平成27年9月議会一般質問

2015年09月01日

○副議長(俵鋼太郎君) 26番加藤議員、登壇願います。

〔26番(加藤仁司君)登壇 拍手〕

◆26番(加藤仁司君) 通告に従い順次質問してまいります。

初めに、大項目1、地域コミュニティと安全・安心のまちづくりについて伺います。

地域住民が楽しく快適で安全に安心して生活を送ることができるまちを目指し、行政もさまざまな施策を打ち出し、また、地域においても、自治会を通じて地域相互の連携を図るための事業を展開するなどしてきました。本市においては、平成23年4月にスタートした総合計画「おだわらTRYプラン」策定に当たり、地域が目指す将来像と、それを実現するための取り組み内容を盛り込んだ地域別計画が、当時、市内25の自治会連合会ごとにより策定されているところであります。

そこで、質問として、地域別計画策定から数年が経過しましたが、地域で掲げた課題解決の進捗、見直し作業などは行っているのか伺います。

また、さきの6月議会において3番神永議員よりコミュニティ推進事業の状況等についての質問がありましたが、このコミュニティ推進事業は、事業計画を策定し、市との協定に基づき上限10万円を付与すると伺っています。そこで、市が交付するこの地域コミュニティ推進事業費負担金はどのような使われ方をしているのか伺います。

次に、中項目の(2)防犯カメラ設置について伺います。

本年8月、大阪府寝屋川市の中学1年生の男女が変わり果てた姿で、一人は駐車場で、もう一人は竹林で発見された事件がありました。事件発覚後、テレビでは駐車場近くの防犯カメラに映っていた不審な車が連日報道されていたものの、深夜であり、車のライトがわかる程度の不鮮明画像であったことから、犯人特定までに至るかやきもきしていたのですが、少女遺体発見から約1週間で容疑者が逮捕されたことで、同じ年ごろの子を持つ周辺住民も一安心されたものと推察いたします。

この事件では、中学生が深夜徘回していたという事実にもさまざまなコメントがあり、確かに2人で商店街を歩く姿を別の防犯カメラがとらえており、さらには、2人が映る画像の後方には容疑者のものと思われる車や、何者かに声をかけられて振り向く2人の姿が映っているなど、この映像が捜査進展につながったことも考えられます。また、最近では、動画サイトで各国のさまざまな事故の映像や事件の映像も手軽に見られる環境にあり、プライバシーに係る問題の絡みもあって、その是非も問われているようであります。

さて、本件は、個人のドライブレコーダーや民間店舗の防犯対策としての機器とは別に、行政による防犯カメラ設置について伺うものです。神奈川県においては、防犯カメラ導入について、自主防犯組織や自治会に防犯カメラ設置費への補助金制度を設けたり、本日の午前中には、小田原市民会館において防犯カメラの基礎知識、防犯カメラの導入事例を講演内容とした講座を行うなど、積極的な動きがあります。

そこで、本市として、この防犯カメラ設置についての基本的な考え方を伺います。また、自治会を初めとする諸団体から防犯カメラ設置の要望があった場合、補助金創設についての考えはあるのか伺います。

次に、大項目の2、市庁舎内の部署配置について伺います。

本質問は、昨年9月、現福祉健康部が所掌する部署が新制度創設等による仕事量の増大から、とても現状のレイアウトでは職員も住民も使いづらいのではないかと指摘したわけでありますが、本年、今まで展示広報ロビーとして使用していた場所には、現在、障がい福祉課が執務室として使っており、その迅速な対応に敬意を表するものであります。

御承知のとおり、市役所庁舎2階は、住民生活に最も近い、日常における住民サービスを受けるには、階段やエレベーターも極力利用せずに、利用頻度の高い部署を設けてあるものと推察いたします。だからこそ、現在の部署を安易に他の階に移動することも難しく、2階のレイアウトは非常に重要であることを改めて申し上げます。

そこで、市庁舎2階のレイアウトについて、今後見込まれる整備について伺います。また、さきにも申し上げましたとおり、住民生活に一番近いサービスを提供している部署が2階に集中していることから、各相談窓口における住民のプライバシーの保護は確保しなければならないものと思いますが、果たして十分なのか、その認識について伺うとともに、改善についての考えを伺います。

次に、大項目の3、いじめ問題について伺います。

本年7月、岩手県矢巾町で中学2年生の男子生徒がいじめを苦に自殺しました。同様の事件が起きるたびにマスコミが学校に押しかけ、同じ学校に通う生徒の保護者や被害者の親族にインタビューし、視聴者やコメンテーターがその原因を探り、評論する場面を何度も見てきました。今回の事件では、男子生徒が担任教師と交わしていた生活記録ノートの内容が公開され、殴られたり、けられたり、首を絞められたりと暴行を受けている様子や、「死に場所は決まっている」とSOS信号を出していたにもかかわらず、担任からの返答はあえて的を外した答えに終始していたことから、生徒と向き合っていないとの批判もありました。平成7年、私が初当選後、初の6月議会においてもいじめに対する質問をしており、以来20年を経過しても、いまだにいじめによる子供たちの自殺がなくならないことが残念でなりません。

