平成28年12月議会一般質問

2016年12月01日

◆26番(加藤仁司君) 通告に従い順次質問してまいります。

初めに、三の丸地区における周遊拠点整備方針の見直しと整備計画策定について伺います。

既に多くの議員から、このたびの芸術文化創造センター整備計画の整備方針見直しについての質問がなされておりますが、長年、本問題に対する審議を行っていた側からして、もう一度、時系列を追って今に至る経緯を述べたいと思います。

昭和61年9月、小田原市総合計画である「おだわら21世紀プラン」が策定され、その中に、市民会館建てかえの検討を位置づけたことを始まりに、平成2年、県と市が共同で調査した「小田原市本町周辺地区活力あるまちづくり促進調査報告書」が提出され、現市民会館の施設面・機能面での老朽化の進展が顕著なことから、小田原市民会館整備検討委員会の設置を機に、新しい市民会館建設の機能などが協議され、平成4年に「小田原市民会館整備に関する調査報告書」が取りまとめられました。新たなホールの正式な計画区域の決定がいつされたのかは定かではありませんが、平成11年に旧県工芸技術センター跡地を小田原市土地開発公社が神奈川県から先行取得し、平成12年からは3年間にわたり(仮称)城下町ホール建設市民委員会の設置。平成15年に同委員会より報告書が提出され、ホールの機能面・運営面への提案が出されました。そして平成16年に、本市は(仮称)城下町ホール基本構想策定に着手し、翌年、基本構想を策定。この基本構想に基づき、公募型によるエスキースコンペ方式により設計者が選定され、翌平成18年、基本計画、実施計画着手により、平成19年に実施設計完了となりました。同時に、平成18年には消防分署の再配置計画により、中央分署が移転し、平成19年、小田原警察署跡地と本町交番跡地の取得により、計画区域の公有地化が順次図られ、(仮称)城下町ホールの用地確保は完了となりました。また、(仮称)城下町ホール管理運営検討委員会も組織され、平成19年度中の建設工事着工、平成21年度開館を目指したものの、かかる事情により入札事務は行われずに市長選を迎え、現加藤市長が当選されたわけであります。

加藤市長は、当選直後の6月議会で、城下町ホール改め市民ホールは、再開発予定地の小田原駅東口駅前、三の丸の城下町ホール建設予定地には博物館、美術館、図書館、物産センターなどの施設を建設し、交流人口増を図りたい旨の所信表明を行ったのですが、その後、同年8月末の議員説明会において、市民ホールを再開発予定地の小田原駅東口駅前に移す考えを撤回し、当初の建設予定地である三の丸地区に戻すことを表明されました。

そして、市民ホール整備は小田原駅・小田原城周辺まちづくり検討委員会による協議に諮り、その報告を受け、三の丸地区における周遊拠点整備方針を確定し、市長の示す立地と機能の組み合わせ案の実現を図るため、平成21年より周辺用地を拡張し、同年、市民ホール建設準備会が設置され、市民ホール基本構想案を市長に提出。平成23年には市民ホール基本構想の策定を受けて、市民ホール基本計画策定専門委員会並びに市民ホール基本計画市民検討委員会の協議により、平成24年に市民ホール基本計画、平成25年、管理運営基本計画が策定されたわけであります。

また、平成24年に、今までの「市民ホール」という呼称を「芸術文化創造センター」とし、平成25年3月には、基本設計デザインプロポーザルによる設計者選定が行われ、基本設計を行い、続いて実施設計確定の後、平成27年に建設工事の入札を行ったものの、1社が入札し、予定価格を大幅に上回る額であったために不調となり、この11月に、改めて市長から今後の整備方針についての説明があったところです。ホール建設に係る時系列だけでの説明は、このように長時間にわたりました。

そこで幾つかお尋ねいたします。初めに、既に数人の議員からも御質問がありましたが、今後の整備方針で市長が説明した「シンプルで使いやすいホールを造る」という原点に立つという原点は、今とうとうと述べましたどの地点のことを指すのでしょうか、まず1点お伺いします。

さて、ここでまず指摘しておきたいことがあります。平成2年の「小田原市本町周辺地区活力あるまちづくり促進調査報告書」から、平成24年に策定された市民ホール基本計画に至るまで、その策定にかかわっただれもが、そして報告書や計画に示される三の丸地区における土地利用に共通している事項として、当地区を文化拠点として位置づけることにより、にぎわいを創出し、回遊性を高め、市域全体の活性化に寄与すべく整備するコンセプトはほとんど同じで、そのシンボルとしてホール建設を位置づけていることであります。

議員説明会資料では、「整備内容の一部機能を民間再開発事業の中で規模や配置等整備の可能性を検討・調整する」とされていますが、これはどの機能を分散するのかはっきりしておりません。コンセプトの大もととなるべく機能がもし分散配置されるようであれば、それは基本計画どころか、永年にわたって議論され続けてきた、さきに述べたコンセプトに反してしまうことになりはしないかと危惧するところであります。この一部機能の内容を、どこにどのように調整されるのかお示しください。

先日、小田原箱根商工会議所70周年記念事業開催のときに、「~世界を感動させる歴史・文化テーマパーク~として世界文化遺産を目指す『平成の城下町・宿場町構想』」が配布されたようであります。市長もごらんになっていると思いますが、まさしく城下町風情あふれる実におもしろい構想であり、拝見した私も思わず見入ってしまいました。現実的かどうかは別といたしまして、小田原に居住する者、小田原を訪れた観光客、たまたま小田原駅でおりた人、それぞれの人々がこの構想を見たときに絶対わくわくするのではないでしょうか。今、小田原に欠けているものは何でしょうか。入札不調で、いつできるかわからない市民ホール問題が目の前にあったとしても、将来的にはこんな風景が描かれ、そしてそこに自分が立つことができるという期待感、わくわく感が必要なのではないでしょうか。

さきの説明資料では、小田原法務合同庁舎敷地の一部と市民ホール建設予定地の一部交換により、市道0003のお堀端通り沿いに可能な限り空地を確保する協議が進められているようです。小田原城正規登城ルートへの動線、あるいは、にぎわい創出の拠点としての活用が図られる可能性もあり、その進展に大いに期待をするものであります。三の丸地区には民間所有の土地や建物、公共建物も存在しているわけでありますが、さきの平成2年の「小田原市本町周辺地区活力あるまちづくり促進調査報告書」では、三の丸地区内の移転が望まれる施設として法務局庁舎を初め8施設が掲載され、そのうち、警察署など4施設は既に移転されている状況でありますが、それ以外の動きが見られないのは、そもそも三の丸地区における整備計画がないのが原因であると考えます。

