平成28年6月議会一般質問

2016年06月01日

○議長(武松忠君) 26番加藤議員、登壇願います。

〔26番(加藤仁司君)登壇 拍手〕

◆26番(加藤仁司君) 通告に従い順次質問してまいります。

初めに、大項目の1、第5次小田原市総合計画「おだわらTRYプラン」前期基本計画における第2次実施計画の検証について伺います。

平成29年度より第5次小田原市総合計画「おだわらTRYプラン」後期基本計画が策定されます。本定例会終了後には、後期計画に向け総合計画審議会が開かれると伺っているところであります。さきの3月議会代表質問において、平成28年度をもって終了する前期基本計画の進捗状況について質問したところ、市長からは、前期基本計画のほぼすべての事業に着手しているものの、積み残した課題が幾つかあることにも言及されました。本日は、市長がその際答弁された、積み残した課題の一つとされた「地域コミュニティの取り組み」に絞り、平成26年度から平成28年度の3カ年とした前期基本計画に基づき策定された実施計画について何点か伺ってまいります。

初めに、(1)地域コミュニティ強化への取り組みについてですが、実施事業の一つとして、地域コミュニティ推進事業が挙げられます。事業内容の説明は、地域コミュニティ組織の新規設立、運営支援、組織間情報を共有及び地域活動の担い手育成支援とされています。3月の予算特別委員会では、昨年度、市内全地域においてコミュニティ組織が設立され、その主な取り組み内容と市からの負担金の一覧表が資料として提出されましたが、まず、各地域、各地区のコミュニティ組織の立ち上げには多少タイムラグがあったと思われます。そこで、その理由について伺います。

また、今年度、負担金拠出予定である全26地区中、富水地区と酒匂・小八幡地区のまちづくり委員会においては、各地区の3倍に当たる30万円が支出されています。これについてもその理由をお聞かせください。

また、平成27年3月議会において、行政は国の緊急経済方策に係る交付金を活用し、旧片浦中学校にコミュニティビジネスの活動の場を確保する予算を計上しましたが、議会からの修正案により否決されました。この事業については、説明の中で、まちづくり委員会を所管する地域政策課の事業としたと記憶しています。もし、昨年補正予算が通ったとしたら、他の地区が10万円なのに対し、片浦地区が600万円と突出した支出となっていたのでしょうかお尋ねいたします。

さらに、一覧表において各地区の取り組み内容が記されておりますが、この表の中で、コミュニティ組織が設立する前より自治会や各種団体が取り組んでいたものはどのくらいあるのでしょうか。おおよその割合を示してください。

次に、地域コミュニティ組織内の活動の情報公開について、内容や具体的な事例はあるのか伺います。

また、実施事業の地域活動の担い手育成支援についても、その具体的事例を示していただきたく存じます。

次に、自治会活動支援事業について伺います。

現在、各単位自治会には地域経営推進経費として地区行政事務委託事業費が支払われていますが、これ以外にも市から自治会に支払われている委託料などはどのようなものがあるのか伺います。

また、自治会に対しては、ごみ減量化事業の一つとして分別収集奨励及び集積場所管理協力金の交付が行われています。さきにも述べました地区行政事務委託事業費、分別収集奨励及び集積場所管理協力金の算出根拠についてはどのようになっているのか。また、年度内における転入転出、自治会への入会退会など、自治会加入世帯の増減に対して、この委託料等はどのように反映されるのか伺います。

次に、(2)地域別計画の促進のア、各地域別計画の検証について伺います。

来年度に策定される後期基本計画に合わせて、地域政策課においては、各コミュニティ組織に対して、前期基本計画に策定された地域別計画の検証を行うよう求めているようです。

そこで伺います。前期基本計画における地域別計画が策定される際、ほとんどの地域でコミュニティ組織が形成されていなかったと思いますが、各地区における計画策定への方策はどのようにしていたのか、地域住民への周知、意見募集などはあったのか伺います。

そして、地域別計画は後期基本計画にも位置づけ、前期と同様な手法で計画を策定すると見てよろしいか伺います。

次に、(3)青少年団体育成事業における子ども会支援事業についてですが、まずは、子ども会支援事業の内容について伺います。

平成18年度予算書における子ども会補助金は85万6000円、そして平成28年度予算では59万7000円でありました。少子化とともに子ども会組織が減少していることは、さきの3月議会代表質問でも取り上げ、加藤市長は、地域における子ども会活動の意義は大変大きく、子ども会の加入促進については、「広報おだわら」における特集記事の掲載も含め、小田原市子ども会連絡協議会の関係者等とも連携しながら取り組んでいるとの答弁がありました。私の隣の自治会連合会では、地域内すべての子ども会が休会状態であると伺っています。また、私の住む地域でも、幾つかの子ども会が来年から休会すると言われております。組織は一度解散するとなかなか復活できないのが現状であります。小田原市内で今後もこのようなことが当たり前のように起きてしまうのではないかと大変危惧しているところでありますが、特集記事掲載で本当にその流れを食いとめられるのか。市としての具体的方策について伺います。

次に、大項目の2、図書館について伺います。

初めに、(1)ツインライブラリー構想について伺います。

ツインライブラリー構想は平成2年に提案され、東西市域の居住状況等の変化に対応すべく、酒匂川を境に西部と東部に図書機能を1カ所ずつ設けるとして、川東地区にかもめ図書館をオープンいたしました。これまで市立図書館で行われていた資料収集・保存・研究・活用等の機能は、市立図書館が継承し、かもめ図書館は、市内各図書施設への配本業務等のサービス網の総括や、視聴覚ライブラリーの整備等、機能分担が図られ、現在に至っております。

平成24年、図書館長の諮問機関である第29期小田原市図書館協議会より提出された答申書「小田原市図書館施設の今後のあり方について」に基づき、昨年2月には、「小田原市図書施設・機能整備等基本方針」が策定されました。この「小田原市図書施設・機能整備等基本方針」には、さきに述べたツインライブラリー構想を、過去には施設整備の指針としてきた旨が掲載されております。その中に記載されている図書館利用についての統計結果では、若年層の利用率が極端に低く、若者の図書館離れが顕著であり、全体的にこの5年間を見ても図書貸出者数、貸出冊数ともに減少傾向となっているようです。その原因は一概には言えませんが、昨今のスマホやインターネットの普及により、電子書籍化へのニーズの高まりや知識の獲得が手軽に行えること等、図書館を取り巻くさまざまな変化が著しい今日において、26年前のツインライブラリー構想は既にその使命を果たしており、図書館施設については新たな観点で考えるべきと思うのですが、ツインライブラリー構想をこれからも施設整備の指針としていくつもりなのか伺います。

