりました、共同研究をしているというお話がありました。この共同研究自体は、見方からすると、ちょっと合併の道筋のような感じもするのですけれども、この共同研究を今しているという言葉は、今まで市長のほうから私ども市議会のほうにも出たことがないのではないかなと思います。また、市長からのお話もありました第30次地方制度調査会の答申を踏まえて、国のほうでは地方中枢拠点都市の方向性が示されているということなのですけれども、そこで一つ伺います。

先ほど言いました共同研究、この下地の部分には、本市を県西地域における国が示しました地方中枢拠点都市といったイメージがあるというふうに解していいのか、それを一つ目として伺います。

また、この共同研究に当たり、各首長との議論を重ねている、意見交換をしているということなのですが、その反応はどうだったのか、また、市長はどのように各首長から出た意見を受けとめているのか、それについて伺います。

◎市長(加藤憲一君) 23番加藤議員から、ひとまず2点、共同研究というものを考える上での地域圏の中における本市のイメージとしてどうなのかということと、各首長と共同研究をやった中での感触はどうかというお話だったと思います。

1点目の共同研究にまつわる地方圏の中での小田原市のイメージでありますけれども、先ほども2番野坂議員にも御答弁したとおり、神奈川県西部広域行政協議会の中で昨年度議論させていただいて、また、それに先立っては平成19年から平成22年にわたる県西地域合併検討会の議論もあった中で、2市8町の中では、将来的な一体化というものについてはおおむね合意をしておりますものの、今後の、当座のあり方としての合併ということについては、なかなか足並みがそろわないといいますか、温度差が一つにならないというところがありまして、そういった中で、目下の課題である幾つかの課題について、広域行政を深めるということでこの間取り組みをしてまいりました。そういう認識の中で、そうはいっても40年、半世紀近くにわたった広域行政の歴史を持つこの県西地域2市8町は、やはり一つの圏域としてのまとまりをつくっていくことが肝要であるという認識には変わりございませんので、そういう中で、本市としては、合併に至らずともこの広域行政の枠組みをより強化することで、この圏域の一体感と圏域の持つ総合力というものを発揮していく上では、やはり中心市の機能というものをしっかりしていくべきであろうという認識に至っております。

たまたまそういう中で、国のほうもそういう地域圏のいろいろな状況を踏まえた上で、さまざまな制度的な提案をしてきており、そういう中で地方中枢拠点都市といった概念を出してきているわけであります。国のほうからそういう都市概念の提起があったので、そこに近いということではないのですけれども、もともとそういう経過の認識の中で、私どもとしては、小田原市がこの圏域の中心市として、事実上の中枢都市というか中核都市としてやっていかなければ、この地域自体がもたないだろうという認識を持っておりますので、そういった危機意識からも、圏域の今後をそれぞれの市町の首長がよりリアルに考えるべきではないかという思いを持って、共同研究の提案をさせていただいたと、そういう経緯でございます。

それに対して各首長の反応でございますけれども、やはりそれぞれお立場もありますし、県西地域全般としては人口減少の局面にありますが、中にはまだ人口が伸びているところもあれば、もちろん非常に有名な観光地箱根のようなところもあって、この合併ということについては、それぞれの立場がまだまだかなりばらつきがございます。しかし、そういう中でも、先ほどこれも2番野坂議員に御答弁いたしましたが、ちょうど日本創成会議からの「消滅可能性都市」という言葉が出てきた中で、そういう従来の立場だけでこの一体化に向けた議論をいつまでも先送りにはできないのではないかというような首長のお気持ちも、そういう議論の中ではかいま見えたところでございます。したがって、今後、そういうことをより率直にお互いの状況を認識しながら、議論を進めていくべきであろうというのが、私が今受けとめている2市8町の雰囲気といいますか、空気ということでございます。

以上です。

◆23番(加藤仁司君) 今市長の御答弁の部分、この県西地域のやはり中核をなすこの小田原市の首長の発言として頼もしいという感じがいたしました。ただ、2番野坂議員の質問で2番野坂議員もおっしゃっていたのですけれども、合併に対して今までと変わらずの姿勢でいるということ、これは答弁でもありました。しかし、今、現実を見た中で、本当に合併というのが現実的な話なのかなという疑問を持ちます。確かに、首長間との話を今御答弁いただいたように、条件的にはいろいろと足並みがそろわないところもあることは十分わかりました。ただ、例えば、今小田原市民が、あの合併議論がいろいろあった中で、それが過ぎて、今どこかと合併しようという機運はどうしても高まっていないというか、全くないのではないのかなと、私はそういうふうに思っています。

