令和2年9月定例会一般質問
2020年09月01日
◆27番(加藤仁司君) 通告に従い、順次質問してまいります。
まず、家庭教育支援条例の必要性について伺います。本質問項目は、本年3月の代表質問の際に、前市長に条例制定の考えはあるか伺ったものでありますので、前置きは省略させていただくことを御了承いただきたく存じます。 3月の代表質問での前市長からの答弁では、「平成28年3月に策定された小田原市教育大綱の中で、重要方針の一つとして家庭教育の支援を位置づけている。さらに、小田原市学校教育振興基本計画においても具体の支援策として家庭教育講演会などを実施していることから、現時点では家庭教育支援条例を制定する考えはない」と答弁されております。そして、条例化されている他の自治体における内容や効果について研究していきたいとも答えております。 そこで伺います。初めに、本市における家庭環境は今、どうなっているのか。全世帯における3世代以上家族及び核家族、単身世帯の比率はどうなっているのか。児童虐待と認識される案件は、年間どのくらい報告されているのかを、まず伺います。 二つ目として、本市の小田原市学校教育振興基本計画に従い実施されている家庭教育講演会等の内容と参加人数の状況について伺います。 三つ目として、市長は過去、県議会議員としても、本県ならず他県の議員とも交流を重ねてこられたと思いますが、他県で実施されている家庭教育支援条例について、内容を伺ったことはありますでしょうか。また、本市において、家庭教育支援条例の必要性についてどのように考えられているか、御所見を伺います。 次に、市長選挙結果について伺います。 さきの5月臨時会及び6月定例会においては、激戦でありました小田原市長選挙を振り返り、市長からの所信表明をはじめ、各議員からの質疑においてもその結果について触れられておりました。特に、「コロナ禍」における特殊な状況の中で行われた選挙にもかかわらず、投票率は前回選挙を4.92ポイント上回る46.79%であったことで、その結果について市長は、市民の関心が高かったことがその要因であるとの答弁をされております。 確かに、5月臨時会及び6月定例会時には、まだ当該選挙結果調が選挙管理委員会からも提出されておらず、あくまでも数値の結果での所見を述べられたものだと思いますが、さきに選挙管理委員会が作成した「令和2年5月17日執行 小田原市長選挙結果調」では、時間別の投票数及び投票率の推移が掲載されていますが、結果的に期日前投票を除く数値、すなわち選挙日における投票率は、前回選挙時よりも5.77ポイント、マイナスになっている事実に気づきました。そのことは、前回よりも期日前投票者が多かったことと認識できるわけで、選挙期間における有権者の動向が見て取れます。このような有権者の動向、今後の選挙における投票率の推移について、私は非常に関心を持つものでありますが、選挙管理委員会においては、選挙結果調以外に今回の選挙を含めて参考となるべきデータ、例えば平成28年から実施された18歳、19歳の投票率が分かるようなデータが存在するのか伺います。 次に、今回のように投票率が伸びた原因は、有権者の関心はもとより、選挙管理委員会が投票率アップに精力を注いだ結果なのでありましょうか。この選挙において、選挙管理委員会が投票率アップのために取った施策をお尋ねいたします。 次に、本結果調を受けて、守屋市長は今回の投票率アップをもたらした要因を、有権者の関心が高かったからと述べられておりましたが、それ以外に要因となるべき事柄があれば、市長よりお示しいただきたく存じます。 最後に3、橘地域におけるバス路線について伺います。 本課題については、さきの6月定例会建設経済常任委員会の所管事務調査として、「橘地域の路線バス実証運行」についての報告がありました。これについても、詳細はあえて申し上げませんが、4年間にわたる路線バスの実証運行で、様々なルートの変更や新設路線、経由地の設置、利用の少ない時間帯の減便、路線の統合による運行台数削減などの効率化による1台当たりの輸送人員の増加策等を行ってきましたが、結果的には国府津駅方面路線の存廃を含め、大幅な検討が必要だとの結論に至ったと伺いました。また、本市は今後の方針として、この結果を地域に報告し、地域の意向、代替路線の有無などを踏まえ、引き続きバス事業者と、路線の再編について協議・調整するとしています。 そこで市長は、市長選挙の際も、地元から様々な要望も聞いていると思いますが、4年間の実証運行を経て、課題がある程度見えてきた中にあって、今後どのような方策を講じるおつもりか御見解を伺いまして、登壇しての質問を終わります。(拍手) |
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○議長(奥山孝二郎君) 市長、登壇願います。
〔市長(守屋輝彦君)登壇〕 |
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◎市長(守屋輝彦君) 27番加藤議員の御質問に順次お答えをしてまいります。
初めに、本市の家族類型別の世帯数について質問がございました。平成27年の国勢調査における状況では、世帯総数7万9007世帯に対しまして、3世代以上家族世帯は5125世帯、6.49%、核家族世帯4万6460世帯、58.8%、単身世帯2万4584世帯、31.12%となっております。 次に、児童虐待件数について質問がございました。令和元年度における本市への児童家庭相談のうち、虐待と疑われる案件は100件となっております。 次に、家庭教育講演会等の状況について質問がございました。家庭教育講演会は、毎年1回、保護者等を対象に今日的な課題をテーマに開催しており、令和元年度は「家庭で取り組むマネー教室」を取り上げ、55名の参加をいただいたところでございます。他に、各学校のPTA等が企画する講座に講師を派遣する家庭教育学級を開設しており、令和元年度は「親としての心がまえ」等をテーマに計40講座を開設し、延べ1827名の参加をいただいたところでございます。今年度は、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、開催方法を工夫して実施してまいります。 次に、他県の家庭教育支援条例の内容について御質問がございました。