そこで、さきの小田原法務合同庁舎敷地交換の実現が図られた際には、新たな周遊拠点整備の方針を立て直し、将来的な整備計画の策定を行うべきではないかと思うのですが、市長の御所見を伺います。

さらに、当該地区には現在の市民会館があります。市民会館建てかえ後の整備については、以前より駐車場への転換が図れられるとされています。また、平成25年の小田原駅東口お城通り地区再開発事業駐車場施設ゾーン整備基本計画策定の際には、小田原駅前の幾つかの商店会や自治会から、現小田原駅東口駐車場建設に関して大型バス駐車場整備も含め計画再検討の陳情が出され委員会で審査された際、執行部からは、現市民会館用地を初め、三の丸地区全体で観光バスを受け入れる機能を考えているとの説明もありました。現市民会館跡地利用についても、口頭の説明はあっても、正式な整備計画に基づくものではないため、その都度、状況によって変わってしまう可能性もある。ここはしっかりと整備計画の中に記す必要があると思いますが、現市民会館跡地利用についての御見解を伺います。

次に、ハード整備及び回遊動線について一括で伺います。

既に各議員より議論のある市民ホール建設に際し、建設費の減額と整備内容の見直しは当然事業規模の縮小につながるものであり、当初の計画で進められた歩行者動線や道路形態、区画なども変更されるものであると推察されます。そこで、これらの整備については今後どのようになるのか。また、文化の拠点施設として整備予定である市民ホールから、小田原城址、かまぼこ通りや板橋地区等の歴史的風致エリア地区への回遊、小田原漁港へのルートなどの動線についてはどのように考えておられるのか、あわせて伺います。

次に、大項目の2、本市の住宅施策について伺います。

俗に2025年問題と言われる、超・超高齢社会の到来が近づきつつある今日、住民の生活形態も大きく変わりつつあります。少子化や核家族化の進行により、老老世帯や独居老人の増加、高齢者がともに介護する老老介護。人類が体験したことのない時代に、生活の基礎となる要件の一つである住について、本市が提供する市営住宅について、まず質問してまいります。

本年11月14日に開催された市営住宅入居公開抽選に建設経済常任委員会委員であることから、立会人の一人として出席いたしました。今回の募集住宅は、家族向けが9戸、家族・単身者向けが9戸の合計18戸のうち、考査の8戸を除く10戸の抽選が行われました。数年前、同様に抽選会の立ち会いをした際には、会場である市役所7階には多くの入居希望者と思われる方々が集まり、抽選の行方をかたずをのんで見守る姿に接してきたものでありますが、今回は募集住宅が少なかったせいか、いつもは数十脚並んでいる机も数脚にすぎず、来場者も10人程度と、その人数の少なさに驚きました。それぞれの住宅に対する希望者番号を抽選箱に入れる作業が行われるのですが、今回、募集住宅に対して一番高い倍率は「蛍田住宅1階」の7倍で、そのほか4倍、3倍、2倍がそれぞれ1件ずつ、総数10件のうち、希望者なしが5件、1戸の案件に1件の希望で抽選なしで当選したところもありました。競争率数十倍にも及び、特に1階への希望者が圧倒的に高かったときに比べ、なぜ競争率が低くなったのか。さらには、今回、4階建ての住宅の1階が募集住宅であったにもかかわらず、希望者なしであったことには殊さら驚きました。

そこでお尋ねします。11月の市営住宅入居募集においては、なぜ入居希望者が少なかったのか、その理由について伺います。二つ目として、今年の6月の抽選を含む、昨今の入居希望者の募集状況はどのようになっているのか。三つ目として、現在の市営住宅の課題はどのようなものが挙げられるのか。四つ目として、平成26年3月の予算特別委員会分科会において資料請求された平成25年4月1日現在の市営住宅の状況一覧によると、既に半世紀を過ぎた住宅も見られるわけですが、そこで、相当な年数を過ぎた市営住宅は今後どうされるのか伺います。

さらに、平成18年度に改定された小田原市営住宅ストック総合活用計画期間が本年度末までとなっておりますが、来年度についてどうされるのか伺います。

次に、午前中、1番木村議員も触れられましたが、空き家対策について伺います。

人口減少や超高齢社会によって、空き家問題は防災・防犯・環境・衛生・地域の活性化・景観の保全の面で、地域住民の生活に深刻な影響を及ぼしており、国では、地域住民の生命、身体または財産を保護するとともに、その生活環境の保全、また空き家等の活用を促進することを目的とした「空家対策の推進に関する特別措置法」(以下、空家法)が成立し、平成27年5月に完全施行されたことは、さきに開催された総務常任委員会において説明されたところであります。その空家法では、空き家の所有者または管理者は空き家の適切な管理に努めること、市町村は空家等対策計画の作成及びこれに基づく空き家等に関する対策、必要な措置を講ずるよう努めることが示されていることから、本年7月に、学識経験者、弁護士、関係団体、自治会等から構成される「小田原市空家等対策協議会」を設立し、本市における空き家等対策を講ずるため、小田原市空家等対策計画策定に着手され、さきの総務常任委員会において小田原市空家等対策計画(素案)が提示されたところであります。

さて、本年3月の予算特別委員会において、今述べた対策協議会に対する予算並びに空家等実態調査委託料予算の説明があり、その中で小田原市空家等対策計画策定までのスケジュールが示され、それによりますと、実態調査は4月より8月末までであり、その後、10月末までにベータベースの作成。その間、7月に第1回目の対策協議会が開催され、来年1月に第2回目の協議会の開催となっております。

しかしながら、さきの総務常任委員会での所管事務調査において、「小田原市空家等対策計画の策定について」の質疑の際、今村委員より、現在、実態調査が終了していない時点での協議会開催への疑問が投げかけられました。確かに、私も第2回目の対策協議会は、実態調査結果に基づいた資料によって協議されると思っていたのですが、既に第2回目の対策協議会が本年10月31日に開催されていることから、スケジュール案には従っていないことがわかります。また、対策協議会第1回目の議事録では、アンケート調査結果は「10月報告は難しく、委託業者に確認する」としていますが、結果的に、第2回の対策協議会ではアンケート調査の完全集計にまで至っていませんでした。