市議会においても、時々いじめに対する実態調査結果が公表されたこともあったと記憶していますが、今はどうなのか。まず、市内小・中学校におけるいじめの現況と対応について伺います。

いじめは、悲しいかな、自殺した子供の遺書にも見られるように、学校内だけではなく、深夜の呼び出し、店舗での万引きの強要等、あらゆるところで行われ、金品の要求にエスカレートすることもあります。そのたびに、いじめを受けている子供は、親や教員に気づかれないようにうそをつかざるを得ない状況となり、毎日を不安な気持ちで送っていたのではないでしょうか。そのような子供たちを大人である我々は気づいてあげられなかったという反省を常にすべきであり、いたいけな子供の命を守らねばなりません。いじめに関するさまざまな情報に接したときに、学校は、教育委員会は、保護者は何をすべきか、その連携について伺います。

さて、いじめは昔からあることで、学校に限らず社会に出ても当たり前にあり、ただ、今のように陰湿ではなかったという言葉を聞くことも多くあります。確かにいじめという定義は難しく、からかいの延長、両者の受けとめ方によっていじめかどうか判断しにくい状況もあります。では、自殺にまで追い込まれる子供たちは、本当にいじめで自殺したのでしょうか。断定はできませんが、自殺した子供の多くは、さきにも述べたように、自分の意思に反して行動を強要されたり、暴力を振るわれたり、金品を要求されたりといったいじめの範疇を超えた、まさに犯罪被害者であることにほかなりません。その犯罪者及び犯罪集団に対して、学校や教員はその事実を把握したのであれば、本来刑事事件として扱うよう警察に告発すべきであると思います。このことは教育の放棄ととらえる向きがあることはわかっています。しかし、何十年もの間なくならないいじめによる自殺との報道に隠されてしまっている暴行や金品強奪こそ、加害者をいじめた側ではなく犯罪者として扱っていない社会全体に問題があると思います。

教員は忙しいとの話をよく聞きます。その中でクラスにいじめ問題が発生した、暴行に及んだ情報もある、とある保護者は理不尽な要求をするいわゆるモンスターペアレンツである、このような状況となったときには、教員自身もフィジカル、メンタルともに疲れ果ててしまうのではないでしょうか。学校全体が問題に立ち向かう、これは大事です。しかしながら、教育現場である学校ではどうしても解決でき得ない問題は、その道のプロである弁護士に登場していただくことも必要ではないかと考える次第です。

確かに、昨年12月に策定された「小田原市いじめ防止基本方針」では、重大事態発生と判断されたときに、小田原市いじめ防止対策調査会や小田原市いじめ問題再調査会を設置する旨が記されています。ただ、組織機関設置や一定の情報収集に時間がかかることはないでしょうか。それよりも、法的判断により、場合によっては警察への通報、訴訟の必要性ありとの判断を迅速にすることこそ、学校現場サイドとしては歓迎すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

また、本市においては、いじめに関する相談や通報を受ける相談電話の設置やスクールカウンセラー、ハートカウンセラー設置による心のケアを中心とした相談体制の整備も行われていますが、教員、児童・生徒、保護者ともに、すぐにでも法的根拠をもとに考えてもらう弁護士の活用も必要だと思いますが、どのような見解をお持ちかお尋ねいたします。

最後に、大項目の4、NIE(教育に新聞を)への対応について伺います。

NIEについては、今から15年前の9月議会に、そのときは江島教育長に対して質問させていただきました。そのころは、総合的な学習の時間においてNIEを導入する学校が全国的に見られ、本市において実践校はありませんでした。恐らく初めてNIEなる言葉をお聞きした方も多いと思われますので、まず、NIEとは何なのか、そしてその必要性について本市教育委員会はどのようにとらえているのか伺います。

また、私が質問して以来15年間、本市におけるNIE指定校への認定はありませんでしたが、本年、酒匂小学校がNIE指定校に認定されたと伺っています。そこで、指定校認定に至った経緯について伺いまして、登壇しての質問を終わります。(拍手)

○議長(武松忠君) 市長、登壇願います。

〔市長(加藤憲一君)登壇〕

◎市長(加藤憲一君) 26番加藤議員の御質問に順次お答えをいたします。

初めに、地域別計画に基づく各地域の課題解決の進捗状況と見直し作業についてのお尋ねがございました。地域別計画は、地域の目指す姿と住民みずから取り組むことで構成されており、また、計画策定前から既に地域内で取り組んでいる事業も含まれておりますことから、進捗状況を数値で把握することは難しいものがございます。今年度中に全地区で地域コミュニティ組織の設立が見込まれておりますことや、取り組みの数がふえ、その内容も充実してきておりますことから、地域別計画に則した地域における課題解決の取り組みは、おおむね順調に進んでいるととらえております。また、地域別計画につきましては、総合計画後期基本計画の策定に合わせて、地域コミュニティ組織を中心に、各地区の取り組み状況を踏まえながら見直しをお願いしていきたいと考えております。

次に、地域コミュニティ推進事業負担金についてでございます。地域コミュニティ組織では、主体的なまちづくりと課題解決に取り組んでいただいておりまして、市は、地域コミュニティ組織に対し、協働における活動支援の一つとして負担金を支出しているところであります。活動内容は地域コミュニティ組織ごとに異なりますことから、使われ方もさまざまではございますが、まちづくりや課題解決の取り組みに向けた各種事業開催に伴う広報などの印刷代や、のぼり旗や防犯ベストといった地域活動で必要な備品類、講演会における講師謝礼などに係る費用などに充てられております。