次に、(2)お城通り地区再開発事業における広域交流施設への図書館設置について伺います。

本年2月の厚生文教常任委員会で、小田原駅東口お城通り地区再開発事業における広域交流施設に想定されている図書機能整備等の検討状況についての報告がありました。駅前図書施設機能整備についての市民意見聴取の結果を参考にして、施設のコンセプトや基本機能等について記されていますが、小田原市立図書館が担っていた機能を駅前に移すことは既定の方針なのでしょうか。

確かに、現在開設されている小田原市立図書館は、純化を進める史跡小田原城跡本丸・二の丸整備基本構想においては城跡外への移転に努めるとされている施設であり、東館、すなわちかもめ図書館建設後に移転を検討するとされています。本構想から23年が経過しておりますが、そこで、この小田原市立図書館の耐震についてはどのようになっているのか伺います。

さらに、小田原城址には城跡外への移転に努めるとされている施設は現在何カ所あり、国指定史跡内であることから、文化庁等からそれらの施設の移転期限は示されているのかお尋ねいたします。

次に、開館より22年経過したかもめ図書館の施設の状況について伺います。

かもめ図書館は開館より22年が経過し、経年劣化が心配されるところであります。そこで、現在、大規模修繕を必要とされるような箇所はあるのか、また、小規模修繕や機器の更新、調度品の消耗のぐあいなどについてはどうなのか伺います。

最後に、大項目の3、小田原市消防計画における消防施設再編・整備事業について伺います。

平成27年11月に、平成28年度から平成34年度までの7年を期間とする小田原市消防計画が策定されました。平成25年3月31日に広域消防として新たなスタートを切った小田原市消防本部でありますが、消防需要に対応した効率的で効果的な消防体制を整えるため、消防施設の再編整備は重要であり、消防署所の再配置は喫緊の課題であることは申すまでもないことであります。

さて、小田原市消防計画では、現状として、栢山出張所と岡本出張所及び消防本部と国府津出張所といった消防署所の近接により消防力が重複する地域が存在します。さらに、消防署所からの距離が遠いことによって消防対応力が比較的低い地域も幾つか存在するようであります。そこで、このような課題の解消はどのように図られるのか伺います。

次に、(2)(仮称)橘分署建設予定地について伺います。

現在の羽根尾工業団地テクノパーク内に、(仮称)橘分署建設予定地として本市が土地を取得してから、はや十数年が経過しました。当初、最短の国府津出張所からも数キロ離れた地域でもあり、レスポンス向上手段として分署配置を決めたのも小田原市であります。地域住民は、早期分署建設を求め自治会を挙げて期待をしていたのでありますが、消防広域化の推進とともに、隣接である中井出張所からの対応によってレスポンスは改善され、現在に至っています。既にその恩恵は地域住民が肌で感じていることであり、分署設置要望の声も聞かなくなっている状況です。現在、分署予定地は、隣接する橘タウンセンターこゆるぎの臨時駐車場として利用されているのが現状であります。そこで、この(仮称)橘分署建設予定地はどうされるのか伺います。

さらに、(3)小田原市橘商工会による移転要望についてですが、昨年の6月議会一般質問でも、(仮称)橘分署が建設されないようなら小田原市橘商工会がその一部を貸借したい旨の要望書が市長あてに出されており、市長も十分に承知されているとの答弁もいただきました。端的に質問いたします。小田原市橘商工会の要望を実現してもらえるのか否か、市長の御所見を伺いまして、登壇しての質問を終わります。(拍手)

○議長(武松忠君) 市長、登壇願います。

〔市長(加藤憲一君)登壇〕

◎市長(加藤憲一君) 26番加藤議員の御質問に順次お答えをいたします。

初めに、地域コミュニティ組織の立ち上げ時期に差があった理由についての御質問がございました。各地域で、地区自治会連合会を初めとした地域活動団体などの関係者と地域担当職員とが、課題解決に向けた組織構成や取り組み内容につきまして意見交換を行いながら協議を重ねまして、合意が得られた地域から順次、地域コミュニティ組織が設立されたものであります。それらの設立時期の差につきましては、地域の情勢や機運、合意形成に要した時間などさまざまな要因から生じたものと認識しております。

次に、富水地区と酒匂・小八幡地区の地域コミュニティ組織への負担金についての御質問がございました。市と各地域コミュニティ組織が協働して地域のまちづくりに取り組むという視点から、各地域コミュニティ組織に対して、年間10万円の負担金を支出してきております。富水地区と酒匂・小八幡地区では、複数の分科会に分かれて、多岐にわたる分野の地域の課題解決に取り組むための事業を同時に展開しておりますことから、それらの必要に応じたさらなる支援をすることにいたしたものであります。そこで、今年度から、1分科会当たり年間5万円を支出することといたし、両地区とも4分科会に対して20万円ずつを増額し、計30万円の負担金を支出することとしたものでございます。

次に、片浦地区における地域活動の場づくりに係る旧片浦中学校の施設改修に関係する予算案についての御質問でございます。この予算案の内容は、地域振興の拠点として旧片浦中学校の施設を改修するために市が執行する工事請負費でございまして、片浦地区の地域コミュニティ組織への負担金ではございませんでしたので、御理解をいただきたいと存じます。

次に、地域コミュニティ組織の取り組みのうち、各種団体の既存事業の割合についてのお尋ねがございました。地域コミュニティ組織の行っている取り組みを大きく区分いたしますと、一つ目に、地域で従来から行われている企画に対して、質や頻度、人員や予算などを拡充した既存事業、二つ目には、組織の設立の後に始まった新規事業、三つ目には、地域のさまざまな課題等について協議を進めているもの、以上の三つに分けられております。これらの区分で申し上げますと、地域コミュニティ組織の取り組み状況は、既存事業は約3割、新規事業は約5割、課題等についての協議が約2割といった割合になっております。

