令和3年12月定例会一般質問

2022年01月01日

◆20番(加藤仁司君) 通告に従い順次質問してまいります。

初めに、大項目1、生活ごみに関する諸課題について伺います。

我々が生活していく上で欠かせないごみ処理という問題については、今までも何度となく各議員から質問が繰り返されているところでありますが、今回は、主に家庭から排出されるごみに注目して質問してまいります。

まず、中項目の(1)可燃ごみの収集量の推移と処理費用について伺います。

これについては、毎年の予算特別委員会や決算特別委員会にて資料も頂いているところですが、平成9年にごみの分別改革が行われたこともあり、改めて分別改革前の状況と分別改革後の収集量の推移について伺います。

次に、焼却灰処理費用の推移はどうなっているのか、さらに、焼却灰の行方について伺います。

ごみ処理の広域化について活発な議論がなされていた平成21年にまとめられた「ごみ処理広域化の考え方」において、本市の最終処分場である堀ヶ窪埋立処分場の残余年数は2年と表にはあります。既に当時から12年の歳月が経過していますが、堀ヶ窪埋立処分場が閉鎖されたとも伺っていませんので、延命措置が図られているものと推察いたします。

そこで、現堀ヶ窪埋立処分場の残余年数はどのくらいと見込まれているのか伺います。

次に、さきの決算特別委員会にて21番武松議員の総括質疑でも触れられておりましたが、現在、焼却灰の埋立処理に秋田県、山形県、長野県、群馬県、茨城県の5か所に、資源化処理に栃木県、埼玉県、愛知県の3か所の計8か所に委託していると伺っています。

そこで、既に平成25年11月の「ごみ処理広域化の検討状況」公表に続き、平成30年にも広域化に対する検討を重ねていると市のホームページには掲載されていますが、1市3町での広域化の動きはどうなっているのか、また、ごみの埋立処分は自区内処理が原則だと思いますが、本市の考えについて伺います。

次に、(2)資源ごみの収集量の推移と市の収益について伺います。

平成9年より実施された9分別15品目(現在は9分別18品目)にわたるごみの分別が図られた当時、市議会においても様々な議論がなされていたと記憶しております。多品目の分別は市民の間で混乱を招いた時期もありましたが、資源ごみの活用、リサイクルが叫ばれた時期でもあり、厳し過ぎると言われていたごみ分別も徐々に定着して現在に至っております。

さて、その資源ごみでありますが、まず、資源ごみそれぞれの収集量の推移はどうなっているのか、また、資源ごみについては市の財産となると思われますが、収益はどのように推移しているのか伺います。

次に、(3)ごみステーションについて伺います。

初めに、現在のごみステーションの数とその配置についてはどのようになっているのか、設置場所の管理者はどうなっているのか、さらに、自治会への協力金はどのように使われているのか、現在の協力金の支給対象はどうなっているのか伺います。

次に、(4)不燃物収集について伺います。

先日の不燃物の収集日にごみステーションにごみを出しに行ったところ、一人の男が不燃物にかかっていたネットを持ち上げ、何やら物色している光景に出くわしました。私が凝視していると、その男は何も取らずに軽自動車に乗り込み、ごみステーションを後にしました。十数年前にも同じ場面に遭遇し、そのときは声をかけて持ち去りを阻止いたしました。市の「小田原市廃棄物の減量化、資源化及び適正処理等に関する条例」では、市から委託を受けた業者、その他市長が指定する者以外の者は、一般廃棄物処理計画で定める場所から収集し、又は運搬してはならないとあり、各ごみステーションにごみ持ち去り禁止の啓発ステッカーを貼ってもらった経緯もあります。

そこで、違法持ち去りの実態はあるのか、その内容は、摘発件数はどうなのか、また、不燃物収集時の監視についてはどうなっているのか伺います。

次に、大項目の2、橘地域における認定こども園の進捗について伺います。

橘地域は地勢的に二宮町と中井町に接する地域であり、昭和46年の合併時には二つの公立幼稚園が存在していたことから、私立幼稚園や民間保育施設が整備されずに推移してきました。しかしながら、昨今の保育需要の高まりから近隣の民間保育園に通わせる家庭が多くなり、以前、議会でも申し上げたとおり、下中、前羽の公立幼稚園から各小学校に入学する園児の割合は、約10年前で約50%、その後は公立幼稚園からの入学者の割合が少ない状況が続いています。そのような状況の中、橘地域に認定こども園が整備されることとなりました。既に今年初めより行政は地元にアナウンスをしていると伺っていますが、そこで伺います。