そこで、先ほどから出ている日本創成会議の分科会が発表した、ここで「消滅可能性都市」という非常に大きい危機感をあおるような結果が出たということで、これから慌てて合併しなければというところがどんどん出てきてしまうのではないのかな、小田原市は門戸を広げているから今でも乗りおくれないし、とにかく今手を挙げれば合併に参加してもらえるのではないのかな、ちょっとそういうふうなメッセージを変に出してしまう可能性もあるので、やはり市長が、現時点、県西地域における小田原市、そして小田原市が今後どういうふうな方向を向けるか、こういったことを発信することは本当に大事なことだと思っております。

ただ、例の合併議論のときに、もう既に私から見れば近隣自治体があの時点で小田原市との合併はしないという意思表示を1回はしている。これはまず大きく受けとめるべきことだと思います。この共同研究を場合によっては果たしてする必要が本当にあるのかなというような感じもいたしますが、これはまた庁内の中で、先ほどの中核市移行の部分の動きの中でも、あわせてまた十分詰めていただきたいと思いますけれども、そこで一つ伺います。

先ほど市長から、小田原市は中心市、これを目指すと言ったのか、今中心市だと言ったのかちょっとそこははっきりわからないところなのですけれども、やはり今年度の施政方針を見た中で、これからの本市や県西地域のあり方は、ちょっと読みますと、「県西地域における広域連携の取組を継続するとともに、静岡・神奈川・山梨の県境を越えた自治体間による連携や交流を深めてまいります」ということが記載されております。これからのこの県西地域は、例えば合併、広域、こういったものを含む、特に平成26年度の施政は、今申したとおりのことが記載をされているだけであります。やはり先ほど来、質問し答弁いただいている中からすると、これは長期ではないですね。短期的なこの市の将来のあり方、またこの県西地域のあり方については、この市の基本スタンス、これをまだ事務的な段階なのかもしれませんけれども、本来であれば、こちらから質問して今市長が答えるのではなくて、例えば記者会見をやるとか、議会の中で、自分は今こういうふうに、今の人口動態また経済情勢を考えると、小田原市はこの県西地域の中心地となるために今こういう施策を考えている、こういったことをまず表明すべきではないかなと思うのですけれども、市長の見解を伺いたいと思います。

◎市長(加藤憲一君) それは23番加藤議員のおっしゃるとおりでありまして、ただ、今そういったものを固めていく上で、国の地方制度にまつわる制度論、また都市制度をめぐるさまざまな自治体レベルのいろいろな議論が今非常に渦巻いている状況がございます。一方で、圏域の中の2市8町のそれぞれの自治体の状況をめぐるこの地域の中での認識、これもお互いの事実をきちんと突き合わせて、こういうふうにやっていこうかというコンセンサスができているかといえば、まだまだそういった作業もやりかけというところもあります。私どもとしてはそういう問題意識を持っておりますので、このまま漫然と時間が経過していって、何もしないまま、気がついたらそれぞれの自治体が身動きがとれなくなっていたという状況は、やはり避けなければいけないと思っていますので、数年来そういった問題意識はずっと持ってきていますけれども、そういった中で、こういった方針で地域圏の中でやっていこう、その中で本市はこういう役割をしていこう、制度としてはこれを適用していこうということは、まだ留保しておくべき部分といいますか、固まっていない部分がありますので、まだ明確な市の方針として打ち出すには至っていないという状況がございます。したがって、今年度の施政方針では、そういう認識を持ちつつも、文言として表現できる部分には、まだまだそういうところでとどまっているという状況がございます。ただ、この年が改まった以降もいろいろな意味で状況も煮詰まってきていますし、いろいろなことが議論されてきていますので、これについては今後より踏み込んだ形で我々も検討していきますし、またそういう認識をしっかりと皆様方にもお伝えする、また市民の皆様にも投げかけをするということができる状況になれば、それはしっかりとやらせていただきたいというふうに思います。