次に、地域コミュニティ組織における地域の情報交換について、その内容や具体の事例についてのお尋ねでございます。地域コミュニティ組織内の各種団体の間では、団体の状況、地域の事業や課題などにつきまして情報交換が行われております。具体的な内容といたしましては、地域行事への他団体への協力要請や団体への加入率の低下に対する対策、地域行事の抜本的な見直し、行事や会議が重ならないような地域内の年間日程調整など、これまで個別の団体だけで抱えていた問題を、他の団体と情報交換することで課題解決の方法などが生まれたり、新たな団体間の連携が出てきているものと認識しております。

次に、実施計画にございます、市が行う地域活動の担い手育成支援の具体的な事例についてでございます。平成22年度に地域コミュニティ検討委員会が市長に提出いただいた報告書の中で、毎年人材を生み出しているPTAなどの若手世代や社会経験豊富な団塊世代を中心に地域活動を進めていくことが、担い手を確保する上で大変重要であると提言をいただいております。そこで、市といたしましては、防災について多くの方の関心が高いことから、平成23年度以降、おおむね一つの中学校区で公益社団法人小田原青年会議所とともに、消防団、PTAなどの若手世代、自治会長、中学生など地域のさまざまな世代の方を交え、災害図上訓練を実施し、担い手の育成の支援を図っているところでございます。

次に、市から自治会に支払われております委託料などについての御質問でございます。本市では、小田原市自治会総連合に対して、回覧配布やポスター掲示等を行ってもらう地区行政事務委託料を支払っておりますほか、「広報おだわら」や議会だよりの配布委託料、ごみステーションに出されたごみの清掃管理に係る協力金を各単位自治会に支出しているものであります。また、地域防災訓練開催費など、さまざまな自治会活動に対して各種補助金も交付しているところであります。

次に、自治会に支出している委託料等の算出根拠でございます。委託料、協力金につきましては、毎年度4月1日現在の自治会加入世帯数を基準に金額を算出しているものであります。

次に、自治会加入世帯の増減に対する委託料等への反映についてであります。基準日であります4月1日現在の世帯数で委託料等を算出しておりますことから、自治会加入世帯数が年度途中に増減した場合であっても、当年度中に変更することはなく、翌年度での対応となるものであります。

次に、平成21年度当時の地域別計画の策定方法などについてのお尋ねがございました。地域別計画の策定につきましては、地区自治会連合は当時25地区でございましたが、この連合会ごとに地区まちづくり検討委員会を設置し、自治会連合会長を初めとした地域の各種団体の代表者などに御参加をいただきました。その手順といたしましては、地区により多少異なりますが、地域住民に対してアンケートなどを実施し、地域の課題や将来像などの意見を集め、市職員がファシリテーター役を務めながら、地域の特色や課題、目指す姿などにまとめていったものでございます。策定されました地域別計画は、市のホームページに掲出したほか、地域住民へ回覧などをすることで周知を図ったものでございます。

次に、地域別計画の後期基本計画における位置づけと策定方法についてでございます。地域別計画は、おだわらTRYプランと一対のものであり、後期基本計画においてもその位置づけは同様のものと考えています。策定方法につきましては、各地区内の自治会、社会福祉協議会等の各種団体で構成されている地域コミュニティ組織が中心的な役割を担い、まず平成21年度に策定した地域別計画を振り返り、地域の現状を検証することから始めるところが多くなってまいります。検証後、その結果を共有し合うことで、新たな課題設定や目標を見出し、平成29年度からの組織活動につなげていけるよう、今年度中に見直しが終わる予定でございます。

次に、子ども会支援についてのお尋ねでございます。本市では、子供の健全育成に重要な役割を担っております子ども会への支援として、活動費補助を行ってきております。このほか、小田原市子ども会連絡協議会における事務局への支援や、育成者や指導者の研修活動などへの協力を行ってきているところでございます。

次に、子ども会会員数等の減少への対策についてであります。子ども会への加入促進につきましては、小田原市子ども会連絡協議会において、育成者・指導者研修会などさまざまな機会を通じ、加入児童や役員の減少といった課題を抱えている子ども会からの相談に応ずるなど、さまざまな対応を行っております。市といたしましては、「広報おだわら」への掲載のほか、市内の幼稚園、保育園への加入促進チラシの配布を行いますとともに、小田原市子ども会連絡協議会が実施している事業での未加入者への働きかけに対して、引き続き協力をしてまいる考えでございます。

次に、図書館につきまして、ツインライブラリー構想をこれからも施設整備の指針としていくのかとのお尋ねでございます。図書館整備につきましては、図書館の利用状況の変化などから、ツインライブラリー構想にかわるものとして、平成27年2月に新たな方針となります「小田原市図書施設・機能整備等基本方針」を定めたところであり、今後この基本方針によって整備を進めてまいります。

次に、市立図書館が担っていた機能を駅前に移すことは既定の方針であるかとの御質問がございました。市立図書館の機能といたしましては、一般的な貸し出し・閲覧等に加えて文学資料等の収集・保存があり、「小田原市図書施設・機能整備等基本方針」では、このうち貸し出し・閲覧機能等を駅前に整備することと位置づけております。この方針は、平成26年11月の政策会議の後、パブリックコメント等を経まして、平成27年2月に決定したものでございます。

次に、市立図書館の耐震についてでございます。市立図書館の耐震診断は平成9年3月に実施されており、神奈川県西部地震、これは震度6強の想定でございますけれども、この神奈川県西部地震相当の地震では、一部崩壊との診断結果でございました。また、平成21年9月のコンクリート強度耐力度調査では、現在の強度基準は満たしておりませんでした。市立図書館は史跡内の建物でございますことから、大規模な耐震工事は実施できないため、これまで、壁のひび割れなどの修繕やガラス窓の飛散防止フィルムの施工など、減災対応を実施してきたところでございます。

次に、城址公園内の施設移転についてでございます。城址公園内の施設の移転につきましては、平成5年に策定いたしました史跡小田原城跡本丸・二の丸整備基本構想では、市立図書館や梅林駐車場など13の公共施設が移転対象となっております。現在、動物園や遊園地など規模を縮小してきたものや、歴史見聞館等機能を変えて活用しているものなども含めまして10の施設が残存しております。施設の移転時期につきましては、文化庁の指導を受けまして、史跡小田原城跡本丸・二の丸整備基本構想に基づき、条件が整ったものから移転を行ってきたものでございまして、文化庁からは特に移転の期限は示されておりません。