(1)の地元の理解と対応についてですが、地域に対してどのように情報伝達をしてきたのか、また、その中でどのような意見があったのか伺います。

次に、(2)入園見込数について伺います。

認定こども園設立時の入園見込数と開園後の見込数はどのように考えているのか伺います。

続いて、(3)の交通手段について幾つか伺います。

初めに、認定こども園の整備に当たって、通園する児童の送迎についてはどのように考えているのか、また、現在の下中幼稚園の敷地内に送迎用の駐車場を整備することは可能だと考えているのか伺います。

最後に、安全確保策について伺います。下中小学校と、認定こども園予定地である下中幼稚園は、道路を挟んで玄関が向かい合っています。現在、小学生の通学時間と幼稚園の通園時間は1時間ほど違うため問題はありませんが、幼稚園終業時間と小学校の下校時間が重なる際には、園児送迎車と下校小学児童が交差する時間帯もあり、現状、安全な状況ではないときもあります。

今後、認定こども園が開設した場合、今以上に施設利用車両が出入りする状況となる見込みから、小学生の登下校時における認定こども園を利用する車両などからの安全確保策はどのように考えているのかお伺いし、登壇しての質問を終わります。

 

◎市長(守屋輝彦君) 20番加藤議員の御質問に順次お答えをしてまいります。

初めに、ごみの分別改革前後の可燃ごみ収集量について質問がございました。燃せるごみとして排出される可燃ごみの年間収集量は、分別改革前の平成8年度が7万5878トン、分別改革後の平成9年度が5万6508トンとなっており、約1万9000トンの減、率にして25.5%減少しました。直近では、令和2年度が4万8806トン、平成8年度と比較して35.7%の減少となっております。なお、分別改革前後では、可燃ごみの減少に伴い、資源ごみは増加しており、資源化率の向上も図られたところでございます。

次に、焼却灰処理費用の推移について質問がございました。焼却灰の処理は、県外に委託しており、過去5年間の処理費用は、平成28年度は約2億3415万円、平成29年度は約2億2312万円、平成30年度は約2億1981万円、令和元年度は約2億2048万円、令和2年度は約1億9829万円と推移しております。

次に、処分場の残余年数、広域化の動き等について質問がございました。本市の焼却灰発生量は減少傾向にあり、堀ヶ窪埋立処分場に焼却灰を埋め立てた場合の残余年数は、令和2年度の焼却灰発生量で試算すると約4年4か月と推計されます。広域化の動きにつきましては、ごみ処理広域化実施計画に基づき、当面、小田原市と足柄下郡3町の2系統でごみ処理体制を構築することとしており、焼却灰の処理は、現在、各市町で行っております。今後、将来的な1市3町でのごみ処理広域化に向けては、焼却灰処理を含め自区内処理の考え方を踏まえた、ごみ処理体制について協議していくことになります。

次に、各資源ごみの収集量の推移について質問がございました。資源ごみの収集量につきましては、平成28年度と令和2年度で比較すると、ペットボトルは、670トンから762トンで92トン増加、トレー・プラスチック類は、1943トンから2276トンで333トン増加、缶類は、533トンから566トンで33トン増加となっている一方で、紙・布類は、1万470トンから8617トンで1853トン減少、瓶類は、1342トンから1272トンで70トン減少となっております。

次に、資源ごみによる収益の推移について質問がございました。資源ごみの収益には、鉄缶・アルミ缶などの不燃物の売却益とペットボトルなどによる拠出金がございます。資源ごみによる収益の合計は、平成28年度は約4536万円、平成29年度は約7265万円、平成30年度は約6720万円、令和元年度は約5843万円、令和2年度は約5069万円と推移しております。

次に、ごみステーションの数とその配置について質問がございました。令和3年11月1日現在で、開発事業に伴い設置されるものも含め、その数は6331か所でございます。ごみステーションは、自治会が場所を選定し、市は、道路の状況等を含め、交通や収集に支障がないかを確認しております。

