令和2年3月定例会 誠風代表質問
2020年03月01日
誠風代表・27番加藤議員、登壇願います。 〔27番(加藤仁司君)登壇 拍手〕 | |
◆27番(加藤仁司君) 通告に従い順次質問してまいります。 若干重複する質問もあろうかと存じますが、御容赦ください。 初めに、大項目の1、令和2年度施政方針の市政運営の基本方針についての中の(1)財政運営の見通しと本市の将来像について伺います。 さきの本会議において、市長より令和2年度の施政方針が示されました。本年は56年ぶりに東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が開催される年に加え、小田原駅開業100周年、そして市制80周年といった、まさしく記念すべき年であり、市長が希望の年としたいとの思いを施政方針で述べられたことに、私も共通の思いをいたしたところであります。 しかしながら、連日報道されておりますように、新型コロナウイルスの感染者やその犠牲者は日を追うごとに増加し、市中感染の危険性をはらむ中にあって、国民の関心事は、事態の収束がいつ迎えられるのか気になるところであります。 そのような中、施政方針に基づく令和2年度の予算案も提案されているところでありますが、周知のとおり、本年5月には小田原市長選挙が行われます。加藤市長は既に4期目を目指しての出馬表明をされているところですが、通常、首長選を控えた自治体は、最低限必要な経費を盛り込んで編成する骨格予算を提案し、首長の意向を反映させた事業などは後で肉づけする形態を取る自治体が多いと伺います。しかしながら、加藤市長は、2期目、3期目ともに骨格予算の形態を取らず、通常の予算編成を行ってきました。今回も同様に通常予算が示されております。そこで、令和2年度予算を骨格予算とせず、通常予算とした理由を伺います。 次に、本市の将来像を伺う上で、まず伺っておかなければならないことは、財政の問題です。平成28年度に、小田原市・南足柄市「中心市のあり方」に関する任意協議会では、講演会の開催、チラシや冊子の作成、アンケートの実施など、合併を含めた本格的な協議がなされたものの、結果的には合併に至らなかったことは周知の事実であります。その協議の中で、現在の行政サービスや税体系が変わらない前提として、令和4年における本市の財政推計では、平成28年試算では年間14.5億、平成29年の試算では年間13.8億の収支の差額が生じるとされております。そこで、南足柄市との合併がなくなった今日において、本市の財政の見通しはどのようになるのか伺います。 次に、本市では、行政活動の実効性や効率性を高めるために、実施計画事業について事務事業評価を実施していることは承知をしておりますが、果たして庁内での作業では、とかく大なたを振るうまでの抜本的な改革断行は難しい状況にあると考えます。以前、事業仕分けなる事業が全国自治体でも導入され、その事業の是非は分かれるところでありますが、第三者により本市の事務事業を評価させることも一つの観点として求めていく考えはないのか伺います。 次に、さきにも述べましたように、小田原市・南足柄市「中心市のあり方」に関する任意協議会を設置し、3270件にわたる事務事業の取扱いについて協議を重ねてまいりましたが、結果的に合併には至りませんでした。遡れば、平成20年、市長が初当選された6月議会では、私を含め各議員から合併に関する質問が行われ、当時は2市8町の県西地域合併検討会が設立されている中でありましたが、市長は、広域合併の意義は大きいものの、当面は、自治体間の経済活動連携を先行させ、交流実績と信頼を積み重ねながら、民意を確認しながら進めるべきと述べられ、将来的には合併は進むべき道ではあるが、内政課題解決と並行して検討していくとのことでありました。そして、南足柄市との2市協議が終息した後は、既に消防が実施しているように、広域で事業展開が図られるものは広域連携にシフトし、市は現在の規模を維持していくといったスタンスで間違いないのでしょうか。本市の将来像として、市単独か、広域か、あるいは合併も考えているのか、市長の御所見を伺います。 もう一つ、本市の将来像として伺うに当たり、本市を象徴するものというと何になるのでしょうか。歴史あり、自然あり、文化あり、食べ物あり、建物あり、まさしく資産の宝庫である小田原市ではありますが、やはり郷土の偉人である二宮尊徳翁は本市を象徴する人物と言えます。施政方針の「むすび」にも二宮尊徳翁の教えを引用されておりますが、一昨年は尊徳サミットが小田原市で開催されたり、映画「二宮金次郎」が制作され、昨年から全国各地において上映されているとも伺っており、全国的に、二宮尊徳翁はもとより、尊徳翁生誕の地である本市をアピールする絶好の機会であるはずです。その活用いかんでは、本市への定住人口、交流人口の増加策としても効果はあるものと考えますが、映画「二宮金次郎」の活用についてのお考えを伺います。 次に、(2)人口減少社会、少子高齢化への能動的対策について伺います。 「統計月報」令和2年2月号では、令和2年2月1日現在の本市人口が、いよいよ19万人を割り18万9715人となったとのことです。市長は、人口減少は全国的傾向であるから仕方ないと見ているのでしょうか。本議会では定住人口及び交流人口への施策の議論はよく聞くわけでありますが、自然増についてはあまり触れられておりません。実際のところ、出生率を上げない限り、現在の行政サービスを維持する施策、すなわち持続可能な社会の発展はあり得ないと私は思っております。厚生労働省が令和元年6月に発表した平成30年度人口動態統計月報年計によりますと、合計特殊出生率は1.42と、前年比0.01ポイント減という結果でありました。国は子育て支援策として各種施策を行い、本市も同様に支援策を行ってきました。しかしながら、出生率の低下は収まらないことは、果たして本当に効果をもたらす施策なのか、私自身は大きな疑問を持っております。 少子化と超高齢化によって人口ピラミッドは逆ピラミッド化となることが明確であるにもかかわらず、国及び地方自治体においては、幼児保育・幼児教育の無償化が実施され、児童手当も引き続き行うことが少子化対策と本当に言えるのでありましょうか。年々増加する高齢者福祉を維持するには生産年齢層の維持が必要であり、さらには、生産年齢層が高齢者となったときに現在の少子化がもたらす影響を鑑みるときに、その心配の種は尽きないわけであります。 そこで、平成28年にも申し上げましたが、国の小児医療費無料化や、それに伴う県及び地方自治体が対象年齢の拡大を競っていても、確かに子供を持つ家庭には助かるかもしれませんが、抜本的な少子化対策にはなっていないことは明らかで、より確実な、そして抜本的な策を講じる必要があると言ってまいりました。私は、第2子、第3子の誕生された世帯への多子傾斜給付と称した、親への扶養手当を導入すべきだと思っています。批判を恐れずに言えば、さきにも述べたように、現在の制度が今のままで、高齢者になれば社会保障を時の生産年齢層の方々の負担によって賄ってもらうのであれば、子育てをされてきた御家庭は、子供の教育費、生活費、授業料など相当な金額を負担している。片や、結婚しても子供がいない。その中には子供が欲しくても授からない御家庭もあるとは思いますが。また、家族の意向で子供はつくらないといった家庭では、子育てに係る負担はない。これはあくまで事象だけを述べておりますので誤解のないように。さらに独身者も同様であります。当然、個々の生活及び人生はそれぞれでありますが、その方々が高齢者になれば一様に様々な社会保障サービスを受けるわけであります。 だからこそ、これは国が行うのか、一地方自治体が行えるかわかりませんが、将来を見据えた中で持続可能社会を築くためには、子供の存在の有無によって社会保障費に応分の負担を求めるか、あるいは子育て世帯には所得控除などの措置を取るなどのめり張りをつけるべきだと思うのですが、市長の見解を伺います。 次に、大項目の2、重要テーマの主要な取組における「地域コミュニティモデルの進化」についての(1)自治会加入促進について伺います。 令和2年度、本市は自治会加入促進を図る施策をされようとしております。自治会加入率については、昨年の予算特別委員会において、その数値が示され、平成30年度が76.25%となっており、その数値は減少傾向とのことです。