次に、かもめ図書館の施設の修繕状況でございます。これまで施設の躯体にかかわるような大規模改修の必要性は生じておりませんが、設備関係につきましては、空調機器、放送設備、電話交換機などの改修や更新が必要となっています。小規模な修繕につきましては、随時必要に応じて修繕を行っているところであり、平成27年度の実績といたしましては、トイレ設備や照明器具の補修等がございます。

次に、消防署所の配置に係る課題への対応についての御質問でございます。消防署所につきましては、防災拠点としての機能を継続的に維持してまいりますため、老朽化や耐震上の理由などで早急な対応が必要となっている署所から、順次、適正な場所に再整備していく予定でございます。再整備に当たりましては、消防力を総合的に向上させるため、国から告示されました「消防力の整備指針」に基づき、都市形態の変化や市街地の形成状況、さらには外部調査機関による科学的分析結果を踏まえまして、各署所の受け持ち区域の見直しや消防署所の統廃合などによりまして、より効果的かつ効率的に消防署所を配置していきたいと考えています。

次に、(仮称)橘分署建設予定地についての御質問でございます。消防の広域化によりまして、中井出張所が新たに本市消防の署所となったことで、橘地域では、消防車や救急車の現場到着時間が短縮するなど、消防対応力が向上しております。消防署所の再整備につきましては、昨年に策定いたしました小田原市消防計画の中で、消防署所の適正配置の推進など、一定の方向性をお示ししたところでございます。現在、既存施設の再編などによります配置の見直しを含めて、具体的な検討を進めているところでございまして、(仮称)橘分署建設予定地につきましても、この検討結果を踏まえて適切に判断してまいりたいと考えております。

次に、橘商工会の移転要望についてでございます。現在、消防署所の適正配置について具体的な検討を進めている段階であり、(仮称)橘分署建設予定地の活用については未定の状況にございます。本市といたしましては、橘商工会がこれまで行ってきた地域に密着した振興活動や地域福祉の向上に対する取り組みは、大きな貢献であると受けとめております。当該用地が他の用途への検討ができるようになった際には、橘商工会の要望に沿えるよう必要な協力を行ってまいりたいと考えております。

以上をもちまして、26番加藤議員の御質問に対する答弁とさせていただきます。

◆26番(加藤仁司君) 一定の答弁をいただきましたが、再質問させていただきます。順番は3、2、1ということで、逆からさせていただきます。

まず、(仮称)橘分署についてなのですが、私はこの質問をちょうど昨年のこの6月にさせていただきました。そのときには、市長から、これから小田原市消防計画ができますと、そこではっきりしますから待っていてくださいということで、1年待って同じ質問をしたのですが、今度は消防署所の適正配置を今検討中だということで、それこそ前向きな答弁をいただけると思ったのですけれども、また同じ答弁になった。それは本当に残念なことなのですけれども、消防署内で今、署所の配置について一生懸命検討されているというように私は解釈をいたしますので、昨年と同じ回答があったということだけでおしまいにはしたくないので、一つ質問させていただきます。

今申し上げましたとおり、この(仮称)橘分署建設予定地、この土地を、消防署所の再配置計画の中で消防署が使わないということが決まった場合、計画の破棄、そしてその後の活用についての考えを打ち出すまでの経緯と、それに要する期間はどのくらいなのか、それについて伺います。

◎副市長(加部裕彦君) (仮称)橘分署建設予定地の件につきましての再質問に私から御答弁申し上げます。

当該地を消防署として使用が見込まれなくなった場合には、これは期限がなかなか申し上げられませんが、速やかに、庁内で利活用の調査をした上で、その後に活用等について決めることになります。その際には、橘商工会の移転要望も考慮しながら判断してまいりたいと考えております。

◆26番(加藤仁司君) (仮称)橘分署については、とにかく実現できるよう要望いたしまして、この件についてはおしまいにします。

次に、図書館についてなのですが、それぞれ項目ごとに質問させていただきましたが、一括して伺いたいと思います。

現在の市立図書館、これは城址内からの移転に努めるようにということを言われているわけなのですが、今御答弁のように期限は示されていない。しかし、そこに残されている、今ある市立図書館についてはかなり老朽化が進んでおり、また、耐震のほうも大変心配な状況にあることは十分承知しております。また、その市立図書館の閲覧・貸し出し、これについての機能は駅前に持っていくということは既定の方針でありますという答弁をいただいたところであります。ただ、課題として、この図書館をこれから新たに移転等する場合には、やはり先ほど言いましたように、最近の図書館というのはどうしても若年者の利用が少ない。そしてまた、今さまざまな情報収集能力の高い機器によって、若い人たちはそういったことをかなりの人が利用している。そういったことで、これは本当に加速していくだろうというふうに思われます。例えば、駅前にそういった図書機能を持ってきたときに、所管のほうでは、前の委員会等の説明でもありましたが、多少、図書館利用をすることによって近くのお店を使うとか、また飲食店に入るということで、経済効果といったこともありますということも触れられているのですけれども、果たしてどこまでそういった経済効果が見込まれるのかというのもちょっと半信半疑の気持ちがあります。

ここで改めて伺いたいのは、これは思い出話になりますけれども、皆さんも恐らく学生のころ、もう今はなくなりました神奈川県の青少年会館、俗にあおかんとよく言われていたのですけれども、このところを利用された方は多いと思います。そのときには、特に図書を借りることもなく、静かな環境の中で勉強していた。こういったことを経験されていると思います。今その機能というのは、ちょうど私も、おだわら市民交流センターUMECOができて1階のところを歩きますと、オープンスペースですか、そういったところが今言った青少年会館の機能、こんな形で使われている。本当に静かな環境の中で、学生だと思われる方々が自分で勉強している、こういうようなことを見ました。駅前の図書施設でも、先ほど言いましたいろいろな意見の中には、そのように静かな図書館が欲しいという意見があったり、やはりこれからにぎわいを創出する駅前にある図書館だから、もっとにぎわいを出していく、こういう図書館にしたい、こういう意見もあったり、また、片や児童向けの図書館に特化すべきだ、このようなさまざまな意見がありました。先ほど申し上げました検討案では、図書館という記載だけしかありません。今言いました、市民のさまざまな図書館に対しての意見、これをどうやって集約するのか。意見調整をどのように図って、そしてどのような機能を持った施設にしたいと考えているのか。これについての見解を伺います。