次に、ごみステーションの管理者について質問がございました。自治会が設置するごみステーションにつきましては、清掃やごみ飛散防止ネットの管理等、自治会が行っております。また、アパート、マンション等開発事業に伴い設置されたものは、管理会社等の責任の下に行われております。

次に、自治会に支払われた協力金の用途について質問がございました。市では、ごみステーションの管理等への協力に対する謝礼として自治会に対し、分別収集奨励及び集積場所管理協力金を支給しております。補助金と異なり、その用途はそれぞれの自治会に一任しており、全体の把握はしておりませんが、ごみステーションの管理に必要な道具の購入などに充てている例があると伺っております。

次に、協力金の支給対象について質問がございました。協力金につきましては、以前は自治会や子ども会で資源物を集め、その売却益を自らの活動費に充てていたものを、平成9年度以降、市が収集することとなり、その経費を賄うために協力金として支出することとした経緯がございます。現在、全地区の自治会に対しまして、自治会加入世帯数に応じ支給しております。

次に、不燃物の違法な持ち去りの実態について質問がございました。缶や古紙等のごみの持ち去り行為があることは承知しております。先日も、市民からの通報を受け、警察とともに対応したケースがございましたが、そのような例は非常にまれであり、人のいない時間、場所が狙われるため、行為中を捕らえることが非常に難しいのが実情でございます。市では、市民からの通報により、該当地区の重点パトロールの実施や警察と情報共有するなど対策を講じているものの、摘発には至らない状況でございます。

次に、不燃物収集時の監視体制の現状について質問がございました。市では、持ち去り行為につきまして、パトロールの実施や看板の設置等の対策を講じております。また、自治会によっては、周辺の防犯カメラの活用や当番制による立会い等、個別に対策を講じていると伺っております。

次に、橘地域の認定こども園の地域調整について質問がございました。地域自治会とは継続して説明、意見交換等を行ってまいりました。さらに、前羽幼稚園と下中幼稚園の保護者及び子育てサークル等の利用者の方へのヒアリングや就学前児童がいる世帯へのアンケートも実施してまいりました。その中で、認定こども園の整備に当たりましては、給食の実施、駐車場整備の必要性、預かり保育の実施、園バスの運行など、様々な御意見をいただいたところでございます。今後、コロナ禍の影響で延期していた地域住民への説明会を開催し、引き続き丁寧な説明を行ってまいります。

次に、認定こども園の入園見込数について質問がございました。現時点で具体的な数字を示すことはなかなか難しい状況ですが、就学前児童がいる世帯へのアンケートでは、認定こども園の幼稚部が3歳から利用できることや、今までこの地域になかった保育機能が整備されることで、入園希望や入園を検討する旨の回答数が一定数あったことから、認定こども園へのニーズは高いと考えております。

次に、認定こども園の送迎について質問がございました。就学前児童がいる世帯へのアンケート中の通園手段の設問では、約半数の方が自家用車を利用しており、園バス利用は4分の1で、それ以外は自転車や徒歩となっております。また、保育・教育施設を選ぶ際に重視する項目として、「駐車場があること」が約半数、「園バスがあること」が約3割でございました。このことから、駐車場ニーズは非常に高く、その整備は必須のものと考えておりますが、園バスについては、安全な運行方法や専用車両の確保、運行に係る経費など、様々な課題があることから、その実現性について引き続き検討してまいります。

次に、認定こども園の駐車場の整備について質問がございました。施設整備地であります下中幼稚園敷地につきましては、都市計画道路予定地として敷地の一部が減少することや、十分な園庭を確保していくためにも、全ての送迎用駐車場を敷地内に設置することは困難と考えます。今後、基本計画の中で駐車場の整備内容を検討してまいります。

次に、認定こども園の利用車両からの安全確保について質問がございました。認定こども園の予定地は、下中小学校と道路を挟んで隣接していることから、小学校の通学路の位置や雨天時の車での送迎状況等を考慮し、駐車場を整備する必要があると考えています。一般に送迎用駐車場は、園から近いほうが保護者からは喜ばれますが、今後、基本計画を策定する際には、一定の距離を取るなど安全確保に十分に配慮してまいります。

以上をもちまして、20番加藤議員の御質問に対しての答弁といたします。

 