そこでお尋ねします。1として、予定どおり8月末に実態調査結果は集計されたのでしょうか。集計されたのであれば、速やかに対策協議会委員に報告すべきと思いますが、それがされていない理由はなぜでしょうか。

2として、調査委託業者はどこに、またどのような条件で、いつまでに調査結果を出すように委託したのでしょうか。

3として、今申し上げましたように、来年1月開催予定だった第2回目の対策協議会が、実態調査が終了していない中でなぜ開催されたのか伺います。

次に、小田原市空家等対策計画(素案)では、「特定空家等」の判定からの必要な措置や、いわゆる空き家予備軍の抑止、そして流通可能な空き屋等への対策等、小田原市空家等対策協議会が担う役割は重要で、かつ大変な作業となると推察されます。そこで、さきの総務常任委員会で委員からも質疑がありましたが、改めて「活用できる空き家」への対策と「特定空家等」への対策のどちらが優先されるのか伺います。

次に、「特定空家等」について伺います。委員会の中でも話がありましたとおり、私も、市内某所にある建物が、人が住んでいないだけではなく、老朽化し、あたり一面に草が生え、強風だとトタン屋根が飛ぶおそれがあるから何とかしてほしいとの相談を受けたことがあります。まさに「特定空家等」の部類だと思うのですが、そこで基本的なことでありますが、空き家とはあくまで住居としていたものであって、倉庫や社屋、蔵や物置等の類は入らないとの認識でよいのか。また、この「特定空家等」についても同様なのかお聞きします。

また、市内に存在するだれが見ても防犯・防災上危険で住民が不安に感じるさまざまな建物に対して、空家法の主旨である「地域住民の生命、身体又は財産の保護、生活環境の保全」のために、実態調査の結果を待つことなく、既に市民や自治会より相談されているものについては、即刻「特定空家等」判定作業を行うべきと思いますが、市長の御見解を伺います。

最後に、成人式についてと題し、(1)の来賓について伺います。

毎年、本市では新成人が実行委員会をつくり、成人式を開催いたしております。私も初当選以来、毎年成人式に出席をしておりますが、どうも腑に落ちないことがあり、質問する次第です。

まず、成人式には、現在、来賓として各地区自治会連合会長、小田原市青少年問題協議会委員、市内小・中学校長及び国・県・市議会議員等が出席していると思われますが、来賓はどのような基準で選んでいるのか。また、今申し述べましたように、来賓として市内小・中学校の現在の校長先生が御出席されておりますが、どのような理由により御出席いただいているのか伺います。

さて、数十回にわたり私も出席している成人式ですが、式典前の会場には、多くの新成人が笑顔で友人との再会を喜んだり、懐かしがっている光景を目にします。中学校卒業から5年の歳月、子供から大人へと成長し、大きな変身を遂げた若者もいるでしょう。ただ、新成人を迎える側には、新成人の中学生時代を知っている、卒業式に卒業証書を渡された校長先生ではなく、今の現役の校長先生なのです。

そこで、来賓には、新成人の中学校卒業時の校長先生に御出席いただき、大人の仲間入りを果たした卒業生の晴れの姿を披露し、ともに喜び、懐かしがる場面を演出すべきではないかと思いますが、御見解を伺い、登壇しての質問といたします。(拍手)

○議長(武松忠君) 市長、登壇願います。

〔市長(加藤憲一君)登壇〕

◎市長(加藤憲一君) 26番加藤議員の御質問に順次お答えをいたします。

初めに、市民ホール整備方針についての御質問でございました。市民ホール基本計画では、施設計画の中で施設整備の基本的な考え方として、シンプルで使いやすい施設を目指すこととしております。この基本計画は市民の皆様とつくり上げたものであり、これが整備を進めていく上での原点であると同時に、この考え方は、私が市長就任前から思い描いていたことと同じものでございます。

次に、一部機能の民間再開発事業への配置に関する御質問でございました。市民ホールには大小ホールに加え、大小ホール以外に建設費内で可能な諸室を整備することとしており、これと並行して、市民ホールには整備できない諸室を民間再開発事業の中で配置など整備の可能性を検討・調整するものでございます。いずれにいたしましても、基本計画を極力実現してまいりたいと考えているところでございます。

次に、三の丸地区における将来的な整備計画の策定についてのお尋ねでございます。三の丸地区の整備につきましては、平成20年11月に設置されました小田原駅・小田原城周辺まちづくり検討委員会におきまして、その実現の可能性や細部の検証が行われ、これを受けて、市では、平成21年に三の丸地区における周遊拠点の整備方針を示したところでございます。基本的には、この方針に沿った整備計画を検討してまいりたいと考えておりますが、今後、26番加藤議員も御指摘のとおり、三の丸地区全体の構想について検討する必要があるものと考えています。

次に、現市民会館用地の利用計画についてでございます。平成21年に示しました、三の丸地区における周遊拠点の整備方針では、市民ホール建設後に、現市民会館用地及びその周辺を活用し、周辺地区への回遊を促すガイダンス施設、大手門等の歴史的な環境を生かした広場、駐車場などの整備を進めるといたしております。今後は、この方針を踏まえつつ、三の丸地区全体の構想も視野に入れながら、具体的な現市民会館用地の利活用について検討してまいりたいと考えています。

次に、市民ホール整備に伴う道路のつけかえや歩行者動線についてでございます。これまでと市民ホールの敷地が変更となった場合でも、これに伴い、現時点で道路を廃止する予定はありませんので、道路のつけかえは想定いたしておりません。歩行者動線につきましては、市民ホールの新たな設計におきましても十分配慮することとなってまいります。市民ホール用地の区画につきましては、小田原法務合同庁舎敷地との土地の一部交換の進捗を見ながら、お堀端通り、すなわち市道0003沿いに可能な限り空地を確保して確定をしてまいる考えでございます。

