平成26年9月議会議案関連質問

2014年09月02日

議案関連質問

23番(加藤仁司君) このたび提案されております議案第92号 小田原市印鑑条例の一部を改正する条例について、端的に何点か伺います。
まず、(1)条例改正案提案の経緯について伺います。次に、(2)現在の性別記載についての苦情等の有無について伺います。(3)として、今後、性別記載にかかわる他の条例改正の予定はどうなるのか、以上3点について伺い、第1回目の質問を終わります。

市長(加藤憲一君) 23番加藤議員の御質問に、まず私のほうからお答えをいたします。
小田原市印鑑条例の改正の経緯また窓口での苦情等についての御確認のお尋ねでございました。現行の印鑑条例は昭和54年に施行されておりまして、性別欄を印鑑登録原票の基本情報の一つとして登録してきたものでございます。平成15年7月、性同一性障がい者の性別の取扱いの特例に関する法律の成立以降、性同一性障がい者の心情に配慮して、多くの自治体で、この印鑑登録証明書における性別欄の廃止が進んできておりまして、県内でも多くの市が既に先行して実施をしてきております。本市では、平成23年2月に策定いたしました「小田原市人権施策推進指針」における課題の指摘を踏まえまして、同様の配慮から、性別欄の廃止を内容とする改正条例を、システム更新の機会をとらえて今般提案をさせていただくものでございます。
なお、性別欄についての苦情、意見等は、これまで特に窓口に寄せられているということはございません。
私からは以上です。

市民部長(奥津春夫君) 印鑑登録以外の申請書や証明書の性別欄廃止に係る条例改正の予定についてお尋ねがございましたので、私から答弁いたします。
申請書等の様式が法令で定められているもの以外、本市には性別欄を置く様式を定めた規則や要綱についてはございますけれども、印鑑条例以外には、性別欄の記載のある条例はございません。 私からは以上でございます。

23番(加藤仁司君) 今回のこの条例の改正案を出されてから、他市の状況等も見させていただきました。今、市長から御答弁がありましたように、いろいろなところが実施しているということは承知をしておりますが、埼玉県入間市においては、10年前から、市の申請書また証明書等の性別記入欄また性別記載を、法令で定められた以外は全面的に廃止したと伺っております。そこで、今回の経緯については市長からも御答弁いただきましたけれども、条例改正案に対しては、市長はどのような思いを持って提案をされたのか、そのお気持ちの部分について伺います。
次に、この印鑑登録証明これ自体は、行政のほうは印鑑登録の申請を受けて、また印鑑登録証明書を発行するという仕事でございます。この印鑑登録証明書は、特に本人確認業務を要求されることの多い業種、例えば弁護士また司法書士、また契約に絡む業種、こういった方々がいられるわけです。最近においては、なかなか名前だけで男女の区別ができ得ない、そういったお名前を持たれる方もいらっしゃっておりまして、性別記載という合理的な区別、これをなくしてしまうと困る方も存在するのかなというような心配もあります。そこで、今述べましたような業種の方々に、この性別欄の削除ということについての意見聴取等を行っているのかどうか伺います。

市長(加藤憲一君) 23番加藤議員から、この性別欄の取り扱いに関する私の考えについてのお尋ねがございました。これについては、先ほどもお話ししたように、本市の人権施策推進指針の中でも、この性同一性障がいを持った方たちに対する社会の中での差別や偏見といったものがあるという課題、こういった認識、これをとらえていくことが必要であるというふうに考えておりまして、少数ではあるといえども、こういった方たちの心情に配慮しながら行政事務を進めていく、そういう丁寧な取り扱いというのは必要だろうと基本的には思っております。
また、これは業務の改善という観点でございますけれども、性別欄に限らず不必要な項目については見直して効率化していくということもやはり必要だということもあって進めていきたいという考えであります。ただし、23番加藤議員も御存じだと思いますけれども、性別欄につきましては、法令で定められているようなものも含めて、その必要性から削除できない場合、こういったものもまだ多数ございますので、今後についてはこういったことにも十分慎重に配慮して対応していくものと考えております。 私からは以上です。

市民部長(奥津春夫君) 印鑑登録証明書の性別欄の廃止につきまして、証明書を利用している業界団体からの意見聴取をしたのかというお尋ねがございましたので、私からお答えいたします。
結論から申しますと、業界団体等からの意見は伺っていないところでございますけれども、この条例改正の意見聴取としまして、6月23日から7月22日までの間、パブリックコメントを実施しましたわけですけれども、それに対して意見の提出は特にはございませんでした。印鑑登録証明書につきましては、契約や相続の際、使用する押印が登録印であることを証するものでございまして、また、県下19市中13市が既に同様の改正を行っているわけでございますけれども、特に問題が生じたとか、あるいは業界団体のほうから意見が出ているというような話は聞いてございません。 私からは以上でございます。

23番(加藤仁司君) 市長のお考えについて伺いましたが、もう一点、私は区別という言葉を使いましたけれども、これは憲法に定める、憲法第14条第1項の差別という形に値するというようなお考えなのかどうか、ここを確認させていただきたいと思います。
次に、今、市民部長からお答えがありましたが、こういった本人確認業務を要求されることの多い業種の方々等には伺ってはいないということですけれども、パブリックコメントをやってもこれといって意見等は上がってきていないという実情をお話しいただきました。10年前に、先ほど市長から最初の御答弁にもありました法の改正によりまして、戸籍の性別変更の申し立てについては可能になったわけであります。ただ、先ほどの本人確認の業務を要求される仕事、とある司法書士の方のブログを拝見したときに、やはり性別記載の削除という部分についてちょっと疑問を呈する声もあったことも事実であります。そういった意味合いから、本人確認、今の中では住所、氏名、生年月日、性別、これについては最低限の必要事項だと私は思うのでけれども、これについての見解を最後に伺わせていただきます。

副市長(加部裕彦君) 23番加藤議員の再度の御質問に、私からまず1点目についてお答えを申し上げます。
小田原市印鑑条例におきます性別欄の記載が、憲法第14条の法のもとの平等に反するのかというお尋ねでございますが、今回の条例改正につきましては、先ほど市長が御答弁申し上げましたとおり、「小田原市人権施策推進指針」を踏まえた上で、性同一性障がい者への配慮、こういうことから性別欄を廃止するものでございまして、お尋ねのような憲法第14条との関係で不合理な差別に当たるという考えから提案したものではございません。 私からは以上です。

市民部長(奥津春夫君) 本人確認証明書としての印鑑登録証明書についてお尋ねがございました。本人確認の証明書としましては、一般的には住所、氏名、生年月日、性別のほか、顔写真の掲載された公的機関が発行する書類が使われております。具体的にはパスポートや医療保険証、住民基本台帳カード、自動車運転免許証などが用いられているところでございます。印鑑登録証明書につきましては、先ほども答弁いたしましたとおり、基本的には契約や相続の際の押印が登録印であることを証するために使われるものでございます。したがいまして、本人確認証明書としては、用途によって、今申しましたうち、顔写真のあるなしなどによって、いずれか1点ないし2点をもって本人性を証するものとされておりますので、印鑑登録証明書から性別欄を削除することは、このことについて特段の支障はないと考えてございますので、御理解いただきたいと存じます。 私からは以上でございます。