◆20番(加藤仁司君) 一定の答弁をいただきましたが、再質問させていただきます。

まず、可燃ごみの収集量については、答弁いただいたとおり、分別前から現在に至っては約35%強の減少となったということでありました。そして、それに伴い資源ごみは、出っこみ引っこみありましたけれども、基本的には増加し、資源率が上がっているということは、これは分別回収の成果と言えるのではないかと思います。

あの当時を振り返りますと、環境部をはじめとして職員の皆さんが、各地区に分別回収に対しての説明をかなりきめ細かくしてきた、その結果でありまして、分別に対して住民の意識も向上し、また日々の生活の中で継続的にルールに基づいて行動してきた。これは本当に市民の協力の下でなし得たものと改めて感じたところであります。

そこで、登壇でも申し上げましたけれども、現在、9分別18品目となっている分別方法ではありますが、今後についても現在と同様の分別方法で行う予定であるのか伺います。

 

◎環境部長(藤澤隆則君) 今後の分別方法についての御質問でございます。本市では、可燃ごみの減量及び資源化率のさらなる向上に向けまして、新たな分別品目として、庭木などの剪定枝を対象とすることを目的に、令和2年度から市の施設から排出される剪定枝の資源化を試験的に実施してまいりました。今後、家庭から排出される剪定枝について検証していく予定でございます。なお、近年、食品ロスや海洋プラスチックの問題、ひいては地球温暖化など、廃棄物に関係する環境問題、これらが様々にございまして、分別方法を含むごみ施策については、今後も、社会状況等を踏まえ対応していく必要があると考えているところでございます。

以上でございます。

 

◆20番(加藤仁司君) 分別の品目に剪定枝を対象とするということで、その検証を行っていくということであります。これは理解しました。

また、今、二つ目の御答弁の中に、海洋プラスチックの問題の対応についても触れられておりました。先週の金曜日ですか、読売新聞の1面に、6月に成立したプラスチック資源循環促進法が来年の4月に施行され、プラスチックごみの分別回収の導入、これは自治体の努力義務とされているらしいですが、施行3年以内に導入を検討する自治体などは72団体にすぎないとの記事がありました。財政支援等が明確でない中で、本市をはじめ多くの自治体の課題だとは思いますけれども、今後もこの動きには注視しながら、ごみ減量化、資源化が図られるよう、当局には頑張っていただきたいと思う次第であります。

それから、焼却灰の処理については、年間約2億円の経費がかかり、堀ヶ窪埋立処分場はまだまだ余力があるということも分かりました。また、広域化については、取りあえず2系統継続ということでありますが、これについては大きな問題でもありますので、改めて次の機会に触れていきたいと思います。

資源ごみの収益については分かりました。この数年、少なくとも5000万円程度の収益があることは我々も認識しておくべき数値だと思います。

ここで、(1)と(2)をまとめた質問ということになりますけれども、我々市民の日常のごみ出しは、可燃ごみも資源ごみもごみ袋に入れてごみステーションに出しております。可燃ごみについては、本市指定のごみ袋、可燃ごみ以外のごみ袋は、特に指定がなく半透明の袋ならよいこととなっております。昨今、レジ袋の有料化によりまして、エコバッグを持参して買物をする人も多く見かけるところであります。その分、俗に言うコンビニ袋、スーパーの袋等、可燃ごみ以外を入れていた袋が家庭から少なくなって、わざわざ市販のごみ袋を買っている家庭もかなり多くあると思いますが、そのような声というのは聞いたことがありますでしょうか、また、何かしらの対応策を考えていないか伺います。

 

◎環境部長(藤澤隆則君) ごみを排出するための袋、レジ袋等が活用されてきた事例が多いかということで御質問がございました。レジ袋有料化に伴いまして、可燃ごみ以外のごみの排出用に市販の袋を購入しなければならなくなったといった声は、これまでのところ、特に市に寄せられてはおりません。しかしながら、そのような家庭があることも当然認識できる範囲だと思っております。ごみの排出の際に袋を使用しない方法、これは、各ごみステーションに回収用のボックスを設置しまして直接投入する方法、こういった方法を採用している自治体もございますが、本市といたしましては、ごみステーションの数が非常に多いこと、さらには道路沿いなどはボックスの設置が難しいといったことが考えられるという状況であると認識してございます。

以上です。

 