次に、市民ホールからの回遊動線についての御質問がございました。小田原駅・小田原城周辺におきましては、商業・観光・歴史・文化・地場産業等の生かすべき魅力的な地域資源が豊富にありますことから、回遊性の向上や滞留時間の延長を図りますため、既に回遊ルートの設定や整備方策などの検討を進めているところであります。その中では、まず小田原駅前と小田原城や市民ホール計画を含む三の丸地区とを結ぶ主要なルートとしてお堀端通りが挙げられ、その延長線上には、回遊の重要拠点ともなり得るなりわい交流館を中心としたかまぼこ通りが位置をしてございます。そこで、三の丸地区におきましては、将来の観光交流空間の整備に向けまして、地元利害関係者や経済団体等と協議調整を図りながら、方向性を固めた上で、整備計画を策定してまいりたいと考えております。また、かまぼこ通りにおきましては、地元組織であります「かまぼこ通り活性化協議会」が発足し、まちづくり構想が策定されておりますことから、今後、具体化に向けた計画づくりに取り組んでいく予定でございます。さらに、平成29年度に着工する交流促進施設を含む小田原漁港地区や、歴史的な建築物が残る西子海小路、板橋地区などの重要なエリアへと広がりを持たせることにより、多様な回流ルートが生まれ、新たなにぎわいの創出が期待できるものと考えています。いずれにいたしましても、小田原駅・小田原城周辺の活性化に向けた回遊性の向上には、まず、お堀端通りを軸に、小田原駅前、小田原城跡、三の丸地区、かまぼこ通りに至る観光交流空間づくりに向けて、拠点・軸・面の整備のあり方について、庁内はもとより、地元との連携のもとに取り組んでまいりたいと考えています。

次に、本市の住宅政策に関し、市営住宅について何点か御質問がございました。まず、本年11月の市営住宅空き家募集では、これまでの募集の中で最も入居希望者が少ない状況でございました。市営住宅の募集方法といたしましては、家族向け住戸と単身向け住戸に区分けして行っておりますが、家族向け住戸の入居希望者数は募集戸数を下回り、地域によっては、1階でも応募がない結果となったものでございます。また、3階以上の住戸への入居希望者がいなかったことからも、入居希望者が少なかったのは、傾向として単身化や高齢化が一つの要因であろうかと考えております。

次に、昨今の募集状況でございます。市営住宅の空き家募集時における抽選を含む全体の応募倍率は、平成22年度に平均で5倍を下回り、その後は徐々に減少いたしまして、平成27年度以降は2倍を下回る状況となっています。

次に、市営住宅の課題についてでございます。課題といたしましては、建物や設備に老朽化が進んでおりますことから、維持管理を計画的かつ適切に行っていく必要があることが挙げられます。また、入居希望者は高齢者が多く、希望する住宅が低層階に集中し、高層階の空き家がふえていることも課題の一つでございます。さらに、入居者の高齢化が進む中で、いかにして良好なコミュニティを形成していくのかも重要な課題であると認識しています。

次に、市営住宅の今後のあり方でございます。市営住宅は、現在の入居率や応募倍率の低下、本市の人口減少等を踏まえますと、将来的には管理戸数を減らしていくことも必要があると考えています。そのため、耐用年限が経過している住宅につきましては、計画的な統廃合や用途廃止により、管理戸数をどのようにしていくのかの検討が必要でございます。また、耐用年限の経過していない住宅につきましては、外壁や屋上防水、給排水管など、施設を適正に維持管理することにより、長寿命化を図ってまいりたいと考えています。

次に、市営住宅の計画策定についてでございます。小田原市営住宅ストック総合活用計画は、平成18年度に改定いたしましたが、その計画期間が平成28年度末となっておりますため、今年度中の改定に向けまして、現在作業を行っているところであります。改定に当たりましては、需要や人口推計などを踏まえた目標管理戸数を定めますとともに、建てかえ、用途廃止、維持保全といった住宅ごとの整備方針を定めまして、来年度以降は改定した計画に基づき、確実に実施してまいる考えでございます。

次に、空家等実態調査の報告がされていないことについてのお尋ねがございました。実態調査の主な内容は、水道の休止情報等から空き家と思われる対象物を特定し、外観調査及び所有者の特定並びに所有者へのアンケートを行うものでございます。外観調査及び所有者の特定はおおむね終了し、現在、アンケート発送の準備を行っています。空き家の判断は、外観調査のみでは難しく、アンケートが終了した段階での報告がふさわしいと考えているものでございます。

次に、空家等実態調査の委託業者及び委託業務内容についての御質問でございます。空家等実態調査につきましては、地図情報や航空測量を行うコンサルタント会社に業務委託したものでございますが、業務内容といたしましては、水道の休止情報から歩行調査により、市内全域の空き家の可能性が高い対象物の特定、対象物の所有者を特定した後の所有者へのアンケートの実施、利活用可能な物件か、適正管理の指導が必要な物件かを分別した空家等評価報告書の作成、それらのデータをすべて網羅した空家等データベースの策定等でございます。業務委託期間は、平成28年度当初から平成28年度末としております。

次に、平成29年1月に開催予定だった第2回空家等対策協議会を調査終了前に開催している理由についてのお尋ねでございました。空き家等の問題は近年増加しており、迅速な対応が求められますことから、空き家等に関する対策についての基本的な考え方を定める空家等対策計画を早急に作成するため、空家等対策協議会を設置し、計画の作成に着手したものでございます。協議会の開催につきましては、空き家等対策が防災・防犯・環境・景観等と多岐にわたり、計画の素案をまとめる上で協議に時間をかけるべきと判断し、当初、この時期に予定していなかった第2回の協議会を開催したものでございます。なお、空家等実態調査は、利活用及び適正管理など、今後の空き家等対策に活用することを目的として、空き家等の実態把握とデータベース作成を実施しているものでございます。

次に、「活用できる空き家」と「特定空家等」への対策のどちらを優先するのかとのお尋ねでございました。現在作成中であります空家等対策計画では、「空家化の予防」、「空家等の流通・利活用の促進」及び「空家等の適正管理の促進」を対策の基本方針としております。空き家等対策は、市民の生活環境の保全を図り、あわせて空き家等の活用を促進することで、空き家等を減少させることを目的としています。したがいまして、「活用できる空き家」と「特定空家等」のどちらを優先して対策していくということではなく、総合的な空き家等対策を実施してまいりたいと考えるものでございます。