昨今の自治会加入率の低下のそもそもの理由は何か。この理由を検証しないで施策を講じても効果は得られないのではないかと考えます。地域コミュニティの必要性を説いても、多様社会においては、その選択を必要としない人もいるでしょう。しかしながら、近年多発している異常気象による豪雨等の風水害や地震等の発生によって、自分たちが避難者にならない可能性はゼロとは言えません。その点からも地域との交流は欠くことのできないものであります。防災という観点からのアプローチが必要ではないかと思います。 例えば、今申し述べたように、大規模地震や暴風雨により避難所、避難場所に避難した場合、その避難所の運営主体は、当然地域の自治会を主体とした自主防災組織が担うでしょうし、資機材、物資も、行政は自治会単位で配布されると思われ、現在配布されている「広報小田原」のように、自治会非加入世帯のために物資を住民窓口等や金融機関に配送するような状況は起き得ないと思われます。そこで、自治会非加入のデメリット部分を前面に打ち出して加入促進を図るべきと思いますが、御所見を伺います。 次に、(2)「子どもの多様な居場所の連携と進化」について伺います。 本市では、全小学校区に放課後児童クラブが設置されたことに続いて、放課後子ども教室が全学校に配置されました。共働き世帯の増加による施策だと思いますが、本件につきましては、以前から何度か一般質問の場で市長と議論させていただいておりますが、そもそも授業を終えた児童を放課後にまで学校に残さなければならないのはいまだに理解できません。 私たちが子供のころは高度成長期であり、やはり共働き家庭が増加して、「鍵っ子」という社会現象も起きたと記憶しております。子供が鍵を持っていることから鍵を奪われたり、子供の帰宅を狙った犯罪など安全についての問題もありました。現在も共働き家庭に加え核家族化が進行している状況から、子供が帰宅途中に、あるいは、帰宅後でも一人で自宅にいることが極めて安全とは言えない社会環境にあることはわかります。しかし、子供は本当に放課後まで学校にいることが楽しいのでしょうか。学校から帰ったら宿題をし、親が帰宅するまでの自由時間にゲームをしたり、友達の家に遊びに行ったり、駄菓子屋に行って買物をしたり、大人が子供の居場所をそこまで束縛する必要はないと思っております。市の施策は多くの親が望んでいるから実施されているのでしょうが、子供の気持ちを考えての施策を望みます。なぜ放課後に子供たちを学校に残さねばならないのか伺います。 次に、大項目の3、分野別方針の「いのちを大切にする小田原」における福祉・医療についての(1)市立病院の診療体制と地域医療連携について伺います。 小田原市立病院は、昭和33年に開設されてから既に60年が経過し、現在は、一般病床417床、26の診療科を有し、さらに救命救急センター及び循環器センターも存する県西地域の基幹病院として、市民をはじめ、市内外の外来患者を受け入れてまいりました。現在議論されております市立病院の建て替え問題も後に質問いたしますが、まず、県西二次保健医療圏に属する本市においては、市立病院のほかにクリニックや病床数100を超える山近記念総合病院や西湘病院等がありますが、小田原市立病院はこれらの私立の病院とどのような連携を図っているのか伺います。 次に、(2)健康づくり施策へのデータ活用について伺います。 高齢者数がピークを迎える2040年ごろの社会保障制度、いわゆる2040年問題について、厚生労働省は、社会保障の持続可能性確保のための給付と負担の見直しに加え、「健康寿命の延伸」及び「医療・介護サービスの生産性の向上」を含めた社会保障の全体像を描くべく、社会保障制度の改革を検討しております。 地方自治体において、2040年問題を見据え、医療・福祉サービスをはじめ、健康寿命延伸のために独自の施策が求められるところでありますが、本市では、疾病予防及び健康づくりの取組強化策として、データ活用を含めて令和2年度はどのような施策を考えているのかお伺いいたします。 次に、大項目の4、分野別方針の「いのちを大切にする小田原」における暮らしと防災・防犯における(1)性的マイノリティ支援事業について伺います。 本市は、昨年4月にパートナーシップ制度を導入しました。この制度は条例ではなく要綱によって定められ、議会へは報告という形で示されたものであります。 昨今、性の多様性については新聞記事やテレビ等でも時々目にする機会がありますが、これは一部の方々かもしれませんが、パートナーシップ制度が導入され、同性愛の最終目標は同性愛者による婚姻を現憲法下で可能とせよという運動を繰り広げている団体もあります。ある弁護士は、現憲法下でも同性による婚姻は可能と述べられている方もいるようですが、憲法第24条では「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない」(抜粋)とされておりまして、当然、同性による婚姻は認められていないと解釈すべきと思います。もし現憲法下で同性同士の婚姻を認めようとするのであれば、憲法改正を主張すべきだと思うのですが、そのような行動を聞いたことはありません。当然、行政は今述べてきた方々の主張に応じてパートナーシップ制度の導入を図ったということではないと固く信じるところであります。 さて、令和2年の性的マイノリティ支援事業として、ガバメントクラウドファンディング(以下「GCF」と称します)を活用した事業を考えているようでありますが、全国自治体の中でGCFを活用した事業を行ったところは滋賀県大津市だけだと思いますが、その実績が掲載されているサイトを見てみますと、支援者14名で25万8888円、達成率25.8%と、目標額の100万円を達成せずに終了したようであります。性の多様性の尊重をうたう民間団体開設のCF(クラウドファンディング)では、数百万円の目標額を達成しているところも数多くあります。そこで、自治体がCFを行う事業とした理由と、当事業の見込みについて伺います。 次に、(2)河川浸水被害対策について伺います。 昨年の台風第19号では酒匂川スポーツ広場が冠水し、その修復作業として12月定例会では1億1000万円の補正予算を可決し、復旧工事が行われていることは周知のとおりであります。地球温暖化による異常気象等が叫ばれる中、この先、昨年と同様の被害は発生しないとは言えず、同会派の7番宮原議員からは、河川しゅんせつに絡んで、その工法及び酒匂川スポーツ広場移転の可能性についての質問がされました。私からは、市民をはじめ、毎年多くの方々が利用している酒匂川スポーツ広場を当面の間、より安全に維持していくための一つの考えとして、年々利用者が減少していると伺っている、対岸にあります酒匂川左岸サイクリング場を廃止し、河川を拡幅すれば、川の流れ等も変わるため、酒匂川スポーツ広場を守れると考えますが、いかがでしょうか、御見解を伺います。 次に、質問の(3)として、防犯カメラ普及施策について伺います。 市民が安全に安心して生活するためには、いかに犯罪に遭遇しない、させないことも行政の重要な施策の一つであります。地域においては自主防犯活動を行っているところもあり、住民が一体となって防犯に対しての意識を持つことが大切です。 しかしながら、特殊詐欺は巧妙な手口で高齢者をだまし、あおり運転に代表される無謀な運転もいまだに連日報道されており、地域におけるささやかな防犯活動も制約された時間帯、人的不足などの課題も多く、地域住民の安全確保については機器に頼ることも必要です。 毎日の児童・生徒の登下校時の見守り活動、交通安全、防犯対策の上でも、各地域における防犯カメラの設置は必要だと思うのですが、昨年度の決算でも、本市における防犯カメラ設置は3台にすぎません。プライバシー保護に問題ありとの声もあるようですが、犯罪の抑止、証拠資料としてもその威力を発揮している防犯カメラの増設は必要だと考えますが、市長の御見解を伺います。 次に、大項目の5、分野別方針の「いのちを大切にする小田原」における子育て・教育についての(1)子ども会支援事業について伺います。 施政方針では、子ども会事業の企画・運営をサポートする取組として、市が養成した指導者を派遣し活性化を図るとしております。しかしながら、私の知る中では、本市の各地域において、単位子ども会が既に休会、解散しているところもかなりあるとお聞きします。