以上です。

◆23番(加藤仁司君) 確かに、市の施政の部分についてはまだ煮詰まっていないということで、それは理解できます。ちょうど合併の議論が終わって、広域化が図られるといったときには、これもどちらかというと、小田原市がこれから広域のほうにスタンスを置きますというようなところというのは、やはり議会との質疑の中で出てきたような感じがしたのです。やはり、市長自体のお考え、これは時の情勢によって変化することはだれもが認めることだと思いますので、ただ、これからの短期における市の施政、こういったものをいろいろな機会を通じて、たとえまだ固まっていないとしても、こうありたいみたいな形の表明はぜひともしていただきたいなということを申し述べて、次の質問に入ります。

それでは、再質問の1の(3)、(4)、これに関連してまとめて再質問をさせていただきます。

まず、広域的鳥獣被害対策については、県西地域鳥獣対策協議会がある、専門家のアドバイスもいただいているということではありました。この鳥獣被害に悩む農家、これは建設経済常任委員会の中でもちょっと触れましたけれども、私どもの住んでいる橘地域においても、先般、鳥獣被害の対策協議会を設けまして、そのメンバーの方々は、ただ単に行政に頼るだけではなくて、自分たちもしっかり協力しながらやっていくということも聞いております。それだけ農家の方にとっては深刻な問題だという認識をしたところであります。

ここで、一つ事例を申し上げますが、全国では、野生のシカまたイノシシなどの肉、鳥獣被害対策により不幸にもというか殺された鳥獣の肉を高級食材や特産品にしようという動きがありまして、和歌山県、静岡県また長野県においても取り組まれているということを聞いております。一昨年には丹沢のシカを食用に活用するという「丹沢ジビエ研究会」も催されたということを聞いておりますけれども、ここには食肉処理場の問題、また個数の問題などもあるように聞いております。このような経過から、この県西地域における鳥獣被害対策においても、被害対策をするというだけではなくて、これを例えば観光産業というか経済的にどう結びつけられるか、そういった可能性も視野に入れる、この必要性を感じるところであります。

そこで、神奈川県県西地域として、観光振興ともあわせた鳥獣対策を考える必要があると思うのですが、その御見解を伺います。

それから、(4)に関してなのですが、新部局の設置、これについては現状の中ではなかなか厳しいのだという答弁をいただきました。御承知のように、観光協会は今年の春から一般社団法人ということで再スタートを切りました。形が変わったということで、今後も従来のような補助金を続けるのか、また、観光協会側のほうも歳入の検討といったことも行われるのではないかなと期待するところであります。そこで、この一般社団法人に変わった観光協会と、先ほども役割の分担をしているということなのですけれども、再度、役割についてどういうふうにしていこうか、またこの相互関係を強固なものにするにはどうしたらいいか、こういったことをこれから講じる必要があろうかと思います。

そこで、観光協会と観光行政、ここの兼ね合いの部分はどういうふうにやっていくつもりなのか、それについて伺いたいと思います。

それから、この(4)のもう一つの部分、東京オリンピック・パラリンビックの推進については、今若手職員の中でのプロジェクトチームをつくって、これから進むというようなお話もありました。それには大いに期待をするところなのですけれども、そこで、今神奈川県内において、こういった東京オリンピック・パラリンピック推進に関しての機関等、そういったものを設けたところがあるのか伺いたいと思います。

◎副市長(加部裕彦君) 23番加藤議員の再質問のうち、まず私から2点目の観光協会と観光行政との兼ね合いにつきまして、御答弁を申し上げたいと思います。

御指摘いただきましたが、この平成26年4月1日から観光協会は法人化いたしました。新たなスタートを切ったわけでございますが、小田原市観光協会はこれを機に、これまで以上にリーダーシップを発揮し観光振興を図る必要があるというふうに考えております。御指摘のとおり、市とのかかわりというのは、どこで役割分担を図っていくのかという中で御議論があるのは承知いたしておりますが、観光協会の役割などを再確認するためには、組織体制を見直しました今が絶好の機会でもあると考えております。現在、観光協会では検討組織を設けまして、ある程度時間はかかりますが、自主財源の確保を目的とした収益事業や、実施事業の費用対効果、運営方法等についての検討や見直しを行う方向で検討を進めているところでございます。