次に、空き家や「特定空家等」には倉庫や社屋等は含まれるのかとの御質問でございました。空家法第2条におきまして、「『空家等』とは、建築物又はこれに附随する工作物であって居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地」と定義されておりまして、立木その他の土地に定着するものを含むとされております。したがって、一般的な戸建住宅以外にも、物置や倉庫、事務所等も空き家等に含まれるものでございます。また、この定義は「特定空家等」についても同様でございます。

次に、「特定空家等」の判定を即刻行うべきとのお尋ねでございました。現在、地域の生活環境に影響を及ぼしていると思われる空き家についての相談が急増しているところでございまして、早急に対策を講ずる必要があることは認識しています。しかし、行政代執行をも可能にする「特定空家等」の判定は、最終的には個人の財産を侵害することが想定されますことから、慎重に対応していかなければならないものであります。「特定空家等」の判定は、近隣に影響を与えている空き家等の状態が、個人の財産権を規制するに十分に値するかを判断し、さらに、専門家等から構成される空家等対策協議会からの客観的な意見を踏まえ、判断していくものでございます。そこで、そのような状態であるかを判断する「特定空家等の判断基準」について、今後、空家等対策協議会及び庁内で十分に協議した上で作成していくこととなってまいります。

次に、成人式につきまして、来賓はどのような基準となっているのかとの御質問でございます。成人式の来賓につきましては、新成人の成長した姿を見ていただき、その門出を祝福していただくため、国・県・市議会員や各地区自治会連合会長等の地域の代表者のほか、小・中学校の校長など、新成人の成長過程においてゆかりのある方や、青少年の健全育成に日ごろ御尽力いただいている方々を招待させていただいております。

次に、学校長の招待についてでございます。現在の小・中学校長は、新成人が在学した学校の代表であり、また、在学時には学級担任や部活動の顧問として向き合ってこられた方々が多いことから招待させていただいているものであります。こうした、いわば恩師に成人式に出席していただくことが、成人となったという実感や行動に責任を持つという意識につながるものと考えているところであります。26番加藤議員御提案の卒業時の中学校長の招待につきましても、新成人にとって意義あるものと認識しておりますので、今後の検討課題とさせていただきたいと考えております。

以上をもちまして、26番加藤議員の御質問に対する答弁とさせていただきます。

◆26番(加藤仁司君) 一定の答弁をいただきましが、再質問をさせていただきます。順番は、大項目3、2、1ということでお願いいたします。

今答弁いただいた成人式の件なのですが、この成人式の来賓については、平成21年3月、予算特別委員会の総括質疑の中で、24番井原議員のほうからも指摘ということでされておりました。

ここで二つお尋ねします。成人式において、小学校、中学校の校長先生の出席の状況というのはどういう形になっているのか、その現状を伺いたいと思います。

また、今御答弁のほうを市長からいただきましたけれども、教育長は中学校の校長先生も経験されたということですので、今回のこの来賓、私がちょっと提案した部分につきまして、教育長からも御答弁をいただきたいと思います。

◎教育長(栢沼行雄君) 成人式へ招待する校長の人選についてお尋ねがございました。現在の成人式には、現役の中学校の校長が来賓として招待されておりますけれども、市長からも先ほど御答弁申し上げましたとおり、彼ら、彼女らは、新成人が中学生であった当時授業を受け持っていた世代でございます。このため、新成人にとりましては、中学校時代に親近感を持った存在として受けとめることができ、また、懐かしさも強く感じられるのではないかと思われます。26番加藤議員から御提案の、来賓に中学校卒業時に卒業証書を渡した校長を招待することにつきましては、私といたしましても、成人式をより思い出深いものとする一つの案として意義あるものと考えております。

私からは以上でございます。

◎子ども青少年部長(山崎文明君) 成人式についてのもう一点、小・中学校長の出席状況について答弁をさせていただきます。

この数年では、小学校長は5人程度の出席を、中学校長にはほぼ全員に出席をいただいている状況でございます。

以上でございます。

◆26番(加藤仁司君) 答弁をいただきました。市長、教育長ともに、今申し上げた提案については意義あるものということで受けとめていただいております。ぜひとも、いろいろな関係機関の中で、その必要性について協議をいただいて実現を図っていただければありがたいと思います。

今、部長のほうから答弁がありましたように、小学校においては、出席率はちょっと低いということであります。学校の代表という形で、もうずっと前からしているかもしれませんけれども、やはり教え子か否かということは、かなり違うのではないのかな。気持ちの上で、呼ばれたそのときの校長先生も喜んで出席されるのではないかなと思いますので、質問をさせていただきました。

それでは、次の本市の住宅施策、これは大項目2について伺いたいと思います。

市営住宅なのですけれども、今の状況の答弁をいただきました。今の小田原の市営住宅は、家族向けの形で主につくられている。単身者向けということがメーンではない。こんなことがわかったのですけれども、ただ、需要からすると単身者向けの住宅だったら需要が高くなるということで、では市のほうは、やはりサービスのために単身者向け住宅に変えていこうかな、こんなことを考えるかもしれないのですけれども、果たしてこういうことで変えることはいいのかどうか、私は疑問を感じるところであります。世間の状況に合わせる。これは行政の務めであることはわかります。ただ、きょうもどなたかの質問のときにありました自助、共助、公助、この部分、防災だけではなくて、日常の中でも、自助、共助の間に、やはり家族の共助というのがその間にあるのではないかと私は思います。自助は自分のこと、共助は他人なのですけれども、やはりその途中に家族との共助というのが必要なのではないのかなということであえて申し上げます。今回、市営住宅のこの募集結果、これが家族の共助というものが、もしかしたら薄くなってきているからこういう結果になっているのかなと私は思うわけであります。身寄りが本当にない方は別として、家族の共助体制を取り戻す努力。この中にいろいろな方策があると思います。三世代同居、また近居、また二世帯住宅、こういったことを行政が率先して導く、こういった施策が必要であるのではないかなと思います。また、ここら辺についての議論を改めていたしたいと思います。

そこで一つ質問をいたします。住宅施策が果たして公でずっと続けていかなければいけないのかどうか。ここも考えなければならない課題だと思っています。現在、民間のほうもいろいろな住宅をやられております。こういった民間の力をかりる、これが必要ではないかなと思っています。現行の市営住宅が老朽化などによって建てかえ時期を迎えたものは、今この更新を図らずに来ておりますけれども、その他の住宅も含めて、福祉施策面での支援は行政としては行うものの、募集や管理を民間にゆだねて、基本的には公設民営化といったことを図るべきではないかなと思いますけれども、御見解を伺います。