家庭教育支援条例については、幾つかの自治体で制定されていることは承知しております。私は、県議会議員時代のことではありますが、静岡県、熊本県、埼玉県での事例について調査研究を行ったことがございます。 次に、家庭教育支援条例の必要性について御質問がございました。本市では、教育の目標や政策の根本的な方針などを定めた小田原市教育大綱、さらにその教育大綱を理念として小田原市学校教育振興基本計画を策定し、家庭教育の支援を重要な方針の一つとして位置づけております。また、基本計画に基づき、教育委員会と市長部局の様々な部署で支援に係る事業を実施しております。家庭教育への支援は、多岐にわたる重要な施策でありますので、条例化も含め、効果的な支援の在り方について、今後も様々な部署と連携を取りながら研究をしてまいります。 27番加藤議員の御質問のうち、公表された選挙結果調以外のデータについてと投票率向上施策につきましては、選挙管理委員会委員長からの答弁とさせていただきます。 そして、投票率アップの要因についてお答えをさせていただきます。私は、6月定例会において、今回の投票率アップについては、地方公共団体である小田原市の市長を選ぶため、市民の関心が高かったことが大きな要因ではないかと述べました。そのほかの要因としては、選挙管理委員会において、従来の啓発のほかに新型コロナウイルス感染症対策を施して、有権者に投票参加を呼びかけたためと考えております。 次に、橘地域の路線バスに係る今後の取組について質問がございました。バス事業者からは、橘地域と国府津駅を結ぶ路線について、「実証運行の結果に加え、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、存続は難しい」との見解が示されております。しかしながら、私自身も地域の皆様から、「現状のバス路線を残してほしい」との切実な声を直接伺っており、路線の維持についてバス事業者との協議を進めております。また、新たな移動手段の確保に向けた地域の取組につきましては、AIを活用したデマンド型の交通や無償のライドシェアなど、次世代型交通インフラも含めた移動手段につきまして、国・県の制度を活用しながら、引き続き支援をしてまいります。 以上をもちまして、27番加藤議員への答弁とさせていただきます。 |
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◎選挙管理委員会委員長(尾崎和敏君) 27番加藤議員の御質問のうち、市長選挙結果についての、公表された選挙結果調以外のデータについてと投票率向上の施策については、私から答弁をさせていただきます。
初めに、18歳、19歳のほか年代別投票率が分かるデータが存在するのかについての御質問がございました。小田原市では、これは3か所で実施しておりますが、期日前投票についてのみ、期日前投票システムを導入して受付をしているところでございます。ですから、この期日前投票システムは電算処理しておりますので、年代別の投票率の集計をしようと思えば、割と、比較的速やかに可能であるとは思っております。ただし、今時点では、この集計はしておりません。しかしながら、当日投票について、これについては小田原市では、53か所の投票所を用意しております。53か所の投票所では、それぞれの有権者の人が投票所に来たときに、選挙人名簿抄本を用意して、それで受付をしているところであります。そのため、そこに従事する職員が手作業で、投票者一人一人の受付状況を確認しながらチェックをしております。そのため、この手作業で実施している選挙人名簿抄本を、我々のほうでは選挙が終わると、もちろん回収してございますが、年代別の投票率の集計もしくはその当該選挙区での投票状況の、例えば10代、18歳、19歳の方、もしくは20歳代、30歳代、40歳代とか、年代別の投票率を改めて集計するとすると、1か所1か所の投票所のデータを確認して集計するしか作業の方法がございません。そのために、もしその作業を実施するとなると、かなりの時間を要したりするのではないかなというのは、選挙管理委員会としても承知をしております。このようなことから、年代別投票率のデータの作成はしていないのが現在の状況でございます。 次に、市長選挙で行った投票率向上施策についての御質問がございました。投票率向上施策については、選挙啓発として、期日前投票所である市役所ロビーのモニターへの広告だとか、人が集まる鉄道駅への看板の設置など、また投票環境の整備として、投票所入り口のスロープの設置など、従来から行っているものを実施しているところはもちろんでございます。さらに、小田原市内を毎日のように公用車として運行されております市のごみ収集車での拡声放送であったり、小田原駅東西自由連絡通路での横断幕とかのぼり旗とか、また公用車のボディーパネル貼付とか、これらを行ったところでございます。また、新たに、たしか昨年の6月だったと思いますけれども、統一地方選挙が終わった後の議会のときに、議員の方からも御質問等もございました。目の不自由な人だとか、選挙公報が提出されて、それらを読む機会のない人に対して、福祉団体の協力を得て、各候補者の施策を記載した点字版であったり、その音声版の導入等はどうかというお話がございまして、「来年の市長選挙のときには実現したいと考えております」と、私自身、ここで答弁をさせていただきました。今回の5月に行われた市長選挙では、これらの声を尊重しながら、福祉団体の協力を得て、現実問題として、こういうふうな取組もしたところでございます。また、最近の若い人たちが積極的に利用しておりますインターネットであったりスマートフォンだとか、こういう中で、ツイッターによる情報発信というのも、事務局としては行ったところでございます。さらに、今回は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のために、事務局としても非常に留意しながら、それぞれの投票者に感染予防を徹底していただくように、予防対策を行った上での投票をしていただくことの呼びかけを行ったり、タウンニュースの広告掲載や防災行政無線での放送を行ったりしたところでございます。 以上をもって、27番加藤議員の質問に対しての答弁とさせていただきます。
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