これは市長の答弁でも申し上げましたが、市はやはり観光のまちづくりを進めていくということが主体であります。それは城址公園の整備はもちろんでございますが、広域的な連携、あるいはまた情報発信といった基盤的な部分はやはり市が持つべきだと思います。一方、観光協会は、そういった観光のまちづくりを、戦略的実施部隊と申しますか、そういう形で担っていくべきものであろうと思っております。そのために、やはりより一層自主財源の確保といったものにも努めて、より一層幅広く官民の連携を図る、そういった組織体制の中核をなすものだと思っております。いずれにいたしましても、市行政と観光協会、当然これは密接にかかわっていかなければなりませんので、今後とも連携を図りながら、一層の観光振興の充実、経済の振興に寄与できるよう頑張っていきたいと思っております。

以上です。

◎経済部長(長谷川孝春君) それでは、再質問の三つのうち、初めの鳥獣被害対策について、観光振興も視野に入れた対策を講じたらどうかという御質問に私のほうから御答弁させていただきます。

23番加藤議員御指摘のとおり、全国的に野生のイノシシですとかシカなどを使用したジビエ料理といったものを提供して、地域おこしに取り組んでいる地域も複数あるというふうに認識してございます。しかしながら、そういった取り組みを県西部に当てはめて考えますと、やはり安定供給をするために捕獲数をどのように確保するのかといった問題とか、あるいはその捕獲したものをどうやって輸送するか、そしてその先にある食肉をどうやって処理していくのかといったような問題もございます。また、消費者の信頼性を得るためのトレーサビリティの確立といった諸課題もございます。したがって、現時点では、捕獲したイノシシ等を観光の振興の分野に使うことは難しいというふうに考えておりますが、引き続き他都市の事例などを研究してまいりたいというふうに考えております。

以上でございます。

◎政策調整担当部長(鶴田洋久君) 東京オリンピック・パラリンピックに向けました県内各自治体の取り組み状況について、私のほうから御答弁申し上げます。

初めに、県の対応でございますけれども、県では、2020年に向けまして神奈川を世界に発信することと、東京オリンピック・パラリンビックに対する支援のあり方などを検討するために、平成25年10月に「五輪のための神奈川ビジョン2020推進本部」というものを立ち上げております。また、各市の状況でございますけれども、横浜市、川崎市、相模原市、藤沢市などにおいては庁内横断的な推進組織を既に立ち上げております。さらに、藤沢市につきましては、市民ですとか関係団体等の協働によります組織といたしまして、誘致・支援委員会を設置しております。さらに、横須賀市でございますけれども、選手強化のためのナショナルトレーニングセンター、こちらの誘致に向けまして誘致委員会を設置しているという状況でございます。

以上でございます。

◆23番(加藤仁司君) お答えをいただきました。

まず、鳥獣被害対策においてはぜひとも研究をしていただきたい。他都市の部分の事例等もこういう形でありますので、今専門家のアドバイスをいただいているという中での鳥獣被害対策ではありますけれども、観光振興の面、経済対策の面、こういった形で実際に取り組んでいる方のアドバイスも一回聞いてみるというようなこともぜひともお願いしたいと思います。これについては、研究を重ねてもらいたいということを要望しておしまいにします。

観光協会の件については加部副市長から御答弁をいただきました。確かに、今までの役割分担はあるわけであります。こういったものを急に変えることは厳しいということでありますので、ぜひとも密接な関係はこれからも続けていってもらいたい。そして、観光協会は、これから自主財源といいますか、こういったものも考えられているということでありますので、それは注視していきたいなと思います。

また、東京オリンピック・パラリンピックについては、現在の状況はわかりました。この後、午後に10番今村議員のほうで、東京オリンピック・パラリンピックに関しては大変詳細な質問があるということを聞いておりますので、そちらにゆだねたいと思います。