このような地域にはどのような支援策を講じるのか。さらに、これは私見ですが、そもそも子ども会は子供はもちろんのこと、保護者が参加してこそ、子ども会の意味があると思っているのですが、子ども会についての市長の見解を伺います。 次に、(2)スクール・サポート・スタッフ配置について伺います。 スクール・サポート・スタッフとは、まさに忙しいと言われる教員に対し、補助員を配置することのようであります。授業における教材の準備、手配等、少しでも教員の手助けができればといった趣旨は理解するものであります。しかしながら、教員の忙しさは、本来、児童・生徒と向き合うべき時間が他の用事に割かれてしまっていることが原因の一つではないかとも推測いたします。このような教員を補助するスタッフが配置されることは大いに歓迎されるものと思いますが、学校にも多くの教員がいます。一人のスタッフに大勢の教員が用事を同時に依頼しないとも限りませんし、時間的制約を課す方もおられる可能性もあります。スクール・サポート・スタッフ配置は教員にとってありがたい施策だとは思いますが、今述べたように、スタッフ自身の負担は相当あるのではないでしょうか。トラブル発生の心配が拭えないのですが、問題点はないのか、御見解を伺います。 次に、(3)幼稚園・小学校の遊具について伺います。 施政方針では幼稚園・小学校の遊具の修繕を行うとしております。もう数十年前となりますが、私が小学生の頃は、今よりも多くの遊具が運動場にあったと記憶しております。私の子供が小学生だったころも、今よりもまだ遊具がそろっていたと思いますが、最近では、遊具の支柱のさびなどによって修繕よりも撤去の方向が多いように感じます。校庭に必ずあったブランコさえ、長期にわたり使用禁止になっていた学校もありました。 なぜこのような事態が発生しているのか推察いたしますと、遊具は学校管理下の備品であり、事故発生の際は管理責任が問われることが災いして、遊具はできれば置きたくないのではないかと思ってしまうのですが、考え過ぎでしょうか。子供も遊び方一つで危険なことをしたり、間違った使い方をして事故に遭うこともあったとしても、それは自己責任である場合も少なくないと思います。子供のときに楽しめる遊具を修繕し、安全に使用できるような環境を、全ての幼稚園・小学校に施してもらいたいと思うのですが、御見解を伺います。 次に、(4)学校現場におけるICT活用に向けた取組について伺います。 新学習指導要領が小学校においては令和2年度から、中学校は令和3年度から全面実施されます。小・中学校及び高校共通のポイントとして、情報活用能力を言語能力と同様に「学習の基盤となる資質・能力」と位置づけることや、学校のICT環境整備とICTを活用した学習活動の充実に配慮することが明記され、将来的に絶対必要とされる情報活用能力育成に取り組むこととなりました。 聞き慣れないソサエティー5.0なる言葉は、将来、快適で活力ある質の高い生活を送れるよう、経済発展と社会的課題の解決を両立させることを目的とする新たな社会を指すものであり、その実現のためには、初等中等教育において個別最適化学習にふさわしい環境を速やかに整備するため、具体的には学校に高速大容量のネットワーク環境の整備推進、義務教育段階において、令和5年度までに全学年の児童・生徒一人一人がそれぞれ端末を持ち、十分活用できる環境の実現を目指すとのことであります。 その実現のためには、地方公共団体に継続的に財源を確保し必要な支援を講ずることとしております。そこでお尋ねいたします。 国は、公立学校情報通信ネットワーク環境施設整備費補助金について、地方自治体は、令和元年度中の交付決定がなされないと充当率100%の補正予算債が活用できずに、全事業費の約5%の一般財源を充てなければならない状況になると伺っておりますが、今年度中の交付申請の予定はあるのか、また、当補助金を活用しての整備事業についての本市のスケジュール及びICT活用についての考えについて伺います。 次に、(5)家庭教育支援条例の必要性について伺います。 本市では、より効果的な教育施策実施のために、平成28年3月に策定した「小田原市教育大綱」の理念の下、平成30年3月より小田原市学校教育振興基本計画を策定しました。三つの基本目標と九つの重点方針から成る本計画は、本市の目指す子ども像を「未来を創るたくましい子ども」として、「おだわらっ子の約束」とともに、子供たちを取り巻く学校・家庭・地域社会・行政が子供の育ちを支える姿勢を大切にするという観点でつくられたことは承知しているところであります。 さて、昨今、子供を取り巻く環境として非常に残念な事件が多発しております。東京都目黒区では5歳の女児が食事を与えられずに放置され、両親が逮捕された事件、千葉県では小学校4年生の女児が父親から暴力を受け、自宅浴室で亡くなった事件等、家庭が起因と見られる重大事件が多く見られます。ここでさらに驚くことは、警察庁「少年の補導及び保護の概況」によりますと、警察が検挙した児童虐待のうち、被害児童が死亡に至った事件では、加害者の76.1%が実母であるということであります。また、神奈川県における児童虐待相談件数は、神奈川県福祉子どもみらい局によりますと、神奈川県における児童虐待相談件数は、平成26年度に2707件であったものが、平成30年度は5348件と倍増していると聞き及んでおります。 家庭教育の重要性については、さきの小田原市学校教育振興基本計画の重要方針の一つとして掲げられておりますが、3世代家族の減少、核家族の増大、ひとり親家庭の増加が顕著である今日において、身近に相談できる環境を整え、子育ての孤立、不安を払拭させることが虐待を防ぐ手だてではないでしょうか。 そこで、全国において、現在、14の自治体が家庭教育支援条例を策定し、責任ある子育てができるよう、親を支援する条例が効果を上げていると伺っております。本市においても、家庭教育に特化した支援策をうたった家庭教育支援条例を制定すべきだと考えますが、御所見を伺います。 次に、大項目6、分野別方針の「希望と活力あふれる小田原」における歴史・文化の(1)東京オリンピック・パラリンピック関連事業について伺います。 いよいよ本年は56年ぶりの東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の年となりました。この時期は、各国の代表選手選考や注目選手の動向等が連日報道されるはずでしたが、新型コロナウイルス感染症問題によって、その開催を危ぶむ声も聞かれる状況に心配している毎日であります。 さて、さきの6月定例会では、本市も参加自治体の一つとなった聖火リレーについて伺いましたが、市長は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会や聖火リレー等をきっかけとして、小田原市をどのように盛り上げようと考えているのか伺います。 次に、大項目の7、分野別方針の「豊かな生活基盤のある小田原」における自然環境の(1)ごみ減量化事業について伺います。 ごみ減量化につきましては、本市は数十年にわたり取り組んでまいりました。平成9年に新たな分別方法となったごみ収集ですが、ごみ排出量や資源率の推移では、20年間それほど大きな変化はありませんが、昨今問題となっている食品ロスは、食品販売業者だけではなく、一般家庭においても、極力無駄をなくす努力が求められております。先般、食品ロス削減推進法の基本方針に向けた会議の中で小泉環境大臣が、外食での食べ残し対策として、アメリカではドギーバッグによる持ち帰りが当たり前と、ドギーバッグが根づくよう活動したいと述べられていましたが、本市においても、同様の策を講じるつもりはあるのか伺います。 また、施政方針では、事業系ごみの減量化として、剪定枝の資源化を図るとのことでありますが、事業系ごみのみならず、剪定枝は各家庭からもかなりの量が排出される時期もあると推察いたしますが、現在のごみの出し方では、とても一度に排出できないのが現状です。そこで、事業ごみだけではなく、家庭における剪定枝収集の方法についても検討する必要があると思いますが、御見解を伺います。 最後に、大項目の8、分野別方針の「豊かな生活基盤のある小田原」における都市基盤の(1)コンパクトシティ実現のための市街地環境の整備・改善について伺います。 鉄道駅を拠点としたコンパクトシティ構想によって住民の定住化を図る上で、駅前における商業施設の充実を図ることは重要なことと思います。以前、一般質問におきまして、鴨宮駅南口は、駅前再開発によって建蔽率80%、容積率が300%とされたものの、同じ近隣商業地域である鴨宮駅北口においては、建蔽率は同じく80%ですが、容積率は200%であることから、その変更の是非をただしたことがあります。その際、市長からは、今後のまちづくりの方向を見定めてからとの答弁でありましたが、当時は、コンパクトシティという言葉も位置づけも存在しない中の議論でありました。 今申し上げましたように、コンパクトシティの実現には、駅周辺の整備充実は欠かせないものであると思います。御承知のとおり、鴨宮駅北口周辺は狭隘な道路が多く店舗も密集しております。商店街をはじめ、地元住民の皆様の協力は当然ですが、ここは市からの積極的なアプローチをすべきだと考えますが、御見解を伺いまして、登壇しての質問を終わります。(拍手) | |
