平成27年6月議会一般質問
2015年06月01日
◆26番(加藤仁司君) 通告に従い順次質問してまいります。
過日5月30日夜の小笠原諸島西方沖を震源地とするマグニチュード8.1の地震は、海底682キロメートルでのスラブ内地震であったことから、津波の発生はなかったものの、揺れを観測した箇所は広範囲に及びました。特に本市の隣の二宮町では震度5強が観測され、その揺れの強さを、二宮町に近い自宅にいた私自身も実際に体感した次第であります。 さて、小田原市地域防災計画における災害対策計画は、一つが地震災害、二つ目が風水害、三つ目が火山、雪、大規模火災等の特殊災害に分けられ、それぞれ情報収集やライフラインの安全対策を講じる計画となっております。その中で、特に発災による家屋倒壊や火災によって家を失う可能性が高く、避難民の長期滞在が予測される地震災害における広域避難所について幾つか伺ってまいります。 初めに、地域防災計画における避難計画には、「市は、災害時に安全かつ迅速に避難誘導が行えるよう、自主防災組織による避難計画の策定について必要な助言や指導を行います」とされています。そこで、各自主防災組織の避難計画はそれぞれ策定されているのか、また、市の助言・指導はどのようにされているのか伺います。 次に、大規模な地震災害が発生した場合、避難所開設の有無の判断はだれがするのか、自主防災組織及び市職員の配置など、避難所開設に至るまでの経緯について伺います。 次に、避難所におけるトイレ設置について伺います。発災時に広域避難所となる各小学校のトイレ施設が使える状況であればよろしいのですが、大規模地震では上下水道の破損、処理施設の被災等が予測され、さらには避難住民とともに、在宅であっても断水によって水洗トイレが利用できない方々の利用が考えられることから、既存トイレでは処理し切れずに、仮設トイレの設置は必然と考えられます。そこで、広域避難所における仮設トイレ設置は、小田原市地域防災計画では、「原則として避難所周辺地域の自主防災組織が設置する」とありますが、設置計画はあるのか、そして、だれが、いつ、どこに設置するのかお尋ねいたします。また、滞留したし尿の処理はどのように行われるのか伺います。 次に、中項目の(2)防災訓練について伺います。広域避難所を拠点として自主防災組織による防災訓練が実施されていることは承知しているところですが、自治会の地勢、住宅事情、交通環境、人口規模などもさまざまであり、訓練方法も若干違う方策がとられているのではないかと推察するものです。そこで、その内容はどうなのか、実態について伺います。 次に、大項目の二つ目、西湘バイパス国府津インターチェンジにおけるETC割引ゲート設置について伺います。 本件については、昨年12月定例会の一般質問において、国府津親木橋付近及び国府津駅前、また西湘橘インター上り入り口付近の渋滞とあわせて質問した経緯があります。 穴部国府津線の開通以降、親木橋付近の南北交通量は約1.3倍となり、特に朝や夕方における渋滞は、通勤・通学にも大きな影響を来していると指摘しました。その解決策として、西湘バイパス国府津インターチェンジにおけるETCゲートの設置が有効ではないかという考えに対して、市長が、有効なアイデアであり、中日本高速道路株式会社を初め関係機関と相談したいと答弁されたのは、平成21年、今から6年前です。そして、昨年もさらにその後の動きについて伺いましたが、建設部長から、中日本高速道路株式会社は現に小田原厚木道路においてETC割引ゲート設置の実績があることから、機会をとらえて働きかけたいとの答弁をいただいているところであります。その際、平成14年の市域全体を対象とした交通状況調査を行って以降、十数年にわたり調査されていないことや、東日本大震災により高速道路無料化実証実験が途中でうやむやとなったことで、料金体系や交通量実績も公開されていない等が判明いたしました。 私も、さきの市議会議員選挙において、毎日のように親木橋交差点付近をさまざまな時間帯にバイクで通行してきたわけでありますが、相変わらず国府津駅方面に向かう上りの渋滞は依然として続いている状況でありました。車両運転者の気持ちもわかります。現在の西湘バイパス上り料金所は橘インター手前にあり、その形態では石橋や早川、小田原、酒匂の各インターからの利用車両と、国府津インターから入る車両が同じ料金であることで、その不公平さから、料金所を避けて橘インターから西湘バイパスに流入する車両が多くなってしまうわけであります。 そこで伺います。一つ目として、さきにも申し上げた小田原厚木道路におけるETC割引ゲートはどのような効果があったと聞いているのか。 二つ目として、中日本高速道路株式会社との協議は行われているのか。 三つ目として、ゲートを設置した場合には市の負担はあるのか伺います。 