そしてまた、図書館ですが、全国的にも今、図書館の運営は民間が行ったり、公が行ったり、さまざまな方式があるわけなのですけれども、現時点で運営方式についてどのような考えをお持ちなのか伺います。

そしてもう一つ、先ほど言いましたように、小田原駅東口お城通り地区再開発事業広域交流施設ゾーン整備実施方針の検討案の3、これにおいては、社会資本整備総合交付金を見込んでいるということであります。これはどのように試算されているのか、また、図書館機能に対する交付金の見込み額はどのくらいなのか、お示しをいただきたいと思います。

◎文化部長(関野憲司君) 駅前図書施設に関連して、最初の2点につきまして私から御答弁をさせていただきます。

市民意見の調整をどのように図り、そしてどのような機能を持った施設にしたいのかという御質問でございました。駅前図書施設の整備に関しましては、26番加藤議員がただいま紹介していただきましたように、これまで多くの市民等からたくさんのさまざまな御意見をいただいております。現在は、これらの市民意見を踏まえまして、図書館協議会やあるいはコンサルタントから助言等をいただいているところでございまして、これらを参考に検討を重ねているところでございます。駅前図書施設の機能につきましては、「出会う図書館」をコンセプトに、利用者の拡大、次世代の育成、まちの活性化の三つを役割の柱としておりまして、これらを具現化できるよう設備や空間を整備していきたいと考えております。

それから、2点目の運営方式でございますが、運営方式につきましては、市直営、民間事業者への委託、指定管理者制度の導入が考えられますが、これらのうち、駅前図書施設の運営管理にふさわしいものはどれか、ふさわしいものを導入していけるよう、これも検討してまいりたいと思っております。

以上でございます。

◎都市部長(佐藤栄君) 残りの3点目になります。小田原駅東口お城通り地区再開発事業広域交流施設ゾーン整備実施方針におきます社会資本整備総合交付金についてのお尋ねでございます。実施方針の中で、今御指摘のございました検討案3、これについてでございますけれども、これにおきまして国の交付金の対象となりますのは、公共・公益施設の整備費ということでございまして、その補助率といいますか、交付率ですね、5分の2の交付金額として約4億5000万円が見込まれているというところでございます。そのうち図書館に係る国の交付金額でございますけれども、約1億円ということになっております。

以上でございます。

◆26番(加藤仁司君) 再質問に対しての答弁をいただきました。

4月の建設経済常任委員会の中で、今ちょっとお話し申し上げた広域交流施設ゾーンの整備、これに予定しておりますコンベンションについていろいろと質疑があったわけであります。執行部のほうからは、市の負担を極力抑えていきたいという答弁もいただいたと記憶しております。これは、今回質問いたしましたこの図書館にも当然当てはまるものだと思うわけなのですけれども、先ほど来申し上げたとおり、昨今のニーズ、対象年齢層とか、また、どのような利用者をまず中心に整備をするのか、こういったところが示されれば、図書館の形態というのはいろいろ変わってくるのではないのか、そのように思います。

今、文化部長のほうから御答弁もいただいたのですけれども、やはり意見がさまざま出ている。今回、多くの議員が質問しています芸術文化創造センター、これもいろいろな意見があるわけです。図書館も今本当に同じような状況で、さまざまな意見が、それも180度全然違う。先ほど言いましたように、一つは静かな空間が欲しい、もう一つはにぎわいが欲しい、そういう180度違うような意見が出ているものを調整するというのは本当に大変なことだと思うのです。この作業はどのようになるか、正直こちらのほうも予想がつかない、こんな状況です。そして、今御答弁にあった、「出会う図書館」を方針としているということは、この計画の中に載っているのでわかるわけなのですけれども、ただ、「出会う図書館」という言葉は出ますけれども、これから空間整備を図ります、また、運営についてもこれからふさわしいものを検討していくという答弁で、まだまだ何か具体的なものが全然示されない、これが今の状況ではないのかなと思います。やはり、今のこの状態を、早く具体的な姿、これを示すべきだと思うのですけれども、これについての御見解を伺いたいと思います。

◎文化部長(関野憲司君) 駅前図書施設につきましての再度の御質問でございます。こちらのほうにつきましては、現在提案を募るような形になっているわけでございますが、床面積等につきましてもどのような提案になるのか。その中で、基本的なところにつきましては、こちらのほうも要求水準というような形で絞ってきております。ですから、全く真っ白ということではございませんで、駅前に置かれるべき機能という点につきましては、ほぼその方向性は決まっているわけでございますが、それをどの程度の規模にするとか、その辺のところを含めまして検討を進めているというところでございます。

以上でございます。

◆26番(加藤仁司君) 図書館については、ただ早い整備だけではなくて、さまざまな意見の集約をしながら慎重に進めていただきたいと思います。

それでは、最初の大項目の1番目の再質問をさせていただきます。

この地域コミュニティ組織、俗に今、まちづくり委員会という名称を使っているところが多いのですけれども、前期基本計画が終了する前に地域コミュニティ組織が全地域で立ち上がったということで、これは市長も大変満足されているのではないのかなと思うわけであります。

数年前を振り返りますと、総合計画審議会、これは私も委員だったのですけれども、その当時は、地域運営協議会という言葉の中で、小学校単位でつくりましょうというところが最初にありました。しかしながら、その後、自治会単位とすることになりましたけれども、このときの議論で、あのときは平成の大合併が全国でいろいろとありました。この合併によって、今まであった市とか町、それぞれがやはりコミュニティ組織があった、これが一つの市や町、大体市になったということで、ばらばらであったコミュニティ組織を一つにまとめる、このための部分として地域運営協議会という形でつくっているところが幾つかあった。これを市のほうでも導入しようというお話があったので、いや、小田原市はこの平成の大合併で合併したわけではない、単独で小田原市として自治会もあるし、それぞれの各種団体もみんなそれぞれで活動している。こんな中で、また屋上屋を架すといいますか、自治会にかわるか、それを含めるか、どちらにしても新しい組織をつくる必要はないのではないか、こんな議論をした経緯が思い出されるわけであります。