◆20番(加藤仁司君) 市のほうも、可燃物以外のごみ袋に市販のごみ袋を購入して使用しているということは認識されているということであります。最近、ごみステーションを見ますと、コンビニエンスストアの袋とかスーパーの袋を使ってごみを出している方というのは本当に少なくなったなと感じているところであります。

そこで、再々質問として、可燃ごみ以外を排出するための袋について、市として新たに可燃ごみ用以外の指定ごみ袋の導入、また、指定ごみ袋と半透明の袋とのセット販売、こういったことを行う考えはないかどうか伺います。

 

◎環境部長(藤澤隆則君) 可燃ごみ用以外の指定袋の導入についての御質問でございます。本市では、排出機会の多い可燃ごみについては指定ごみ袋を導入してございますが、可燃ごみ以外のごみについて指定ごみ袋を導入することは、市民の皆様に対して複数のごみ袋の御購入をお願いすることとなりまして、負担感が増すのかなといった考えでございます。また、指定ごみ袋と半透明袋をセットで販売するとの御提案でございます。家庭によりまして使用する袋のサイズが様々異なるのかなというような事情もある中で、半透明袋につきましては、現在、民間の事業者により既に提供ができているというような認識でございます。そういったことから、それぞれ現時点で導入する予定はないというふうな状況でございます。

以上でございます。

 

◆20番(加藤仁司君) 導入予定はないということですけれども、今申し上げました実情があるということだけはお伝えしておきたいと思います。これからも情報収集等をしていただければありがたいと思います。

それでは、次の再質問でありますが、これはごみステーションであります。御答弁いただきましたように、ごみステーション設置には自治会が深くかかわりながら、毎日の市民のごみ出しに寄与しているわけであります。近年は、市内に外国人の労働者の方々も増えてきており、その方々も生活している以上、ごみを出しております。中には自治会に加入している方もいらっしゃるかもしれませんけれども、一時就労者については加入していないと思われます。このように以前とは状況も大変変化しており、例えば仮に100世帯全部が自治会の加入者で、100世帯分の協力金をもらう自治会と、50の加入世帯と50の自治会未加入世帯との合計100世帯のごみが捨てられる自治会の協力金が50世帯分だけでは、同じ量のごみが排出されるにもかかわらず金額に差が出てしまいます。自治会としても同じ負担でありながら金額が異なるという状況が生まれることになります。これはやはりおかしいのではないのかなと思うところであります。

そこで、ごみステーションの利用は、自治会加入世帯だけではなく、ごみ出し世帯分の協力金を出すべきではないかと思いますが、御所見を伺います。

 

◎環境部長(藤澤隆則君) 自治会未加入世帯を含めた協力金の支給についての御質問でございます。ごみ施策につきましては、市民、事業者、行政との連携により進めてきておりまして、自治会の協力なしでは成立し得ない、このような認識でございます。一方、協力金の支給につきましては、自治会未加入世帯を含めることが未加入状態の容認につながるおそれがあるといった考えもございまして、これらを踏まえまして、これまで総合的に判断してきたところでございます。その結果、これまでは協力金の算出方法を変更するには至っていない状況といったことでございます。しかしながら、今後ごみステーションの利用世帯数の把握などの課題もありまして、それらも含め謝礼金につきましては検証が必要である、このような認識でございます。

以上でございます。

 

◆20番(加藤仁司君) 今、環境部長から答弁いただいたのですけれども、この問題につきましては、登壇のときにも言いましたように、これは陳情もありました、また、私以外のほかの議員からも過去において何度か質問されてきた経緯もあります。部長の御答弁にもあったように、自治会加入への影響があるということも以前から伺っているところではありますけれども、さきに申し上げましたように、ごみ出し量が同じで、自治会加入世帯によって協力金に差が生じるということは、自治会負担の公平性の面からも検討すべき内容ではないかと思います。これについての市長の御見解を伺います。

 