最後に、(仮称)橘分署建設予定地について伺います。 平成13年12月、消防分署再配置計画が策定されました。その策定内容は、「近年の災害の多様化・複雑化、救急需要の増加等に対応するために、消防分署を合理的に配置し効率的な部隊の運用を図ることとし、老朽化して、位置的に接近している中央分署と西分署を統合して(仮称)南分署を建設。そして、老朽化し本署に近い東分署を(仮称)橘分署として橘地区に移転する」との計画でありました。さらに、本計画に対する一般質問で、時の小澤市長は、「(仮称)橘分署は、(仮称)橘地域センターの建設に合わせて計画を進めるよう努力してまいりたい」と答弁されております。 消防行政においては、一昨年3月より、2市5町により消防広域化が図られております。施行1年後の実績によりますと、特に橘地域においては、中井出張所からの出動が可能となったことから、小竹地区において通報から現場に至るまでのレスポンスタイムが救急出動では4分29秒、小船地区で2分5秒、沼代地区で25秒の短縮が図られ、消防広域化のメリットを住民は肌で感じているところであります。 そこで伺います。まず、平成13年の消防分署再配置計画は既に事情の変化により廃止されたと見てよいのか。 二つ目として、消防広域化の際には、分署統廃合についてはとりあえず見送ったと認識していますが、順調に進んでいる現在において、分署統合及び再配置は行われる予定なのか伺います。 さて、都市計画道路小田原中井線の建設計画によって、既に小田原市橘支所の建物は取り壊され、その機能が橘タウンセンターこゆるぎに移転されております。従来、支所2階を借りていた橘商工会は、その事務局を一時的に前川の前羽福祉館に移しておりますが、日常の活動において、橘北地区・橘南地区の会員の利便性から、平成24年9月には橘タウンセンターこゆるぎ内への事務所の貸与を求めた要望があったと伺っております。また、それが実現できない場合には、特定場所まで言及されてはいませんが、橘タウンセンターこゆるぎ隣接地を借用して事務所建設も考えているとも述べられております。 そこで、(仮称)橘分署が当該地に建設されないとした場合、橘商工会の要望についての市長の御見解を伺いまして、登壇しての質問を終わります。(拍手) |
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○議長(武松忠君) 市長、登壇願います。
〔市長(加藤憲一君)登壇〕 |
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◎市長(加藤憲一君) 26番加藤議員の御質問に順次お答えをいたします。
初めに、自主防災組織の避難計画についての御質問でございました。本市では、「自主防災組織育成に関する指導基準」を定めており、防災活動が円滑に行われますよう各自主防災組織に防災計画を作成していただいておりまして、その中に避難路の設定など避難対策を盛り込んだ避難計画が策定されております。避難計画の策定に当たりましては、「自主防災組織の手引き」を各自主防災組織に配付をいたしまして、参考にしていただいております。また、危険箇所などの地域特性を把握した上で、地震、津波、風水害など災害の種類に応じて適切に避難ができますように、個別に助言・指導も実施しております。 次に、広域避難所開設の判断及び経緯についての御質問でございます。大規模地震発生時、広域避難所の開設につきましては、施設の安全性を確認した上で、災害対策本部長であります市長が判断し、指示をいたします。各広域避難所の開設は、市職員としては教育部を初めとする避難収容部職員、施設管理者としては小学校長等の教員、自主防災組織としては自治会連合会長等の自治会長の方などの3者で構成する広域避難所運営委員会が当たるものとなっております。 次に、広域避難所の仮設トイレについての御質問でございます。災害時におきましても可能な限り広域避難所のトイレを使用し、支障がある場合には、備蓄している仮設トイレを使用することとなっております。市では、統一的な設置計画を定めてはおりませんけれども、広域避難所運営委員会において事前に配置を決めている地域もございます。仮設トイレは、広域避難所の開設に合わせ、周辺地域の自主防災組織が協力して屋外運動場等に設置することといたしております。し尿の処理につきましては、広域一般廃棄物事業協同組合が収集し、処理施設で希釈処理していただいております。し尿収集の業務がふえ、対応し切れない場合などは、他市町村や関連団体への応援を要請することといたしております。 次に、広域避難所で実施する防災訓練についての御質問でございます。広域避難所で実施する防災訓練は、自治会連合会の主催で、地域住民が主体となって内容を企画し、実施していただいております。