◎副市長(時田光章君) 市営住宅につきましては、基本的には、大きな方向性として公設民営化を図るべきだというような御質問でございます。まず、市営住宅の運営につきましては、入居募集時の審査でありますとか、住宅困窮度に応じた入居者の決定、あるいは収入に応じた家賃の決定等、事業主体である市が行わなければならない、そいった事務が多くて、現在の管理体制と比較いたしましても、現時点では、民間にゆだねるということをしたとしても、その事務の大幅な簡素化や経費の削減は見込めないものと考えているところでございます。また、民間委託の活用につきましては、今後、住宅の建てかえが発生したときにおけるPFIを含めました公民が連携したやり方というのがあるのではないか、こうした整備手法の検討とあわせまして、管理運営手法につきましても、御指摘のような件も踏まえまして、幅広く研究してまいりたいというふうに考えております。

以上でございます。

◆26番(加藤仁司君) 次に、空き家対策について伺いたいと思います。

その前に、今の市営住宅の部分については、今、副市長のほうからお話がありましたように、当然公がやらなければならないいろいろな情報の保全といいますか、そういったものも必要なことは十分わかっています。そこで、役割を公と民間、そういったところでうまくバランスをとってできればありがたいなと思っていますので、また引き続き研究なり検討なりをお願いしたいと思います。

空き家対策についてなのですけれども、先ほど来、これは1番木村議員のほうからも質問がありました。私もまたあえて言ったのですけれども、やはりこの調査をして実態が、所有者がわかって、そして今アンケートということで、このアンケート自体も、所有者がわかったとしても、アンケートをくれるかどうかもわからない、くれない人もいるかもしれない。そういうことで、この調査自体が完全になるというのが、例えば1年後には完全になるということも実際のところは難しいところもあるのではないかな。今回の計画自体が、3月の予算特別委員会時に示されたもの。これは変わるかもしれないみたいな言い方はあったのですけれども、やはり今回かなり大幅に変わってしまったというふうな感じがあります。そこで、この計画というかスケジュール、今回の空き家対策に関してのスケジュール、これは短期間で委託するという、そのもの自体にちょっと無理があったのではないかなと思いますので、コメントをいただきたいと思います。

◎市民部長(諸星正美君) 26番加藤議員からの空家等対策計画の策定スケジュールに関する再度の御質問でございました。現在策定中の空家等対策計画ですけれども、こちらは、学識経験者や各分野の専門家等から構成をいたします空家等対策協議会で協議して策定しているわけですけれども、計画の策定はやはり十分な議論を重ねるべきであるというふうに判断をいたしまして、当初予定をしておりました2回の協議会の開催を3回開催することと、今年度当初、具体的に事業をスタートさせるときに当たって判断をさせていただいたところでございます。また、本市の空き家等の実態を把握するために、計画策定と並行いたしまして、空き家等の実態調査を行ってございます。確かに実態調査に当たりましては、そのプロセスの中で、ただいま御指摘いただいたような懸念は全くないわけではございませんけれども、近年、空き家等の問題が増加しているという状況もございまして、私どもとしても、迅速な対応が必要であるという認識に立ってこの仕事に当たってございます。そういった意味で、空き家等に関する対策についての基本的な考え方を定める空家等対策計画をまずは早急に作成するという、そういうスケジュールとさせていただいたものでございます。また、この計画を具体的に動かしていくためには、実態調査というものもこれは不可欠でございますので、そういった意味で並行して進めさせていただき、今年度末に計画を策定いたしまして、策定後は、実態調査の結果を踏まえて対策を進めさせていただきたいというふうに考えております。

以上でございます。

◆26番(加藤仁司君) 今、部長から御答弁をいただきました。先ほどの登壇しての答弁の中に、「特定空家等」の判定については、個人財産の侵害といったことで慎重に行いたい。これは当然そう思うのですけれども、実際、「特定空家等」と思われるものがあって、そのすぐ近くに住んでいる方、この方の本当に生活権を逆に今侵害しているという事実もあるのではないかなと思います。その「特定空家等」の所有者の個人財産の侵害と、現時点で生活している人の生活権の侵害をどうするのかなというのが、どうしたらいいのかと思いますけれども、あくまでもそこも考えてくださいということです。実際に周辺住民の方々は、先ほど1番木村議員のほうからもありましたが、とにかく何とかしてもらいたいということで市のほうに相談に来ているわけです。この相談に来ている方に、今こうやって法律が変わって計画策定していますよと伝えて、満足してもらえるのか、納得してもらえるのか、そういったところは今相談に来ている方たちにはどういうふうにこれから接していくつもりなのか、それについて伺いたいと思います。
◎市民部長(諸星正美君) 26番加藤議員からの再度のお尋ねで、空き家等に関して御相談を市に対してされている方に対して、どのような説明をしていくのかということでございます。実際に平成26年度以前と、いわゆる空家法の施行以降では、相談件数というのが10件台だったものが、一気に平成27年度は41件になってございましたり、今年度も、先月末ですけれども、それに近い数字になってきてございます。それを踏まえまして、具体的にその状況の改善を所有者等にさせていただいておりまして、数件ではございますけれども、改善事例がございます。こういった段階におきましては、御相談をされた方に対しては、今こういう対応をしていますよということを申し上げているわけですけれども、あるいは、その後どうなったかというお尋ねがあれば、今こういうお願いをしていますよということは申し上げている状況でございます。ただ、その後の行政処分にかかわってまいりますと、こちらをなかなか公にしていくことが難しい事案もございます。法律に想定されるものとしては、まず「特定空家等」としての判断をした中では、なかなか改善が見られない場合に助言や指導をさせていただいて、それから勧告して、それから命令といった行政指導になります。法から読み取れるところで申し上げますと、命令をした場合におきましては、その物件に対して標識の設置等を行いますので、所在地や措置の内容ですとか、命ずるに至った事由等を公示する形になりますので明らかになりますけれども、この命令という段階に至らない場合ですと公示をいたしませんので、それまでは第三者におわかりになるような形で明示するということがなかなか難しいのではないかなというふうにも考えられます。ですから、例えば所有者の情報であるとか課税に関する情報なども含まれてございますので、こういったことを明らかにしていくということは非常に難しい側面を持っております。ただ、近隣にお住まいで御心配であったりして、また御相談に訪れていただく方に対して、どのように御説明をしていくかというのは、これも私ども今後の実務が進展していく中では、今御指摘いただいた点については、きちんと考えていかなければいけないなというふうに思っておりますけれども、ひとまずのお答えといたしましては、法の規定に基づいて対応していくということにとどまるかなというふうに思っております。