次に、防犯カメラ設置についての基本的な考え方でございます。防犯カメラの設置に事件解決の有用性や犯罪の抑止効果があることは十分認識いたしております。その一方、防犯カメラの設置及び運用に当たりましては、その画像データ等の取り扱いによって市民等のプライバシーが侵害されるといったおそれもございます。市といたしましては、個人情報やプライバシーの保護に留意しながら、まずは、施設の安全や市民の安全確保のために、市の管理している施設に防犯カメラの設置を進めているところであります。

次に、防犯カメラ設置に対する補助制度の新設についてのお尋ねがございました。平成26年度における市に対しての防犯カメラ設置の要望は、自治会からの1件のみでございました。県では、防犯カメラの設置事業に対し、神奈川県安全・安心まちづくり団体事業補助金として8万円を上限に交付しております。市におきましては、防犯カメラの設置に対する補助制度の新設は予定しておりませんけれども、県の補助金交付制度についての市民への周知に努めてまいる考えでございます。

次に、市庁舎2階のレイアウトについて、今後見込まれる整備に関する御質問でございます。市庁舎2階につきましては、市民の皆様の利便性に配慮して、利用頻度の高い部署を集中的に配置しており、窓口のレイアウトや導線の重要性を認識しております。今後は、福祉健康部に隣接いたしました2階フロアの一段下がった談話ロビーについて、利用者の安全に配慮し、通路との段差を解消する工事をこの11月中旬までに完了する予定となっております。

次に、各相談窓口における住民のプライバシーの保護に関してでございます。市役所の業務の性質上、プライバシーに配慮した相談空間で安心して相談できる環境が求められております。そうした意味では現在の状況が最適とは思ってはおりません。そのため、市庁舎2階の各相談窓口の改善につきましては、窓口の狭隘化によって抜本的な解決には至ってはおりませんが、今年度は福祉健康部のレイアウト変更を行いまして、高齢介護課のカウンターを執務室側にずらすことによりまして、待合の長いすとカウンターの間隔を広げるなどのできる限りの改善を施しております。限られた条件の中ではございますが、引き続きプライバシーの保護を念頭に改善を検討してまいります。

26番加藤議員御質問のうち、いじめ問題について及びNIEへの対応については、この後、教育長から御答弁申し上げます。

以上をもちまして、26番加藤議員の御質問に対する私からの答弁とさせていただきます。

◎教育長(栢沼行雄君) 26番加藤議員の一般質問のうち、いじめとNIEに関する質問につきましては、私から御答弁申し上げます。

初めに、いじめの現況と対応状況について御質問がございました。平成26年度のいじめの認知件数は速報値で77件でありまして、平成25年度に比べ12件減少しております。認知したいじめにつきましては、すべて翌年度に持ち越すことなく一応の解決に至っております。いじめを認知した場合は、各校で定めた「いじめ防止基本方針」及び「小田原市いじめ防止基本方針」に基づきまして、各校において早期解決に向け組織的に取り組んでいるところでございます。

次に、いじめの対応における連携等について御質問がございました。いじめに関する情報を学校が把握したときは、まずは被害児童・生徒を守る体制を最優先に確立し、本人や保護者の心情に寄り添いながら早期解決に向けて取り組むとともに、教育委員会へ速やかに報告、相談等をしております。保護者が情報を把握した場合は、早急に学校に連絡、相談をし、事実確認と早期対応に向けた取り組みを学校と一緒に行っていく姿勢が必要でございます。教育委員会が情報を把握した場合は、その情報を学校と共有し、心理相談員やカウンセラーの派遣等を含め、学校を支援する取り組みを行っていく必要があります。いずれにいたしましても、これらの取り組みは単独で行うものではなく、3者で協力連携して取り組むことで、いじめ解消に向け、より効果的なものになるものと考えております。

次に、警察への通報、訴訟の必要性の判断等についてお尋ねがございました。いじめの内容が度を越え、明らかに犯罪行為であると学校が判断できるときは、法的な判断がなくとも、各学校は警察等との連携を適切に行っております。しかし、その判断に悩むときは、26番加藤議員が御指摘のとおり、弁護士等による法的判断及び助言が学校にとって有効なものになると考えております。いずれにいたしましても、訴訟等法的な措置となりますと、加害・被害双方の児童・生徒本人、保護者の考えを丁寧に受けとめ、十分に心のケアのできる体制をつくり、慎重かつ適切に進める必要があると考えております。

次に、弁護士の活用についてお尋ねがございました。現在、学校から弁護士等の助言を求める依頼があった場合には、教育委員会を通して市の顧問弁護士に法務相談するなどの対応を行っております。26番加藤議員御指摘のとおり、弁護士を含めたさまざまな専門的立場の方と日常的に連携して取り組む体制を構築していくことは、いじめ対策に限らず効果があるととらえておりますが、まずは、学校として児童・生徒に寄り添い、保護者との信頼関係をさらに構築していくことが重要であると考えております。