訓練内容といたしましては、広域避難所の開設時に必要となる避難者把握訓練、給水・給食訓練、仮設トイレ設置訓練等のほか、消火や応急救護、車いす誘導訓練などを実施をいたしております。また、地域の特性に合わせまして事業所や社会福祉施設などと連携した訓練や、海岸に近い地域では津波避難訓練、土砂災害の危険性が高い地域では風水害避難訓練なども実施をいたしております。 次に、小田原厚木道路に関し、割引ゲートの効果について御質問がございました。中日本高速道路株式会社が管理いたします小田原厚木道路の通行料金につきましては、同じ走行距離でも通行料金が大きく異なる区間がありましたために、ETC車限定にはなりますが、平成18年に小田原東インター以西を、平成19年に同インター以東の区間について割引制度を導入したと聞いております。この効果につきましては、割引制度導入後の小田原東インターの交通量は増加傾向にあると聞いておりますが、これが割引による効果なのかの分析は行っていないと伺っております。 次に、中日本高速道路株式会社との協議についてのお尋ねでございます。中日本高速道路株式会社との協議の中で、通行料金につきましては、国府津から橘区間の距離に応じて算出した正規の金額を、橘料金所の通行料金として徴収していると聞いております。また、国府津以西につきましては、本来さらに高い料金を設定するものではあるが、これまでの経緯やさらなる国道1号の混雑を考慮に入れ、通行料金を据え置いているというふうに伺っております。割引制度につきましては、既にETC車に限りさまざまな制度が導入されておりまして、深夜割引や休日割引では3割引きとなるサービスが導入されております。また、国道1号の最も混雑の著しい平日の時間帯では、平日朝夕割引といたしまして、これはマイレージ登録が必要となるわけでございますが、月に5回以上の利用で最大で5割引きとなるサービスが導入されているところでございます。こうした割引制度による減収分については、中日本高速道路株式会社の経費削減や事業見直し等によって賄われておりまして、これ以上の割引はなかなか難しいというふうに伺っております。 次に、料金割引用のゲートを設置した場合の市の負担についてでございます。料金割引用のゲートの設置に係る整備費用の負担については、基本的に起因者となる本市が負担することが前提とされております。なお、県内ではこうした取り組み事例はないと伺っております。 次に、平成13年度に策定されました消防分署再配置計画についての御質問でございます。当該計画につきましては、当時、消防施設の老朽化や消防力の効率的な運用の観点から、市内の消防署所を、移転や統廃合等によりまして効果的に再整備しようとする計画でございました。しかし、消防の広域化によりまして、管轄区域や部隊運用の変更など、さまざまな状況が大きく変化したため、現在、消防署所の適正配置について検討を進めているところでありますことから、当該計画につきましては、新たな計画ができた段階で廃止とする考えでございます。 次に、分署統合及び再配置の予定についてでございます。消防の広域化によりまして、中井出張所が新たに本市消防の署所となりましたことで、主に橘北地域で消防車や救急車の現場到着時間が短縮されるなど、消防対応力が向上いたしております。このような状況を踏まえまして、分署統合及び再配置を含めた消防署所の適正配置につきましては、管轄区域全体の部隊運用状況や災害出動状況等の分析及び検証を現在進めておりますことから、今後適切に判断してまいりたいと考えております。 次に、橘商工会の要望についてのお尋ねでございます。橘商工会から、商工会事務所にかかわる要望がございましたことについては承知をいたしております。先ほども御答弁申し上げましたとおり、現在、消防署所の適正配置について検討を進めている段階でございまして、(仮称)橘分署建設予定地の利用については未定でございます。橘商工会の要望につきましては、今後、当該用地の利用など、慎重に検討を行った上で判断してまいりたいと考えております。 以上をもちまして、26番加藤議員の御質問に対する答弁とさせていただきます。 |
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◆26番(加藤仁司君) 一定の答弁をいただきましたが、再質問をさせていただきます。