○議長(奥山孝二郎君) 市長、登壇願います。 〔市長(加藤憲一君)登壇〕 | |
◎市長(加藤憲一君) 誠風・27番加藤議員の代表質問に順次お答えをいたします。 初めに、令和2年度予算編成について御質問をいただきました。令和2年度予算では、第5次小田原市総合計画「おだわらTRYプラン」後期基本計画のテーマであります「持続可能な地域社会モデルの実現」に向け、SDGsの視点を踏まえながら計画に位置づけた事業など、市民生活に直接影響する事業や国・県と協調して継続的に実施している事業を中心に予算措置を行っております。いずれにいたしましても、市政は日々継続しているものであり、地域経済への悪影響や行政の停滞を招くことのないよう、骨格予算ではなく、通常に近い形で予算編成を行ったものでございます。 次に、財政運営の見通しについてであります。財政運営の見通しにつきましては、人口減少による税収の減少や扶助費、人件費等の義務的経費の増加といった構造に大きな変化は見られませんことから、今後も厳しい財政運営が続くと考えています。しかしながら、今後も国庫補助金等の積極的な活用や第2次行政改革実行計画に基づく事務事業の見直しを図るなど、一定の歳入歳出水準を確保しつつ、将来の収支不足の見込みを解消させながら、持続可能な財政運営に努めてまいる考えであります。 次に、第三者による事務事業の評価についてお尋ねがございました。本市が過去に行った事業仕分けでは、外部有識者ならではの御意見をいただき、一部事業の見直しに至るなど一定の成果を得た一方で、外部有識者に評価していただく対象事業の選定のほか、事業自体の目的や必要性が外部有識者に十分に伝わらなかったなどの課題もございました。本市としては、現在実施しております各所管課での自己評価をまずはしっかりと進めながら、今後につきましては、第三者による評価に限らず、様々な事務事業評価の在り方を研究いたしまして、有効な手法を取り入れることを検討してまいりたいと考えています。 次に、本市の将来像についてお尋ねをいただきました。南足柄市との2市協議を通じまして、合併は最大の行財政改革となり得ることを認識したわけでございますが、結果として合併には至りませんでした。現時点において、本市から他の自治体に合併を積極的に働きかけていく考えはなく、まずは本市単独での行財政基盤を確立するため、全庁を挙げて行財政改革に取り組んでいるところであります。一方で、国の地方制度調査会などで議論されているとおり、本市が進めてきた広域連携による課題解決の取組は、今後ますます重要となりますことから、双務的・互恵的な広域連携について関係する市町とも研究し取り組んでまいりたいと考えています。 次に、映画「二宮金次郎」の活用について御質問がございました。映画「二宮金次郎」は、二宮尊徳翁の事績や教えを見事に映像化し、現在、全国津々浦々で上映会が開催されています。映画「二宮金次郎」製作委員会からは、令和2年1月末時点で、21都道府県、108の会場で上映会が開催され、既に6万人を超える方々に御鑑賞をいただいたと伺っております。映画「二宮金次郎」が制作されたことによりまして、二宮尊徳翁の知名度は高まりつつありますが、都市セールスの手段としても、様々な機会を捉え、有効活用してまいりたいと考えています。 次に、家庭の状況に応じた税負担の軽減等についてお尋ねをいただきました。主要な市税であります市民税につきましては、地方税法において家庭の人的構成に応じた扶養控除等の基準が定められておりまして、納税者には応分の負担をしていただいているものと認識しています。一方、本市では、子育て世帯の負担軽減が必要と考えておりまして、国や県の制度による児童手当の支給や小児医療費の助成を行うなど、子育て世帯への経済的な支援に努めております。いずれにいたしましても、社会保障等は、基本的に国が形づくるものでございますので、人口減少や少子高齢化といった社会構造の変化に対する、税と社会保障の制度設計を、市としてもしっかり注視してまいりたいと考えています。 次に、自治会未加入者へのデメリットの説明についてでございます。自治会総連合では、自治会カードおだわら事業、加入促進ハンドブックの作成、県宅地建物取引業協会小田原支部との協定などの加入促進事業を行っておりまして、来年度はさらに、加入案内と申込書の配布、申込受付箱の設置やポスターの掲出などを予定しております。未加入者へは、行政・地域情報の入手の利便性や災害時の避難・救助などの支え合いと安心の加入メリットを説明しておりますが、今後は、表裏となります未加入のデメリットも考えていただけるよう、その打ち出し方につきましても、自治会総連合と協議してまいりたいと思います。 誠風・27番加藤議員の代表質問のうち、教育委員会所管の御質問については、後ほど教育長から御答弁申し上げます。 次に、市立病院と私立の病院との連携について御質問がございました。国では、医療機能の分化・連携を推進することによりまして、急性期から回復期、在宅医療に至るまで、地域全体で切れ目なく必要な医療が提供される地域完結型医療を推進しています。急性期病院であります市立病院といたしましても、圏域内での完結型医療を図るため、市立病院と私立の病院等とのそれぞれの役割の明瞭化や情報共有する取組として、市立病院から回復期病院を経て早期に自宅に帰れるような診療計画を共同で作成し、運用しているところでございます。今後も、地域の私立病院等との連携を密に図りながら関係の強化に取り組んでまいります。 次に、データ活用を含めた来年度の施策についての御質問でございます。市民の健康寿命の延伸を目的として、これまで健幸ポイント事業や食を通じた健康づくりに取り組んできております。令和2年度は、新たに胃がん検診において内視鏡検査を導入するほか、食生活の見直しに役立てるため、特定健診や長寿健診等の実施時に1日の推定食塩摂取量がわかる項目を追加いたします。さらに、特定健診や各種がん検診等の受診率の向上に努めますとともに、糖尿病等の生活習慣病の重症化予防に関する取組に着手し、市民の健康寿命の延伸に向けた取組を強化してまいります。 次に、性的マイノリティ支援事業についての御質問でございます。ガバメントクラウドファンディングは、趣旨に共感された方々から寄附を募り、事業を実施する手法でありまして、この制度を活用すること自体が性的マイノリティへの支援施策を周知する啓発活動となり、理解促進につながるものと期待しているところでございます。この事業は寄附金を財源とし、集まった金額に応じて段階的に開始する方式を取っておりまして、寄附額に応じた事業内容を展開していく予定でございます。具体的には、啓発物品の作成や啓発図書を購入し、公共施設に配架することなどを考えています。 次に、酒匂川スポーツ広場の浸水被害対策についてであります。酒匂川左岸サイクリング場は老朽化が著しく、利用者数も年々減少傾向にあることに加えまして、今後も冠水被害のおそれもありますことから、施設の在り方につきましては、管理運営を委託している一般財団法人小田原市事業協会と協議してまいりたいと考えています。