それでは、再質問、大項目の2番目の公立小・中学校における学期制の見直し、これについて幾つか伺います。

先ほど、アンケート結果について教育長のほうから御答弁をいただきました。2学期制を3学期制に戻すべきではないか、この質問については、平成24年9月、これは3番大川議員が前任の前田教育長に伺った経緯があります。結果的にその答弁と全く変わっていないということがわかりました。そのときは、平成20年度のアンケート結果の部分を引用されて、全体の75%が2学期制で定着しているということと、あわせて3学期制を全体が強く望んでいるという声はありませんというような答弁を聞いたと記憶しております。ただ、そのとき3番大川議員のほうが、これはアンケートの設問自体がそもそもおかしいのではないかという指摘をされました。私もそのアンケートの設問を見ると本当にそのとおりだなと思います。

そこで、2学期制のあり方についてのアンケートはいろいろとやられているということなのですけれども、果たして2学期制に移行する前、例えば言葉はちょっといろいろあろうかと思いますけれど、3学期制のあり方、これがどうなのかみたいな、そういうアンケートを実施した経緯というのがあるのかどうか、まず最初にそれを1点伺います。

また、2学期制に移行してから久しいのですけれども、学力面、こういったものについて効果があったのかどうか、変化というものがあったのかどうか、それを2点目で伺います。

それから、今の栢沼教育長におかれましては、以前は中学校の先生でありました。先ほど、アンケート結果のほうも定着度が、教員の方々にアンケートをとったところ、小学校において92.4%が定着している、中学校において61.4%ということで、中学校の先生方のアンケート結果というのは、過半数はいっていますけれども、余りよろしくないと思います。こういったことで、中学校の教員の方々はどちらかというと、2学期制の部分については評価としてはそう高くはないというように思っているのですけれども、その原因は何なのか、そこがわかりましたら教えていただきたいと思います。

また、栢沼教育長が教育長に御就任されてから、こういうアンケート、保護者とか児童・生徒とか教員とかにアンケートをとった部分はわかりますけれども、ほかの教育委員とこの2学期制についての議論といったものがされているのかどうか、それについて伺います。

◎教育長(栢沼行雄君) 23番加藤議員より、教育長就任後、一つは教育委員との2学期制の議論について、もう一つは、特に中学校の教員に関して2学期制への評価が低かったというその要因は何かというお尋ねでございました。

最初に、中学校の場合、私が白山中学校在任のときに、当時ちょうど2学期制の試行校としてここにかかわっておりました。3学期制から2学期制に移行するという段階で、職員のほうで、私自身も一番心配したのは、やはり進路指導の部分。いわゆる進路に使われる中学校の評定が、従来ですと2学期の成績をもって進路指導に使っていた。これが2学期制になると10月の段階で前期の評定を出す、これをそのまま3年生の12月の評定として、最終的に高校のほうに送るデータとして出すのは余りにも、その間に伸びた子はどうするのだというようなことの戸惑いから、やはり試行校でやったときには2学期制の前期の評定を出して、その後、3年生だけを進路用として12月の頭ぐらいにぎりぎりの段階で3年生の評定を出した。そういった中で、3年生を担当する職員が非常に多忙であると。その進路データを間違っては子供たちの一生にかかわりますので、そういった作業が大変であったということを今思っております。そういった面で、中学校の教員が2学期制に対していま一歩というのは、そこにあったのかなというふうに思います。

ただ、2学期制の試行については、先ほども通知表が1学期に欲しいという、そういう保護者のお声もあったということから、試行をやっていたときは、1学期、いわゆる7月の段階、夏休みに入る前に、学校として、それまでの観点別評価、いわゆる学習評価を全員にカードとして作成して、それを面談に使って、夏休みに各教科、全教科に学習のサポートをしようということで、夏休みは20日間くらいだったと思いますが、全教科が教科相談日をつくって学びの連続性をそこに設けて、夏休みから要するに9月につなげたと、そういった結構大変な状況はありました。ただ、それによって教員が、今まで3学期制ではややもすれば薄かった部分、すなわち丁寧に細かい評価を子供たちにしている。私としては、単元評価をきちっと毎回子供たちに返すというのが一番いいだろうと。ある教材の単元が10時間あれば10時間終わった段階で、この単元、まとまりが終わった段階で、子供たちに先生方が、この単元についてはあなたはこうだよと、こういうところを頑張ればいいよと、そういうようなきめの細かい評価というものが、2学期制では非常に大事であるし、問われてくるだろう。そういうことを小田原市ではかなりそれを契機にやっているというふうに思っております。