初めに、小田原市地域防災計画について伺っていきます。 避難計画の質問をいたしました。あらゆるところで避難計画はされているという答弁でございましたが、避難計画が例えばあると、それをもとに避難訓練という形というのが自然のスタイルなのかと思うのですけれども、こういった避難訓練、あくまでも避難計画に基づいた避難訓練というものをそれぞれのところで行っているのかどうか、それをまず伺いたいと思います。 また、ちょうどこの通告を出してから、つい2日半ぐらい前に、この10月にそれぞれ避難訓練を行うということで、私どもの地域も避難訓練を行うというふうなスケジュールを見ました。そのときには、小田原市内の幾つか、一斉なのかどうかわかりませんけれども、幾つかのところも同時に訓練を行うというような情報も聞いたのですけれども、この避難訓練を行うに当たっては、参加される住民、こちらのほうにどのような形で周知をされていくのか、この2点を伺わせていただきます。 |
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◎防災部長(原田泰隆君) では、避難訓練関係で2点、私から答弁させていただきます。
まず、自主防災組織の避難計画に基づく避難訓練ですが、多くは自治会連合会の防災訓練のときに合わせて、すなわちそれぞれ自主防災組織で一時避難場所が異なっておりますので、そちらに避難いたしまして、後に広域避難所に行くというような手順でやっているところがほとんどでございます。 また、避難訓練の住民参加のための周知方法ですけれども、基本的には、そのような防災訓練のときに、自治会ごとに区域が違っておりますし、一時避難場所等が違いますので、それぞれ状況が違いますので、事前に自治会ごとに回覧板を作成していただきまして、回覧して周知をいたしております。また、避難訓練の当日は、市のほうもその区域の防災行政無線を鳴らしまして、「訓練、訓練」ということで、参加を呼びかけて協力いたしております。 以上でございます。 |
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◆26番(加藤仁司君) 今、防災部長から、避難訓練については防災訓練に合わせてというお話がありました。私の地域だけではなく、ほかのところの連合自治会単位の防災訓練も幾つか見ておりますけれども、確かに避難訓練という形も兼ねてやっているなという感じはいたしました。ただ、あくまでも小田原市地域防災計画、ここの自主防災組織育成に関する指導基準の(2)災害時の活動におけるク 給食給水に関すること、そこの(ア)には、「家庭では、食糧(米、缶詰等)、飲料水(一日一人3リットルを目安)等を3日分を備蓄し、避難する時は備蓄品を携行する」ということが指導基準の中にはうたわれております。例えば実際に訓練ということであっても、やはり訓練は現実にそういう発災したときにどういうふうにするか、あくまでも実態に沿ったシミュレーションをやるべきだと思っておりますので、もしもそれをやった場合、「避難する時は備蓄品を携行する」とあります。1人1日3リットルを目安、これを3日分。ペットボトルで換算すると約10キログラムぐらい。要は避難するときには持っていくべきというか、携行するというふうにあります。いろいろな想定からすると、それは子供、またお年寄り、障がい者、さまざまな方が避難する、そのときに10キログラム以上のものを要は携行するという形、ここには指導基準になっております。本当にこれができるのか否か。実際、私自身、地元の防災訓練のとき、一時避難所、そして広域避難所に、そういった非常用持ち出し袋、かなり重たいものを背負って、そしてバールを持って訓練会場に行ったことがあります。本当に行くだけでへとへとになってしまいました。ここが、女性とか、そういうような場合で本当にできるのかどうか。日ごろの中で、例えばキャリー、そういうものを用意するとかいうような、本当に実践のことを考えないと、計画の中ではこういうふうにうたっているけれども、本当にできるのか否か、こういったところをちょっと考えていかなければいけないのではないのかなと思います。
この10月に、先ほど申し上げました避難訓練という形で載っているのですけれでも、この避難訓練、今言ったような、こちらから見れば実践型といいますか、そういった訓練の方法というのは考えているのかどうか、それについて伺います。 |
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◎防災部長(原田泰隆君) 26番加藤議員のおっしゃるとおりでして、災害に対応した実際の訓練をするというのは、やはり一番重要なことだと思っております。今まで、私どもにつきましては、その防災訓練の避難訓練に備えて、非常用持ち出し袋を確認してくださいとか、あるいは中身をそれに合わせて消費して、次に備えるとか、そこまでの指導といいますか、ある程度そこまでだったのですけれども、おっしゃるとおり実際に背負って来ている方もいらっしゃいますので、なるべく実践に沿うように、今回のほうはまた指導を強めていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 | |