◎市長(守屋輝彦君) 協力金の検討でございますけれども、自治会の皆様には、先ほどの環境部長の答弁とも一部重複しますが、本当に日頃から御協力をいただいておりまして、また、この収集にだけにかかわらず様々な観点で、このごみ問題も含めて御協力をいただいているわけでございまして、特にごみにおいてもステーションにおける美化清掃、それから維持管理等などにもお力をいただいていることは、私も十分認識しているところでございます。そして、自治会を取り巻く環境も年々変わっておりまして、自治会加入率が低下していること、それから高齢化の進展、担い手の不足、さらには単身世帯の増加など、自治会の様々活動する領域においても、様々な環境の変化や新たな課題が出てきているというふうにも認識しております。その上で、このごみ施策について、自治会との協力関係を維持しながら、さらに進めていくためにはどうしたらいいのかなということ、今の20番加藤議員御指摘の協力金の支給ということも含めまして、自治会等の意見を伺いながら、これから慎重に検証してまいりたいと考えます。

以上です。

 

◆20番(加藤仁司君) 今、市長のほうから慎重に検証してまいりたいということでありますが、現状のまま、このまま置くわけにはいかないと思っているのです。ぜひとも御検討をお願いいたします。

それでは、次に、不燃物収集における持ち去りについての再質問をいたします。持ち去りについては、さきに御答弁いただきました。市の財産収入の減収にもなってしまうということから、監視強化が必要であると思うところであります。違反行為を例えば目撃をしたとしても、なかなか住民のほうも安易に声をかけにくい、こういう状況もあると思いますので、通報等複数の情報が寄せられ、そして行為者が判明した場合には、警察へ告発するなど、より強い対応が必要であると思いますが、いかがでしょうか。御答弁をお願いします。

 

◎環境部長(藤澤隆則君) 不燃物の持ち去り行為への対策強化についての御質問でございます。不燃物の持ち去りは違法行為として市では条例で禁止し、罰則も設けているところでございます。これまでに、条例を適用し、罰金に処した事例といったものはございませんが、今後は、不法投棄の対策と同様に、行為者の把握に努め、警察とも連携し、厳正に対処してまいりたい、このように考えております。

以上でございます。

 

◆20番(加藤仁司君) ぜひともよろしくお願いします。

それでは、次に、大項目の2に移らせていただきます。

まず、内閣府のホームページを見ますと、認定こども園に対する国の行政窓口は、「認定こども園に関する事務については、内閣府子ども・子育て本部で一元的に対応します。なお、学校教育法上に位置づけられている幼稚園について文部科学省、児童福祉法上に位置づけられている保育所について厚生労働省と各種法体系の連携を図っていきます」とあります。

そこで、本市においてはどこの部局が認定こども園の所掌事務を行うのか、まず伺います。

 

◎子ども青少年部長(杉崎智君) 認定こども園の所管についての御質問でございます。本市におきましては、認定こども園の所管は子ども青少年部となります。

以上でございます。

 

◆20番(加藤仁司君) 分かりました。

次に、中項目に対してそれぞれ御答弁をいただきました。駐車場の確保や送迎車対応など、これから様々な課題が表面化するように思われるところでありますが、地元や議会に報告されているスケジュール表では、今年度に基本計画の策定及び地域調整、来年度は設計工事に入るということになっています。今の状況では、従来示されました整備スケジュールではとても厳しいのではないかと思うところでありますが、スケジュールについて変更はあるのか伺います。

 

◎子ども青少年部長(杉崎智君) 認定こども園の整備スケジュールについてのお尋ねでございます。認定子ども園の開設は、令和6年度当初を目途としておりましたけれども、コロナ禍の影響で、自治会関係者との調整、子育て世帯向け説明会、地域住民説明会の開催などが予定どおりに行えなかったところでございます。また、基本計画の策定や工事関連調査も未着手であることから、当初お示ししたスケジュールでの開設は難しいと考えております。入園時期の関係から、年度途中での認定こども園の開設は難しいことも踏まえまして、今後、基本計画を策定していく中で、改めてお示しをしたいと考えております。

以上でございます。

 

◆20番(加藤仁司君) やはり厳しいですよね。スケジュールの変更につきましては、本当にこれは速やかに関係各局に報告したほうがいいと思います。

それでは、次の再質問に移ります。この橘地域の認定こども園の入所希望者、これは市内居住者に限定されるのか、そして就業場所が本市内である他市町の方が希望された場合はどうなるのか伺います。

 