それから、もう一点のお尋ねですが、就任以来、この2学期制について、教育委員会の定例会等の公式な場として、またその議題として議論したことはございません。ただ、話題の一つとして、それぞれの委員と私とで話して話題にしていることはあります。そうした中で、今後、学期制を含めてさまざまな教育制度が入ってきます。そういった見直し等の必要性が生じた場合、教育委員会として議論をしていきたいという方向で考えております。

以上でございます。

◎教育部長(関野憲司君) 23番加藤議員からの残りの2点につきましては、私から御答弁をさせていただきます。

初めに、2学期制導入前に、3学期制のあり方についてアンケート調査をしたかという御質問がございましたが、アンケート調査はしてございません。2学期制の実施は、授業時間数の確保あるいは教育活動の見直し等を行いまして、学校の活性化や教職員の意識改革を図ることがねらいの新しい試みでございました。2学期制という新しい制度の導入に当たりましては、アンケート調査等を行うのではなくて、研究実践校6校によります研究実践を行いまして、2年間の試行を行い、そしてそれを検証した結果、導入したものでございます。

それから、2点目の2学期制に移行してから学力に変化はあったのかということでございますが、2学期制と3学期制を比較いたしまして、そして児童・生徒の学力の変化を見るのはちょっと大変難しいところがございます。しかしながら、2学期制移行後、各校におきまして、2学期制に合ったカリキュラムを編成して、長いスパンで学習指導や子供の支援、評価をすることができるようになりました。その結果としまして、先ほど教育長が御答弁申し上げましたとおり、2学期制検討委員会のアンケート結果から、授業がわかる、楽しいと感じている児童・生徒が高い割合でございましたことから、子供の学習意欲の向上が図られているものと認識をしております。

以上でございます。

◆23番(加藤仁司君) 再質問に対しての答弁をいただきました。

先ほど来、2学期制は、基本的には授業時間数の確保ということがまず第一の目的だったと思います。実際に3学期制に比べて、小学校で30時間、中学校で25時間ふえた。これはこの前の一般質問での答弁でいただいているわけで、確かに3学期制に比べてふえているということは事実だと思います。しかしながら、先ほど教育長から御答弁、実際に教員でいらっしゃったときの体験がもとでの答弁がありましたが、これだけ先生方は本当に忙しいのに、ますます忙しい仕事をしてしまっているのではないのかなというような感じがいたします。大和市は3学期制に戻すということでの理由については、時間数は確保するけれどということで、新聞記事でしたので余り多くは触れていません。やはり2学期制自体は何らかの欠陥というか問題があったからこそ3学期制に戻した。大和市だけではなくていろいろなところが今どんどん戻している部分というのは、やはり何かしら2学期制では解決できない問題、逆に問題が起きてしまっている、こういったことがあるからこそ3学期制に戻しているのではないのかなと思います。

先ほどの最初の質問のときに、アンケート結果を教育長のほうからもいただいたのですけれども、確かに、例えば定着をしているか否か、これを聞かれたときに保護者は、今2学期制の中で授業を受けているといった子供が、また例えば改革で3学期制に戻すといったときには、実際混乱を起こして子供がかわいそうだ、もうこんな混乱はさせたくないということで、解せないことがあったとしてもこれを受け入れようということでの結果ということも詮索せざるを得ない。私はちょっとそう思いました。

また、アンケートの中で、これも教育長が答弁をされましたけれども、長期休業前に通知表がないかわりに教育相談、また通知表以外の資料をつくって対応しているという、先ほどサポートをいろいろされているという答弁がありましたけれど、この評価はそれなりに数字の上でも出ている。これは確かであります。しかしながら、今までの3学期制で夏休み前に先生が子供に対して、1学期の成績、通知表という客観的な評価をしていれば、1学期の成績が振るわなかった、そういった児童・生徒はどうするか。これは夏期講習の塾に通うこともあるでしょうし、また、1学期の振るわなかった問題を復習する、こういったことをやるかもしれない。また、それをさせるのはだれかといったら、それは家庭ではないのかなと思います。家庭の中で解決を図るべき問題であったはずなのですけれども、通知表をつくらないばっかりに先生と面談して、また通知表にかわるものを先生が作成する、こういった時間を思いっきり先生方が使うことが、要は今まで忙しいと言われている先生に、それこそ追い討ちをかけてなお忙しさを助長する、こういった結果になっていないのか、このように心配をするわけです。また、保護者にとってみても、今までは通知表をもらうだけで、例えばちょっとコメントがあるかもしれませんけれど、余り十分にはその通知表では判断できないことはあったかもしれません。しかしながら、学校側が教育相談に乗ってくれるということで、保護者からしてみてもそれはもう大喜びだと思います。そういったことから、保護者は喜べば喜ぶほど教師の負担はふえていくということが、今の2学期制にある問題ではないのかな。家庭にそういう教育を任せるという、夏季だけに限らず長期休業は、家庭に帰っての家庭学習を考える機会を、ちょっと言い方は悪いですけれど、学校側が過剰サービス的にやる必要が本当にあるのかな。これを感じるわけであります。