◆26番(加藤仁司君) 防災についての二つ目なのですけれども、仮設トイレ開設というところなのですけれども、たしか市長の御答弁の中には、このトイレ設置の計画を決めている地域もあるという表現だったと思うのです。「も」というのは、ないところもあるというふうに受けとめられるのですけれども、まず、ないところもあるのか、1点伺いたいと思います。
それから、あったとしても、計画があっても、要は図面に、例えばここのところに仮設トイレを置きましょうというようなことで、ただそれだけのところもあるのではないのかな。あくまでもそういう地図、図面とか、そういう机上だけの話で計画を立てている地域もちょっと心配をするのです。また、現実的にそこの場所が、学校施設ですから何か物が置いてあったり、なかなか移動するのにも難儀するような、そんなものがあるところに計画上はトイレを設置するというようなところも、場合によってはあるのかもしれない。実際に現地に行って、この予定している設置場所で仮設トイレを組み立ててみたりというようなシミュレーションというのは、果たして行われているのか、それについてお伺いします。 |
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◎防災部長(原田泰隆君) 仮設トイレの現実的な訓練でございますが、おっしゃるとおり、現実的には図面もあって設置場所を決めている広域避難所もございます。ただ、それは非常に数が少ないです。現実的には、訓練の中では屋外運動場に設置するというところまではそれぞれ認識がございまして、設置するに当たっては、夜間、照明がないときにどこがいいだろうかとか、あるいは排せつ物をバキュームするときにホースはどうだとか、そういうこと、あるいは女性のプライバシーとか、そういうところまで考慮して設置してくださいというところまでで終わっておりまして、現実的にはそれを図面に落として、ここにやろうということでやっているところは非常に少ないのが現実でございます。
以上です。 |
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◆26番(加藤仁司君) 防災部長から本当に正直なお話を伺いました。これは、先ほどの最初の質問のように、あくまでもやはり自主防災組織が決めるべきところであると。それでまた、防災部の方は当然それはいろいろな指導とか入るのでしょうけれども、やはり実際、今災害が起きたとして、やれトイレを設置します、とりあえずせいぜい屋内運動場の近くとか、ここら辺というような感じで設置するということは、正直でき得ない話ではないのかな。これは早急に、どこの場所にどういうふうに配置するか、そして今部長からお話があったように男女の別もあります。障がい者の方もいます。お年寄りの方もいます。子供もいます。子供の中には、夜になると、暗ければ怖くてトイレにも行けない、そういうような状況もあります。とにかく、だれがどういうふうに使って、どこに配置するのが適切なのかというところは、今の段階で、自主防災組織の中で考えてもらわなければいけない。また、広域避難所の運営委員会の中で考えてもらわなければいけないところだと思いますので、これは所管のほうで、自主防災の組織が、ただ計画を絵にかいたもちでは困りますので、実際にどこに配置するのがいいのか、きちんとシミュレーションしてもらうというところを、ぜひ徹底していただきたいなと思います。
もう一つ、し尿の処理のほうなのですけれども、この流れのほうはわかりました。ただ、し尿処理とともに、当然そういう状況で人が集まるということになりますと、いろいろ廃棄物が出てまいります。この廃棄物の処理については、小田原市災害廃棄物等処理計画の6の1では、災害廃棄物一時保管場所を中村原埋立処分場、ここの1カ所だけということで書いてあります。酒匂川東岸地区の災害廃棄物を搬入するということで、そこにはうたわれているのですけれども、川西地区のほうには一時保管場所という形ではうたわれておりません。これはなぜなのか。川西地区にも災害廃棄物一時保管場所等が必要だと思われるのですけれども、それについての見解を伺いたいと思います。 |
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◎副市長(大野速雄君) 災害廃棄物一時保管場所につきましては、私のほうからお答え申し上げたいと思います。
災害時には平時を大幅に上回る災害廃棄物が発生することから、この災害廃棄物一時保管場所として、現在、お話しのように中村原埋立処分場を選定しております。ただし、災害のときの規模や災害の状況によりまして、その収容能力を超えることも、今お話しのように十分考えられますので、そのような場合には速やかに災害廃棄物一時保管場所を確保するとともに、また必要に応じまして、場所によりましては近隣の市町へも応援要請を検討していかなければならないだろうというふうになっております。災害廃棄物一時保管場所につきましては、お話しのように現在の1カ所では大変不足することも考えられますので、適当な場所があれば、これを追加選定してまいるように検討してまいりたいというふうに思っております。 以上でございます。 |