以上でございます。

◆26番(加藤仁司君) 「特定空家等」になるだろうと思われるようなところの近隣に住んでいる方々には、やはり不満・不安があるわけですから、十分な説明もしていただきたい。先ほど1番木村議員のときに加部副市長のほうからお答えがあったと思いますが、庁内で、そういったこともよく連携をとり合うというふうなこともありました。こういったことも、ぜひ相談者のほうにも伝えていただいて、なかなか時間がかかってしまうということは現実なのかなということが今回の質問を通してわかったところであります。

それでは、時間もありませんので、大項目の1番目に移りたいと思います。

初めに、原点に戻った市民ホールの建設についてということで、この原点ということは一体何なのか。これは各議員のほうからも質問がありました。私も毎回聞くと、そのたびに全く同じ答えが返ってきた。それは当然のことだと思います。ただ、やはり各議員が質問したときに、それぞれの議員の受けとめている原点というのはみんな違ってきているのがここでわかりました。例えば、8番大村議員にしても、3番井上議員にしても、まず市長の就任のときが原点だろうというお話がありました。また、16番篠原議員におかれては、原点が基本計画というようなお話があったときに、基本計画自体、ただ単にシンプルで使いやすいホールだけではない、いろいろなものが計画の中には網羅しているということで、ここの抜き出しではないかと、こんな話もあったわけでございます。

では、私はどういうふうに考えているか。シンプルで使いやすいホール、これは、先ほどつらつら長くやりましたけれども、昭和61年のときの整備計画に取りかかったときに、市長や職員、また関係者についても、やはり民間の施設ではないのだから、公の施設なのだから過度にならない、市民や利用者の使い勝手がよい施設、これをみんな目指して取り組んだはずだと思うのですよね。決して豪華な使いにくいのをつくりたいなどだれも思うわけがない。それを改めて、シンプルで使いやすいホールと市長が言われているのであれば、この言葉を表現するときに、この原点というのが、いろいろな方々が推測、憶測といいますか、いろいろな考えを持ってしまう。これはちょっと誤解を与えるのではないかなと思います。そういったことで、こちらは勝手に言いますけれども、もうその原点がどうこうではなくて、さまざまな事情によって、現時点ではもう大ホールと小ホールを優先した施設をまずつくって、そして老朽化した市民会館の代替としてまず整備をしたいのだと。そして、話も出ていました諸室においては、できる限りの整備をしたい。こう言うだけで私は伝わるのではないかなと思います。改めてこの原点という言葉、例えば今度の23日ですか、市民説明会があるようなのですけれども、こういったところで、今まで例えば昭和61年からいろいろ関心を持ってきた人は、基本計画の中身も知っている方も多いと思います。そういった方々がその原点という言葉を聞いたときに、それぞれが違う思いを持ってしまったらいけないのではないかな。今、市長が言われる原点という言葉は、この際、使われないほうがよろしいのではないのかな、このように思いますけれども、御見解を伺いたいと思います。

◎市長(加藤憲一君) 26番加藤議員からの御質問の趣旨はよくわかりました。どうしても今回、就任以降、改めて仕切り直しをしてつくり始めた市民ホールの構想、計画、設計案づくりというプロセスが、ある意味、私どもの中で一まとまりの動きの中であったということの中で、その全体のプロセス自体は、改めてこの基本計画の段階である市民ホールのところに一回立ち戻って、ここからまた仕切り直しなのだという意識が非常に強かったものですから、そういった観点で我々の意識の上で、そこは原点、そこから先にはもう戻らないというか、そこはしっかり押さえていくのだという意識で使った言葉ですので、こういうふうになってしまいましたが、おっしゃるとおり、26番加藤議員に至っては、さらにこの案件はずっと前から見てきましたし、8番大村議員もそうですし、そういうこともありますので、御指摘の趣旨は非常によく理解できますので、今後の説明の中では余分な言葉の装飾はとって、その正味の部分できちんとニュアンスが伝わるように、そういった説明に心がけていくようにしたいというように思います。

以上です。

◆26番(加藤仁司君) 市長のほうで仕切り直しという言葉もありました。ぜひともシンプルな言葉で、そしてまた聞かれる方が一つのその言葉だけでわかるような、そういった表現で臨んでいただければと思います。質問がまだあるものですからちょっと先に移らせていただきます。

次に、一部機能の検討調整。この件についてなのですけれども、これはこの先どうなるかわかりません。私は、機能の分散配置、これはさきにも述べましたように、ホールというのは、前から文化また交流そして回遊の発信拠点である、こういった施設であるというのがコンセプトであります。ただ、今回の例えば大ホール、小ホールだと言っていても、決して、三の丸という一つの地区の中では、ホールと一緒につくらなければいけないものではないのではないかな。逆に、その隣につくる。これは将来的につくるということでもいいのではないのかなと思うのですけれども、今回のこちらから見れば分散配置、これを決めたのは、本当に十分な調査や検討を重ねた上で言われているのかというのは、私にとってはちょっと疑問を持ってしまうわけです。やはり各機能を集約してこそ、市長の言われるさまざまな目的の実現を図る、こういったはずではなかったのかなと思います。今出されているものについては、あくまでも点と点を結ぶというイメージができてしまうのですけれども、そういうことの機能の分散化で、果たしてそこの基本構想あるいは基本計画といったことの実現が図られるのか、市長のお考えを伺いたいと思います。

◎文化部長(関野憲司君) 基本構想、基本計画の実現につきまして御質問がございました。市民ホールには大小ホールを必置といたしまして、この大小ホールに加えまして、建設費内で可能な限りの諸室を整備することとしております。機能の集約につきましては、諸室の多機能化によりまして、現計画地にできる限り実現してまいりたいと考えております。また、機能の一部はまちの中に配置することになりますが、全体といたしましては、基本構想の基本理念でございます「多様で豊かな市民の芸術文化活動からわきあがるクリエイティブな力と熱意が市民ホールからまちへとあふれ未来に開かれた文化都市を創造する」ということを踏まえたものにしていきたいと思っております。これによりまして、基本計画を極力実現できるよう整備に取り組む考えでございます。