御提案の河川の拡幅につきましては、多角的な検討を要すると思われますので、ここでその適否をお答えすることは難しいわけでございますが、いずれにいたしましても、酒匂川左岸サイクリング場の在り方を整理した上で、河川管理者である県とも相談してまいりたいと考えています。 次に、防犯カメラの増設についてであります。防犯カメラの設置につきましては、平成29年度から県の補助金を財源に、自治会が設置する費用の4分の3の補助金を交付しております。自治会連合会を通じて各自治会へは周知しておりまして、過去3年間で9自治会12台分の助成を行ってまいりました。例年10件前後の事前相談がございますが、交付申請は各年度3自治会で、設置の要望に対してはおおむね対応ができており、令和2年度も引き続き助成して増設を図ってまいります。 次に、休会している子ども会の支援策についてでございます。本市におきましても、少子化をはじめ、役員の負担感等を理由に会員が減少し、毎年、複数の子ども会が休会する状況にございます。子ども会は、古くから子供の健全育成を担ってきており、その存在意義は大変大きいものと捉えています。そのため、市といたしましても、広報紙による加入促進などのほか、新たに子ども会活性化のための支援事業を実施する予定でございます。また、現在、休会となっている地域も含めて、子ども会に関するアンケートを全ての自治会に行っており、今後、その結果を検証してまいる予定でございます。 次に、子ども会における保護者の参画の意義について御質問がございました。子ども会は、子供たちの責任感や協調性などを育む大切な場でありますとともに、世代間交流、さらには保護者や役員のコミュニケーションの場ともなっております。27番加藤議員御指摘のとおり、子ども会の活動には保護者の参加が不可欠であると考えておりまして、広報による活動紹介や役員の研修等を通じて、保護者の理解を促し、関わりが深まっていくよう支援してまいりたいと思います。 次に、家庭教育支援条例の必要性についてであります。本市では、平成28年3月に教育の目標や施策の根本的な方針などを定めた「小田原市教育大綱」を策定し、重点方針の一つとして、家庭教育の支援を位置づけています。さらに、教育大綱を理念として平成30年に策定した小田原市学校教育振興基本計画におきましては、家庭教育への具体の支援策を盛り込み、保護者などを対象にした家庭教育講演会等を実施しております。家庭教育の重要性は十分認識しており、今後も教育大綱の理念に基づき、家庭教育への支援をしっかりと行っていく考えでありますので、現時点では家庭教育支援条例を制定するという考えはございません。 次に、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会についてでございます。私は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を、スポーツ・文化振興や小田原のシティセールス、地域の活性化を図るための絶好のチャンスであると考えています。本市では、聖火リレーも実施されますことから、子供たちが参画できる取組をはじめ、市民の記憶に残るような小田原ならではの取組を、関係者が一丸となって検討・実施し、大きな盛り上がりへとつなげてまいりたいと考えています。 次に、本市の食品ロス削減に向けた対策についてであります。事業系の削減策につきましては、27番加藤議員御指摘のとおり、まずは食べ残しを発生させない取組を行い、それでも余った料理につきましては、ドギーバッグに限らず、持ち帰ることができる体制を整えることが必要であると考えています。そこで、市内飲食店に呼びかけ、小盛りメニューの提供や持ち帰り希望者への対応などを行う食べきり協力店として登録していただき、事業系食品ロスの削減を図ろうとするものでございます。 次に、家庭から排出される剪定枝の取組についてであります。燃せるごみのさらなる減量と資源化の推進のためには、燃せるごみの約2割を占める剪定枝類の資源化が有効であると考えております。ただし、剪定枝類の資源化には、収集体制の変更や資源化処理等に相当な費用がかかることが課題として挙げられます。そこで、令和2年度は、市公共事業等から排出される剪定枝類の一部について、試験的に資源化を行おうとするものでございます。27番加藤議員御指摘のとおり、今後、段階的に家庭から排出される剪定枝類の資源化につきましても検討してまいる考えでございます。 次に、鴨宮駅北口周辺における地元へのアプローチについて御質問がございました。鴨宮駅北口周辺地区につきましては、平成9年と平成28年からの二度にわたりまして、地域住民と市街地環境の整備・改善に係る検討を行いましたが、事業実施には至らなかった経緯がございます。そうした中で、立地適正化計画におきまして、都市機能や居住の誘導を図る区域に位置づけましたことから、地区計画などの活用に向けて、改めて地元の意向を確認してまいりたいと思っております。 以上をもちまして、誠風・27番加藤議員の代表質問に対する私からの答弁とさせていただきます。 | |
◎教育長(柏沼行雄君) 誠風・27番加藤議員の代表質問のうち、放課後児童クラブ等及び学校教育に関する御質問は、私から御答弁申し上げます。 初めに、放課後児童クラブ及び放課後子ども教室について御質問がございました。子供の居場所は学校だけでなく、家庭や地域など様々な場所が考えられるべきであります。近年、少子化の進行や子供を巻き込む事件や事故の増加など様々な教育環境によりまして、子供が年齢の違う子供と遊んだり、地域の中で人々と接する機会が少なくなってしまったりしております。こうした状況を踏まえ、共稼ぎなど家庭の状況にかかわらず、希望する全ての子供の安心・安全な居場所を、児童が放課後校外に移動しないで済む学校内に整備しているものでございます。 次に、スクール・サポート・スタッフの配置についてでございます。スクール・サポート・スタッフの業務内容や運用につきましては、先行実施にしている自治体の情報を参考に、教育委員会として取りまとめたものを学校に示していく予定でございます。その際には、文書印刷や配付、授業の準備・片づけなど、直接児童の指導に関わらない業務とするとともに、スタッフの業務マネジメントを促す体制づくりについても示し、学校に適切な管理をお願いしたいと考えております。 次に、幼稚園・小学校の遊具の修繕について御質問がございました。誠風・27番加藤議員の御指摘のとおり、遊具を安全に使用できる環境を整え、親しんでもらうことは、管理者として当然のことであり、きちんと対応していかなければならないと考えております。そこで、令和2年度は、小田原市スポーツ振興・教育環境改善基金を活用し、点検業務において修繕すべきと判断されている全ての遊具を修繕することとしているところでございます。 次に、学校現場のICT環境整備の取組について御質問がございました。今般、国が財源措置した公立学校情報通信ネットワーク環境施設整備費補助金は、補助率が2分の1で、財政的に非常に有利でありますことから、申請は既に行っておりまして、これに伴う予算措置も今後予定しているところでございます。また、端末整備に活用できる別の補助金への申請についても、現在、事務を進めているところでございます。今般の国の補助制度を活用するには、令和2年度末までに校内通信ネットワークの整備、また、令和5年度末までに児童・生徒1人1台の端末を整備する必要がありますことから、本市といたしましても、そのスケジュールで事務を進めまして、新学習指導要領に沿ったプログラミング教育の充実等に活用し、子供たちの学ぶ力を育んでまいりたいと考えております。 以上をもちまして、誠風・27番加藤議員の代表質問に対しての答弁とさせていただきます。 | |