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◆26番(加藤仁司君) 災害廃棄物一時保管場所の追加設定というのは、またすぐに検討いただきたいと思います。
一つ、先ほどの議論の中で、トイレ設置について、こちらはある程度計画ができてほとんどのところがここの場所にとは思っていたのですけれども、部長からの御答弁のように、なかなかそこまで至っていないという状況がありました。ただ、小学校とかも、広域避難所になっている小学校も、例えば子供の数の増減によって、例えばプレハブを建てたり外のトイレを設置したり、さまざまなインフラの部分についても、この10年とか20年の間に、場合によっては地下の上下水道の管の場所とかも変わってきているところも中にはあるのではないのかな、そのように思います。とりあえず見えないところであれば、地域の自主防災組織の人が、ここならあいているからいいねと言っていても、そこが水道、下水道の部分の管が何も通っていなかったり、逆に通っていることによって使いづらくなったり、さまざまなことがあると思うのですけれども、学校はそれぞれ今言ったような設備も日々変わっていると思います。こういった配置とかの、例えば学校の施設の更新、こういったところが図面に落としてあるとかという情報は、やはり教育委員会が持っているのではないのかなと思うのですけれども、こういった教育委員会のほうの情報について、防災部のほうにも、例えば最新の更新した資料としてきちんと届いているのかどうか、それを確認したいと思います。 |
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◎防災部長(原田泰隆君) 各広域避難所の設備関係で、一般的に更新があった場合に情報を共有しているのかというお尋ねでございますが、基本的に現在、学校、広域避難所等で改修工事や電気の配線もそうなのですけれども、そういうものがありますと、まず関係所管課ですべて事前に協議、情報提供をしていただきまして、どんな形になるだろうかとか、協議いたしております。結果、最終的に決まったものにつきましては、電気だけでも相当なページもございますし、埋設の図も上水道ですと非常に多いので、すべて教育部のほうで保管していただいておりまして、いつでも情報提供が事前にはございますけれども、結果のものをいただけるようになっております。全部が逐次コピーがうちに来ているわけではございません。ただ、一つだけ下水管につきましては、図面が1枚ということと、現実的に訓練でバキュームの訓練をしたりしますので、それを防災部のほうでも共有して同じものを持っております。
以上でございます。 |
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◆26番(加藤仁司君) 今、防災部長のほうで、情報の共有化は図る努力はされているということですので、それについては継続してお願いしたいと思います。
それでは、二つ目の西湘バイパス国府津インターチェンジにおけるETC割引ゲートの設置について、幾つか再質問をさせていただきます。 今、御答弁をいただいた中で、中日本高速道路株式会社の言い分といいますか、それはわかりました。余りそこを詰めていくのがいいのかどうかということなのですけれども、ただ、市長から、とにかく今、その料金所を利用するということになると、割引がかなり制度としてありますというお話を伺いました。私自身も、毎日まではいかないのですけれども、よく利用する中では、割引制度というのを見た記憶がないのです。何にどういうふうになっているのか、何か垂れ幕でも垂れているのか、どうなっているのかわからないのですけれども、例えばこの割引制度自体をある程度それぞれ利用される方が認識していけば、もっと利用するのではないのかな、そういうふうに思うのです。ただ、ETCとか利用していなければ、例えば橘料金所では収受員の方がチラシを渡して、割引になりますよと言うと、それをもらえばわかるのですけれども、御承知のように、ETCレーンでは、逆に収受員に会わないでそのまま通り過ぎてしまうので、例えばそういうチラシがつくってあっても、それをもらう機会というのが全くないわけです。そうすると、その情報というのは何かの垂れ幕なりで見なければいけない。そうするとよそ見運転になるということで、どうしてもその情報というのが伝わらないと思うのです。そういった意味で、本市の部分、とにかく国道1号親木橋付近の渋滞解消のためには、そういった割引制度をとにかく利用したほうがいいですという、何かの周知を、これは本来、民間企業である中日本高速道路株式会社がやるべき話なのですけれども、やはり市民のいろいろな生活の面での支障を考えれば、小田原市も協力してやるべきではないかな。そういった意味では、周知自体、小田原市としてはどういうふうに考えられているのか、それについて伺います。 |