次に、NIEについて御質問がございました。NIEとはNewspaper in Educationの略でありまして、新聞を教材として教育実践に活用する取り組みのことでございます。日本新聞協会が主催し、NIE実践指定校に認定された学校は、一定期間無償で地域で配達されるすべての新聞を提供されて、その新聞を授業で活用することができるというものでございます。

次に、NIEの必要性について御質問がございました。学習指導要領におきましては、新聞を資料として活用することが記されております。NIEにつきましては、子供の実態や学習のねらいに応じて各学校で判断し活用するものであるととらえております。

次に、酒匂小学校が認定された経緯について御質問がございました。NIEを授業で活用するためには、教師が校長の承認の上でNIE推進協議会に申請し、実践指定校として認定される必要があります。酒匂小学校では、本年度、NIEを授業で活用したい教師が手続にのっとって申請し、指定校として認定されました。なお、授業は国語で、小学校3年生が新聞に親しむことをねらいに、興味を持った紙面や記事を探して、互いに伝え合う活動を予定していると聞いております。

以上をもちまして、26番加藤議員の御質問に対する御答弁とさせていただきます。

◆26番(加藤仁司君) 登壇における質問に対しての答弁をいただきましたが、再質問をさせていただきます。

初めに、地域コミュニティについて伺います。

地域別計画についてはおおむね順調であると。ただ、いろいろな数値の部分での判定といいますか、そういうのが難しいということなのですけれども、確かにそれは難しいのではないのかなとは思うのですけれども、改めて地域別計画を見させていただいた中で、地域別計画は何のためにつくったのかというところでちょっと疑問がわいたのです。この地域別計画の部分というのが、前の総合計画審議会のときの資料、これは前のものを引っ張り出してきたのですが、このときは案ですけれども、もう今は正式な形になっています。ここの前振りといいますか、各地区の地域別計画の前に、ここの7に「地域における課題と今後の取組について」というところがあります。ここには、平成2年から平成20年までの推移ということで自治会加入率の推移というグラフと、また子ども会の加入率の推移というグラフ、二つあります。このグラフがなぜここに載っているのか。この重要性を私はちょっと気づいたのですけれども、本市において地域コミュニティ、さまざまな地域の中で独自で計画する。この部分を行うには、自治会の加入数がある一定といいますか、高い加入数が必要であり、また、やはり次代を担う子供たちは地域との触れ合いが大事だということで、それを実現するには子ども会という存在が大事なのだ、だから子ども会の数は減ってはならない、またそこの加入数も減らしてはならない。こういう大きな目的というか目標があったからこそ、ここにグラフにあえて載せていたのではないのかな、こういうふうに思うわけです。

言うまでもなく、地域コミュニティ及び子供たちと地域との連携が希薄となっている。これはさんざんいろいろな場面で言われるわけなのですけれども、急速な少子高齢社会において、既存組織だけでは乗り切れない。こういったことから、今申し上げたこの二つの部分については、加入率を上げていくというのがそもそもの目的だったのではないのかと思います。そういうことから、地域によっては地域別計画が4年ないしは5年たっているわけなのですけれども、また、地域コミュニティ推進事業負担金も上限10万円が市のほうから出ているわけです。そういった中で行っているこの四、五年の中で、今言った自治会の加入率が上がっているのか。子ども会の数が減っていないで、ふえることはないのかもしれませんけれども、数は減らずに加入数はちゃんと一定の規模を維持しているのか。そういったところを検証する。このように、あくまでもこのコミュニティ推進事業の目的を明確化する必要性があると思うのですけれども、それについての御見解を伺いたいと思います。

また、地域コミュニティの事業費の負担金の使われ方、これについては伺いましたが、この後、決算特別委員会もあります。この中でいろいろ詳細については伺えるのではないかと思いますので、これについては再質問は控えます。

(2)の防犯カメラのほうについてなのですが、防犯カメラの設置に対して市の見解はわかりました。ただ、これは犯罪が頻発する地点、また交通事故がやはり多く起きるところ、こういった情報は、どちらかというと市というよりも警察が相当多くそういう情報は持っているのではないかと思います。そういったことで、市と神奈川県また警察と連携して、やはりここには防犯カメラは必要だというところがあった場合には、そこの該当の箇所の地権者等に了解をいただく、こういった作業は、やはり市民と一番近い関係にある市の行政がかかわるということが必要だと思いますけれども、こういった地権者への依頼と協力を市、神奈川県、警察とともに行うべきだと思いますけれども、それについての御見解を伺いたいと思います。

◎市長(加藤憲一君) 26番加藤議員からの再質問、まず1点目の地域コミュニティに関連してのお話を私のほうで答弁させていただきます。

御指摘のとおり、当時、検討の資料の中で、この地域コミュニティの現状を伝える端的な資料として自治会加入率、また子ども会の加入率、推移のデータが掲載されたというふうに認識しております。ただ、その後の地域別計画の目的といたしましては、当然、当時25の連合自治会ごとに、課題はそれぞれでございますが、大きく言えば地域の福祉、環境美化、まちづくり、交通安全、また防災等いろいろなものがある中で、地域の特性を踏まえて、どういうようなところに課題設定をして、どう取り組むかということの設定自体は、地域の皆様方の判断にゆだねてつくっていただいた経緯がございます。当然、そういうことをやっていく中でコミュニティの結束が強まって、結果として加入率の向上ですとか子ども会の活動の活性化ということにつながっていくということでとらえておりますが、その計画の策定の目的といいますか、いわゆるKPIみたいな形で当初から加入率というものが設定されていたわけではございませんでした。したがって、ここにきて、後期計画に向けて地域別計画の見直しというものにそれぞれの地域で着手していただきますけれども、ある程度地域間で共有できるような目標の設定ができるのかどうか、これも5年間の各地域の取り組みの状況を踏まえて、我々としても少し問題意識を持ってコミットしていきたいというように思っています。