◆27番(加藤仁司君) 一定の答弁をいただきました。本市の将来像について幾つか伺ったわけでありますけれども、代表質問ということでありますので、細かい質問につきましては、これから設置されるでありましょう予算特別委員会に委ねたいと思っておりますが、2点ほど再質問させていただきます。 まず、財政の見通し、また事務事業評価、今後の本市のあるべき道につきましては、本市を取り巻く様々な環境変化によって対応は違ってくるということは理解しているところであります。そういった中での市長の姿勢について伺ったところであります。 ただ、人口減少、また少子高齢化における少子化対策は、市長からも御答弁がありましたように、国が形づけるものだということは十分に分かっております。それは分かっていながらも、例えば岡山県の奈義町というところですかね、奈義町の奇跡と言われるように、合計特殊出生率が平成26年には2.81を記録したということで、出生率が高いところは沖縄県であったり、鹿児島県のほうの島々だったり、そういったところが案外高いのですけれども、本州において、このような数、出生率を記録したというのは本当に珍しいということも伺っております。 そして、先ほど来お話ししていますように、国策であります少子化対策なのではありますけれども、ちょうど衛藤少子化担当大臣が多子加算について政府案を検討しているとの記事を最近拝見したわけであります。国は国としてこれからいろいろ考えるでしょうし、やはり自治体は自治体として何ができるのか。そういったところで様々なアイデアを出していただいて、少子化克服の施策について考えていただきたいと思うわけであります。 それでは質問に移りますが、大項目4の(1)の性的マイノリティ支援事業について再質問を一つさせていただきます。市長から御答弁をいただいたのですけれども、いろいろなGCFの手法については、私もまだ細かいところは分かりませんので、予算特別委員会の中で、どういったものかはまた議論されるのでしょうけれども、まず、先ほど別の項目で、映画「二宮金次郎」の活用について伺いました。映画「二宮金次郎」が制作されて、製作委員会のほうでもクラウドファンディングをされたと聞いています。また、市の方も、市は市としてガバメントクラウドファンディングをされたということで、一つのものについて二つのクラウドファンディングをやったのですけれども、両方とも目標値に至らなかったということを伺っております。これについては、クラウドファンディングではない別の形で資金を調達するとかいうことがあったようではありますけれども、市のほうで進めたものについては目標に到達できなかったということは事実であります。 クラウドファンディング自体、私もなかなかなじみがなくて、いろいろサイトを見て調べました。その中に解説するサイトがありまして、実行者は、プロジェクト成立の場合には、支援者との約束どおりにプロジェクトを実行する義務が発生する。プロジェクトが実行できなくなった場合には支援者に説明し、返金などの対応を行う責任がある。そして、クラウドファンディングには社会貢献やビジネス、個人の夢など様々なカテゴリーがありまして、支援者は支援をする前に、このプロジェクトは想定どおりに進むのか、また、実行者の信頼度が高いかなどを見極める必要があると、このようにうたっておるわけであります。 さて、このガバメントクラウドファンティング(GCF)は、ふるさと納税の対象ということになるようなことではありますけれども、登壇して申し上げましたとおり、滋賀県大津市も目標には至らなかったということで、果たして今回の提案されているGCFについては、十分な検討をされた上で提案されているのかというのがちょっと疑問であります。 性的マイノリティ支援策の一つとして、昨年からのパートナーシップの制度は、要綱で設けた際に、総務常任委員会への説明では、条例化については全く考えていないわけではないとの答弁がありました。GCFを支援する支援者には、さきにも申し上げましたとおり、実行者の信頼度等を見極める必要があるとしております。すなわち、行政が行うものとしての信頼、信用、これはもう十分あるとは思いますけれども、LGBT啓発事業としてGCFを行うのであれば、まずパートナーシップ制度の条例化を図った上で実施したほうが、より信頼性のある事業となると思いますけれども、いかがでしょうか。これについて1点質問させていただきます。 もう一点は、家庭教育支援条例の必要性。これについては予算化されているわけではありませんけれども、そして市長からの御答弁では、現時点では考えていないということであります。今、本当に数多くの虐待、小田原市にはないことを願うのですけれども、この虐待のことについては、千葉県では父親による虐待で幼児が亡くなった。これについては、本当に裁判員裁判の中でも、また昨日は、たしかお母さんの証人尋問があったと聞いておりまして、聞くたびに本当に心痛むものであります。まず、これは多くの家庭では起こり得ない事件でありますけれども、こういった事実もある。この中で、お隣りの静岡県では、平成23年度に小学校3年生の保護者を対象に家庭教育実態調査というような調査を行いました。その中で、「子育ての中で悩んだり不安になったりすることがありますか」といった質問に、約8割の方が「よくある」また「時々ある」との回答だったと聞いております。それぞれのいろいろ家庭の事情がありますので、行政はそれ以上例えば踏み込めない、こういったことはあるかと思いますけれども、やはりほかの自治体がこのような条例を設置していろいろな効果を上げている。こういった実態をぜひとも研究・検討していただきたいと思いまして質問させていただきました。 先ほど申した小田原市教育大綱、また小田原市学校教育振興基本計画は、児童・生徒や、また保護者の方には周知を当然されているのではありますでしょうけれども、条例化という形になりますと、当然、議会でも様々な議論もしていく必要があります。また、パブリックコメントをはじめ、多くの市民もやはりこれを知ることになって関心も高くなるのではないのかな。そのようなこともありますので、子供への虐待の防止については、保護者のみならず、市民が一体となって取り組む必要があるのではないかなということでの条例化、これが必要だと思いますけれども、再度御見解を伺いたいと思います。 | |
◎市長(加藤憲一君) 27番加藤議員から2点再質問をいただきました。後のほうの家庭教育支援条例について、私のほうから少しお話をしたいと思います。 登壇でもお話をしたとおりでありますけれども、私も連日の報道に触れて、本当に読んでいるだけでもつらくなるような内容ばかりでありまして、そういったものが特定の事案だけではなく、幾つもあるというのが、今日の日本の極めて深刻な状況だというように思います。その背景には、家庭環境の変化、家庭構造の変化、また親を取り巻く就労状況の変化と、いろいろな要素があるわけでありますけれども、とにもかくにも、家庭の在り方というものが、これほど重大な事案はもちろんとして、それ以外にも、顕在化をしないまでも、いろいろな状況がいろいろな家庭には多分恐らくあるのではないかということを懸念いたします。 そういった中で、本市では、先ほども申し上げましたように、家庭教育の講演会ですとか、あるいは家庭教育学級、こういったことをやりながら、意識のある保護者の方に集まっていただいて、お話を伝えるような機会は当然いろいろ持っておりますけれども、これまで行った総合教育会議の中でも、教育問題の非常に大きな部分として、家庭の在り方については、やはり何か議論していくべきではないかということは、度々議論が出ていますが、27番加藤議員がおっしゃるように、家庭の中のものについては、行政が政策としてなかなか踏み込みにくい部分もあって、正直まだ十分な議論ができていないということもございます。いずれにいたしましても、現時点での条例化については先ほど御答弁したとおりでございますが、御紹介いただいた幾つかの自治体では既に条例化をしているということもありますので、その条例の内容ですとかその効果等については、ぜひ研究させていただきながら、そういったところの動向も注視しつつ、我々としても少し研究してまいりたいというように考えます。 私からは以上です。 | |