しかし、今申し上げたような中であっても、ここでまちづくり委員会が誕生して、先ほども、さまざまなまちづくり委員会からの取り組みが示されたということを申し上げました。さらには、新規の取り組みというのは、約5割が新規の取り組みをこれからされるということで、これは市長が日ごろから言われている、市民の市民力というか地域力というか、こういったものの集大成というか、そういった力強さを正直感じました。

そこで、全地域に網羅されたコミュニティ組織でありますけれども、この組織がこれからどのような組織になってほしいのか、これが1点。

それから、地域コミュニティの推進に向けまして新たな事業展開を行う委員会に対して、先ほど答弁いただいた酒匂・小八幡地区や富水地区の委員会のように、ほかの地域では負担額の増額、これができるような形があるのか。それについての御答弁をいただきたいと思います。

◎市長(加藤憲一君) 今回、地域コミュニティのことを比較的正面から取り上げていただいて、ありがたく思っております。

今、26番加藤議員が振り返っていただきましたように、当時は、この件につきましても、議会の中でもいろいろな御意見がありましたし、私どももまだ始めたばかりで、これがどういうふうになっていくのかということは、正直申し上げて、職員のほうもやってみてどうなるかというところは正直あったわけですから、なかなかここの議論でも煮詰まらなかった記憶がございます。また、今おっしゃるように、屋上屋を架するだけではないかといった御意見もあって、そのあたりはとにかく実績を積んでいくのだということで、この数年間、一生懸命取り組んでまいりました。結果として、御承知のとおり、昨年度の末に26地区すべて地域コミュニティ委員会が立ち上がりました。これについては、当初の構想としては、地域の中にあるさまざまな課題を、従来その担当であると思われていた団体だけがやるのではなくて、地域の中にあるさまざまな団体がその問題を共有することによって、よりその地域らしい課題解決ができるようにということで、地域コミュニティ委員会、現在でいうまちづくり委員会を立ち上げていこうということで動いてまいりましたが、これは登壇でお答えしたように、確かに地域別計画も時間差がありましたし、そのでき上がって動いている取り組みも、分科会形式をとっているところもあれば単独のところもあるし、時期も数年タイムラグがあって走っていますので、マラソンでいうとレースが延びているような状況にあるのですけれども、そうはいっても、皆さんがそれぞれの形で動き出しているということは大きな意味があるというふうに思っています。

したがって、今後どういった組織を目指したいかということにつきましては、人口の規模も違いますし、土地柄も文化も全部違う中でありますので、それぞれにおいて到達点の具体的な姿は多分違ってくると思いますけれども、共通して言えることは、地域の中のいろいろな課題を、それぞれの地域の主要構成メンバーがきちんと一堂に会してテーブルに乗せて、みんなで議論してみんなで課題解決の道を見出してともに動いていく、こういうことができるような組織への進化を当然私たちは願っております。また、それを支えていく上での財源ですとか組織体制ですとか、また行政からのバックアップ体制、あるいはその活動に必要な拠点のあり方、こういったこともワンセットにして各地域が一定程度持てるような方向を、私たちは当面目指していきたいと思っていますので、そういう意味で、今、最終到達形という言葉を私は使っていますけれども、一つ目指すべき姿というものを、仮説を置きながら、短い期間の中でそこに向かっていきたいというふうに作業をしているところでございます。

私からは以上です。

◎市民部長(諸星正美君) 26番加藤議員からの再質問の2点目につきましては、私から御答弁申し上げます。

地域コミュニティ組織に対する負担金の増額に関する御質問でございました。先ほど市長からも御答弁申し上げましたように、富水地区や酒匂・小八幡地区のように、地域コミュニティ組織が複数の分科会に分かれまして、地域の課題解決のために事業を具体的に展開されている場合には、各分科会に負担金の支出することでさらなる支出支援をすることとしているものでございます。したがいまして、富水地区、酒匂・小八幡地区に限らず、他の地区の地域コミュニティ組織につきましても、各分科会の取り組みが今申し上げましたような要件を整えている場合には、翌年度から負担金を増額させていただきたいと考えております。

以上でございます。

◆26番(加藤仁司君) 次に、組織内の活動の情報交換に移ります。これは市長の御答弁が今ありました。とにかく、各団体の問題点を共有するのが大事だということは本当に感じております。実際、これは各地区もそうかもしれないのですけれども、例えば健民祭が各地区で行われておりますけれども、なかなか選手の集まりが悪くなってきたり、また、地区によっては、今まで単独の単位自治会で出ていたところが、もうどうしても選手が集まらないということで合同でやるとか、やはり形態が変わってきているところも幾つか感じております。また、各種の委員、例えば民生委員児童委員とか、いろいろな地区で自治会長推薦で出す、こういったところも、この人選ということでなかなか御苦労されているという話をよく聞きます。こういうことから、今取り組みの部分については、先ほど言った表にはいろいろと書いてあるのですけれども、まずその前に、やはり一つの理想というか、現実にしてもらいたいのですけれども、各自治会内にある各組織の情報交換の場、これをまず第一につくらなければならないと思うところなのですけれども、それについての御所見を伺いたいと思います。
◎市民部長(諸星正美君) 26番加藤議員からの再度のお尋ねでございます。地域コミュニティ組織内の情報交換の場についての御質問でございました。地域コミュニティ組織におきましては、組織内にあります多様な団体の代表者が一堂に会しまして、さまざまな情報交換や事業等について話し合いをされましたり、合意形成を図ることが大変重要であるというふうに認識しております。今後も、より多くの関係者が一つのテーブルを囲むような場をつくることで、地域内の組織間の情報交換等がさらに発展していきますよう、市としても御支援してまいりたいと思っております。