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◎副市長(大野速雄君) 割引制度の周知につきましての御質問でございますが、国道1号の朝夕の渋滞対策につきましては、現在、中日本高速道路株式会社が実施をしております割引制度でございますが、先ほど市長からお答え申し上げましたように、この平日朝夕割引が、西湘バイパスにその交通を転換させるための有効なサービスとして、今効果を出しているのではないかなとは思っております。しかしながら、こうした割引制度の存在が、今お話しのように道路利用者に十分周知されていないということも感じております。そういうことがございまして、既に導入されているこの割引制度の周知が図られるよう、まずは中日本高速道路株式会社に働きかけをしてまいりたいと思いますけれども、私どもといたしましてもホームページや広報紙で積極的にPRに努めてまいりたい、連携をとってPRに努めてまいりたいと、このように思っております。よろしくお願いいたします。 | |
◆26番(加藤仁司君) 今、割引制度について、市の姿勢の部分を伺ったわけなのですけれども、ただ、割引制度自体が十分周知されたとしても、実質的に距離に応じた料金徴収の面からすると、国府津-橘間と、あと石橋とかそちらから乗っていても料金が同じだという、この不公平感はどうしても縮まらないわけですよね。どうしてもそれは持ってしまう、解決にはならないというところがあります。ただ、これは協議しているということなのですけれども、さらに協議を続けていってもらいたいのは、とにかく今、車両がいつまでたっても国道1号を利用して国府津インターから入らない。中日本高速道路株式会社に料金としては入らないわけですよね。でも、そこが割引ゲートをつくることによって、あくまでもそこを利用するということは、利用する人が幾らかであっても料金は徴収できるということですので、割引ゲートは幾らかかるかわかりませんけれども、それを元を取るというところが、これもいつ元が取れるかわかりませんけれども、とにかく料金が入ってくるということは考えてもらいたいなと思います。これは行政の方も中日本高速道路株式会社に、この渋滞解消のためにということで、ぜひ働きかけを継続してお願いしたいと思います。
それでは、最後の(仮称)橘分署計画の予定地についてに入りたいと思います。 消防の中では今、消防署所の適正配置ということで検討されているということは伺いました。すべて、その検討結果によってだというお話でございます。ただ、先ほど登壇しても言いました。そして、先般の総務常任委員会の中でも2年目という形での報告がありました。橘地域においては、この消防の広域化によって中井出張所から出動される、この救急車の体制で現実的にレスポンスが向上し、以前よりも短時間でそういった救急現場に入ることができている。本当にこれは喜ばしいことでもありますし、地元の者としても本当によかったなと思っているところであります。そういった意味から、もう実績がある中で、今、適正配置のことは検討していると言っていても、やはり今の中で十分である。例えばここで橘分署をまだ考えているということになると、正直、私は地元でありますけれども、逆に費用対効果からすると、ちょっと過剰投資になるのではないかなというふうに懸念してしまうわけです。もうここで、ある程度住民サービスの部分からすると、広域化によってかなりクリアしているというふうに思うわけです。これについては、市長がそこの部分についての判断をされる立場にあられるのではないのかなと思いますので、市長の御所見を伺いたいと思います。 また、もう一つ、前の計画のときには、橘分署が来ると、今、消防団第22分団は、小田原市の消防団の中でも一番人数が多い、93人ほどですか、おります。要はこの第22分団の配置も、職員の配置が決定すれば、団員数もそんなにいなくてもいいのではないかということで減らすというような話も前に伺っていたのですけれども、ここで分署建設をしないということになったときには、建設をしなくても消防団第22分団の団員数は今のままでいるのか。それとも、それでもちょっと多いから減らすようになってくるのか。ここの動きについて伺いたいと思います。 |