以上です。

◎副市長(加部裕彦君) 2点目の防犯カメラの質問に私のほうからお答え申し上げます。

防犯カメラの設置を民有地の地権者に依頼することについて検討したらどうかというお尋ねでございました。御指摘のとおり、防犯カメラの必要性というのは小田原警察署が一番その辺は認識しているわけでございます。小田原警察署におきましては、小田原警察署管内1市3町の民間事業者や公共施設等が設置している防犯カメラの状況について把握しておりまして、これはタクシーやバスなどの車載のものも含めてでございますけれども、4000台以上の防犯カメラが設置されていると伺っております。防犯カメラの設置は、事件解決や犯罪防止に対して非常に効果を発揮していることは明らかでございます。防犯カメラの設置場所につきましては、公共施設だけでなく、御指摘の民有地も視野に入れながら、今後、小田原警察署や神奈川県と連携をとって対応してまいりたいと考えております。

◆26番(加藤仁司君) 今御答弁をいただいたのですけれども、ちょうど今回のこの地域別計画の質問をするに当たりまして、5年前に小田原市総合計画審議会、このときはちょうどお隣の25番井原議員が副議長であり、その審議会の会長であった。私もその委員でありました。そのことを思い出しました。そのときには既に地域別計画の案という形で示されておりました。それと一緒に、ちょっと黄ばんできましたけれども、資料13、新総合計画シナリオ集。これは中を見ますと、平成23年ごろ、そしてまた平成28年ごろ、そして平成34年ごろの小田原の姿を、当時の担当の職員の方々が将来シナリオとして描いている。これを読むと本当におもしろいのです。平成28年、あと1年なのですけれども、小田原市はこういう形で変わっている、こんなことが書いてあります。ただ、これは、計画審議会のときに最初に事務局のほうで、ここにお配りしてある資料の中でこのシナリオ集は使いませんということで、全く審議会のときに表に出ることなく、ただの資料としていただいたのです。でも、これを改めて見るとすごくおもしろい。いろいろなセクションによって今もこういうことが現実に起きている。当時、数年前に示されたところが、4年後ぐらいになることしはもう既にやっているとか、そういうのが出てきて、この資料というのは一見の価値があるかなと思います。

先ほど市長の御答弁の中にありましたけれども、地域に判断をゆだねていこうというのが、今これからの地域コミュニティの推進の部分でもあるということなのですけれども、先ほど言いましたこのシナリオ集の中にも、ちょっと記憶の中では、例えば防災に関して、今まで市のほうから防災に関してこうしてくださいと言われていたものが、平成28年には、地域の防災リーダーが中心となって、市に相談をしなくても自分たちで動きを始めました。市にはサポートしてもらう。こういう形で地域が変わってきているのですというシナリオを見たものですから、これは市長がいわゆる唱えられた部分に近づいてきている。これはすばらしいことかなと思います。議員の諸氏も、このシナリオ集をごらんになった方もごらんになっていない方もいるかと思いますけれども、一度見ていただければと思います。

そんないろいろなことを申し上げましたけれども、後期基本計画に向かって、やはり地域別計画がこの四、五年の中でどういった形で具現化しているのか、それが、一歩でも地域のコミュニティが図られる、こういったところに進むように、これからもまた期待していきたいと思っております。

それでは、2番目の質問に移ります。部署配置の部分なのですけれども、ことしの部分で、今一段下がっているところの談話ロビーに使っているところは一段上げるということで、使い勝手がよくなるのかな。けがとかをする人はいなくなる、これでよかったかなと思うのですけれども、やはり執務室という形になると、この2階のスペースというのはもう厳しいなというところがあります。ハードとしての整備というのはこれ以上のことを議論するのは難しいのかなと思うのですけれども、やはり消費相談サービスとか、また市民相談とか、そういった中で相談事業がその2階でも繰り広げられています。やはりプライバシーを保護する、これが一番重要なことだと思うのですけれども、2階をいろいろ歩いた中でちょっと感じたのは、前に、けやきの通路、ここの連絡通路の横、今まで喫煙室で1回使っていたときがあります。今はもう使われていませんけれども、このスペースというのは有効活用ということができるのかどうか、1点伺いたいと思います。