以上でございます。

◆26番(加藤仁司君) ぜひとも各地区で情報交換の場が広がればと思うところであります。

次に、自治会への委託料に関して、この算出根拠の答弁をいただきました。ちょうどこの6月定例会の前のときに、ごみの集積場所管理等協力金については自治会加入世帯分だけしか出されていないということで、この集積場所については、自治会の加入者、未加入者も含めて出されているのだから、この協力金をちょっと上げてもいいのではないか、こんな陳情も出されたわけでありますけれども、日ごろを見てみますと、自治会長のほうは、決められた集積場所、ここについて、例えば、生ごみなどはカラスや猫が散らかすということもあって、ネットを張ったり、また、汚れたところを掃除したりということで、その管理を日々されているわけです。そういったことをされていながら、今申し上げましたように、この協力金をいただいている根拠となっている自治会の加入者の部分だけしか協力金が払われていない。でも、そこのごみステーションを自治会未加入者の方も今は使っております。使うなとは言っているわけではないし、実際にそこのステーションにごみを出されているという現実がありますので、この協力金については、自治会未加入者の世帯分も含めた算出方法に改めたほうがいいのではないのか、そのように思うのですけれども、それについての見解をいただきたいと思います。

◎副市長(時田光章君) 自治会活動支援事業に関しまして、ごみ集積場所管理等協力金についての再質問がありました。本市といたしましては、住民が自治会に加入し、地域のつながりの中で生活していただく、そういうことを基本と考えております。自治会の未加入者からごみ集積場所の利用についての問い合わせがあった場合には、自治会がネットの管理や清掃等をしていることをきちんと説明申し上げまして、利用のルール等につきまして自治会と話し合うように進めているところでございます。また、ゴミの集積場所管理等協力金の算出方法につきまして、小田原市自治会総連合からは、日ごろ自治会への加入を呼びかけているところでございますので、この協力金に自治会未加入者分を含めることは、未加入状態の容認につながるおそれがあるとの考え方が示されております。本市といたしましては、自治会総連合のこの考えも参考に、総合的な判断となりますけれども、現在のところ、協力金の算出方法を変更するという考えには至っていないところでございます。御理解をちょうだいしたいと思います。

以上でございます。

◆26番(加藤仁司君) 今、副市長から御答弁があったように、これを認めるということになると未加入世帯を容認するというふうに思われる、これは自治会総連合の考えもよく理解できるわけであります。ただ、先ほど登壇での質問の答弁で、年度内の自治会の増減、これについてもあくまでも4月1日の基準日で決めているということなのですが、地区によっては、最近は余りないかもしれませんけれども、この1年間によって、例えば自治会加入世帯が多くなったとか、また逆に少なくなったとか、かなり極端な形があったときには、やはり自治会のほうも「それに応じた対応を」という声も上がってくるのではないのかな、そのような思いもあります。果たして1年間の基準日を4月1日と決めるだけでいいのかどうか、そういったことも含めて、また見直しといいますか、検討する、こんな機会もあってもいいのではないのか、そのように意見だけ申し上げておきます。

次に、地域別計画についてなのですけれども、きょう冊子は持っていないのですけれども、372ページにわたるかなり立派な冊子なわけなのです。ただ、この冊子を見ますと、やはり各地区で、例えば防犯とか防災、これについては共通した課題、皆さん取り上げているわけです。しかしながら、この様式が統一化されていないがために、それぞれの地区がそれに取り組んでいますということが出てはいるのですけれども、どこの地区に、どのページに、どういうふうに載っているというのが一目ではわからない、そういう状況がありました。私が思うには、そういった共通の話題というか課題は、一つの様式化して、今度、平成29年度に策定する後期基本計画に合わせた地域別計画、これがされるときに、やはり共通のものについては必ず計画の中に盛り込むという形をつくって、それ以外は地域特有の計画をつくる、このような、今度の地域別計画についてはめり張りをつけたような形での計画書になってもらいたいと思うのですけれども、御見解を伺いたいと思います。

◎副市長(加部裕彦君) 今回の地域別計画の見直し方法についてのお尋ねでございました。前回の地域別計画は、多くの方の意見を聞きながら検討いたしました結果、多岐にわたる分野の課題を取りまとめていただきました。一方、御指摘のとおり、防災、防犯や福祉などの生命や安全にかかわる課題は、従前から全地域で優先的に取り組まれているところでございます。今回の計画の見直しに当たりましては、ただいま26番加藤議員御指摘の意見も参考にさせていただきながら、地域の実情に合わせた作業が進められるよう、市としても地域ごとに支援してまいりたいと考えております。
◆26番(加藤仁司君) それでは、最後の子ども会の支援についてなのですけれども、先ほど、子ども会への促進活動の一環として、幼稚園、保育園への加入促進をしているという答弁をいただきました。イメージ的には、子ども会というと小学生対象のようなイメージを持つのですけれども、俗に言う幼児も子ども会入会という形を、こちらを見ればとったほうがいいかなとは思うのですけれども、子ども会の対象年齢についての規定というのがあるのかどうか、それについて伺いたいと思います。
◎子ども青少年部長(山崎文明君) 子ども会の入会、対象年齢の規定等につきましてお尋ねがございましたので、答弁させていただきます。

本市には、子ども会を対象といたしました統一的な入会規定等は、小田原市子ども会連絡協議会を含めまして、その定めはございません。しかし、単位や学区連合の子ども会によっては、地域の子供たちへの活動の場を広く提供し、地域に根差した活動ができるよう、小学生のみならず、その兄弟である未就学児や中学生も参加できるという工夫をしているところがあると伺ってございます。

以上でございます。

◆26番(加藤仁司君) 3月そして今回と、子ども会自体がかなり休会しているところが多くなっているということを取り上げさせていただきました。橘北地区においても今年度いっぱいで休会するというところがあるということで、急遽まちづくり委員会の懇談会という形の中で会合を持ちました。この中で、さまざまな子ども会の連合会の会長から実情をお話しいただいて、そしてまた各団体からいろいろな意見が出されて、その必要性についての訴えをされたところであります。