◎市民部長(加藤裕文君) 性的マイノリティ支援事業につきましては、私の方から御答弁させていただきます。 まず、今回、私どもで考えておりますガバメントクラウドファンディングにつきましては、クラウドファンディングの中でも目標額に到達しなかった場合には、事業そのものを行わずに返金等を行うようなものと、それから、私どもが今回考えておりますのは、御寄附いただいた、そういう集まった収入の範囲の中でできる啓発事業を段階的な形で実施していきたいというような形で考えております。ですから、ゼロか100かではなくて、間であってもできる範囲の啓発を行っていけるのではないかというふうに考えております。 また、今回の啓発事業、パートナーシップだけではなくて、生物学的な性と、それから自認されている性との不一致など、様々な形で生きづらさを感じている性的マイノリティの方々がいらっしゃるということを、社会にはそういう方々もいて生きづらさも感じているというようなことを広く啓発していきたいというような形でのものでございまして、「小田原市人権施策推進指針」の基本理念でございます「誰もが人として大切にされ、共に生き、支え合うまちづくり」を目指して、人権尊重の観点から実施する啓発事業でございますので、必ずしも条例を必要としないというふうに考えております。誰もが安心して日々の生活を営むためには、一人一人が個人として尊重されなければならず、そのために人権尊重の意識が市民に浸透するように、様々な角度から啓発事業を実施してまいりたいと考えております。 以上でございます。 | |
◆27番(加藤仁司君) 再質問に対しての御答弁をいただきました。 性的マイノリティ支援事業につきましては、(仮称)小田原にじいろアクション事業費ということで、この予算に計上されておりますので、私のGCFの部分と御答弁いただいた部分というのは、いろいろまた複雑に違うようなので、ぜひとも予算特別委員会においての議論をお願いしたいと思います。 家庭教育支援条例につきましては、市長から御答弁いただきまして、先例の市、先例の県、こういったところの部分でどういう成果が上がっているのかというところを研究したいというありがたい言葉をいただきました。私どもも、とりあえず、近くでは静岡県がありますけれども、熊本県だったり、いろいろ全国的に散らばっておりますので、ぜひとも視察等をしたいと思っているのです。私ども議会は議会での質問をいたしますけれども、行政の特にそれに関わっている所管の方は、自分なりに質問する観点というのが、やはり議員と違う部分というのが時々見受けられます。そういったところで、先進市とか、そういったところを視察するときに、行政、そしてまた議会のほうも一緒に、そういったところに合同視察というような形で行って、よりいい成果を上げる、こういったことがぜひとも必要だと思います。これは御答弁を求めませんので、そういったことも、ぜひともまた御検討いただきたいなと思いまして、私のほうからの質問はおしまいにします。 これから先は、関連質問といたしまして、10番鈴木和宏議員から、大項目の1の中項目の(1)、(2)及び大項目3の中項目の(1)、(2)について質問をいたします。 | |
◆10番(鈴木和宏君) それでは関連質問をさせていただきます。 大項目の1、令和2年度施政方針における市政運営の基本方針について。 財政運営の見通しと本市の将来像について伺います。 財政の健全化について、会派においては大きな関心を持っております。よい施策をするにも、何か削減をする取組や新たな負担を求める仕組みは必要であると考えます。 そこで伺います。持続可能な社会の実現に向けて将来への備えも必要と考えます。今回の予算編成でどこに特色を出したのか。 次に、人口減少の取り組みについて伺います。 代表の登壇しての中では、自然減、自然増についての取り組みについて伺いました。人口減につきましては社会減の面もあります。私は角度を変えて、こちらの要因について見解を伺いたいと思います。社会減によっても、本市の人口は減少しております。要因と対策を伺います。 次に、少子高齢化への対策について。 「自分ごと」、「能動的」という言葉が施政方針には出てまいります。市民の負担は納税と活動、つまり時間を費やすことと労働を伴う活動の2点で広がっております。とりわけ活動について、市民の負担感をどのように捉えているのか伺います。 大項目の3、「いのちを大切にする小田原」における福祉・医療について伺います。 市立病院の診療体制と地域医療連携について。 地域医療連携の仕組みを整えていくことは大きな課題であると思います。さきに代表の述べた病院間の連携はもとより、在宅での取組へのサポートまで幅広い連携が求められております。今回の関連質問は、市立病院の在り方から質問をさせていただきますが、来年度の厚生労働省の予算を見ると、地方自治体の取組はいよいよ本気を求められていると感じております。 現在、市立病院の建て替えの計画が進んでおります。周辺住民だけでなく、市民全体の大きな関心事であります。計画策定の最中にも周囲の社会情勢や法令について様々な変化が進んでおります。そこで、市立病院の基本計画について伺います。現在、基本計画策定作業の2年目となろうとしております。来年度の取組について伺います。 次に、健康づくり施策へのデータ活用について伺います。 現在も既に人手不足は進んでおり、医療介護資源について限りがあるということについて真剣に考えねばなりません。配分の効果を高める対策が必要であります。将来、さらに医療・介護の需要が増え続けることと、働き手の確保が困難になることの二つの理由から喫緊の課題と言えます。マンパワーを無駄にしないためにもデータを活用して、ピンポイントで即時的にサービスを提供するような仕組みが必要であります。 そこで伺います。健康寿命の延伸のために、保険医療に関するデータ活用は重要であります。本市は、健康施策の推進のためにどのようにデータを活用しているのか伺います。 | |
◎市長(加藤憲一君) 誠風・10番鈴木議員からいただきました御質問の中で、まず、私からは2点お話をしたいと思います。 まず、令和2年度の予算編成の特色についてお尋ねをいただきました。令和2年度予算では、市民生活に直接影響する事業や、国・県と協調して継続的に実施している事業、こういったものを中心に予算編成を行いました。これは、先ほど27番加藤議員への御答弁でお話をしたとおりでございます。中でも幾つか取り上げますと、人口減少や少子高齢化に係る諸課題の解決に向けた事業として、将来の税収増にもつながり、また地域経済の活力の向上に資する優良建築物等整備事業の補助金ですとか、あるいは乳幼児期から学齢期・青壮年期に至るまでの相談・支援機能を集約した総合的なサービス提供を目的とする「おだわら子ども若者教育支援センター」の開所ですとか、こういったものがありますが、そのほか、継続して行っている数多くの事業が、そういった持続可能な地域社会に向けての目的を持った事業ということで、数多く位置づけられております。いずれにいたしましても、後期基本計画のテーマに沿って予算の重点配分を行ったものでございます。これがまず1点。 もう一点は、まちづくりにおける市民の活動の負担感についてのお尋ねがございました。これは、10番鈴木和宏議員もいろいろ地域の中で活動されている中で、恐らくいろいろな形で感じられているからの御質問だというふうに理解しておりますけれども、これまで市民の力・地域の力を土台にして、様々な取組に着手してきておりまして、そういう中では、この小田原をよくしようと思っている方が実にたくさんいらっしゃいます。そうした方たちが自主的・主体的な活動をしていただけているということを実感し、また非常に感謝しているところでございます。そうした中で、一方で、こういった課題解決の取組や現場におきましては、自治会を中心にいろいろな諸団体で担い手の不足、高齢化という非常に難しい問題に直面していることは、私も十分承知をしています。 課題が多く、困難さも増している状況の中では、そこに参加する人が知恵を出したり、力を出し合ったりしながら、そういうことによって状況を乗り越えるということがどうしても求められるわけでございまして、これを負担感と捉えてしまえば、確かに大変な状況であることには間違いないと思いますが、地域社会をよりよいものにしていく上で、それはとても大切な働きであって、力を発揮していただいている方たちには、本当にありがたい存在であり、感謝しているところでございます。 行政といたしましては、そうした市民の方たちの働きに、ただ安住して依存するということではもちろんなくて、様々なサポートをして、担い手の育成等に取り組んできたわけでございまして、そういったものの一環として、重要なものとして「おだわら市民学校」等を位置づけまして、福祉、農業、子育て支援、また環境等、いろいろな分野で課題解決に多くの方が関わっていただけるように取組をしております。こういったことをしながら、負担感というものが減っていくということと、よりやりがいを持っていただくことで、負担感というものではなく、地域のために力を尽くしているといった思いが広がっていくように、これについてはしっかり我々もコミットしてまいりたいと思っています。 私からは以上です。 | |