そこで質問をさせていただきますけれども、次回のアンケート、これからやるかわかりませんけれども、アンケートをやる場合には、現状として3学期制に戻している教育委員会もあります。こういったことをとらえると、3学期制と2学期制、もう3学期制を知らない児童・生徒もいるわけなのですけれども、どちらの学期制が望ましいのかという本当にストレートな質問、特に保護者の方とか教員の方に設問をやるべきではないのかなと思うのですけれども、それについてのお答えをいただきたいと思います。

◎教育部長(関野憲司君) 再々質問にお答えさせていただきます。

何らかの形で、保護者の方、それから学校、そして子供たちの意向を確認しながら制度設計していくというのは、そのとおりでございます。ただ、単に3学期制がいいか2学期制がいいかではなくて、3学期制にしたときは例えば休みがどうなるのかとか、あるいは夏休みのサマースクールの形はどうなるのか、2学期制ならばどうなのかというようなこともきちんとその辺のところを踏まえながら、それを示しながら聞いていく必要があると思うのです。ですから、私どもとしましては、そういうふうな制度のときには実践とか試行しながら、そういうことも含めまして考えていきたいと思っております。

以上でございます。

◆23番(加藤仁司君) 今、教育部長が御答弁されまして、客観的な事象を十分に示しながらのアンケート、これを実施していただければありがたいと思います。

これは最後になると思いますけれども、先ほどアンケート結果の中で教育長のほうから、例えば、日本の風土に2学期制は合わないのではないか、こういったお答えもあったと聞いております。当然、我が国日本には四季がありまして、その気候などによって、節といいますか、気持ちの切りかえというか、そういった四季にふさわしい物事を先人たちが決めてきた経緯があるわけであります。学校においても、その学校の創設期や戦前、戦中とかは私も知らないのですけれども、春は新学期から始まりまして、夏の暑いさなかには長い夏休み、そして冬には暮れ、正月を挟みました冬休み、そして卒業や終業、こういった時期を迎え新学期までの春休み、こういったことが今まで日常的に過ぎてきたわけであります。学校はただ単に授業がある日だけではなくて、常に非日常の長い休日、これにおきますそれぞれの学習を踏まえてカリキュラムを組んでいるのかもしれない。そして、先ほど言ったように、その中には、家庭教育を行う時期というものも、この1年を通じた中で、この長い休みのときということで置いていた。だからこそ新学期から夏休みの前の1学期の終わりには、その間の学業の成果として通知表を渡して、どの教科への努力が足りないのか、また、ついていけなくなった教科を挽回するためには夏休みにどんな学習をしたらいいのか、こういったことを考える機会を与えていたのではないかなと思います。これは、冬休みもしかり。また、この長期休暇を学習機会に有効活用といったことでの休みと見た場合には、やはり総合的に学力の向上といったことにつながるということを、長年にわたって3学期制という形の中で行われてきたというのが今までではないのかなと思います。2学期制のメリット・デメリット、いろいろとお話がありましたけれども、今2学期制のままでこだわる必要が本当にあるのか。特に、繰返しますけれども、先生方が今以上に忙しい環境に置かれることも本当にいいのか。家庭学習が必要な中で学校がそれ以上のサービスを行う、そういった状況がいいのか。そういったものから勘案すると、2学期制を続けていくことはちょっと考えられないのではないか。3学期制に戻すということも、ぜひとも教育委員会の中で検討していただきたいということを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。