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◎市長(加藤憲一君) 橘タウンセンターこゆるぎの横に、当初予定されていた署所の建設でございますけれども、これについては今、署所の再編の計画の策定作業中でございまして、これについては小田原の東部だけではなく、我々の広域消防全体の管轄にまたがる計画になってきますので、そういったもののいろいろな意味での整合もとりながら検討を進めて詰めていくことになりますので、当面それを待って、署所の取り扱いについてもきちんと皆様にお伝えしていくということになろうかと思いますので、それについては御理解いただきたいというふうに思います。 | |
◎消防長(都筑正宏君) 第22分団の再編につきまして御質問がございました。消防団の業務は、火災の鎮圧、予防、警戒だけではなく、地震、風水害等の災害の予防、警戒、防除、また住民の避難誘導等、多岐にわたっております。このようなことから、地域における消防団の重要性は高まっており、消防団第22分団の再編につきましては、現在検討しております「消防署所の適正配置」及び受け持ち区域が広いなどの地域特性も踏まえ考えてまいりたいと思っております。
以上でございます。 |
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◆26番(加藤仁司君) この3番目の問題については、「消防署所の適正配置」の検討が済んでからということで、恐らく何度質問しても、済んでからということの答えしか返ってこないとは思うのですけれども、それでは、その適正配置の検討しているものというのは、いつそれが決定されるのでしょうか。今、検討しているということなのですけれども、ことしなのか、来年までかかるのか、そこの今の状況について伺いたいと思います。 | |
◎消防長(都筑正宏君) 適正配置につきましては、老朽化署所もございますので、スピード感を持ってやっていきたいと思っているのですけれども、署所につきましては1市5町との調整項目等もございますので、申しわけないのですが、スピード感を持ってやってはいますけれども、いつまでというのは、調整する組織等もございますので、今の段階では明確にお答えできないということで、申しわけございませんが、よろしくお願いします。 | |
◆26番(加藤仁司君) 私も総務常任委員会におりますので、またそういうような状況がありましたら、すぐにでも御報告いただければありがたいと思います。
それから、橘商工会の要望の部分、市長からも御答弁をいただきました。市長も御存じのように、商工会の新年会であったり総会であったり、またフェスティバルとか、さまざまな中で商工会の行事に積極的に出られていることは承知しております。また、その事務局の方々とのお話も十分あるのではないのかなと思うのですけれども、特に今、とりあえず一時的に借りている、あそこの前羽福祉館なのですけれども、数年前には台風の影響で波がすぐ近くまで来たり、たしか近くの下水道関係の道路が陥没したり、やはり場所的に相当な不安を持っているという一面があります。地元の方々も当然ふだん利用しているところなのですけれども、今ある橘商工会は、あくまで事務局をそこに持っている。土曜・日曜以外は月曜から金曜までそこで事務をされているという現実があります。そういったところから、やはり天候の部分で心配を本当にされておりますので、ここの事務局を早く移動したいというようなことでの要望ではなかったのかなと思います。先ほど、慎重に検討したいという市長からのお言葉ではありましたけれども、私が質問するというよりも、商工会の会長初め多くの方々が、市長にじかにいろいろなお話をされていると思いますので、再度市長のお考えを伺いたいと思います。 |
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◎市長(加藤憲一君) 橘商工会の移転先等につきましては、橘商工会の賀詞交換会、また橘地域の諸行事のたびに、いろいろな方からいろいろな形でお話をいただいておりまして、十分その思いというものを共有してきております。ただ、一義的には、地域の経済活動活性化に大変御貢献いただいてはおりますけれども、民間の皆さん方の団体でございますので、基本的には商工会の皆さん自身で状況を見て決めていただくということが基本かと思います。そうは申し上げましても、これまで今申し上げたようにいろいろなところで協力いただき、橘地域の一体感のある活性化には、本当に商工会が果たしている役割は非常に大きいものがございますので、我々もそれは十分承知していますので、今後の状況等も踏まえて相談あるいは支援等を、随時そのときどきのできる範囲で、しっかりお話を伺っていきたいというふうに思っております。
以上です。 |