その中で、一つ提案がありました。子供たち、これは地域に住んでいれば当然地域の子供であって、今ある子ども会自体に入るとか入らないとか、そういった形で、今までは入るか入らないかの意思を確認して入会とかを決めていたと思うのですけれども、やはり子供の部分を考えると、例えば、自治会に入っている人の世帯の子供は、当然子ども会の一員だというような形で位置づける、こういったところをまずしてみれば、例えば役員になりたくないというような親御さんがいたとしても、地域がそれをバックアップする。例えば、役員は地域の自治会長もしくはPTAとか、子ども会のOBの方とか、そういった方がやはりバックアップして、何とか子ども会を存続して、そういった場に子供も参画してもらう。こういったところで、ある面緊急避難的なものかもしれませんけれども、そのようなことをまずしていったらどうか、このような提案がありました。細かい部分で問題があるところもあるかもしれませんけれども、例えば、自治会の世帯イコール子ども会の会員、こういった考え方について御所見がありましたら伺いたいと思います。

◎市長(加藤憲一君) ありがとうございます。

子ども会の会員数の低下には、御承知のようにいろいろな背景がございまして、まずはやはり家庭の中での世代の減少といいますか、おじいちゃん、おばあちゃんがいなくなって、御両親とお子さんだけということで、あるいはシングルということで、そもそも背景が変わってきたということと、子供の多忙化ですとかがあって参加が物理的にできないということもある。あと、大きいのは、御指摘のとおり、加入した会員の保護者は役員が回ってくるので、これは負担が大きいということで避けるということ、これは結構大きな要素だというふうに認識しています。また、当然のことながら、いろいろな活動をするときの受け皿、地域の側の受け皿の問題もあろうかと思います。いろいろな要因がふくそうしていますけれども、私自身も以前に子ども会の会長を自分でやっている中で感じて、そういった経験を踏まえて、こうしたらいいのではないかと思っていることは、今26番加藤議員が御提案のこととかなり近いものがございました。

これは私見ですけれども、例えば、自治会の子ども部のような形にしてしまって、おっしゃるとおり、そこの地域にいる子供たちは自動的にそこの子供のグループに入っているのだというふうにやってしまうことがいいのではないかということと、あと、お子さんのお父さんやお母さん、多くの場合お母さんですけれども、お母さんが役員をすることが非常に負担だということで入らないというケースも多いので、そうではなくて、地域にいつもいらっしゃる方、例えば、野菜の畑をいつも面倒を見ている方がいらっしゃって、そこに行けば、お母さんが行かなくても必ず地域の方が面倒を見てくれるというような、要は地域のほうで子ども会の活動の受け皿を固定につくってしまっていけば、年々の役員の負担は減っていくだろうということですとか、いろいろなことを私も考えています。そのようなことも含めて、やはり地域の中で子供というものは不可欠ですし、子供が地域に帰属意識を持っていないと、大人になったときに高齢化した地域を支えてくれる人材にも向かっていきませんから、やはり地域として子供をコミュニティにしっかりとどめておくということはとても重要な課題だと思っていますので、そういう意味で、自治会という観点で子供のことを考えるということは、やはり自治会の皆さんとも議論しなければなりませんけれども、踏み込んでいくべきだというのが個人的な考えです。

そういった中で、小田原市でも、自治会加入を促す啓発のチラシに子ども会の紹介もあわせて掲載して配布しているところもありますし、また、例えば富水地区などでは、いわゆるスクールコミュニティのチラシの中に、要するに地域が発行するチラシの中に子ども会情報が入ってきたりだとか、そういったこともやり始めているところもありますので、子ども会が単独で存在して活動するのではなくて、地域の中の一つとして動いているという状況をつくっていくということ、これは非常に重要だと思っています。そういう意味で、自治会が子ども会にかかわっていく、あるいは自治会が子ども会を支えていく取り組みについては、我々も自治会の皆さんとも議論しながら研究が進められればと思っています。

以上です。

◆26番(加藤仁司君) 子ども会に対しての考え方は大変市長と近いなということを感じたわけであります。

今回、地域コミュニティに関しての質問を幾つかしてきたわけなのですけれども、これは、将来にわたって地域の担い手となります子供が、どのようにして、郷土そして地域の中で関心を示して、またはぐくまれていくのか、こういった観点でいろいろな質問をしてきたつもりであります。

先ほど、まちづくり委員会がさまざまな今取り組みをされているということに敬意を表しているわけなのですけれども、まちづくり委員会に参加している方は、大変失礼なのですけれども、それ相応の年配というか、年なわけです。私もその一人になるかもしれませんけれども。

昔の話をして恐縮なのですけれども、昔は学校から帰るとランドセルを置いてそのまま遊びに行って、日が暮れるまで遊んでいた、このようなのが日常でありました。そういった中で、例えば草野球をやっていれば、ボールが畑に入れば怒られたり、河原で遊んでいれば、危ないからということで注意されたり、これも本当に日常でありました。しかし、私も地域のパトロールを今やっていますけれども、子供を全然見ないのです。公園にも見ないし、全然見ない。時間帯にもよるかもしれないのですけれども、休みの日でも見ない、そんな状況というのが本当にいいのかなと思っているところであります。

ただ、現在はいろいろな社会環境がちょっと悪化しまして、不審者情報、こういったものもありますし、また交通事故の心配もあります。親御さんからしてみれば、子供はやはり安全なところにいてもらいたい。これは気持ち的には十分わかっておりますし、放課後児童クラブ、きのうも質問がありましたけれども、それについてもそういう気持ちも一面ではあるのかなと思います。しかしながら、先ほど出ました子ども会の退会、また放課後児童クラブの話もありましたけれど、これも、どちらかというと子供の気持ちというか、子供の意見を聞いた上でしているのかというのがちょっと疑問なのです。一つ、これは大人の都合の中でそうしているような感じがしてなりません。先ほど市長のほうからも、役員をちょっと回避したいというような事情も十分承知しているということもありました。こういう大人の都合自体がこれは違うのではないかと、私はあえて指摘させていただきます。

先ほど申し上げました地域の防犯活動も、実は地域全体の防犯でもあるのですけれども、子供が学校を終えて、日が暮れるまで公園とか自分たちでつくった遊び場で伸び伸びと遊んでもらいたい、それを我々大人というか地域の大人が見守る、こういった姿をやはり実現したいがために、皆さんそれぞれボランティアで活動していると思うわけです。やはり地域の中の子供ということで、地域との接点、これがなくなってしまうということは大変困るわけであります。この子供たちが地域に関心を持つ、これがイコール自治会の部分も存続する、こういったところにつながると思いますので、いろいろと質問させていただきましたけれども、最後にそのような意見を申し上げまして、終わらせていただきます。