以上でございます。

◆26番(加藤仁司君) 今、部長が答えられたこと、もしもそれを実現するのであれば、最初からそうすればよかったのではないのかな。わざわざ分散しなくても、そこにそういうようなことで置いて熱意が上がる。もともとやればよかっただけの話ではないかなと思います。ああ言えばこう言うという話になってしまうので、こういうような形はやはりよく調整しなければいけないのではないのかな。ここに時間的な部分として、きちんとした協議がされているのかな。そこがちょっと疑問なので、もう一度お答えいただきたいと思います。
◎文化部長(関野憲司君) ただいまの御質問、これまで検討が進んでいるのか、細かくしているのかということでございます。今の段階では、基本的には、先日、3番井上議員にお答えをさせていただきました。建設費とホール等、最近の建設の市況を見まして、どのくらいのものができるのかという、それは基本的な考え方でしております。その中で一定のめどをつけている、そういう段階でございます。

以上でございます。

◆26番(加藤仁司君) それでは、次の法務合同庁舎敷地の交換、これについての登壇しての質問については、その実現が図られた場合を想定しての整備計画策定、これを伺いました。ただ、この説明会があってから現時点で、小田原法務合同庁舎敷地跡地の一部と市民ホール建設予定地の一部交換、この動きは今どうなっているのか、それについて伺いたいと思います。
◎文化部長(関野憲司君) 小田原法務合同庁舎敷地の一部と市民ホール建設予定地の一部の用地の交換についてでございます。この土地の交換につきましては、法務省と本市の間で考え方の方向性が共有できたため協議を開始したところでございます。法務省では小田原法務合同庁舎の建てかえを考えておりまして、市民ホール整備の検討作業と並行いたしまして、土地交換に向けて協議を継続しているところでございます。

以上でございます。

◆26番(加藤仁司君) 今、文化部長の御答弁の中で、法務省と本市の間で考えの方向性が共有できたということがありますけれど、この考え方の方向性の共有というのはどういう意味なのか、もう一度御説明いただきたいと思います。
◎副市長(時田光章君) 法務省と本市との間の考えの方向性について共有しているという部分でございますけれども、私からの答弁とさせていただきます。

本市にとって、お堀端通り沿いに空地を拡張することができましたら、お堀端通り沿いに良質な景観を形成することができるということです。お堀端通りをずっと歩いてきて、馬出門の前のその空間が獲得できるということ。そしてまた、小田原城の今の馬出門は正規の登城ルートでございますけれども、その観光交流空間として、先般も商工会議所のほうからさまざまな提案をいただきましたけれども、そういったことを民間と共同でこれから積極的に話し合っていくというような可能性も生まれてまいります。また、法務省にとりましても、老朽化した庁舎の再整備に当たりまして、建てかえ場所をより柔軟に考えることができまして、適切な執務環境が確保できるという可能性がある。そういったことの双方にとってメリットがあるというようなことで考え方が一致したということでございます。

◆26番(加藤仁司君) 今、時田副市長のほうから、この後の部分はこういう形で三の丸の中の一つの整備として可能性のことが今あったと思います。観光の交流空間をつくるのだと。そういったことから、先ほども質問しました。これは8番大村議員のほうも質問されましたけれども、商工会議所で出されたこの構想について、市長はどういうふうにお考えになっているか、その感想を伺いたいと思います。
◎市長(加藤憲一君) これは8番大村議員への御答弁と似たようなことになりますけれども、小田原が保有している歴史・文化・なりわい、さまざまな観光資源、こういったものを、今までもそれぞれに存在しているのですけれども、それをきちんとつないだ形で一つの絵にまとめたということにおいては、私どもがこれからやろうとしていることの方向性と非常に合致していくものでございます。部分部分の細かなつくり込みのことはともかくとして、全体としては十分共有できるものだということで考えていますので、これを受けとめてどういう形で実現していくのか、そういった検討がともにできればなというように考えているところでございます。

以上です。

◆26番(加藤仁司君) 感想をいただきました。これは8番大村議員もおっしゃいましたけれど、例えば時田副市長が、これからのお堀端通りについてのある程度の夢というか、これからの方向、こういうのを示されました。やはり市のほうが率先して、これはあり得ないというような形までは言えないにしても、やはり市民にも夢を与える、こういった構想、また整備計画、これはぜひとも必要ではないのかなと思います。これは2回目になりますけれども、新総合計画のシナリオ集、総合計画の審議会のときには使われなかったのですけれども、これはそのときの職員の方がいろいろな思いを連ねています。夢も語っています。そういったこの夢をやはり描けるような、こういった整備計画がぜひとも必要だということを意見としてとりあえず伝えておきます。

もう一つ質問なのですけれども、三の丸地区においての整備計画を行う上で、土地の取得の現状、そして取得の経緯、これはどうなっているのか伺いたいと思います。

◎文化部長(関野憲司君) 三の丸地区の土地の取得について御答弁をさせていただきます。

平成2年3月の「小田原市本町周辺地区活力あるまちづくり促進調査報告書」では、三の丸地区が文化施設整備地区とされております。以降、三の丸地区につきましては、市民会館建てかえ等のために、めがね橋臨時駐車場跡地、小田原警察署本庁舎跡地、さらには芸術文化創造センター拡張用地を取得しますとともに、その周辺の国道1号に面しました民有地につきましても取得を進めてきたところでございます。その間、隣接いたします公共や民間事業者、住民の方々と情報交換や交渉を行いながら、ホール予定地を検討してきたところでございます。現在も三の丸地区全体の整備も視野に入れながら、市道0003、お堀端通りでございますけれども、市道0003沿いの空地の確保など、土地の活用方法を検討しているところでございます。

以上でございます。

◆26番(加藤仁司君) 質問しますと、三の丸地区の整備については、整備というものも視野に入れながら取り組んでいくということを嫌というほど聞いております。でも、ここの今対象となっている民地とか公有地、こういったところも視野に入れながらではなくて、やはり計画を持つ。この計画を示せば、民間の方も協力してくれるかもしれない。こういったことを、とにかく整備計画という形で早く実現してもらうよう望みまして、質問を終わります。