◎理事・総務部長(本多高弘君) 市役所の本庁舎の東側にございますけやきへの連絡通路のわきにあるスペース、この有効活用についての御質問でございました。26番加藤議員が今おっしゃいましたように、当該スペースは以前、喫煙所として使用しておりましたけれども、来庁される方々の主要動線に位置しまして、たばこの煙が漏れることについていろいろ御意見が寄せられたことや、平成22年4月に神奈川県公共的施設における受動喫煙防止条例が施行されたことによりまして、受動喫煙を防ぐため喫煙所としての利用を取りやめた経緯がございます。当該スペースは、もともと屋外という位置づけでありまして、そういう場所でありますので、執務室等として活用を行う場合には、屋根(天井)、壁、それから照明等の整備に経費を要しますため、費用対効果を勘案いたしますと利活用は難しいというふうに考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。

以上です。

◆26番(加藤仁司君) 部署の配置の部分、特に2階の活用についてはちょっと厳しいところがあるなということを感じました。ただ、先ほど言いましたプライバシーの保護という面については、何か最良の方法についていろいろお互い意見交換をまたさせていただければと思います。

それでは、3番目のいじめ問題について再質問させていただきます。

教育長のほうから御答弁をいただきました。このいじめ問題といいますか、いじめ自殺問題、これについては、マスコミも含めて何十年来、命の大切さ、そして生きる力をはぐくむという教育、こういった点で議論をされてきたわけです。昔からといいますか、私もこの問題についてお話をするときには、生きる力をはぐくむというよりも、やはり生かされているという認識を理解する教育を図るべきだという主張を続けてまいりました。生かされているということは、現に今生きている我々も、その先祖がいなければ存在していない。そして、今の自分が生きていなければ未来の子供の存在もなくなってしまうということで、だからこそ祖先からの継続性をそこで断ち切るという行為はしてはならないし、またさせてもいけない、断ち切る権利はだれにもない、そのような思いがあります。また、それを断ち切ろうとする者がいれば、断固として戦う意思を育て上げるというのが教育だと思っております。そういった自分の思いを含めて再質問させていただきます。

いじめの認知件数については伺いました。昨年度は前年度に比べて減少しているということは本当によかったなと思うわけなのですけれども、そこで1点、現在も不登校と言われている児童・生徒がいられますけれども、その中でいじめに起因するものの数とか割合とかを把握されていましたら、どのくらいなのか、まず伺いたいと思います。

◎教育部長(内田里美君) 不登校者のうち、いじめに起因する割合と数についての御質問にお答えいたします。

平成25年度の小学校の不登校者数は53人で、このうち学校がいじめに起因したものであると判断した人数はゼロ人で、ゼロ%でございます。中学校の不登校者数は156人で、このうち学校がいじめに起因したものであると判断した人数は3人で、約2%でございます。

◆26番(加藤仁司君) 中学生の中では、そういった何人かがいじめが原因で不登校になっているという実態がわかりました。

それでは、先ほど登壇しての質問の中で、いじめと犯罪、これについて区別すべきではないかと私は申し上げたわけなのですけれども、それでは、いじめ認知件数の中で、これは明らかに犯罪被害だと認識される割合というのは把握されているのか、ありましたら教えていただきたいと思います。

◎教育部長(内田里美君) いじめ認知件数の中で犯罪被害と認識される割合についての御質問につきまして、教育委員会といたしましては、認知したいじめのうち、警察に被害届が提出されたものを犯罪被害として認識してございます。平成25年度は小学校がゼロ%、中学校では約4%でございました。
◆26番(加藤仁司君) 教育委員会のほうの調査といいますか、把握されるのは、やはり警察に届け出たということでの認識。だけれども、警察にやはり届けられないという、潜在的なといいますか、そういった中で苦しんでいる子も中にはあるのではないのかなと、どうしても思ってしまいます。ですから、この数字自体が少ないということで安心するわけではなくて、ここの中で悩んでいる、そういう児童・生徒また保護者も中にはいるのかなという思いは常に持っていていただきたいと思います。

それでは次に、今から数年前、今議員の中でもなっている方がいますけれども、私が少年補導員をしていたころにはよく聞いたことで、いじめとともに、公共物であります学校の備品を壊したり、また教師への暴力も問題になったという事例もありました。そのような器物破損や対教師暴力は大変重大な事態と思うのですけれども、そのように考えてよろしいのかどうか、また、そういった事案があったときの対応はどのようになっているのか伺います。

◎教育部長(内田里美君) 器物損壊や対教師暴力につきましては、これらの行為は重大な事態であるととらえております。対応につきましては、学校はまずは加害児童・生徒に状況等の確認をいたしまして、その行為に対しまして反省を促す指導を行い、あわせて保護者に伝え、家庭と連携して取り組んでおります。警察等との連携を行うか否かにつきましては、行為の程度や指導による反省の様子、行為に至った背景などを総合的に判断しております。教育委員会は、学校からの報告を受け、対応についての助言や指導を行うとともに、器物の弁償等の調整や、被害を受けた教職員のメンタルケア等の支援を行ったりしております。

以上でございます。

◆26番(加藤仁司君) 登壇しての質問の中で、弁護士の活用ということで答弁をいただきました。教育長からは、教員にしても保護者にしてもいろいろ悩まれたときには弁護士への相談、助言は有効であるという御答弁をいただいたわけなのですけれども、そのときの説明でありましたが、例えば教員が弁護士に相談したいといったときには、教育委員会を一たん通して、それから市の顧問弁護士に相談をかけるというお話がありました。果たしてそこで迅速な対応というのがとれるのかどうか、ここがちょっと気になっております。こういう事案が発生したときに、教育委員会をわざわざ通すことなく、気軽にといいますか、迅速に学校側が、教員自体というよりも、やはり教員の部分は校長が報告を受けるわけでしょうから、学校として、学校がじかに弁護士に相談できる、こういった体制というのがとれないかなと思うのですけれども、それについての御見解を伺いたいと思います。
◎教育部長(内田里美君) 26番加藤議員におかれましては、教職員の対応につきまして御配慮いただきまして、お気遣いいただきまして、ありがとうございます。