◎子ども青少年部長(杉崎智君) 認定こども園の入所希望者の選定方法についてのお尋ねでございます。認定こども園には、幼稚部と保育部があり、入所の際の取扱いが異なります。現在の入所選考では、保育を必要とする事由を指数化し選考しており、市内居住者を優先する対応を取っていることから、認定こども園の保育部におきましても、同様の取扱いになる予定でございます。また、幼稚部の入所選考につきましては、橘地域の公立幼稚園の統合が背景にあることも踏まえまして、運営基準を策定していく中で定めていきたいと考えております。

以上でございます。

 

◆20番(加藤仁司君) 入所希望者の対応については理解しました。

次に、通園児童の送迎についてですが、アンケート結果、これは果たして行政が予想していたような結果だったか分かりませんが、いろいろな課題が挙げられたと認識するところであります。

そこで、橘地域の認定こども園の周辺交通の検討には、交通に関わる幅広い層からの意見集約が必要だと思いますが、市の考えを伺います。

 

◎子ども青少年部長(杉崎智君) 認定こども園の周辺交通の検討方法についてのお尋ねでございます。子育て世帯へのヒアリングやアンケートにおきまして、雨天時の周辺交通の現状から整備予定地周辺の登降園時及び駐車場の利用時の安全確保策を講じてほしいとの御意見をいただいております。今後、市が開催する住民説明会では、施設利用予定者だけでなく、日頃周辺道路を利用している市民などからも幅広い意見をお聞きしまして、安全で利用しやすい施設整備を行っていきたいと考えております。

以上でございます。

 

◆20番(加藤仁司君) 地域住民の幅広い意見を伺う、このような答弁でありますけれども、現在、橘北地区、また前羽地区、これにはまちづくり委員会が存在しているところであります。現状、様々な関係団体が関わります組織として、橘地域の認定こども園の周辺交通の検討には、まちづくり委員会の分科会で議論いただくということが、地域の状況を踏まえた、よりよい施設整備にもつながると思うのですが、市の考えを伺います。

 

◎子ども青少年部長(杉崎智君) まちづくり委員会分科会での周辺交通の検討についてのお尋ねでございます。20番加藤議員の御提案のとおり、まちづくり委員会分科会で、認定こども園の周辺交通を地域課題として取り組んでいただけるのであれば、御検討いただきまして、その結果を踏まえまして、地域の状況に合った、安全で利用しやすい施設整備を行ってまいりたいと考えております。

以上でございます。

 

◆20番(加藤仁司君) 今、子ども青少年部長のほうで、まちづくり委員会分科会で行っていただけるのであればということなのですけれども、御承知のように、まちづくり委員会は二つ、関連するところは橘北と前羽と全く別の組織という格好になるわけです。ですから、ここの一つの課題を、この二つのまちづくり委員会がもしも協議するということになると、やはりその橋渡しというか調整役が必要ではないのかな。そこにはぜひとも行政のほうでそういう調整をしていただきたいなと、このようにお願いをするところであります。

さて、橘地域におけます認定こども園については、るる質問させていただいたわけであります。この認定こども園については、私は本当に大いに期待しているところであります。登壇しての質問のときには申し上げませんでしたけれども、乳幼児を持つ保護者の意識、どうしても保護者の意識というのはやはり子供に向けられるわけです。それで、その子供が通う自治体、橘地域であればやはり中井町と二宮町が多いのですけれども、そういった自治体のほうに関心を持ってしまうという部分もあります。住まいは橘地域、小田原市ではあるのですけれども、やはり関心はほかの自治体という状況を、何とか小田原市というか橘地域に持ってもらいたいなということで、これによってコミュニケーションを地域内で育んでいただくというような意図もありまして、認定こども園を大変歓迎しているわけであります。そのような思いは自分だけかもしれませんけれども。

先ほど本市の所掌事務はどこかと伺って、子ども青少年部だということは分かりました。確かに事務はそうなのですけれども、この設置によりまして、先ほど言いましたコミュニティの推進、そしてまた、場合によっては人口流入の可能性等、幅広い変化が見込まれることもあり得るかもしれない。すなわち、行政であれば多くの部署、また様々な施策にも関わる重要な施設になり得る可能性もあるのではないかなと勝手に思っているところであります。ぜひとも地域調整をしっかり図っていただきまして、多少スケジュールはずれるということになってしまうのですけれども、認定こども園の整備、この推進を心から願いまして、一般質問を終わらせていただきます。

ありがとうございました。(拍手)