◎副市長(加部裕彦君) 私からは2点御答弁申し上げます。 まず、人口の社会減の問題についての再質問でございますが、本市では、まち・ひと・しごと創生総合戦略におきまして、平成26年度の社会減429人を基準に、住んでみたいまち、住み続けたいまちをつくるという観点から、社会減解消に向けた取組を実施しております。平成30年度は148人の社会減となりましたが、東京一極集中が是正されない中、20代から30代にかけての若年層の流出に対処していくことは容易ではないと考えております。しかしながら、本市では交流人口が増加傾向にあるという好機を捉えまして、この流れを関係人口や、さらには定住人口につなげられるよう、まちの魅力を高める取組を進めてまいります。 もう一点、新病院建設事業の基本計画の来年度(令和2年度)の取組でございますが、基本計画は設計を行うための与条件を整理し定めるものでございます。令和元年度は、建設地に係る検証作業のほか、現病院の患者の流れやスタッフの配置、病棟の利用状況、手術室の運用状況などの現状把握と課題を整理いたしまして、効率的な医療提供を実現するための方向性を抽出し、医療従事者からのヒアリングを進めているところでございます。来年度(令和2年度)におきましては、外来、救急、病棟、手術等の各部門の運用計画、医療機器・医療情報システムの整備計画、物流管理システム計画、概算事業費を含めた事業収支計画等の検討を進めまして、基本計画としてまとめるほか、設計等発注方式の検討も行ってまいります。 私からは以上です。 | |
◎福祉健康部長(山崎文明君) 健康施策推進のためのデータ活用につきまして答弁申し上げます。 効果的な健康施策を推進いたしますため、市民の疾病や生活習慣に関する現状を十分に把握することは重要でございます。平均寿命や死因統計に加えまして、特定健診や長寿健診等の健診結果、国民健康保険の医療費等のデータ分析によりまして、市民の病気の傾向や重点的に取り組む必要がある健康課題を見いだしまして、健康増進計画やデータヘルス計画等の政策立案につなげているところでございます。 以上でございます。 | |
◆10番(鈴木和宏君) 今、御答弁をいただきました。 私も議員という立場でございますので、主張については、やはり皆様とも立っている立場が違いますからいろいろあるかと思います。登壇しての弊会派の代表の質問では自然増についての取組もありました。私は、社会増の切り口から人口減少への取組を伺ったわけですけれども、やはりこちら既に、自然増、社会増、両方の面ともに人口を増やす取組について甘いと私は思います。増加に向けてのチャレンジがもっと必要であると思います。新たに子育てをしよう、小田原に越してきて新たな人生を送ろう、人がそういった決断をして行動に移すための施策を丁寧にするべきと私は感じております。人口減は全国的な傾向であるからこれでよいというのでは、自治体間競争、そして善政競争において即脱落と思います。意欲的な予算編成を感じるものでないと小田原の未来はないと感じます。 我が事として能動的に物事を進めるために行政は市民と何をしているのか。市長から今、やりがいというような言葉がありました。やりがいを醸成することは非常にすばらしいと思います。ただ、一部の意識の高い人たちの尽力で、今の自治会やまちづくり委員会は成り立っていると思います。人手不足の現代、忙しくない人はおりません。それでも能動的に物事に当たるためには、明確な未来を目指す理想像の共有が必要と思います。一部の人のみにビジョンの共有がなされているのは残念であると思います。疲れ切った市民を導くリーダーが必要と考えます。質問を続けます。 大項目の1、令和2年度施政方針における市政運営の基本方針について、財政運営の見通しと本市の将来像について。 持続可能な財政運営を考えたとき、市民の負担はきちんとした理解が必要だ。受益者負担についての見解を伺います。 次に、人口減少の取組について。 市民の持つ可能性をもっと前向きに捉え、力を引き出すような姿勢が求められていると思います。人口を増やすための取組はどのようなことをしているのか、また、人口は減ることを前提として捉えているのか、こちらも改めて伺います。 大項目の3、「いのちを大切にする小田原」における福祉・医療について、市立病院の診療体制と地域医療連携について。 200億円を超える建設費用の中には、建屋と高価な医療器材とで償却期間が異なるものがあり、最初の10年間は返済が厳しくなると聞いております。一般財源からの繰り出しについても限りがあるし、別会計であるので返済の負担を小さくしなければなりません。 そこで伺います。病院建設を安く上げることは、運営を考えたときにとても有効です。そのための取組にはどのようなものがあるか伺いたいと思います。 次に、診療報酬改定が今年もつい先日発表がなされました。昨年度は消費税率改正への取組が主でありましたが、今年は、いよいよ高齢化社会への取組が本格化してきたなと感じさせるものであります。そういった特色が強く出ていると思います。 そこで伺います。先日、2020年度の診療報酬改定の発表がありました。来年度の取組について伺います。 次に、健康づくり施策へのデータ活用について伺います。 少し話は変わりますけれども、子育て中のお母さんのかばんを想像してください。パンパンであると思います。さて、子供を保育所に預けて仕事場に着きました。保育所から急に電話が入り、子供が急に熱を出したと。さて、子供を迎えに行き、小児科クリニックへ連れていきますと、保険証や母子手帳、診察券にお薬手帳、兄弟がいる場合には、家に一人にするわけにいかないときなど、だっこして、大きなかばんを提げて、子供の手を引いてと、とても大変でございます。これは都内の話ではございますけれども、お母さんのかばんには小児科の診察券が平均5枚入っていると。何でこんなにあるのですかということなのですけれども、予約をしたとき、第1希望が予約の取れない場合に、第2、第3と次々電話をしていく、これで平均5枚の小児科の診察券があるのだ、これは何とかしたいよねと。切実なお願いでございます。 そこで伺います。マイナンバーカードを保険証利用することができると聞いております。本市はどのような準備をしているのか伺いたいと思います。 | |
◎市長(加藤憲一君) 人口増加策と人口減少についての考え方、再度お尋ねでございます。本市では、これまで、まちの魅力の発信や移住促進策に加えて、企業誘致策、また子育て支援策等、多様な取組を進めてきておりまして、子育て世代の移住、若者の起業、これも着実に増えてきております。ただ、10番鈴木和宏議員がおっしゃるように、それが社会増にはまだつながっておりませんけれども、そういった新しい動きが確実に出ているということも、それについても感じていただいているものと私は思います。しかし、これは12番安野議員にも先ほどお話ししたとおりでありますが、全国的に若年層が減っている、そして非婚化・晩婚化が進んでいる、出生率は上がらない。これがなかなか短期的に改善する見通しが立てにくいというのが我が国の現状でございますけれども、そうした中で人口増加策というものを進めていくということは、客観的には他地域との人の取り合い競争にどうしてもならざるを得ないということであります。10番鈴木和宏議員は、そういった意味での競争に勝たなければいけないというお話でございますけれども、そういった状況も踏まえて、私たちは、より本質的に持続可能な地域の姿をつくっていくという視点を一方で持たなければいけないというふうに思っています。 こうした状況にあって、子育て環境の整備ですとか、地域コミュニティの充実といった、いわゆる社会のソフトインフラが重要になると思っておりますし、人口減少になったとしても、そういったものをしなやかに受けとめられるだけの地域社会の「質」、これをしっかり地域のベースとして高めていくということ、これが現実的な対応として極めて重要であると私は考えています。そのことは結果的には、10番鈴木和宏議員がおっしゃるように、いい小田原と思っていただけるものの条件整備につながっていくと私は思っております。 以上です。 |