確かにいじめ問題につきましては、教員が抱え込むのではなくて組織で対応するというのが基本的な考え方でございます。それを学校が受けて教育委員会と連携して取り組んでいくというのが基本的な考えでございまして、確かにケースによっては教員が悩んだりしてしまうこともあろうかとは存じますが、まず組織として取り組むということを最優先に考えていきたいと思います。先ほど教育長が御答弁したとおり、やはりそういうケースもございますので、日常的に弁護士等の専門の立場の御意見を伺うというのは、いじめにかかわらず効果がある場合もありますので、これからも必要に応じて、組織としてはきちっと教育委員会を通して顧問弁護士との連携を図ってまいりますが、学校が直接相談できる体制につきましては、今後研究をしてまいりたいと思っております。

以上です。

◆26番(加藤仁司君) 学校が直接弁護士に相談ということについては研究されるということなのですけれども、やはり時と場合によっては、弁護士が登場することというのは相当な抑止力といいますか、効果があるのではないのかなと思います。学校内だけで解決できない部分、法の専門家である弁護士が登場して、例えば理不尽な要求をされている方に対しては、これはもう法的な措置を講じなければ解決しませんというような一言が、要はそれ以上のことが難しくなることは防げるとか、そういったことがあり得るかなと思いますので、ぜひとも、この弁護士の活用という部分は教育委員会の中でも十分議論してほしいと、このように要望しておきます。

最後に、NIEの件なのですけれども、まずここを一つ確認させてください。最初、教育長のほうでは、これは新聞協会の表現なのかわかりませんけれども、新聞は教材だという言い方がありました。そして、その後に、学習指導要領の中では新聞は資料だという、二つの表現があったのですけれども、ここで言う新聞は教材という位置づけでよろしいのかどうか、そこを1点確認させていただきたいと思います。

◎教育長(栢沼行雄君) 初めに、新聞が教材という、そういう扱いでよいかというお尋ねでございますけれども、先ほども御答弁申し上げましたように、学習指導要領におきましては新聞等を資料として使用することが記されております。したがいまして、広い意味での教材の一つであるというふうにとらえております。

以上でございます。

◆26番(加藤仁司君) 広い意味では教材ということなのですけれども、ちょっと国語のような感じなので、今ここでどうなのかという議論というのは難しいので、とりあえず学習指導要領においては資料というような位置づけであるという前提でお聞きしたいと思います。

答弁をいただいた中では、NIEの部分については、ある面有効な手段であるということの答弁だったと思うのですけれども、実は、この通告を出したときに、酒匂小学校が認定されているということを教育委員会のほうでは把握されていなかったのです。それは先ほど答弁があったように、校長の裁量で決まるから、わざわざ教育委員会に届け出の必要もないということで承知していないということは、それはそれでよろしいのではないかと思います。ただ、皆さんもいろいろな新聞をとられていると思いますけれども、新聞はあくまでも民間の会社であります。そして、社説またはその記事内容、これは極端な偏向報道という新聞も見てとれます。とても中立とは思えない、こういう意見がある中で、今回の資料として使う新聞というのは、果たして教育の中立性というものが図られるのかどうか、ここにちょっと一つ疑問を持ちますので、中立性は図れるのかを1点目。そしてまた、それを利用して授業をされる、この授業内容の把握というのはどなたが行うのか、それについて伺います。

◎教育長(栢沼行雄君) 教育の中立性ということについて、まずお尋ねがございました。26番加藤議員御指摘のとおり、学校教育におきましては、NIEの活用にかかわらず、中立であることというのがまずもって大事でございます。なお、NIEは特定の新聞ではなく、地域で配達されているすべての新聞が提供されるものでして、酒匂小学校におきましては7紙が配達され、具体的な授業内容につきましても、先ほど申し上げましたように、子供が新聞に親しみ興味を持った紙面やあるいは記事を探すものであるといった内容であることから、中立性については図られるというふうにとらえております。

もう一点、授業内容の把握についてのお尋ねでございますが、学校では、校長が責任者となって、学習指導要領に示されている教科の目標あるいは指導内容を基準に指導計画を作成し、授業を実施しております。また、授業内容につきましては、小学校では学年担当者の、中学校では教科担当者の打ち合わせ等において検討しております。その内容あるいは進みぐあいにつきましては、定期的に場を設け、互いに確認しながら進めておりますが、最終的には、責任者である校長がその内容については把握しております。

以上でございます。

◆26番(加藤仁司君) 授業内容の把握については、教育長がおっしゃったとおり、校長の部分で把握する、また、それ以外の何人かの担当者の方々もごらんになって把握していくのだということが、まずそういうことで把握するのだということがわかりました。ただ、今7紙をとっているということなのですけれども、この7紙のうち、例えば1紙だけを利用する、または3紙を利用する、こういったところは、7紙全部をやるか否かというのは、恐らく先生の裁量といいますか、先生の考えのもとで使う、この部分の疑問はどうしても持ってしまうわけです。確かに教育委員会は中立性をとっている立場は十分わかります。でも、やはり授業を一つ一つ、果たして校長が常に教室に入って見ているのか。そういう場面というのはちょっと想定できませんので、やはりここの内容についてはいろいろな目で注視しなければいけない、そのように思うわけであります。

ここで一つ、今回のNIE、教育に新聞をというところの部分で、やはりちょっとこの背景として申し上げたいなと思うのは、実際に今はネット社会と言われるほど、ニュースの媒体、これはさまざまなところで手に入れることができるということで、新聞の部数の減少が顕著であるということは、みんな今だれでも知っている話です。そして、この部数の低下、先ほど申し上げましたように、新聞は民間会社でありますから、その部数が低下するということは経営の悪化につながるということで、とにかくそれを上げたい。プラス、今度の消費税がもしもこれから上がったときには軽減税率の導入、それを新聞の部分も求めているということで、とにかく生き残りのすべも今いろいろ講じなければいけない、こういう背景を今新聞の業界の方々は持っているのではないか。これはちょっと偏った見方かもしれませんけれども、そこで新聞を無料で配布して、教育に、子供たちの学習に新聞は貢献しているのだという姿を見せたいという側面もあるのではないのかな。これは私の勝手な見方ですけれども、そういうふうに思うところがあります。

私は小学生のころも新聞を使って壁新聞をつくったりしていました。ですから、それを使うなとは言いませんし、確かにいろいろ関心のある記事、これについて学習の中に取り入れる、これはやるべきだと思っていますけれども、このNIEという形で新聞協会が、これはたしかNIE推進協議会、ここが動いている部分についてはちょっといろいろな背景があるのではないのかな、そのように疑問を持ってしまうわけであります。新聞自体、教育指導要領にも沿っていませんし、また、文部科学省の検定、これにもクリアしていない。こういった資料であります新聞を一定期間無料で配布させて必然のように授業に使うということは、何度も申し上げますけれども、疑問であります。このようなNIEの導入について質問をさせていただきましたけれども、そのような心配、また背景、こういったことをちょっと私のほうで意見を申し上げましたけれども、最後に、教育長のほうで、このNIEの部分の導入についてどのような御見解をお持ちか、再度伺いたいと思います。

◎教育長(栢沼行雄君) ありがとうございます。26番加藤議員おっしゃるように、新聞にはいろいろな思想的な記事もございますし、新聞を教材として使う、これは、いろいろな面で子供たちが新聞に親しもうという、そういうねらいの中で、また最新の時事問題を授業の中で取り上げたりとかということも含めて、教材としては生きた教材として非常に重要であるというふうに思っていますけれども、そうした中で、特定の新聞、1社なり、しかも特定のある記事について、教師がその記事をもとにして子供たちに授業を展開する、これは非常に中立性に欠ける部分が内容によってはあるということで、非常にそこは配慮しなければいけない。今回の場合には一応7社。本来は、ほかの小学校は学校で2社なり3社の新聞を購読しておりますので、それを1カ月分とかある程度たまった状態でその授業の中で配って、そうした中で、楽しい記事とか興味ある記事はどうかね、みんなでちょっと探してみよう、そういうような授業展開なのです。その内容についてどうのこうのというよりも、新聞に興味を持つための、お互いに何とか探しと言うのですけれども、そういった活動で、今回も、これをたまたまこういう認定の中で酒匂小学校が使ったということなのですが、ほかの学校と使っている内容、目的は変わらないという意味で、私は中立が守られているというふうに、また校長もそれをきちっと認識しているということで、それ以外のことには使われないということが確認できたものですから申し上げたわけで、26番加藤議員がおっしゃるとおり、ある一つの新聞に偏ってその内容を取り上げて授業を何時間も展開するとか、これは基本的には認められないというふうに私は思っていますし、今回のこの扱いについてはある一定期間ということですので、また、それらの背景あるいはねらいというものも再度私のほうでしっかり調査させていただいて、今後の対応を考えてみたい、そんなふうに思っています。

以上です。

◆26番(加藤仁司君) 最後という言葉を使ってしまいましたが、教育長から御答弁をいただき、もう十分わかっております。

このNIE推進協議会のホームページを見ますと、実践指定校には新聞購読計画の提出の義務、そしてまた懇談会の開催、そしてまた実践報告書の提出、義務づけではないのかもしれませんけれども、これをするということが条件のようです。そこで最初の登壇しての質問でも申し上げましたように、今、先生はただでさえ忙しいと言われています。教員の仕事をこういうことでさらにふやすだけではないのかな。この効果が、通常のカリキュラムの取り組み以上に本当にあるのかどうか。先ほどのお話のように、普通に新聞にこんな記事があるよということで、別にこのNIEの部分に沿わなくても新聞の活用はできると思いますので、そういったところで、ただでさえ忙しい教員の仕事をふやしてしまうのではないかという懸念もあるということを一言申し上げます。十分に配慮していただければと思います。

質問を終わります。